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環境省の脱炭素経営の 支援について 脱炭素経営フォーラム 平成 30 年 11 月 28 日 環境省地球環境局長森下哲

アウトライン 脱炭素経営の意義 脱炭素経営による企業価値向上促進プログラム 今後 脱炭素経営で目指していただきたい社会像

脱炭素経営の意義

パリ協定の意義 パリ協定の採択により 脱炭素化が世界的な潮流へ 2015年12月 パリ協定が採択 すべての国が参加する公平な合意 2 目標 今世紀後半に温室効果ガスの排出量と吸収量の均衡を達成 パリ協定の目標は 排出ゼロ COP21においてパリ協定が採択 2017.12 気候サミット パリ 非政府主体の果たす役割 目標が重要に 4

持続可能な開発目標に向けて このままでは世界が立ち行かない という国際社会の強い危機感も背景に 2015年9月 国連持続可能な開発サミットで 持続可能な開発目標 SDGs が採択 ①貧困 ②飢餓 ③保健 ④教育 ⑤ジェンダー ⑥水 衛生 ⑦エネルギー ⑧成長 雇用 ⑨イノベーション ⑩不平等 ⑪都市 ⑫生産 消費 ⑬気候変動 ⑭海洋資源 ⑮陸上資源 ⑯平和 ⑰実施手段 ロゴ 国連広報センター作成 5

実は 目の前にある巨大マーケット 各種報告書において 気候変動対策に関連した巨額の投資額が見 込まれている 2 目標と整合するシナリオでは 建物 産業 運輸の3部門の省エネや電力部 門の脱炭素化を達成するため 2017 2060年に累計約16.7兆USド ル 約1837兆円 の追加 投資が必要 Energy Technology Perspectives 2017 IEA 2017年 Energy Technology Perspectives 2017が出さ れた2017年6月6日の相場 約110円 ドル を用い て概算 気温上昇を産業革命前から2 に抑え た状態では 適応対策費用 世界 は 2025 2030年では年間14 30 兆円 2030 2050年では年間28 50兆円 Adaptation Finance Gap Report 2016 UNEP 2016年 資源効率性の向上のために求められる 9000億USドル 99兆円 を投資すると900 2500万人の新たな雇 用が創出出来る(2030年時点) 資源効 率性 潜在的可能性及び経済的意味 (UNEP-IRP 2016年) UNEP-IRPが出された 2016年5月16日の相場 約110円 ドル を用いて概算 潜在的なマーケットをいかに獲得するか

拡大する ESG 投資 国連責任投資原則 (PRI: 企業経営における環境 社会 ガバナンスを考慮する ESG 投資 ) へ署名する金融機関 投資家は 1965 機関に拡大し (10 年で 5 倍 ) これらの機関による ESG 投資も拡大 出所 NPO 法人日本サステナブル投資フォーラム公表資料より環境省作成 7

CDP から企業への情報開示要請 CDP が ESG の E に特化した質問書の送付 データとりまとめを行い 機関投資家が利用する環境情報として利用されるものとなっている 企業の開示した情報をもとに スコアリングを実施している 機関投資家 要請 ( 署名 ) データ 分析 マネジメント リーダシップ (A A-) 質問書送付 回答 情報開示 (D D-) 現状の把握 認識 (C C-) 環境リスクが自社にどのような影響をもたらすか (B B-) 環境リスクやその影響をどのように管理しているか 環境リスクをどのように解決できるか 世界中の企業 無回答企業のスコアは F 8

9 脱炭素経営の主流化に向けて 環境省は 我が国企業の価値向上に向けて 国際的に評価される気候関連情報の開示 目標設定を行う企業を積極的に支援

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD) 各国の中央銀行総裁および財務大臣から なる金融安定理事会(FSB)の作業部会 投資家等に適切な投資判断を促すための 気候関連財務情報開 示を企業等へ促すことを目的とした民間主導のタスクフォース G20がFSBに 金融セクターが気候関連課題 をどのように考慮すべきか検討するよう要請 FSBは 民間主導による気候関連財務情報開 示タスクフォース TCFD を設立 2017年6月に自主的な情報開示のあり方に関 する提言(TCFD報告書)を公表 TCFD報告書 出所 気候関連財務情報開示タスクフォース, 気候関連財務情報開示タスクフォースによる提言 最終版, 2017, iv vページを基に環境省作成 10

TCFDからの情報開示要請 TCFDは全ての企業に対し ①2 目標等の気候シナリオを用 い ②自社の気候関連リスク 機会を評価し ③経営戦略 リスクマネジメントへ反映し ④その財務上の影響を把握 開 示することを求めている 気候関連リスク 気候関連機会 経営戦略 リスクマネジメントへの反映 財務上の影響の把握 財務報告書等での開示 出所 金融庁 金融安定理事会による 気候関連財務情報開示タスクフォースによる最終報告書 に関する説明会 ス TCFD による報告書について 9ページから環境省作成 資料 気候関連財務情報開示タスクフォー 11

TCFDへの賛同状況 513の機関がTCFDへの賛同を表明 2018年10月時点 日本企業は30社 その他機関3 2018年10月時点 環境省も2018年7月27日に賛同を表明 賛同表明している金融機関の資産総額は 2018年9月時点で既に 100兆USドル近く に上っており その後も増加 2 0 1 8 年 9 月 TC F D ス テ ータ ス レポート より 日本の支持表明企業等一覧 18年10月時点 金融 15 東京海上 みずほフィナンシャルグループ 三菱UFJフィナンシャルグループ 三井住友フィ ナンシャルグループ SOMPOホールディングス MS&ADホールディングス 大和証券グ ループ 三井住友トラストホールディングス 滋賀銀行 日興アセットマネジメント 日本政策投資銀行 野村ホールディングス 第一生命 りそなホールディングス 日本取引所グループ 住友化学 国際興業 日立製作所 ジェイテクト コニカミノルタ 三菱商事 日本電気 非金融 15 野村総合研究所 積水ハウス 住友林業 リコー 双日 大和ハウス 川崎汽船 三菱ケミカルホールディングス その他機関 3 環境省 金融庁 日本公認会計士協会 12

SBT(Science Based Targets) の設定 企業は パリ協定の目標達成を目指した削減シナリオ (2050 年までに2010 年比 49~72% のCO2 排出削減 ) と整合した目標を設定し 実行する 企業単位の取組みを投資家や金融機関に見える化し 投資を促す目的 スコープ3を含む サプライチェーン全体での削減を目指す 排出量 2050 年を目指した削減率に沿って 5-15 年後の削減目標を設定する 2010 年比 49% 削減 ( 必須 ) = 毎年同率とすると年 1.7% 削減 2010 年比 72% 削減 ( 推奨 ) = 毎年同率とすると年 3.1% 削減 2010 2025~2030 2050 年 13

SBT 認定取得済は世界で 151 社, 日本は 32 社 世界的には食料品製造業が 日本では電気機器の製造企業が最も多い 日本の 32 社はアメリカの 37 社に次ぐ世界 2 位 ( 次いでイギリス 13 社 フランス 10 社 ) すでに認定を受けている日本企業 32 社の一覧 2018 年 11 月 20 日現在 建設業 : 住友林業 積水ハウス 大和ハウス工業 戸田建設 LIXILグループ食料品 : アサヒグループホールディングス キリンホールディングス サントリー食品インターナショナル サントリーホールディングス化学 : 住友化学 積水化学工業 ユニ チャーム医薬品 : アステラス製薬 第一三共機械 : コマツ ナブテスコ電気機器 : コニカミノルタ ソニー 日本電気 パナソニック 富士通 富士フイルムホールディングス ブラザー工業 リコーその他製品 : アシックス印刷 : 大日本印刷海運業 : 川崎汽船 日本郵船情報 通信業 : 野村総合研究所小売 : アスクル 丸井グループサービス業 : 電通 業種内五十音順 下線付の企業は環境省 SBT 策定支援事業参加企業 (2017 年度 ) なお 金融の業種に該当する企業は SBT 事務局において業種別の認定基準を検討中であるため 認定が行われていない [ 出所 ]Science Based Targets ホームページ Companies Take Action(http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/) より作成業種分類は事務局が日本標準産業分類等に当てはめ作成 14

15 [ 出所 ]Science Based Targetsホームページ Companies Take Action(http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/) より作成 SBT に参加する日本企業は年々増加 日本企業の取組は 2017 年度以降 一層加速している 2018 年 11 月 20 日現在 2018 年 11 月 20 日までに認定企業 32 社 コミット企業 33 社 合計 65 社まで拡大 累計企業数グラフ

RE100 への参加 2014 年に結成した事業を100% 再エネで賄うことを目指す企業連合 参加企業は世界で154 社 日本は13 社 (2018 年 11 月 ) 参加企業 再エネ 100% 達成目標年 達成進捗 2016 年 2015 年 アプローチ リコー 2050 年 15% - 環境事業開発センター ( 御殿場市 ) にて 1,100MWh の太陽光パネル導入 マイクロ水力発電の実用化 木質バイオマスエネルギーボイラーの導入など 積水ハウス 2040 年 3% - 自社が販売した太陽光パネル搭載住宅のオーナーから FIT 買取制度終了後の余剰電力を購入など アスクル 2030 年 0% - 物流センター新設時に太陽光パネルを設置 大和ハウス工業 2040 年 - - ワタミ 2040 年 - - イオン 2050 年 - - 城南信用金庫 2050 年 - - 風力 太陽光 水力の再エネ導入を推進 2017 年 12 月末時点で 227MW の発電設備を設置 その発電量は総電力使用量 481GWh の 6 割に相当 秋田県で 3 基の風力発電を稼働 北海道でメガソーラー事業を展開再エネの地産地消を支援する地域電力会社を 2 社設立 自家消費用として自店舗への太陽光パネル設置 再エネ電力への切替 電力事業グループ会社からの再エネ電力購入など 電力小売り事業者との契約 非化石証書付電力の購入太陽光パネル 自家用発電設備の設置など 丸井グループ 2030 年 - - ブロックチェーン技術により発電所が特定された再エネ電力を購入 富士通グループ 2050 年 - - 国内外の拠点において各地域に応じた再エネ電力を調達 研究開発や技術実証による再エネ普及 エンビプロ ホールディングス 2050 年 - - 自社工場への太陽光発電設備導入による再エネの自家消費促進 ソニー 2040 年 - - 自社工場への太陽光発電設備導入や自己託送制度の活用による再エネの自家消費促進 芙蓉総合リース 2050 年 - - 2050 年までに事業活動による電力の 100% 再エネ化を目指すとともに 再エネの普及拡大や地域社会貢献にも取り組む コープさっぽろ 2040 年 - - トドック電力における再エネ比率 100% メニュー等の再エネ普及事業の維持 発展に取り組む ( 出所 )RE100 ホームページ (http://there100.org/) RE100 Annual Report 2016 各社ニュースリリース等を基に環境省作成 16

SBT RE100 企業はサプライヤーにも脱炭素経営を要請 SBT はサプライチェーン全体の削減対象となり サプライヤーに排出量削減のエンゲージメントを求める企業もでてきている Apple( 米 ) 自社の影響力の強いサプライヤーから再エネ転換を開始 Apple 製品の集積回路のパッケージ基板を生産しているイビデン ( 岐阜県大垣市 ) は (Appleへ納品する製品の製造に要する消費電力分を ) 再エネに切り替え ウォルマート ( 米 ) スコープ 3 の CO2 排出を 2030 年までに 2015 年比で 1 ギガトン (10 億トン ) 削減する目標を設定 サプライヤーに対して目標設定と取組実施を要望 ( 出所 )Science Based Targets ホームページ資料より作成 http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/ ( 出所 ) アップル社ウェブサイトを基に環境省作成 ( 出所 ) ウォルマート社ウェブサイトを基に環境省作成 17

脱炭素経経営による 企業価値向上促進プログラム 第一の柱 : 野心的な脱炭素経営の目標設定の支援第二の柱 : 脱炭素経営のネットワークづくり第三の柱 : 気候変動リスク チャンスを織り込む経営の支援

第一の柱 : 野心的な脱炭素経営の目標設定の支援 SBT 設定を目指す企業を支援 SBT 認定を目指す企業を対象に 合同説明会や個社別の目標設定支援を実施 2018 年度は 応募のあった 57 社に対して合同説明会を開催 うち 21 社に対して個社別支援を実施 2018 年 SBT 設定支援参加企業一覧 建設業 : エコスタイル / 大気社 / 前田建設工業 下線付企業は個社別支援実施企業食料品 : カルビー / 日清製粉グループ本社 / 日本ハム / 雪印メグミルク化学 : 信越化学工業 /DIC/ デンカ / 日産化学 / 日本化薬 / 日本バルカー工業 / 三菱ケミカルホールディングス / ライオン医薬品 : エーザイ / 小野薬品工業 / 塩野義製薬 / 大日本住友製薬 / 大鵬薬品工業ゴム製品 : 住友ゴム工業 / 住友理工ガラス 土石製品 : 日本特殊陶業非鉄金属 : フジクラ機械 : ジェイテクト電気機器 : アズビル / アンリツ / ウシオ電機 / オムロン / シャープ / 日新電機 / 日本光電工業 / 日本電産 / 浜松ホトニクス / フォスター電機 / 富士通ゼネラル / 安川電機 / ローム輸送用機器 : 豊田自動織機 / 三菱自動車工業印刷 : 凸版印刷精密機器 : シチズン時計 / ニコンその他製品 : イトーキ / 堀場製作所 / ミズノ / ヤマハ陸運業 : 佐川急便空運業 : 日本航空情報 通信業 : 伊藤忠テクノソリューションズ /SCSK/ エヌ ティ ティ データ / 西日本電信電話小売業 : ファミリーマート金融 保険業 : 三菱 UFJフィナンシャル グループ不動産業 : 三菱地所サービス業 : NTTファシリティーズ 19

第一の柱 : 野心的な脱炭素経営の目標設定の支援 2017 年度 SBT 支援参加企業の声 感想 シェアの大きい 業界から製品の製造における排出量を下げることを求められている 他者との競合もあるので サプライチェーン上のビジネスリスクが大きい IR 部門から 機関投資家の半数が海外の投資家であり 削減目標を何故作らないのか と問われた 役員報酬の中長期業績連動で サステナビリティ評価が加味されるようになった 2 目標達成は一社だけの削減努力だけではなく 排出量を減らしていく必要がある 20

第一の柱 : 野心的な脱炭素経営の目標設定の支援 21 RE100 アンバサダーとして取組を開始 2018 年 6 月 環境省は RE100 にアンバサダーとして参画 自らの庁舎や施設で再エネ率先導入に取り組み また その輪を広げる 2018 年度は 中小企業 5 社 ( ) に対して 再エネ電力導入に関する個社別支援を実施 ( エコワークス / 大川印刷 / 精電舎電子工業 / 艶金化学繊維 / リマテックホールディングス )

第二の柱 : 脱炭素経営のネットワークづくり 脱炭素経営を目指すネットワークを設立 SBT 設定を目指す企業や目標設定済みの企業が 互いの課題や活動状況について情報共有を行い 課題解決を目指すもの ネットワークには 再省蓄エネ関連のソリューション提供企業も < 支援会員 > として参加し SBT を設定をした企業や 設定を目指す企業に対しソリューションに関する情報提供を行う 2018 年 11 月現在 49 社が参加 目標設定会員 支援会員 SBT 目標設定済み企業 目標設定を目指す企業 ノウハウ提供 SBT コミット済み企業 情報共有 ニーズ ソリューション 機会創出 再エネ開発事業者 再エネメニュー提供新電力 ESCO 事業者 金融機関 22

23 第二の柱 : 脱炭素経営のネットワークづくり ネットワーク第 1 回勉強会を開催 2018 年 10 月 29 日 第 1 回の勉強会を開催 計 101 名が参加 SBT 認定企業の事例発表やソリューション紹介を行った後 SBT 設定を巡る課題などについて意見交換 第一回勉強会の様子

第三の柱 : 気候変動リスク チャンスを織り込む経営の支援 TCFD に沿ったシナリオプランニングを行う企業を支援 1 2 3 2018 年度は TCFD 提言書に沿ったシナリオプランニングを実施しようとする 6 社 ( ) に対して 個社別支援を実施 ( 伊藤忠商事 商船三井 住友林業 東急不動産 日本航空 三菱自動車 ) 支援のステップ 気候変動の影響が大きい事業領域の特定 リスク チャンスを網羅的に把握 重要度決定 単年収益 ( 円 ) シナリオプランニングイメージ オプション 2 ( リスク チャンス獲得ケース ) 現状の事業計画 4 5 気候変動シナリオの範囲 選定 各種パラメータの設定 XX 億円の財務影響 6 シナリオプランニング ( シュミレーション ) の実施 7 事業への影響を評価 2020 2025 2030 2035 2040 年度 オプション (2 シナリオ未対応ケース ) 24

第三の柱 : 気候変動リスク チャンスを織り込む経営の支援 25 2018 年度シナリオ分析支援参加企業の声 感想 気候変動に関する世の中の動きが速いので TCFD の活用方法を学ぶ良い機会として本事業をとらえている 今回のシナリオ分析で 気候変動の自社に及ぼす影響が定量化されることで 経営陣が自分事としてとらえることを期待している

第三の柱 : 気候変動リスク チャンスを織り込む経営の支援 ESG 対話を促進するプラットフォームを整備 環境活動に積極的に取り組む企業が投資家等から適切に評価され 資金が流れるよう ESG 対話を促進するプラットフォーム 750の企業 投資家が参加 (2017 年度時点 ) 情報開示基盤整備事業スキーム図 ( 出典 : 環境省 ) 26

今後 脱炭素経営で 目指していただきたい社会像

従来の延長線上にない取組とイノベーションの必要性 大幅削減の実現には 従来の延長線上にない更なる対策 イノベーション が 必要であり エネルギー 土地 都市 インフラ 交通と建物を含む 及び産業 システムにおける 広範囲に及ぶ社会的なイノベーションが必要 我が国における対策の加速化の必要性 温室効果ガス排出量 従来の取組 2050年までに80 削減は 従来の取組の延長では実 現が困難 2030年度 26%減 2050年 80%減 今世紀後半に温室効果 ガスの人為的な排出と吸 収のバランスを達成 28

地域循環共生圏 第5次環境基本計画の基本的方向性 各地域がその特性を生かした強みを発揮 地域資源を活かし 自立 分散型の社会を形成 地域の特性に応じて補完し 支え合う 29