自律的無線ネットワークによる被災情報提供システム ~ 避難所間ネットワーク構築技術 ~ サブグループ I 担当山口大松野浩嗣広島国際大重安哲也
サブグループ検討課題 : 避難所間ネットワーク構築技術の開発 課題 1: 避難所間ネットワーク構築手法の検討 ローカルネットワーク 局所地域における面的利用ネットワーク 各局所地域内の避難所間を相互接続する 無線 LAN アクセスポイントの配置手法の確立 基幹ネットワーク 中 広域地域間での線的利用ネットワーク ( 回線 ) ローカルネットワーク間を相互接続する 基幹基地局の設置手法の確立
サブグループ検討課題 : 避難所間ネットワーク構築技術の開発 課題 2: 無線チャネル自動設定手法の確立 無線機間の電波干渉 ( パケット衝突 ) を軽減するチャネル割当手法 キャリアセンス ( 搬送波検知 ) 型送信制御方式での隠れ端末の影響を軽減する
課題 1: 避難所間を接続するためのネットワーク構築手法の検討
避難所間ネットワーク構築技術 島嶼間 ( 周防大島町 ) 災害対策本部 ローカルネットワーク 基幹ネットワーク 平野部 市街地 ( 都市中心部 ) 山間部
避難所間ネットワーク構築技術 島嶼間 ( 周防大島町 ) 災害対策本部 ローカルネットワーク 基幹ネットワーク 平野部 市街地 ( 都市中心部 ) 無指向性アンテナ 山間部 ローカルネットワーク ( 局所無線ネットワーク ) 災害発生後に小規模の避難所避難所間で無線ルータで自律的に構築する
避難所間ネットワーク構築技術 指向性アンテナ 島嶼間 ( 周防大島町 ) 災害対策本部 指向性アンテナ ローカルネットワーク 基幹ネットワーク 指向性アンテナ 平野部 指向性アンテナ 市街地 ( 都市中心部 ) 基幹ネットワーク ( 広域無線ネットワーク ) 山間部 指向性アンテナ 無線 LAN を用いて 避難所間無線ネットワーク を構築する ネットワークのバックボーンとなる基幹ネットワーク 災害発生前に耐震性の高い避難所間であらかじめ構築する
無線システム各規格 ( 引用元資料 : ワイヤレス ブロードバンドシステムと活用事例 ( 中国総合通信局無線通信部 )) 方式 地域 WiMAX 無線 LAN(Wi-Fi) 高出力無線 LAN IEEE 規格 802.16e-2005 802.11a 802.11b 802.11g 802.11n 802.11j 周波数帯 2.575~ 2.595GHz のうちの 10MHz 5.15~5.35GHz ( 屋内利用 ) 5.47~5.725GHz ( 屋外利用可 ) 2.4~2.4835GHz 2.471~2.497GHz 2.4~2.4835GHz 802.11a, g, j と同じ (5.03~ 5.091GHz を除く ) 4.9~5.0GHz 5.03~ 5.091GHz 空中線電力 FB:20W 以下 ML:0.2W 以下 10mW/MHz 10mW/MHz 10MW/MHz 20MHz 幅は a, g, j と同じ.40MHz 幅はその 1/2 50mW/MHz 250mW が上限 最大伝送速度 下り :20.47Mbps 上り :11.52Mbps (10Mhz 幅 ) 54Mbps (20MHz 幅 ) 11Mbps 54Mbps (20MHz 幅 ) 150~600Mbps (40MHz 幅, MIMO) 54Mbps (20MHz) 通信距離数 Km 100m 程度 100m 程度 100m 程度 100m 程度数 Km 周波数利用専用共用共用共用共用共用 免許制度要免許不要不要不要不要登録制 ローカルネットワーク用 基幹ネットワーク用
避難所間を接続するネットワーク構築手法 避難所間ネットワーク設置プラン生成 被災想定地区の避難所データに基づき, 以下を決定 基幹 ローカル各無線基地局の選定 指向性アンテナのビーム構成方向の決定 避難所データ 耐震性, 収容人数, 地理条件
提案アルゴリズム ( 案 ) の概要 (1/4) 1. 避難所間の山 建物の無線通信の障害を考慮して, 避難所間の無線リンクの通信可否を判定 ⅰ)d ij Dmax かつ避難所同士の見通しが利く hd ij 標高差 hd 避難所 j 標高差 hd ik 障害物 k 距離 d ij 距離 d ik 避難所 i ⅱ)d ij Dmax でも避難所同士の LOS が取れない ⅰ) ) の場合は接続接続可能 避難所間の重み w ij = d ij ⅱ), ),ⅲ)) の場合は接続接続不可能 避難所間の重み w ij = ⅲ)d ij > Dmax 標高差 hd ik hd ij 標高差 hd 距離 d ij 避難所 j 避難所 i 避難所 j 障害物 k 距離 d ij 距離 d ik 避難所 i Dmax 無線ルータの最大伝送距離 LOS Line Of Sight. 見通し内伝搬
提案アルゴリズム ( 案 ) の概要 (2/4) 2. 避難所を幹線基地局, 支線基地局, ネットワークに含まない避難所の 3 種類に分類する num b = 50 b r b = 0 d r d = 4 3.5 どの避難所を基幹 ローカル基地局のどちらに設定するかを決定する 幹線基地局... 中継回数 r i が多い避難所 ( 中継地点となる避難所 ) 1 支線基地局... 収容可能人数 num i が多い避難所 ( 収容人数を重視 ) w ab = 3 1.5+5 r e = 4 6 e NUMmin Dmax Rmin = 4 580 2 2 5.5 1.5 Rmin は最小中継回数 ( 任意指定 ) 避難所 a rnum a = 0 a = 80 2+5 c rnum c = 0 c = 100 各避難所の最短経路を求める 各避難所の中継回数 r i を求める a b c e b d a d e 最短経路 c d e c b a d e e b c a d ダイクストラ法を用いる c a b NUMmin は最小収容可能人数 ( 任意指定 )
提案アルゴリズム ( 案 ) の概要 (3/4) 3. 幹線基地局の経路構成 ( 幹線ネットワーク ) を決定する 最短で閉路のない経路を決定するため b w ab =3 a b 2 w ab =3 a 2+5 e 6 e 4+5 4 4 3.5 4 3.5 3 4 4 d Dmax = 5 2.5 c d 2.5 1 クラスカル法を用いる c
提案アルゴリズム ( 案 ) によるネットワーク設計プランの生成例 (GIS 表示 ) 山口市周辺での生成例 Dmax:3km 3km,, 避難者数 num=80 で条件をそれぞれ設定
サブグループ I 課題 1: 平成 20 年度の検討計画 提案アルゴリズムのブラッシュアップ 耐震性を考慮した基幹基地局の選定基準の導入 よりロバストな基幹ネットワークを構成することで, ネットワーク全体の信頼性向上を検討 現実的なモデルネットワークの構築作業 山口市をモデルとする現実的なネットワークを構築するために必要な作業を行う 公共の避難所情報, 地形情報の収集 入力作業 上記データに基づき, 避難所間の通信可否を調査
課題 2: 無線チャネル自動設定手法の確立
無線 LAN での送信制御 ~ データ送信前に周りが通信していないかを確認する方式 [2] [3] [1] 送信端末は一定範囲内をキャリアセンスする他の端末が通信をしていない場合受信端末はDataを正常に受け取った場合, 通信を開始する,Ack. を返す.. 待機 O S Data Data Ack Ack R S R O DIFS Data SIFS Ack time time time バックオフ時間 キャリアセンス 送信待機
無線 LAN での電波干渉問題 ~ 隠れ端末問題 送信端末の通信範囲外の端末にはキャリアセンスが機能しない S Data Data 衝突 R 妨害妨害送信送信 H 隠れ端末問題は, CSMA 系 MAC のスループットを大きく低下させる原因となる 避難所間ネットワークでは隠れ端末は非常に多く存在する S R H DIFS Data 妨害送信 time time time バックオフ時間 キャリアセンス 送信待機
無線チャネル自動設定手法 各無線基地局の通信可能範囲を考慮し, 無線チャネルを割当 隠れ端末を生じさせない無線チャネル割当 2 つ以上の無線セルに所属する基地局には, セル数に応じた無線 IF を実装 無線セル 1 ( チャネル 1) 無線セル 2 ( チャネル 2)
サブグループ I 課題 2: 平成 20 年度の検討計画 提案アルゴリズムの確立 隠れ端末なしの無線チャネル割当手法 提案アルゴリズムの性能評価 計算機シミュレーションにより通信性能を評価 隠れ端末なしによる通信スループット向上効果について検討
話題提供 : 広域無線 LAN 実証実験
島嶼地域における高出力無線 LAN 等の利活用技術に関する調査検討 ( 総務省中国総合通信局 : 座長 吉田教授 ( 広島市立大 )) 広島湾 ( 呉湾 ) 近郊の島嶼間のデジタルデバイド解消 高出力無線 LAN(IEEE802.11j) を使用 最大無線区間距離 約 10km 公共利用, 生活支援, インタネット利用を想定 ( 主に常時利用を想定 ) 島嶼間を航行する船舶に対するネットワークアクセス提供も考慮 12 月近辺に, 呉ポートピア ( 公園 ) にて, 実証実験を公開する予定 < 参考情報 URL> http://www.cbt.go.jp/hodo/2008/2008ki053-1.html
話題提供 : 減災無線コミュニケーション端末
災害発生時の緊急情報伝達 / 安否確認を行う 双方向型減災コミュニケーションシステム (NTT データ ) 防災無線を受信し, 音声情報を各家庭に放送する 被災者は, ボタンを押すことで, 災害対策本部等へ向けた情報発信が可能 クライアントからの情報発信は, 特定小電力無線により実現 < 資料出典 :NTT データ http://www.nttdata.co.jp/release/2007/100500.html>