登録販売者用 Ⅰ. 動悸と更年期障害の基礎知識 症状 部位別 ネットセミナー 基礎講座 Ⅶ-1 動悸 更年期症状 Ⅰ. 動悸と更年期障害の基礎知識 ( 登録販売者試験問題作成に関する手引き より ) まずは 登録販売者試験問題作成に関する手引き を復習し 手引きの知識を確実なも のにする そして それぞれの 手引き の記載についてコメントを付し 手引き の記 載をより実践で活用できるようにまとめた 1) 強心薬 (1) 動悸 息切れ 気つけ 1 手引き の記載心臓は 血液を全身に循環させるポンプの働きを担っているが 通常 自律神経系によって無意識のうちに調整がなされており 激しい運動をしたり 興奮したときなどの動悸や息切れは 正常な健康状態でも現れる 体の不調による動悸 息切れは 日常生活の身体活動や平静にしているときに起こるもので 心臓の働きが低下して十分な血液が送り出せなくなり 脈拍数を増やすことによってその不足を補おうとして動悸 ( 心臓の拍動が強く若しくは早くなり 又は脈拍が乱れ それが不快に感じられる ) が起こる また 心臓から十分な血液が送り出されないと体の各部への酸素の供給が低下するため 呼吸運動によって取り込む空気の量を増やすことでそれを補おうとして 息切れ ( 息をすると胸苦しさや不快感があり 意識的な呼吸運動を必要とする ) が起こる これらは睡眠不足や疲労による心臓の働きの低下のほか 不安やストレス等の精神的な要因 また 女性では貧血や 更年期に生じるホルモンバランスの乱れなどによって起こることがある 気つけとは 心臓の働きの低下による一時的なめまい 立ちくらみ等の症状に対して 意識をはっきりさせたり 活力を回復させる効果のことである 1
成分名基原作用 注意強心成分Ⅰ. 動悸と更年期障害の基礎知識 2 コメント 血液の循環 心臓の右側部分 ( 右心房 右心室 ) は全身から集まってきた血液を肺へ送り出す 肺でガス交換 心臓の左側部分 ( 左心房 左心室 ) に入る 全身へ 図 -1 心臓 (2) 強心薬の働きと成分 1 手引き の記載強心薬は 疲労やストレス等に軽度の心臓の乱れについて 心臓の働きを整えて 動悸や息切れ等の症状の改善を目的とする医薬品である 心筋に作用して その収縮力を高めるとされる成分 ( 強心成分 ) を主体として配合される センソ ジャコウ ゴオウ ヒキガエル科のシナヒキガエル又はヘリグロヒキガエルの毒腺の分泌物を集めたもの シカ科のジャコウジカ又はその近縁動物の雄のジャコウ腺分泌物を乾燥させたもの ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石 微量で強い強心作用 皮膚や粘膜に触れると局所麻酔作用 センソ含有の内服固形製剤は噛まずに服用 有効域が比較的狭い 1 日用量中 5mg を超えて含有する医薬品は劇薬に指定 通常用量においても 悪心 ( 吐き気 ) 嘔吐の副作用が現れることがある 強心作用 呼吸中枢を刺激して 呼吸機能を高める 意識をはっきりさせる 強心作用 末梢血管の拡張による血圧降下 興奮を鎮める作用 2
強心成分以外の配合成分センンジュⅠ. 動悸と更年期障害の基礎知識 ロクジョウ リュウノウ シンジュ その他 シカ科のシベリアジカ マンシュウアカジカ等の雄の幼角を用いたもの フタバガキ科のリュウノウジュの樹幹の空隙に析出する精油の結晶を用いたもの ウグイスガイ科のアコヤガイ等の殻内肉組織中に形成される球状の塊を粉末にしたもの 強心作用 強壮作用 血行促進作用 中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待 鎮静作用等を期待 レイヨウカク ジンコウ 動物胆 ( ユウタンを含む ) サフラン ニンジン インヨウカクなど 2 コメント 強心薬の例 商品名 ソジャオコウゴウリウシウロクジョュウノその他の成分 アポセーフ錠 ニンジン ビタミンB1 ビタミン C DL-メチオニン ルチン タウリン 奥田心臓薬 ニンジン カシュウ ボタンピ ブクリョウ ビャクジュツ 救心 ニンジン レイヨウカク 動物胆 救心内服液 タウリン ビタミンB1 プロキシフィリン 無水カフェイン 虔脩本方六神ジンコウ ガジュツ ニンジン ユ 丸 S ウタン カンゾウ オウレン ユンケル心臓薬 ニンジン ジンコウ リュウノウ ビタミン B1 フマル酸第一鉄 (3) 漢方処方製剤 1 手引き の記載 苓桂朮甘湯 めまい ふらつきがあり 又は動悸があり 尿量が減少する人における 神経質 ノイローゼ めまい 動悸 息切れ 頭痛に適すとされる 強心作用が期待される生薬は含まれず 主に尿量増加 ( 利尿 ) 作用により 水毒 ( 漢方の考え方で 体の水分が停滞したり偏在して その循環が悪いことを意味する ) の排出を促すことを主眼と 3
する 構成生薬としてカンゾウを含む 高血圧 心臓病 腎臓病の診断を受けた人では カンゾウ中のグリチルリチン酸による偽アルドステロン症を生じやすく また 動悸や息切れの症状は それらの基礎疾患によっても起こることがある 医薬品の販売等に従事する専門家においては 本剤を使用しようとする人における状況の把握に努めることが重要である 2コメント 新基準 * での効能 効果体力中等度以下で めまい ふらつきがあり ときにのぼせや動悸があるものの次の諸症 : 立ちくらみ めまい 頭痛 耳鳴り 動悸 息切れ 神経症 神経過敏 * 新基準 :2010 年に改訂された 一般用漢方処方の手引き のこと 210 処方について 基準が見直された 使用の目安足は冷え 顔はポーっとのぼせる人に 尿量が減少したり ぐるぐる回転するようなめまい ふらつきのある人に 注意が必要な人高齢者 むくみのある人 高血圧 心臓病 腎臓病の診断を受けている人 ( 堀美智子監 :OTCガイドブック第 2 版,p745,2009, じほう ) (4) 相互作用 1 手引き の記載何らかの疾患 ( 心臓病に限らない ) のため医師の治療を受けている場合には 強心薬の使用が治療中の疾患に悪影響を生じることがあり また 動悸や息切れの疾患の症状が 治療中の疾患に起因する可能性や 処方された薬剤の副作用である可能性も考えられる 医師の治療を受けている人では 強心薬を使用する前に その適否につき 治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされることが望ましい 2コメント動悸 息切れを訴える顧客に確認するべき事項顧客から確認すべき項目としては 以下のようなことが考えられます これらは 適正な OTC 薬を選択するための情報としても関連するのですが むしろ受診を勧めるべきかどうかといった観点から重要な情報となります これらの質問から得た情報をどのように評価し判断するかが大切で そのためには 心疾患など様々な疾病の知識を蓄えて 4
ください ⅰ どんな症状か ⅱ どんなときに起こりやすいか ⅲ いつごろから起こるようになったのか ⅳ 治療中の病気はあるか ⅴ 服用中の薬はあるか (5) 受診勧奨 1 手引き の記載強心薬については一般に 5~6 日間使用して症状の改善がみられない場合には 心臓以外の要因 例えば呼吸器疾患 貧血 高血圧症 甲状腺機能の異常等のほか 精神神経系の疾患も考えられる 医薬品の販売等に従事する専門家においては 強心薬を使用した人の状況に応じて 適宜 医療機関の受診を勧奨することが重要である 激しい運動をしていないにもかかわらず突発的に動悸や息切れが起こり 意識が薄れてきたり 脈が十分に触れなくなったり 胸部の痛み又は冷や汗を伴うような場合には 早めに医師の診療を受けることが望ましい 心臓の働きの低下が比較的軽微であれば 心臓に無理を生じない程度の軽い運動と休息の繰り返しを日常生活に積極的に取り入れることにより 心筋が鍛えられ また 手足の筋肉の動きによって血行が促進されて心臓の働きを助けることにつながる 強心薬の使用によって症状の緩和を図るだけでなく こうした生活習慣の改善によって 動悸や息切れを起こしにくい体質づくりが図られることも重要である 一般用医薬品にも副作用として動悸が現れることがあるものがあるが 一般の生活者においては それが副作用と認識されずに 強心薬による対処を図ろうとすることも考えられる 医薬品の販売等に従事する専門家においては 強心薬を使用しようとする人における状況の把握に努めることが重要である 2コメント動悸の副作用が知られているOTC 薬の成分 キサンチン系成分: テオフィリン ( 第 1 類 ) ジプロフィリン プロキシフィリン カフェインなど * 鎮咳去痰薬や乗物酔い防止薬などに配合されていることもあるので 注意 交感神経刺激成分: プソイドエフェドリン塩酸塩 メチルエフェドリン塩酸塩など * 交感神経刺激による心刺激作用を示す 心臓病の診断を受けた人は服用を控える 5
( プソイドエフェドリン塩酸塩は使用しない ) こととされている 2) 高コレステロール改善薬 (1) 血中コレステロール 1 手引き の記載コレステロールは細胞の構成成分で 胆汁酸や副腎皮質ホルモン等の生理活性物質の酸性に重要な物質でもある等 生体に不可欠な物質である コレステロールの産生及び代謝は 主として肝臓で行われる コレステロールは水に溶けにくい物質であるため 血液中では血漿蛋白質と結合したリポ蛋白質となって存在する リポ蛋白質は比重によっていくつかの種類に分類されるが そのうち低密度リポ蛋白質 (LDL) は コレステロールを肝臓から末梢組織へと運ぶリポ蛋白質である 一方 高密度リポ蛋白質 (HDL) は 末梢組織のコレステロールを取り込んで肝臓へと運ぶリポ蛋白質である このように 2 種類のリポ蛋白質によって 肝臓と末梢組織の間をコレステロールが行き来しているが 血液中のLDLが多く HDLが少ないと コレステロールの運搬が末梢組織側に偏ってその蓄積を招き 心臓病や肥満 動脈硬化症等の生活習慣病につながる危険性が高くなる 血漿中のリポ蛋白質のバランスの乱れは 生活習慣病を生じる以前の段階では自覚症状を伴うものでないため 自分で気付いて医療機関の受診がなされるよりもむしろ 偶然又は生活習慣病生じて指摘されることが多い 医療機関で測定する検査値として L DLが 140mg/dL 以上 HDLが 40mg/dL 未満 中性脂肪が 150mg/dL 以上のいずれかである状態を 脂質異常症 ( 高脂血症 ) という 2コメントコレステロールが高いと何が悪い? 血液中のコレステロールが増えると 血管壁の中に入り込み 血管壁がだんだん厚くなる その結果 血液が流れる内腔は狭くなり 血管がつまりやすくなるため 動脈硬化を起こすリスクが高まることになる (2) 高コレステロール改善薬とその成分 1 手引き の記載高コレステロール改善薬は 血中コレステロールの異常の改善 血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害 ( 手足の冷え 痺れ ) の緩和等を目的として使用される医薬品 6
成分名作用 注意高コレステロール改善成分ビタミン成分Ⅰ. 動悸と更年期障害の基礎知識 である 末梢組織へのコレステロールの吸収を抑えたり 肝臓におけるコレステロール の代謝を促す等により 血中コレステロールの異常の改善を促す成分 ( 高コレステロー ル改善成分 ) を主体として配合されている 大豆不鹸化物 ( ソイステロール ) リノール酸を含む植物油ポリエンホスファチジルコリンパンテチンビタミンB2 ( 酪酸リボフラビン 末梢組織におけるコレステロールの吸収を抑える コレステロールと結合して 代謝されやすいコレステロールエステルを形成するとされ 肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられる 肝臓におけるコレステロール代謝を正常化する働きがあるとされ L DLの分解を促し また HDLが形成される過程に働いて HDLを増加させる効果を期待して用いられる 血漿中に過剰に存在するコレステロールは 過酸化脂質となって種々の障害の原因となることが知られている 過酸化脂質と結合し その代謝を促す作用を期待して配合されている場合がある 等 ) ビタミン E ( 酢酸トコフェロール ) リボフラビンの摂取によって尿が黄色くなることがあるが これは使用の中止を要する副作用等の異常ではない コレステロールから過酸化脂質の精製を抑えるほか 末梢血管における血行を促進する作用があるとされ 血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害 ( 手足の冷え 痺れ ) の緩和等を目的として用いられる 同様の作用を期待してガンマ-オリザノールが配合されている場合もある 7
ンテチノールコフェロール酢酸エステⅠ. 動悸と更年期障害の基礎知識 2 コメント 高コレステロール改善薬の例商品名 1 日量大豆油不鹸化物リ酸パルトルンリボフラビン酪酸エステその他 コレステガード 3カプセル 600 100 コレストン 6カプセル 600 375 100 スラピット 9カプセル 3000 60 ピリドキシン塩酸塩 スリムノール 4 錠 60 デコレールSE 3カプル 600 100 ドルチトール 4 錠 60 ユンゲオール3 6カプセル 6000 375 100 ( 単位 :mg) (3) 生活習慣改善へのアドバイス 1 手引き の記載コレステロールは 食事から摂取された糖質及び脂質から主に産生される 糖質や脂質を多く含む食品の過度の摂取を控える 日常生活に適度な運動を取り入れる等 生活習慣の改善が図られることが重要であり 高コレステロール改善薬の使用による対処は 食事療法 運動療法の補助的な位置づけである 目安としてウエスト周囲径 ( 腹囲 ) が男性なら 85cm 女性なら 90cm 以上である場合には生活習慣病を生じるリスクが高まるとされており 血中コレステロール値に留意することが望ましい ただし 高コレステロール改善薬は 結果的に生活習慣病の予防につながるものであるが ウエスト周囲径 ( 腹囲 ) を減少させるなどの痩身効果を目的とする医薬品ではない 医薬品の販売等に従事する専門家においては 購入者等に対してその旨を説明する等 正しい理解を促すことが重要である 2コメントメタボリックシンドローム内臓脂肪の蓄積 ( 内臓脂肪型肥満 ) を中心として 血圧高値 耐糖能異常 脂質異常などが重複して 1 人の人にみられる状態 動脈硬化を引き起こしやすく 脳卒中や心筋梗塞 糖尿病合併症 ( 腎障害 網膜症 神経障害 ) などにつながる危険性も高い 8
メタボリックシンドロームの診断基準 ウエスト周囲径 ( 腹囲 ) 男性 85cm 女性 0cm に加えて 以下の 2 項目以上があてはまる トリグリセライド値 ( 中性脂肪 ) 150mg/dL かつ / または HDL コレステロール <40mg/dL 最高血圧 ( 収縮期血圧 ) 130mmHg かつ / または 最低血圧 ( 拡張期血圧 ) 85mmHg 空腹時血糖値 110mg/dL (4) 受診勧奨 1 手引き の記載生活習慣の改善を図りつつ しばらくの間 (1~3ヶ月) 高コレステロール改善薬の使用を続けてもなお 検査値に改善がみられない時には 遺伝的又は内分泌的要因も疑われるため いったん使用を中止して医師の診療を受けることが望ましい このような場合 医薬品の販売等に従事する専門家においては 購入者等に対して 動脈硬化用薬の使用を漫然と継続せずに医療機関を受診するよう促すべきである 2コメント脳卒中脳卒中とは 脳の血管障害をいい 脳卒中を起こしやすい危険因子 ( リスクファクター ) としては下記のことがよく知られている 脳卒中のリスクファクター 1 高血圧 2 糖尿病 3 脂質異常症 4 心房細動 5 肥満リスクファクターが重なるほど 脳卒中の発症しやすくなるおそれがある そのため 食生活の見直しや運動など 生活習慣を改善して内臓脂肪を減らすことで リスクファクターの改善 解消にもつながる 飲酒を控えることや禁煙も大切である 9
3) 貧血用薬 ( 鉄製剤 ) (1) 貧血症状と鉄製剤の働き 1 手引き の記載貧血は その原因によりビタミン欠乏性貧血 鉄欠乏性貧血等に分類されるが 一般的な症状として 疲労 動悸 息切れ 血色不良 頭痛 耳鳴り めまい 微熱 皮膚や粘膜の蒼白 ( 青白くなること ) 下半身のむくみ等が現れる 貧血用薬 ( 鉄製剤 ) は 鉄欠乏性貧血に対して不足している鉄分を補充し 造血機能の回復を図る医薬品である 鉄分は赤血球が酸素を運搬する上で重要なヘモグロビンの産生に不可欠なミネラルである 鉄分の摂取不足を生じても 初期には貯蔵鉄 ( 肝臓などに蓄えられている鉄 ) や血清鉄 ( ヘモグロビンを産生するため 貯蔵鉄が赤血球へと運ばれている状態 ) が減少するのみで ヘモグロビン量自体は変化せず ただちに貧血の症状は現れない しかし 持続的に鉄が欠乏すると ヘモグロビンが減少して貧血症状が現れる 鉄欠乏状態を生じる要因としては 日常の食事からの鉄分の摂取不足及び鉄の消化管からの吸収障害による鉄の供給量の不足 消化管出血等が挙げられる また 成長の著しい年長乳児や幼児 月経血損失のある女性 鉄要求量の増加する妊婦 母乳を与える女性では 鉄欠乏状態を生じやすい 2コメント貧血とヘモグロビンヘモグロビンは 4 本のペプチド鎖からなる蛋白質 ( グロビン ) と それぞれのペプチド鎖に1つずつ結合した色素成分 ( ヘム ) からなる 中心部には鉄が存在し ここに肺に取り込まれた酸素が結合して からだの各部に運ばれる 貧血は このヘモグロビンが不足した状態で 酸素が体内に十分行き渡らないために 疲れやすい 動悸や息切れがする 顔色が悪いといった症状が現れる ただし 体内において鉄は貯蔵鉄や血清鉄としても存在しているため 鉄の摂取量が少なくてもすぐに症状が現れることはなく 貧血症状が現れたときには 鉄の欠乏がかなり進んでいることになる ( 図 -4) また 鉄欠乏性貧血の場合 鉄剤の服用により症状は早期に解消するが 貯蔵鉄が増えるまで継続して使用しないと 貧血症状が再発しやすいので継続して使用するよう説明することが大切である 10
貯蔵鉄 血清鉄 血色素 正常 潜在的鉄欠乏症鉄欠乏症鉄欠乏性貧血 独立行政法人国立健康 栄養研究所 健康食品 の安全性 有効性情報 (http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail675.html) 鉄の所要量に関しては 日本人の食事摂取基準 2010 年 を見て知識を得ておくと 顧客対応時に参考となる http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4ah.pdf コラム : 貧血雑感 私ね 子宮筋腫の手術することにしたの だって ティッシュペーパー食べたくなるんだもの これって さすがにまずいと思ったのよ 薬剤師の K 先生からの電話 彼女は 鉄欠乏性貧血と 異食症について教えてくれました 子宮筋腫の出血から貧血になり ティッシュペーパー食べたくなる という異食症を引き起こしたのです 異食症としては 特に氷を大量に食べるといった症状が多いとされていますが せんたく糊や 粘土など実に様々なものの異食が報告されています このような症状がどうして起こるか詳細は不明ですが 氷を食べたくて 食べたくて そんな言葉の裏に貧血が潜んでいる可能性があることも忘れないで下さい さらに 鉄欠乏性貧血では 上皮組織の障害も知られており 爪に縦しわが入り もろくなり 中央がくぼんでスプーン状になる事が知られていますから 顧客対応時 爪の形状も要チャックです ( ただし 子供の親指だけのスプーン状の変形は ファミコンのやり過ぎの可能性が高いので あわてて貧血と判断しないように注意が必要です ) 11
成分Ⅰ. 動悸と更年期障害の基礎知識 (2) 代表的な配合成分 主な副作用 1 手引き の記載 分成分名作用 注意鉄分鉄以外の金属成ビタミンフマル酸第一鉄 溶性ピロリン酸第二鉄 可溶性含糖酸化鉄 クエン酸鉄アンモニウム等 銅 ( 硫酸銅 ) 不足した鉄分を補充する 鉄製剤を服用すると便が黒くなることがある これは使用の中止を要する副作用等の異常ではないが 鉄製剤服用前から便が黒い場合は貧血の原因として消化管内で出血している場合もあるため 服用前の便の状態との対比が必要である ヘモグロビンの産生過程で 鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つ 補充した鉄分を利用してヘモグロビンが産生されるのを助ける 赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB12の構成成分であり 骨髄での造血機能を高める 糖質 脂質 蛋白質の代謝をする際に働く酵素の構成物質であり エネルギー合成を促進する コバルト ( 硫酸コバルト ) マンガン ( 硫酸マンガン ) ビタミンB6 ビタミンB12 ヘモグロビン産生や 血球の形成に働く ビタミンE 葉酸 * ビタミンC( アスコルビン酸 ) は 消化管内で鉄が吸収されやすい状態 ( ヘム鉄 ) に保つことを目的として用いられる ( 登録販売者出題の手引にはこのように記載されているが ビタミンC 併用の意味は非ヘム鉄を2 価のイオンにすることであり ヘム鉄は関係ない ) 貧血用薬 ( 鉄製剤 ) の主な副作用として 悪心 ( 吐き気 ) 嘔吐 食欲不振 胃部不快感 腹痛 便秘 下痢等の胃腸障害が知られている 鉄分の吸収は空腹時のほうが高いとされているが 消化器系への副作用を軽減するには 食後に服用することが望ましい 胃への負担を軽減するため 腸溶性とした製品もある 2コメントヘム鉄と非ヘム鉄食品中に含まれる鉄には 肉や魚などの動物性食品に多い ヘム鉄 と 植物性食品に多く含まれる 非ヘム鉄 ( 無機鉄 ) があります ヘム鉄は 鉄ポルフィリン複合体のままで比較的吸収されやすく 体内でも利用されやすいとされている 非ヘム鉄は 通常存在する安定な3 価の鉄イオンでなく 還元して2 価の鉄イオンにならないと吸収されないため ビタミン C やクエン酸等と一緒に取ると2 価のイオンとなり吸収されやすくなる ただし 2 価の鉄イオンは食物繊維 シュウ酸 フィチン酸などにより吸収阻害を受ける 12
(3) 相互作用 1 手引き の記載複数の貧血用薬と併用すると 鉄分の過剰摂取となり 胃腸障害や便秘等の副作用が起こりやすくなる 服用の前後 30 分にタンニン酸を含む飲食物 ( 緑茶 紅茶 コーヒー ワイン 柿等 ) を摂取すると タンニン酸と反応して鉄の吸収が悪くなることがあるので 服用前後はそれらの摂取を控えることとされている 医師の治療を受けている人では 鉄分の吸収に影響を及ぼす薬剤が処方されている場合があるので 使用する前にその適否につき 治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされることが望ましい 2コメント近年 1 杯のお茶に含まれる程度のタンニン酸の量では 鉄の吸収にほとんど影響がないことが明らかとなっている 加えて 貧血の人のからだでは 鉄を貪欲に吸収しようとするため 禁茶 の指導は必要ないとの考え方が主流となっている ただし 濃いお茶を大量に飲む習慣のある人の場合は 念のため 注意するように伝える (4) 受診勧奨 1 手引き の記載一般用医薬品の貧血用薬 ( 鉄製剤 ) によって改善が図ることができるのは 鉄不足によって貧血が生じている鉄欠乏性貧血のみである 特段の基礎疾患がなく鉄分の欠乏を生じる要因としては 食事の偏り ( 鉄分の摂取不足 ) が考えられ 貧血用薬 ( 鉄製剤 ) の使用による対処と併せて 食生活の改善が図られることが重要である なお 貧血の症状がみられる以前から予防的に貧血用薬 ( 鉄製剤 ) を使用することは適当でない 食生活を改善し かつ鉄製剤 ( 貧血用薬 ) の使用を 2 週間程度続けても症状の改善がみられない場合には 月経過多 消化管出血 痔及び子宮筋腫等 出血性の疾患による慢性的な血液の損失が原因で貧血症状が起きている可能性がある これらの場合 基礎疾患の治療が優先されるべきであり 一般用医薬品による対処を漫然と継続することは適当でない また 鉄欠乏性貧血以外の貧血により症状が現れていることも疑われ 鉄製剤によって対処すること自体が適当でない可能性もある いずれの場合も 医薬品の販売等に従事する専門家においては 購入者等に対して 貧血用薬 ( 鉄製剤 ) の使用を漫然と継続せずに医療機関を受診するよう促すべきである 13
2 コメント 鉄の食事摂取基準 (mg/ 日 ) 男性 女性 推量 耐容上量 推奨量推奨量 ( 月経なし ) ( 月経あり ) 耐容上限量 18~29 歳 7.0 50 6.0 10.5 40 30~49 歳 7.5 55 6.5 11.0 40 50~69 歳 7.5 50 6.5 11.0 45 70 歳以上 7.0 50 6.0 40 食品に含まれる鉄の量 食品名 可食部 100g 中の鉄の量 (mg) ( 日本人の食事摂取基準 2010 年版 ) 目安となる摂取量 目安となる摂取量中の鉄の量 (mg) 干しひじき 55.0 1 カップ (50g) 27.5 あさり ( 缶詰 水煮 ) 37.8 1 缶 (130g) 49.1 きくらげ ( 乾 ) 35.2 10 個 (5g) 1.8 ごま ( いり ) 9.9 大さじ 1(9g) 0.9 鶏レバー ( 生 ) 9.0 1 個 (40g) 3.5 いわし ( めざし 焼 ) 4.2 1 尾 (9g) 0.4 凍りとうふ 4.2 1 個 (20g) 1.4 糸引納豆 3.3 1 パック (30g) 1.0 こまつな ( 葉 ゆで ) 2.1 1 束 (240g) 5.0 鶏 ( 全卵 生 ) 1.8 1 個 (51g) 0.9 ししゃも ( 生干し 焼 ) 1.7 1 尾 (14g) 0.2 プルーン ( 乾 ) 1.0 1 個 (10g) 0.1 ほうれんそう ( 葉 ゆで ) 0.9 1 束 (200g) 1.8 ( グリコ栄養成分ナビゲーター http://www.glico.co.jp/navi/index.htm) 4) その他の循環器用薬 (1) 代表的な配合成分等 主な副作用 1 手引き の記載 14
成分名作用 注意生薬成分生薬以外の成分Ⅰ. 動悸と更年期障害の基礎知識 コウカ キク科のベニバナの管状花をそのまま又は黄色色素の大部分を除く圧搾して板状としたもの 末梢の血行を促して鬱血を除く作用があるとされる 日局収載のコウカを煎じて服用する製品は 冷え性及び血色不良に用いられる ヘプロニカート いずれも代謝されてニコチン酸が遊離し そのニコチン酸の働イノシトールヘきによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる キサニコチネー ビタミンEと組み合わせて用いられる場合が多い ト ビタミン様物質の一種で 高血圧等における毛細血管の補強 ルチン強化の効果を期待して用いられる 別名コエンザイムQ10 肝臓や心臓などの臓器に多く存在し エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分で エネルギーが産生される際にビタミンB 群とともに働く 心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を高めることによって 血液循環の改善効果を示すとされる 軽度な心疾患により日常生活の身体活動を少し越えたときに起こる動悸 息切れ むくみの症状に用いられる ただし 2 週間位使用して症状の改善がみられない場合には 心臓以外の病気が原因である可能性も考えられ 漫然と使用を継続することは適当でない 副作用として胃部不快感 食欲減退 吐き気 下痢 発疹 痒ユビデカレノンみ 小児で心疾患による動悸 息切れ むくみの症状がある場合には 医師の診療を受けることが優先されるべきであり 15 歳未満の小児向けの製品はない 心臓の病気で医師の治療又は指示を受けている人では その処置が優先されるべきであり 使用する前にその適否につき 治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談することが望ましい 動悸 息切れ むくみの症状は 高血圧症 呼吸器疾患 腎臓病 甲状腺機能の異常 貧血などが原因となって起こることもある これらの基礎疾患がある人では 使用する前にその適否につき 治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談することが望ましい 2 コメント ユビデカレノンは 医療用医薬品としても用いられている 医療用医薬品 OTC 薬 商品名ノイキノン ( エーザイ ) ユビテン S( エーザイ ) 効能 効果 基礎治療施行中の軽度及び中等度のうっ血性心不全症状 軽度な心疾患により 日常生活の身体活動を少し越えた時に起こる次の症状の緩和 : 動悸 息切れ むくみ 15
用法 用量 通常成人はユビデカレノンとして 1 回 10mg を 1 日 3 回食後に経口投与する ユビデカレノンとして 1 回 10mg を 1 日 3 回食後に服用 (15 歳以上 ) (2) 漢方処方製剤 1 手引き の記載方剤名留意点 比較的体力があり のぼせ気味で 顔面紅潮し 精神不安で 便秘の傾向のある人における 高血圧に伴う諸症状 ( のぼせ 肩こり 耳鳴り 頭重感 不眠 不安 ) 鼻血 痔出血 便秘 更年期障害 血の道症に三黄瀉心湯適す 体の虚弱な人( 体力の衰えている人 体の弱い人 ) 胃腸が弱く下痢しやすい人 だらだら出血が長引いている人では 激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等 不向きとされる 身体虚弱の傾向のある人における 高血圧に伴う諸症状( のぼせ 肩こり 耳鳴り 頭重 ) に適する 胃腸が弱く下痢しやすい人では 胃部不快感等の副作用が現れやすい等七物降下湯不向きとされる 小児向けの漢方処方ではなく 15 歳未満の小児への使用は避ける必要がある 2 コメント 新基準 での効能 効果 方剤名 新基準 の効能 効果 適する人 症状 不向きな人 体力中等度以上で のぼせ気味 三黄瀉心湯 で顔面紅潮し 精神不安 みぞ体の虚弱な人 胃おちのつかえ 便秘傾向などの気分がイライラし腸が弱く 下痢しあるものの次の諸症 : 高血圧のて落ち着かず 精やすい人 だらだ随伴症状 ( のぼせ 肩こり 耳神不安や不眠のあら出血が長引い鳴り 頭重 不眠 不安 ) 鼻血 る人に ている人 痔出血 便秘 更年期障害 血 の道症 七物降下湯 体力中等度以下で 顔色が悪くて疲れやすく 胃腸障害のないものの次の諸症 : 高血圧に伴う随伴症状 ( のぼせ 肩こり 耳鳴り 頭重 ) 顔色がすぐれず 疲れやすく, 下半身が冷え 頻尿傾向で 肩こり 頭重 のぼせ 耳鳴りがする人に 胃腸が弱く 下痢しやすい人 (3) 相互作用 1 手引き の記載ユビデカレノンについては 医薬品的な効能効果が標榜されていなければ 食品 ( いわゆる健康食品 ) として流通することが可能になっており そうした食品が合わせて摂 16
取された場合 胃部不快感や吐き気 下痢等の副作用が現れやすくなるおそれがある また 作用が増強されて心臓に負担を生じたり 副作用が現れやすくなるおそれがある ことから 強心薬等の併用は避ける必要がある 2コメントユビデカレノンの働きユビデカレノンは 体内でも肝臓において生成される脂溶性物質である 体内では細胞中のミトコンドリアに多く存在し エネルギー産生に深く関与している また還元型のユビデカレノン ( ユビキノール ) はすぐれた抗酸化作用をもつことも知られている 体内での産生量や還元型への変換は 年齢とともに低下することから 人間の老化のカギを握る物質の一つではないかともいわれている 脂溶性の高い物質が消化管内で溶解され 吸収されるためには 食物中の脂質や食事中に放出される胆汁による界面活性作用が必要となるので 脂溶性物質であるユビデカレノンは 医薬品やサプリメントなどで摂取する場合は 食後に摂ったほうがよいとされている (4) 受診勧奨等 1 手引き の記載高血圧や心疾患に伴う諸症状を改善する医薬品は 体質の改善又は症状の緩和を主眼としており いずれも高血圧や心疾患そのものの治療を目的とするものではない これらの医薬品の使用は補助的なものであり 高血圧や心疾患そのものへの対処については 医療機関の受診がなされることが望ましい 医薬品の販売等に従事する専門家においては 購入者が それら疾患について 一般用医薬品によって自己治療が可能であるかの誤解を生じることのないよう 適切な情報提供に努めるべきである 2 コメント 次ページ図 -5 参照 17
図 -5 血圧の正しい測定方法 5) 婦人薬 (1) 更年期障害 1 手引き の記載女性の月経は 子宮の内壁を覆っている膜 ( 子宮内膜 ) が剥がれ落ち 血液 ( 経血 ) と共に排出される生理現象で 一生のうち妊娠可能な期間に 妊娠期間中などを除き ほぼ毎月 周期的に起こる 月経周期は 個人差があり 約 21 日 ~40 日と幅がある 種々のホルモンの複雑な相互作用によって調節されており 脳の下部で産生されるホルモンと 卵巣で産生される女性ホルモンが月経周期に関与する 加齢とともに卵巣からの女性ホルモンの分泌が減少していき やがて月経が停止して 妊娠可能な期間が終了することを閉経という 閉経の前後には 更年期 ( 閉経周辺期 ) と呼ばれる移行的な時期があり 体内の女性ホルモンの量が大きく変動することがある そのため 更年期においては 月経周期が不規則になるほか 不定愁訴として血の道症 ( 臓器 組織の形態的異常がなく 抑鬱や寝つきが悪くなる 神経質 集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態 ) の症状に加え 冷え性 腰痛 頭痛 頭重 ほてり のぼせ 立ちくらみ等の症状が起こることがあり こうした症候群を更年期障害という 2 コメント 3 薬剤師としてワンランク上の知識を! 1 手引き の記載 2 コメント 3 薬剤師としてワンランク上の知識を! 1 手引き の記載 2 コメント 3 薬剤師としてワンランク上の知識を! Copyright c 2007 SIC-Info.Co.,Ltd.All rights reserved 18
5) 婦人薬 (1) 更年期障害 1 手引き の記載女性の月経は 子宮の内壁を覆っている膜 ( 子宮内膜 ) が剥がれ落ち 血液 ( 経血 ) と共に排出される生理現象で 一生のうち妊娠可能な期間に 妊娠期間中などを除き ほぼ毎月 周期的に起こる 月経周期は 個人差があり 約 21 日 ~40 日と幅がある 種々のホルモンの複雑な相互作用によって調節されており 脳の下部で産生されるホルモンと 卵巣で産生される女性ホルモンが月経周期に関与する 加齢とともに卵巣からの女性ホルモンの分泌が減少していき やがて月経が停止して 妊娠可能な期間が終了することを閉経という 閉経の前後には 更年期 ( 閉経周辺期 ) と呼ばれる移行的な時期があり 体内の女性ホルモンの量が大きく変動することがある そのため 更年期においては 月経周期が不規則になるほか 不定愁訴として血の道症 ( 臓器 組織の形態的異常がなく 抑鬱や寝つきが悪くなる 神経質 集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態 ) の症状に加え 冷え性 腰痛 頭痛 頭重 ほてり のぼせ 立ちくらみ等の症状が起こることがあり こうした症候群を更年期障害という 2 コメント エストロゲンの量の変化 多い 初潮 閉経 思春期性成熟期更年期 少ない 0 歳 10 歳 20 歳 30 歳 40 歳 50 歳 60 歳 70 歳 80 歳 (2) 月経前症候群 1 手引き の記載血の道症は 月経 妊娠 分娩 産褥 ( 分娩後 母体が通常の身体状態に回復するまでの期間 ) 更年期等の生理現象や 流産 人工妊娠中絶 避妊手術などを原因とする異常生理によって起こるとされ 範囲が更年期障害よりも広く 年齢的に必ずしも更年 19
期に限らない 特に 月経の約 10~3 日前に現れ 月経開始と共に消失する腹部膨満感 頭痛 乳房痛などの身体症状や感情の不安定 興奮 抑鬱などの精神症状を主体とする ものを 月経前症候群という 2コメント解熱鎮痛薬の配合成分 OTC 薬の解熱鎮痛薬の多くには 解熱鎮痛成分のほかに カフェイン類及び催眠鎮静成分 ( ブロモバレリル尿素 アリルイソプロピルアセチル尿素 ) が配合されている これらは 解熱鎮痛成分の働きを助けるために配合されているのだが カフェイン類には利尿作用があるため 生理時のむくみ解消にも役立つだろう また 催眠鎮静成分は 痛くて眠れないとき 痛くてイライラするときなどに気持ちを落ち着けてくれる ( ただし 眠くなると困る人は催眠鎮静成分を含まないものを ) (3) 婦人用薬 1 手引き の記載婦人用薬は 月経及び月経周期に伴って起こる症状を中心として 女性に現れる特有な諸症状 ( 血行不順 自律神経系の働きの乱れ 生理機能障害等の全身的な不快症状 ) の緩和と 保健を主たる目的とする医薬品であり その効能 効果として 血の道症 更年期障害 月経異常及びそれらに随伴する冷え性 月経痛 腰痛 頭痛 のぼせ 肩こり めまい 動悸 息切れ 手足のしびれ こしけ ( おりもの ) 血色不良 便秘 むくみ等に用いられる 2コメント女性は 初潮 妊娠 閉経など一生涯のサイクルの中で女性ホルモンの影響を強く受けている また 月経周期による影響などに関連して 月経困難症や片頭痛などホルモンに関連した疾患もある (4) 女性ホルモン成分 1 手引き の記載 20
分類成分名作用 注意女性ホルモン成分生薬名基原作用生薬成分Ⅰ. 動悸と更年期障害の基礎知識 エチニルエストラジオ - ルエストラジオール 人工的に合成された女性ホルモンの一種 膣粘膜又は外陰部に適用されるものがあり 適用部位から吸収されて循環血液中に移行する 妊娠中の女性ホルモンの摂取によって胎児の先天異常の発生が報告されており 妊婦又は妊娠していると思われる女性では使用を避ける必要がある 吸収された成分の一部が乳汁中に移行することが考えられ 母乳を与える女性では使用を避けることが望ましい 長期連用により血栓症を生じるおそれがあり また 乳癌や脳卒中などの発生確率が高まる可能性もあるため 定期的な検診を受けることが望ましい 2コメント女性ホルモン成分を含む外用剤の適応は 不感症 冷感症 不妊症 婦人更年期障害 婦人神経衰弱 などとある 通常は 手を出しにくい商品ではあるが 閉経後の膣の萎縮や乾燥感による痛みやかゆみ 灼熱感 性交痛 膣カンジダなどの感染症などの予防や治療になのではないだろうか また 膣粘膜が厚くなることで二次的に膣カンジダの感染を予防することもできる (5) 生薬成分 1 手引き の記載 サフラン アヤメ科のサフランの柱頭 鎮静 鎮痛のほか 女性の滞っている月経 コウブシ カヤツリグサ科のハマスゲの根茎 を促す作用を期待して用いられる センキュウセリ科のセンキュウの根茎 血行を改善し 血色不良や冷えの症状を トウキ セリ科のトウキ又は近縁植物の根 緩和するほか 強壮 鎮静 鎮痛等の作用 ジオウ ゴマノハグサ科のアカヤジオウの根を期待して用いられる 2 コメント 婦人薬 ( 生薬製剤 ) の例 商品名効能 効果配合成分 命の母 A 更年期障害 更年期神経症 血の道症 のぼせ 生理不順 生理異常 生理痛 肩こり 冷え症 肌荒れ めまい 耳鳴り 動悸 貧血 にきび 便秘 ヒステリー 帯下 産前産後 下腹腰痛 血圧異常 頭痛 頭重 ダイオウ カノコソウ ケイヒ センキュウ ソウジュツ シャクヤク ブクリョウ トウキ コウブシ ゴシュユ ハンゲ ニンジン コウカ チアミン塩酸塩 リボフラビン ピリドキシン塩酸塩 シアノコバラミン パントテン酸カルシウム 葉酸 タウリン コハク酸 dl-α- トコフェロー 21
命の母ホワイト 喜谷實母散 ラムール Q 中将湯ラムール 中将湯 月経痛 月経不順 ヒステリー 腰痛 頭痛 貧血 冷え症 血の道症 肩こり めまい 動悸 こしけ ル リン酸水素カルシウム ビオチン 精製大豆レシチン トウキ シャクヤク ソウジュツ ケイヒ ダイオウ ニンジン センキュウ ブクリョウ タクシャ ボタンピ トウニン 更年期障害 血の道症 月経不順 冷え症およびそれらに随伴するトウキ ビャクジュツ センキュウ オウ次の諸症状 : 月経痛 腰痛 頭痛 ゴン センコツ チョウジ モッコウ オのぼせ 肩こり めまい 動悸 ウレン ケイヒ カンゾウ ビンロウジ息切れ 手足のしびれ こしけ 血色不良 便秘 むくみエンゴサク カノコソウ シャクヤク トウキ ケイヒ センキュウ ボタンピ ブ更年期障害 血の道症 月経不順 クリョウ ソウジュツ ジオウ チンピ 冷え症およびそれらに随伴するカンゾウ コウブシ トウニン オウレン 次の諸症 : 月経痛 腰痛 頭痛 ショウキョウ チョウジ ニンジン セン頭重 のぼせ 肩こり 耳鳴り ナ トコフェロールコハク酸エステルカルめまい 動悸 息切れ 不眠 ヒシウム ニコチン酸アミド パントテン酸ステリー 疲労感 血色不良カルシウム 葉酸 チアミン硝化物 ピリドキシン塩酸塩 リボフラビン シアノコバラミン血の道症 冷え症 手足のしびれ シャクヤク トウキ ケイヒ エンゴサク 月経不順 こしけ 動悸 息切れ センキュウ ボタンピ ブクリョウ ソウめまい のぼせ 頭痛 腰痛 肩ジュツ ジオウ トウヒ カンゾウ コウこり むくみ 血色不良 便秘 ブシ トウニン オウレン ショウキョウ 月経痛チョウジ ニンジン産前産後の障害 ( 貧血 疲労倦怠 めまい むくみ ) 血の道症 更シャクヤク トウキ ケイヒ センキュウ 年期障害 不安神経症 月経不順 ソウジュツ ブクリョウ ボタンピ トウ月経痛 頭痛 肩こり 腹痛 腰ヒ コウブシ ジオウ カンゾウ トウニ痛 冷え症 のぼせ めまい 耳ン オウレン ショウキョウ チョウジ 鳴り 不眠症 息切れ 動悸 むニンジンくみ 感冒 (7) 漢方処方成分 1 手引き の記載 方剤名 適する人 症状 適さない人 温経湯 手足がほてり 唇が乾く人における 月経不順 月経困難 こしけ ( おりもの ) 更年期障害 不眠 神経症 湿疹 足腰の冷え しもやけ 胃腸の弱い人 温清飲 皮膚の色つやが悪く のぼせを訴える人における月経不順 月経困難 血の道症 更年期障害 神経症 胃腸が弱く下痢しやすい人 22
加味逍遥散桂枝茯苓丸五積散柴胡桂枝乾姜湯四物湯桃核承気湯当帰芍薬散 虚弱体質で肩がこり 疲れやすく 精神不安等の精神神経症状 ときに便秘の傾向のある胃腸の弱い人女性における冷え症 虚弱体質 月経不順 月経困難 更年期障害 血の道症比較的体力があり ときに下腹部痛 肩こり 頭重 めまい のぼせて足冷えなどを訴える人における月経不順 月経異常 更年期障害 体の虚弱な人血の道症 肩こり めまい 頭重 打ち身 ( 打撲傷 ) しもやけ しみ慢性に経過し 症状が激しくない胃腸炎 腰体の虚弱な人 胃腸の弱痛 神経痛 関節痛 月経痛 頭痛 冷え症 い人 発汗傾向の著しい更年期障害 感冒人体力が弱く 冷え症 貧血気味で 動悸 息切れがあり 精神神経症状を訴える人における更年期障害 血の道症 神経症 不眠症 皮膚が枯燥し 色つやの悪い体質で胃腸障害のない人における 産後又は流産後の疲労回復 月経不順 冷え症 しもやけ しみ 血の道症 比較的体力があり のぼせて便秘しがちな人おける月経不順 月経困難症 月経時や産後の精神不安 腰痛 便秘 高血圧の随伴症状 ( 頭痛 めまい 肩こり ) 体の虚弱な人 胃腸の弱い人 下痢しやすい人 体の虚弱な人 胃腸が弱く下痢しやすい人 比較的体力が乏しく 冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく ときに下腹部痛 頭重 めまい 肩こり 耳鳴り 動悸等を訴える人における 月経不順 月経異常 月経痛 更胃腸の弱い人年期障害 産前産後又は流産による障害 ( 貧血 疲労倦怠 めまい むくみ ) めまい 頭重 肩こり 腰痛 足腰の冷え症 しもやけ むくみ しみ 2 コメント 方剤名 新基準 での効能 効果適する人 症状適さない人 温経湯 体力中等度以下で 手足がほてり 唇がかわくものの次の諸症 : 月経不順 月経困難 こしけ ( おりもの ) 更年期障害 不眠 神経症 湿疹 皮膚炎 足腰の冷え しもやけ 手あれ ( 手の湿疹 皮膚炎 ) 冷え症なのに手足がほてり 唇や皮膚が乾燥する人に 胃腸の弱い人 23
温清飲加味逍遥散桂枝茯苓丸五積散柴胡桂枝乾姜湯 体力中等度で 皮膚はかさかさして色つやが悪く のぼせるものの次の諸症 : 月経不順 月経困難 血の道症 更年期障害 神経症 湿疹 皮膚炎 体力中等度以下で のぼせ感があり 肩がこり 疲れやすく 精神不安やいらだちなどの精神神経症状 ときに便秘傾向のあるものの次の諸症 : 冷え症 虚弱体質 月経 不順 月経困難 更年期障害 血の道症 不眠症 血行が良くないため皮膚の色つやが悪く のぼせてしまう人に 皮膚の発赤やかゆみ かさかさしてかゆい皮膚炎に アトピー性皮膚炎や老人性皮膚掻痒症のかゆみにも l 生理不順や生理痛 出血の多い月経過多 行為年季障害 のぼせ 不安感 イライラ感にも イライラして疲れやすく ストレスで悪化する人に 上半身がのぼせ 灼熱感があり 急に顔が ほてって 発作性に汗が出る人に 胃腸が弱く 下痢しやすい人 胃腸の弱い人 比較的体力があり ときに下腹部痛 肩こり 頭重 めまい のぼせて足冷えなどを訴肌は浅黒く丈夫で イラえるものの次の諸症 : 月経不イラなど精神症状が強順 月経異常 月経痛 更年体の虚弱な人い人に 目の下のくま 期障害 血の道症 肩こり しみ 打ち身にも めまい 頭重 打ち身 ( 打撲症 ) しもやけ しみ 湿疹 皮膚炎 にきび 体力中等度またはやや虚弱で 冷えがあるものの次の諸症 : 胃腸炎 腰痛 神経痛 関節痛 月経痛 頭痛 更年期障害 感冒 体力中等度以下で 冷え症 貧血気味 神経過敏で 動悸 息切れ ときに寝汗 頭部の発汗 口の渇きがあるものの次の諸症 : 更年期障害 血の 道症 不眠症 神経症 動悸 息切れ かぜの後期の症状 気管支炎 やせ型 冷え症 顔色不良の人の更年期障害 血 の道症等に 体の虚弱な人 胃腸の弱い人 発汗傾向の著しい人 高齢者 むくみのある人. 高血圧 心臓病 腎臓病の診断を受けた人 24
四物湯 体力虚弱で 冷え症で皮膚が乾燥 色つやの悪い体質で胃腸障害のないものの次の諸症 : 月経不順 月経異常 更年期障害 血の道症 冷え症 しもやけ しみ 貧血 産後あるいは流産後の疲労回復 体の虚弱な人 胃腸の弱い人 下痢しやすい人 桃核承気湯 当帰芍薬散 体力中等度以上で のぼせて便秘しがちなものの次の諸症 : 月経不順 月経困難症 月経痛 月経時や産後の精神不安 腰痛 便秘 高血圧の随伴症状 ( 頭痛 めまい 肩こり ) 痔疾 打撲症 体力虚弱で 冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく ときに下腹部痛 頭重 めまい 肩こり 耳鳴り 動悸などを 訴えるものの次の諸症 : 月経不順 月経異常 月経痛 更年期障害 産前産後あるいは流産による障害 ( 貧血 疲労倦怠 めまい むくみ ) めまい 立ちくらみ 頭重 肩こり 腰痛 足腰の冷え症 しもやけ むくみ しみ 耳鳴り 便秘がちで腹部膨満感があり のぼせてイライラが強く 興奮しやすい人に 体の虚弱な人 胃腸が弱く 下痢しやすい人 色白 貧血気味で 冷え症 むくみやすい人に 胃腸の弱い人 疲れやすく 手足や腰が冷える人に (8) 相互作用 1 手引き の記載内服で用いられる婦人用薬では 通常 複数の生薬成分が配合されている場合が多く 他の婦人用薬 生薬成分を含有する医薬品 ( 鎮静薬 胃腸薬 内用痔疾用薬 滋養強壮保健薬 漢方処方製剤等 ) ガ併用された場合 同じ生薬成分又は同種の作用を示す生薬成分が重複摂取となり 効き目が強すぎたり 副作用が起こりやすくなるおそれがある 一般の生活者においては 痔の薬 と 更年期障害の薬 等は影響し合わないとの誤った認識がなされることも考えられるので 医薬品の販売等に従事する専門家において適宜注意を促していくことが重要である 何らかの疾患 ( 婦人病に限らない ) のため 医師の治療を受けている場合には 婦人薬の使用が治療中の疾患に悪影響を及ぼすことがあり また 動悸や息切れ めまい のぼせ等の症状が 治療中の疾患に起因する可能性や 処方された薬剤の副作用である 25
可能性も考えられる 医師の治療を受けている人では 婦人薬を使用する前に その適 否につき 治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるこ とが望ましい 2 コメント 成分重複の例 乙字湯 命の母ホワイト いぼ痔 切れ痔にトウキ サイコ オウゴン カンゾウ ショウマ ダイオウ 月経痛 ヒステリ トウキ シャクヤク ソウジュツ ケイヒ ダイオウ ー 貧血 冷え症 ニンジン センキュウ ブクリョウ タクシャ ボタン 血の道症などに ピ トウニン 葛根湯 五積散 ひき始めのかぜに 胃腸炎 腰痛 更年期障害 感冒などに カッコン マオウ タイソウ ケイヒ シャクヤク カンゾウ ショウキョウブクリョウ ソウジュツ チンピ ハンゲ トウキ シャクヤク ビャクシ キコク キキョウ カンキョウ ショウキョウ ケイヒ マオウ タイソウ カンゾウ コウブシ ダイオウと漢方処方製剤 ダイオウは さまざまな漢方処方製剤に配合されている重要な生薬の一つであるが 瀉下を目的としない場合 瀉下作用は副作用となるので注意が必要である (9) 受診勧奨 1 手引き の記載内服で用いられる婦人用薬は 比較的作用が穏やかで ある程度長期間使用することによって効果が得られるとされる 効果の現れ方は 症状や使用する人の体質 体の状態等により異なるが 効果がみられないのに漫然と使用を継続することは適当でない 1ヶ月位使用して症状の改善がみられず 日常生活に支障を来すようであれば 医療機関を受診することが望ましい 月経痛について 年月の経過に伴って次第に増悪していくような場合や大量の出血を伴う場合には 子宮内膜症などの病気の可能性がある 月経不順については卵巣機能の不全による場合もあるが 過度のストレスや 不適切なダイエット等による栄養摂取の偏りによって起こることもあり 月経前症候群を悪化させる要因ともなる おりものは女性の生殖器からの分泌物で 卵巣が働いている間は 程度の差はあるものの ほとんどの女性にみられる おりものの量が急に増えたり 膿のようなおりもの 26
血液が混じったおりものが生じたような場合には 膣や子宮に炎症や感染症を起こしている可能性がある 特に月経以外の不規則な出血 ( 不正出血 ) がある場合には すみやかに医療機関を受診して専門医の診療を受けることが望ましい 頭痛や鬱状態 動悸 息切れ等の更年期障害の不定愁訴とされる症状の背景に 原因となる病気が存在する可能性もある 鬱状態については 鬱病等が背景に隠されている場合もある そして 動悸 息切れが心疾患による症状のおそれもある のぼせやほてり等の症状については 高血圧や心臓 甲状腺の病気でも起こることがある 更年期は様々な病気が起こりやすい年齢でもあり そのような原因が見いだされた場合には その治療が優先される必要がある 2コメント更年期症状チェックシート ( 次ページ参照 ) 医師は 更年期障害 と診断するにあたり 問診をし 具体的に 何がどのようにつらいか を聞き取り それらから更年期の診断をするのにあたり利用されるものの一つとして 更年期指数 がある これの薬剤師 ( 登録販売者 ) 向けシートが武田ヘルスケアから提供されている 限られた店頭での対応時間の間で いかに効率良く顧客対応するかが重要である このようなシートも店頭で利用したい 27
更年期症状チェックシート ( 武田薬品工業株式会社 ) 28