件 復審 件数無効 請求件数復審審 復審 審件数無効 請求 審件数無効 請求審 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 復審 件数

Similar documents
間延長をしますので 拒絶査定謄本送達日から 4 月 が審判請求期間となります ( 審判便覧 の 2.(2) ア ) 職権による延長ですので 期間延長請求書等の提出は不要です 2. 補正について 明細書等の補正 ( 特許 ) Q2-1: 特許の拒絶査定不服審判請求時における明細書等の補正は

況 2 判定制度等の比較研究 3 審判統計情報の交換を含む三庁間の協力等について情報交換及び議論を行いました 図 1 第 1 回日中韓審判専門家会合 供を通じて我が国ユーザーが利用しやすい制度への改善を図るという目的で 第 1 回の 日中韓審判専門家会合 が開催されました 同年 11 月には 特許庁

第1回 基本的な手続きの流れと期限について ☆インド特許法の基礎☆

第41回 アクセプタンス期間と聴聞手続(2016年版) ☆インド特許法の基礎☆

ことができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している さらに 台湾専利法第 76 条は 特許主務官庁は 無効審判を審理する際 請求によりまたは職権で 期限を指定して次の各号の事項を行うよう特許権者に通知することができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している なお

第26回 知的財産権審判部☆インド特許法の基礎☆

Microsoft Word - 第21回 復審請求 ☆早わかり中国特許☆

Taro-052第6章1節(p ).jtd

2.2.2 外国語特許出願の場合 2.4(2) を参照 2.3 第 184 条の 5 第 1 項に規定された書面 (1) 日本語特許出願 外国語特許出願を問わず 国際特許出願の出願人は 国内書面提出期間 ( 注 ) 内に 出願人 発明者 国際出願番号等の事項を記載した書面 ( 以下この部において 国

Microsoft Word - 01.表紙、要約、目次

2.2 中国 審判部 35 の体制 (1) 専利復審委員会の体制 中国では 特許 実用新案及び意匠は 国家知識産権局の管轄である 国家知識産権局により 1984 年 11 月に専利復審委員会が設立された ( 専利法第 41 条第 1 項 ) 専利法実施細則第 59 条により 専利復審委員

実体審査における審査官面接に関して GPE には面接における協議の方法 時期および内容など 詳細な要件が定められている 例えば GPE には 最初のオフィスアクションの応答書が出願人により提出された後 審査官は当該出願の審査を継続しなければならない と規定されている (GPE 第 II 部第 2 章

参加人は 異議申立人が挙げていない新たな異議申立理由を申し立てても良い (G1/94) 仮 にアピール段階で参加した参加人が 新たな異議申立理由を挙げた場合 その異議申立手続は第 一審に戻る可能性がある (G1/94) 異議申立手続中の補正 EPCにおける補正の制限は EPC 第 123 条 ⑵⑶に

出願人のための特許協力条約(PCT) -国際出願と優先権主張-

特許出願の審査過程で 審査官が出願人と連絡を取る必要があると考えた場合 審査官は出願人との非公式な通信を行うことができる 審査官が非公式な通信を行う時期は 見解書が発行される前または見解書に対する応答書が提出された後のいずれかである 審査官からの通信に対して出願人が応答する場合の応答期間は通常 1

特許制度 1. 現行法令について 2001 年 8 月 1 日施行 ( 法律 14/2001 号 ) の2001 年改正特許法が適用されています 2. 特許出願時の必要書類 (1) 願書 (Request) 出願人の名称 発明者の氏名 現地代理人の氏名 優先権主張の場合にはその情報等を記載します 現

<4D F736F F F696E74202D E82C582E08F6F978882E98AC FA967B93C18B9692A182C582CC93C18B9692B28DB895FB B8CDD8AB B83685D>

 

資料 4 平成 26 年度特許庁実施庁目標 参考資料 2014 年 3 月 28 日

平成 28 年度特許庁産業財産権制度各国比較調査研究等事業 五大特許庁及びその他主要知財庁における 特許出願から特許査定までの期間の現状と実態 に関する調査報告書 平成 29 年 3 月 一般社団法人日本国際知的財産保護協会 AIPPI JAPAN

弁理士試験短答 逐条読込 演習講座 ( 読込編 ) 平成 29 年 6 月第 1 回 目次 平成 29 年度短答本試験問題 関連条文 論文対策 出題傾向分析 特実法 編集後記 受講生のみなさん こんにちは 弁理士の桐生です 6 月となりましたね 平成 29 年度の短答試験は先月終了しました 気持ちも

1 アルゼンチン産業財産権庁 (INPI) への特許審査ハイウェイ試行プログラム (PPH) 申請に 係る要件及び手続 Ⅰ. 背景 上記組織の代表者は

集積回路配置図設計行政法執行弁法 (2001 年 11 月 28 日国家知識産権局令第 17 号公布 ) 第一章総則 第一条集積回路配置図設計 ( 以下 配置図設計 という ) 専有権を保護し 社会主義市場経済の秩序を保護するため 集積回路配置図設計保護条例 ( 以下 条例 という ) 及び関係法律

平成 27 年度特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書 商標制度におけるコンセント制度についての 調査研究報告書 平成 28 年 2 月 株式会社サンビジネス

意匠法第十七条の三意匠登録出願人が前条第一項の規定による却下の決定の謄本の送達があつた日から三月以内にその補正後の意匠について新たな意匠登録出願をしたときは その意匠登録出願は その補正について手続補正書を提出した時にしたものとみなす 2 前項に規定する新たな意匠登録出願があつたときは もとの意匠登

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -AL AL 1 頁 工業所有権総局 (GDIP) ( アルバニア ) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 AL.Ⅰ 委任状 附属書 AL.Ⅱ 略語のリスト国内官庁 : 工業所有権総局 (GD

补正委托书转达函(JP)

Microsoft Word 資料1 プロダクト・バイ・プロセスクレームに関する審査基準の改訂についてv16

審査の品質管理において取り組むべき事項 ( 平成 27 年度 ) 平成 27 年 4 月 28 日 特許庁 特許 Ⅰ. 質の高い審査を実現するための方針 手続 体制の整備 審査の質を向上させるためには 審査体制の充実が欠かせません そこで 審査の効率性を考慮しつつ 主要国と遜色のない審査実施体制の確

指定 ( 又は選択 ) 官庁 PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 - ベトナム国家知的所有権庁 (NOIP) 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (3) に基づく期間 : 優先日から 31 箇月 PCT 第 39 条 (1)(b)

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -MY MY 1 頁 マレーシア知的所有権公社 ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 MY.Ⅰ 国内段階移行手数料 ( 特許様式 No.2A) 附属書 MY.Ⅱ 特許代理人の選任又は変更 ( 特

平成 27 年度 特定行政書士法定研修 考査問題 解答と解説 本解答と解説は 正式に公表されたものではなく 作成者が独自に作成したものであり 内容の信頼性については保証しない 以下の事項に全て該当 遵守する場合にのみ 利用を許可する 東京都行政書士会葛飾支部会員であること 営利目的でないこと 内容を

学識経験を有する者の知見の活用 実績評価書資料の表 2( 審決取消訴訟が提起されなかった審決件数 ) 記載の 審決件数 が, うち審決取消訴訟が提起されなかった審決件数 及び表 3( 審決取消訴訟によって取り消された審決件数 ) 記載の 審決取消訴訟提起件数 の合計件数にならないのはなぜか ( 小西

O-27567

審決取消判決の拘束力

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -SA S A 1 頁 サウジ特許庁 (SPO) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 SA.Ⅰ 略語のリスト国内官庁 : サウジ特許庁 (SPO) Law: 特許, 集積回路配置デザイン, 植

欧州特許庁における審査期間短縮手段 背景欧州出願は 日本 米国と比較して係属期間が長い また 欧州出願では 登録まで出願維持年金を特許庁に支払う必要があり 係属期間が長くなると費用が高くなる そこで 早期権利化と 権利化にかかる費用の削減のために 欧州特許庁における審査期

指定 ( 又は選択 ) 官庁 CL PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -CL 国立工業所有権機関 ( チリ ) 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 CL 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (1) に基づく期間 : 優先日から 30 箇月 PCT 第 39 条 (1

保険給付に関する決定についての審査請求に係る労働者災害補償保険審査官の決定に対して不服のある者は 再審査請求をした日から 3 か月を経過しても裁決がないときであっても 再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経ずに 処分の取消しの訴えを提起することはできない (H23-4B)

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -RU RU 1 頁 連邦知的所有権行政局 (ROSPATENT)( ロシア連邦 ) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 RU.Ⅰ 特許国内処理請求様式 附属書 RU.Ⅱ 実用新案国内処理請求

REPORT あいぎ特許事務所 名古屋市中村区名駅 第一はせ川ビル 6 階 TEL(052) FAX(052) 作成 : 平成 27 年 4 月 10 日作成者 : 弁理士北裕介弁理士松嶋俊紀 事件名 入金端末事件 事件種別 審決取消

説明会の進め方 0. 審判とは? 1. 特許庁及び審判部の組織 2. 審査 審判のフロー 3. 審判の役割と位置づけ 4. 審判制度の種類とその概要について 5. 各種審判事件について 5-1. 拒絶査定不服審判 5-2. 訂正審判 5-3. 無効審判 5-4. 特許異議の申立て 5-5. 商標登録

第10回 出願公開 ☆インド特許法の基礎☆

Ⅰ. はじめに 近年 企業のグローバル化や事業形態の多様化にともない 企業では事業戦略上 知的財産を群として取得し活用することが重要になってきています このような状況において 各企業の事業戦略を支援していくためには 1 事業に関連した広範な出願群を対象とした審査 2 事業展開に合わせたタイミングでの

文書管理番号

Microsoft Word - 【6.5.4】特許スコア情報の活用

ウルグアイ東方共和国 (UY) ORIENTAL REPUBLIC OF URUGUAY ウルグアイの概要 : ウルグアイは 南米大陸の大西洋側に位置しブラジル及びアルゼンチンと国境を接しております ウルグアイの総面積は 約 17.6 万 k m2で人口は約 343 万人 首都はモンデビデオにありま

(21)【中国・司法改革】洗理恵氏コラム(2016年3月15日)

Microsoft PowerPoint - IPRフォローアップミーティング(田村) (2)

平成 25 年度特許庁産業財産権制度各国比較調査研究等事業 アフリカ諸国における知的財産権制度運用実態 及び域外主要国による知財活動に関する調査研究報告書 平成 26 年 2 月 一般社団法人日本国際知的財産保護協会 AIPPI JAPAN

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

2006 年度 民事執行 保全法講義 第 4 回 関西大学法学部教授栗田隆

なって審査の諸側面の検討や評価が行われ 関係者による面接が開始されることも ある ベトナム知的財産法に 特許審査官と出願人またはその特許代理人 ( 弁理士 ) の間で行われる面接を直接定めた条文は存在しない しかしながら 審査官は 対象となる発明の性質を理解し 保護の対象を特定するために面接を設定す

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 ( 連絡先 ) 6. 特許情報へのアクセス < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金

パラグアイ共和国 (PY) REPUBLIC OF PARAGUAY パラグアイの概要パラグアイ共和国は 南米大陸の内部に位置しブラジルやアルゼンチン又ボリビアと国境を接しております 総面積は約 41 万 k m2で 日本の約 1.1 倍の面積があります 総人口は約 607 万人で首都はアスンシオン

仮訳 / JICA 2012 [ 国章 ] インドネシア共和国最高裁判所 仮処分決定に関する インドネシア共和国最高裁判所規則 2012 年第 5 号 インドネシア共和国最高裁判所は a. 意匠に関する法律 2000 年第 31 号第 49 条から第 52 条 特許に関する法律 2001 年第 14

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金減免制度について 5. 実体審査の有無 6.

処分に関する規則(案)

固定資産評価審査申出とは

指針に関する Q&A 1 指針の内容について 2 その他 1( 特許を受ける権利の帰属について ) 3 その他 2( 相当の利益を受ける権利について ) <1 指針の内容について> ( 主体 ) Q1 公的研究機関や病院については 指針のどの項目を参照すればよいですか A1 公的研究機関や病院に限ら

<4D F736F F D E90528DB88AEE8F8095F18D908F915B8FA D25D62>

最近の韓国特許法改正から生じる日韓特許法の差

日本国特許庁の国内出願の審査結果を利用した特許審査ハイウェイ ベトナム国家知的財産庁 (IP Viet Nam) と日本国特許庁 (JPO) との間の特許審査ハイウェイ試行プログラムに関するベトナム国家知的財産庁への申請手続 ( 仮訳 ) 日本国特許庁の国内出願の審査結果を利用した特許審査ハイウェイ

議題提案票(韓国2017)最終版_名前無

北京尚誠知識産権代理有限公司 SHANGCHENG & PARTNERS Newsletter November 2017 Vol. 10 CONTENTS Shangcheng 2017 <SHANGCHENG ニュース> 尚誠が本年度最優秀代理機構に選出される 弊所パートナー弁理士伊藤貴子が日本

作成日 :2006 年 10 月 1 日 世界知的所有権機関 World Intellectual Property Organization (WIPO) 所在地 :34 chemin des Colombettes, 1211 GENEVE 20, Switzerland Tel : (41 2

審判制度の概要と最近の動向

情報公開に係る事務処理規則 ( 平 18 規則第 16 号平成 18 年 8 月 1 日 ) 改正平 19 規則第 52 号平成 19 年 9 月 21 日平 26 規則第 2 号平成 26 年 5 月 13 日平 26 規則第 22 号平成 27 年 3 月 31 日 第 1 章総則 ( 目的 )

第 6 章国際事務局に対する手続 第 6 章 国際事務局に対する手続 第 1 節手続の原則 1. 手続の原則 (1) 国際事務局に対する手続の差出書面には 国際事務局が定めた公式様式 MM2 M M4~MM9 及び MM13~MM18 及び任意様式 MM10~MM12 及び MM19~ MM21 並

特許無効審判の審判請求書における補正の要旨変更についての一考察審判請求後の無効理由の主張及び証拠の追加等に関する裁判例の検討

指定 ( 又は選択 ) 官庁 PCT 出願人の手引 国内段階 国内編 オーストリア特許庁 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (1) に基づく期間 : 優先日から 30 箇月 PCT 第 39 条 (1)(a) に基づく期間 : 優先日から 3

平成11年6月8日

しなければならない 2. 乙は プライバシーマーク付与の更新を受けようとするときは プライバシーマーク付与契約 ( 以下 付与契約 という ) 満了の8ヶ月前の日から付与契約満了の4 ヶ月前の日までに 申請書等を甲に提出しなければならない ただし 付与契約満了の4ヶ月前の日までにプライバシーマーク付

経済産業省産業技術環境局産業技術政策課 パブリックコメント担当 御中

B0B820DFD845F9DE49256B7D0002B34

申し立てることができます なお 特許異議申立てや無効訴訟の手続きにおいて 訂正を行うことができますが それらの手続き外でも単独で訂正を行うことができます 単独で行う場合の訂正はDPMAが取り扱い その決定 (Beschluss) に対しては抗告という形でBPatGに不服を申し立てることができます (

では理解できず 顕微鏡を使用しても目でみることが原理的に不可能な原子 分子又はそれらの配列 集合状態に関する概念 情報を使用しなければ理解することができないので 化学式やその化学物質固有の化学的特性を使用して 何とか当業者が理解できたつもりになれるように文章表現するしかありません しかし 発明者が世

専利行政法執行弁法 (2001 年 12 月 17 日国家知識産権局令第 19 号公布 ) 第一章総則 第一条専利権 ( 特許 実用新案 意匠 ) 侵害紛糾を効果的に処理し 専利紛糾を調停し 他人の専利を偽造し専利を偽る行為を調査処分し 専利権を保護し 社会主義市場経済の秩序を擁護 規範化するために

1. 特許法条約及び商標法に関するシンガポール条約とは 特許法条約 (PLT) 及び商標法に関するシンガポール条約 (STLT) は 各国で異なる国内出願手続の統一化及び簡素化に関する条約である 近年 出願件数が多い欧米諸国の加入が進んでおり 両条約の締約国は PLT が 36 か国 STLT が

業務説明書 Lv1 Lv2 機能構成図 業務名 (Lv0) 資料番号版数日付国税関係業務 1 作成更新 Lv3 Lv4 Lv5 作成者 計画 連絡 報告 税務統計 納税者に関する情報収集 納税者基礎情報の整理 申告書用紙等の発送

旧法第 114 条 ⑴ 第 1 回目の年金の納付は 特許付与の日から起算して遅くとも1 年以内になされなければならない ⑵ その後の年金納付は 当該特許が存続する限り 遅くとも当該特許付与の日又はライセンスの記録の日と同日までになされなければならない ⑶ ⑴にいう年金は出願の最初の年から起算される

インド知的財産ニュースレター第 号 インド知的財産ニュースレター 第 号 2016 年 5 月 18 日 特許規則 2016 年改正 発行者株式会社サンガム IP 東京都千代田区永田町 アイオス永田町 415

平成 23 年 10 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 9 月 29 日 判 決 原 告 X 同訴訟代理人弁護士 佐 藤 興 治 郎 金 成 有 祐 被 告 Y 同訴訟代理人弁理士 須 田 篤

2.1 提供方法 提供形態 登録されたサービス利用者に発行される ID パスワードによりアクセス できるダウンロードサイトから オンラインで提供される 提供周期 新規発生分 / 更新処理分のデータは 日次及び週次で提供される ただし 週次データにおいて期間内に更新又は削除が複

教員等の懲戒処分に係る審査に関する規程 ( 平成 21 年 9 月 16 日 ) ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 教育公務員特例法 ( 昭和 24 年 1 月 12 日法律第 1 号 以下 法 という ) 第 9 条第 2 項の規定に基づき 沖縄県立看護大学教授会 ( 以下 教授会 という )

訂正情報書籍 170 頁 173 頁中の 特許電子図書館 が, 刊行後の 2015 年 3 月 20 日にサービスを終了し, 特許情報プラットフォーム ( BTmTopPage) へと模様替えされた よって,

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 特許審査ハイウェイ実施状況 3. 現地代理人の必要性有無 4. 現地の代理人団体の有無 5. 出願言語 6. その他関係団体 7. 特許情報へのアクセス方法 < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 6. 特許情報へのアクセス < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金減免制度について

鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等に関する規則 平成 19 年 3 月 31 日規則第 15 号 改正 平成 21 年 2 月 16 日規則第 2 号平成 21 年 8 月 25 日規則第 28 号平成 28 年 3 月 25 日規則第 17 号鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等

市町村合併の推進状況について

< 知的財産推進計画 2015 の構成 > 第 1 部重点 3 本柱 第 1. 地方における知財活用の推進 第 2. 知財紛争処理システムの活性化 << 知財紛争処理システムの機能強化 >> 証拠収集手続 権利の安定性 今回のテーマ 損害賠償額 差止請求権 << 知財紛争処理システムの活用促進 >>

( 審査の申請 ) 第 5 条甲は プライバシーマーク付与適格性審査の実施基準 に基づき 付与適格性審査を申請した者 ( 以下 乙 という ) の審査を行う 乙は 甲が定めるところにより 付与適格性審査にかかわる申請書及び申請書類 ( 以下 申請書等 という ) を甲に提出しなければならない 2 乙

イ特許専門業務特許戦略 法務 情報 調査 特許戦略に関し 次に掲げる事項について専門的な知識を有すること (1) 特許出願戦略 ( ポートフォリオ戦略等 ) (2) 研究開発戦略と特許戦略の関係 (3) 事業戦略と特許戦略の関係 (4) 標準化戦略 法務に関し 次に掲げる事項について専門的な知識を有

審 査 請 求 事 務 取 扱 要 領

☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第31号-

Microsoft Word - 中国最高人民法院による司法解釈の改正ニュース

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 6. 特許情報へのアクセス方法 < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金減免制度につ

異議の決定 異議 東京都荒川区東日暮里 3 丁目 27 番 6 号商標権者株式会社エドウイン 東京都渋谷区広尾 商標異議申立人 EVISU JAPAN 株式会社 東京都港区西新橋 1 丁目 18 番 9 号西新橋ノアビル4 階朝比 増田特許事務所代理人弁理士朝比

Taro-007第1章4節(p29-37).jtd

特許訂正制度における一群の請求項ごとの訂正に関する留意点と課題

Transcription:

中国 韓国の審判制度について 審判部審判課課長補佐 ( 企画班長 ) 審判部審判課審判企画室課長補佐 高橋克古田敦浩 抄録特許庁審判部は 中韓の特許庁の審判部門と審判専門家会合等を通じて情報交換を行ってきました 本稿では これらの会合等で得られた情報を基に 中韓の審判制度について概説します はじめに I 中国の審判制度について 特許庁審判部の国際交流の歴史は 東アジア地域から始まり これまでの様々な情報交換を通じて日本の審判制度と中韓の審判制度との相違も明らかになってきました 本稿では 中韓のそれぞれの審判制度について 日本との違いについても言及しつつ 概説します 1) 1. 中国の専利復審委員会について中国では 日本でいう 特許 実用新案 及び 意匠 はまとめて 専利 と呼ばれ 国家知識産権局 (SIPO) が所管しています 日本でいう審判事件については SIPOの専利復審委員会が審理して審決します 委員 委員 委員 委 ( 委 ) 審 17 の 復審 第 第 復審 第 第 情報 図 1 専利復審委員会の組織 2) 1) 本稿は 特に 2014 年から開始している 日中韓特許庁における審判実務に関する比較研究 https://www.jpo.go.jp/torikumi/kokusai/ kokusai3/nicyukan_shinpan_hikakuken.htm 平成 25 年度特許庁産業財産権制度各国比較調査研究等事業 AIPPI 日中韓における審判 裁判についての制度及び統計分析に関する調査研究報告書 ( 平成 26 年 2 月 )https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/pdf/ zaisanken_kouhyou/h25_report_05.pdf 及び平成 28 年度同事業 AIPPI 日中韓における特許無効審判についての制度及び統計分析に関する調査研究 ( 平成 28 年 11 月 )https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/pdf/zaisanken_kouhyou_h28/h28_report_01.pdf を参考にしています 主として 中国部分を高橋が 韓国部分を古田が執筆しました 2) 日中韓特許庁ユーザーセミナー 配布資料に基づき筆者が作成 https://www.jpo.go.jp/shoukai/soshiki/photo_gallery2017071301.htm 13 tokugikon

件 30000 復審 件数無効 請求件数復審審 復審 審件数無効 請求 審件数無効 請求審 30 25000 25 20000 20 15000 15 10000 10 5000 5 0 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 復審 件数 12 946 17 320 18 829 24 452 12 678 13 107 復審 審件数 10 116 11 427 14 805 20 393 25 756 17 623 無効 請求件数 2 749 2 941 2 930 3 422 3 724 3 969 無効 請求 審件数 2 576 2 599 2 313 2 742 3 652 4 100 復審審 ( ) 10 1 12 5 13 7 14 6 13 7 11 9 無効 請求審 ( ) 7 5 6 6 7 0 7 2 5 8 5 1 0 図 2 専利復審委員会の各統計情報 (2011 年 2016 年 ) 3) 中国には 日本の特許の拒絶査定不服審判及び無効審判に相当する制度として 発明専利に関する復審及び無効宣告請求が存在する一方 日本の訂正審判及び判定に相当する制度はありません 専利復審委員会の主任委員はSIPOの局長が兼任しているため 常務副主任委員が実質的なトップを務めています 専利復審委員会は19の復審部 ( 日本の 部門 ) を有し そのうち17 部門が技術 ( 特許及び実用新案 ) 2 部門が外観設計 ( 日本の 意匠 ) を担当しています ( 図 1) 専利復審委員会に所属する審判官の数は266 名 (2016 年 ) で 日本特許庁の審判部 ( 審判官数 :383 名 (2016 年 )) と比べると 人員的には小さな組織になっています しかし 年間約 13,000 件の復審事件と年間約 4,000 件の無効宣告事件 (2016 年 ) にも及ぶ数多くの審判事件を受理しています ( 図 2) 2. 中国の審判制度について以下では 復審及び無効宣告請求の概要について説明したいと思います (1) 復審の概要復審の手続は 出願人が拒絶査定に対して不服がある場合の救済手続であるとともに 専利の審査手続とも言えます このことから 復審の審理では 拒絶査定の理由と証拠のみに基づいて審理することが一般的であるとしつつ 専利権付与の質の向上等のため 拒絶査定で言及していない実体上の問題に対して職権に基づく審理を行うこともできることになっています 復審の流れは次のようになります 請求人 ( 出願人 ) は 拒絶査定の通知を受領した日から3か月以内に専利復審委員会に復審請求を行うことができます ( 専利法第 41 条第 1 項 ) その際には 請求理由を記載した復審請求書を提出し 必要に応じて証拠を添付します ( 専利法実施細則第 60 条第 1 項 ) 請求の理由 の記載は後で補充することはできません その後 復審委員会は 方式調査を行い 方式に違反している場合 請求人に対して補正命令を出し 3)SIPO 復審委員会ウェブページ 2017 年复审委宣传册英文版 より著者が和訳を作成 http://www.sipo-reexam.gov.cn/zwfw/wykgk/ fswxzc/index.htm tokugikon 14

ます ( 専利法実施細則第 60 条第 3 項 ) それに対して請求人は復審委員会が指定する期限内に補正しなければなりません 請求人は 復審を請求する時 又は 専利復審委員会の復審通知 ( 日本の 拒絶理由通知 ) に回答する時 拒絶査定又は復審通知書の指摘する欠陥の解消に限り 出願書類を補正することができます ( 専利法実施細則第 61 条第 1 項 ) 方式要件を満たした復審事件は 補正の有無にかかわらず すべて前置審査として 拒絶査定を行った元の審査部門において審査されます ( 専利法実施細則第 62 条 ) この点 審判請求時に補正があった場合にのみ前置審査が行われる日本の拒絶査定不服審判とは異なります 前置審査の意見が拒絶査定を取り消すものであった場合 専利復審委員会は 合議体が審理を行う代わりに 前置審査意見に基づいて復審決定を行い 元の審査部門が審査許可の手続を継続して進めます 前置審査の意見が拒絶査定を維持すべきとするものであった場合 合議体によって審理が行われま す 書面審理 口頭審理 又はその両方の組み合わせにより審理を行うことができる点も 復審の特徴的なところです 合議体は 以下のいずれかに該当する場合 審決の前に復審通知を発行します ( 専利法実施細則第 63 条第 1 項 専利審査指南第 4 部分第 2 章 4.3) 1 拒絶査定を維持する場合 2 請求人が専利法 その実施細則及び審査指南の関連規定に従って出願文書を補正することを条件として 拒絶査定を取り消すことができる場合 3 請求人による更なる証拠又は説明が必要とされる場合 4 拒絶査定では提示されなかった新しい理由又は証拠を採用する必要がある場合拒絶査定を維持する審決を行うべき場合であっても 復審通知を発行して請求人に補正する機会が与えられる点は 日本との大きな違いと言えます 復審通知を受領した請求人は 受領した日より1 か月以内に指摘された欠陥に対して書面による回答を行わなければなりません 期限が過ぎても請求人による回答がない場合 その復審請求は取り下げら 復審請求 査 15 日 に 審査の審 拒絶査定 に 審査 に る 審査 拒絶査定 不 合議 審 の審査 門に る 審査 拒絶査定 の審 拒絶査定 の審 の審査 門に る 審査 図 3 復審のフロー 15 tokugikon

れたものとみなされます ( 専利法実施細則第 63 条第 1 項 ) 合議体は 審決によりその最終判断を示します 審決は 拒絶査定の維持又は拒絶査定の取消のいずれかになります 審決で拒絶査定を取り消すことになった場合 専利復審委員会は関連の資料を元の審査部門に返送し 元の審査部門では登録査定の手続を継続しなければなりません 一方 拒絶査定が維持された場合 請求人は 決定の謄本の送達を受けた日から3か月以内に復審決定に対する不服申立を人民法院に提起することができます ( 専利法第 41 条第 2 項 ) (2) 無効宣告請求の概要無効宣告請求は 請求により 専利権が付与された発明専利 ( 特許 ) を無効にすることができる制度で 無効宣告された専利権は 初めから存在しなかったものとみなされます 発明専利登録の公告後であれば何人でも請求することができ ( 専利法第 45 条 ) 専利権が満了又は放棄された後でも請求は可能です ( 専利審査指南第 4 部分第 3 章 3.1) 日本の無効審判と同様に 無効宣告請求においては 通常 当事者が提出した無効宣告請求の範囲 理由と証拠のみを対象に審理するものとし 専利の有効性について職権で審理をやり直す義務を負いません 無効宣告請求の流れは次のようになります 無効宣告請求をするには 請求人は 専利復審委員会に無効宣告請求書及び必要な証拠を提出します ( 専利法実施細則第 65 条第 1 項 ) 無効宣告請求書には 無効宣告請求の範囲と請求の理由を記載しなければならず 無効宣告請求の範囲が明確でない場合は 専利復審委員会により所定の期間内に補正するよう求められます ( 専利審査指南第 4 部分第 3 章 3.3(1)) また 請求の理由には 提出したすべての証拠を組み合わせて無効宣告請求の理由を具体的に説明し また各理由の根拠となる証拠を指摘しなければなら ( 専利法実施細則第 65 条第 1 項 ) ず 無効宣告の理由が具体的に説明されていない場合 無効宣告請求は受理されません ( 専利法実施細則第 66 条第 1 項 ) 無効宣告請求書及び添付資料について 方式要件を満たさない場合 請求人は 期間を指定して補正をするよう求められます ( 専利法実施細則第 66 条第 4 項 ) 指定された期間内に補正がされなかった場合 又は 2 回補正してもなお同じ欠陥が残っている場合は 無効宣告請求は提出されていなかったものとみなされます ( 専利法実施細則第 66 条第 4 項 専利審査指南第 4 部分第 3 章 3.4) 無効宣告請求が方式要件を満たす場合 専利復審委員会は 請求人と専利権者に無効宣告請求受理通知書を発行すると共に 無効宣告請求書及び関連書類の副本を専利権者に送付します その際 専利権者には答弁書提出の機会が与えられます 答弁書の提出期間は 専利権者が無効宣告請求受理通知書を受け取った日から1か月です ( 専利審査指南第 4 部分第 3 章 3.7(3)) 無効宣告請求書の請求の理由及び証拠については 請求書が提出された日から起算して1か月以内に理由の追加及び証拠の補充をすることができます ( 専利法実施細則第 67 条 ) 専利権者は 無効宣告請求の審査過程において 特許請求の範囲について補正 ( 日本の 訂正請求 ) をすることができます ( 専利法実施細則第 69 条第 1 項 ) 具体的には 無効宣告請求において 専利復審委員会が決定を行うまでであって以下の状況の答弁書提出期間に限り 特許請求の範囲の補正をすることができます ( 専利審査指南第 4 部分第 3 章 4.6.3) 1 無効宣告請求書に対するもの 2 請求人が追加した無効宣告事由又は補充した証拠に対するもの 3 専利復審委員会が引用した 請求人が言及していない無効宣告事由又は証拠に対するものこれに対して請求人は クレームが結合の形式で補正されたときは 応答期間内に請求の理由の追加 証拠の補充が可能です 無効宣告請求での特許請求の範囲に対する補正は 以前は 原則として 請求項の削除又は併合 技術法案の削除に限られていたところ 昨年 4 月の専利審査指南の改訂により 請求項の更なる限定や明らかな誤りの訂正が認められるようになりまし tokugikon 16

審判請求 専利復審委員会 専利権 無効 請求 不 査 15 日 に 不 不 不 無効 請求 無効 請求 審 請求 (1 ) 権利 求 の 審 無効 請求審査 定 図 4 特許無効審判の流れ た ただ この点は 明細書に記載された事項を盛り込んで請求項を減縮できる日本とはまだ違いがあると言えます 無効宣告請求では 当事者の請求により又は事実上の内容に応じて専利復審委員会が決定により口頭審理を行うことができます ( 専利法実施細則第 70 条第 1 項 専利審査指南第 4 部分第 4 章 2) 口頭審理を実施する場合 合議体は当事者に口頭審理通知書を発行し 口頭審理の日時と場所を通知します 当事者は口頭審理通知書を受け取った日から7 日以内に受領書を専利復審委員会に提出しなければならず 請求人から受領書の提出が無く 口頭審理に出席しなかった場合は 無効宣告請求は取り下げられたものとみなされます ( 専利法実施細則第 70 条第 3 項 専利審査指南第 4 部分第 4 章 3) 事者は 専利復審委員会からの決定の通知を受領した日から3か月以内に人民法院に訴訟を提起することができます ( 専利法第 46 条第 2 項 ) その際 専利復審委員会が被告になることが 無効審判の両当事者が審決取消訴訟においても両当事者となる日本と異なる点です 3. 日中の審判部の交流について 2017 年 7 月に第 3 回となる日中審判専門家会合が開催されました ( 図 5) 本会合では 両国の審判 無効宣告請求の審決は 専利権の全部無効の宣告 専利権の一部無効の宣告 専利権の有効性の維持のいずれかになります 専利復審委員会による判断の結果に不服がある当 図 5 第 3 回日中審判専門家会合 17 tokugikon

制度及び統計に関する情報交換の他 口頭審理の在り方についての意見交換を行いました 一般的な情報交換から一歩進んだ形で実務的な意見交換が行われ 日中の審判制度に様々な違いはあるものの 当事者に主張立証を尽くしていただき 公正な審決を示したい との思いを共有することができたと考えます 今後も引き続き日中の審判部の交流を続けていきたいと思います Ⅱ 韓国の審判制度について 1. 韓国の特許審判院について日本の審判部に相当する 韓国の特許審判院には 商標分野を担当する第 1から第 3 部門 機械分野を担当する第 4 及び第 5 部門 化学分野を担当する第 6 及び第 7 部門 電気分野を担当する第 8 及び第 9 部門 複合技術分野を担当する第 10 部門並びに意匠 商標分野を担当する第 11 部門があり 11 人の審判長及び95 人の審判官を擁しています ( 図 6) 2. 韓国の審判制度について韓国の特許法はその構成も含め日本と共通する部分が多くあり 韓国の特許制度は 我が国の実務家 にとって最も理解しやすいものと思われます ただし 異なっている部分もあり 注意が必要です 韓国の特許審判院で取り扱っている手続きは 主なものとして 拒絶査定不服審判 無効審判 異議申立て 訂正審判や権利範囲確認審判があげられます 本稿では 特に特許の場合を例にとり これらの主な審判手続きについてその概要を説明したいと思います 4) (1) 拒絶査定不服審判の概要韓国における拒絶査定不服審判 ( 韓国特許法第 132 条の17 以下条文番号は韓国特許法の条文番号を示します ) は 特許出願について拒絶査定を受けた者が謄本送達の日から30 日以内に請求するこ 5) とができます 韓国では前置審査がない点と 審判合議体 3 人の参加が必須ではない技術説明会が開催されることがある点 審判部で特許査定をすることなく 原査定を取り消す場合は基本的に審査部に差し戻す点が日本の拒絶査定不服審判との大きな違いです ( 図 7) 韓国の制度で特徴的なものとして再審査制度があります これは 出願に対する拒絶査定について補正とともに再び判断を求める場合は直接拒絶査定不服審判を請求することはできず 拒絶査定謄本の送 特許審判院 審判 審判 ー 合 第 1 門 第 4 門 第 6 門 第 8 門 第 10 門 第 11 門 第 2 門 第 5 門 第 7 門 第 9 門 第 3 門 図 6 韓国の特許審判院の組織 4) 本稿では省略しますが 韓国の特許に関する審判手続きにはここであげたもののほか 特許権存続期間の延長登録の無効審判 ( 韓国特許法第 134 条 ) 訂正無効審判( 韓国特許法第 137 条 ) 通常実施権許諾審判( 韓国特許法第 138 条 ) があります 5) ただし 2009 年 6 月 30 日以前の出願の場合は前置審査のみが認められ 再審査に進むことはありません tokugikon 18

達を受けた日から30 日以内に補正と同時に再審査を請求し 審査官による再審査を受けるという制度です 韓国にも以前は日本と同様の前置審査制度がありましたが 制度改正の結果 2009 年 7 月 1 日以降の出願について再審査制度が適用されることとなっています 拒絶査定不服審判請求 審 査合議 審 定 会審 審 図 7 拒絶査定不服審判のフロー (2) 無効審判の概要韓国における無効審判 ( 第 133 条 ) の流れは日本と大きく変わりませんが 特許権者が訂正請求をする度に無効審判請求人は無効理由についての新たな証拠を自由に追加することができる点や 審決の予 告がない点 無効審判を請求できる者に利害関係人だけでなく審査官も含まれている点などで日本と異なります ( 図 8) 無効審判請求人が無効理由についての新たな証拠を自由に追加することができる点で審理が長期化する恐れもあると思われますが 口頭審理などで当事者に主張 立証を尽くさせることに韓国では注力しているとのことでした (3) 特許異議の申立ての概要韓国では 法改正により2017 年 3 月 1 日から特許異議の申立て ( 特許取消申請 ) 制度が開始されています ( 第 132 条の 2) 韓国でも 1997 年に付与前異議申立てを付与後異議申立てにし 2007 年に付与後異議申立てを無効審判に統合し 2017 年から無効審判との別の特許異議申立て制度を開始するという経緯をたどっています この最新の制度改正により 無効審判の請求人適格は利害関係人又は審査官のみとされました この韓国の新たな特許異議の申立て制度は 特許登録から 6 月以内に誰でも請求が可能で 日本と同じく書面審理によっていますが 請求の理由は 新規性 進歩性 先願及び拡大先願に基づく理由に限られている点 申立て後は基本的に異議申立人の手続きに対する関与がない点で日本と異なります ( 図 9) 審 無効審判請求 査 審 審 訂正 定 訂正 件審 訂正 訂正 件 訂正 件合議 審 訂正拒絶 訂正の 定 異議申立て 査 合議 審 定 訂正 訂正 件審 訂正 訂正 件 訂正 件合議 審 訂正拒絶 審 定 訂正の 図 8 無効審判のフロー 図 9 特許異議申立てのフロー 19 tokugikon

(4) 訂正審判の概要韓国では 日本と同様に 特許権者が特許権の設定登録後に明細書等を訂正するための審判として訂正審判 ( 第 136 条 ) があります ( 図 10) 訂正の目的は 特許請求の範囲の減縮 不明瞭な記載の釈明又は誤記の訂正のためとされており 新規事項を追加することや特許請求の範囲の実質的な拡張又は変更も認められません 訂正が認められない場合は 審判合議体から訂正拒絶理由が通知され この訂正拒絶理由通知に対しては意見書及び要旨変更とならない範囲での補正を行うことができます 韓国においては 特許無効審判が特許審判院に係属中であるとき又は特許異議申立ての審決が確定するまでは訂正審判の請求ができません ただし 特許無効審判の審決に対する訴えが日本の知的財産高等裁判所に相当する韓国の特許法院に係属しているときはその弁論終結日まで訂正審判の請求をすることができます 訂正審判請求 審 査 訂正 件 訂正 件審 定 訂正 件 訂正拒絶 訂正の 訂正 件審 についてなども含め判断がなされるなど日本の判定よりも審理範囲が広く 裁判所への上訴も可能とされている点などで日本とは大きく異なります 権利範囲確認審判請求 審 査 定 合議 審 審 審 図 11 権利範囲確認審判のフロー (6) 韓国の特許審判院における取組韓国の特許審判院において 当事者系審判の審理期間 (2016 年で8か月程度 ) などの維持に努めるとともに 2006 年までは原則書面審理としていた審判に関し 審理の質及び当事者の満足度の向上のため 口頭審理に力を入れ 2009 年に特許以外も含め165 件であった口頭審理の数を2016 年には590 件に増やすなどの取組を行っているとのことでした また 重要事件について5 人の審判官の合議体による審理を行うことや ビデオ口頭審理についても力を入れているとのことでした 審 審 10000 8000 拒絶査定不服無効訂正権利範囲確認 図 10 訂正審判のフロー 6000 (5) 権利範囲確認審判日本の判定に相当する審判として 韓国では権利範囲確認審判 ( 第 135 条 ) があります ( 図 11) 韓国の権利範囲確認審判も 対象発明の特許の保護範囲への属否を判断するものであり 法的拘束力を持たないという点では日本と同じですが 均等論の範囲だけではなく 新規性欠如の無効理由や間接侵害 4000 2000 0 2012 2013 2014 2015 2016 8887 7019 6123 6093 5470 664 573 687 2194 548 131 142 140 134 145 354 375 385 691 632 図 12 特許に関する審判の請求件数 tokugikon 20

49 5 50 7 45 6 36 7 34 7 42 2 38 7 31 7 33 2 33 4 33 3 32 1 27 8 30 4 29 0 2012 2013 2014 2015 2016 査定 謝辞中国 韓国の審判部との交流は 特許庁審判部の力のみで実現できたわけではありません これまでの日中韓の審判部の交流を支えていただいた在中華人民共和国日本国大使館 在大韓民国日本国大使館 JETRO 北京事務所 JETROソウル事務所及び特許庁総務部国際政策課の歴代のスタッフの皆様方にこの場をお借りして厚く御礼を申し上げます 図 13 特許に関する審判の認容率 (7) 参考統計 韓国の特許に関する審判の主な統計を示します ( 図 12 図 13) 6) 3. 日韓の審判部の交流について韓国特許審判院との交流は 特許庁審判部にとって最も歴史のある交流となっています 2017 年 7 月には第 8 回となる日韓審判専門家会合が開催され 両国の審判制度及び統計に関する情報交換の他 口頭審理について実務的な意見交換を行いました ( 図 14) 本稿もこれまでの交流の成果を参考に執筆しています 今後も引き続き日韓の審判部の交流を続けていきたいと思います profile 高橋克 ( たかはしまさる ) 平成 12 年 4 月特許庁入庁 ( 審査第五部情報処理 ) 総務部国際課 特許審査第四部情報記録 知的財産戦略推進事務局 審判部第 1 部門 ( 計測 ) 同部審判企画室等を経て 平成 29 年 7 月より現職 図 14 第 8 回日韓審判専門家会合 古田敦浩 ( ふるたあつひろ ) 平成 12 年 4 月特許庁入庁 ( 審査第二部光デバイス ) 経済産業省情報通信機器課 特許審査第一部光デバイス ミュンヘン知財ローセンター ( 留学 ) 企画調査課 審判部第 6 部門 ( 事務機器 ) 等を経て 平成 29 年 7 月より現職 6) 韓国特許庁の年次報告書 http://www.kipo.go.kr/upload/en/download/annualreport_2016.pdf から著者が作成しました なお 2015 年の当事者系審判の増加は 後発医薬品の許可と特許審判を結びつける 米韓 FTA による医薬品許可 特許連携制度の開始の影響のようです 21 tokugikon