要望書 平成 30 年 8 月 23 日 千葉県知事森田健作 様 公益社団法人千葉県看護協会 会長寺口惠子 人生 100 年と言われる時代に入りました これからはどう生きるかを自身で選択し 人生を描き創り上げていくことが求められます 一方 少子超高齢社会の現在 医療は 病院完結型から地域完結型への移

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第3節 重点的な取り組み

高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の

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一般会計負担の考え方

第2節 茨木市の現況

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第 1 部 施策編 4

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

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認知症医療従事者等向け研修事業要領

一般看護師領域 キャリアレベル ミドル (Ⅲ) 退院支援看護師育成プログラム ~ 希望を地域へつなぐ ~


対応していくためには 職員一人ひとりの公務に対する意欲と能力を高め 組織をより活性化し 公務の質を高く保つことが求められている そのためには 各職員の能力と勤務実績を的確に評価し その結果を反映した人事管理を推進していくことが重要である 知事部局等においては 平成 28 年 4 月に施行された地方公

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体制強化加算の施設基準にて 社会福祉士については 退院調整に関する 3 年以上の経験を有する者 であること とあるが この経験は 一般病棟等での退院調整の経験でもよいのか ( 疑義解釈その 1 問 49: 平成 26 年 3 月 31 日 ) ( 答 ) よい 体制強化加算の施設基準にて 当該病棟に

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

山梨県地域医療再生計画 ( 峡南医療圏 : 救急 在宅医療に重点化 ) 現状 社保鰍沢病院 (158 床 ) 常勤医 9 名 実施後 社保鰍沢病院 峡南病院 (40 床 ) 3 名 市川三郷町立病院 (100 床 ) 7 名 峡南病院 救急の重点化 県下で最も過疎 高齢化が進行 飯富病院 (87 床

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区分

従業員に占める女性の割合 7 割弱の企業が 40% 未満 と回答 一方 60% 以上 と回答した企業も 1 割以上 ある 66.8% 19.1% 14.1% 40% 未満 40~60% 未満 60% 以上 女性管理職比率 7 割の企業が 5% 未満 と回答 一方 30% 以上 と回答した企業も 1

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周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

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平成23年9月29日WG後修正


第3章 指導・監査等の実施

点検項目 点検事項 点検結果 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ 計画の定期的評価 見直し 約 3 月毎に実施 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅱ ( リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ の要件に加え ) 居宅介護支援事業者を通じて他のサービス事業者への情報伝達 利用者の興味 関心 身体

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07体制届留意事項(就労継続支援A型)

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女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

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001

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看護職員の年齢階層別就業率 00% 90% 8.9% 80% 0%.%.8%.%.% 9.9% 0.9% 9.% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 看護職員の離職の特徴 0 代後半から 0 代にかけて急激な就業率の低下かつ 一度辞めてしまうと復職する看護職が少ない 0 歳を過ぎると就業率が一

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01 【北海道】

届出上の注意 1 届出前 1 ヶ月の各病棟の勤務計画表 ( 勤務実績 ) 及び 2 つの勤務帯が重複する各勤務帯の申し送りの時間が分かる書類を添付すること 2 7 対 1 特別入院基本料及び 10 対 1 特別入院基本料を算定する場合には 看護職員の採用活動状況等に関する書類を添付すること

子ども・子育て会議(第7回) 次世代育成支援対策推進法の延長等の検討について

平成19年6月

概要

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~ 北海道医療ソーシャルワーカー協会初任者研修 ~ < 対象 > 当協会の准会員 ( 賛助会員 ) 入会 1 年 ~5 年 < 目的 > 医療ソーシャルワーク業務の基本条件の確保および当協会の会員としての素養を習得し会員要件の取得を目的とした研修 < 内容 > ソーシャルワークの価値 ソーシャルワー

H21年事業年度業務実績評価

消費税 5% 引上げによる社会保障制度の安定財源確保 消費税率 ( 国 地方 ) を 2014 年 4 月より 8% へ 2017 年 4 月より 10% へ段階的に引上げ 消費税収の使い途は 国分については これまで高齢者 3 経費 ( 基礎年金 老人医療 介護 ) となっていたが 今回 社会保障

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第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

地域子育て支援拠点事業について

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ダイバーシティ 年に向けた政策展開のポイント テレワークが当たり前になる社会 の実現に向け 多様な主体と連携した普及啓発や導入支援への取組を強化 地域での就労支援やマッチング強化により 女性や高齢者の就業を推進 働き方改革と併せて時差 Biz の定着に向けた取組を推進 強化した政策

(目的)

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ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)  レベル診断チェックシート

職場環境 回答者数 654 人員構成タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % % 質問 1_ 採用 回答 /654 中途採用 % 新卒採用 % タ

2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民

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要望書 看護の専門性と職能団体としての力を発揮し 県民の健康を支えよう - 千葉県看護協会スローガン - 公益社団法人千葉県看護協会

要望書 平成 30 年 8 月 23 日 千葉県知事森田健作 様 公益社団法人千葉県看護協会 会長寺口惠子 人生 100 年と言われる時代に入りました これからはどう生きるかを自身で選択し 人生を描き創り上げていくことが求められます 一方 少子超高齢社会の現在 医療は 病院完結型から地域完結型への移行が加速し 医療依存度の高い在宅療養者が増加しています 元気な県民が地域で困っている在宅療養者を専門職と一緒になって支える自助 共助 公助の社会の実現こそが 人生 100 年時代の 地域包括ケアシステムのコミュニティづくり であると考えます 今年は 3 月に診療報酬 介護報酬 障害者福祉サービス等報酬のトリプル改定 7 月には 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律 の成立があり 長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現 あらゆる雇用形態における公正な待遇の確保等について 国を挙げて進めていくことになります とりわけ 看護界においては その多くが交代制勤務という特殊な勤務形態にあることから 今般の制度改革を真摯に受け止め 取り組みを進める必要があると考えます こうした中 千葉県においては 千葉県保健医療計画 をはじめ 千葉県高齢者保健福祉計画 第六次障害者計画 が次々とスタートし 県民一人ひとりが健やかに地域で暮らし 心豊かに長寿を全うできる総合的な保健医療福祉システムづくりや 高齢者が安心して暮らし続けられる地域社会の実現を目指し 様々な事業を始動させておられることと推察いたします 本協会においても こうした時代の動向を読み これから看護職が果たすべき役割を見極めながら 各種事業を進めていく所存です そのためには看護職の確保 定着を基盤としながら 既存の事業を見直し 必要な事業を強化するとともに 地域資源を効果的に活用した新たな戦略を導入し 取り組んでまいります さらに 地域包括ケアシステムの構築を推進するため 組織を超え 多職種の連携を強化し 協働で実施できる事業の提案にも果敢に挑戦していきます 連携を協働に転換 する事業が 人生 100 年時代を見据えた 地域包括ケアシステムのコミュニティづくり の要となるよう 会員の総力を結集して進めてまいります よって 平成 31 年度予算の編成に当たっては 以下の事項について御配慮賜りますよう 要望いたします

要望事項 Ⅰ 2025 年を見据えた看護職の確保 定着の推進 本県の人口 10 万対の看護職数は 894.1 人 ( 全国平均 1,228.6 人 ) で 全国ワースト 3 位である 一方 2025 年までの高齢化率は全国第 3 位のスピードで上昇し 2025 年には最大で 1 万 5 千人の看護職不足が推計されており 看護職の確保 定着対策は喫緊の課題である こうした事態に対応するためには これまでの事業に加え 2015 年 10 月から施行された離職看護職のナースセンターへの届出制度を活用した再就業支援の強化とワーク ライフ バランスの推進を中心とした働き続けられる職場環境づくりの促進が必要である よって ナースセンター事業のさらなる推進 働き続けられる職場環境づくりについて より一層の支援をいただきたい Ⅱ 質の高い看護の提供体制の整備 医療技術が日進月歩で発展している中 看護に必要な最新の知識や技術を修得し 質の高い看護を提供することは看護職の使命である そのため 看護職には 生涯を通じて専門性の高い看護の知識や技術の修得に努めることが求められるとともに 学会や研究 調査等を通じて 新しい看護の開発に取り組んでいくことが必要である よって 生涯教育の開催 学会や調査への支援 認定看護師や専門看護師 特定行為に係る研修等 専門資格の取得への支援をいただきたい Ⅲ 地域包括ケアシステムの構築の推進 少子超高齢社会の中で 医療は病院完結型から地域完結型への移行が加速し 医療依存度の高い在宅療養者が増加している こうした事態に対処するため 地域における働く場を超えた看護職同士の連携をベースに その連携を多職種の協働へと拡大し 在宅療養者の支援ネットワークへと発展させていくことが求められている また 地域包括ケアシステムの構築の推進役となる保健師の確保も十分とは言えない現状であり 今後も確保対策の推進が必要である よって 地域包括ケアの推進に係る訪問看護師の確保 育成 保健師の増員 看 看連携 小児や障がい者 高齢者等の退院支援 多職種連携の強化による地域包括ケアの推進について支援をいただきたい

要望事項詳細 Ⅰ 2025 年を見据えた看護職の確保 定着の推進 人口 10 万対の看護職が全国ワースト 3 位 2025 年には最大 1 万 5 千人の看護職不足が推計されている本県では 看護職の確保 定着対策は喫緊の課題である 一方 2015 年 10 月に離職看護職のナースセンターへの届出制度が開始され 再就業対策の強化が図られた これを受け看護学生の確保 潜在看護職の再就業支援 及び定着支援の 3 本柱を掲げ 支援体制を強化し 実効性の高い戦略を開発しながら実践してきている よって ナースセンター事業のさらなる推進 働き続けられる環境づくりについて支援をいただきたい 1. 千葉県保健師等修学資金貸付制度の拡充看護学生の就学を容易にし 県内における看護職の確保及び質の向上に資することを目的とした修学資金の貸し付けによって 看護学生が安心して勉学に集中できるよう 以下の事項について制度の拡充を図られたい ア. 貸付額の増額イ. 貸付対象者数の拡大 2. 看護学生の臨地実習体制の整備県内で急増している看護大学等においては 看護の基礎教育の重要な柱である臨地実習施設の確保が厳しい状況にある 看護の臨地実習は 学内で学んだ知識 技術 態度の統合を図り 看護実践能力を習得する極めて重要な機会であり そのためには指導する専任教員及び実習指導者の質 量の確保が不可欠である よって 以下の事項について実施されたい ア. 看護教育の質向上を図るため 計画的な看護教員の養成イ. 臨床実習指導者講習会の定員と開催回数の増ウ. 看護学生受け入れ施設への助成 ( 特に 訪問看護ステーション等 ) エ. 臨床実習施設数の増加 3. ナースセンター事業の充実強化平成 27 年 10 月からスタートした離職看護職のナースセンターへの届出制度は 3 年が経過しようとしている 本センターも復職支援強化策として 30 年度からは 5 名の就業相談推進アドバイザー体制で 復職者を増やすための新しい戦略を開発するため 日本看護協会のモデル事業 地域に必要な看護職確保モデル事業 に参画し 取り組みを進めている 1

よって 届出制度を活用した復職支援の促進に向けて 以下の事項について実施されたい ア. 就業相談推進アドバイザーの活動費等への継続支援イ. 退職前後の看護職対象の職場復帰のための研修会開催への支援ウ. 地域における再就業基礎技術講習会と合同就職説明会への支援 4. 准看護師の教育環境の確保と進学コースの存続 准看護師養成停止が実現するまでの間は 准看護師養成校の教育環境の確保 並びに県立看護専門学校等 進学コースとなる 2 年課程は存続されたい 5. 看護職のワーク ライフ バランスの推進看護職は 夜勤 交代制勤務等の労働負荷に加えて 時間外勤務が常態化しており 有給休暇も取得できないなど 厳しい労働環境が続いている 仕事と家庭の両立が困難となった看護職の離職も増加している現状にある 本協会では ワーク ライフ バランスの推進に取り組み 取り組み施設では一定の成果は上がってきているが 多くの施設では未だ大きな課題となっている よって 以下の事項について実施されたい ア.24 時間対応の病後児保育所 院内保育所の増設 拡充への支援 保育時間の延長や学童保育の年齢引き上げへの支援 保育費用の助成イ. 医療勤務環境改善支援センター事業のさらなる充実 Ⅱ 質の高い看護の提供体制の整備 看護職は 質の高い医療 看護を提供することによって 人々の健康な生活の実現に貢献することを使命としている そのため 生涯を通じて 安全で安心な専門性の高い看護の知識 技術の修得に努めるとともに 多様化する時代や社会のニーズに応えるため 学会や研究 調査等を通して 新しい看護開発への取り組みを進めていく よって 質の高い看護の提供体制の整備について 支援をいただきたい 1. 看護の質向上を目的とした研修の開催医療技術は日進月歩で発展している 看護職は生涯を通じて 可能な限り最新の医療情報をキャッチし 習熟しながら知識や技術を研鑽することが 質の高い看護の提供につながるとともに 医療安全の上からも肝要である よって 以下の事項について支援をいただきたい ア. 生涯を通じて専門性を高めるために必要な知識 技術の修得研修イ. 助産師の実践能力向上のための研修 2

ウ. 保健師のキャリア形成を意識した現任教育体制の整備 ( 統括保健師の配置 ) 2. 専門分野における質の高い看護師の育成と処遇平成 27 年に特定行為の研修制度が施行され 一定の研修修了看護職が医療行為の一部を医師等の手順書によって実践している さらに同年施行された助産師の実践能力の評価認証制度により アドバンス助産師 が誕生し 助産ケアについての実践が強化された これまでも がん 糖尿病 認知症 救急看護 訪問看護等に精通した専門看護師や認定看護師が育成 輩出され 県民に質の高い看護を提供している これらは 医師のタスク シフティングやタスク シェアリングにもつながっており 成果を上げているところである よって 以下の事項について実施されたい ア. 特定行為研修やアドバンス助産師 認定 専門看護師の資格修得に係る費用等への助成イ. 上記資格修得に係る奨学資金の創設ウ. 認定看護師教育機関の設置への支援 3. 看護基礎教育 4 年制化を見据えた体制整備について ( 国への要望 ) 超少子高齢社会において 看護職には患者 家族等の個別ニーズへの対応や 入院時から在宅での生活を予測する支援 さらには在宅での看取りまでを視野に入れた総合的な看護が求められている 一方 これまでの看護基礎教育は 科目数は増やしてきているものの 総時間数は増やさずこれらに対応してきた しかしながら これからは より複雑 多様化した対象者が急増し 臨床推論力や在宅領域の実践力をベースにした総合的な看護力が求められる こうしたことから今後の社会ニーズに応えるには 教育時間数の増加は不可欠であると考える よって 看護基礎教育年限を 3 年から4 年に延長していただくよう 国に要望していただきたい 4. 医療機関における医療安全推進体制の強化平成 27 年 10 月から医療事故の再発防止を目的とした医療事故調査制度が始動している 県民に安全で質の高い医療を提供することは 医療者の究極の使命であるとともに 県民と医療者との信頼関係の醸成にも大きく貢献するものである よって 各医療機関における医療安全推進体制の強化や組織的な取り組みについて支援をいただきたい ア. 各医療機関における専従の医療安全管理者の配置イ. 医療安全大会や医療安全地区担当者交流会への支援 3

Ⅲ 地域包括ケアシステムの構築の推進 少子超高齢社会を背景に増え続ける医療 介護のニーズに対応するためには 地域の実情に応じた地域包括ケアシステムの構築が必要である そのためには 不足している訪問看護師の確保 育成 保健師の増員 臨床看護師と訪問看護師による看 看連携の強化 医療的ケア児や障害者の退院支援システムの構築 多職種との連携による支援 ( チームケア ) の組織化を進めていく必要がある よって 以下の事項について支援をいただきたい 1. 訪問看護の充実 強化平成 29 年 4 月 1 日現在の県内における訪問看護ステーション数は 337 ヶ所 5 年間で 104 ヶ所増えている一方 看護職の就業届出による訪問看護師数は 平成 28 年末現在 1,391 人 4 年間で 454 人増加しているものの 1 ステーション当たりの平均訪問看護師数は 4.1 人であり 多くのステーションが設置要件ぎりぎりで運営している現状にある 全国的にも人口 10 万人当たりの訪問看護師数はワースト 3 位の状況にある よって 以下の事項について支援をいただきたい ア. 訪問看護師の確保 育成イ. 訪問看護師の現任教育への支援ウ. 訪問看護ステーションにおける看護学生受け入れへの助成エ. 訪問看護ステーション開設後に子育て等による離職者が発生した場合の人員要件の緩和措置 ( 一定期間の経過措置 ) 2. 地域包括ケアシステムの構築の推進少子超高齢社会の進展に伴い 医療は病院完結型から地域完結型への移行が加速化し 長期医療を必要とする医療的ケア児や 認知症 精神障がい者等 医療と介護の支援の両方を必要とする在宅療養者 ( 児 ) が増加している 人生 100 年時代を見据え 今後は 地域単位で 働く場を超えた看護職同士の連携をベースに その連携を県民や多職種の協働へと拡大し 支援ネットワークへと発展させていくことが求められる よって 以下の事項について支援をいただきたい ア. 地域における看 看ケアマネ連携の推進イ. 小児や障がい者 高齢者等の退院支援システムの強化ウ. 医療的ケア児や精神障がい者など在宅療養支援システムの構築エ. ライフステージに応じた地域包括支援システムの構築 4