このレポートの趣旨 問題意識 : 安倍政権の姿勢は自治体にどのような 影響を及ぼすか? 集団的自衛権行使 に象徴される対外強硬姿勢 安保軍事力の強化の一連の流れは すでに沖縄基地の強化 佐賀空港へのオスプレイ配備 岩国基地への米軍 自衛隊の増強といった動きへと具体的に現れている 基地周辺自治体の市民

Similar documents
<92508F838F578C76955C81408EE88E9D82BF8E9197BF2E786C7378>

< F2D819A EA944E898492B7816A >

テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案要綱

インド洋におけるテロ対策海上阻止活動及び海賊行為等対処活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案要綱

各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

条第一項に規定する国際平和協力業務の実施等に関する重要事項九自衛隊法 ( 昭和二十九年法律第百六十五号 ) 第六章に規定する自衛隊の行動に関する重要事項 ( 第四号から前号までに掲げるものを除く ) 十国防に関する重要事項 ( 前各号に掲げるものを除く ) 十一国家安全保障に関する外交政策及び防衛政

前提 新任務付与に関する基本的な考え方 平成 28 年 11 月 15 日 内 閣 官 房 内 閣 府 外 務 省 防 衛 省 1 南スーダンにおける治安の維持については 原則として南スー ダン警察と南スーダン政府軍が責任を有しており これを UNMISS( 国連南スーダン共和国ミッション ) の部

< F2D816988C C816A92E192AA90FC95DB F2E6A7464>

資料4_1いじめ防止対策推進法(概要)

朝日 TV 2015/4/18-19 原発政策安倍内閣は 今後の電力供給のあり方について検討しているなかで 2030 年時点で 電力の 2 割程度を 原子力発電で賄う方針を示しています あなたは これを支持しますか 支持しませんか? 支持する 29% 支持しない 53% わからない 答えない 18%

安全保障会議 ( 現行 ) の概要 ( 構成 ) 委員長 : 内閣官房長官 委 安全保障会議 ( 構成 ) 議長 : 内閣総理大臣 事態対処専門委員会 内閣総理大臣の諮問に基づき 以下の事項を審議 国防の基本方針 防衛計画の大綱 対処基本方針 武力攻撃事態 / 周辺事態等への対処 / 自衛隊法第 3

11

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

あなたやあなたの子どもが 国外の戦争で殺し・殺される!? 安倍政権の戦争法案

市町村合併の推進状況について

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

平和安全法制などの整備法整備の経緯 図表 Ⅱ 閣議決定 の概要と法制整備 閣議決定 の項目 概要 法制整備 警察や海上保安庁などの関係機関が それぞれの任務と権限に応じて緊密に協力して対応す 治安出動 海上 1 武力攻撃に 至らない るとの基本方針の下 対応能力を向上させ連携を強化するな

< F2D816994D48D FA957493FC816A >

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

●アレルギー疾患対策基本法案

1. 元職員による働きかけの規制 ( 第 38 条の 2 関係 )1 1 離職後に営利企業等 1に再就職した元職員(= 再就職者 ) は 離職前 5 年間に在職していた地方公共団体の執行機関の組織等 2の職員に対して 当該営利企業等又はその子法人と在職していた地方公共団体との間の契約等事務 3につい

●空家等対策の推進に関する特別措置法案

<4D F736F F D208E9197BF E88E68EE58CA C490BA96BE95B62E444F43>

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

あなたやあなたの子どもが 国外の戦争で殺し・殺される!? 安倍政権の戦争法案

監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書

三衆議院議員稲葉誠一君提出自衛隊の海外派兵 日米安保条約等の問題に関する質問に対する答弁書一について1 我が国が安全保障理事会の常任理事国となるためには 国連憲章の改正が必要であるが 安全保障理事会の常任理事国は 国連憲章の改正についても いわゆる拒否権を有しており 一般的にいつて 国連憲章の改正に

< F2D8D908EA B8C816992CA8FED95BA8AED82A882BB82EA8D908EA681458DC58F49835A C5816A2E6A7464>

Microsoft PowerPoint - ☆PTポイント・概要(セット)

奮戦

<433A5C C6B617A B615C B746F705C8E648E965C8D7390AD8F918E6D82CC8BB38DDE5C CC2906C8FEE95F195DB8CEC964082CC92808FF089F090E E291E88F575C95BD90AC E937894C55C D837A A CC2906C8FEE9

縦軸)我が国 国民に関する事項ための活動を実施可能に(国際社会に関する事項 平和安全法制 の主要事項の関係 在外邦人等輸送 ( 現行 ) 自衛隊法 在外邦人等の保護措置 ( 新設 ) 自衛隊の武器等防護 ( 現行 ) 自衛隊法 米軍等の部隊の武器等防護 ( 新設 ) 平時における米軍に対する物品役

<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF E894A8AFA8B7982D191E495978AFA82C982A882AF82E996688DD091D490A882CC8BAD89BB82C982C282A282C4816A48502E646F63>

道州制基本法案(骨子)

検査若しくは修理又は補給 ( 武器の提供を行う補給を除く ) エ自然災害によって被害を受けた施設又は設備であってその被災者の生活上必要なものの復旧又は整備のための措置オ宿泊又は作業のための施設の維持管理 3 国際平和協力業務の実施の方法 (1) 実施計画及び実施要領の範囲内において 事務総長等による

特定個人情報の取扱いの対応について

れにMINUSTAH 軍事部門司令部において行われる企画及び調整の分野並びに我が国のMINUSTAHに対する協力を円滑かつ効果的に行うための連絡調整の分野における国際平和協力業務を行わしめるとともに 自衛隊の部隊等により ハイチ地震の被災者の支援等の分野における国際平和協力業務を実施することとする

PowerPoint プレゼンテーション

二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

Microsoft Word - 内部統制システム構築の基本方針.doc

また 前提となる衝突や紛争といった脅威が不明確であり 在日米軍 海兵隊の出動が見込まれる事例をはじめ 具体的な説明がなく 抽象的である このような内容では 県外移設 ができない理由が説明されているとは言えず 県民の納得のいくものではない 鳩山前総理は 昨年 5 月の記者会見において 何とか県外に見つ

平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

News Release 2014 年 3 月 24 日 伊丹市と新関西国際空港株式会社が 伊丹市域におけるまちづくりの推進 について合意 伊丹市と新関西国際空港株式会社は 伊丹市域の生活環境の改善 地域コミュニティの再生等を図るためのまちづくりを連携して推進するため 2014 年 3 月 24 日


岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

(Microsoft Word - \202\335\202\307\202\350\202\314\203}\203j\203t\203F\203X\203g11.doc)

2-(5)-ア①-1 日米両政府への要請活動

1 駆け付け警護 とは 駆け付け警護 とは,PKO 協力法 3 条 5 号が規定する国際平和協力業務の1つであり, 正確には 安全確保業務 (3 条 5 号ト ) と 駆け付け警護 (3 条 5 号ラ ) の2つから成ります このうち, 安全確保業務 は, 端的に言えば, 住民保護 治安維持活動のこ

一防災 減災等に資する国土強靱化基本法案目次第一章総則 第一条 第七条 第二章基本方針等 第八条 第九条 第三章国土強靱化基本計画等 第十条 第十四条 第四章国土強靱化推進本部 第十五条 第二十五条 第五章雑則 第二十六条 第二十八条 附則第一章総則 目的 第一条この法律は 国民生活及び国民経済に甚

Microsoft PowerPoint - kobetsuB4-slide-静山.ppt [互換モード]

④登録要領(医療分野)

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

<4D F736F F D CD C6944E8BE0816A8A748B638C8892E C C816A2E646F6378>

2. 今後の主な検討事項 1 高濃度 PCB 廃棄物に係る行政代執行費用に対する支援の必要性 高濃度 PCB 廃棄物の処分は 排出事業者責任の観点から その保管事業者が行 うことが原則 このため 都道府県市による行政代執行に要する費用についても 保管事業者が負担することが原則 しかしながら 高濃度

008 しかし 自衛隊が最初から広く国民に受け入れられる存在だったかというと 決してそうではなかった 創設時から憲法違反という批判も受けながら 戦後の平和主義の中で苦しみつつ成長してきたというのが実態である かつては自衛官という存在自体を否定的に考える風潮もあったのである たとえば ノーベル文学賞を

内部統制ガイドラインについて 資料

大泉町手話言語条例逐条解説 前文 手話は 手指の動きや表情を使って視覚的に表現する言語であり ろう者が物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解しあうための大切な手段として受け継がれてきた しかし これまで手話が言語として認められてこなかったことや 手話を使用することができる環境が整えられてこ

Taro-★第2章(P98-P102).jtd

包括規定 案

< F2D E968CCC8DD08A5191CE8DF495D281458D718BF38DD0>

I. 2 II III IV

●子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

<4D F736F F D FF095B6817A BF389C CE8DF482CC C98AD682B782E993C195CA915B A594D48D8692C789C D97528DED8F9C816A>

(3) 障害を理由とする差別障害を理由とする不当な差別的取扱いを行うこと又は合理的配慮の提供をしないことをいいます (4) 障害を理由とする不当な差別的取扱い客観的にやむを得ないと認められる特別な事情なく 障害又は障害に関連する事由により障害者を区別し 排除し 又は制限すること 障害者に障害者でない

<4D F736F F D D E518D6C8E9197BF32816A90858F7A8AC28AEE967B964082C982C282A282C4>

必要な自衛の措置をとるための実力組織としての自衛隊を保持する との憲法改正案に反対する決議 第 1 決議の趣旨当会は 必要な自衛の措置をとるための実力組織としての自衛隊を保持するとの憲法改正案については 憲法の基本原則の一つである恒久平和主義を著しく損なう危険性が大きいので 反対する 第 2 決議の

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

I. 集団的自衛権 A. 集団的自衛権とは集団的自衛権は 国際連合の成立の際に 初めて国際法上で創設され 国連憲章第 51 条に明文化された権利である 具体的には 自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を 自国が直接攻撃されていないにもかかわらず 実力をもって阻止する権利 であり 日本政府もこの

自衛隊の補給支援活動に関する特別世論調査 の要旨 平成 21 年 3 月内閣府政府広報室 調査時期 : 平成 21 年 1 月 22 日 ~2 月 1 日調査対象 : 全国 20 歳以上の者 3,000 人有効回収数 ( 率 ):1,684 人 (56.1%) 1 補給支援活動の認知度 平成 21

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関

< 目的 > 専ら被保険者の利益 にはそぐわない目的で運用が行われるとの懸念を払拭し 運用に対する国民の信頼を高める 運用の多様化 高度化が進む中で 適切にリスクを管理しつつ 機動的な対応を可能に GPIF ガバナンス強化のイメージ ( 案 ) < 方向性 > 1 独任制から合議制への転換基本ポート

<4D F736F F D2090AC89CA95A887458F8A974C8ED282AA95A CC8FEA8D8782CC97AA8EAE91E38EB78D732E646F6378>

<4D F736F F D20967B95B681698DC58F498D D8E968C888DD A2E646F63>

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

PowerPoint プレゼンテーション

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

Taro-07_学校体育・健康教育(学

個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

の方が違憲の問題を指摘しています ポイントは 我が国が 武力の行使をする際の要件として 相手国からの我が国に対する武力攻撃が必要条件か という点にあります この点について政府は 我が国に対する武力攻撃が無くても 我が国の存立が脅かされ他に方法が無いような場合 すなわち新三要件が満たされる場合には 限

この制度は 2003 年 9 月 2 日から施行され 旧 地方自治法 244 条の2による管理委託を行ってきた 公の施設 の場合は 3 年間 ( 経過措置 ) の間に自治体が指定管理者制度に移行することになっている 現時点で 指定管理者制度導入のため 1 指定の手続きについて一般ルールとして定めた自

日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁とカンボジア王国労働職業訓練省との間の在留資格 特定技能 を有する外国人に係る制度の適正な運用のための情報連携の基本的枠組みに関する協力覚書 ( 仮訳 ) 日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁 ( 以下 日本の省庁 と総称する ) 並びにカンボジア王国

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

個人情報保護規定

48

Microsoft Word - 【施行②】第50条解釈適用指針Rev4.doc

1 自衛隊に対する関心 問 1 あなたは自衛隊について関心がありますか この中から 1 つだけお答えください 平成 30 年 1 月 関心がある ( 小計 ) 67.8% 非常に関心がある 14.9% ある程度関心がある 52.9% 関心がない ( 小計 ) 31.4% あまり関心がない 25.9%

< F2D91DE E8BE08B8B D8790CF97A78BE082CC>

- 2 - 第一条農林物資の規格化等に関する法律の規定に基づく公聴会等に関する内閣府令(平成二十一年内閣府令第五十四号)の一部を次のように改正する 第十一条の見出し中 都道府県知事 の下に 又は指定都市の長 を加える (健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令の一部改正)第二条健康増

特定個人情報の取扱いの対応について

イ -3 ( 法令等へ抵触するおそれが高い分野の法令遵守 ) サービスの態様に応じて 抵触のおそれが高い法令 ( 業法 税法 著作権法等 ) を特に明示して遵守させること イ -4 ( 公序良俗違反行為の禁止 ) 公序良俗に反する行為を禁止すること イ利用規約等 利用規約 / 契約書 イ -5 (

8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

<4D F736F F D DC58F4994C5817A95BD90AC E8E99837C89FC90B A78BC78A6D94468DCF816A202D B2E646F6378>

も少なくありません こうした状況に鑑み 舞鶴市は 言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図ることにより 全ての市民が障害の有無によって分け隔てられることなく 自分らしく安心して暮らすことができる地域社会を実現するため この条例を制定するものです 2. 条例の

Transcription:

メモ : 集団的自衛権 使容認と自治体 ( 未定稿 ) 2014 年 7 中 均 ( 緑の党 新潟市議会議員 ) 1

このレポートの趣旨 問題意識 : 安倍政権の姿勢は自治体にどのような 影響を及ぼすか? 集団的自衛権行使 に象徴される対外強硬姿勢 安保軍事力の強化の一連の流れは すでに沖縄基地の強化 佐賀空港へのオスプレイ配備 岩国基地への米軍 自衛隊の増強といった動きへと具体的に現れている 基地周辺自治体の市民生活の平和 安全と そのための自治体の権限の確保ということが 今後も大きなテーマの一つとなる 例えば小松市議会の意見書 (2014.6) では 集団的自衛権の行使容認は 国民生活に影響を及ぼす重要な問題であり 特に航空自衛隊小牧基地のある小牧市にとっては他自治体に増して 影響がある と言及 2

一方 集団的自衛権行使容認の閣議決定に伴い 今後 10~20 数本の関連法整備 改正が予定されていると言われている これら関連有事法制で自治体の役割や位置づけがどうなるのかについて 具体的な姿はまだ見えない 分析を深めるため まず 現行有事法制における自治体の位置づけをあらためて見ておく必要がある 3

分析の前に - ひとつのエピソードを紹介 - 大戦末期の新潟 - 4

大戦末期 太平洋側の港が米軍の攻撃によって壊滅状態となる中 新潟港は本土決戦に備えた大陸からの引き揚げ物資などの集積港となり その守備のための兵力も増強された その結果新潟港の軍事的重要度が高まり 米軍の執拗な攻撃に晒される結果を招いた それまで本格攻撃を免れていた新潟市でも 45 年 5 月以降 約 800 個弱の機雷が投下され 少なくとも 43 隻が触雷 多くが大破 沈没 米軍艦載機による銃爆撃により 終戦までのわずか 3 カ月ほどで約 130 名が命を落とした ( 鉄工所などに勤労動員中の生徒 12 名を含む ) 米軍撮影の新潟港付近の航空写真

45 年 7 月 新潟は米軍の原爆投下候補地のひとつとしてリストアップされるに至った 1945.7.25 米軍原爆投下指令書 ( 国立国会図書館資料 ) 8 月 3 日以降 目視爆撃が可能なできるだけ早い時期に 広島 小倉 新潟 長崎のうちひとつを目標にした特殊爆弾を

8 月 6 日 9 日と広島 長崎に 新型爆弾 投下 次の目標候補地が新潟であるらしい との情報 新潟県は職員を広島に派遣 この職員は現地へは入れなかったものの 内務省に出向いて情報収集 8 月 10 日県幹部の緊急会議が開催 新潟が次の 新型爆弾 の候補地になっている こと 内務省は新潟市民の疎開に反対の意向 が報告 激論の末 徹底的かつ緊急の疎開 を決定 < 補足 > 当時 防空法 は避難よりも被害拡大を防ぐことに力点が置かれ 広島でも警防団員 防空監視 医師 看護婦らは市外への疎開を禁じられて防空救護に従事することを強制されていた 内務省の 新潟市民の疎開反対 の意向も 当時のこうした考え方があると考えられる 疎開を命じた知事布告

このエピソードからは 次の教訓を 学ぶことができる 軍事力の配備や軍事的役割の増大が かえって危険を高める可能性がある 戦前の抑圧的 統制的な政治体制のもと ( 当時女性に参政権はなく 知事は官選 ) でも 市民に最も近い自治体は 国の判断に逆らってでも市民を守ろうとした 国家の利害と市民の平和や安全とはしばしば対立 矛盾する 8

分析 : 有事法制の中で自治体はどのように 位置づけられているか? 9

集団的自衛権に伴い改正 整備が予定さ れていると言われている法律 これらの中で 自治体に関連する条項を持つ法制を具体的に見てみる 各法律の条文で 地方公共団体 が書かれている条項 自治体に影響のある可能性がある条項などをリストアップしつつ 分析した 10

防衛省設置法 内部部局 の役割として 事務を円滑かつ効果的に実施するための地方公共団体及び地域住民の理解及び協力の確保 を記載 (8 条の六 ) 自衛隊法 部隊等が行動する場合には 当該部隊等及び当該部隊等に関係のある都道府県知事 市町村長 警察消防機関その他の国又は地方公共団体の機関は 相互に緊密に連絡し 及び協力するものとする (86 条 ) PKO 協力法 ( 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律 ) 採用に当たり 関係行政機関若しくは地方公共団体又は民間の団体の協力を得て 広く人材の確保に努める 11

周辺事態法 ( 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する 法律 ) そのまま放置すれば 日本に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等 日本周辺の地域における日本の平和及び安全に重要な影響を与える事態 ( 周辺事態 ) に対応して日本が実施する措置 その実施の手続その他の必要な事項を定め 日米安保条約の効果的な運用に寄与し 日本の平和及び安全の確保に資すること を目的 関係行政機関の長は 法令及び基本計画に従い 地方公共団体の長に対し その有する権限の行使について必要な協力を求めることができる (9 条 ) 12

武力攻撃事態対処法 ( 武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関 する法律 ) 武力攻撃事態等への対処についての基本法制 地方公共団体等の責務 や 国民の協力 などを定める 国が自治体首長に対して 必要な措置を取らせることができることも明記 ( 特定公共施設法 の項参照 ) 地方公共団体は 武力攻撃事態等への対処 ( 中山注 : 米軍や自衛隊の行動など ) に関し ( 自治体などが ) 必要な措置を実施する責務 ( 次項参照 ) があると明記 13

米軍行動円滑化法 ( 武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実 施する措置に関する法律 ) 地方公共団体及び事業者は 指定行政機関から行動関連措置に関し協力を要請されたときは その要請に応じるよう努めるものとする (9 条 ) 内閣総理大臣は 武力攻撃事態において 合衆国軍隊の用に供するため土地又は家屋を緊急に必要とする場合において その土地等を合衆国軍隊の用に供することが適正かつ合理的であり かつ 武力攻撃を排除する上で不可欠であると認めるときは その告示して定めた地域内に限り ( 略 ) 当該土地等を使用することができる (15 条 ) 公共団体や国民の施設 土地を米軍のために提供することができるような規定となっている 14

国民保護法 国民保護計画の策定を自治体ほか公共機関に義務づけ ( 制定時の議論の問題点については後述 ) 15

特定公共施設利用法 ( 武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律 ) ( 武力攻撃事態への ) 対処措置 のため 港湾 飛行場ほかの公共施設の効率的な利用を定める (4 条 5 条 ) 管理者 ( 自治体首長など ) による 許可取り消し の権限 (8 条 ) を明記しているが その取り消しによって 対処措置が確保されない場合 に国が管理者の裁定を 取り消し 変更 させることを明記 (9 条 ) 16

以上をまとめると すでに現行有事法制の中で幅広く自治体の 責務 等が記載されている 米軍への協力も具体的に明記 一方 ( 国が自治体に ) 協力を求めることができる ものとする 等の記載にとどまり 強力な義務規定となっていないものが多数 ( ただし 一部で自治体の決定を国が覆すことができることなども記載されている ) 憲法が強権的な法制をかろうじて押しとどめているとも言える これらの法律に基づき 具体的に自治体に実務を行なわせる個別法規定の整備は不十分 集団的自衛権行使容認をはじめとする安倍政権の軍事優先路線により これらがどのように変化するのか 注視する必要がある 17

今後の議論のために 1 国 保護法制定時の議論の検証が 必要 18

有事法制のうち おそらく戦後初めて自治体の事務として具体的に制度化された事例 この時に何が議論でき 何が不十分だったか あらためて検証する必要がある 当時 平和運動内部には 国民保護計画 = 有事動員制度 という規定があったが 国民保護法には 侵害排除 への動員についての記載は無い 有事動員制度 と言い切るのは無理があり かつ有事法制度全体の仕組みを見誤る 先に見たように 国民保護法 ではなく 上位法である 武力攻撃事態対処法 をはじめ 米軍活動円滑化法 などによって 自治体を 侵害排除活動 へ協力させる仕組みが作られている 議論の対象を 国民保護法 のみに絞るべきではなく 全体的な枠組みで考えるべきだった 19

保護計画断固反対 の実効性とリスク ( 法定受託事務 国の代執行 ) も十分考慮されたとは言えない また 有事法制に必要な戦時国際人道法の理解は運動側も自治体側もほとんど皆無か不十分だった 運動側は 無防備都市宣言 のみに 自治体側は 避難者の救援 のみに矮小化する傾向があった 国際法が市民や自治体の安全のため規定しているのは 無防備都市 だけではなく そのそもそもの根拠として 軍民分離 原則がある 例えば 戦時国際法の専門家である日赤の担当者は公式の場で次のように発言している 20

ジュネーブ条約は 住民を被害から守るために 攻撃される側にも予防的措置を要請している 自衛隊施設に隣接して住民の居住地域が密集している現状が随所に見られるが これは明らかに国際人道法の原則に反する 自衛隊に住民等の避難への協力を求める動きが各自治体で見られるが こうした考え方は国際人道法の基本原則に反する疑いがある 人道法の基本原則は 軍隊や軍事施設と文民 民間施設とを明確に区別し 文民や民間施設を攻撃の巻き添えから防ぐことにある (2006.3. 新潟県国民保護計画電子会議室での日本赤十字社戦時国際人道法担当者の発言要旨 ) 21

こうした理解不足や行き違いが 保護計画を糾弾する反戦平和運動と 国の方針に漫然と従う自治体との距離を拡大したとも言える この反省を今後の議論に活かさなければならない 一方で かすかな抵抗も見られた 保護計画そのものを作らない選択 ( ただしリスクもあるのは前述のとおり ) 保護計画に独自の視点を盛り込む自治体 戦争時にも保障される各種人権 ( 国籍離脱の権利などを含む ) を具体的に書き込む自治体もあった 有事法制が具体的に自治体に降りてきた当時の経験も踏まえ 一般的な平和運動の視点ばかりでなく 戦時国際法や自治体の権限を熟知し 国策に対抗する批判の論点や議論を深める必要がある 22

今後の議論のために 2 自治体の平和 の実例 23

相模原市 確かに外交と防衛は 最終的には政府が決めることです しかし 米軍基地が所在することによって 市民の安全 環境 交通 まちづくり 財政などに様々な問題が生じてしまう こうした問題の解決は自治体の重大な責務であり 外交 防衛に関連することだからと言って 何も主張せず これらをおそろかにすることは 自治の放棄 ではないでしょうか ( 相模原市米軍基地返還等促進市民協議会 ( 会長 : 相模原市長 ) の米軍再編に関する 意見ハガキ運動 の Q&A より 2005 年 12 月 )

平和市長会議 全米市長会議 ( 世界 2000 以上の都市 地域が参加する市長連合 ) 戦争 とりわけ核兵器によって多大な被害を受け 犠牲を強いられるのは ヒロシマ ナガサキが示すように 都市であり そこに生活する住民である 私たち市長には 平和な市民生活を守るため 戦争の予防とすべての核兵器の廃絶に全力を尽くす義務がある ( 核兵器廃絶の推進に関する決議文 2003 年 10 月 18 日 第 6 回平和市長会議理事会 ) 2009 年 全米市長会議は米政府の核政策を踏み越え ヒロシマ ナガサキ議定書 や CANT プロジェクト ( 都市を攻撃目標にするな プロジェクト ) に全会一致で賛同

最後に : 自治体と議員の責務 26

国家の利害と市民の平和や安全とは対立 矛盾することがあり その際 基礎自治体はあくまで市民の側に立つべきである 自治体が漫然と国に従うようなことが無いよう 自治体議員が積極的な防波堤となり 歴史に学び 国内法制度のみならず国際法にも習熟しながら 潜在的な 自治体の平和力 に注目し その力に光を当て 引き出すような提案や議論を深めるべきである 27