先行き高めの成長が持続 現状 : 内外需要が堅調足許の経済は内外需要が堅調を維持 輸出は世界経済の回復を背景に急拡大 個人消費は良好な雇用所得環境を受けて 若干減速しつつも安定的に拡大 企業マインドの改善によって 固定資産投資に底入れの兆し 堅調な需要拡大を受けて 工業生産は高めの伸びを維持 展望

Similar documents
先行き高めの成長が持続 現状 : 内外需要が堅調経済は内外需要が堅調を維持 輸出が世界経済の回復を背景に拡大 工業生産も高めの伸びが持続 もっとも 固定資産投資の増勢は鈍化傾向 内訳をみると 民間投資と不動産開発投資が小幅に加速したものの 国有企業の設備投資やインフラ投資が減速 政府は 民間投資が拡

先行き景気は緩やかに減速 現状 : 景気は減速局面入りでは 217 年 1~12 月期の実質 GDP が前年同期比 +6.8% と 前の期から横ばいに 環境規制の強化や貸出金利の上昇が景気の押し下げ要因となった一方 世界経済の回復を反映した輸出の拡大が押し上げ要因に 217 年通年の経済成長率は前年

先行き景気は緩やかに減速 現状 : 景気は減速局面入り経済は減速局面入り 政府が環境規制を強化したため 重工業で減産の動き 短期市場金利を高めに誘導するとともに 金融監督を強化したことも 企業の資金調達コストを上昇させ 固定資産投資が緩やかに減速 小型車減税措置の完全終了 (217 年末 ) に伴い

先行きも高めの成長が持続 現状 : 堅調さを維持経済は 一部で弱い動きがみられるものの 堅調さを維持 弱い動きは主に耐久消費財 一部の固定資産投資 輸出の 3 分野で出現 もっとも こうした弱めの動きは限定的であり 景気を大きく下押しするほどのマイナス影響は顕在化せず 実際 工業生産や輸入は堅調な伸

中国経済展望2018年12月号

景気は再び減速局面に 現状 : 景気は減速では ~ 月期の実質 GDP 成長率が前年同期比 +.% と 四半期ぶりに低下 足許の景気減速の背景として 政府が政策スタンスを変えたことが指摘可能 昨年まで 政府は景気失速を回避するために 積極的な財政支出と金融緩和を実施していたものの 過剰生産や不動産市

デレバレッジ政策や米中貿易摩擦により景気は減速 現状 : 景気は減速景気は減速傾向 金融監督の強化を柱としたデレバレッジ ( 与信や債務の抑制 ) 政策により シャドーバンキングの拡大に歯止めがかかった一方 地方政府などが資金繰り難に直面し インフラ投資が大幅に鈍化 米中貿易摩擦は 製造業の投資マイ

景気は緩やかに減速へ 現状 : 景気は持ち直し 7 月は弱含む指標が散見されたものの 総じてみれば経済の好調は持続 実質小売売上高は所得環境の改善により上向き 民間固定資産投資は企業の景況感が改善するなか持ち直し 輸出も世界経済の回復によって持ち直し傾向にあり 内外需ともに回復が明確化 政府が昨年か

<92868D918C6F8DCF D E786C7378>

景気は減速 先行き大幅な成長鈍化は回避 現状 : 景気は減速景気は 製造業のけん引力低下を受けて減速傾向 この背景には デレバレッジ政策と貿易摩擦が指摘可能 習近平政権は 昨年から金融リスクの低減に向けデレバレッジ政策に本腰 穏健中立方針とされていた金融政策は 短期金利の高め誘導などで実質的に引き締

<92868D918C6F8DCF D E786C7378>

<92868D918C6F8DCF D E786C73>

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(1月号)~輸出の好調続くも新型スマホ関連がピークアウトへ

<4D F736F F F696E74202D E835A838B94C5817A837D815B B834A E738FEA816A2E >

中国:PMI が示唆する生産・輸出の底打ち時期

ロシア 3節 第 第3節 ロシア 1 マクロ経済動向 ロシア経済は 緩やかな回復基調にある 2014 年 7 以下 輸出 個人消費 消費者物価 金融市場の動 月以降のウクライナ危機発生及びクリミア併合に伴う 向を中心に概観する 欧米からの経済制裁に加え 2015 年以降 原油価格 の下落を主因として

金融市場2018年12月号

[000]目次.indd

今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

3_2

マーケット フォーカス経済 : 中国 2019/ 5/9 投資情報部シニアエコノミスト呂福明 4 月製造業 PMI は 2 ヵ月連続 50 を超えたが やや低下 4 月 30 日 中国政府が発表した4 月製造業購買担当者指数 (PMI) は前月比 0.4ポイントの 50.1となり 伸び率がやや鈍化し

<4D F736F F D20819A819A8DC58F49835A C C8E816A2E646F63>

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(5月号)~輸出は好調も、旧正月の影響を均せば増勢鈍化

Economic Indicators   定例経済指標レポート

○ユーロ

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(10月号)~輸出はスマホ用電子部品を中心に高水準を維持

untitled

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

01Newsletterむさしの7.indd

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

本文

1. トピック : 中国 7~9 月期 GDP の評価と今後の見通し 成長率は 3 四半期連続で横ばい投資の伸びはインフラ投資に依存製造業投資は 重工業の調整が続く中 成長分野の伸びが持ち直しに寄与自動車減税効果に加えて 雇用所得環境の持ち直しが消費の堅調を裏付け輸出悪化は台風の影響も 中国の 7~

スライド 1

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

中国:なぜ経常収支は赤字に転落したのか

01Newsletterむさしの6月.indd

Invesco Premia Plus Fund

金融政策決定会合における主な意見

中国:大都市の住宅頼みの景気底入れへ

1. トピック :216 年 1~12 月期 GDP の評価と今後の見通し 1~12 月期の実質成長率は小幅に上昇インフラ投資の一服により投資は減速小売も低下したが 雇用所得環境は改善外需寄与度も低下しており 在庫増が 1~12 月期成長率の押し上げに寄与した模様 216 年後半に企業景況感が回復資

[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )

25_2

中国経済見通し-18年下期は6.3%前後へ減速、米中貿易戦争が激化すればさらなる下振れも

月例経済報告

経済・物価情勢の展望(2017年7月)

経済・物価情勢の展望(2018年1月)

グラフで見る2018 年5 月の中国経済動向

Economic Indicators   定例経済指標レポート

平成10年7月8日

みずほインサイト アジア 2019 年 1 月 22 日 中国経済の現状と 2019 年展望 2018 年 10~12 月期 GDP と修正李克強指数の動向 アジア調査部中国室主任エコノミスト 大和香織 年

ニュースリリース 食品産業動向調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 2 6 日 株式会社日本政策金融公庫 食品産業景況 DI 4 半期連続でマイナス値 経常利益の悪化続く ~ 31 年上半期見通しはマイナス幅縮小 持ち直しの動き ~ < 食品産業動向調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日

目次 概況 p.1~ トピックス1: 米中貿易摩擦が本格化 p.3 トピックス :~6 月期以降 個人消費は持ち直しに転じる見込み 景気 金利見通し p. p.5 Fed Watch:18 年の利上げペースが注目点に p.6 調査部マクロ経済研究センター ( 欧米経済グループ ) 研究員長野弘和 (

Newsletterむさしの11.indd

平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

平成 25 年 3 月 19 日 大阪商工会議所公益社団法人関西経済連合会 第 49 回経営 経済動向調査 結果について 大阪商工会議所と関西経済連合会は 会員企業の景気判断や企業経営の実態について把握するため 四半期ごとに標記調査を共同で実施している 今回は 2 月下旬から 3 月上旬に 1,7

Newsletterむさしの12.indd

Newsletterむさしの_2.indd

本文

Microsoft Word - 20_2

月例経済報告

Microsoft Word - 49_2

経済・物価情勢の展望(2017年10月)

1. 自社の業況判断 DI 6 四半期ぶりに大幅下落 1 全体の動向 ( 図 1-1) 現在 (14 年 4-6 月期 ) の業況判断 DI( かなり良い やや良い と回答した企業の割合から かなり悪い やや悪い と回答した企業の割合を引いた値 ) は前回 ( 月期 ) の +19 から 28 ポイ

2019年の日本経済

平成 23 年 3 月期 決算説明資料 平成 23 年 6 月 27 日 Copyright(C)2011SHOWA SYSTEM ENGINEERING Corporation, All Rights Reserved

【No

ニュースリリース 農業景況調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 1 8 日 株式会社日本政策金融公庫 平成 30 年農業景況 DI 天候不順響き大幅大幅低下 < 農業景況調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公庫 ) 農林水産事業は 融資先の担い手農業者

ブラジル中国インド インドネシア ロシア 図表 新興国の消費者物価上昇率 ( 単位 :%)( 資料 :IMF 世界経済見通し ) 通常であれば 成長率が低下すれば 国内の需給バランスが緩和し むしろ物価は低下するのが自然である しかし 中国以外の カ国は逆に物価上

○ユーロ

個人消費の回復を後押しする政策以外の要因~所得の減少に歯止め、節約志向も一段落

untitled

Newsletterむさしの_7.indd

1. トピック : 停滞局面入りした中国経済 ビジネスサイクルクロックでみた中国の景気は停滞局面入り小売 企業収益の下振れが停滞局面入りの契機に小売鈍化の主因は自動車販売の弱含み小型車減税廃止の影響が自動車販売を下押し住宅ローン負担の高まりも消費の重しとなっている可能性 このところ減速しているとはい

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

目 次 はじめに 1. 景気は減速 中国経済の重しとなる過剰債務 過剰投資 先行き 景気が大幅に下振れるリスクも おわりに はじめに GDP RIM 215 Vol.15 No.59

FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

我が国中小企業の課題と対応策

低インフレ 乏しい利上げ観測労働市場に目を向けると 8 月の失業率は約 年ぶりの低水準となる5.3% に低下した 雇用者数も伸びており 一部では技術者不足の声も聞かれる RBAは今後数年 失業率は自然失業率とされる5.% を目指して低下が続くとの見方を示している ただ 賃金の上昇率は ~ 月期が前年

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

4月CPI~物価は横ばいの推移 耐久財の特殊要因を背景に、市場予想を上回る3 ヶ月連続の上昇

untitled

経済・物価情勢の展望(2016年10月)


1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 金 25, 2, 15, 12, 営業利益率 経常利益率 額 15, 9, 当期純利益率 6. 1, 6, 4. 5, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 8 社 214 年度 215 年度前年度差 ( 単位 : 億円 ) 前年

エコノミスト便り

1 概 況

SERIまんすりー2月号 今月のみどころ

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

けた この間 生産指数は 上昇傾向で推移した (2) リーマン ショックによる大きな落ち込みとその後の回復局面平成 20 年年初から年央にかけては 米国を中心とする金融不安 景気の減速 原油 原材料価格の高騰などから 景気改善の動きに足踏みが見られたが 生産指数は 高水準で推移していた しかし 平成

2018 年第 1 四半期ベトナム経済事情 2018 年 4 月 在ベトナム日本大使館経済班 ( 注 ) 本資料の記載情報は, 信頼できると考えられる情報源等を元に作成しておりますが, その正確性 完全 性を保証するものではありません また, 記載された数値, 意見, 予測等は, 作成時点のものであ

第 1 四半期の売上収益は 1,677 億円となり 前年からプラス 6.5% 102 億円の増収となりました 売上収益における為替の影響は 前年 で約マイナス 9 億円でしたので ほぼ影響はありませんでした 事業セグメント利益は 175 億円となり 前年から 26 億円の減益となりました 在庫未実現

中国、家計消費の伸びは歴史的低水準に | 第一生命経済研究所 西濵徹

I. 調査結果概況 景気判断 DI( 現状判断 ) は小幅に上昇し最高値を更新 仕入原価高止まりも客単価が上昇 10 月スーパーマーケット中核店舗における景気判断 49.1 と小幅に上昇し 2010 年 4 月の調査開始以降最高値を記録した 経営動向調査によると売上高 DI が 1.1 とはじめてプ

Microsoft Word - ₥+ èª¿æŁ»ï¼›ï¼“çŽºè¡¨å¾„èª¤åŁŠä¿®æŁ£.docx

生活衛生関係営業の景気動向等調査 平成17年7~9月期

統計から見た三重県のスポーツ施設と県民のスポーツ行動

第 79 回 2017 年 5 月投資家アンケート調査結果 アンケート調査にご協力下さりました皆様 今年 5 月に実施致しましたアンケート調査にご回答下さり誠にありがとうございます このたび調査結果をまとめましたのでお送りさせていただきます ご笑覧賜れましたら幸 いです 今後もアンケート調査にご協力

Transcription:

経済展望 21 年 月 調査部マクロ経済研究センター http://www.jri.co.jp/report/medium/publication/china/ 本資料は 21 年 3 月 2 日時点で利用可能な情報をもとに作成 照会先 : 関辰一 (Tel:3-33-17 Mail:seki.shinichi@jri.co.jp) 本資料は 情報提供を目的に作成されたものであり 何らかの取引を誘引することを目的としたものではありません 本資料は 作成日時点で弊社が一般に信頼出来ると思われる資料に基づいて作成されたものですが 情報の正確性 完全性を保証するものではありません また 情報の内容は 経済情勢等の変化により変更されることがありますので ご了承ください

先行き高めの成長が持続 現状 : 内外需要が堅調足許の経済は内外需要が堅調を維持 輸出は世界経済の回復を背景に急拡大 個人消費は良好な雇用所得環境を受けて 若干減速しつつも安定的に拡大 企業マインドの改善によって 固定資産投資に底入れの兆し 堅調な需要拡大を受けて 工業生産は高めの伸びを維持 展望 : 高めの成長が持続今後 小型車減税措置の終了に伴う自動車需要の減少 環境規制の強化 輸出急拡大のスピード調整などが景気の押し下げ要因となる見通し すでに 小型車減税措置終了のマイナス影響が顕在化し 自動車販売に反動減が発生 製造業の輸出向け新規受注 PMI が 良し悪しの目安となる を 2 カ月連続で下回り 輸出の増勢鈍化を示唆 一方 企業業績の改善に伴って 実質可処分所得は高い伸びを維持しており 自動車販売以外の個人消費は堅調に推移する見通し 企業マインドの改善を受けて投資も堅調に拡大する見込み 政府の金融 財政政策が景気を過度に冷え込ませる可能性も小 政府は 昨年まで 3 年連続で成長率目標を引き下げたが 今年の全人代では.% 前後に据え置き 21 年は高めの財政支出の伸びを計画する一方 高めの成長によって財政収入が伸び その結果 財政赤字の対 GD P 比は縮小する姿の予算案を作成 なお 慎重な金融引き締め姿勢を反映して M2 伸び率の目標値は発表されず 総じてみれば 堅調な国内の官民需要に下支えされて 経済は高めの成長を続ける見通し 成長率予測は 安定成長をめざす政府の政策スタンスを踏まえ 21 年 +.% 219 年 +.7% と 従来見通し対比それぞれ.2% ポイント引き上げ 2 22 2 1 1 1 主要統計 ( 前年比 ) 実質小売売上高 (CPI で実質化 ) 固定資産投資 ( 年初来累計 ) 輸出 ( 右目盛 ) 3 2 2 1 1 2 213 1 1 1 17 1 ( 資料 ) 海関総署 貿易統計 国家統計局 社会消費品零售総額 居民消費价格 全国固定資産投資 を基に日本総研作成 ( 注 )1 月と2 月の値は1~2 月の合計 実質 GDP 成長率 政府の経済政策運営の目標と実績 9 7 工業生産 ( 前年比右目盛 ) 21 1 1 17 1 ( 資料 ) 国家統計局 規模以上工業増加値 21 年 21 年 217 年 21 年目標実績目標実績目標実績目標 7.% 前後.9%.~7.%.7%.% 前後.9%.% 前後 CPI 上昇率 3.% 前後 1.% 3.% 前後 2.% 3.% 前後 1.% 3.% 前後 財政収支の対 GDP 比 2.3% の赤字 2.% の赤字 3.% の赤字 2.9% の赤字 3.% の赤字 2.9% の赤字 2.% の赤字 中央財政支出の伸び率 9.%.%.3%.%.1%.%.% 地方財政支出の伸び率.2% 13.2%.3% 7.%.2% 7.7% 7.3% M2の伸び率 % 前後 13.3% 13% 前後 11.3% % 前後.2% 合理的な伸び ( 資料 ) 政府活動報告 政府予算案各年版 国家統計局を基に日本総研作成 - 1 - ( 株 ) 日本総合研究所経済展望 21 年 月

輸出の増勢は鈍化する見込み 輸出 : 高めの伸びが持続輸出は年明けにかけて大幅に拡大 1~2 月の米ドルベースの輸出額は前年同期比 22.9% 増と 217 年通年の同.7% 増から加速 先行き 輸出の増勢はこれまでの急拡大のスピード調整から 鈍化する見通し 足許では製造業景況指数のうち新規受注が大幅に低下 懸念される米中貿易摩擦の深刻化米国トランプ政権の通商政策の行方が輸出をめぐる最大のリスク要因 3 月 日 トランプ政権は 鉄鋼の輸入に 2% アルミニウムの輸入に % の高率関税を課すと決定 の米国向け鉄鋼 アルミニウム輸出額は規模が小さいため 同措置によっての対米輸出拡大に急ブレーキがかかる可能性は小 もっとも 22 日にトランプ政権はによる知的財産権侵害への制裁措置として 億ドル相当の製品に高率関税を課す計画を表明 これは 217 年のの対米輸出額の 1 割にあたる金額 高率関税の対象はハイテク製品が中心となる見通し これを受けて 23 日には商務省が米国からの鉄鋼や豚肉などの輸入品 3 億ドル相当に高率関税を課す計画を発表すると同時に 貿易戦争を決して恐れないとコメント 米中の報復合戦が続き トランプ政権が高率関税を課す範囲を繊維 玩具や機械類全般まで広げると の対米輸出が大きな打撃を受ける恐れも 輸入 : 高めの伸びが持続輸入も足許は増加傾向 1~2 月の米ドルベースの輸入額は前年同期比 22.% 増と 21 年通年の同 1.9% 増から加速 今後を展望すると 輸出の増勢鈍化に伴い 輸出品に用いられる部品や原材料を中心に輸入の増勢も鈍化する見通し (21 年 =) 13 1 9 地域別輸出額 ( 季調値 米ドルベース ) 7 21 1 1 17 1 ( 資料 ) 海関総署 貿易統計 を基に日本総研作成 ( 注 1)<> は217 年のシェア ( 注 2)BRISはブラジル ロシア インド 南アフリカ 対米輸出額の品目別シェア (% 217 年 ) 輸送機械,. その金属類, 他, 7.9.1 化学製品, 7. 産業用機械, 23. 世界 <> 米国 <19> EU <1> アジア <2> BRIS <7> 繊維 玩具 履物, 2. 電気機械, 2.7 ( 資料 ) 海関総署 貿易統計 を基に日本総研作成 ( ポイント ) 2 製造業新規受注 PMI( 季調値 ) 輸出向け 国内 + 輸出向け 21 1 1 17 1 ( 資料 ) 国家統計局 物流購買連合会 (21 年 =) 1 9 7 地域別輸入額 ( 季調値 米ドルベース ) 世界 <> NIEs+ASEAN <31> EU <13> 資源国 <> 日本 <9> 米国 <> 21 1 1 17 1 ( 資料 ) 海関総署 貿易統計 を基に日本総研作成 ( 注 1)< > は217 年のシェア ( 注 2) 資源国はオーストラリア ブラジル ロシア 南アフリカ - 2 - ( 株 ) 日本総合研究所経済展望 21 年 月

住宅販売が持ち直し 個人消費 : 景気の下支えに 1~2 月の実質小売売上高は前年同期比 7.% 増 名目小売売上高は同 9.7% 増と 増勢は鈍化しつつも高めの伸びが持続 この背景として 良好な雇用 所得環境が指摘可能 企業活動の活発化により労働需要が回復し 217 年 ~ 月期の求人数は 四半期連続で増加 企業の人員増強を目指した賃上げにより 217 年の一人当たり実質可処分所得は前年比 7.3% 増と 高めの伸びを維持 今後を展望すると 企業業績の改善に伴って家計所得が堅調に増加し 雇用不安も薄れるなか 当面 個人消費が景気を下支えする見通し 自動車販売 : 反動減が発生 2 月の自動車販売台数は年率 2, 万台と ピークとなった昨年末頃から約 1 割減少 小型車減税措置が 217 年末に完全終了したマイナス影響が顕在化 今後 減税終了の影響が本格化するため 自動車需要は一段と減少する見通し 住宅販売 : 持ち直し 2 月の分譲住宅販売床面積は ボトムとなった昨年 月の水準から 1.1% 増加 この背景には 良好な雇用 所得環境に加え 不動産セクターに対する政府の支援策が指摘可能 昨年 政府は不動産開発企業の資金繰り難を緩和するために 金融機関に対してそれら企業向けの融資を拡大するよう指導 その結果 不動産開発企業は土地購入を拡大し 住宅販売を強化 今後を展望すると 良好な雇用 所得環境と不動産セクターに対する政府支援が続く公算大であることから 住宅販売は拡大傾向を維持する見込み 1 1 小売売上高 ( 前年比 ) 名目ベース 実質ベース 2 13 1 1 1 17 1 ( 資料 ) 国家統計局 社会消費品零售総額 ( 注 )CPI 上昇率で実質化 1 月と2 月は1~2 月の合計 ( 万台 ) 3, 3, 2, 2, 1, 1, 自動車販売台数 ( 季調値年率 ).%7.% 小型車取得税率.%.% 7.%.% 2 9 11 13 1 1 1 17 1 ( 資料 ) 汽車工業協会 汽車工業経済運行情況 を基に日本総研作成 9 7 (2 年 =) 1 17 1 1 1 13 1 9 一人当たり実質可処分所得 ( 年初来累計 前年比 ) 21 1 1 17 ( 資料 ) 国家統計局 全国居民人均可支配収入 分譲住宅販売床面積 ( 季調値 ) ) ( 年 / 期 ) 2 13 1 1 1 17 1 ( 資料 ) 国家統計局 全国房地産開発投資和銷售 情況 を基に日本総研作成 - 3 - ( 株 ) 日本総合研究所経済展望 21 年 月

固定資産投資は底入れ 現状 : 底入れの兆し 1~2 月の固定資産投資は前年同期比 7.9% 増と 217 年の前年比 7.2% 増から小幅に加速 内訳をみると 民間固定資産投資が同.1% 増と 昨年の同.% 増から加速 好景気が続くなか 企業の投資マインドが改善 不動産開発投資も同 9.9% 増と 217 年の同 7.% 増から加速 不動産開発企業向けの融資が拡大したことが背景 インフラ投資は同 1.1% 増と 昨年の同 19.% から鈍化 もっとも 前年同期の水準が高かった反動が原因 油圧ショベル販売の好調等からみても インフラ投資は高水準が続いていると判断 展望 : 投資は再び拡大今後を展望すると 固定資産投資は以下の 3 つの要因を背景に 持ち直していく見通し 第 1 は 民間固定資産投資の拡大 企業の投資マインドは足許で一段と改善 政府が慎重なペースで金融引き締めを行う姿勢を示しているため 貸出金利が急上昇するリスクは当面小 環境規制の強化によって採掘業や鉄鋼業などの設備投資は抑制されるものの 情報化や自動化 サービス化の動きによって幅広い業種で投資拡大が続く見通し 第 2 は 不動産開発投資の拡大 政府は不動産開発企業向け融資を安定的に拡大させ 不動産セクターの悪化を回避する見通し 第 3 は インフラ投資の拡大 政府は 21 年に積極的な財政政策を表明したうえで 高めの財政支出の伸びを計画 他方 輸出が減少して投資が下振れるリスクには留意の要 足許は 輸出が伸びていること及び政府の金融 財政政策が危惧したほど引き締め的ではなかったことによって 企業マインドが回復 輸出が減少に転じれば 企業マインドが悪化し 投資が大きく下振れる恐れも 3 2 2 1 固定資産投資 ( 年初来累計 前年比 ) 固定資産投資 <3> インフラ投資 ( 除く電力 )<> 民間固定資産投資 <2> 不動産開発投資 <7> 21 1 1 17 1 ( 資料 ) 国家統計局 民間固定資産投資 全国固定資産投資 全国房地産開発投資和銷售情况 ( 注 )<> はGDPに占めるシェア 重複計上あり 2 2 1 不動産企業向け融資残高 ( 前年比 ) 21 1 1 17 ( 資料 ) 人民銀行 金融機構貸款投向統計報告 ( 年 / 期 ) 7 7 経営状況判断 DI( 季調値 ) 良好 油圧ショベル販売台数 ( 季調値年率 ) 厳しい 2 7 9 11 13 1 1 1 17 1 ( 年 / 期 ) ( 資料 ) 人民銀行 企業家問巻調査報告 ( 注 ) 経営状況判断 DIは 経営状況良好 - 厳しい + 調査対象は全国約,の工業企業 日本総研が季節調整 ( 万台 ) 2 2 22 2 1 1 1 2 27 9 11 13 1 1 1 17 1 ( 資料 ) 工程機械工業協会を基に日本総研作成 - - ( 株 ) 日本総合研究所経済展望 21 年 月

株は一進一退の動き 物価 : 一時的に上昇 2 月の CPI は前年同月比 +2.9% に急上昇 春節の時期が前年とズレたために 航空券やパッケージ旅行の価格が前年同月を大きく上回る水準に このほか 天候不順によって生鮮野菜が大きく値上がり 2 月の PPI は前年同月比 +3.7% に鈍化 もっとも 前年同月の水準が高かったことが主因であり PPI は国際商品市場の上昇などを受けて 高水準を維持している状況 不動産価格 : 上昇が持続 2 月の主要 7 都市の新築住宅価格は前月比 +.2% と 上昇が持続 7 都市のうち 価格が上昇したのは 都市 人民元レート : 元高傾向人民元の対米ドルレートは から米国に向かっていたマネーフローの巻き戻しを受けて 元高ドル安の傾向 この背景として経済が大方の想定よりも好調であったこと 政府が資本流出を規制していることなどが指摘可能 上海総合株価指数 : 一進一退の動き株価は 2 月上旬に大きく下落 米国の金利上昇を受けて 世界的に株価が下落するなか 市場でもリスク回避の動きが拡大 その後 2 月下旬には 世界的にリスク回避の動きが一服したほか 1~2 月の主要経済指標がマーケット予想を上回ったことなどが好感され 株価は持ち直し もっとも 3 月下旬には 米中貿易摩擦への警戒や政策金利の引き上げを受けて 株価は再び下落 3 月 22 日 人民銀行は米国の利上げに追随して 7 日物のリバースレポ金利を.% ポイントと小幅に引き上げ 2 2 CPI と PPI( 前年比 ) 消費者物価 (CPI) 工業生産者出荷価格 (PPI) 27 9 11 13 1 1 1 17 1 ( 資料 ) 国家統計局 居民消費价格 工業生産者出荷价格 ( 元 / ドル ) 7..9..7 元高....3.2.1. 11 13 1 1 1 17 1 ( 資料 )Datastream ( 注 ) トムソン ロイター社調べ < 人民元レートの推移 > ( 年 / 月 / 日 ) (2 年 月 =) 13 11 1 住宅価格と価格上昇都市数 前月比価格上昇の都市数 ( 右目盛 ) 主要 7 都市の新築住宅価格 ( 都市 ) 9 2 13 1 1 1 17 1 ( 資料 ) 国家統計局 全国房地産開発投資和銷售 情況 Thomson Reutersを基に日本総研作成 ( ポイント ) 3, 3, 3, 3,3 3,2 3, 3, 17/1 17/ 17/7 17/ 1/1 ( 資料 ) 上海証券取引所 < 上海総合株価指数の推移 > 7 3 2 ( 年 / 月 / 日 ) - - ( 株 ) 日本総合研究所経済展望 21 年 月