3Rエコポイントシステム促進のためのガイドライン

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(1) 住民は有料化をどう考えているか 循環型社会の形成に関する世論調査 ( 内閣府平成 13 年 ) ごみ問題にどの程度関心があるか 非常に関心がある (32) ある程度関心がある (58) あまり関心がない (8) まったく関心がない わからない (2) ごみの有料化 に対してどのように思うか

目 次 頁 1 ごみ減量のための ちばルール の改正の背景及び意義 2 2 循環型社会形成推進基本法での 発生抑制 の位置付け 3 3 一般廃棄物 ( ごみ ) 処理基本計画での 発生抑制 の位置付け 3 4 第 1 ステップ 5 つの施策事業実績 4 5 ごみ減量のための ちばルール 6 (1)

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家庭ごみ有料化制度の 導入是非の検討について

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12年~16年

熊野市ごみ減量化市民行動計画 目次 1 はじめに 1 (1) 計画策定の背景と趣旨 1 (2) 熊野市のめざす姿 2 2 ごみ処理の現状 3 3 ごみ処理の課題 4 4 熊野市ごみ減量化市民行動計画について 5 5 市民 事業者 市の役割 6 (1) 市民の役割 6 (2) 事業者の役割 7 (3)

目 次. 計画策定の意義 2. 基本的方針 3. 計画期間 4. 対象品目 5. 各年度における容器包装廃棄物の排出量見込み ( 第 8 条第 2 項第 号 ) 2 6. 容器包装廃棄物の排出の抑制のための方策に関する事項 ( 第 8 条第 2 項第 2 号 ) 3 7. 分別収集をするものとした容


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回答用 この用紙に回答をご記入願います 質問 1-(1 1-(2 1-(3 1-(4 1-(5 2-(1 20 歳未満 20 男性 回答欄 女性 歳以上 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人それ以上 戸建て住宅共同住宅店舗兼住宅その他 一中地区二中地区三中地区四

目 次 1 計画策定の意義 1 2 基本的方向 2 3 計画期間 2 4 対象品目 各年度における容器包装廃棄物の排出量の見込み 4 6 容器包装廃棄物の排出の抑制の促進するための方策に 関する事項 5 7 分別収集をするものとした容器包装廃棄物の種類及び当該容器 包装廃棄物の収集に係る

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24 ごみ減量分野様式 2 ごみゼロをめざすまち 分野目標 1 ごみゼロ都市 なかの を実現するために 区民 事業者 区が連携して3Rの取組みを進め ごみの排出量が減少するまちをめざす 2 循環型社会を実現するために 資源の再使用 再生利用などの資源の有効利用が広がっているまちをめざす 成果指標 区

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(様式1-表)

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-- ごみの減量やリサイクルに関して あなたのご家庭で積極的に取り組んでいることは何ですか ( 複数回答 ) マイバックの利用 過剰な包装を断る 使い捨て商品は買わない 食べ残しを減らす 生ごみの水切り 生ごみ処理容器 ( コンポスト ) や電動式生ごみ処理機の活用 雑がみの分別 リサイクルショップ

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答申


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目 次 1. 家庭ごみの有料化について 1 (1) 家庭ごみ有料化制度とは (2) なぜ今有料化を導入するのか (3) 家庭ごみを有料化する目的 2. 家庭ごみ有料化制度について 3 (1) 対象となるごみ (2) 負担軽減措置 (3) 有料化の方法 (4) 手数料の料金体系 (5) 指定ごみ袋の種

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会津若松地区2018表紙.pwd

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第 1 章 3R エコポイントシステムの概要 1-1 3R エコポイントシステムとはこのガイドラインにおいて 3R エコポイントシステムは リデュース (Reduce: 発生抑制 ) リユース (Reuse: 再使用 ) リサイクル (Recycle: 再生利用 ) に関する特定の環境配慮行動 ( 以下 3R 行動 とします ) を促進するため 当該行動を実施した市民 消費者に 行動の内容に応じたポイントを付与するとともに 獲得したポイントを商品やサービスと交換するための仕組み 制度全般を指します 図表 1. 市民 消費者視点での 3R エコポイントシステム 4

3R エコポイントシステムには 以下の 4 つの機能があります 1 身近な 3R 行動として 市民 消費者が何を行えるかを具体的に明らかにする 3R 行動の効果が明らかになる 見える化 機能 2 ポイントをインセンティブとすることで 市民 消費者の新たな 3R 行動を 促進 浸透 させると共に 既存の 3R の取組を将来にわたり 持続 させる機能 3 貯めたポイントの交換対象の商品 サービスとして 3R 行動に関わる品目 ( 環境配慮型の物品や環境活動への寄付等 ) を選択した場合には 3R を更に 追加促進 する機能 4 ポイント付与や還元 利用を通じた環境貢献 社会還元 PR 効果や集客 地域振興効果のほか 経営や処理コスト削減などの 3R とそれ以外の事業活動ないしは社会活動との協調 相乗効果の発現 機能 3R エコポイントシステムは 上記の 4 つの機能にて 事業者 NPO/NGO 行政( 自治体 ) 市民 消費者等の関係者間の連携を推進し 市民 消費者による 3R 行動を促進して循環型社会の構築に貢献し 更には地域活性化等の社会還元に寄与することを主目的としています 3R エコポイントシステムがどのような主体 仕組みによって構成されるかについては 1-4 3R エコポイントシステムの全体像 ( 10 ページ ) の中で解説しています 5

1-2 3R 行動とは 3R 行動とは循環型社会の形成に寄与する行動であり 大きく リデュース リユース リサイクル の 3つに分類されます 買い物でのリデュース リユースに関する取組やリサイクル製品の購入のみならず 分別活動や製品の長期利用等の家庭内での取組など 日常生活のあらゆるところで広く想定されます 一般的な 3R 行動としては以下のような行動があげられます 3R の分類概要市民 消費者が行う 3R 行動例 リデュース ( 発生抑制 ) ごみの排出量や天然資源の消費量を減らすこと 使い捨て製品の自粛 簡易包装製品の選択 食べ残しの抑制 リユース ( 再使用 ) 使えるものを繰り返し使うこと 中古品の購入 利用 リターナブル容器の再使用 フリーマーケットでの提供 リサイクル ( 再生利用 ) 再使用できないものを原材料として利用すること 図表 2. 一般的な 3R 行動 容器包装の回収協力 生ごみ 廃食油の回収協力 リサイクル製品の購入 図表 2 で示した行動のほかに 以下の行動のように リデュース リユース リサイクル には直接結びつかなくても 実施することで間接的に循環型社会の構築に貢献する行動もあります 空き缶のポイ捨てや不法投棄の通報 生ごみの水切り 乾燥 環境に配慮した商品の購入 環境家計簿の記録等 6

1-3 3R エコポイントシステムに適合する 3R 行動とは 1-2にあげた リデュース リユース リサイクル に関する環境配慮行動のうち 本ガイドラインにおいては 1 環境負荷の低減になんらかの効果が明確にあり ポイント付与により行動が促進され得るものであって 2ポイントを付与する側の組織から市民 消費者による当該行動の実績を客観的に確認できるものを対象とすることとしています ただし 環境リバウンド ( 環境負荷低減のためにとった行動のために別の行動をしなければならなくなり その別の行動によって副次的な環境負荷を発生させてしまうこと ) が想定される 3R 行動や 実施する手間に対して環境負荷低減効果が非常に少ない 3R 行動については なるべく対象外とすることが望ましいと言えます 3R エコポイントシステムに適合適合する 3R 行動 環境負荷の低減になんらかの効果が明確にあり ポイント付与により行動が促進され得る行動 ポイントを付与する組織から 3R 行動が実際に行われたこと ( 実績 ) が客観的に確認できる行動 また 環境学習会やイベントへの参加 環境に配慮した商品の購入等 上記のように環境負荷の低減に直接的な効果がなくとも 今後の環境配慮行動につながる性質を持つ行動があります それらの行動による環境負荷低減効果の度合いを明確にすることは困難ですが 多くの市民 消費者が参加しやすいよう それらの行動を対象に含めて 3R エコポイントシステムに参加する 入口 を広くする方法も有効です 7

3R エコポイントシステムに適合する具体的な 3R 行動として 以下の一覧に記載の行動があげられます これらの 3R 行動は 既存の取組でポイントが付与された実績がある行動の一例です 他の取組内容を参考にしながら 地域の特性や課題にあったポイント付与対象の 3R 行動を検討しましょう 3R の分類 行動 説明 リデュース ( 発生抑制 ) リユース ( 再使用 ) レジ袋の辞退 クリーニングバッグの辞退 物品包装の辞退 量り売り商品の購入 詰め替え用商品の購入 マイ箸の使用 マイ容器の使用 食事は残さず全部食べる残した食事を持ち帰る くつ かばん 電化製品 スポーツ用品の修理 古着の購入 古本の購入 リターナブルびん入り商品の購入 商品購入時のレジ袋の再使用 使用済みビニール傘のレンタルサービスの利用 クリーニング店へハンガーの返却 衣料品の資源回収への協力 ( 古着とする ) リターナブルびんの分別排出 本の寄贈 衣料品の資源回収への協力 ( 材料をリサイクル ) 空き缶 ペットボトルの分別排出 古紙の資源回収への協力リサイクル ( 再生利用 ) 生ごみを回収施設へ持参 ( 堆肥化するため ) 堆肥化された生ごみを回収施設へ持参 使用済み天ぷら油を回収施設へ持参 商品購入時にレジ袋を辞退してマイバッグを使用する クリーニングの受取時包装を辞退してマイバッグを使用する 不要な物品包装を辞退したり 簡易包装にしてもらう ペットボトル等の容器入りの商品ではなく 容器を持参して量り売りの商品を購入する 洗剤ボトル等の容器入りの商品ではなく 詰め替え用商品を購入する 外食時に割り箸ではなくマイ箸を使用する 購入時に食品トレーや個別包装等を断り 持参したマイ容器に入れてもらう レストランで食べきれる量の料理を注文し 残さずに全部食べる 残した食事はドギーバッグを使用して持ち帰る 故障した製品を買い換えずに修理して長く使う 新品の衣類ではなく古着を購入する 新品の本ではなく古本を購入する 使い捨て用のびんに入った商品ではなく 再使用できるリターナブルびんに入った商品を購入する 商品購入時に新しくレジ袋はもらわずに 以前もらったレジ袋を何度も再使用する 急な雨でビニール傘を購入するのではなく ビニール傘のレンタルサービスを利用する クリーニング店でもらえるハンガーがあまったら返却する 着なくなった衣料品は資源回収に出す リターナブルびんの再使用を考えて分別排出する 読み終わった本を捨てずに寄贈する 着なくなった衣料品をリサイクル資源回収に出す 空き缶やペットボトルを地域で定められた分別方法で排出する 新聞などの古紙を捨てずに資源回収に出す 家庭用生ごみを回収施設へ持参して堆肥にしてもらう 家庭用の生ごみ処理機で作った堆肥を回収してもらう 使用済み天ぷら油を回収施設へ持参することで バイオディーゼル燃料や石けん等にリサイクルしてもらう 図表 3-1. ポイント付与実績がある 3R 行動の例 8

3R の分類 他の環境行動 公共交通機関 レンタサイクルの利用 地産地消 環境ラベルがついた商品を購入 省エネ関連設備機器の購入 電気式生ごみ処理機購入生ごみ堆肥化容器購入 不法投棄撤去活動への参加 講演 イベント 環境学習の企画 運営 参加 エコ宣言をする 行動 環境に関する資格の取得 ワットアワーメーター ( 電化製品の電気使用量測定器 ) のレンタル 省エネ実績の報告 ( 電気 ガス 水道等 ) 環境家計簿の記録 報告 説明 自家用車の代わりに公共交通機関を使用したり タクシーやレンタカーの代わりに自転車を使用することで CO2 の発生抑制につながる 地域で生産した商品を購入することで 遠方からの輸送時の CO2 の発生抑制につながる 環境に配慮した原材料 方法で生産された商品を選ぶことで循環型社会作りに貢献できる 省エネ関連設備機器を使用することで消費エネルギー量等を削減できる 家庭で生ごみを堆肥化することで 生ごみの減量化ができる 不法投棄撤去の活動に参加することで 有害物質の流出 拡散の防止や 不法投棄の抑制に貢献できる 環境問題に対する取り組みを知ることや知識を深めることで 環境問題への意識が向上し 環境に配慮した行動を心掛ける エネルギー消費量や CO2 排出量を知ることで省エネ意識が向上し 省エネに配慮した行動を心掛ける 図表 3-2. ポイント付与実績がある 3R 行動の例 9

1-4 3R エコポイントシステムの全体像 3R エコポイントシステムは 以下の主体 (2 5~8) と仕組み (1 3 4) によ って構成されます 1~8 のそれぞれの役割 内容等について 以下に解説します 1 3R エコポイントシステムが実施される具体的な場 3 ポイント交換システム 5 事業への参加者 /6 原資提供者 ポイント付与 その他関係者 ( 関係事業者等 ) 2 利用者 ポイント利用 ポイント還元サービスの享受 4 ポイント還元メニュー ポイント還元サービス提供 ポイント付与者 / ポイント還元サービス提供者 その他関係者 ( 関係事業者等 ) その他関係者 ( 関係事業者等 ) 企画 運営 7 企画主体 / 8 運営主体 図表 4. 3R エコポイントシステム の構成 1 3R エコポイントシステムが実施される具体的な場 3R 行動が行われ ポイントが付与 交換される主たる場所としては 人々が日 常生活の中で集まることが多い商店街 地域 店舗 学校等が想定されます 2 (3R エコポイントシステムの ) 利用者 3R 行動を行い ポイントを獲得 利用する市民 消費者が想定されます 3 ポイント交換システムポイント交換システムには ポイント交換の仕組みとポイントを記録する媒体 ( ポイントカード ) が含まれます ポイント交換の仕組みを導入するにあたり 新規にシステムを構築する方法 他の既存のシステムを拡充 変更する方法 既存のシステムと連携する方法が想定されます 10

4 ポイント還元メニューポイント還元メニューとは 市民 消費者が貯めたポイントを使って交換できるものです メニューは 物品 商品 金銭等のインセンティブだけでなく 他のポイントシステムと連携するもの 3R を推進する団体 活動への寄付などの社会貢献に寄与するもの等 幅広いものが想定されます 5 事業への参加者 3R エコポイント事業への参加者として 行政 ( 自治体 ) 事業者 NPO/NGO 学校 市民などが想定されます 事業への参加者は 3R エコポイントシステムが実施される具体的な場で直接利用者と接する事業者等だけでなく その他後援 賛助等を行う関係者 関連事業者を含みます 6 ( ポイントの ) 原資提供者市民 消費者に付与するポイントの原資提供者は 上記の 3R エコポイント事業への参加者のうち 3R 行動が行われることによる事業効果や環境効果の受益者であることが望ましい体制のあり方です 具体的には 事業者 (1 社又は複数社 ( 商店街等を含む )) や自治体であることが想定されます 7 (3R エコポイントシステムの ) 企画主体 事業の発案や事業化の検討等 企画段階で中心的な役割を担う主体として 事 業者 NPO/NGO 行政 ( 自治体 ) 地域協議会などが想定されます 8 (3R エコポイントシステムの ) 運営主体 3R エコポイント事業実施の際の運営を担う主体を指します 前述の企画主体が行う方法 NPO/NGO や企業に運営を委託する方法 又は新たに運営主体を構築する方法が想定されます 構築したい 3R エコポイント事業の目的や事業の予算等に応じて ポイント交換システムの実現方法 ポイント還元メニューの内容 各主体の役割を担う組織等が変わります また 商店街で取り組む場合 自治体で取り組む場合 全県規模のシステムを作る場合等 その規模に応じた取組方法があります 11