Taro-6年 理科 電気の利用.jtd

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(1) 児童観本学級の児童は, 理科の学習に興味をもって取り組んでいる 特に, 観察や実験に意欲的である 昨年度は, 変える条件, 変えない条件を考えながら実験に取り組んできたことにより, 条件に目を向けて調べようとする力は育ってきている 本単元にかかわる児童の実態を把握するために, 発電, 蓄電,

教師の持つ指導ポイント 評価規準 中国地方の送電線網の図を利用し, 発電所からの電力を消費地に届けていることを示す その際, 送電の途中では, 電線の抵抗のために電線が発熱して電気エネルギーが損失することを, 本単元の内容をもとに考察させる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) エネルギーは変換の際

他の単元との連関 子どもが獲得する見方や考え方 教師の持つ指導ポイント 評価規準 小学 4 年生 もののあたたまり方 小学 6 年生 電気の利用 ~ エネルギーの工場と変身と銀行 ~ 中学 1 年生 光と音 ( 光のエネルギーを利用しよう ) 中学 2 年生 電流 ( 電気とそのエネルギー ) 電流

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

表紙

第 2 学年 5 組理科学習指導案 日時平成 26 年 12 月 12 日 ( 金 ) 場所城北中学校授業者酒井佑太 1 単元名電気の世界 2 単元について (1) 教材観今日の私たちの日常生活において 電気製品はなくてはならないものであり 電気についての基礎的な知識は必要不可欠である しかし 実際

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

気にはどんな力があるのでしょうか という課題を考えさせていった その課題を解決するために, 身近な電化製品の分類を, 全員で行った ( 画像 1) 具体的には, エアコン, 炊飯器, 冷蔵庫, 電子レンジ, トースター, ホットカーペットは電気の力を熱に変えて使っていること, 掃除機, 扇風機, 洗

第6学年2組 理科学習指導案

■「札幌市の人たちの昔のくらし《(8時間)

5 指導について (1) 単元について 3 年磁石の性質 4 年電気の働き 5 年電流の働き ( 本単元 ) 磁石に引きつけら 乾電池の数とつな 鉄心の磁化 極の変化 れる物 ぎ方 電磁石の強さ 異極と同極 光電池の働き 電気の通り道 電気を通すつなぎ方 電気を通す物 6 年電気の利用 中学 2 年

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検流計は 下記の単元で繰り返し使用します 学年単元内容 4 電気の働き 5 電流の働き 電流の強さや向きを調べるために使用する 6 電気の利用 直列つなぎ 並列つなぎについても繰り返し指導します 指導改善のポイント 直列 並列つなぎ 1 直列 並列つなぎのそれぞれの特徴を比較する活動を取り入れる 2

※ 教科 理科テキスト 小4 1学期 5月 電池のはたらき

3 単元の目標 (1) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象に進んでかかわり それらを科学的に探究するとともに 事象を日常生活とのかかわりでみようとする 自然事象への関心 意欲 態度 (2) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象の中に問題を見いだし 目的意識をもって観察

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授業案4年「3 電気のはたらき」

第4学年1組 理科学習指導案

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について関心をもって話し合っている 6 身近な電気器具について興味 関心をもっている 電圧の特徴を 結果から見いだしている 6 実験結果から 電流の大きさが加えた電圧の大きさに比例することを見いだしている 7 直列回路と並列回路での抵抗の値がどのようになるか 実験の結果から見いだしている 8 水温の

Taro-denkyu_Q

くらしを支える電気 (10 時間 ) 生活の中に当たり前にある 電気 学校や家庭の中にある 電化製品を調べよう 身の回りにある電化製品を調べるとともに 生活との関連を考えるようにする 学校の施設の中を調査する活動も考えられる 食事冷蔵庫 電子レンジ 生活照明 洗濯機 情報テレビ パソコン 家の中を調

スライド 1 鳥取県小学校教育研究会社会部 第 31 回夏季研修会 第 4 学年部会 教材開発 ~ 我が国や地域の伝統 文化や営み等に触れ 我が国や地域に対する愛情を醸成する教材の開発 ~ 綿口和頼 鳥取市立用瀬小学校

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

Microsoft PowerPoint - H29小学校理科

理科学習指導案(形式)

Ⅰ 単元の分析 1 学習指導要領の記述から (3) 電流の働き 電磁石の導線に電流を流し, 電磁石の強さの変化を調べ, 電流の働きについての考えをもつことができるようにする ア電流の流れているコイルは, 鉄心を磁化する働きがあり, 電流の向きが変わると, 電磁石の極が変わること イ電磁石の強さは,

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4 単元構想図 ( 全 14 時間 ) 生徒の意識の流れ 表を使って解く 縦 (m) 0 8 横 (m) x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう1 ax = b (x + m) = nは平方根の考えで解くことができる x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう2 x +

31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

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スマートライフおすすめ BOOK P2_P 省エネ ネ エ 蓄 ネ 創エ! なるほど はじめに もう中学生! フ イ ラ ト ー マ ス が そ れが それ も くじ 地球温暖化と私たち 4 エネルギーと私たち 6 スマートライフ はじめよう スマートライフ 10 HEMS

6年理科

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

79 2 [4] X X m X, X m X X < X m X m X X > X m X m

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

4. 単元の実際 習得 (1) 三部構成のモデル文 ゲームなんてやめなさい を提示し 子どもの意識とのズレを生む 実践を行った4 年生のクラス 38 名全員が何らかのゲームをもっていることを確認し 子どもがゲームについて感じている楽しさを十分掘り起こす その上で はじめ なか おわり の形式で書かれ

第6学年2組 理科学習指導案

国語科学習指導案様式(案)

第5学年  算数科学習指導案

日本の戦後復興を支えた電気 (8 時間 ) 戦後の日本の姿立ち並ぶバラック小屋ユニセフ給食を食べる子供たち ギブミーチョコレート の写真終戦直後の日本はどんな様子だったの? 社会自立して食料不安定いない不足 終戦直後の日本の様子を示す写真を提示する 連合国に占領されている 親を失い孤児に 家もなくバ

小学校理科の観察,実験の手引き 第3学年A(1) 物と重さ

(2) 単元構想図 学習の手立て 数は時数軸 授業の目標 視点 1 果物で電池を作り 電流を取り出す 果物電池から電流を取り出す実験を通して 電池の仕組みについて 疑問や関心を抱くことができる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) 小集団の中で果物電池を作り 疑問を出し合ったり 共有したりする姿 自


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FdText理科1年

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ここで, 力の向きに動いた距離 とあることに注意しよう 仮にみかんを支えながら, 手を水平に 1 m 移動させる場合, 手がした仕事は 0 である 手がみかんに加える力の向きは鉛直上向き ( つまり真上 ) で, みかんが移動した向きはこれに垂直 みかんは力の向きに動いていないからである 解説 1

第4学年理科学習指導案

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

スライド 1

Taro-5年研究のまとめ

( ) 単元計画 ( 全 6 時間 ) 段階 主な学習活動と内容 指導上の留意点 配時 私たちが食べているものは, どこからきて 既習を想起できるように, 農業や いるか考える 水産業の学習内容を掲示しておく 給食の献立から調べた食料自給率から, 給食の献立から調べた食料自給率本つ気づいたことや疑問

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我が国の工業生産と私たちのくらし ( 14 時間 ) 指導上のポイント 資料提示 おもな国の自動車生産台数の変化 を見せ 日本は世界一の自動車生産国であることを伝え 意欲をもたせる 日本の自動車生産を調べよう 環境 資源 日本の自動車工業を取り巻く問題点 どれくらい? どのように? 他の自動車は?

Microsoft Word - 中学校数学(福島).doc

今度は下図に示すような 電磁石 を用意します かなり変な格好をしていますので ヨ ~ ク見て下さい 取り敢えず直流電源を繋いで見ました 緑矢印 は磁力線の流れを示し 赤い矢印 は電流の流れを示します 図 2 下記に馬蹄形磁石の磁力線の流れを示します 同じ 図 3 この様に 空間を ( 一定の ) 磁

第4学年理科学習指導案

Taro-4年 総合 指導案(最終)

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

いきたいと考えるはずである 水溶液を区別する ためには, 水溶液のどんな性質やはたらきに着目していったらよいか, 子どもたちの考えを大切にしながら学習を進めていきたい 本単元の問題を解決するためには, いくつかの実験結果から, 総合的に判断することが必要である そこで,5つの水溶液を区別するという意

社会科学習指導案

実験題吊  「加速度センサーを作ってみよう《

Microsoft Word - ④「図形の拡大と縮小」指導案

高校電磁気学 ~ 電磁誘導編 ~ 問題演習

2年 indd

Microsoft Word _付録03 INEEE教材リスト

指導計画 評価の具体例 単元の目標 単元 1 化学変化とイオン 化学変化についての観察, 実験を通して, 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解するとともに, これらの事物 現象をイオンのモデルと関連づけて見る見方や考え方を養い, 物質や化学変化に対する興味 関心を高め, 身のまわりの物質や事象を

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Microsoft PowerPoint - 基礎電気理論 07回目 11月30日

ACモーター入門編 サンプルテキスト

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とで児童に活動の見通しを持たせ, 自分で課題を立て情報を集め整理し, 発表する等に取り組めるようにしていきたい 調査計画の場面では, 目的に照らしてどのような調査をしていくことがよいのか児童にしっかりと考えさせたい 例えば, データはどう集めたらよいのか, アンケートを実施する場合には, 誰にアンケ

Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

3. 単元計画 (10 時間 ) 1 5 年生の学習を振り返ろう 散らばりの様子を表にすると 平均だけ 一番大きい数字は 平均で比べてみると ではわからなかった資料の特徴がいろ いろと見えてくるね 2 平均を使えば比べることができた ( 合計 ) ( 個数 )= 平均だった紙飛行機とばし大会に出ます

EV のモーター技術 1 電源の分類 技術の進歩と共に私たちの身近なところに多くのモーターが使用されています 携帯電話や扇風機 冷蔵庫やパソコンなど生活に身近な所はもちろん コンベアや工作ロボットなどの工業用としても数多く使用されています 自動車の業界でも近年の省エネや二酸化炭素削減などが注目されハ

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第 5 学年理科学習指導案 改善したところ 成果があったところ 平成 24 年 6 月 13 日第 5 学年 1 組 34 名授業者小影俊一 研究主題 子どもたちが生き生きとたのしく学ぶ理科 生活科 - 実感を伴った理解を図る指導の工夫 - 高学年分科会のテーマ 児童が自然と向き合い 目的意識をもっ

内の他の国を見てみよう 他の国の発電の特徴は何だろうか ロシアでは火力発電が カナダでは水力発電が フランスでは原子力発電が多い それぞれの国の特徴を簡単に説明 いったいどうして日本では火力発電がさかんなのだろうか 水力発電の特徴は何だろうか 水力発電所はどこに位置しているだろうか ダムを作り 水を

算数科学習指導案 1 日時平成 24 年 10 月 25 日 ( 木 ) 5 校時 2 学年第 6 学年 8 名 3 単元名比例と反比例 ( 啓林館 ) 4 単元について 本単元は 三原市立和木小学校 指導者荒木美花 本単元のねらいは, 伴って変わる 2 つの数量の中から比例関係や反比例関係にあるも

子葉と本葉に注目すると植物の成長の変化を見ることができるという見方や, 植物は 葉 茎 根 からできていて, それらからできているものが植物であるという見方ができるようにしていく また, 学んだことを生かして科学的なものの見方を育てるために, 生活の中で口にしている野菜も取り上げて観察する活動を取り

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1 ハイブリッド自動車の原理 1 台でエンジンとモーターといった異なる2つの動力源を持つ自動車をハイブリッド自動車といいます そのしくみを考えてみましょう (1) モーターを手で回すと 考えてみましょうプロペラのついたモーターに電池をつなぐと モーターが回ります 電流が流れるモーターが回るやってみま

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4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

3 単元の目標 自然事象への関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 自然事象についての知識 理解 風やゴムの力を働かせた時の現象に興味 関心をもち, 進んで風やゴムの働きを調べようとする 風やゴムの力の働きを活用してものづくりをしたり, その働きを利用した物を見付けたりしようとする

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

できるようにする 野菜を学年園やプランターで栽培する計画を立てさせる際には, 平成 27 年度全国学力 学習状況調査 2(5) に取り組ませ, 前学年までに学習した植物の成長にかかわる知識や経験も活用して考える必要があることに気付かせる 実際に野菜を育てる活動に取り組ませることにより, 知識や経験を

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2 児童観復習プリントから 乗法の交換法則 4 7=7 乗法の結合法則 = 加減混合の式や乗除混合の式の計算はできていると考えられる しかし 分配法則 6 10=6 9+ や 7 8=7 9 はできない児童が数名いて 定着していないことが分かる また 計算の仕方は理解してい

第4学年算数科学習指導案

スライド 1

Transcription:

6 年理科 電気の利用 電気の基本的な性質や規則性を学習してきた子どもたち ここでは 電気を生み出すことと貯めて使うことについて学習しエネルギー変換と保存の見方や考え方を育みます 1. 電気をエネルギーとして実感させる 本単元では 電気を自分たちで生み出し それを貯めたり使ったりする活動を通し さらに日常生活の中で電気の果たす役割と重ね合わせていくことにより 電気エネルギーの有用性と共にその大切さを感じ 電気を自分たちの財産として捉えられるようにすることをねらっている 子どもたちの身の回りには 多くの電子機器や電化製品があり それらの利便性を享受しながら生活している その源は 発電や蓄電による電気である その過程を実際に目の前の事実で見て 自分の手で電気をつくり出すことで実感させたい このような学習により 運動エネルギーや光エネルギーが電気エネルギーに変換されることや そのエネルギーを保存できるという見方や考え方が養われると共に 電気の利用の仕方を考えた生活ができるようになると考えている 2. 発電 蓄電 の教材性 子どもたちは これまで電気回路の見方や直列 並列のつなぎ方の違いによる電流量の違い 電流の向きなど 電気の基礎的な内容について学んできた ここでは, さらに磁力とコイル 光電池を用いて電流を生成し さらにコンデンサによる蓄電についての量的変化を, その条件制御しながら調べ, 計画的に追究する能力を育てていきたい 子どもにとって これまでは電気と磁石はそれぞれ別個のものという素朴概念をもっている しかし この学習により磁石とコイルを用いて運動させることで電流を生み出すことができることを学習し 両者の関係性の不思議さを知らせたい 光電池については 光エネルギーを電気エネルギーへと変換させるものであるが 生み出された電気が豆電球等の点灯などで再度光に変換したりモーターを回す運動エネルギーへと変換していくというエネルギー循環の見方の素地を培いたいと考えている 3. おや なぜ を生み出す授業 単元の導入部分で 災害用ラジオ ライトでの手回し発電機を取り上げ 発電機の仕組みを調べてみたいという意識を引き出したい そして 子どもは コイルと磁石の存在 さらにはコイルを回転させることで電流が生まれることを見つけていく これまで別々のものとして学習してきた磁石と電気が 互いに関係し合うことで 新たな事象が起こっているのである 子どもたちは このことに不思議さを感じ 追究の原動力となっていくと考えている 追究の過程では 分かったこと ( はっきり言えること ) と曖昧なこと ( はっきり言えないこと ) を確認し 次の追究すべきことを明確にするようにする これにより 子どもの意識が連続し追究を深めていくことができるのである

電気の利用 (12 時間 ) 第 1 次電気をつくろう (4) これまで学習した乾電池や交流電流の他に 電気 ( 電流 ) の働きで動いたり働いたりす るものを調べよう 災害用ラジオ 公園の時計 充電池い 水力発電 電卓 ハ ッテリー 自転車のライト 発電したり蓄電したりした電気が生活の中で生 かされていることに気づかせ意識を向けていく 静電気や交流電流 蓄電池についての気づきも 出てくることが考えられるが ここでは扱わな 手回し発電機ってどんな仕組みなのかな たくさん回すと電流がたくさん流れるね 災害用ラジオなどの実物を提示する 中を調べてみたいな コイルや磁石 手回し発電機を使って電流を流したり中の仕組 中にモーターのよ も入ってい みを調べることから コイルと磁石で電流を作 うな物が入ってい て回転する ることができそうだという見通しをもたせる て回転するんだ ようだ モーターで電流を作ることができるのだろうか モーターを回転させると電流計が動いた モーターは電流で動くけれど 電流を作ることもできるんだ 自転車のライトや水力発電もこの方法で電気を作っていたんだ ずっと回し続けないといけなくて不便だよ 災害用ラジオや公園の時計は電気をためて使っているはずだよコイルと磁石で電気を作ることができるんだ これをためることができると便利に使えるよ モーターを工夫して回転させることからその大変さを感じ 手回し発電機のよさに気づかせ さらに蓄電の必要感をもたせたい 市販の災害用懐中電灯 ( 発電式 ) を提示してもよい 第 2 次 電気をためよう (4) コンデンサの提示 公園の時計にはコンデンサという物が使われて コンデンサに電気を貯めて豆電球を点灯させた いるんだってコンデンサに電気をためて働かせてみよう り モーターを回転させたりなど 条件を変えて調べる < 光電池 > < 手回し発電機 > さらに コンデンサに流れる電流やコンデンサ 蓄えられるけれど から放電される電流を電流計 すぐに消えてしま で測定することも考えられる うね

もっとたくさんためるには? たくさんの電気を使えるようにしたいという 子どもたちの願いをもとに コンデンサおよび 強い光で 速く回して 光電池を使って様々な工夫ができるようにし 発電量と放電量の規則性をとえられるようにし 直列につないで たい 時間を長く 多く回して 電流計を用いて ある程度定量的に発電された電流量と放電された電流量を条件を変えながら計画的に調べられるようにする 方法によって 発電される電流量が違う たく さん発電するほどたまるが 限界もあるようだ 光電池と手回し発電機の各条件による結果を比 較し 関係づけながら結論を導き出すようにす 第 3 次 電気の消費 (4) る 蓄えた電気を使ってみよう 豆電球 モーターの他 発光ダイオード (LED) 電子オルゴールやダイオードは長持ちするが 電子オルゴール 携帯ラジオに電流を流して働 モーターや電球は短時間で電気を使ってしまう かせてみることから 使う物による消費量につ LEDを使うと節電になるよ 信号も いて気づかせたい 使う物( 働かせる物 ) によって 消費する電気 が違うんだ 災害用懐中電灯 ( 発電型 ) の 豆電球を使用し 家でも 電気ストーブやエアコンは電気をたく た物とLEDを使用した物で点灯時間を比較する さん使うって聞いたことがある などして 実感的にとらえられるようにしたい 温度が高くなるものは たくさん電気を使うん だ せっかく発電した電気を大切に使いたいね 発電 - 蓄電 - 放電の一連の流れから エネルギ ーの変換と保存について気づかせたい すごく熱くなる物とそうでない物があるね 発熱は何に関係しているのかな 変える条件と変えない条件の条件制御をしっかりおさえ グラフ化するなどして電流の強さと導線の太さとの関係をとらえさせ 電気のエネ 電流の強さ 導線の太さ 時間の長さ ルギーが熱に変換されていることに気づかせる 電流が強い 磁力が限界に 時間を延ばし と速く熱く なると電流は ても電流が弱 水の温まり方やロウのとけ方などにより 発熱 なる 熱になる いとだめだ の仕方を調べる 電磁石で磁力にならない電流は熱になる 電流 を強くするほど発熱量は多くなる 発熱のはたらきを利用した物を調べよう ドライヤー 電熱器 発泡スチロールカッター アイロン 電気ストーブ等を調べ ニクロム線が利用されていることをとらえるとともに それらは消費電力が大きいことにも気づかせたい

授業例 授業のねらい 光電池や手回し発電機を使ってコンデンサに多くの電気をためるための条件を変えて発電量や放電 量を調べることから 蓄えられた電気について推論することができる 前時まで光電池と手回し発電機を使って コンデンサに電気を貯めてみた 思ったよりも豆電球が点灯する時間が短かった そして 他の物ではどれ位使えるのか試してみたいという意識が生まれてきた コンデンサに貯めた電気を使ってみよう 手回し発電機でコンデンサに電気を コンデンサ 手回し発電機 貯めて電子オルゴールとモーターで使える時間や電流量を調べる 電子オルゴール モーター 使える時間が違うね 電子オルゴールは 電流量が違うのかな? 少ない電流で長い 時間使うことがで 電子オルゴールが長く使えるのは使われ きることをとらえ る電流量が小さいからだったんだ る 音を鳴らすことは 物を動かすことより使われる電流が 小さく長持ちするんだ 明かりになるLEDと豆電球は使える時間は同じなのかな? 同じ働き ( 明かり ) をするLEDと豆電球で使える時間を比べ その違い LEDはとても長持ち 豆電球はすぐに から電流量を調べ するんだね 消えてしまうよ ていく LED は流れる電流が 豆電球はいっきにたくさん とても小さいんだ 電流が流れるんだね LED が普及して だから LED が信号や懐中電灯に使われる ようになったんだよ! LED は少ない電流で明かりをつけることができるんだ とても省エネルギーなものなんだね いくことについて 消費電力から考え られるようにする

発展的な学習のアイディア 体験! 電気をつくろう (1 時間 ) 自転車のダイナモを使い 電化製品を稼働させ 自分の体力を使って発電する ラジカセ 高出力の懐中電灯 レーシングカー 息が切れ 汗が出てくるなどから 強い電気をなどの使用が考えられる 生み出すためには多くのエネルギーが必要なことを実感としてとらえさせたい 発電所の仕組みを調べよう (2 時間 ) 清掃工場 藻岩ダムなどの現地学習などで 発電所の仕組みを調べる 大きな電流を生成する発電の仕組みも 基本的 発電のためには 蒸気や水力でタービンを回転な仕組みとして 磁石とコイルを用いて運動エさせていること 大きなコイルと磁石を用いて ネルギーを電気エネルギーに変換することで発学習したことと同様の原理で発電していること電していることをとらえられるようにする を調べる また 風力発電について取り上げる モーターの回転による電流の生成ということでことも考えられる 学習を展開してもよい 節電するために (2 時間 ) 白熱灯の電球と蛍光灯の電球の耐用日数を調べる 高価な蛍光灯の電球と廉価な白熱灯 どちらを買うのがお得か話し合うことから導入したい 値段の安い白熱灯の電球と 高価な蛍光灯を用いた電球 耐用日数と共に周囲の温度 明るさ 双方の価格と消費電力( 電気代 ) を比べる必要などを調べる 蛍光灯は長持ちし 周囲の温度感をもたせて追究させたい も白熱灯に比べて低いことをとらえ エネルギー効率に優れていることに気づかせたい