公開用_ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の定義と評価方法(150629)

Similar documents
目次 1. 設計ガイドライン パンフレットの必要性 2. 設計ガイドライン ( 案 ) について 3. パンフレット ( 案 ) について 4.ZEB の実現 普及に向けて ZEB:Net Zero Energy Buildings ( ネット ゼロ エネルギー ビル ) 1

資料2:地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ(議論のたたき台)(案)

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

真空ガラス スペーシア のご紹介 一般に使用されている一枚ガラスの約 4 倍の断熱効果を発揮!! お部屋全体を快適にします オフィスやパブリックスペースの環境は 冷房や暖房に常に取付専用グレチャン気を配らなければなりません 高断熱 Low-Eガラスしかし一方で経営者の方々にとっては節電対策も重要な項

資料

見直し後11 基準相当1.64GJ/ m2年hh11 基準相当見直しH11 基準と見直し後の省エネ基準の比較について 住宅 建築物判断基準小委員会及び省エネルギー判断基準等小委員会平成 24 年 8 月 31 日第 2 回合同会議資料 1-1 より抜粋 設備機器の性能向上により 15~25% 程度省

npg2018JP_1011

資料1 :住宅(家庭部門)の中期の対策・施策検討

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F D208E9197BF315F B838D C8C768E5A977697CC5F FC C8AEE8F808F808B925F E646F63>

NHK環境報告書2008

Microsoft PowerPoint - ANNEX40報告会_ _尹先生

Microsoft PowerPoint - Annex40報告会 _奥宮先生

Microsoft PowerPoint - 資料7-5.ppt

B.2 モニタリング実績 (1) 活動量 ( 燃料消費量 生成熱量 生産量等 ) 記号 モニタリング項目 定義 単位 分類 1 モニタリング方法 概要 頻度 実績値 モニタリング実績 計測対象期間 ( 年月日 ~ 年月日 ) 備考 F PJ,biosolid プロジェクト実施後のバイオマス固形燃料使

エネルギー規制 制度改革アクションプラン (11 月 1 日 ) の概要 重点課題と詳細リスト 現時点で政府が取り組むこととしている又は検討中の事項を 実施 検討事項詳細リスト (77 項目 ) として取りまとめ その中から 3つの柱で計 26 項目の重点課題を特定 1 電力システムの改革 (9 項


UIプロジェクトX

Preface Proposal Framework of the Action Plan Background I

低炭素都市づくりガイドライン(案)について


タイトル

Microsoft Word 磁気ディスク装置_Version 1.1(p)

( 別紙 ) 中国電力株式会社及び JFE スチール株式会社 ( 仮称 ) 蘇我火力 発電所建設計画計画段階環境配慮書 に対する意見 1. 総論 (1) 石炭火力発電を巡る環境保全に係る国内外の状況を十分認識し 本事業を検討すること 本事業を実施する場合には 本事業に伴う環境影響を回避 低減するため

Microsoft Word 後藤佑介.doc

次世代エネルギーシステムの提言 2011 年 9 月 16 日 株式会社日本総合研究所 創発戦略センター Copyright (C) 2011 The Japan Research Institute, Limited. All Rights Reserved.[tv1.0]

2

御意見の内容 御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方ることは可能です このような訴求は 小売電気事業者が行うことを想定したものですが 消費者においても そのような訴求を行っている小売電気事業者から電気の小売供給を受け 自らが実質的に再生可能エネルギーに由来する電気を消費していることを

環境・設備からみたLCCM住宅へのアプローチ

平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

北杜市新エネルギービジョン

【HP公表 最終版の公表前確認修正有り】 北陸取組み(個票)

お知らせ

4 推進体制別途添付いたします 5 公表の方法等 ホームページアドレス 閲覧場所 窓口で閲覧 所在地 冊 子 閲覧可能時間 冊子名 入手方法 その他

資料3-1 温室効果ガス「見える化」の役割について

住宅・建築物の 着実な省エネルギー設計への誘導

参考資料3(第1回検討会資料3)

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

フロン類製造業者等の フロン類の使用合理化の状況

幸福度指標の持続可能性面での指標の在り方に関する調査研究報告書

17-1_sakamoto

事例8_ホール素子

〔表紙〕

標準入力法H28_解説書_ALL_v2.3_

日本市場における 2020/2030 年に向けた太陽光発電導入量予測 のポイント 2020 年までの短 中期の太陽光発電システム導入量を予測 FIT 制度や電力事業をめぐる動き等を高精度に分析して導入量予測を提示しました 2030 年までの長期の太陽光発電システム導入量を予測省エネルギー スマート社

CONTENTS

Microsoft PowerPoint まちせん.ppt [互換モード]

スマートライフおすすめ BOOK P2_P 省エネ ネ エ 蓄 ネ 創エ! なるほど はじめに もう中学生! フ イ ラ ト ー マ ス が そ れが それ も くじ 地球温暖化と私たち 4 エネルギーと私たち 6 スマートライフ はじめよう スマートライフ 10 HEMS

資料 2 接続可能量 (2017 年度算定値 ) の算定について 平成 29 年 9 月資源エネルギー庁

緒論 : 電気事業者による地球温暖化対策への考え方 産業界における地球温暖化対策については 事業実態を把握している事業者自身が 技術動向その他の経営判断の要素を総合的に勘案して 費用対効果の高い対策を自ら立案 実施する自主的取り組みが最も有効であると考えており 電気事業者としても 平成 28 年 2

表紙

CASBEE評価ソフトの使用方法

1 タウンメガソーラーの実現 7 2 街の発展を想定したメガソーラー整備及び連結 8 3 北九州水素タウン 9 4 風の道に沿った小型風力発電の導入 10 5 工場廃熱の活用 ( 工場廃熱の植物工場等利用 ) 11 6 工場廃熱の活用 ( バイナリー発電 ) 12 7 次世代 BDF の開発などバイ

MARKALモデルによる2050年の水素エネルギーの導入量の推計

「グリーンリース契約における建物管理会社の取組」

世界的にも建築物の対策は最重要 IPCC( 気候変動に関する政府間パネル ) 第 5 次評価報告書 2010 年に建築物は世界のエネルギーの約 32% を消費 このままの状態が続けば 2050 年までに2~3 倍になると予想 デットロックになる前に迅速な対応が必要 2015 年環境省 IPCC 第

azbilグループ企業活動報告書2013_azbil report

3 地球温暖化対策の推進に関する方針及び推進体制 (1) 地球温暖化対策の推進に関する方針 [ 基本理念 ] 人類が自然と調和し 未来にわたり持続可能な発展を実現するため NTT グループ地球環境憲章に則り NTT 西日本はグループ会社と一体になって 全ての企業活動において地球環境の保全に向けて最大

政策体系における政策目的の位置付け エネルギー基本計画 ( 平成 22 年 6 月 18 日閣議決定 ) において 一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合を 2020 年までに 10% とすることを目指す と記載 地球温暖化対策基本法案 ( 平成 22 年 10 月 8 日閣議決定 )


<93CD8F6F976C8EAE81698B4C8DDA97E1816A2E786C7378>

<4D F736F F F696E74202D20926E88E682CC C838B834D815B8EA997A782C982DE82AF82C481698BE EA90B48D81816A B8CD

参考資料2:温暖化対策(グリーン投資)の経済効果

( 出所 ) 中国自動車工業協会公表資料等より作成現在 中国で販売されている電気自動車のほとんどは民族系メーカーによる国産車である 15 年に販売された電気自動車のうち 約 6 割が乗用車で 約 4 割弱がバスであった 乗用車の中で 整備重量が1,kg 以下の小型車が9 割近くを占めた 14 年 8

大阪市再開発地区計画にかかる

エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律の制定の背景及び概要 ( 平成 22 年 11 月 ) 資源エネルギー庁総合政策課編

1. 目的 実施計画 高度なエネルギーマネジメント技術により 需要家側のエネルギーリソースを統合的に制御することで バーチャルパワープラントの構築を図る < 高度なエネルギーマネジメント技術 > 蓄熱槽を活用した DR 複数建物 DR 多彩なエネルギーリソースのアグリゲーション < 便益 > 系統安

各家庭の 1 年間の出費のうち約 7% は電気 ガス 灯油といったエネルギーへの支出です 詳しくは 各制度のパンフレット W EB で 市民向け 太陽光発電 燃料電池 ( エネファーム ) HEMS ( ホームエネルギーマネジメントシステム ) 定置用蓄電 太陽熱利用 ガスエンジン木質コージェネバイ

事業活動温暖化対策計画書提出書

予定建築物等以外の建築等の制限 法 42 条 立地基準編第 5 章 (P127~P131) 法第 42 条で規定されている 予定建築物等以外の建築等の制限 については 次のとおりとする 1 趣旨開発許可処分は 将来その開発区域に建築又は建設される建築物又は特定工作物がそれぞれの許可基準に適合する場合

Microsoft Word - 問題冊子 docx

スライド 1

目次 1. 策定の趣旨 2 2. 水素利活用による効果 3 3. 能代市で水素エネルギーに取り組む意義 5 4. 基本方針 7 5. 水素利活用に向けた取り組みの方向性 8 6. のしろ水素プロジェクト 10 1

電解水素製造の経済性 再エネからの水素製造 - 余剰電力の特定 - 再エネの水素製造への利用方法 エネルギー貯蔵としての再エネ水素 まとめ Copyright 215, IEEJ, All rights reserved 2

,745 3,000 JK

平成 29 年度家庭部門の CO 2 排出実態統計調査の分析事例 ( 参考資料 ) 平成 31 年 3 月 環境省地球環境局 低炭素社会推進室 1 はじめに環境省は 家庭部門の詳細な CO 2 排出実態等を把握し 地球温暖化対策の企画 立案に資する基礎資料を得ることを目的に 平成 29 年度から 統

第二面 1. 建築物の位置 延べ面積 構造 設備及び用途並びに敷地面積に関する事項 建築物に関する事項 1. 地名地番 2. 敷地面積 m2 3. 建築面積 m2 4. 延べ面積 m2 5. 建築物の階数 地上 階 地下 階 6. 建築物の用途 一戸建ての住宅 共同住宅等 非住宅建築物 複合建築物

4 推進体制 経営責任者 環境管理責任者 (PSN 佐江戸 ) ( 計画管理責任者 : 事業部長 ) GM: グループマネージャー TL: チームリーダー Sa: 参事 SJ: 主事 事務局 (PSN 佐江戸 ) ( 計画推進責任者 :GM) 技術管理者 :SJ 平成 6 年 4 月 1 日時点 イ

地球温暖化対策計画書

事例2_自動車用材料

( 考察 ) <アクションプラン策定時の排出係数を固定した場合の温室効果ガス排出量 > 環境モデル都市 の取組による温室効果ガス排出量の影響を適切に表現するため 毎年変動する排出係数の外部要因を排除する目的で アクションプラン策定時の排出係数を固定して推計した 電気排出係数 0.418kg-CO2/

PowerPoint プレゼンテーション

第 3 章隠岐の島町のエネルギー需要構造 1 エネルギーの消費量の状況 ここでは 隠岐の島町におけるエネルギー消費量を調査します なお 算出方法は資料編第 5 章に詳しく述べます (1) 調査対象 町内のエネルギー消費量は 電気 ガス 燃料油 ( ガソリン 軽油 灯油 重油 ) 新エ ネルギー (

東洋インキグループの環境データ(2011〜2017年)

番号質疑回答公開日 A2-4 省エネ適判を要する物件について 適判機関と同一の機関へ BELS に係る評価申請があった場合は 省エネ適判通知書等を用いることにより 申請図書等を省略することは可能ですか 貴見のとおりです 具体的には BELS 申請に要する書類と重複するものについて 以下 1~3 のい

問題意識 民生部門 ( 業務部門と家庭部門 ) の温室効果ガス排出量削減が喫緊の課題 民生部門対策が進まなければ 他部門の対策強化や 海外からの排出クレジット取得に頼らざるを得ない 民生部門対策において IT の重要性が増大 ( 利用拡大に伴う排出量増加と省エネポテンシャル ) IT を有効に活用し

すべての事業者 ( 企業 ) の責務 省エネ法第 3 条告示第 57 号エネルギーの使用の合理化に関する基本方針 1 工場等においてエネルギーを使用して事業を行う者が講ずべき措置 (1) 工場等においてエネルギーを使用して事業を行う者は 次の各項目の実施を通じ エネルギー消費原単位の改善を図るものと

名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

Microsoft PowerPoint - NIES

平成 30 年度地方税制改正 ( 税負担軽減措置等 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 その他 ) No 8 府省庁名環境省 対象税目個人住民税法人住民税事業税不動産取得税固定資産税事業所税その他 ( ) 要望項目名 要望内容 ( 概要 ) 再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置の延長

スライド 1

千代田区開発事業に係る住環境整備推進制度要綱

GK9KF181GMR KF181GSRGK GK9KF181ZGMR KF181ZGSRGK GKJ9KF3050EN KF3050ENRSJ GKT9KF3050EN KF3050ENRSJ RSJ9KF3050EN KF3050E

( 太陽光 風力については 1/2~5/6 の間で設定 中小水力 地熱 バイオマスについては 1/3~2/3 の間で設定 )) 7 適用又は延長期間 2 年間 ( 平成 31 年度末まで ) 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 長期エネルギー需給見通

Microsoft PowerPoint METI.ppt [互換モード]

スライド 1

<4D F736F F D20335F F5A91EE835B838D C8C768E5A977697CC5F FC C8AEE8F808F808B DC58F4994C5817A5F

スーツケース基準最終案ー基準重要度順化

LED 照明の種類 LED 照明は主に器具と光源が一体化したシーリングライトなどの LED 照明器具 と白熱電球や蛍光灯の光源部分を LED に置き替えた LED ランプ に分類されます ( 図 2-1) 省エネ性と環境性が重視され 公共建築物で使用された LED 照明器具の採用機種数は 2010

Transcription:

( ネット ゼロ エネルギー ビル ) の定義と評価方法 1 化の目的 意義と波及効果 1.1 目的 意義 1 環境負荷の低減とサステナブルな社会の実現 2 エネルギー セキュリティの向上 3 健全な省エネ 創エネ産業の発展と日本の気候風土をふまえた技術の輸出による世界貢献 1.2 波及効果 1 建築に対する新しい価値観の創出とライフスタイルの変革 2 サステナブルな低炭素化社会への圧倒的寄与 3 エネルギー技術 再生可能エネルギー利用技術等の発展 向上 2 化の目標時期特定建築物での早期実現をはかる 推進段階 と一般建物への普及をはかる 普及段階 の 2 段階に分けて考える (1) 特定建物での実現時期 ( 推進段階 ) 早期実現 (5 年以内 ) が期待されており 22 年を目途とする (2) 一般建物への普及時期 ( 普及段階 ) 経済産業省 国土交通省 環境省のロードマップ 1)2)3) に合わせ 23 年を目途とする 3 化の対象建築物原則として エネルギーの使用の合理化に関する法律 4) ( 以下 省エネ法 ) の対象用途 ( 住宅を除く ) すべて ( 新築 既築を問わない ) とする ただし 推進段階においては 学校 事務所 ( 郊外型 ) を実現の優先的用途とし 普及段階において順次 事務所 ( 都心型 ) 商業施設 その他の施設への普及をはかるものとする 4 の定義 評価方法 4.1 の定義 (1) 定性的定義 ( 図 1 参照 ) 室内及び室外の環境品質を低下させることなく 負荷抑制 自然エネルギー利用 設備システムの高効率化等により 大幅な省エネルギーを実現したうえで 再生可能エネルギーを導入し その結果 運用時におけるエネルギー ( あるいはそれに係数を乗じた指標 ) の需要と供給の年間積算収支 ( 消費と生成 又は外部との収支 ) が概ねゼロもしくはプラス ( 供給量 > 需要量 ) となる建築物 (2) 定量的定義 ( 図 2, 図 3 参照 ) 設定した境界における需要と供給の収支により (1) または (2) 式で定義する (1) は生成 / 消費の収支 (2) は配送 / 逆送の収支を表現している G> C (1) E> D (2) 供給量 G: 生成エネルギー需要量 C: 消費エネルギー E: 逆送 ( 外部へ供給した ) エネルギー D: 配送 ( 外部から供給された ) エネルギー 1

net Zero Energy 供給量 (kwh,mj,kg-co2 等 ) net Zero Energy Building 2 再生可能エネルギーの導入 2 1 エネルギー消費量削減の試み 負荷の抑制 自然エネルギー利用 設備システムの高効率化 需要量 (kwh,mj,kg-co2 等 ) エネルギー消費量削減の試み ( 負荷抑制 自然エネルギー利用 設備システムの高効率化 ) 再生可能エネルギーの導入 ( 太陽光 風力 地熱等 ) 図 1 ( ネット ゼロ エネルギー ビル ) 実現へのアプローチ方法 1 R: 再生可能エネルギー Renewable Energy 供給側 D: 配送 ( 外部から供給された ) エネルギー Delivered Energy fuel 建築物 G: 生成エネルギー Energy Generation 敷地境界 E: 逆送 ( 外部へ供給した ) エネルギー Exported Energy heat 外部供給 C: 消費エネルギー Energy Consumption 自己消費 用途別エネルギー消費 heat 需要側 空調 照明コンセントその他 敷地境界線を物理的な境界とする G( 生成エネルギー )/C( 消費エネルギー ) バランス D( 配送 ( 外部から供給された ) エネルギー )/E( 逆送 ( 外部へ供給した ) エネルギー ) バランス 原則として年間積算値で評価する 消費用途は 空調 照明 コンセント その他 ( 換気 衛生 EV 等 ) とする コンセントの消費電力については 設計者がコントロールできないこと等から 計量可能な場合 対象消費用途から外してもよい 図 2 ( ネット ゼロ エネルギー ビル ) の需要と供給のバランス 2

net Zero Energy 供給量 (kwh,mj,kg-co2 等 ) G E net Zero Energy Building E D G C の定義 G> C または E> D D C 需要量 (kwh,mj,kg-co2 等 ) 需要量と供給量は 原則として一次エネルギー消費量とする 係数を乗じれば CO2 排出量 エネルギーコストで考えることもできる の物理的な定義 G> C または E> D 図 3 ( ネット ゼロ エネルギー ビル ) の定義 4.2 境界 (1) 物理境界原則として 敷地境界とする ただし 近隣も含めた複数建築物での評価が必要な場合には 仮想的な境界を設定し 物理境界として扱ってもよい また 一つの敷地内に複数の建築物があり そのうちの一つの建築物を対象とする場合は仮想の敷地境界を設定してもよい (2) 収支境界 ( 対象とするエネルギー消費用途 ) 建築物の品質を維持するために必要なエネルギー消費を対象とする 建築物の品質を維持するために必要なエネルギー消費用途の詳細については 都度検討すること コンセントの消費電力については 設計者がコントロールできないこと等から 計量可能な場合 対象消費用途から外してもよい (3) 再生可能エネルギーの供給方法原則として 敷地内 ( 分類 Ⅰ または Ⅱ) の再生可能エネルギーを対象とする ただし 換算係数等を明示できれば 分類 Ⅲ 分類 Ⅳ も含める 分類 Ⅰ: 建築物で生成される再生可能エネルギーを利用するもの 分類 Ⅱ:Ⅰ に加え 敷地内で生成される再生可能エネルギーを利用するもの 分類 Ⅲ:Ⅰ Ⅱ に加え 敷地外で生成される再生可能エネルギーソースを電気や熱に変換して利用するもの 分類 Ⅳ:Ⅰ Ⅱ Ⅲ に加え 敷地外で生成される再生可能エネルギーをそのまま利用するもの なお ここでいう再生可能エネルギーは 代替エネルギーとしての再生可能エネルギーであり エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律 ( 以下 エネルギー供給構造高度化法 ) による再生可能エネルギー源 ( 太陽光 風力 水力 地熱 太陽熱 大気中の熱その他の自然界に存する熱 バイオマス等 ) を指す 3

4.3 評価指標評価指標は 原則として一次エネルギー消費量とする ( これをソース と呼ぶ 単位系は MJ kwh 併記 ) 一次エネルギーの換算係数については 原則として省エネ法に準ずる 省エネ法にないものは都度設定する ただし エネルギー使用量に係数を乗じた指標 例えば CO2 排出量やエネルギーコストによる定義も可とする ( これをエミッション, コスト と呼ぶ ) その場合の CO2 排出係数ついては 地球温暖化対策の推進に関する法律 5) 又は地方自治体が定める排出係数を使用し エネルギーコストについては 都度設定する 4.4 評価期間 評価時間原則として年間積算値とする ただし 短期使用等の特殊な建築物については 使用期間を評価期間とする 4.5 配送 ( 外部から供給された ) エネルギーの扱い配送 ( 外部から供給された ) エネルギーについては 一次エネルギー換算して評価する これらの換算係数については 省エネ法の換算係数または実情に合った換算係数とする 4.6 逆送 ( 外部へ供給した ) エネルギーの扱い逆送 ( 外部へ供給した ) エネルギーについては 一次エネルギー換算して評価する これらの換算係数については 省エネ法の換算係数または実情に合った換算係数とする 5 の評価基準 5.1 室内環境の評価基準良好な室内環境を維持していること 例えば CASBEE の Q( 環境品質 ) のスコアが 3. 以上 5.2 ネット エネルギー量の評価基準 ( 図 4 参照 ) レファレンスビルの年間一次エネルギー消費量で無次元化した基準化供給量 G* および基準化需要量 C* の収支から 以下のように 段階的に評価 ラベリングを行う G*: 基準化供給量 = 評価対象建築物の生成エネルギー / レファレンスビルの消費エネルギー C*: 基準化需要量 = 評価対象建築物の消費エネルギー / レファレンスビルの消費エネルギー Net Plus Energy Building 基準化供給量が基準化需要量を上回る (G* C*)> Net Zero Energy Building 基準化供給量と基準化需要量がほぼ同じ (G* C*) Nearly レベルⅠ -.125<(G* C*)<( ただし C*<.5) レベルⅡ -.25<(G*-C*)<-.125( ただし C*<.5) Ready -.5<(G*-C*)<-.25( ただし C*<.5) Oriented C*<.65 閾値に関しては現状の最先端の省エネルギー建築物の動向を踏まえて仮設定したが 今後検討が必要である レファレンスビルの年間一次エネルギー消費量は 例えば 別途 DECC データ 6) 等により定める エミッション やコスト においても同様に扱う 4

net Zero Energy Building.5 基準化供給量 G* net Plus Energy Building nearly レベルⅠ nearly レベルⅡ Ready net Minus Energy Building Oriented.125.25.5 基準化需要量 C*.65 1. G * : 基準化供給量 = 評価対象建築物の生成エネルギー / レファレンスビルの消費エネルギー C * : 基準化需要量 = 評価対象建築物の消費エネルギー / レファレンスビルの消費エネルギー 図 4 ( ネット ゼロ エネルギー ビル ) の段階的評価 6 再生可能エネルギー利用の評価基準再生可能エネルギー利用については (3) 式に示す再生可能エネルギー利用率にて評価する ΣRE/(ΣRE+ΣPE) (3) ΣRE: 再生可能エネルギーの総和 ΣPE: 非再生可能エネルギーの総和ここで対象とする再生可能エネルギーとは エネルギー供給構造高度化法における再生可能エネルギー源すべてとする 参考 引用文献 1) ( ネット ゼロ エネルギー ビル ) の実現と展開について ~23 年での 達成に向けて ~, の実現と展開に関する研究会,29.11 2) 低炭素社会構築に向けたロードマップ 低炭素社会づくりのためのエネルギーの低炭素化検討会, 212.3 3) 低炭素社会に向けた住まいと住まい方の推進に関する工程表, 低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議,212.7 4) エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律 ( 平成 25 年法律第 25 号 ) 5) 地球温暖化対策の推進に関する法律 ( 平成十年十月九日法律第百十七号 ) 6) 非住宅建築物の環境関連データベース 一般社団法人日本サステナブル建築協会 7) REHVA n technical definition and system boundaries for nearly zero energy buildings, REPORT NO.4, Federation of European Heating, Ventilation and Air Conditioning Associations (REHVA), 213. 5