PowerPoint Presentation

Similar documents
Microsoft PowerPoint - 参考資料2

個人情報の保護に関する規程(案)

はじめに 宅地建物取引業は さまざまな個人情報を取り扱う職種であり 宅地建物取引業法第 45 条には業者の 秘密を守る義務 が明記されています 平成 17 年 4 月に 個人情報の保護に関する法律 いわゆる個人情報保護法が完全施行され 個人情報を保護するための法整備がなされました また今般 同法改正

個人情報保護規定

1 資料 1 パーソナルデータの利活用に関する制度改正に係る法律案の骨子 ( 案 ) TM 2014 年 12 月 19 日 内閣官房 IT 総合戦略室 パーソナルデータ関連制度担当室

信書便制度の概要 平成 2 3 年 6 月 2 9 日総務省北海道総合通信局

資料2-1 「個人情報の保護に関する法律」説明資料

財団法人日本体育協会個人情報保護規程

資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関

個人情報管理規程

Microsoft Word - ○指針改正版(101111).doc

個人情報保護法と 行政機関個人情報保護法の 改正点概要

個人情報の取り扱いについて TaoTao 株式会社 ( 以下 当社 という ) は お客様が安心して当社のサービスをご利用いただけるよう 個人情報保護方針に基づき お客様の個人情報 個人番号 特定個人情報 ( 以下 ここではすべてを総称し 個人情報 といいます ) のお取扱いに細心の注意を払っており

民間事業者による信書の送達に関する法律 ( 平成 14 年法律第 99 号 ) 目次第一章総則 ( 第一条 - 第五条 ) 第二章一般信書便事業第一節事業の許可 ( 第六条 - 第十五条 ) 第二節業務 ( 第十六条 - 第二十五条 ) 第三節監督 ( 第二十六条 - 第二十八条 ) 第三章特定信書

社長必見≪ここがポイント≫マイナンバーガイドライン(事業者編)

一目でわかる「電気通信事業における個人情報保護指針」ハンドブック

個人情報保護法への対応規定の様式例

privacypolicy

第 4 条 ( 取得に関する規律 ) 本会が個人情報を取得するときには その利用目的を具体的に特定して明示し 適法かつ適正な方法で行うものとする ただし 人の生命 身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合には 利用目的を具体的に特定して明示することなく 個人情報を取得できるものとする 2 本会

< F2D8EE888F882AB C8CC2906C>

個人情報保護規程 株式会社守破離 代表取締役佐藤治郎 目次 第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章個人情報の利用目的の特定等 ( 第 4 条 - 第 6 条 ) 第 3 章個人情報の取得の制限等 ( 第 7 条 - 第 8 条 ) 第 4 章個人データの安全管理 ( 第 9

08_個人住民税賦課関連事務_H3006_xlsx

( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

個人情報保護規程

第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本規程は 株式会社スマートバリュー ( 以下 当社 という ) が個人情報保護方針に基づく個人情報の取扱いの基本事項を定めたもので 個人情報の保護と適正な利用を図ることを目的とする ( 定義 ) 第 2 条本規程における用語の定義は 次の各号に定めるところによ

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

1. 特定個人情報ファイルを取り扱う事務 1 事務の名称 2 事務の概要 3 システムの名称 2. 特定個人情報ファイル名 介護保険に関する事務 介護保険法の規定に基づき 介護保険の被保険者資格管理 保険料賦課管理 収納管理 滞納管理 受給管理 介護給付等の管理を行う 地域支援事業関係業務 ( 介護

一般社団法人北海道町内会連合会定款変更(案)

東レ福祉会規程・規則要領集

劇場演出空間技術協会 個人情報保護規程

議題 1. 個人情報保護委員会とは 2. 個人情報保護法の改正について 1

社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - guideline02

拍, 血圧等 ) を, ユーザー本人または当社の提携先からと提携先などとの間でなされたユーザーの個人情報を含む取引記録や, 決済に関する情報を当社の提携先 ( 情報提供元, 広告主, 広告配信先などを含みます 以下, 提携先 といいます ) などから収集することがあります 4. 当社は, ユーザーが

特定個人情報保護評価書 ( 基礎項目評価書 ) 評価書番号評価書名 4 個人住民税賦課事務基礎項目評価書 個人のプライバシー等の権利利益の保護の宣言 三条市は 個人住民税賦課事務における特定個人情報ファイルの取扱いにあたり 特定個人情報ファイルの取扱いが個人のプライバシー等の権利利益に影響を及ぼしか

このガイドラインは 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する留意事項 ( 制定 発出時点において最適と考えられる法令解釈 運用等 ) を示したものである 第一章 総則 1-1 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令 ( 平成 19 年

Microsoft Word - 個人情報保護規程 docx

第 4 条センターは 個人情報保護方針 ( プライバシーポリシー ) を定め これを実施する 2 センターは 個人情報保護方針を 文書等で従業者に周知徹底させるとともに センターのホームページ上に公表する ( 規程の改定 ) 第 5 条センターは 個人情報保護法の運用 監督官庁のガイドライン等の変更

特定個人情報保護評価書 ( 基礎項目評価書 ) 評価書番号評価書名 23 国民年金関係事務基礎項目評価書 個人のプライバシー等の権利利益の保護の宣言 甲府市は 国民年金関係事務における特定個人情報ファイルの取扱いにあたり 特定個人情報ファイルの取扱いが個人のプライバシー等の権利利益に影響を及ぼしかね

個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

個人情報保護方針

<433A5C C6B617A B615C B746F705C8E648E965C8D7390AD8F918E6D82CC8BB38DDE5C CC2906C8FEE95F195DB8CEC964082CC92808FF089F090E E291E88F575C95BD90AC E937894C55C D837A A CC2906C8FEE9

<4D F736F F D208CC2906C8FEE95F182C98AD682B782E98AEE967B95FB906A93992E646F63>

学校法人金沢工業大学個人情報の保護に関する規則

14個人情報の取扱いに関する規程

氏名等の特定の個人を識別することができる情報は記載しないこと 4. 発生年月発生年月についてな場合は と記載すること 5. 発覚年月漏えい事案等の事故が発覚した年月を記載すること 6. 漏えい等した情報の内容漏えいした情報の種類 内容及びその数 ( 機微 ( センシティブ ) 情報を含む場合は その

はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)

❶ 法律の義務づけなどの対象となる電子メール 広告宣伝のために送信される電子メール ( 広告宣伝メール ) が対象となります 広告宣伝メール全般について オプトイン方式や 特定の事項の表示が義務づけられています 携帯して使用する通信端末機器 ( 携帯電話 スマートフォン タブレット端末など ) 同士

個人情報保護規程例 本文


JIPDEC主催第46回電子情報利活用セミナー講演録(要旨)

特定個人情報等取扱規程 ( 目的 ) 第 1 条本規程は 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 ( 以下 番号法 という ) 及び 特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン ( 事業者編 ) に基づき 会社の取り扱う特定個人情報等の適正な取扱いを確保することを目的

【別紙】リーフレット①

目次 はじめに 1. 通信に関する適切な立法権限の行使の必要性 2. グローバル プラットフォームの影響力拡大と空間のシームレス化 3. 個人の自律とプライバシー 4. 表現の自由 5 規制のあり方に関する諸問題 2

Ⅰ 個人情報等保護方針 一般財団法人医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団は 下記の方針に基づき個人情報及び特 定個人情報等の保護に努めます 1. 法令 ガイドライン等の遵守 当財団は 個人情報及び特定個人情報等の適正な取扱いを確保するため 個人情報の保護に関す る法律 行政手続における特定の個

本人に対して自身の個人情報が取得されていることを認識させるために 防犯カメラを設置し 撮影した顔画像やそこから得られた顔認証データを防犯目的で利用する際に講じることが望ましい措置の内容を明確化するため 更新しました ( 個人情報 ) Q 防犯目的のために 万引き 窃盗等の犯罪行為や迷惑行

特定個人情報の取扱いの対応について

特定個人情報の取扱いの対応について

個人情報保護宣言

制定 : 平成 24 年 5 月 30 日平成 23 年度第 4 回理事会決議施行 : 平成 24 年 6 月 1 日 個人情報管理規程 ( 定款第 65 条第 2 項 ) 制定平成 24 年 5 月 30 日 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 定款第 66 条第 2 項の規定に基づき 公益社団法

04_固定資産税に関する事務 基礎項目評価書+(平成31年1月版)

<4D F736F F D208CC2906C8FEE95F18EE688B58B4B92F62E646F63>

特定個人情報保護評価書 ( 基礎項目評価書 ) 評価書番号評価書名 2 恩給等受給者の源泉徴収票等作成事務 個人のプライバシー等の権利利益の保護の宣言 恩給等受給者の源泉徴収票等作成事務における特定個人情報ファイルの取扱いに当たり 同ファイルの取扱いが個人のプライバシー等の権利利益に影響を及ぼすもの

個人データの安全管理に係る基本方針

役職員等 とは, この法人に所属するすべての理事, 監事及び組織内にあって直接又は間接にこの法人の指揮監督を受けてこの法人の業務に従事している者をいい, 雇用関係にある従業者のみならず, この法人との間に雇用関係のない者 ( 派遣社員等 ) も含む. (10) 個人情報管理責任者 個人情報管理責任者

第 2 章 個人情報の取得 ( 個人情報の取得の原則 ) 第 4 条個人情報の取得は コンソーシアムが行う事業の範囲内で 利用目的を明確に定め その目的の達成のために必要な範囲においてのみ行う 2 個人情報の取得は 適法かつ公正な方法により行う ( 特定の個人情報の取得の禁止 ) 第 5 条本条各号

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

日商PC検定用マイナンバー_参考資料

PTA実態調査

事務ガイドライン ( 第三分冊 )13 指定信用情報機関関係新旧対照表 Ⅰ-2 業務の適切性 現行改正後 ( 案 ) Ⅰ-2 業務の適切性 Ⅰ-2-4 信用情報提供等業務の委託業務の効率化の観点から 内閣総理大臣 ( 金融庁長官 ) の承認を受けて信用情報提供等業務の一部を委託することが可能とされて

特定個人情報保護評価書 ( 基礎項目評価書 ) 評価書番号評価書名 27 子ども医療費の助成に関する事務 個人のプライバシー等の権利利益の保護の宣言 奈良市は 子ども医療費の助成に関する事務における特定個人情報ファイルを取り扱うに当たり 特定個人情報の取扱いが個人のプライバシー等の権利利益に影響を及

日商協規程集

個人情報によって識別される特定の個人をいう ( 基本理念 ) 第 3 条個人情報は 個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきものであることにかんがみ その適正な取扱いを図るものとする 第 2 章個人情報 ( 利用目的の特定 ) 第 4 条個人情報を取り扱うに当たっては 定款の定める業務を遂行

7 固定資産税に関する事務 基礎項目評価書

Microsoft Word - TechStarsプライバシーポリシー.docx

法律第三十三号(平二一・五・一)

特定個人情報保護評価指針の概要

<4D F736F F D B838B835A E815B8BC696B182C982A882AF82E98CC2906C8FEE95F195DB8CEC834B E646F63>

イ -3 ( 法令等へ抵触するおそれが高い分野の法令遵守 ) サービスの態様に応じて 抵触のおそれが高い法令 ( 業法 税法 著作権法等 ) を特に明示して遵守させること イ -4 ( 公序良俗違反行為の禁止 ) 公序良俗に反する行為を禁止すること イ利用規約等 利用規約 / 契約書 イ -5 (

特定個人情報保護評価書 ( 基礎項目評価書 ) 評価書番号評価書名 9 国民年金に関する事務基礎項目評価書 個人のプライバシー等の権利利益の保護の宣言 羽島市は 国民年金に関する事務における特定個人情報ファイルの取扱いにあたり 特定個人情報ファイルの取扱いが個人のプライバシー等の権利利益に影響を及ぼ

PowerPoint Presentation

報主体の権利利益及びプライバシーの侵害の防止に関し 必要な措置を講じるよう勤める 2 本センターの職員等は 業務上知り得た個人情報を漏えいし または不当な目的に使用してはならない 第 2 章 管理体制及び責任 ( 管理体制 ) 第 6 条本センターは 個人情報の適切な管理を効果的に実施するため 役割

弁理士試験短答 逐条読込 演習講座 ( 読込編 ) 平成 29 年 6 月第 1 回 目次 平成 29 年度短答本試験問題 関連条文 論文対策 出題傾向分析 特実法 編集後記 受講生のみなさん こんにちは 弁理士の桐生です 6 月となりましたね 平成 29 年度の短答試験は先月終了しました 気持ちも

H 刑事施設が受刑者の弁護士との信書について検査したことにつき勧告

1 ガイドライン策定の目的防犯カメラについては テレビや新聞で報道されているように 犯罪の解決や犯罪の抑止につながることなど その効果は社会的に認められており さまざまな施設に防犯カメラが設置されております しかし その効果が認知される一方で 防犯カメラにより個人のプライバシーなどの人権が侵害される

プライバシーポリシー

個人情報保護方針の例

特定個人情報取扱規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人埼玉県社会福祉協議会 ( 以下 本会 という ) は 個人 番号及び特定個人情報を適正に取り扱うことを目的として 本規程を定める ( 用語の定義 ) 第 2 条本規程における用語の定義は 次の各号に定めるところによる (1) 番号法行政手続に

総論 Q1 民間事業者はどのような場面でマイナンバーを扱うのですか A1 民間事業者でも 従業員やその扶養家族のマイナンバーを取得し 給与所得の源泉徴収や社会保険の被保険者資格取得届などに記載し 行政機関などに提出する必要があります 原稿料の支払調書などの税の手続では原稿料を支払う相手などのマイナン

4. 上記の利用目的以外に お客様の個人情報を利用する必要が生じた場合には 下記 3.[2]~[6] に該当す る場合を除き 事前にお客様に利用者及び利用目的を連絡し お客様から事前の同意を得た上で 利用し ます 3. 個人情報の提供先提供先の範囲お客様の個人情報は 次のいずれかに該当する場合を除き

Microsoft Word - 個人情報管理規程(案)_(株)ふるさと創生研究開発機構(2016年1月27日施行).doc

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

個人情報保護規程例 本文

Microsoft Word - 2 個人情報保護規程

改正個人情報保護法全面施行に向けた実務対応概説

指針に関する Q&A 1 指針の内容について 2 その他 1( 特許を受ける権利の帰属について ) 3 その他 2( 相当の利益を受ける権利について ) <1 指針の内容について> ( 主体 ) Q1 公的研究機関や病院については 指針のどの項目を参照すればよいですか A1 公的研究機関や病院に限ら

公益財団法人岩手県南技術研究センター特定個人情報取扱規程 平成 28 年 4 月 1 日制定 規程第 14 号 第 1 章目的等 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 公益財団法人岩手県南技術研究センター ( 以下 センター という ) が 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関す

<4D F736F F D E518D6C C A95CA93595F8CC2906C8FEE95F182CC8EE688B595FB906A816982D082C88C60816A2E646F6378>

特定個人情報保護評価書 ( 基礎項目評価書 ) 評価書番号評価書名 2 個人住民税関係事務基礎項目評価書 個人のプライバシー等の権利利益の保護の宣言 高島市は 個人住民税関係事務における特定個人情報ファイルの取扱いにあたり 特定個人情報ファイルの取扱いが個人のプライバシー等の権利利益に影響を及ぼしか

Transcription:

資料 7 個人情報と 信書の秘密 の 保護について

信書の秘密 の保護 1 憲法上保障された権利 表現の自由の確保及びプライバシー保護の観点から 基本的人権として 検閲の禁止 と併せて 通信の秘密 の 保護を明記 憲法第 21 条第 2 項 検閲は これをしてはならない 通信の秘密は これを侵してはならない 2 信書便法における担保措置 憲法上の要請を受け 信書便法においても 検閲の禁止 と併せて 信書の秘密 の保護を規定 検閲の禁止 ( 第 4 条 ) 一般信書便事業者又は特定信書便事業者の取扱中に係る信書便物の検閲は してはならない 秘密の保護 ( 第 5 条 ) 1 一般信書便事業者又は特定信書便事業者の取扱中に係る信書の秘密 ( ) は 侵してはならない 2 信書便の業務に従事する者は 在職中信書便物に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない その職を退いた後においても 同様とする 信書 とは 封書のほか 開封の書状 はがきも含む 信書の秘密 とは 信書の内容のみならず 差出人及び受取人の氏名 住所等 信書に関する一切の事項を含む ( 参考 ) 大阪高判昭和 41.2.26 郵便法上の信書の秘密は この憲法の目的に適うように解釈しなければならない 同法上の< 信書 >には封緘した書状のほか開封の書状 葉書も含まれ 秘密には これらの信書の内容のほか その発信人や宛先の住所 氏名等も含まれる 信書の秘密 を侵した場合等について罰則を規定し 厳格に保護 信書の秘密を侵す罪 ( 第 44 条 ) 一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金 ( 信書便業務に従事する者の場合は罰則を加重 ) 信書便物を開く等の罪 ( 第 43 条 ) 三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金 併せて 事業計画の許可 信書便管理規程の認可の手続を通じて 信書の秘密 の保護を担保 1

3 他事業分野との比較 郵便事業 信書便事業 ( 参考 ) 電気通信事業 憲法上の要請検閲の禁止 通信の秘密 の保護 ( 憲法第 21 条第 2 項 ) 検閲の禁止 郵便物の検閲を禁止 ( 郵便法第 8 条 ) 信書便物の検閲を禁止 ( 信書便法第 4 条 ) 通信の検閲を禁止 ( 電気通信事業法第 3 条 ) 信書の秘密 を保護 ( 同法第 9 条第 1 項 ) 信書の秘密 を保護 ( 同法第 5 条第 1 項 ) 通信の秘密 を保護 ( 同法第 4 条第 1 項 ) 秘密 の保護 郵便の業務に従事する者が郵便物に関して知り得た他人の秘密を漏えいすることを禁止 ( 同法第 9 条第 2 項 ) 信書便の業務に従事する者が信書便物に関して知り得た他人の秘密を漏えいすることを禁止 ( 同法第 5 条第 2 項 ) 電気通信事業に従事する者が通信に関して知り得た他人の秘密を漏えいすることを禁止 ( 同法第 4 条第 2 項 ) 秘密 の内容 信書 : 封書のほか開封の書状 葉書も含む 信書の秘密 : 信書の内容のみならず 差出人 受取人の氏名 住所又は居所等 信書に関する一切の事項を含む 郵便物( 信書便物 ) に関して知り得た他人の秘密 : 信書の内容のみならず 差出人 受取人の氏名 住所又は居所 取扱年月日 差出個数その他通信そのものの構成要素を成す一切の事項 ( これらの事項を知ることにより通信の意味内容が推知され得るため ) 通信の秘密 : 通信の内容のみならず 通信当事者の住所 氏名 発受信地 通信年月日等通信の構成要素や通信回数等の通信の存在の事実の有無を含む 通信に関して知り得た他人の秘密 : 通信の秘密 のほか 通信当事者の人相 言葉の訛やプッシュホンに記憶された相手番号等 直接の通信の構成要素とは言えないが それを推知させるもの 罰則 信書の秘密を侵す罪 ( 同法第 80 条 ) 一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金 郵便業務に従事する者には罰則が加重 郵便物を開く等の罪 ( 同法第 77 条 ) 三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金 信書の秘密を侵す罪 ( 同法第 44 条 ) 一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金 信書便業務に従事する者には罰則が加重 信書便物を開く等の罪 ( 同法第 43 条 ) 三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金 通信の秘密を侵す罪 ( 同法第 179 条 ) 二年以下の懲役又は百万円以下の罰金 電気通信事業に従事する者には罰則が加重 保護に対する主な制約 郵便物 信書便物又は電信に関する書類は法定の手続によってのみ差押が可能 ( 刑事訴訟法第 100 条 第 222 条 ) 受刑者の信書の発受に関する禁止 制限 電話等による通信の確認 ( 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律第 93 条 ~ 第 102 条 ) 破産管財人による郵便物 信書便物の開披 ( 破産法第 82 条 ) 2

4 個人情報の保護と 信書の秘密 の保護 保護対象 信書便事業における主な該当情報 義務付けの対象事業者 主な義務 主務大臣による措置 罰則 個人情報の保護 個人情報 生存する個人に関する情報であって 当該情報に含まれる氏名 生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの ( 他の情報と容易に照合することができ それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む ) 個人に関わる 信書の秘密 に該当する情報のほか 個々の信書の送達に関わらない個人情報例 ) 個々の信書の送達とは無関係な契約者情報料金の支払状況 個人情報取扱事業者 (5,000 件を超える個人データを取り扱う事業者 ) 個人情報 : 利用目的の特定 通知 適正な取得等 個人データ : 安全管理措置 従業者 委託先の監督 第三者提供の制限等 保有個人データ : 開示 訂正 利用の停止等 是正のための助言 勧告 命令等 是正のための命令に反した場合に処罰 六ヶ月以下の懲役又は三十万円以下の罰金 信書の秘密 の保護 信書の秘密 信書の内容のみならず 信書に関する一切の事項 個人のみならず 法人その他の団体の情報も含む 差出人 受取人の氏名 住所 差出年月日等 限定なし ( すべての信書便事業者 ) 秘密 を侵してはならない 事業改善命令 許可の取消等 処罰 ( 未遂も処罰対象 ) 一年以下の懲役又は五十万円の罰金 信書便業務に従事する者の場合は二年以下の懲役又は百万円以下の罰金 3

個人情報保護の対象通信の秘密 信の秘密の保護の対象個人情報保護と 通信の秘密 の保護との関係 ~ 電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン より ~ 概念の整理 法人等情報 個人情報 個々の通信とは無関係の契約者の住所 氏名 通 信 の 内 容 着 信 番 号 通 信 年 月 日等 料金支払方法料金滞納額等通( 出典 ) 総務省 電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン ( 平 16.8.31 総務省告示第 695 号 ) 解説 より抜粋 同ガイドラインには 個人情報保護法の規定する個人情報取扱事業者に対する義務規定が全て盛り込まれている 事業者がガイドラインに従って適正に取り扱っておらず 利用者の利益を阻害している場合には 総務大臣が電気通信事業法に基づく業務改善命令を行うことが可能 個人に関わる 通信の秘密 は当該通信当事者の個人情報に包摂されることから かかる個人情報の取扱いについて規定 一般原則 ( 第 3 条 ) 利用目的による制限( 第 6 条 ) 第三者提供の制限( 第 15 条 ) 代理人による個人情報の開示の求め( 第 19 条 ) 加えて 通信の秘密 については 漏えい等に対する罰則 事業者に対する業務改善命令等の厳格な規定を電気通信事業法に規定 4

信書便事業における検討の視点 ~ 個人情報の保護と 信書の秘密 の関係 ~ 検討の視点 個人情報の保護と 信書の秘密 の保護の関係について 電気通信事業分野とパラレルに考えてよいか 信書便事業における 信書の秘密 も電気通信事業における 通信の秘密 のいずれも 憲法上の基本的人権である 通信の秘密 に基づいて規定 また 秘密 の内容も類似 個人情報のうち 信書の秘密 に係るものは信書便法に基づく秘密の保護が求められることから ガイドラインにおいて その取扱いに関する ( 確認的な ) 規定を設ける必要があるか その場合 どのような事項について規定すべきか 電気通信事業のガイドラインでは 利用目的による制限 第三者提供の制限 代理人による個人情報の開示の求めにつき 当該個人情報が 通信の秘密 にも該当する場合の取扱いについて規定 秘密の保護に配慮した取扱方法の一つとして顧客情報の取扱いについて規定する 信書便管理規程 の規定とガイドラインの規定の整合性についてどのように考えるべきか 信書便管理規程の対象である 顧客情報 は 個人情報のみならず 法人その他の団体の情報も対象 顧客情報の収集 ( 利用目的の特定 適正な取得 ) 顧客情報の利用 提供の範囲の制限 顧客情報の管理等を規定 これらの規定の中には 個人情報の保護に関する措置と同様のものがある 5