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Stewardship2017

預金を確保しつつ 資金調達手段も確保する 収益性を示す指標として 営業利益率を採用し 営業利益率の目安となる数値を公表する 株主の皆様への還元については 持続的な成長による配当可能利益の増加により株主還元を増大することを基本とする 具体的な株主還元方針は 持続的な成長と企業価値向上を実現するための投

Ⅰ. 株主総会における議決権行使結果 (2015 年度 ) 当社は投資先企業の持続的成長をサポートし 中長期的な投資リターンの拡大を図ることを目的として 議決権行使基準を定めており 当該基準に則り 議決権行使を実施しています 2015 年度に株主総会が開催された国内上場企業のうち 当社の議決権行使の

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議決権行使に係る事務取扱手続

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ための手段を 指名 報酬委員会の設置に限定する必要はない 仮に 現状では 独立社外取締役の適切な関与 助言 が得られてないという指摘があるのならば まず 委員会を設置していない会社において 独立社外取締役の適切な関与 助言 が十分得られていないのか 事実を検証すべきである (2) また 東証一部上場

1 制定の目的 方針 当社におけるコーポレートガバナンスを向上させるための枠組みである パーク 24 コーポレートガバナンスガイドライン を制定し コーポレートガバナンスの強化 充実に努めることで 当社の中長期的な価値向上と持続的成長を実現する コーポレートガバナンスに対する基本的な考え方公正で透明

2 名以上の独立社外取締役の選任状況 2 名以上の独立社外取締役を選任する上場会社の比率は 市場第一部では 9 割を超え 91.3% に JPX 日経 400では 97.7% に 2 名以上の独立社外取締役を選任する上場会社 ( 市場第一部 ) の比率推移 ( 参考 ) 100% 88.0% 91.

2 政策保有株式に係る議決権行使の基準政策保有株式の議決権行使に当たっては 投資先企業の中長期的な企業価値向上が株主利益への向上にも繋がるものであることを前提とし 株主への還元方針 コーポレートガバナンスや企業の社会的責任への取組み等総合的観点から議決権を行使する (4) 買収防衛策は 経営陣 取締

また 代表取締役社長直属の内部監査部門を設置し 法令遵守 内部統制の有効性と効率性 財務内容の適正開示 リスクマネジメントの検証等について 各部門 工場 グループ会社などの監査を定期的に実施し チェック 指導するとともに 監査役との情報共有等の連携を図っております 1-4( 中長期的な経営戦略等 )

ガイドライン

【PDF】コーポレートガバナンス・ガイドライン

2019 年 6 月 26 日 各 位 会社名 代表者名 問合せ先 株式会社スターフライヤー代表取締役社長執行役員松石禎己 ( コード番号 :9206 東証第二部 ) 取締役常務執行役員柴田隆 (TEL ) コーポレートガバナンス方針 の改定について 当社は 2019 年 6

コーポレート ガバナンスに関する報告書の主な開示項目 コーポレート ガバナンスに関する報告書 記載項目 ( 内訳 ) 記載上の注意 基本的な考え方 ( 記載例 : コーポレート ガバナンスについての取組みに関する基本的な方針 目的 ) Ⅰ コーポレート ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

第 Ⅰ 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本ガイドラインは 群栄化学工業株式会社 ( 以下 当社 という ) が 次に定める 社是 理念 実現のため ステークホルダーと協働して企業価値を向上させ 持続的に発展できるよう より良い経営を実現することを目的とする 2. 当社は GCIグループ基本理念 を制

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東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び委員会の設置状況 2017 年 7 月 26 日株式会社東京証券取引所

定いたします なお 配当の回数は原則として中間配当と期末配当の年 2 回といたします 3 自己株式 当社は 経営環境の変化に機動的に対応し 株主価値の向上に資する財務政策等の経営の諸施策を実行することを可能とするため 市場環境や資本効率等を勘案しながら適宜自己株式を取得いたします (3) 政策保有株

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業活動を行う上で関わる顧客をはじめとするすべてのステークホルダーとの良好なネットワークおよび関係を構築 維持することが大切であると考えます そのために 以下のコーポレートガバナンス コードにおける基本的な考え方に則って コーポレート ガバナンスの充実に取り組みます (1) 株主の権利を尊重し 平等性

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IR 活動の実施状況 IR 活動を実施している企業は 96.6% 全回答企業 1,029 社のうち IR 活動を 実施している と回答した企業は 994 社 ( 全体の 96.6%) であり 4 年連続で実施比率は 95% を超えた IR 活動の体制 IR 専任者がいる企業は約 76% 専任者数は平

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コーポレートガバナンス・ガイドライン

規則フォーマット


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コーポレートガバナンス コードについて 本コードにおいて コーポレートガバナンス とは 会社が 株主をはじめ顧客 従業員 地域社会等の立場を踏まえた上で 透明 公正かつ迅速 果断な意思決定を行うための仕組みを意味する 本コードは 実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則を取りまとめたも

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企業アンケート ( 東証一部 二部の 941 社が回答 ) の結果等のポイント 指名委員会を設置済み 又は設置を検討中 検討予定の企業 : 55% 報酬委員会 : 5 3 ページ参照 社長 CEOの選定 解職の決定に関して監督を行なうことについて 社外取締役が役割を果たしている と回答 した企業 委

CSR(企業の社会的責任)に関するアンケート調査結果《概要版》

開示府令改正案(役員報酬の開示拡充へ)

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(3) 当社グループの基本的な理念 当社グループは 以下の基本的な理念のもと 持続的な成長と企業価値の継続的な向上の実現を目的としてグループ全体でビジネスを実践し 株主を始めとしたさまざまなステークホルダーからの信頼に応え 生活者の豊かな未来の創造 経済の伸長 社会の発展に貢献していきます グループ

止するとともに 取締役等に付与済みのストックオプションとしての新株予約権で未行使の ものにつきましては 本制度に基づく応分のポイントを付与することを条件として 当 該取締役等において権利放棄することといたします 2. 本制度の概要 (1) 本制度の概要本制度は 当行が拠出する金銭を原資として当行株式

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2. 本制度の仕組み 株式市場 残余財産の給付残余株式の無償譲渡 消却94 当社株式 4 代金の支払 1 本株主総会決議 54配代当金の支6 委託者 議決権不行使の指図8当社 受託者( 共同受託 ) ( 予定 ) 三菱 UFJ 信託銀行 日本マスタートラスト信託銀行 BIP 信託 当社株式 金銭 4

第 分科会 / 分科会 B 改正会社法等への対応状況と今後の課題 ディスカッションポイント ( 例 ) 参考資料 関西支部監査役スタッフ研究会報告書 改正会社法及びコーポレートガバナンス コードへの対応状況と監査役 監査役スタッフの役割と今後の課題. 監査役会の運営 改正会社法等により監査役会の開催

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< 本制度の仕組みの概要 > 5 ポイント付与 委託者 当社 3 自己株式の処分 1 役員株式交付規程の 制定 2 信託 < 他益信託 > を設定 ( 金銭を信託 ) 3 払込 受託者 ( 予定 ) 三井住友信託銀行 ( 再信託受託者 : 日本トラスティ サービス信託銀行 当社株式 株式交付信託 信

後の対応に反映させるべく取り組んでおります 補充原則 1-12 上場会社は 総会決議事項の一部を取締役会に委任するよう株主総会に提案するに当たっては 自らの取締役会においてコーポレートガバナンスに関する役割 責務を十分に果たし得るような体制が整っているか否かを考慮すべきである 他方で 上場会社におい

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はじめに 当社の 議決権行使精査要領 は 中長期的な企業価値向上や 株主への利益還元姿勢 コーポレートガバナンス等の観点から 客観基準に基づくスクリーニングにより 論点のある議案を効率的かつ包括的に抽出することを目的に 1998 年度に策定したものです 策定以降 日本企業の置かれた状況や法令等の改正

「コーポレートガバナンス・コードに関する当社の取り組み」一部改定に関するお知らせ

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「コーポレートガバナンス・コードに関する当社の取り組み」一部改定に関するお知らせ

(6) 経営会議規程 (7) 取締役会議長 CEO COO および CFO 職務分掌規程 ( その他取締役または執行役の職務または権限を定める規程 ) (8) 取締役 執行役等の定年 任期 処遇等の基準 準則等について当会社としての内規を定める場合は 当該内規 (9) 取締役 執行役等のトレーニング

2015 年度 ~2017 年度中期経営経営計画 14 中計 1. 当社が目指すもの企業理念と Vision E 2.11 中計 中計 (2nd STAGE / 2012~ 年度 ) の成果 - Vision E における 11 中計の位置づけと成果 - 1

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第 3 条 ( 株主総会 ) 1. 当社は 株主総会開催日の適切な設定を含め 株主が適切に権利行使できる環境を整備する 2. 当社は 株主が適切に議決権を行使することができるよう 株主総会の招集通知を遅くとも株主総会開催日の 3 週間前までに発送するとともに 発送に先立って当社ホームページに招集通知

別紙 前澤化成工業株式会社 コーポレートガバナンス基本方針 ( 平成 27 年 11 月 11 日版 )

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平成 30 年 12 月 20 日 株式会社ディア ライフ コーポレートガバナンス コードに関する当社の取り組み 当社は 迅速 透明かつ健全な経営体制のもと 株主 顧客 取引先 従業員 社会等当社が関わるすべてのステークホルダーの利益を尊重し 良好な関係性を維持することが 当社グループの持続的成長と

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平成 30 年 6 月 29 日 各位 ラッキーバンク インベストメント株式会社 業務改善命令に対する再発防止策等について ラッキーバンク インベストメント株式会社 ( 以下 弊社 といいます ) は 平成 30 年 3 月 2 日 関東財務局より 金融商品取引法第 38 条第 8 号 ( 平成 2

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< 目的 > 専ら被保険者の利益 にはそぐわない目的で運用が行われるとの懸念を払拭し 運用に対する国民の信頼を高める 運用の多様化 高度化が進む中で 適切にリスクを管理しつつ 機動的な対応を可能に GPIF ガバナンス強化のイメージ ( 案 ) < 方向性 > 1 独任制から合議制への転換基本ポート

直前事業年度における ( 連結 ) 売上高 100 億円未満 直前事業年度末における連結子会社数 10 社未満 4. 支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針 5. その他コーポレート ガバナンスに重要な影響を与えうる特別な事情

新株予約権発行に関する取締役会決議公告

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コーポレートガバナンスに関する基本方針 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本基本方針は 当社が その企業理念である THE INTAGE GROUP WAY のもと 遵法精神にのっとり健全な事業活動を進めることを通じて 当社の企業価値の向上を実現していくために 当社のコーポレートガバナンスに関

補充原則 1-21 上場会社は 株主総会において株主が適切な判断を行うことに資すると考えられる情報については 必要に応じ適確に提供すべきである 株主総会において株主の皆さまが適切な判断を行うことに資すると考えられる情報については 適時適切に提供してまいります また 株主間で情報格差が生じないよう十分

大和証券グループ中期経営計画 Passion for the Best 年 4 月 3 日 大和証券グループ本社

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8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

特に 独立社外取締役の割合を高めることを指向していること 独立社外取締役も指名 報酬委員会において重要な役割を果たすべきとしたこと 取締役会の多様性においてジェンダーや国際性について具体的に言及したことを支持する 対話ガイドラインは 投資家と企業の双方の期待を形成するために有益である 6 7 コード

取引にあたっては第三者の取引と同様に決定しております 原則 3-1 情報開示の充実 (1) 会社の目指すところ ( 経営理念等 ) や経営戦略 経営計画 < 経営理念 > 顧客満足を第一としたプロフェッショナル集団として 新たな価値創造を通じて社会に貢献します < 経営戦略 経営計画 > 経営計画の

4. 支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針 5. その他コーポレート ガバナンスに重要な影響を与えうる特別な事情その他のコーポレート ガバナンスに重要な影響を与えうる特別な事情はありません


第 1 章 第 1 条 シャルレコーポレートガバナンス基本方針総則 ( 基本方針 ) 原則 3-1-(ⅰ),3-1-(ⅱ) 当社は 基本理念 及び わたしたちの誓い に基づき お客様 従業員 株主等のステークホルダーの立場を踏まえて 持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し コーポレートガバナ

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別紙 東亞合成グループコーポレートガバナンス基本方針制定 2016 年 2 月 4 日改正 2017 年 3 月 30 日改正 2018 年 12 月 19 日 第 1 章総則 第 1 条 ( コーポレートガバナンスの基本的な考え方 ) 1 当社グループは 素材と機能の可能性を追求し 化学の力で新し

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スチュワードシップ活動の概況 私たちニッセイアセットマネジメントは 日本株運用において受益者の中長期的なリターン向上を目的とした調査 投資活動をプロセスの中核としています このプロセスにおいて重要となる実りある 企業との対話 適切な 議決権行使 を通じてスチュワードシップ責任を果たし 投資先企業の価値向上につなげることで受益者と投資先企業の共創が果たされるよう努めています このような取り組みの結果 国連責任投資原則 (PRI) の年次評価 1 において 総合評価である 戦略とガバナンス 項目で最高評価 A + を 2 年連続で獲得しています 加えて スチュワードシップ責任が重要となる株式運用において 上場株式 ( 直接運用 ) における ESG 統合 項目で A + を獲得しました 私たちが 2015 年度に実施した企業との対話 及び 2016 年 5 月 ~6 月に実施した株主総会での議決権行使の状況は以下の通りです (1) 企業との対話の概況 2015 年度は 決算発表や中期経営計画発表 その他のコーポレートアクションの機会を捉え 投資先企業や投資候補先企業と年間 1,563 件の個別対話の場を持つことができました 企業との対話の場面においては 中長期的な視点から意見交換を行い 認識の共有化に努めました 投資先企業と当社との考え方に相違がある場合 投資家としての意見を伝えて建設的な議論を行い 投資先企業の価値向上につながるよう努めました 特に 経営課題に関する事項については 企業経営の舵取りを担い企業価値に大きな影響を与えうる経営陣の方々と 2015 年度は 614 件の個別対話の場を持つことができました 尚 インサイダー情報については法令 社内規則等に則り 適切に管理しました 2015 年度 : 企業との対話件数 対話形態 件数 企業との個別対話 1,563 内 ) 経営陣との個別対話 614 内 )IR 担当者との個別対話 949 説明会等 1,740 合計 3,303 電話取材等は含まない 1 PRIの年次評価 とは PRIに署名する機関投資家を対象に PRI 事務局が責任投資の実施状況等について評価したものであり 評価結果は6 段階 (A+ A B C D E) で付与され A+ がグローバルの最高評価となっています 1

企業との対話の主な視点 私たちは企業価値を中長期の業績予想をもとに算出するため 企業との対話は以下の視点に基づいて行います また 投資先企業の持続的成長力を把握するための軸とした ESG 評価を運用プロセスに組み込むことにより 企業との対話をより深いものとしています これにより 中長期的な視点からの投資先企業との意見交換を行い 認識の共有化に努めています なお 私たちは投資先企業との対話において未公表の重要事実を受領することは企図しておらず 万一受領した場合には 当該企業の株式の売買を停止し インサイダー取引規制に抵触することを防止しています 事業戦略 経営理念 経営ビジョン 具体的な事業戦略が企業の中長期にわたる持続的な成長 企業価値の向上につながっているか 企業価値を向上させる事業ポートフォリオ運営になっているか等 財務戦略 資本政策 ( 負債 / 株主資本比率 ) が上記の事業戦略遂行にあたって適正なものとなっているか 長期的な観点で見た株主還元が適正に行われているか等 IR 戦略 投資家が適正に会社を評価するのに十分な情報開示が行われているか IR について企業の事業戦略や経営者のビジョンが投資家に十分伝わるものになっているか等 ガバナンス / リスク管理 取締役や監査役によるガバナンスが適正に機能する状況にあるか 社会 環境問題 反社会的行為を含む不祥事等のリスクに対する防止体制が十分か等 ESG の視点 環境課題への取り組みが企業価値向上につながっているか 長期的な企業価値創造に向けた株主以外のステークホルダーとの関係構築ができているか 企業価値を持続的に向上させるガバナンスの仕組み 体制を構築しているか等 2

企業との対話の具体例 当社では 企業との対話の成功事例や失敗事例などを組織内で共有化する等 運用担当者の対話スキル向上に努めています また グローバルなガバナンスや ESG CSR の動向についての深い見識を持つチーフ コーポレートガバナンス オフィサーが 投資先企業と対話を行う運用担当者に対してアドバイスを行うとともに 必要に応じて運用担当者と協働で企業との対話を行っています こうした取り組みにより 投資先企業とのより深い認識の共有化 対話効果の最大化を図っています 2015 年度に実施した企業との対話の具体例は以下のとおりですが 対話の成果があがるケースが増えてきています < 事業戦略 > 経営トップとの個別ミーティングで 経営理念と厳格な資本規律に基づいた中長期視点を重視する同社の経営方針を全面的に支持することをお伝えしました 一方 現状から一段と成長力を高めるには既存のビジネスモデルに捉われない新機軸の確立やこれを支える多様性が経営 ガバナンスに求められるのでは とお伝えしています 同社からは 私たちの提示した方向で 前向きに検討したい とのご回答を得ました 今後とも建設的な対話を続けて参ります 低収益部門と高収益部門の両方を抱える企業と長期間にわたり 対話を続けてきました その中で 私たちは投資規律の厳格化と事業ポートフォリオ高度化の必要性をお伝えしてきました 新しく発表された中期経営計画では 設備投資額の圧縮と成長分野への資本投下が示されており 対話の成果が出たものと認識しております 今後はその執行状況について対話を継続したく考えております 営業部門における従業員の離職率の高い企業で 離職率低下を推進する新社長と建設的な議論を続けています 私たちも この取り組みは持続的な組織拡大のためには必要不可欠なものであり また 同社の営業活動にもよい影響を与えるものと考え 支持することをお伝えしています 今後とも この取り組みを投資家として応援したく 考えております 研究開発型企業と研究開発の効率性を高める議論をしました この議論をより実のあるものとするため 研究所にも複数回訪問し 研究所の運営について私たちの知識を深めるとともに 議論を行いました 最近 同社では 経営陣に研究に関する知見がある方が入るなど 研究成果をより活かす態勢への変化が見られます 私たちの対話も貢献したものと考えております < 財務戦略 > 長らく対話を重ねてきた経営トップの方から新中期経営計画策定の過程で 株主還元方針に関し 投資家としての意見を求められました 私たちからは 今後の中長期的な事業環境を考えると 成長投資への機会は限られることから株主還元の積極化が望ましい とお答えしました 発表された新中計では株主還元拡大の方針が示されていました 今後とも信頼関係に基づいた対話を継続いたします 財務担当の役員の方と現金の保有の適正水準について議論しました 同社からは買収や設備投資を中心とした中長期的な戦略においては現金が必要との認識が示されました 今後とも 3

同社の中長期戦略の妥当性とともに財務戦略についても議論してまいります <IR 戦略 > 投資家からの評価向上のための情報発信の在り方についてご相談を受け 経営陣の方々と勉強会を開催しました 私たちからは 中長期的な企業価値向上に結び付く組織体制改革等についての市場からの理解を深めることが重要ではないか とお伝えしました その方策として 同じ業種に属する海外の先端的な事例を用い CSR 情報と財務情報を統合した統合報告書作成の利点をご説明しました 統合報告書はまだ発表されておりませんが 中期経営計画の投資家への説明内容にはアドバイスどおりの変化がみられました バランスシートの効率性改善に向け尽力されている企業に対しては その試みに対する市場の認知度を一段と向上させるため 投資家に対して ROE 等の資本効率性指標の目標設定と開示の重要性をお伝えしました その後 中期経営計画において ROE 目標が掲げられました 第三者割当増資をした企業と議論した際 その意図が経営者の保身ではなく 企業価値に貢献する前向きなものであるとの説明を受けました 私たちからは 投資家から誤解されないよう 提携効果を詳細に説明会等で開示する必要があるのではないか とお伝えしました 同社の投資家向けの説明会では提携のシナジー効果についての説明が行われており 対話の効果が出たものと認識しております 消費財関係企業とのミーティングにおいて 私たちは 投資家の視点として同社の環境への取り組みが ブランド そして 企業価値向上につながっているとの認識をお伝えしました 同社は私たちの意見を聞き 投資家を集めた現場見学会を行い 環境への取り組みについて説明しました 多くの投資家から新たな認識を得たとの好フィードバックを受けたと聞いております 同社に対する投資家の評価改善に貢献したものと考えています < ガバナンス / リスク管理 > 企業との個別ミーティングで 特定の社外取締役が複数の諮問委員会の委員長を兼務していることについての問題意識をお伝えしました 同社からは前向きに検討したいとの表明がありましたが その後 コーポレートガバナンス体制の変更が行われ 兼務数が減少しました 今後とも対話を継続したく考えております 買収防衛策の更新を検討されている企業に対しては 当該買収防衛策に対応するガバナンス体制の拡充や時限的措置が必要との投資家としての意見をお伝えしました このような対話の結果 複数の企業で買収防衛策が廃止されました 創業して企業を牽引してきた経営トップに対しては 事業運営についての手腕を高く評価する一方 同社にとっての後継者問題の重要性を指摘しました 同社からは持続的な成長維持に向けての経営者人材育成の重要性を認識 今後とも力をいれていくとのご回答をいただいております 後継者育成についての進捗状況を見守るとともに 対話を継続したい と考えています 4

対外発信活動の具体例 私たちの日本株運用は 企業との対話を重視し 中長期的な視点での企業価値の評価 投資判断を行う運用プロセスを採用しております 投資先 投資候補先企業が多数参加する講演会や会合等に積極的に参加し 私たちの運用哲学やプロセスをお伝えしました 私たちの考え方に対する企業側の理解を促進することで 実りある企業との対話が早期に実現できるよう努めています 過去 1 年の主な活動は以下のとおりです < 講演会 > 当社関係者がスピーカーとなった主なものは以下の通り 監査報告に対する投資家の視点 ( 主催 :IFIAR 監査監督機関国際フォーラム )(2015 年 4 月 ) ジャパンインベストメント コンフェランス ( 主催 :CFA 協会 )(2015 年 7 月 ) 日経 IR フェア ( アニュアルレポートについて ) ( 主催 : 日本経済新聞社 )(2015 年 8 月 ) 投資家にとっての監査の有効性について ( 主催 :ICGN 米ボストン )(2015 年 9 月 ) なでしこ銘柄説明会 ( 主催 : 経済産業省 東京証券取引所 )(2015 年 11 月 ) 日経アニュアルレポート審査講評 ( 主催 : 日本経済新聞社 )(2016 年 2 月 ) 機関投資家から見たコーポレートガバナンス ( 主催 : 京大経営管理大学院 )(2016 年 3 月 ) ダブルコード時代の攻めのガバナンス ( 主催 : 東大大学院 )(2016 年 3 月 ) 等 < 書籍 レポート > 当社関係者が執筆した主なものは以下の通り 機関投資家のコーポレートガバナンス コードに対する期待 ( 商事法務 2015 年 5 月 ) 企業報告の潮流と非財務情報の開示 ( 対談 ) ( 会計 監査ジャーナル 2015 年 5 月 ) < 企業表彰委員 > 以下の委員をつとめ 投資家との対話の改善に力を入れる企業を表彰する活動にも積極的に参画 IR 優良企業賞 ( 主催 : 日本 IR 協議会 ) 日経アニュアルリポートアウォード ( 主催 : 日本経済新聞社 ) なでしこ銘柄選定委員会 ( 経済産業省 ) < 大学等講義 > 資本市場の担い手として活躍できる人材育成に寄与することは 重要な社会貢献の一つと考え 2014 年度より横浜国立大学 一橋大学大学院に講座を開設しています 実務経験豊富な運用専門人材が講義を行い 資本市場の 理論と実務 の架け橋となるよう努めました 5

(2) 議決権行使の状況 私たちは議決権の行使を企業との対話のひとつの手段と位置づけ インデックス運用ファンド等で保有する少額保有銘柄も含めて責任ある議決権の行使を行い スチュワードシップ責任を果たすよう努めています 議決権の行使にあたっては 資産運用会社として受益者のみの利益 ( 投資先企業の株式価値の増大または毀損防止 ) を考慮しますが 執行部門から独立したコンプライアンス リスク管理統括部門も利益相反防止の観点から行使結果の確認を行います また 定型的 画一的なアプローチではなく 個別企業の企業価値向上を念頭に 実状に応じた個別議案の審査を行っています なお 日本株の議決権の行使判断については原則として外部には委託しません 議案別議決権行使状況 2016 年 5 月 ~6 月に開催された株主総会において 議決権行使指図を行った結果は以下のとおりです 1. 会社提出議案に対する賛成 反対 棄権 白紙委任の議案件数賛成 (A) 反対 (B) 棄権 (C) 白紙委任 (D) 合計 a. 剰余金処分案等 997 53 0 0 1050 b. 取締役選任 1140 506 0 0 1646 c. 監査役選任 927 264 0 0 1191 d. 定款一部変更 493 16 0 0 509 e. 退職慰労金支給 53 100 0 0 153 f. 役員報酬額改定 691 3 0 0 694 g. 新株予約権発行 90 24 0 0 114 h. 会計監査人選任 28 0 0 0 28 i. 組織再編関連 ( 1) 18 0 0 0 18 j. その他会社提案 ( 2) 115 98 0 0 213 合計 4552 1064 0 0 5616 ( 1) 合併 営業譲渡 譲受 株式交換 株式移転 会社分割等 ( 2) 自己株式取得 法定準備金減少 第三者割当増資 資本減少 株式併合 買収防衛策 ( 上記のa~iの議案を除く ) 等 2. 株主提出議案に対する賛成 反対 棄権 白紙委任の議案件数賛成 (A) 反対 (B) 棄権 (C) 白紙委任 (D) 合計 合計 2 118 0 0 120 6

3. 議決権行使結果の概況 コーポレートガバナンス コード策定から 2 回目の株主総会となりますが 社外取締役選任議案の増加 新しいガバナンス形態である 監査等委員会設置会社 導入に伴う定款変更議案の増加 中長期業績に連動する役員報酬体系導入に伴う役員報酬額改訂などが見られました 2016 年 5 月 ~6 月に株主総会が開催された企業のうち弊社が議決権行使の権利を有する会社数は 1,473 社あり その全ての上程議案を個別に審査して議決権行使指図を行いました 尚 ひとつひとつの議案を審査 判断しており 棄権 白紙委任は行わず 投資家としての責務を果たしております < 会社提出議案への対応 > 会社提出議案は親議案合計で 5,616 議案あり このうち反対行使した議案数は 1,064 議案でした 日本企業のガバナンスの改善の結果 昨年より反対行使議案数 ( 昨年 :1,178 議案 ) は減少しております なお 会社提出議案に対する議決権行使の主なケースは 以下の通りです 取締役選任議案については 社外取締役が設置されていない場合 及び 独立性に問題があると考えられる場合には ガバナンスが十分機能しない可能性があるとの判断の下 反対票を投じました 監査等委員会設置会社導入に伴う定款変更については 経営判断のスピード改善が図られると考えており 基本 賛成票を投じました 剰余金の処分案等については 長期持続的な株主価値向上の観点から 内部留保 将来の事業計画等とのバランスを考慮し 過大な内部留保 株主還元が過少な銘柄につき 反対票を投じました 監査役選任議案につきましては 監査役会設置会社において独立性に問題があると考えられる社外監査役候補者の選任は 企業価値の毀損防止や健全で持続的な企業経営確保のための適切な監視機能が十分に果たされないと考え 反対票を投じました 中長期業績へ連動する役員報酬体系導入に伴う役員報酬の改訂については 賛成しております 一方 役員退職慰労金議案 役員報酬額改定議案での監査役や社外取締役への退職慰労金支給やストックオプションの付与については 当該監査役や社外取締役が中立的立場で経営を監督する責任を果たすことが難しくなると考え 反対票を投じました その他会社提案につきましては 買収防衛策の導入 更新が多数を占めていますが 経営や資本効率の改善余地の大きい企業や買収防衛策が恣意的に発動される恐れがあるケースについて反対票を投じました 尚 その他会社提案のうち 買収防衛策議案数は 105 議案あり そのうち反対行使した議案数は 95 議案でした 7

< 株主提出議案への対応 > 株主提出議案は 120 議案ありましたが 余剰資金を過剰に保有し 株主還元姿勢に乏しい企業に対する株主提出の 2 議案に対し賛成行使しております 以上 8