ブロックチェーンの利点と不向きなこと : システム目線 ブロックチェーンの利点 ブロックチェーンに不向きなこと 1 分散台帳 処理により中央機関を必要としないことで 低コストにシステムが構築 運用できることが期待される 1 分散台帳をコンセンサスをとりながら更新していくため パフォーマンス ( 高 TPS 高レスポンス ) は出にくい 2 一部のノードが停止していても処理が継続できるため 1 台あたりは低コストで信頼性が低い基盤でも構築できる 2 複数の組織 会社で構成されず 1 組織だけで構成される場合 ( 通常のシステムで対応可能 ) 3 各ノード ( 各参加者 ) 間で同じビジネスロジック データが共有され 改ざんしにくい状態で取引記録が保持されるため 可監査性に優れている 11
ブロックチェーン適用が向いている業務エリア 複数の事業者間で情報を共有するニーズがあるか? ブロックチェーンは共有台帳 複数の事業者間で情報を共有することで 耐改ざん性を提供可能となる 共有された情報が 改ざんされていない ( 信頼できる ) ことを第三者に証明することに価値はあるか? ブロックチェーンは台帳 ( 元帳 ) であり そこに書かれた情報 ( デジタルデータ ) が信頼性を担保できるところに価値がある 取引のルールに一定の普遍性があるか? スマートコントラクトによる 事務効率化等を目指した場合 その処理ルールが頻繁に変更されない方が より効率化に寄与できる 12
ブロックチェーンの利点 : ビジネス目線 時間の短縮コスト削減リスク低減信頼を向上 数日かかっていた業務処理を一瞬で完了できる 処理の自動化や仲介機関の排除オーバーヘッド削減 改ざん 不正の防止 単一障害点の排除 プロセスと記録を共有することにより 信頼を向上し ビジネスの運営を円滑に 13
2 様々なブロックチェーン プラットフォーム 14 14
ブロックチェーン技術の位置付け パブリック コンソーシアム / プライベート 暗号通貨 仮想通貨 仮想通貨 ( ビジネス ユースケース ) コンソーシアム / 標準化団体 汎用的な利用 ビジネス向けブロックチェーン 特定企業による主導 15
エンタープライズ向けブロックチェーンにむけて IBM の取り組み :Hyperledger Project 2015 年 12 月にアナウンスメント IBM : 発足メンバー 44,000 行に及ぶコードを寄贈 技術ステアリング コミッティーの初代議長 オープンな開発 28 の組織から 159 名の開発者が貢献 IBM は Hyperledger Fabric プロジェクトへの初期コードの提供 知的資産の提供 および開発への参画で貢献 プレミア会員 一般会員 16 16
Hyperledger Fabric ビジネス向け企業利用に適し 先進的で多様な業界で利用できるブロックチェーン技術を確立するための共同の取り組み 2015 年 12 月に創設 現在 230 社を超えるメンバーで構成 (2018 年 6 月現在 ) 2018 年 3 月 V1.1 リリース ビジネス利用向けの特徴を持った汎用ブロックチェーン基盤 セキュリティ 性能 拡張性 スマートコントラクト オープンな開発 http://www.hyperledger.org オープンソース オープンな運営 17 17
Hyperledger Fabric の特徴 コイン 通貨を実装 カラード コインを用いた用途別の使い分け コイン 通貨に限定されない取引履歴の共有 1 取引履歴と資産の状態を台帳で共有 誰でも参加でき 全ての取引が公開される 2 2 許可制により匿名性や秘匿性を制御可能 マイニングによるインセンティブ ファイナリティーの欠如 処理能力の限界 用途に応じた合意形成モデルを選択可能 コイン 通貨の交換が処理の基本 1 スマート コントラクトによる取引に付随する処理の自動化 1 2 さまざまなユース ケースに対応 エンタープライズ向けにセキュティー 合意形成モデルを強化 18
ブロックチェーン フレームワークの比較 非許可制ブロックチェーン 許可制ブロックチェーン Bitcoin Ethereum Hyperledger Fabric R3 Corda Ripple 説明 決済用ブロックチェーン 汎用ブロックチェーン 汎用ブロックチェーン 金融業務に特化 決済用 ブロックチェーン ガバナンス Bitcoin 開発者 Ethereum 開発者 Linux Foundation R3 OSS 開発者 Ripple Labs OSS 開発者 通貨 BTC Ether なしなし XRP マイニングの報酬 ありありなしなしなし データ最新断面 なし ブロック内にステート保管 KVS またはドキュメント指向データベース なし (UTXO ベース ) あり ( ブロック内に持つ ) コンセンサス マイニング (PoW) マイニング (PoW) スケーラビリティのある 方式 当事者間での合意 Ripple プロトコル ネットワークパブリックパブリックプライベート ( 許可制 ) プライベート ( 許可制 ) プライベート ( 許可制 ) プライバシー参加者全員に公開参加者全員に公開限定された参加者に公開限定された参加者に公開参加者全員に公開 スマート コントラクト なし Solidity 複数のプログラミング言 語に対応 (GO/Java) (v1.1でjavascript) 複数のプログラミング言語に対応 (Kotlin, JAVA, JVM 対応言語 ) なし (KVS: Key Value Store, UTXO: unspent transaction output, PoW: Proof of Work) 9 19
3 ブロックチェーン適用事例 20 20
弊社ブロックチェーン プロジェクト事例 海外 600 件, 国内 50 件以上のプロジェクト実績に基づく経験 アセット 高品質な開発手法をご提供可能です 主な海外実績 ( 公開済のみ ) HSBC, Bank of America, IDA 貿易金融 - 信用状 ABN AMRO 経営再建 回復 Crédit Mutuel Arkéa 合弁共有台帳 Kouvola Innovation サプライ チェーン ロジ London Stock Exchange 市場革新 IBM Global Financing 争議解決のためのシャドー チェーン Everledger ダイアモンドの来歴 China UnionPay ロイヤルティー ポイント管理 CLS バイラテラル ネッティング UBS 貿易金融 Walmart サプライ チェーン Postal Savings Bank of China カストディ業務 Dubai Government Agencies 貿易金融と物流トラッキング Maersk クロスボーダー サプライチェーン AIG / Standard Chartered 多国間保険 Deutsche, HSBC, Rabobank, etc. デジタル トレード チェーン 日本取引所グループ (JPX) みずほフィナンシャルグループ 三菱東京 UFJ 銀行 SBI 証券 三井住友信託銀行 三井住友銀行 みずほフィナンシャルグループ 岩手銀行他 沖縄銀行 デジタル アドバタイジング コンソーシアム (DAC) イオンフィナンシャルサービス ソニー 国内実績 ( 公開済のみ 公開日順 ) ポスト トレード デジタル通貨 契約管理 債券取引 グローバル カストディ業務 貿易関連書類の電子化 貿易金融基盤 法人顧客との収納業務 食券販売 管理システム デジタル広告効果透明化 アジア圏金融プラットフォーム構築 グローバル教育情報の共有基盤構築 IBM は Blockchain テクノロジー リーダーにおける No.1 の評価を受けました (2 位 Microsoft 社, 3 位 Accenture 社 ) 2017/9/18 Juniper Research 社 IBM Ranked No1 Blockchain Technology Leader 21
共有リファレンスデータ ネットワーク上でリファレンスデータを共有する場合 その情報更新や配布は通常ファイルベースでのバッチ転送にて対応されています 更新までの時間を要すること また 参加者間での情報不一致になるケースもあります 現状業務 ネットワーク上の参加者は リファレンスデータ共有が必要 ( 例えば 銀行 支店コード ) 個々に関するデータを更新する場合 更新データを中央管理機関へ連携し 各参加者に配布してもらう必要がある 活用方法 ネットワーク参加者は個々に関するデータをブロックチェーン上の台帳を更新 ブロックチェーンは すべてのデータを単一ビューで提供 導入効果 統合され整合性が取れたデータにより エラー減少 準リアルタイムでのリファレンスデータ更新 22
国際貿易におけるブロックチェーンの活用 現在 紙 手作業の非効率 高コスト 脆弱 ブロックチェーン導入後 透明性 来歴管理 改竄不可能 コンセンサス ファイナリティー 規制当局 荷受人 船荷証券の空輸 Global Trade Digitization 輸出者銀行保険 貨物取扱 輸出者銀行銀行 貨物取扱 荷受人 港湾 税務 規制当国 実運送人 港湾 税務 規制当局 実輸送人 ペーパーレス化 トレード プロセスの可視化により国際貿易のコスト リードタイムを大幅に削減日本の国際競争力向上に寄与 23