Monthly Communication Magazine DOYU 2013 April 04 Vol.561 03 01 DOYU 08 11 12 14 15
Information DOYU 02
来賓福岡県知事小川洋氏オプショナルツアー 筑豊の炭鉱文化遺産 記憶めぐり 田川市石炭 歴史博物館および旧伊藤伝右衛門邸来賓経済産業省九州経済産業局局長廣實郁郎氏主催者あいさつ中小企業家同友会全国協議会会長鋤柄修氏 2 日間のまとめ中同協幹事長広浜泰久氏現地歓迎あいさつ福岡県中小企業家同友会中山英敬氏来賓福岡市副市長山崎一樹氏 03 DOYU 明太子は博多を代表する名産品の一つです 韓国 釜山で生まれ育った私の両親は 戦後博多へ引き揚げ ふくや を創業しました 明太子は両親が韓国で食べていた辛子のついたタラコの味を思い出しながら 日本人に合うように味付けしたのが始まりです 発売後も味の改良を重ね 製造特許等を一切取らずノウハウを公開したため のちに多くの明太子メーカーが誕生し 爆発的な成長を遂げました 会社の存続のためには利益を出すことも必要です そして中小企業は地域に寄り添うこと 地域貢献を考えていくことも大切です 私が会社を継承して 両親の精神を受け継ぎました 社員にやる気を出してもらうためには自ら学ぶ環境をつくることが大事だと考え 資格取得や地域活動参加を奨励しています そして 強い会社 良い会社 を目指し日々努力しております 特集第 43 回中小企業問題全国研究集会ダイジェスト中小企業が日本を変える! 1300 名の決意! 特集第43 回中小企業問題全国研究集会ダイジェスト中小企業が日本を変える!1300名の決意!2月14 日 15 日 全研 がヒルトン福岡シーホークで開催されました 全都道府県より1300名の会員が集まり熱い討議を重ねました 株式会社ふくや代表取締役社長川原正孝氏記念講演私の経営理念 人を活かす経営 2 日間のまとめ 徹底して人を生かす経営をしよう 誇りを持って経営しよう お互いを助け合うための会員増強をしよう 会員増強は人命救助である中同協幹事長広浜泰久氏
DOYU 04
特集第 43 回中小企業問題全国研究集会ダイジェスト中小企業が日本を変える! 1300 名の決意! 05 DOYU
分科会部会部会長向井徹氏全体会運営部会部会長淀川洋子氏参加促進 増強部会部会長笠置重子氏実行委員長樋口康治氏明石勝善氏(東支部)DOYU 06 懇親会の席で 実行委員長としてのごあいさつで壇上に上がった時 全都道府県から1300名の仲間が福岡の地に集結してくれたのを見て 感激してしまいしばし言葉が出ませんでした 実行委員会は1年以上掛けて取り組みました 各委員さんが自主的に提案していただき 責任を持って取り組んでいただいた結果 成功裏に終えることができました 改めて感謝申し上げます 参加された会員さんはぜひ学んだことを自社に持ち帰り実践されることを祈願いたします ほっとしました 分科会は一番の大所帯で 委員の方が本当によく動いていただきました 事前のグループ長研修にも多くの会員さんが集まっていただき感謝いたします 全てが終了し実行委員のみなさまに 中同協の広浜幹事長より福岡のお迎えの心の素晴らしさにお褒めの言葉をいただきました 無事終了し学んだことは ひとつになれる仲間がいるという素晴らしさ そして人事をつくすということです 前向きなエネルギーが集まるとその力は素晴らしいものです いろいろな場面を想定し対処法を考えておく そしてそれをチームで共有し しかもタスキリレーのように次の役割の方につなげていく それでも多少の事は起こるけれど後悔は少ない これからも役割をいただいたら自分自身を成長させる魔法の言葉 はい!喜んで を続けて行こうと改めて感じた二日間でした 参加促進活動は 短期間にも拘わらず1月末には福岡400名 他県900名を超える登録があり 全研 で学びたい 福岡に来たいと熱い思いが伝わり とても嬉しかったです 私は 何としても福岡での参加目標を達成したかったのですが 1月末で1300名を超える参加登録があった為 会場のスペースを考慮すると 更なる参加促進が出来なくなり会員の方には 全研 の浸透がいき届かなかった責任を感じています 今回 私が学んだ事はみんなの 心 知恵 力 を結集すれば 叶わぬ事はない絆の深さでした 無事に終わり 私を爽やかな心地良い疲労感が包んでくれました 第10 分科会 北海道産食材をいかしたオンリーワン戦略 二代目参加者の感想
茅嶋孝一郎氏(博多支部)北村陽一郎氏(東支部) 物産展福岡の名産をおみやげに 懇親会懇親を深める全国からの会員さんたち 懇親会お祝にご来場いただいた来賓の皆様 懇親会東日本大震災復興支援ソング スマイルアゲイン を歌う雙葉学園合唱部 07 DOYU 特集第 43 回中小企業問題全国研究集会ダイジェスト中小企業が日本を変える! 1300 名の決意! 経営者の決断 に参加しグループ長を担当しました 事前のグループ長研究会にも参加し テーブル発表をいかに良いものにするか ということを中心に段取りしました 討議の中で出てくるであろう意見を想定してみて 私の考えをまとめて分科会に臨みました そうすると報告の内容がスーッと自分自身に落ちてくるのを感じました さらにスムーズなグループ討議もでき本当にいい勉強になりました 私が参加した第2分科会では 高齢化と人口減少に悩む与謝野町で 粘り強い活動により 中小企業振興基本条例制定に至るまでの 京都丹後支部の7年間の取り組みの報告がありました この条例制定には 同友会だけでなく 商工会 自治体 農業者 金融機関も参加 地域振興策として 今後多くの施策を行うこととなります 私も地域への貢献ということを意識し 継続してできることに取り組んでいこうと思いました 分科会では岩手同友会の ゆい工房の川原社長の報告を聞きました 弊社は少人数の会社ではありますが やはり身の丈に合った経営理念の構築 そして社員一人ひとりが経営指針書を理解し実践していく事の重要性を感じました また エンドユーザーへのエネルギー供給会社として 記念講演で ふくや川原社長が実践されている地域貢献にも積極的に取り組みたいです 肩書きが通用しない地域活動の中で人間性を磨く 感性を磨く 自らが学ぶという人材育成の環境作りもトップとしての使命だと痛感しました
DOYU 08 筑豊の地で今回の取材は緑豊かな筑豊 嘉麻市の有田電器情報システム にお伺いしました 冒頭 有田栄公社長から業務内容についてご説明をいただきました 当社には大きく分けて WEBコンテンツ事業部とSI(システムインテグレーター)事業部があります この2事業部とも 需要は日本中にあります 結果の出るホームページ(以下HP) 使い勝手のよいシステム これがお客様の転勤や引き継ぎなどにより口コミとなって広がって行きました 社員は北海道から鹿児島まで全国を飛び回っています さらに韓国 中国にも出先機関を置いています よく東京を本拠地にしないかと聞かれますが そのメリットもデメ21 世紀型自立型企業づくり創業 1980 年 9 月住所嘉麻市山野 875-2 電話 0948-42-1570 社員 13 名パート 1 名 http://aritadenki.com 取材月刊同友編集部文章菅原弘写真佐藤愛有田電器情報システム株式会社代表取締役社長有ありた田栄ひでとも公氏嘉飯支部お役立ちと安心をまじめに提供するユビキタス(いつでも どこでも繋がる)時代に入ったIT業界で 目先の利益にとらわれることなく 利他の精神 で実績を伸ばす有田電器情報システム その神髄をお聞きしました もう一つ上に行きたくないか
09 DOYU リットも考えたことすらありません 私はこの地で生まれ面倒を見ていただきました ここで会社を営むことは 恩返しというより 当たり前 のことだと思っています WEBコンテンツ事業部 私たちはHPをつくることが目的ではなく WEB戦略をお客様に落とし込むことが目的です 本来ホームページは 集客 告知 ブランディングなどが目的であるはずが お客様 業者ともに見た目によいHPをつくること デザイン性にばかりこだわっていると指摘します それでは集客(アクセス)が増えるわけがありません どのようなキーワードでお客様が来てくださるのか(SEO:検索エンジン最適化)や市場分析 ページの遷移改修など事細かに分析してP(計画) D(行動) C(確認) A(改善)を繰り返して改善を続けなければ成果は出ないと断言しています ウチのお客様のHPは結果が出ます だからお客様にはHP作成を費用ではなく 投資と考えていただいています 業種ごとに取引するお客様の件数に制限を設けています また取引先には国立大学や金融機関があり 信頼の高さが窺えます SI事業部 SIとは いわばコンピューターの設計会社です 建築業界とコンピューターの世界はよく似通っていると言います 私たちが会社のインフラ セキュリティ プログラムなどを設計し お客様の業務スタイルに合ったルールを設定しているのです その設計に基づいて構築しているのがSE(システムエンジニア)です 建築業界でいうゼネコンにあたります 例えばお客様が持っている既存のソフトを ハードと連動させることによって ミスがなく便利で安くて使いやすくなります 創立に至るまで母体となる有田電器は父親の公司さんが1980年に創業しています 90 年に地元の高校を卒業した有田さんは 何かをやりたいんですが 何をやっていいのかわからない と とりあえず専門学校に進みます その後電器店の後継者が行くという 松下電器商学院(現 松下幸之助商学院) に入学します ここで人間力 経営力 営業力 技術力を一流の講師陣に徹底的に叩き込まれたと言います 一つ例をあげれば 利他の精神 です お客様の利益になることを第一に考えよということですね 93 年に21 歳で後継者として入社します 家電と並行してIT部門にも取り組みました Windows95 が出たころですよね ITはものすごいスピードで発展するとともに当社も急成長しました 家電とITでは基本となる方針が違うので 2000年にITをメインとした有田電器 を創立させ 06 年に有田電器情報システム へ組織変更し同時に家電部門を吸収しました ちなみに 06 年のフォーラムでは 創業者と二代目 二つとも勝ち取れないか というテーマで報告しています 社名を残したのは父親への敬意を感じます ITについては悪いことも含めて 目先の利益を求めようとすればもっと儲けることができたかも知れません しかし10 年くらいの長いスパンで物事をとらえ お客様の利益になることが判断基準です これはまさに 利他の精神 と言えそうです 同社の経営理念は お役立ちと安心をまじめに提供する と謳っています 同友会での気づきこの仕事が面白くてたまらなく かつ実績も急成長しています やるべきことが急増しました そこで有田さんは壁にぶつかります 社員を使うことの難しさです 急成長している会社で即戦力が急務なため中途採用をしていました 事細かく指示するのですが 私と21 世紀型自立型企業づくり
2006 年に社屋を新築 社内は広々とした空間です 来訪予定のお客様は特製のウェルカムボードで出迎えています DOYU 10 同じようにやれない それを伝えきれない チェックできる人間が育たない さらに社員の定着が悪い状態でした 何が原因なのかわからない 解決の手がかりがきっとあるはずだと模索する有田さんは 知人の勧めで同友会を知り入会します 会員さんに会っては質問攻めにしていました ある例会のグループ討議のことでした 有田さんは このまま技術者でいるべきか 経営者になるべきか と質問してみました その席で お前はバカか!好きなことしたいだけなら一人親方でいろ!何のために会社を作ったのか もう一つ上に行きたいと思わないのか! と会員さんの前で叱咤されたのでした その瞬間は頭に血が上ったと言います しかし後日冷静に考えました 自分の勝手な欲であれもこれもやりたいと考えていました もう一つ上に行くということは 経営者は社員に任せるということだったのです 解決の答えは自分にありました 社員を信頼していなかったんですね 同友会で気づかされました 三位一体の活動それから徹底して有効な社員共育について研究しました つい口を出したくなっても我慢する 社員を信頼して答えを出すまで辛抱する これが苦しかったですね 有田さんは苦笑いします 現在進行形ですが ある程度社員に権限と責任を与えて任せるようになりました 一人親方からの脱出により 10 年前から取り組んでもできなかった経営指針書作成がここ5年ほど前から明確になってきました 近年は有田さんが全体の方針を示し 事業部ごと 社員ごとに具体的な方針作成を任せています 数値計画はありますが 私が重要視しているのは戦略の徹底です お客様づくりをどうするかということですね 数字は後から付いてきます そのために必要な経費が掛かるなら上げて来いと言ってあります 会社の方針を実現するのに長いスパンで物事をとらえ 新卒の定期採用が必要だと考えるようになりました 同友会の合同入社式 合同社員共育にも参加しています 新卒を定期採用するようになってから社員の定着率がグンとよくなりました 外部講師を招いての一般常識の教育はしていますが 有田さんが力を入れているのは 利他の精神 に基づく 本当の仲間づくり です 社員同士 ケンカをしてでも注意 アドバイスしろ これが仲間だ と熱く語ります こうして経営指針書作成 新卒定期採用 社員共育の同友会が提唱する三位一体の活動を展開しています 会社は自分の居場所取材の最後に有田さんが考える 自立型企業 についてお聞きしました 目指していることは 社員たちが自分の会社を自分の居場所と思って 自分の責任と権限を持って仕事ができる 当てにし 当てにされる関係にある そんな会社だと思います 経営者ともコミュニケーションをよくとって理解しあえる関係にある会社ですね 取材協力ありがとうございます 21 世紀型自立型企業づくり
DOYU 11
DOYU 12
13 DOYU
DOYU 14
15 DOYU
DOYU 16 http:// www.fukuoka.doyu.jp/