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Transcription:

末梢神経系と脊髄 2018 年 10 月 30 日 金田勇人 (Hayato Kaneda) 滋賀医科大学解剖学講座 ( 神経形態学部門 ) 准教授 hayato@belle.shiga-med.ac.jp FONDATION VOIR & ENTENDRE

復習 : 神経系の区分 中枢神経 末梢神経 脳と脊髄脳脊髄神経系 運動神経感覚神経 骨格筋 自律神経系 交感神経副交感神経 内臓 2

復習 : 中枢神経系 Central Nervous System 1. 脳 Brain a) 大脳半球 cerebral hemispheres 1) 大脳皮質 cerebral cortex 2) 大脳基底核 basal ganglia b) 間脳 diencephalon c) 中脳 mesencephalon d) 橋 pons 脳幹 e) 小脳 cerebellum Brain Stem f) 延髄 medulla 2. 脊髄 Spinal Cord 大脳半球間脳中脳脳橋小脳延髄脊髄 3

復習 : 神経系の区分 中枢神経 末梢神経 脳と脊髄脳脊髄神経系 運動神経感覚神経 骨格筋 自律神経系 交感神経副交感神経 内臓 4

求心性神経と遠心性神経 p. 4 図 1-3 5

末梢神経系 Peripheral Nervous System p. 3 図 1-1 腸管神経系も自律神経系 6

末梢神経系 Peripheral Nervous System p. 3 図 1-1 骨格筋 内臓 7

脳脊髄神経系 p. 3 図 1-1 8

脳神経 12 対 ( 腹側 ) 大脳 間脳 嗅神経 (I) 視神経 (II) 中枢神経 中枢神経 中脳 動眼神経 (III) 滑車神経 (IV) 三叉神経 (V) 橋 外転神経 (VI) 顔面神経 (VII) 内耳神経 (VIII) 舌咽神経 (IX) 延髄 迷走神経 (X) 副神経 (XI) 舌下神経 (XII) p. 53, 214 9

脳神経 10

視神経 (II) 11

動眼神経 (III) 滑車神経 (IV) 外転神経 (VI) による外眼筋支配 12

三叉神経 (V) の支配領域 13

内耳神経 ( 前庭神経 + 蝸牛神経 ) 14

迷走神経 (X) 反回神経 延髄から出て胸部と多くの腹部臓器の副交感神経支配 反回神経は喉頭 声帯を支配 15

脳神経の役割の概要 嗅覚経 (I) 嗅覚視覚経 (II) 視覚動眼神経 (III) 眼球運動 ( 上斜筋と外側直筋を除く外眼筋 上直筋 下直筋 内側直筋 下斜筋 ) 滑車神経 (IV) 眼球運動 ( 上斜筋 ) 三叉神経 (V) 眼神経 (V1) 前頭部 眼 鼻の知覚上顎神経 (V2) 上顎部の知覚下顎神経 (V3) 舌 下顎部の知覚 咀嚼筋の運動外転神経 (VI) 眼球運動 ( 外側直筋 ) 顔面神経 (VII) 表情筋の運動 味覚 ( 舌の前 2/3) 涙腺 唾液腺の分泌内耳神経 (VIII) 聴覚 平衡覚舌咽神経 (IX) 咽頭部の知覚 味覚 ( 舌の後 1/3) 唾液腺の分泌 嚥下( 咽頭筋 ) 迷走神経 (X) 頚胸腹部の内臓 ( 骨盤内蔵以外 ) の副交感神経支配 反回神経による声帯の筋副神経 (XI) 僧帽筋 胸鎖乳突筋舌下神経 (XII) 舌筋 16

脳脊髄神経系 p. 3 図 1-1 17

脊髄神経 31対 a) 頚神経 b) 胸神経 c) 腰神経 d) 仙骨神経 e) 尾骨神経 8対 12対 5対 5対 1対 p. 41 図3-2 18

腕神経叢 19

上肢の神経支配 20

手の神経の麻痺の症状 橈骨神経麻痺 肘や手首が延ばせない 下垂手 尺骨神経麻痺 手の大部分の筋が麻痺して指の細かい運動ができず固定 鷲手 正中神経麻痺 橈側の知覚が麻痺 母指球が扁平になる 猿手 21

腰神経叢 外側大腿皮神経 22

仙骨神経叢 23

脊髄の外景 前根後根脊髄神経節 p. 42 図 3-5 24

脊髄の外景 前根後根脊髄神経節 人体解剖図 25

胸部断面と脊髄神経の前 後枝 脊髄神経は末梢神経 26

デルマトーム 皮膚知覚帯 27

脊髄の内景 白質 ( 軸索 ) 前索後索 ( 上行路 ) 薄束 ( 下半身 ) 楔状束 ( 上半身 ) 側索 灰白質 ( 細胞体 ) 前角 ( 運動 ) 後角 ( 感覚 ) 中間質 p. 43 図 3-7 28

前角 前根 : 運動後角 後根 : 感覚 白質 ( 軸索 ) 前索後索 ( 上行路 ) 薄束 ( 下半身 ) 楔状束 ( 上半身 ) 側索 灰白質 ( 細胞体 ) 前角 ( 運動 ) 後角 ( 感覚 ) 中間質 p. 43 図 3-8 29

体部位局在 大脳と同じく脊髄の部位によりおおよその支配領域が対応している p. 44 図 3-9 30

筋紡錘の錘内筋を支配する γ 運動ニューロンと深部感覚 筋がどの程度収縮しているかのセンサーシステムの一つ p. 44 図 3-10 31

膝蓋腱反射の例 1 腱を叩いて引っ張ると大腿四頭筋が伸びる 2 筋紡錘が張力受容器として働き求心性刺激が伝わる 3 大腿四頭筋は α 運動ニューロンにより収縮して伸張反射が起こる 4 拮抗筋は抑制性介在ニューロンを介して弛緩される p. 152 図 11-1 32

伸張反射 ( 筋伸展反射 ) の生理的意義 P. 153 後根神経節ニューロン α 運動ニューロン Ia 求心線維 センサー ( 筋紡錘 ) 筋 x x+ x 筋 1 初めの状態 2 引き延ばされる 3 元に戻る

伸張反射 ( 筋伸展反射 ) の生理的意義 P. 153 後根神経節ニューロン α 運動ニューロン Ia 求心線維 センサー ( 筋紡錘 ) 筋 x x- x 筋 1 初めの状態 2 縮む 3 元に戻る

筋紡錘の錘内筋を支配する γ 運動ニューロンと深部感覚 γ 運動ニューロンにより延びた錘内筋を収縮させて戻す p. 44 図 3-10 35

中間質外側核 : 自律神経系 p. 43 図 3-8 36

脊髄の内景まとめ p. 43 図 3-8 37

レキシード氏の層区分と脊髄の神経核 クラーク氏背核 : 下半身の深部感覚を小脳に伝える p. 45 図 3-11 38

脊髄の伝導路 ( 上 下行路 ) 下半身 上半身 p. 46 図 3-12 39

脊髄の伝導路 ( 上 下行路 ) p. 46 図 3-13 40

錐体交叉 ( 脊髄の上限 ) p. 40 図 3-1 41

脊髄の上限は錐体交叉である 延髄錐体 大脳皮質運動野 正中線 錐体交叉 ( 運動交叉 ) 皮質脊髄路 ( 錐体路 ) 運動指令 Motor Command を下位運動ニューロンに伝える系 前皮質脊髄路 ( 錐体前索路 ) 外側皮質脊髄路 ( 錐体側索路 ) 骨格筋 図 2 皮質脊髄路 ( 錐体路 ) 前角運動ニューロン 42

皮質脊髄路は反対側に投射する 人体解剖図 43

神経系の構成 中枢神経 末梢神経 脳と脊髄脳脊髄神経系 運動神経感覚神経 自律神経系 交感神経 副交感神経 44

末梢神経系 Peripheral Nervous System p. 3 図 1-1 骨格筋 内臓 45

自律神経系 p. 3 図 1-1 神経堤細胞に由来 腸管神経系も自律神経系 46

末梢神経の働きによる分類 Kazuhiro Kurosawa, JST より転載 47

自律神経系 体性運動系による骨格筋支配以外のすべての組織や臓器を神経支配する. 交感神経系副交感神経系 中枢神経系 交感神経系 末梢神経系 効果器 副交感神経系 節前線維 節後線維 平滑筋心筋 腺 など 節前線維 節後線維 節前ニューロン 節後ニューロン 自律神経系は, 2シナプス経路を用いて標的器官を支配する. 48

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自律神経系の拮抗支配 任意の標的器官に対する交感神経系の作用と副交感神経系の作用は拮抗する 交感神経系 副交感神経系 促進 ( 抑制 ) 抑制 ( 促進 ) 効果器 Effector 平滑筋心筋腺 拮抗支配の例外唾液腺に対しては交感神経系も副交感神経系も促進 50

交感神経系と副交感神経系による拮抗的二重支配 51 マーティンカラー神経解剖学

自律神経系の作用のまとめ 52

二重神経支配の例外 1) 交感神経系支配のみ瞳孔散大筋 脾臓 立毛筋 汗腺 大部分の血管 2) 副交感神経支配のみ瞳孔括約筋 毛様体筋 53

瞳孔調節の自律神経支配 Tortora 54

今日のまとめ末梢神経系 p. 3 図 1-1 55

脳神経 12 対 ( 腹側 ) 大脳 間脳 嗅神経 (I) 視神経 (II) 中枢神経 中枢神経 中脳 動眼神経 (III) 滑車神経 (IV) 三叉神経 (V) 橋 外転神経 (VI) 顔面神経 (VII) 内耳神経 (VIII) 舌咽神経 (IX) 延髄 迷走神経 (X) 副神経 (XI) 舌下神経 (XII) p. 53, 214 56

脊髄神経 31対 a) 頚神経 b) 胸神経 c) 腰神経 d) 仙骨神経 e) 尾骨神経 8対 12対 5対 5対 1対 p. 41 図3-2 57

脊髄の内景まとめ p. 43 図 3-8 58

脊髄の伝導路 ( 上 下行路 ) p. 46 図 3-13 59

自律神経系 p. 3 図 1-1 60

交感神経系と副交感神経系による拮抗的二重支配 61 マーティンカラー神経解剖学