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長期家族介護者援護金 2 補償の内容 (1) 療養補償負傷又は疾病が治ゆするまでの間 必要な治療を行い 又は療養の費用を支給します 療養の範囲は次に掲げるもので 認定された傷病又は疾病の療養上相当と認められるものに限ります ア診察イ薬剤又は治療材料の支給ウ処置 手術その他治療エ居宅における療養上の管


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Microsoft Word - 療養補償給付又は療養給付.doc

議案第 20 号小松島市消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例 改正の趣旨 非常勤消防団員等の損害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令が平成 28 年 4 月 1 日から施行されることに伴い 非常勤消防団員等の公務上の災害に対する損害補償に関し 同一の事由により他の法律による

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四日市市消防関係手数料条例の一部を改正する条例

財財第  号

(3) 育児短時間勤務をしている職員が休職又は停職の処分を受けたことにより 当該育児短時間勤務の承認が効力を失つた後 当該休職又は停職の期間が終了したこと (4) 育児短時間勤務をしている職員が当該職員の負傷 疾病又は身体上若しくは精神上の障害により当該育児短時間勤務に係る子を養育することができない

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第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

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( 休憩時間 ) 第 3 条 任命権者は 1 日の勤務時間が 6 時間を超える場合においては 少な くとも45 分 8 時間を超える場合においては 少なくとも1 時間の休憩時間を それぞれ所定の勤務時間の途中に置かなければならない 2 前項の休憩時間は 職務の特殊性又は当該公署の特殊の必要がある場合

公布された条例のあらまし 職員の退職手当に関する条例の一部改正について 1 条例の改正理由地方公務員等共済組合法及び地方独立行政法人法の一部改正に伴い 所要の改正を行う 2 条例の概要 (1) 自己の都合による退職等の場合の退職手当の基本額について定めた規定中 引用している地方公務員等共済組合法の条

調布市要綱第  号

に該当する者については 同項の規定にかかわらず受給資格者とする 3 病院等に入院等したことにより 本市の区域内に住所を変更したと認められる第 1 項各号に該当する者については 同項の規定にかかわらず受給資格者としない 4 第 1 項及び第 2 項の規定にかかわらず 次の各号のいずれかに該当する者は

職員退職手当支給規程

Taro-概説1

香川県後期高齢者医療広域連合職員の勤務時間、休暇等に関する

別添 1 趣旨 三重県警察社会復帰アドバイザーの設置及び運用要綱 この要綱は 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 ( 平成 3 年法律第 77 号 以 下 法 という ) 第 28 条に規定する援護の措置を行わせるため 暴力団員による不当な行為 の防止等に関する法律施行規則 ( 平成 3

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老発第    第 号

公共鹿第1029号

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

平成13年4月  日

3 年次休暇の計算例 (1) 昨年 4/1~12/31 までとして勤務 ( 年休取得なし ) = 前年からの繰越し 15 1 今年もとして下記の期間に任用された場合 ( 年次休暇 3 使用 ) < 年次休暇の付与数 > = ( 当初の ) + ( 更新後の

千葉市水道局契約規程及び千葉市水道局会計規程の一部を改正する規程をここに公布する

目次 1. 再就職者による依頼等 ( 働きかけ ) の規制 1 2. 働きかけ規制の範囲 2 3. 再就職情報の届出 3 4. 再就職情報の公表 4 5. 罰則 5 6. 様式 6 再就職者による依頼等の規制について 地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律 ( 平成 26 年法律第

平成16年規程第03号_役員退職手当規程

役員退職手当支給規程

(3) 権利か 時効により消滅していることはありますか (4) 今回の追加給付はいつまて に手続を行えは 良いて しょうか Q11 なせ 支払いまて にそれほと の時間を要するのて しょうか 2 < 個人向け Q&A> 毎月勤労統計において全数調査をするとしていたところを一部抽出調査て 行って Q1

別紙 ( 国内における臓器等移植について ) Q1 一般の移送費の支給と同様に 国内での臓器移植を受ける患者が 療養の給付を受けるため 病院又は診療所に移送されたときは 移送費の支給を行うこととなるのか 平成 6 年 9 月 9 日付け通知の 健康保険の移送費の支給の取扱いについて ( 保険発第 1

国立研究開発法人土木研究所役員退職手当支給規程

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第1 地方公務員災害補償制度の概要

独立行政法人中小企業基盤整備機構職員退職手当支給規程

資料2:再任用制度と「雇用と年金の接続」の概要

1.2_議案目録(追加)

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労災保険とは 労災保険とは 労働者が業務や通勤が原因で 負傷したり 病気になったり さらには死亡したときに 治療費など必要な保険給付を行う制度です 外国人でも日本国内で働いている限り 労災保険が適用されます 原因 事由 災害分類 保険 その他 その他の災害 健康保険 労働災害に健康保険は使えません

平成21年度地域医療再生臨時特例交付金交付要綱

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第 11 条育児休業を終了して復帰する教職員の年次有給休暇については 理事長が別に定める ( 育児短時間勤務 ) 第 12 条小学校就学の始期に達するまでの子と同居し 当該子を養育する教職員が申し出た場合には 当該子がその始期に達するまで 当該教職員の所定勤務時間を 6 時間とすること ( 以下 育

独立行政法人教職員支援機構法


(3) 父又は母が規則で定める程度の障害の状態にある児童 (4) 父又は母の生死が明らかでない児童 (5) その他前各号に準ずる状態にある児童で規則で定めるもの 3 この条例において 養育者 とは 次に掲げる児童と同居して これを監護し かつ その生計を維持する者であって その児童の父母及び児童福祉

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

Microsoft PowerPoint - 02 別添 パンフレット (3)

っては地公法第 17 条第 3 項の規定に基づき原則として競争試験により 人事委員会又は競争試験等を行う公平委員会を置かない地方公共団体にあっては同条第 4 項の規定に基づき競争試験又は選考によるものとすること なお これらの場合において 地公法第 22 条第 1 項に規定する条件附採用が適用される

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内閣府令本文

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改正要綱 第 1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項 育児休業等に係る職員が養育する子の範囲の拡大 1 職員が民法の規定による特別養子縁組の成立に係る監護を現に行う者 児童福祉法の規定により里親である職員に委託されている児童であって当該職員が養子縁組によって養親となることを希望しているも

独立行政法人勤労者退職金共済機構役員退職金規程

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羽村市乳幼児の医療費の助成に関する条例施行規則 平成 5 年 9 月 24 日規則第 21 号 改正 平成 6 年 3 月 16 日規則第 6 号平成 7 年 10 月 1 日規則第 31 号平成 8 年 10 月 1 日規則第 27 号平成 9 年 6 月 5 日規則第 20 号平成 10 年 3

3 この条例において 幼児 とは 1 歳に達する日の属する月の翌月の初日から6 歳に達する日以後の最初の3 月 31 日までの間にある者をいう 4 この条例においては 児童 とは 6 歳に達する日以後の最初の4 月 1 日から15 歳に達する日以後の最初の3 月 31 日までの間にある者をいう 5

国家公務員 非常勤職員の勤務条件はいま 4. 経済的支援について育児休業期間中は無給ですが 国家公務員共済組合法が適用される場合には 育児休業手当金が支給され 申出により共済掛金が免除されます また 雇用保険法が適用される場合には 一定の要件を満たすとき育児休業給付金が支給され 健康保険 厚生年金保

第 4 条市は 助成対象者に係る医療費 ( 入院時食事療養費を除く ) のうち医療保険各法に定める一部負担金 ( 法令の規定に基づく国若しくは地方公共団体の負担による医療に関する給付又は保険者等の負担による高額療養費及び高額介護合算療養費の支給若しくは附加給付がある場合は その額を控除した額とする

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( 趣旨 ) 第 1 条 土地開発公社派遣職員人件費補助金交付要綱 知事は 山梨県土地開発公社 ( 以下 公社 という ) が行う公共用地 公用地 等の取得 管理 処分等を円滑に進め もって地域の秩序ある整備と県民福祉の増進に資するため 公社に派遣した山梨県職員の人件費等に対し 予算の範囲内で補助金

1 検査の背景 (1) 日本年金機構における個人情報 情報システム及び情報セキュリティ対策の概要厚生労働省及び日本年金機構 ( 以下 機構 という ) は 厚生年金保険等の被保険者等の基礎年金番号 氏名 保険料の納付状況等の個人情報 ( 以下 年金個人情報 という ) について 社会保険オンラインシ

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第2章

地基企第 36 号平成 27 年 9 月 30 日 地方公務員災害補償基金各支部事務長殿 地方公務員災害補償基金 企 画 課 長 ( 公 印 省 略 ) 年金のしおりの交付方法等について の一部改正について ( 通知 ) 年金のしおりの交付方法等について ( 平成 7 年 8 月 1 日地基企第 5

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2 返還額の算定方法 (1) 前記 1の (1) (2) (5) 及び (6) の退職一時金に係る返還額 退職一時金の額に利子に相当する額を加えた額とされており この利子に相当する 額は当該一時金の支給を受けた日の属する月の翌月から退職共済年金等を受ける権利 を有することとなった日の属する月までの期

( 支給対象者等 ) 第 3 条医療費の支給の対象となる者 ( 以下 支給対象者 という ) は 次の各号に該当する母子家庭の母 父子家庭の父及びこれらの者に扶養されている児童並びに養育者に扶養されている父母のない児童とする (1) 本市に住所 ( 配偶者からの暴力を受けること等により本市への住所の

基本情報 () 非常勤職員の総数 調査対象に該当する非常勤職員の総数は 期間業務職員が 30,429 人 (54%) 期間業務職員以外の非常勤職員が 25,590 人 (46%) 合計で 56,09 人 ( うち女性 42,456 人 76%) だった (2) 非常勤職員が所属する機関 非常勤職員が

○職員の勤務時間、休暇等に関する条例

役員報酬規程

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

別添 2 租税特別措置法施行令第 39 条の25 第 1 項第 1 号に規定する厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める基準を満たすものである旨の証明願平成年月日厚生労働大臣殿 租税特別措置法施行令第 39 条の25 第 1 項第 1 号に規定する厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める下記の基準を満た

Microsoft Word _運用通知v22.docx


平成16年規程第02号_役員給与規程

Taro H16規13_役員退職手当規程

保険給付に関する決定についての審査請求に係る労働者災害補償保険審査官の決定に対して不服のある者は 再審査請求をした日から 3 か月を経過しても裁決がないときであっても 再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経ずに 処分の取消しの訴えを提起することはできない (H23-4B)

労災年金のスライド

( 別添 2) ( 別添 2) 平成 14 年 9 月 27 日保発第 号の別添 2 組合管掌健康保険一括適用取扱要領 組合管掌健康保険一括適用取扱要領 ( 準則 ) 第 1 健康保険法 ( 以下 法 という ) 第 34 条第 1 項の規定による厚生労働大臣の承認 ( 以下 一括適

しい支障が生じることとなったこととする 3 前条の規定は 育児休業の期間の延長の請求について準用する ( 育児休業の期間中の休暇等の取扱い ) 第 5 条育児休業をしている職員に対しては 職員就業規程第 37 条の規定による年次有給休暇並びに就業規程第 39 条の規定による公民権行使等休暇 事故休暇

ユニオンぼちぼち学習会 偽装請負 と労災保険 2016 年 6 月 13 日 0. 請負契約とは請負とは 仕事の完成に対して報酬が支払われる契約のことを指す ( 民法 632 条 ) それだけだとわかりにくいので 雇用契約と比べてみる 雇用契約は労働に従事したことに対して報酬が支払われる ( 民法

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03-01【局長通知・特例】施術管理者の要件に係る取扱の特例について

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情報公開に係る事務処理規則 ( 平 18 規則第 16 号平成 18 年 8 月 1 日 ) 改正平 19 規則第 52 号平成 19 年 9 月 21 日平 26 規則第 2 号平成 26 年 5 月 13 日平 26 規則第 22 号平成 27 年 3 月 31 日 第 1 章総則 ( 目的 )

CL.J Q.\.eps

沖縄市こども医療費助成要綱

第 3 条この条例において 医療費の助成の対象となる者 ( 以下 対象者 という ) は 中島村に住所を有する子どもの保護者とする ただし 生活保護法 ( 昭和 25 年法律第 144 号 ) の規定により保護を受けている者は この限りではない 2 医療保険各法に規定する医療保険に加入していること

●地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

六十五歳以上七十歳未七十歳以上 三 九三〇円一五 二九一円 三 九三〇円一三 二八四円 附則 1 この告示は 平成四年四月一日から施行し この告示の施行の日 ( 以下 施行日 という ) 以後の期間に係る年金たる補償に係る平均給与額及び施行日以後に支給すべき事由が生じた休業補償に係る平均給与額につい

第 2 章掛金 ( 掛金 ) 第 3 条掛金は 対象職員の基準給与月額に 1,000 分の 33 を乗じて得た額を納付するものとする 2 掛金の内訳は 契約者が 1,000 分の 16.5 対象職員が 1,000 分の 16.5 をそれぞれ負担するものとする 3 基準給与月額は 毎年 4 月 1 日

取手市ぬくもり医療支援事業に関する条例施行規則 取手市ぬくもり医療支援事業に関する条例施行規則 平成 17 年 10 月 24 日規則第 230 号改正平成 20 年 3 月 21 日規則第 4 号平成 21 年 6 月 17 日規則第 34 号平成 22 年 9 月 15 日規則第 43 号平成

被用者年金一元化法

平成11年6月8日

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Transcription:

Ⅰ 災害補償制度 1 制度の特徴 2 対象となる職員 3 地方公務員災害補償基金 4 補償 福祉事業の種類及び補償等の手続の概要 - 1 -

地方公務員の災害補償制度は 地方公務員が公務上の災害 ( 負傷 疾病 障害又は死亡 ) 又は通勤による災害を受けた場合に その災害によって生じた身体的損害を使用者である地方公共団体がその責任において補償し 必要な福祉事業を行い 職員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする制度です 1 制度の特徴 この制度は 公務上の災害について使用者の無過失責任主義をとり 地方公共団体に過失がなくても補 償義務が発生する点で 民法上の損害賠償が原則として過失責任主義をとっていることと大きく異なって います また 通勤による災害についても 使用者としての責任を論ずることなく 使用者の支配下にない通勤 途上の災害について補償が行われるという点で 民法上の損害賠償とは異なっています さらに 災害補償制度は一部に年金制が採り入れられており 加えて補償を超えて福祉事業を行うこと とされており 被災職員及びその遺族の生活の安定と被災職員の社会復帰の促進を考慮した制度であって 賠償責任保険的な性格とは異なった制度となっています 2 対象となる職員 ( 災害補償制度の適用関係 ) 地方公務員の公務災害又は通勤災害に対する補償は 常勤職員については地方公務員災害補償法の規定 により地方公務員災害補償基金がその実施に当たり 非常勤の職員については地方公務員災害補償法に基 づく各団体の条例 労働者災害補償保険等の法令により 地方公共団体等が実施するしくみとなっていま す ( 参考 ) 職員 とは 次に掲げる者をいう 1 常勤職員 (1) 常時勤務に服することを要する地方公務員 (2) 一般地方独立行政法人の役員 ( 地方独立行政法人法第 12 条に規定する役員をいう ) 及び一般 地方独立行政法人に使用される者で 一般地方独立行政法人から給与を受ける者 ( 以下 一般地 方独立行政法人の役職員 という ) のうち常時勤務することを要する者 2 非常勤のうち次の (1) 又は (2) に該当する者 (1) 再任用短時間勤務職員 地方公務員法 ( 昭和 25 年法律第 261 号 ) 第 28 条の 5 第 1 項に規定する短時間勤務の職を占める者 (2) 常勤的非常勤職員 1 常時勤務に服することを要しない地方公務員のうち 雇用関係が事実上継続していると認めら れる場合において 常時勤務に服することを要する地方公務員について定められている勤務時間 以上勤務した日が 18 日以上ある月が引き続いて 12 月を超えるに至った者で その超えるに至った 日以後引き続き当該勤務時間により勤務することを要することとされている者 2 常時勤務することを要しない一般地方独立行政法人の役職員のうち 常時勤務に服することを 要する者について定められている勤務時間以上勤務した日が引き続いて 12 月を超えるに至った者 で その超えるに至った日以後引き続き当該勤務時間により勤務することを要することとされて いる者 - 2 -

勤職時職員常等勤職員地方公務員の災害補償に関する関係法令の適用関係及び補償実施機関については次の表のとおりです 身分地方公務員非公務員 区 分 所属地方公共団体特定地方独立行政法人一般地方独立行政法人職員役員職種一般職特別職職員役 ( 一般職 ) ( 特別職 ) 員常補償実施機関 地方公務員 員全職員地方公務員災害補償法 再任用短時間職員 地方公務員 災害補償法 地方公務員 災害補償法 常勤的非常勤職員地方公務員災害補償法臨議会 行政委員会の委 員 地方公共団体の附属機関の委員 統計調査員等他の法令の適用を受けない者 ( 労働基準法別表第 1 に掲げる事業以外の事業に雇用される者 ) 水道 交通 清掃 病院 学校など労働基準法別表第 1に掲げる事業に雇用される者 地方公務員災害補償法に基づく条例労働者災害補償保険法 ( 労災法の対象とならない場合には条例 ) 労働者災害補償保険法 ( 使用者たる災害補償基金非役員については地方独立行政法人が定める ) ( 使用者たる役員については地方独立行政法人が定める ) 条例適用職員地方独立行政法人の使用者たる役員 各所属それ以外の職員 国 ( 厚生労働省所管 ) 消防団員 水防団員 消防組織法 水防法及び消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律 各所属 学校医 学校歯科医及び学校薬剤師 公立学校の学校医 学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律 公立学校の学公立学校の学校医 学校歯校医 学校歯科医及び学校科医及び学校薬剤師の公務薬剤師の公務災害補償に関災害補償に関する法律又はする法律又は労災法労災法 以下 この手引は 常勤職員に適用される地方公務員災害補償法による補償等の内容や手続きについて 説明するものです 3 地方公務員災害補償基金 地方公務員災害補償基金 ( 以下 基金 という ) は 地方公務員災害補償法によって設置された法人 で 常勤職員の災害補償の実施を 当該職員の使用者である地方公共団体に代わって行うものとされてい ます 基金は 主たる事務所 ( 本部 ) を東京都に 従たる事務所 ( 支部 ) を各都道府県及び政令指定都市に設 置 (64 支部 ) し 基金の業務のうち 災害の認定 補償の決定 実施等主な事務については 理事長から 支部長に権限が委任され 支部で行っています また 補償の実態に必要な財源等基金の業務に要する費用については 各地方公共団体からの負担金で 賄われています - 3 -

島根県支部については 県下の地方公共団体の常勤職員の災害補償事務を所掌し 事務所は島根県庁人 事課内に置かれており 支部長である知事のもとに副支部長と事務局で組織されています - 4 -

基金の組織を図示すると 次のとおりです 地方公務員災害補償基金 ( 本部 ) 地方公務員災害補償基金 ( 支部 ) 都道府県支部 指定都市支部 情 運 代表者委員会 監 審 支 部 長 地 報 営 査 方 公 審 会 ( 都道府県知事 市長 ) 公 開 議 務 会 理 事 長 事 委 員 個 員 災 人 委 副支部長 害 情 員 補 報 理 事 償 保 常勤 非常勤 基 護 事務局 金 審 支 査 事 務 局 部 会 審 査 委 総 企 補 経 審 訟 会 員 画(務 償 理 査 務 委 課 課 課 課 課 課 員)(参 ( ) ( ) ( ) 与)4 補償 福祉事業の種類及び補償等の手続きの概要 (1) 補償 福祉事業の種類 職員の公務災害又は通勤災害について基金が行う補償及び福祉事業の種類 事由及び内容につい ては 詳しくは 補償と福祉事業の内容と請求手続 で説明しています (2) 補償等の手続きの概要 被災職員が基金による補償等を受けるためには ア まず 所属 任命権者を経由して 基金の支部長に対して 当該負傷等の災害が公務災害又は通 勤災害であるとの認定を求める請求 ( 認定請求 ) を行わなければなりません この場合 職員の任命権者は 提出された請求書等の内容を点検し 所要の証明等を行うととも に 意見を付して支部長に送付します また 任命権者は 被災職員自身が入院等のため自ら認定請求手続をとることが困難な場合等に は 適正に手続きができるよう指導 援助しなければなりません ( 認定後の補償等の請求について も同様です ) イ 支部長は 上記の認定請求の内容を審査のうえ 当該災害が公務又は通勤により生じたものか否 かを認定して その結果を任命権者を通じて請求者に通知します この認定において 当該災害が公務上の災害又は通勤による災害であるとの認定があって初めて 各種の補償等が受けられることとなります ウ 被災職員は 公務災害又は通勤災害と認定された災害に係る各種の補償等について 所定の補償 - 5 -

等の請求書により任命権者を経由して 基金の支部長に請求し 基金はこの請求に応じて補償等を 実施します エ 補償を受ける権利は 2 年間 ( 障害補償及び遺族補償については 5 年間 ) 行使されないときは 時効によって消滅します ただし 傷病補償年金は 原則として基金が職権でその支給決定を行う もの ( 職員からの請求も行うことができる ) ですから 傷病補償年金を受ける権利についての時 効はありません 補償を受ける権利 とは 補償請求の事由となる災害が発生した場合に 補償の受給権者の要 件に該当する者が基金に対して行う補償の支給決定の請求権です これに対して 支給決定が行わ れた補償の給付金の支払を受ける権利については 法第 63 条の規定の適用はなく 金銭債権の一般 規定である民法の規定が適用されます なお 時効の援用及び中断等については 法上明文の規定がないので 民法の定めるところによ ります (3) 行政手続法との関係 平成 6 年 10 月 1 日から行政手続法 ( 平成 5 年法律第 88 号 ) が施行され 地方公務員災害補償の実施 については 次のとおり取り扱うこととされています ア 審査基準及び処分基準の公表 審査基準及び処分基準に該当する通知等は 地方公務員災害補償基金関係法令集及び地方公務 員災害補償基金関係通達集を 支部及び任命権者の災害補償担当窓口で 閲覧に供するか求めに 応じて該当箇所を提示する方法で公表します また 新たに制定され又は改正された審査基準及 び処分基準に該当する通知等については 前記の法令集及び通達集に添付する等して公表します イ 標準処理期間の設定 ( ア ) 審査及び処分の標準的処理期間は 次のとおりです 標準処理期間一覧 ( 単位 : 月 ) 補償の種類 決定内容 任命権者における標準的処理期間 基金における標準的処理期間 全体の標準的処理期間 療養補償及び休業補償 当初の支給 ( 不定給 ) 決定 ( 負傷 ) 1 1 2 当初の支給 ( 不定給 ) 決定 ( 疾病 ) 2 4 6 2 回目以降の支給 ( 不支給 ) 決定 1 障害補償支給 ( 不支給 ) 決定 4 遺族補償 葬祭補償 介護補償 支給 ( 不支給 ) 決定 ( 負傷による死亡 ) 2 2 4 支給 ( 不支給 ) 決定 ( 疾病による死亡 ) 2 4 6 支給 ( 不支給 ) 決定 ( 負傷による死亡 ) 2 2 4 支給 ( 不支給 ) 決定 ( 疾病による死亡 ) 2 4 6 当初の支給 ( 不支給 ) 決定 4 2 回目以降の支給 ( 不支給 ) 決定 1 ( イ ) 判断根拠となる各種資料の分析に時間を要する等判断が極めて困難な事案については 標準 - 6 -

処理期間を超えて審査を行う場合があります ( ウ ) 基金又は任命権者は 請求が法令に定められた請求の形式上の要件に適合しない場合 又は法令以外の通知等により必要とされている記載事項及び添付資料について不備がある場合は 原則として速やかに期間を定めて補正を求めます この補正期間は 標準処理期間に含めません ( エ ) 任命権者は 請求年月日と窓口で現実に受理した年月日が異なる場合は 請求年月日の修正を求めるか 又は請求書の欄外に窓口で現実に受理した年月日を記載して提出して下さい - 7 -