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平成28年 成田空港貿易概況(速報)

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<貿易見通し>

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1. 世界における日 経済 人口 (216 年 ) GDP(216 年 ) 貿易 ( 輸出 + 輸入 )(216 年 ) +=8.6% +=28.4% +=36.8% 1.7% 6.9% 6.6% 4.% 68.6% 中国 18.5% 米国 4.3% 32.1% 中国 14.9% 米国 24.7%

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特集 ロシア NIS 圏で存在感を増す中国特集 ロシアの消費市場を解剖する Data Bank 中国の対ロシア NIS 貿易 投資統計 はじめに今号では ロシア NIS 諸国と中国との経済関係を特集しているが その際にやはり貿易および投資の統計は避けて通れないであろう ただ ロシア NIS 諸国の側

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第 3 章九州の産業別貿易動向 1. 自動車 自動車の部分品 2017 年の九州の自動車輸出額は 1 兆 7,006 億円 ( 前年比 27.4% 増 ) で前年より増加し 4 年連続の増加となった 輸出先は 米国が最も多く 次いで中国 アラブ首長国連邦等であった 2017 年の九州の自動車生産台数

<貿易見通し>

【アジア新興経済レビュー】利下げや景気対策の動きが広がる

特集 平成 30 年分成田空港貿易概況 ( 速報 ) 平成 31 年 1 月 23 日 ( 水 ) 東京税関 本資料における 2018 年 の数値は速報値 本資料における 伸率 とは前年との比較によるもの 本資料における対中国の貿易額には対香港及び対マカオの貿易額を含む

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近畿圏における電気機器の貿易動向 平成 24 年 10 月 22 日大阪税関調査統計課 貿易額推移 近畿圏における電気機器の貿易額は 2000 年に初めて輸出額が 3 兆円を突破し 輸入額が 1 兆円を突破しました 輸出額は 2001 年に一旦減尐しますが その後は右肩上がりで増加し 2005 年に

2018 年第 1 四半期ベトナム経済事情 2018 年 4 月 在ベトナム日本大使館経済班 ( 注 ) 本資料の記載情報は, 信頼できると考えられる情報源等を元に作成しておりますが, その正確性 完全 性を保証するものではありません また, 記載された数値, 意見, 予測等は, 作成時点のものであ

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

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けた この間 生産指数は 上昇傾向で推移した (2) リーマン ショックによる大きな落ち込みとその後の回復局面平成 20 年年初から年央にかけては 米国を中心とする金融不安 景気の減速 原油 原材料価格の高騰などから 景気改善の動きに足踏みが見られたが 生産指数は 高水準で推移していた しかし 平成

平成18年8月31日

第1章

【No

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

【ロシア最新経済金融週報】

2016 年の日本の対ロシア NIS 諸国輸出入通関実績 ( 確定値 ) ドル表示 輸出入前年輸出前年輸入合計前年 =100 =100 =100 バランス ロシア 16,410, ,125, ,285, ,159,423 ウクライナ 883,

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1 概 況

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第2部

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中国:なぜ経常収支は赤字に転落したのか

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 金 25, 2, 15, 12, 営業利益率 経常利益率 額 15, 9, 当期純利益率 6. 1, 6, 4. 5, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 8 社 214 年度 215 年度前年度差 ( 単位 : 億円 ) 前年

2. 景気後退の影響 (2) 2008 年 10 月以降の世界的な景気後退の影響 ( 業種別 ) 大きなマイナス若干のマイナス影響なし 若干のプラス 大きなプラス 製造業 印刷 出版 (n=14) ゴム製品 (n=35) 金属製品 ( メッキ加工を含む

初心者にもできるアメブロカスタマイズ新2016.pages

平成 22 年基準 秋田県鉱工業生産指数月報 平成 30 年 12 月分 鉱工業生産指数の推移 季節調整済指数全国 東北 : 平成 27 年 =100 秋田 : 平成 22 年 =

個人消費の回復を後押しする政策以外の要因~所得の減少に歯止め、節約志向も一段落

ASEAN との経済関係が再び強まる韓国 ASEAN ASEAN ASEAN ASEAN ASEAN1 16 RCEP 1. ほぼピークに達した対中輸出依存度 (1) 上昇傾向にある対 ASEAN 輸出依存度 ASEAN 2 WTO 21 RIM 213 Vol.13 No.49

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○ユーロ

中国経済見通し-18年下期は6.3%前後へ減速、米中貿易戦争が激化すればさらなる下振れも

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2017年第3四半期 スマートフォンのグローバル販売動向 - GfK Japan

< 図表 1> 米国の仕出し国 地域別自動車部品輸入実績 ( 単位 :100 万ドル ) 輸出国 シェア 1 メキシコ 11,740 13,692 16,045 17,056 19, % 2 カナダ 7,638 8,253 8,932

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データバンク 2006 年上半期の日本の対 CIS 主要国貿易統計 1. ロシア /96 2. ウクライナ /98 3. カザフスタン /99 4. ウズベキスタン / アゼルバイジャン /101 表 年 1~6 月の日本の対ロシア NIS 諸国輸出入通関実績 輸出入合計

阪神港及び各港の構成比 ( 対全国 ) 全国における阪神港の構成比をみると 2014 年は輸出で 12.9% 輸入で 12.7% となり 阪神港が誕生した 2007 年と比べて 輸出は 0.8 ポイント 輸入は 0.7 ポイント拡大しました 阪神港の各港についてみると 輸出は神戸港の構成比が高く 輸

統計特集 :2005 年 1~9 月の日本の対 CIS 主要国貿易統計 第 1 表 2005 年 1~9 月の日本の対 CIS 中東欧諸国 モンゴル輸出入通関実績 ロシア 第 2 表 2005 年 1~9 月の日本の対ロシア輸出品構成 第 3 表 2005 年 1~

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ロシア 3節 第 第3節 ロシア 1 マクロ経済動向 ロシア経済は 緩やかな回復基調にある 2014 年 7 以下 輸出 個人消費 消費者物価 金融市場の動 月以降のウクライナ危機発生及びクリミア併合に伴う 向を中心に概観する 欧米からの経済制裁に加え 2015 年以降 原油価格 の下落を主因として

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2. 利益剰余金 ( 内部留保 ) 中部の 1 企業当たりの利益剰余金を見ると 製造業 非製造業ともに平成 24 年度以降増加傾向となっており 平成 27 年度は 過去 10 年間で最高額となっている 全国と比較すると 全産業及び製造業は 過去 10 年間全国を上回った状況が続いているものの 非製造

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地域 ( 国 ) 別輸出入 輸出輸入差引 価額伸率価額伸率価額伸率 総額 40,131, ,530, ,785 4 アジア 21,850, ,862, ,987, 中華人民共和国 7,655,

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目 次 Ⅰ. 総括編 1. 世界各地域の人口, 面積, 人口密度の推移と予測およびGDP( 名目 ) の状況 ( 1) 2. 世界の自動車保有状況と予測 ( 5) 3. 世界の自動車販売状況と予測 ( 9) 4. 世界の自動車生産状況と予測 ( 12) 5. 自動車産業にとって将来魅力のある国々 (

平成10年7月8日

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Economic Trends    マクロ経済分析レポート

第4章 日系家電メーカーにおけるグローバル化の進展と分業再編成

データバンク 2006 年 1~9 月の日本の対 CIS 主要国貿易統計 1. ロシア /92 2. ウクライナ /94 3. カザフスタン /95 4. ウズベキスタン /96 5. アゼルバイジャン /97 表 年 1~9 月の日本の対ロシア NIS 諸国輸出入通関実績 ( 単位

仕出国別 中国来の知財侵害物品の差止件数は 1,131 件であり 仕出国別の構成比では 前年に続き全体の約 8 割 (78.7%) を占めるに至っています 一方 2 位のフィリピン来が構成比 9.7% 3 位の香港来が同 4.8% を占めるにとどまっており 中国来への一極化の傾向にあると言えます な

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I. 調査結果概況 景気判断 DI( 現状判断 ) は小幅に上昇し最高値を更新 仕入原価高止まりも客単価が上昇 10 月スーパーマーケット中核店舗における景気判断 49.1 と小幅に上昇し 2010 年 4 月の調査開始以降最高値を記録した 経営動向調査によると売上高 DI が 1.1 とはじめてプ

物価の動向 輸入物価は 2 年に入り 為替レートの円安方向への動きがあったものの 原油や石炭 等の国際価格が下落したことなどから横ばいとなった後 2 年 1 月期をピークとし て下落している このような輸入物価の動きもあり 緩やかに上昇していた国内企業物価は 2 年 1 月期より下落した 年平均でみ

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ニッセイ基礎研究所 217-1-1 東南アジア経済 ASEAN の貿易統計 (1 月号 ) ~ 輸出はスマホ用電子部品を中心に高水準を維持 経済研究部研究員斉藤誠 TEL:3-312-178 E-mail: msaitou@nli-research.co.jp 17 年 8 月のASEAN 主要 6カ国の輸出 ( ドル建て通関ベース ) は前年同月比 16.4% 増と 前月の同 18.4% 増から低下した ( 図表 1) 輸出はイスラム教のレバラン( 断食明け大祭 ) 前後の長期休暇に伴う営業日数の増減によって上下に振れているものの 今秋発売の新型スマートフォン関連の電子部品や海外経済の回復による一次産品の需要拡大を受けて高水準を維持している 先行きの輸出はスマートフォン関連製品を中心に高めの伸びを続けるだろうが 年末にかけてはベース効果の剥落や半導体需要のピークアウトを受けて伸び率は徐々に落ち着いたものになると予想する ASEANカ国の仕向け地別の輸出動向を見ると 7 月は東アジア向けが同 18.4% 増となり高水準を記録したほか 北米向け ( 同 1.8% 増 ) やEU 向け ( 同 16. 増 ) 東南アジア向け( 同 11.1% 増 ) も揃って二桁増となり 全体的に好調が続いている ( 図表 2) ( 図表 1) ( 図表 2) ASEAN6カ国の輸出額 ( 前年同月比 ) (214 年 =1) 1, 2 12 ASEAN6ヵ国計増加率 ( 右目盛 ) 9 11 ASEAN ヵ国仕向け地別の輸出動向 輸出全体東アジア東南アジア北米 EU 8 7 6 - - 1 9 8 7 4 シンガポールの輸出額は NODX( 石油と再輸出除く ) - ( 年月 ) 6 タイ マレーシア シンガポール ( 地場輸出 ) インドネシア( 非石油ガス輸出 ) フィリピンの輸出より算出 タイの17 年 8 月の輸出額は前年同月比 13.2% 増と 前月の同 1. 増から上昇し 4ヵ月連続の二桁増となった 輸出の伸びはバーツ高の影響が軽微にとどまり 電子部品やコンピュータ 家電製品などの工業製品 コメやゴムなどの農産品を中心に好調が続いている 一方 輸入額は前年同月比 14.9% 増と 前月の同 18. 増から低下した 結果 貿易収支は2.9 億ドルの黒字となり 前月から22.8 億ドル増加した ( 図表 3) 輸出を品目別に見ると 全体の約 8 割を占める主要工業製品は同 12.2% 増 ( 前月 : 同 8.6% 増 ) と上昇し 好調が続いている ( 図表 4) 工業製品の内訳を見ると 自動車 部品( 同 13.2% 減 ) が再びマイナスに転じたものの 航空機 船舶 機関車 ( 同 12.4% 増 ) がカ月連続の三桁増を記録 1 経済 金融フラッシュ 217-1-1 Copyright 217 NLI Research Institute All rights reserved

したほか 石油化学製品 ( 同 18.3% 増 ) や電子機器 ( 同 12.8% 増 ) 機械 装置( 同 9.8% 増 ) が好調を維持した また農産品 加工品が同 17.1% 増 ( 前月 : 同 2.2% 増 ) と 加工食品 ( 同 17.7% 増 ) が再び上昇したほか コメ ( 同 47.1% 増 ) やゴム ( 同 24.7% 増 ) ゴム製品( 同 44.9% 増 ) が高い伸びを維持した 鉱業 燃料は同 19. 増 ( 前月 : 同 8.4% 増 ) と 石油製品 ( 同 2.9% 増 ) を中心に上昇して2ヵ月ぶりの二桁増となった ( 図表 3) ( 図表 4) タイの貿易収支 ( 前年同月比 ) 22 6 21 タイ輸出の伸び率 ( 品目別 ) 農産品 加工品主要工業製品鉱物 燃料輸出合計 2 19 18 17 16 1 14 13 4 3 2 1 1 2 12 3 マレーシアの17 年 8 月の輸出額は前年同月比 14.1% 増と 前月の同 22.6% 増から低下したものの 二桁増を維持した 輸出の伸び率はレバラン前後の長期休暇による営業日数の増減によって上下に振れているが 主力の電気 電子製品や天然ガスを中心に好調を維持している 一方 輸入額も前年同月比 1.1% 増と 前月の同 14. 増から小幅に上昇した 結果 貿易収支は23. 億ドルの黒字と 前月から4.3 億ドル黒字が増加した ( 図表 ) 輸出を品目別に見ると 全体の約 4 割を占める機械 輸送用機器は同 12. 増 ( 前月 : 同 2.1% 増 ) と鈍化したものの 主力の電気 電子製品 ( 同 12.8% 増 ) を中心に高水準を維持した ( 図表 6) 動植物性油脂は同 12.9% 減 ( 前月 : 同 7.2% 増 ) となり パーム油 ( 同 17. 減 ) を中心に大きく低下した また鉱物性燃料は同 33.1% 増 ( 前月 : 同 41.1% 増 ) と高水準を維持した 原油 ( 同 6. 減 ) が低迷する一方 天然ガス ( 同 97.3% 増 ) と石油製品 ( 同 27.3% 増 ) が大幅に増加した このほか 製造品 ( 同 18.9% 増 ) や化学製品 ( 同 9.4% 増 ) も好調を維持した ( 図表 ) マレーシア貿易収支 2 6 19 18 17 4 16 1 3 14 2 13 ( 図表 6) ( 前年同月比 ) 2 2 マレーシア輸出の伸び率 ( 品目別 ) 鉱物性燃料 動植物性油脂 製造品 機械 輸送用機器 その他 輸出合計 12 11 1 1 2 2 経済 金融フラッシュ 217-1-1 Copyright 217 NLI Research Institute All rights reserved

インドネシアの17 年 8 月の輸出額は前年同月比 19.2% 増と 前月の同 41.1% 増から鈍化したものの 2ヵ月連続の二桁増となった 輸出の伸び率はレバラン前後の長期休暇による営業日数の増減によって上下に振れているが 中国向けを中心に電気機械や資源関連などの輸出が好調で高水準を維持している 一方 輸入額も前年同月比 8.9% 増と 前月の同 4. 増から大きく鈍化した 結果 貿易収支は17.2 億ドルの黒字と 前月から2. 億ドル増加した ( 図表 7) 輸出を品目別に見ると まず石油ガスが同 12.1% 増 ( 前月 : 同 16.7% 増 ) と高水準を維持した ( 図表 8) 非石油ガスでは まず輸出全体の7 割を占める製造品が同 21. 増 ( 前月 : 同 42.2% 増 ) となり 電気機械 ( 同 14. 増 ) やアパレル ( 同 2.9% 増 ) 動植物性油脂( 同 42. 増 ) などが幅広く増加した また鉱業品は同 16.6% 増 ( 前月 : 同.8% 増 ) と高水準を維持した一方 農産品は同 2.4% 減 ( 前月 : 同 76.7% 増 ) とマイナスに転じた ( 図表 7) ( 図表 8) インドネシアの貿易収支 ( 前年同月比 ) 18 17 16 1 14 13 2 1 1 インドネシア輸出の伸び率 ( 品目別 ) 4 農産品 製造品 鉱業品 石油ガス 輸出額 3 2 12 11 1 9 1 2 8 2 3 ベトナムの17 年 8 月の輸出額は前年同月比 22.8% 増と 前月の同 19. 増からやや上昇し 7ヵ月連続の二桁増を記録した 輸出の伸び率は昨年後半に主力の電気 電子製品が勢いを取り戻して以降 政府目標 (17 年は +6~7%) を上回る伸びが続いている 一方 輸入額は前年同月比 16.9% 増 ( 前月 : 同 2.8% 増 ) と低下した結果 貿易収支は1.9 億ドルの黒字となり 前月から13.2 億ドル増加した ( 図表 9) 輸出を品目別に見ると 輸出全体の約 2 割を占める電話 部品が同 39. 増 ( 前月 : 同 14.6% 増 ) と一段と上昇し カ月連続の二桁増を記録した ( 図表 1) 電話 部品の好調はサムスン電子の新型スマートフォン発売の影響で高い伸びが続いているが 年末には落ち着いていくものと見られる またコンピュータ 電子部品も同 34.4% 増 ( 前月 : 同 33.1% 増 ) と高水準が続き 1カ月連続の二桁増となった アパレル関連では織物 衣類が同 9.1% 増 ( 前月 : 同 7.1% 増 ) 履物が同 1. 増 ( 前月 : 同 12.7% 増 ) と 総じて高い伸びを維持している 農産品ではコーヒー ( 同 23.9% 減 ) が落ち込む一方 好天に恵まれてコメ ( 同 4. 増 ) や野菜 ( 同 44.7% 増 ) ゴム( 同 38.8% 増 ) などが好調に推移している 輸出を資本別に見ると 地場企業が同 18.7% 増 ( 前月 : 同 21. 増 ) と低下した一方 全体の7 割を占める外資系企業が同 24. 増 ( 前月 : 同 18.2% 増 ) と上昇した 3 経済 金融フラッシュ 217-1-1 Copyright 217 NLI Research Institute All rights reserved

( 図表 9) ( 前年比 ) 4 3 ベトナム貿易収支の推移 純輸出輸出伸び率輸入伸び率 2 2 1 ( 図表 1) ( 前年同月比 ) 3 3 2 ベトナム輸出の伸び率 ( 品目別 ) 電話 部品 織物 衣類 コンピュータ 電子部品 履物 その他 輸出合計 2 1 2 2 1 3 4 2 シンガポールの17 年 8 月の輸出額 ( 石油と再輸出除く ) は前年同月比 1.8% 増 ( 前月 : 同 6.1% 増 ) と上昇し ヵ月ぶりの二桁増となった 輸出は医薬品の不振が続いているものの 主力の電子製品と石油化学製品を中心に勢いが増してきている なお 総輸出額は前年同月比 14.1% 増 ( 前月 : 同 1.1% 増 ) 総輸入額も同 14.8% 増 ( 前月 : 同 14. 増 ) と それぞれ上昇した結果 貿易収支は41.4 億ドルの黒字と 前月から.3 億ドル黒字が縮小した ( 図表 11) 輸出 ( 石油と再輸出除く ) を品目別に見ると まず全体の約 3 割を占める電子製品は同 2. 増と 前月の同 3.1% 増から大きく上昇した ( 図表 12) 電子製品の内訳を見ると 通信機器( 同.2% 増 ) とダイオード トランジスタ ( 同 2. 増 ) が伸び悩む一方 IC( 同 3.4% 増 ) やPC( 同 17.1% 増 ) PC 部品 ( 同 1. 増 ) がそれぞれ上昇した また電子製品と同じく全体の約 3 割を占める化学製品は同 14.8% 増と 前月の同 1.9% 減からプラスに転じた 化学製品の内訳を見ると 石油化学製品が同 3.6% 増 ( 前月 : 同 36.3% 増 ) と高水準を維持する一方 医薬品が同 1. 減 ( 前月 : 同 4.3% 減 ) とマイナス幅が縮小した ( 図表 11) シンガポール貿易収支 38 7 貿易収支 ( 右目盛 ) 総輸出額 総輸入額 36 6 34 32 3 4 28 26 3 24 2 22 1 2 18 ( 図表 12) ( 前年同期比 ) シンガポール輸出の伸び率 ( 品目別 ) 2 電子製品医薬品その他化学製品その他非石油輸出 ( 再輸出除く ) 2 2 フィリピンの17 年 8 月の輸出額は前年同月比 9.3% 増と 前月の同 11. 増からやや低下した 輸出は海外経済の回復を受けて電子製品を中心に概ね二桁増で推移してきたが 足元ではベース効果が剥落して輸出の勢いは弱まりつつある 一方 輸入額は前年同月比 1. 増 ( 前月 : 同 3.2% 減 ) と3ヵ月ぶりのプラスとなった 結果 貿易収支は24.1 億ドルの赤字と 前月から7.9 億ドル赤字が 4 経済 金融フラッシュ 217-1-1 Copyright 217 NLI Research Institute All rights reserved

拡大した ( 図表 13) 輸出シェア上位 1 品目を見ると まず輸出全体の約 割を占める電子製品は同 3. 増と 前月の同 11.8% 増から低下した ( 図表 14) 電子製品の内訳を見ると 遠距離通信機器( 同 43.8% 減 ) と電子データ処理機 ( 同.4% 減 ) が落ち込んだほか 半導体デバイス ( 同 3.6% 増 ) や計測制御機器 ( 同 2.6% 増 ) が伸び悩んだ その他 9 品目については金 ( 同 186.7% 増 ) や機械 輸送用機器 ( 同 7. 増 ) 電子機械 部品(71.2% 増 ) ココナッツオイル( 同 61.2% 増 ) 金属部品( 同 22.6% 増 ) その他製造品( 同 13.8% 増 ) が増加した一方 その他鉱業品 ( 同 19. 減 ) 化学( 同 6.6% 減 ) イグニッション ワイヤーセット( 同 2.7% 減 ) が減少するなど 総じて増加した品目が多かった ( 図表 13) フィリピンの貿易収支 9 1 貿易収支 ( 右目盛 ) 輸出額 輸入額 1 8 7 6 1 4 2 3 2 2 3 ( 図表 14) ( 前年同期比 %) フィリピン輸出の伸び率 ( 品目別 ) 2 2 一次産品 燃料電子製品その他製品など輸出合計 2 ( お願い ) 本誌記載のデータは各種の情報源から入手 加工したものであり その正確性と安全性を保証するものではありません また 本誌は情報提供が目的であり 記載の意見や予測は いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません 経済 金融フラッシュ 217-1-1 Copyright 217 NLI Research Institute All rights reserved