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経済・物価情勢の展望(2017年10月)

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金融政策決定会合における主な意見

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

平成30年全国証券大会における挨拶

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

退職等年金給付積立金 平成30年度第2四半期運用状況

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

わが国の経済・物価情勢と金融政策

短期均衡(2) IS-LMモデル

第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )

マイナス金利付き量的 質 的金融緩和と日本経済 内閣府経済社会総合研究所主任研究員 京都大学経済学研究科特任准教授 敦賀貴之 この講演に含まれる内容や意見は講演者個人のものであり 内閣府の見解を表すものではありません

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

月例経済報告

2018 年度第 3 四半期運用状況 ( 速報 ) 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に判断することが必要ですが 国民の皆様に対して適時適切な情報提供を行う観点から 作成 公表が義務付けられている事業年度ごとの業務概況書のほか 四半期ごとに運用状況の速報として公表を行うも

通貨及び金融の調節に関する報告書(平成30年12月)


< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

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目 次 1. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) における運用環境について 2. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) のポートフォリオ別の運用状況 3. ベンチマーク インデックスの推移 ( 参考 ) 被保険者ポート

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

平成23年11月1日

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総裁定例会見(1月23日)要旨

スライド 1

月例経済報告

(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2

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( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

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第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +0.09% 実現収益率 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用収益額 億円 実現収益額 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用資産残高 ( 第 2 四半期末 ) 357 億円 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に

現実の金融政策 2016 年 1 月より政策委員 9 名 ( 総裁 副総裁を含む ) 年 8 回 ( 通常 1 月 4 月 7 月 10 月 ) ただし実施月は2 回ずつ 金融政策決定会合 金融政策を具体的にどのように運営していくのか 金融政策の方針を決定 ( 金融市場調節方針 ) 本来 金利ターゲ

はじめに日銀は 1 月 29 日に マイナス金利付き量的 質的金融緩和 の導入を決定し 金融緩和の拡大に踏み切った これまで 量的 質的金融緩和 という異例の大規模緩和を 3 年近く続けたにも関わらず 日銀が政策目標とする物価上昇率は足元でゼロ % 近傍に止まっている 原油価格の大幅下落という想定外

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おカネはどこから来てどこに行くのか―資金循環統計の読み方― 第4回 表情が変わる保険会社のお金

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円 N 先週のメキシコペソ相場今週の見通し 12 月 17 日 - 12 月 21 日取引レンジ 5.53 円 円想定レンジ 5.50 円 円 対円レートは強含み 大幅な歳出拡大計画の発表が期待されており 歳出拡大による景気浮揚への期待が高まったことから 投機的なペソ売り

平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

平成29年度公金管理運用計画

受益者の皆様へ 平成 28 年 2 月 15 日 弊社投資信託の基準価額の下落について 平素より弊社投資信託をご愛顧賜り 厚くお礼申しあげます さて 先週末 2 月 12 日 ( 金 ) 以下のファンドの基準価額が 前営業日の基準価額に対して 5% 以上下落しており その要因につきましてご報告いたし


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平成26年度公金管理運用計画

発行日取引の売買証拠金の代用有価証券に関する規 同じ ) であって 国内の金融商品取引所にその株券が上場されている会社が発行する転換社債型新株予約権社債券 ( その発行に際して元引受契約が金融商品取引業者により締結されたものに限る ) 100 分の80 (7) 国内の金融商品取引所に上場されている交

平成28年度公金管理運用計画

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平成 28 年度第 3 四半期退職等年金給付組合積立金運用状況 警察共済組合

変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

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有価証券管理規程 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 株式会社 ( 以下 会社 という ) の有価証券の運用および管理を適正に行うため 会社の保有する有価証券に関する管理基準および管理手続を定めるとともに 余裕資金の有効運用ならびに経営効率の向上を図ることを目的とする ( 有価証券の

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黒田総裁が 10 月 6 7 日の金融政策決定会合や 直前の参議院財政金融委員会 (10/28) でも物価目標達成への自信を示していたため 市場では今回は追加緩和が行われないとの見方が大勢であった 追加緩和は市場にとってサプライズとなり 株高 円安が進展することとなった 日銀は 追加緩和を行った理由

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平成 25 年度の契約業績 契約高 新契約高 ( 個人保険 個人年金保険 ) 2 兆 1,642 億円 ( 前年度比 139.0%) 保有契約高 ( 個人保険 個人年金保険 ) 8 兆 7,663 億円 ( 前年度末比 123.0%) 平成 25 年度における個人保険新契約高は 平成 23 年 3

企業活動のグローバル化に伴う外貨調達手段の多様化に係る課題

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目次 平成 29 年度 第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) P 2 平成 29 年度 市場環境 ( 第 2 四半期 ) 1 P 3 平成 29 年度 市場環境 ( 第 2 四半期 ) 2 P 4 平成 29 年度 退職等年金給付組合積立金の資産構成割合 P 5 平成 29 年度 退職等年金給付組合

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とリスク とは とは 運用を行った結果得られる損益です 収益がプラスでもマイナスでも 投資したからの差額がとなります パターン 1 が変動せずに 利息等の収益金を得た場合 利息等 パターン2 投資した商品の価格が上昇した場合 とリスクの関係 運用するときには低いリスクで高いを得ることが最も望ましいの

資産運用関係補足説明資料

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日本の低金利の状況が続く中 外貨の好金利で運用し 当面の間 なるべく ふやす 外貨への関心が高まっているのをご存知ですか そして将来は たくわえた資産を 実は 家計における外貨資産は20年で約4倍に増加しています 商商商商品品品品パパパパンンンンフフフフレレレレッッッットトトト 詳細は P.25-2

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

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Transcription:

通貨及び金融の調節に関する報告書 の概要 Ⅰ. 本報告書の位置付け等 本報告書は 日本銀行法第 54 条第 1 項に基づき 日本銀行が財務大臣を経由 して国会に提出する報告書である 今回は平成 30 年 4 月 ~9 月分 < 参考 > 日本銀行法第 54 条第 1 項 日本銀行は おおむね六月に一回 政策委員会が議決した第 15 条第 1 項各号に掲げる事項の内容及びそれに基づき日本銀行が行った業務の状況を記載した報告書を作成し 財務大臣を経由して国会に提出しなければならない 日本銀行法第 15 条第 1 項 次に掲げる通貨及び金融の調節に関する事項は 委員会の議決による 一第 33 条第 1 項第 1 号の手形の割引に係る基準となるべき割引率その他の割引率並びに当該割引に係る手形の種類及び条件の決定又は変更 二第 33 条第 1 項第 2 号の貸付けに係る基準となるべき貸付利率その他の貸付利率並びに当該貸付けに係る担保の種類 条件及び価額の決定又は変更 三準備預金制度に関する法律 ( 昭和 32 年法律第 135 号 ) 第 4 条第 1 項に規定する準備率及び基準日等の設定 変更又は廃止 四第 33 条第 1 項第 3 号に規定する手形 債券又は電子記録債権 ( 電子記録債権法 ( 平成 19 年法律第 102 号 ) 第 2 条第 1 項に規定する電子記録債権をいう 以下この号及び第 33 条第 1 項において同じ ) の売買その他の方法による金融市場調節 ( 金融市場を通じて行う通貨及び金融の調節 ( 公開市場操作を含む ) をいう ) の方針並びに当該金融市場調節に係る手形 債券又は電子記録債権の種類及び条件その他の事項の決定又は変更 五その他の通貨及び金融の調節に関する方針の決定又は変更 六前各号に掲げる事項の基礎となる経済及び金融の情勢に関する基本的見解その他通貨及び金融の調節に関する日本銀行としての見解の決定又は変更 1

Ⅱ. 本報告書の概要 ( 経済の情勢 ) 1. 平成 30 年度上期のわが国の経済を振り返ると 所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで 緩やかに拡大した 輸出は 海外経済が総じてみれば着実な成長を続けたことを背景に 増加基調を辿った 国内需要をみると 住宅投資は横ばい圏内で推移したほか 公共投資も高めの水準を維持しつつ横ばい圏内で推移した 一方 設備投資は 企業収益が改善基調を辿り 業況感も良好な水準で推移するもとで 増加傾向を続けた 個人消費は 雇用 所得環境の着実な改善を背景に 振れを伴いながらも 緩やかに増加した 以上の内外需要のもとで 鉱工業生産は 増加基調を辿った 2. 物価の動向についてみると 消費者物価 ( 除く生鮮食品 ) の前年比は 30 年 度上期末には 1% 程度の伸びになった 予想物価上昇率は 横ばい圏内で推移 した ( 金融面の動向 ) 3. 短期金融市場では 全般として 金利は低水準で推移した 債券市場の動向をみると 長期金利は 7 月の金融政策決定会合の前後で幾分振れる場面がみられたが 長短金利操作付き量的 質的金融緩和 のもとで 操作目標である ゼロ % 程度 で安定的に推移した 株価は 円安ドル高の進行等を背景に 5 月中旬には 22 千円台後半まで上昇した その後 保護主義的な通商政策を巡る不透明感や欧州の政治情勢への懸念等から幾分下落する場面もみられたが 9 月中旬以降はそうした不透明感が幾分後退する中 円安ドル高の進行もあって上昇し 9 月末には 24 千円台となった 為替市場では 円の対ドル相場は 5 月中旬までは米金利が上昇するもとで円安ドル高の動きとなった その後は 保護主義的な通商政策を巡る不透明感や欧州の政治情勢への懸念等から円高ドル安に振れる場面もみられたが 9 月末には そうした不透明感が幾分後退するもとで円安ドル高の動きとなり 113 2

円台となった 円の対ユーロ相場は 均してみれば横ばい圏内の動きとなった 4. 企業金融について 資金供給面をみると 企業からみた金融機関の貸出態度は 大幅に緩和した状態であった 資金需要面をみると 設備投資向けなどの資金需要が増加した 企業の資金調達動向をみると 民間銀行の貸出残高の前年比は 2% 程度のプラスで推移した CPおよび社債の発行残高の前年比は 高めのプラスで推移した 5. マネタリーベース ( 流通現金 + 日本銀行当座預金 ) は 前年比で 6~8% 程 度の伸びを続けた マネーストック (M2) の動向をみると 前年比 3% 程度 で推移した ( 金融政策決定会合における検討 決定 ) 6. 30 年度上期中には 金融政策決定会合を計 4 回開催した 金融経済情勢について すべての会合において わが国の景気は 所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで 緩やかに拡大していると判断した 7. 金融政策運営面では 4 月と6 月の会合において 28 年 9 月の会合で決定した 長短金利操作付き量的 質的金融緩和 のもとでの 以下の金融市場調節方針および資産買入れ方針を継続することとした (1) 長短金利操作 ( イールドカーブ コントロール ) 次回会合までの金融市場調節方針は 以下のとおりとする 短期金利 : 日本銀行当座預金のうち政策金利残高に 0.1% のマイナス金利を適用する 長期金利 :10 年物国債金利がゼロ % 程度で推移するよう 長期国債の買入れを行う 買入れ額については 概ね現状程度の買入れペース ( 保有残高の増加額年間約 80 兆円 ) をめどとしつつ 金利操作方針を実現するよう運営する 3

(2) 資産買入れ方針長期国債以外の資産の買入れについては 以下のとおりとする 1 ETFおよびJ-REITについて 保有残高が それぞれ年間約 6 兆円 年間約 900 億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う 2 CP 等 社債等について それぞれ約 2.2 兆円 約 3.2 兆円の残高を維持する 7 月の会合では 強力な金融緩和を粘り強く続けていく観点から 以下のとおり 政策金利のフォワードガイダンスを導入することにより 物価安定の目標 の実現に対するコミットメントを強めるとともに 長短金利操作付き量的 質的金融緩和 の持続性を強化する措置を決定した (1) 政策金利のフォワードガイダンス日本銀行は 31 年 10 月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済 物価の不確実性を踏まえ 当分の間 現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している (2) 長短金利操作 ( イールドカーブ コントロール ) 次回会合までの金融市場調節方針は 以下のとおりとする 短期金利 : 日本銀行当座預金のうち政策金利残高に 0.1% のマイナス金利を適用する 長期金利 :10 年物国債金利がゼロ % 程度で推移するよう 長期国債の買入れを行う その際 金利は 経済 物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうるものとし 買入れ額については 保有残高の増加額年間約 80 兆円をめどとしつつ 弾力的な買入れを実施する (3) 資産買入れ方針長期国債以外の資産の買入れについては 以下のとおりとする 1 ETFおよびJ-REITについて 保有残高が それぞれ年間約 6 兆円 年間約 900 億円に相当するペースで増加するよう買入 4

れを行う その際 資産価格のプレミアムへの働きかけを適切に行う観点から 市場の状況に応じて 買入れ額は上下に変動しうるものとする 2 CP 等 社債等について それぞれ約 2.2 兆円 約 3.2 兆円の残高を維持する また 7 月の会合では 上記の措置と合わせて 以下の実務的な対応を行うこととした (1) 政策金利残高の見直し日本銀行当座預金のうち マイナス金利が適用される政策金利残高 ( 金融機関間で裁定取引が行われたと仮定した金額 ) を 長短金利操作の実現に支障がない範囲で 現在の水準 ( 平均して 10 兆円程度 ) から減少させる (2)ETFの銘柄別の買入れ額の見直し ETFの銘柄別の買入れ額を見直し TOPIXに連動するETFの買入れ額を拡大する 9 月の会合では 7 月の会合で決定した金融市場調節方針および資産買入れ 方針を継続することとした 先行きの金融政策運営について 4 月と6 月の会合では 2% の 物価安定の目標 の実現を目指し これを安定的に持続するために必要な時点まで 長短金利操作付き量的 質的金融緩和 を継続する 消費者物価指数 ( 除く生鮮食品 ) の前年比上昇率の実績値が安定的に2% を超えるまで マネタリーベースの拡大方針を継続する 今後とも 経済 物価 金融情勢を踏まえ 物価安定の目標 に向けたモメンタムを維持するため 必要な政策の調整を行う との考え方を示した また 7 月と 9 月の会合では 2% の 物価安定の目標 の実現を目指し これを安定的に持続するために必要な時点まで 長短金利操作付き量的 質的 5

金融緩和 を継続する マネタリーベースについては 消費者物価指数 ( 除く生鮮食品 ) の前年比上昇率の実績値が安定的に2% を超えるまで 拡大方針を継続する 政策金利については 31 年 10 月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済 物価の不確実性を踏まえ 当分の間 現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している 今後とも 金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検を行うとともに 経済 物価 金融情勢を踏まえ 物価安定の目標 に向けたモメンタムを維持するため 必要な政策の調整を行う との考え方を示した ( 日本銀行のバランスシートの動き ) 8. 9 月末における日本銀行のバランスシートの規模を総資産残高でみると 545.7 兆円 ( 前年比 +6.3%) となった 6