建設会社における新型インフルエンザ対策マニュアル 本マニュアルについて 新型インフルエンザ (A/H1N1) については 本年 5 月に国内初感染が確認された後 8 月には厚生労働省から 流行シーズンに入った との発表が行われ 秋冬に向けた大量の感染者発生が懸念されている これを受け 国土交通省にお

Similar documents
さらに 職場における感染防止対策の検討を行うに当たっては 産業医等の助 言を受けることや 衛生委員会において対策を審議するなど 労働安全衛生法上 の安全衛生管理体制を活用し 実施していくことが望まれます Q2 発熱や呼吸器症状等のインフルエンザ様症状を呈した労働者にはどのような注意をすればよいですか

日本医師会作成版を元に北上医師会会員向けに一部修正を加えました ( 以下赤文字及び下線部は 各医療機関の実情に応じて記載 変更する ) 新型インフルエンザ等発生時における診療継続計画 ( 案 ) 医院 本計画は当院 新型インフルエンザ等に関する院内対策会議 により平成 年 月 日作成され たものであ

目 次 中小企業 BCP 策定運用指針と本資料について 1 1. 新型インフルエンザ A(H1N1) への対応について 2 1 新型インフルエンザ A(H1N1) の概要 2 2 政府及び企業の対応 4 3 新型インフルエンザによる事業リスク 8 2. 事業継続計画について 9 1 事業継続計画の概

インフルエンザ(成人)

インフルエンザ、鳥インフルエンザと新型インフルエンザの違い

評価項目 A Bともすべての項目に を入れてください 評価項目 A 宣言内容 ( 共通項目 ) チェック項目 取り組み結果 出来た概ね出来た出来なかった 1 経営者が率先し 健康づくりに取り組みます 健康宣言証の社内掲示など 健康づくりに関する企業方針について 従業員へ周知していますか? 経営者自身

<4D F736F F D20926E C5E B8FC797E192E88B CC8DC489FC92E88E9696B D2E646F63>

<報道資料>

< F2D817988C482C682EA94C5817A895E97708E77906A2E6A7464>

pdf0_1ページ目

<4D F736F F D208D B B835896F2938A975E82CC8D6C82A695FB2E646F63>

(Microsoft Word - 7-\214\247\215s\223\256\214v\211\346\207V-4 - \203R\203s\201[2.doc)

日医発第437(法安23)

pdf0_1ページ目

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

Microsoft PowerPoint - 感染対策予防リーダー養成研修NO4 インフルエンザ++通所

<4D F736F F D C5E B CE8DF48BC696B18C7689E6288E7792E88CF68BA48B408AD6292E646F6378>

個人及び一般家庭・コミュニティ・市町村における

Microsoft Word - 【セット版PDF】131105_H25今冬のインフルエンザ総合対策.docx

症候性サーベイランス実施 手順書 インフルエンザ様症候性サーベイランス 編 平成 28 年 5 月 26 日 群馬県感染症対策連絡協議会 ICN 分科会サーベイランスチーム作成

< F2D8BC68A4582A082C42E6A7464>

(\212T \227v.xls)

PowerPoint プレゼンテーション

別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

Microsoft Word - SwineFlu QA.doc

振り返り評価シート

2. 予防 1) 予防接種 入院している多くの免疫不全患者への感染源にならないためにも 病院で勤務するすべての 職員に対してインフルエンザワクチンの接種を推奨する ただし過去にインフルエンザワクチンで 重症なアレルギー反応があった者は禁忌である 接種可能かどうかの相談は感染管理担当課で 行う 患者へ

事業者・職場における新型インフルエンザ対策

るとされている また 人から人への感染は極めて稀であり 家族内での感染が 過去数例報告されている (5) 季節性インフルエンザ季節性インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染して起こる病気で 風邪よりも 比較的急速に悪寒 高熱 筋肉痛 全身倦怠感を発症させるのが特徴である 我が国では例年 12 月

平成18年度標準調査票

 宇宙vol.61.indd

中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律

廃棄物処理における新型インフルエンザ対策ガイドライン

にしわが.indd

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

<4D F736F F D C0837D836C8EE888F882AB95CA FAC8B4B96CD8E968BC68ED2816A>

学校における新型インフルエンザ対応に関する情報提供について(地II50:H )

平成 29 年度定期監査 ( 第 1 回 ) の結果報告に基づき講じた措置内容等 墨田区長 監査委員意見について 監 査 結 果 の 内 容 措 置 内 容 (1) 事務処理の適正化について今回の監査では指摘事項に該当する事例はなかったものの 指導 注意事項の事例については これまでの重ねての指摘に

Taro-07_学校体育・健康教育(学

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

<4D F736F F D C5E B CA48F4389EF838C E646F63>

2019 年 7 月 4 日 ( 木 ) 愛知県保健医療局健康医務部健康対策課感染症グループ担当内田 久野内線 ダイヤルイン 手足口病警報を発令します!! 愛知県では 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 に基づき 県内の小児科を標榜する

pdf0_1ページ目

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

< F2D8E9696B D2E6A7464>

(2) 様式例の記載例ア勤務情報提供書 労働者 事業者において作成 A さん 人事 上司 産業医とで復職後の働き方について話し合った結果 A さん自身の希望もあり 元の営業職での復帰を長期的な目標にしつつ 復職後しばらくは治療の内容や体調を考慮し 外勤や出張 残業は避け デスクワーク中心の業務とする

れている者 個人事業所で5 人以上の作業員が記載された作業員名簿において 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 年金保険欄に 国民年金 と記載されている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう指導すること なお 法人や 5 人

<4D F736F F F696E74202D E9197BF A B90D88E9688C482CC8DC494AD96688E7E82C98CFC82AF82C482CC8E7793B1814

説明 感染症の対応について

はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

安全管理規程

インフルエンザ院内感染対策

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 第 50 週の報告数は 前週より 39 人減少して 132 人となり 定点当たりの報告数は 3.00 でした 地区別にみると 壱岐地区 上五島地区以外から報告があがっており 県南地区 (8.20) 佐世保地区 (4.67) 県央地区 (4.67) の定点当たり報告数は

児童発達支援又は放課後等デイサービス事業に係る自己評価結果公表用(あかしゆらんこクラブ)

)各 職場復帰前 受入方針の検討 () 主治医等による 職場復帰可能 との判断 主治医又はにより 職員の職場復帰が可能となる時期が近いとの判断がなされる ( 職員本人に職場復帰医師があることが前提 ) 職員は健康管理に対して 主治医からの診断書を提出する 健康管理は 職員の職場復帰の時期 勤務内容

<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF E894A8AFA8B7982D191E495978AFA82C982A882AF82E996688DD091D490A882CC8BAD89BB82C982C282A282C4816A48502E646F63>

<4D F736F F F696E74202D B AB490F591CE8DF482AD947A957A8E9197BF816A2E >

Ⅰ. はじめに はじめに 調査プロジェクトの一環として 外部会場を利用した実査 ( 会場調査 CLT やグループインタビュー等 ) の実施時における 台風 地震 火災その他の災害に対する対応の指針として ここに JMRA 外部会場における調査時の緊急時対応ガイドライン を定める 当ガイドラインは 調

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F D D9197A791E58A C8FAC924D8FA489C891E58A77838A E837D836C B4B92F65F E332E398E7B8D73816A>

2. 今後想定すべき事態 (1)SARS 流行の振り返り前述の通り MERS( マーズ ) コロナウイルスは 2003 年に中国を中心に流行した SARS ウイルスに類似したウイルスである そこで 今後の MERS( マーズ ) コロナウイルスの感染の拡大等を考えるにあたって SARS の流行を振り

< F2D816994D48D FA957493FC816A >

 

特別養護老人ホーム ( 入所施設 ) 事業継続計画概要 ( 優先業務 ) 優先業務の考え方 : 介護保険法及び 指定介護老人福祉施設の人員 設備及び運営に関する基準 の定め (= 最低基準 ) を遵守することを最低限守るべき業務レベルとする その上で 利用者の生命維持に重大 緊急の影響がないと考えら

pdf0_1ページ目

スライド タイトルなし

子育て支援に関する行政評価・監視結果報告書-非常時における保育施設等の迅速かつ適切な臨時休園の判断の推進

特別支援学校における介護職員等によるたんの吸引等(特定の者対象)研修テキスト

Q&A(最終)ホームページ公開用.xlsx

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

MR通信H22年1月号

Microsoft Word - 日薬連宛抗インフル薬通知(写).doc

平成19年度 病院立入検査結果について

平成27年度事業計画書

特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施の手引き 新旧対照表 改正後 特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施の手引き 現行 ICT を活用した特定保健指導の実施の手引き 最終改正平成 30 年 2 月 9 日 1.ICTを活用した特定保健指導の実施者保険

Microsoft Word - 薬食安発1128第9号

平成22 年 11月 15日


放射線部

インフルエンザ

インフルエンザ施設内感染予防の手引き

スライド タイトルなし

Microsoft Word - 案1 (写).docx

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

インフルエンザ定点以外の医療機関用 ( 別記様式 1) インフルエンザに伴う異常な行動に関する調査のお願い インフルエンザ定点以外の医療機関用 インフルエンザ様疾患罹患時及び抗インフルエンザ薬使用時に見られた異常な行動が 医学的にも社会的にも問題になっており 2007 年より調査をお願いしております

別添 事業者向け放課後等デイサービス自己評価表 及び 保護者等向け放課後等デイサービス評価表 について 放課後等デイサービスガイドライン ( 以下 ガイドライン ) は 放課後等デイサービス事業所における自己評価に活用されることを想定して作成されたものですが 各事業所で簡易に自己評価を行うことができ

平成 26 年 3 月 6 日千葉医療センター 地域医療連携ネットワーク運用管理規定 (Ver.8) 千葉医療センター地域医療連携ネットワーク運用管理規定 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条この運用管理規定は 千葉医療センター地域医療連携ネットワーク ( 以下 千葉医療ネットワーク ) に参加

ã•⁄社僖çfl¨ã‡¢ã…³ã‡±ã…¼ã…‹ 2018ã••11朋.xls

<4D F736F F D CD C6944E8BE0816A8A748B638C8892E C C816A2E646F6378>

インフルエンザ施設内感染予防の手引き

ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)  レベル診断チェックシート

Microsoft Word - 表紙

社会保険等未加入に対する取組 平成 29 年度を目途に 企業単位では加入義務のある建設業許可業者の加入率 100% となるよう社会保険等未加入企業に対する加入指導を強化します 実施項目経営事項審査の厳格化 平成 24 年 7 月より実施 建設業担当部局による立入検査 実施内容 経営事項審査において

Q&A 集 Q1 社会保険等とは何か A1 社会保険等とは 健康保険 ( 協会けんぽ 健康保険組合等 ) 厚生年金保険 及び雇用保険をいいます Q2 国民健康保険組合に加入しているが 社会保険等未加入建設業者となるのか A2 法人や常時 5 人以上の従業員を使用する国民健康保険組合に加入している建設

学校における新型インフルエンザ対応に関する情報提供について(地II36・H )

受付 母子受付 妊婦受付の設置 各書類と筆記用具 書類箱の準備 リーダー * 具体的な責任者名 あるいは役職を書くを確認する 受付と案内 (* 具体的な場所を書くに配置 ) の要員振り分け < 母子 妊婦到着時 > 母子は母子受付 妊婦は妊婦受付へ案内する 父親は体育館に入る * 家族の部屋を明記す

Microsoft Word - 内部統制システム構築の基本方針.doc

Transcription:

建設会社における新型インフルエンザ対策マニュアル 平成 21 年 10 月 社団法人大阪建設業協会 総合企画委員会 法令制度検討部会 - 0 -

建設会社における新型インフルエンザ対策マニュアル 本マニュアルについて 新型インフルエンザ (A/H1N1) については 本年 5 月に国内初感染が確認された後 8 月には厚生労働省から 流行シーズンに入った との発表が行われ 秋冬に向けた大量の感染者発生が懸念されている これを受け 国土交通省においては 9 月 8 日 国土交通省新型インフルエンザ対策本部局長 課長級会議において 国土交通省新型インフルエンザ (A/H1N1) 感染防止対策等について を決定し 同日発表された 同対策においては 新型インフルエンザについては 1 感染力は強いが 多くの感染者は軽症のまま回復していること 2 抗インフルエンザウイルス薬の治療が有効であることなど季節性インフルエンザと類似する点が多いこと 3 基礎疾患を有する者を中心に重症化しやすいと考えられていることといった特徴を踏まえ 各事業者及び事業者団体において その事業形態や事業の特性 地域の実情等に応じて 創意工夫を凝らしたきめ細やかな感染防止対策等を講じ 新型インフルエンザ対応マニュアル として予め策定することが求められた 本マニュアルは 新型インフルエンザウイルスの伝染による事業活動並びに社会生活への影響を最小限にとどめるための対応マニュアルの策定にあたり 会員企業の参考に供することを目的に作成したものである なお 本マニュアルは あくまでも新型インフルエンザへの対応を念頭に作成したものであり 強毒性の鳥インフルエンザ等に対しては より厳格な対応が求められることはいうまでもないが 現段階で同時にマニュアル化するのは困難であるため あくまで新型インフルエンザ対策とした 今後は 鳥インフルエンザ等 強毒性のインフルエンザ発生に備え 社内における新型インフルエンザの感染状況等 社内での影響を統計学的に十分分析し 来るべき時にそれらを活用できるよう準備することが必要である 平成 21 年 10 月作成 - 1 -

1. 事前準備 1マスク等感染拡大防止用品の備蓄マスクの備蓄は 社員数 40 日分の備蓄が理想であり 社員個人での備蓄についても指導する必要がある 併せて 飛沫感染を防止し効果を発揮させるためには 正しい着け方を普段から身につけるよう広報する必要がある (P8 参考資料参照 ) また アルコールを含んだ手指消毒剤消毒液の備蓄 2 感染防止対策の徹底第一に新型インフルエンザの感染防止対策を徹底することが重要であるが 新型インフルエンザの感染防止策は 一般の人々が普段の生活の中で実施できるものも多い 有効と考えられる感染防止策としては 外出後の手洗い うがいの励行があげられ 職場内におけるうがい 手洗い 手指消毒に関する指導を徹底することが重要である また 副作用のリスクを理解させたうえで 職員に対し 季節性インフルエンザの予防接種を受けることを勧奨する これによって インフルエンザ様の症状を有する社員が発生する可能性が減少し 職場に混乱を来す可能性を減少させ 医療機関の混雑や抗インフルエンザウイルス薬であるタミフル リレンザ等の不足を防ぐ等 社会的な効果も期待できる 3 会社としての体制 社員への対策マニュアルの周知徹底担当部署を設置し 体制 ( インフルエンザ対策担当 責任者等 ) および連絡体制を整備し どのレベルから準備にかかるのか ( 発令までの準備期間を含め ) など 社内体制を整備し 社員への対策マニュアルの周知徹底を図っておく 4 各部門として取り組むべき事項全社として取り組む必要があることから 経営部門 総務部門 現場統括部門 インフルエンザ対策担当部門といった部門単位ごとに対策を整理し それぞれの部門ごとに日常の業務の流れ ( 行動形態 ) を整理し その流れの中でどこに新型インフルエンザの感染リスク ( 飛沫感染及び接触感染 ) のおそれがあるかを把握し それらに諸々に応じた対策をとる ( 経営部門 ) 企業内訓練の企画 実施 職員の欠勤が増加した場合の事業継続方針 ( 業務の優先順位付けや優先業務に関する人員の配置等 ) の決定 - 2 -

責任者が発症した場合の権限委譲方法の決定 協力要請できる関係者 会社の整理 把握等 ( 総務部門 ) 基礎疾患を有する者や妊娠中の人 乳幼児 高齢者等を家族に有する者等の把握 職員の家族における発症事例の把握 情報収集 まん延時における出勤時間帯の見直しや公共交通機関の利用見直し 給与 就業規則の見直しや労働組合との調整等 * 基礎疾患 : 肺疾患 糖尿病 腎臓病などをいう ( 現場統括部門 ) 勤務時の手袋や軍手の着用 勤務 ( 中 随時 後 ) のうがいや手洗いの励行 感染防止に関する留意事項を記載したポスターの掲示 カード等の作成 インフルエンザ様の症状が発生した場合の報告の徹底 まん延時における朝礼の廃止 会議の延期 申止等 ( インフルエンザ対策担当 ) 掲げた対策の実効が上がるようインフルエンザ対策の中心となり 状況に応じて職場内における感染防止に向けて可能な対策を検討し 順次実行していく 2. 対策発令 大阪府内 ( あるいは近府県 ) で新型インフルエンザ感染者が発生あるいは流行し ( 平成 21 年 10 月現在は流行中 ) 大阪府あるいは府下の自治体から学校の休校や 不特定多数の人が集まるイベント等の中止が勧告された場合 社員及び来訪者の感染のリスクが高まると考えられることから対策に着手する 3. 店社内における感染予防 感染拡大予防策 (1) 基本的感染予防社員 外来者に対し 入室前に手洗い又は手指の消毒を行ってもらうため 入口に手洗い消毒液 ( アルコールの速乾性のものが望ましい ) を設置し 消毒を徹底するための表示をおこない 手の消毒を徹底する また 毎朝体温計により社員の健康状態を把握する (2) 社内での感染防止対策 A) 飛沫飛散の防止対策 1 咳やくしゃみについては必ずハンカチやティッシュ等で口鼻を覆っておこなうよう - 3 -

常日頃からエチケット教育を実施する 2 熱はないが咳やくしゃみ等の軽い症状がある職員は 念のためマスクを常時着用することを指導する 3 面談が不可欠な場合 マスクを着用し 2メートル以上の対人距離を確保する 4 面談や会議は必要性を十分考慮し 電話 メール等可能な別の手段を活用する B) 感染者 感染の疑いのある者への対処 138 度には満たないが熱があり咳やくしゃみがある場合には 早急に最寄りの医療機関の受診を促し 帰宅を強く推奨する また 当該社員が使用した机 電話 パソコンなどについて消毒を行う 238 度以上の熱がありインフルエンザ様の症状がある場合には 早急に最寄りの医療機関の受診を促し その結果を連絡させ 又は 通勤前に医療機関を受診させて医師の指導に従うよう呼びかける その結果 新型 (A 型 ) インフルエンザに感染していたことが発覚した場合には 周りの社員の健康状態の把握に努める また 当該社員が使用した机 電話 パソコンなどについて消毒を行う 3 新型 (A 型 ) インフルエンザに感染した社員に対しては 病気休暇の取得を呼びかけ 当該社員が出勤しようとする場合は 就業規則において自宅待機あるいは出勤の停止とする ( 発熱から7 日 熱が下がってから2 日 ) また 当該社員が使用した机 電話 パソコンなどについて消毒を行う 4 自宅等で症状が出た場合は 自宅待機又は自宅勤務とする 5 社員の家族が新型 (A 型 ) インフルエンザに感染した場合 マスク着用など感染予防を徹底させる また 社員本人の健康状態を十分確認し 少しでも熱や症状がある場合は 新型 (A 型 ) インフルエンザに感染している可能性があるため 最低 3 日間 自宅勤務とし その後の経過を確認し 解除するものとする ( 感染の場合は発熱から7 日 熱が下がってから2 日 ) * 熱 咳以外には 全身倦怠 咽頭痛 消化器症状 下痢 嘔吐 を伴う場合有り C) 使用済みのマスクや使用済みティッシュの廃棄雑用室等に専用のごみ箱を用意し そこに袋に封入して捨てる (3) 会議 集会等の削減 A) 主催会議の延期 中止会議や人が集合する催事は必要性を十分考慮し 電子メール 電話等で対応できるものは それらで代用するか延期も検討する B) 会議や集会の開催が不可欠な場合 1 開催がどうしても必要なものについては 総務部長 ( 又は インフルエンザ担当 ) - 4 -

等と事前に協議する 2 入る前に参加者に症状がないかを確認し 可能な限り 2 メートル以上離した席の 配置とし 参加者すべてがマスクを着用し できるだけ短時間で終了する (4) 混雑を避けた出勤 ( 大流行時 ) 1 通勤混雑を避ける時差出勤 ( フレックスタイム等 ) を積極的に実施する 2 徒歩 自転車などへの通勤方法の変更ができる場合には 推奨する 4. 作業所における対応 (1) 平時からの対策 1 作業員 ( 協力業者含む ) に対し 新型インフルエンザ についての教育を実施する 2 作業員に対し 日常の予防励行 ( うがい 手洗い 咳エチケット ) を徹底し 作業場への手洗い消毒液の設置を義務付ける (2) 感染者が発生した場合の対策 ( 以下は 協力会社へも周知 ) 1 作業員の家族が新型 (A 型 ) インフルエンザに感染した場合 その作業員本人の健康状態を十分確認し 少しでも熱や症状がある場合は 新型 (A 型 ) インフルエンザに感染している可能性があるため 最低 3 日間 作業所入場を禁止とし その後の経過を確認し 解除するものとする ( 感染の場合は発熱から7 日 熱が下がってから2 日 ) 2 作業員本人に38 以上の発熱がある場合 新型 (A 型 ) インフルエンザに感染している可能性があるため 当該作業員の入場を禁止とし ( 作業所入り口や新規入場者教育実施時に 作業員への検温を実施 ) 早急に最寄りの医療機関に受診の上 その結果を連絡させ 又は 通勤前に医療機関に受診させて医師の指導に従うことを協力会社とも事前に打ち合わせを実施しておく また その結果 新型 (A 型 ) インフルエンザに感染していたことが発覚した場合には 宿舎が同室であった者や 通勤車に同乗していた者等についても最低 3 日間の作業所入場を禁止する 3 集団感染を防ぐため 乗用車 トラック等に相乗りして通勤している作業員に対しては 普段から車内でのマスク着用を義務付ける 4 作業所での新型インフルエンザ流行度合いによっては 全体朝礼の中止 災害防止協議会等の会議 打合せの延期 協力会社詰め所内でのマスク着用を義務付ける 5 作業所内での新型インフルエンザまん延を防ぐ為 各協力会社は作業員及びその家族の健康状態を把握し 新型インフルエンザ感染状況を作業所長に必ず報告する 6 竣工が近い あるいは工期が短い作業所など優先順位を事前に検討し 作業所にお - 5 -

いて新型インフルエンザがまん延した場合に備え 人員のバックアップ体制を整備 しておく (3) 改修工事等の対応 1 事務所 工場 マンションなどにおいて居ながら改修により 当該施設内で作業を行う場合は 当該施設における新型インフルエンザ対策マニュアルに従うか 事前に当該施設管理者と打ち合わせを行い 対応方法を協議する 2マスクの着用を義務付ける 5. 社員の出張 会議参加 (1) 出張の延期又は中止感染拡大地域への出張は 延期するか中止する 必要性が高い場合には協議する (2) 外部の会議への出席出席する必要性を十分検討し 自分に症状があれば欠席 出席が必要なら万全の自衛措置を講じて出席する 6. 会社としての事業継続 (1) 被害及び影響の想定 1 向こう2~3か月の業務への支障を 全社として早急に検討する 2 社員の欠勤状況 自宅勤務の可能性 フレックスタイムが実施可能かどうかなどの予想を踏まえる 3 事業を継続するため 現場所長を含め バックアップ体制を事前に整備しておく 4 現場によっては発注者との協議 調整も必要となるケースがあるので 事前に発注者とも打ち合わせを実施しておく (2) 業務の絞込み 1 延期 中止できる業務を役員会議 ( メールで実施が望ましい ) 等により意思決定する 2 特に 多数の人が集まる業務については 重要度 必要性を勘案し 意思決定する 3 実施すべき業務は 感染リスク低減に努め 代理でも対応できる体制をとる また 協力業者の状況把握にも努め 事業継続について確認していく (3) 業務縮小に関する関係機関との協議 連絡 - 6 -

1 事前に新型インフルエンザ発生時の対応について発注者等とも対策を協議してお き 業務の延期 中止 工期への影響等がある場合 発注者を含め 外部の関係機 関に早期に連絡する 7. 業務復旧のタイミング大阪府内での感染が小康状態となった場合には 通常の業務体制に戻すことを検討する - 7 -

参考資料 : マスクの正しい使い方等について 日常生活において使用する家庭用マスクには 不織布製マスクとガーゼ ( 綿 ) マスクの2 種類があるが 新型インフルエンザ発生時に使用する家庭用マスクとしては ガーゼマスクではなく フィルター効果の高い不織布製マスクの使用を推奨する なお サージカルマスクN95マスクは患者を診察する医師などの医療従事者向けで 専門的知識とフィットテストなどの事前準備が必要であり 装着すると呼吸が苦しくなることもあるから 一般の方には不向きという意見もあるが 状況に応じて導入を検討することも必要である 鼻の形に針金を合わせて着用する マスクの上から鼻をつまみ 針金部分を鼻の形に合わせ 着用する これにより鼻周りの密閉性を高めることができる あごを包むように 下まで掛ける 不織布マスクは波状になっており 上下に引き伸ばすことができる 鼻あてを片手で押さえながら あごを包むように マスクを下まで伸ばす マスクの両脇を指で押さえて 肌に密着させる なお マスクのゴムバンドが長すぎて 着用したときに両側に隙間ができてしまうときは ゴムバンドの途中をしばるなどして 顔にフィットさせるようにする - 8 -

不適切なマスクの着用例 鼻を覆わないでいると マスクの効果が半減する きちんと鼻までマスクをし 肌に密着させる 正しいマスクの使い方 不織布製マスクは原則として使い捨てであり 1 日 1 枚程度を目安に使用する ただし 咳やくしゃみをした人と接した場合 マスクの表面にウイルスが付着している可能性があるので すぐに交換する また 使用中はあまり触らないようにし 外すときもなるべく表面には触らないようにする 使い終わったマスクの廃棄方法 使い終わった後は 表面に触れないようにビニール袋に入れ 口を閉じて廃棄する マスクを廃棄した後は 手や指にウイルスが付いている可能性もあるので すぐに手洗いや消毒用アルコール製剤による消毒を行う - 9 -