地球温暖化対策のための税の効果について 1. 平成 20 年 11 月中央環境審議会グリーン税制専門委員会 環境税等のグリーン税制に係るこれまでの議論の整理 より 税収を温暖化対策の費用に充てる 又は温暖化対策に係る減税に活用する場合 CO 2 削減に関し大きな効果が見込める ( 前略 ) 環境利用

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平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

政策体系における政策目的の位置付け エネルギー基本計画 ( 平成 22 年 6 月 18 日閣議決定 ) において 一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合を 2020 年までに 10% とすることを目指す と記載 地球温暖化対策基本法案 ( 平成 22 年 10 月 8 日閣議決定 )

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資料2:地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ(議論のたたき台)(案)

新とする理由⑴ 政策目的 車体課税については 平成 23 年度税制改正大綱において エコカー減税の期限到来時までに 地球温暖化対策の観点や国及び地方の財政の状況を踏まえつつ 当分の間として適用される税率の取扱いを含め 簡素化 グリーン化 負担の軽減等を行う方向で抜本的な見直しを検討 することとされて

( 太陽光 風力については 1/2~5/6 の間で設定 中小水力 地熱 バイオマスについては 1/3~2/3 の間で設定 )) 7 適用又は延長期間 2 年間 ( 平成 31 年度末まで ) 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 長期エネルギー需給見通

2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及び測定指標 1. 地球温暖化対策の推進 1-2 国内における温室効果ガスの排出抑制 租税特別措置等により達成しようとする目標 2030 年の電源構成における再生可能エネルギーの割合を 22~24% とする 租税特別措置等による達成目標に係る測定指

本要望に対応する縮減案 3 自動車の取得段階では消費税と自動車取得税が二重課税となっており 保有段階でも自動車重量税のほかに自動車税 ( 又は軽自動車税 ) の 2 つの税が課されており 自動車ユーザーに対して複雑かつ過大な負担を強いている 特に 移動手段を車に依存せざるをえず複数台を保有する場合が

お知らせ

問題意識 民生部門 ( 業務部門と家庭部門 ) の温室効果ガス排出量削減が喫緊の課題 民生部門対策が進まなければ 他部門の対策強化や 海外からの排出クレジット取得に頼らざるを得ない 民生部門対策において IT の重要性が増大 ( 利用拡大に伴う排出量増加と省エネポテンシャル ) IT を有効に活用し

4 木質バイオマス発電設備 (2 万 kw 未満 木質バイオマス燃料の年間利用率 80% 以上と見込まれるもの ) < 下記要件のいずれかを満たすもの > 年間稼働率 80% 以上と見込まれるもの kw あたりの資本費一定以下 2,000kW 未満 62 万円 /kw 以下 2,000kW 以上 2

知っておこう

資料2-1 課税段階について

資料2-1 環境省説明資料

200kW 未満 272 万円 /kw 以下 200kW 以上 1,000kW 未満 109 万円 /kw 以下 1,000kW 以上 3 万 kw 未満 39 万円 /kw 以下 4 木質バイオマス発電設備 (2 万 kw 未満 木質バイオマス燃料の年間利用率 80% 以上と見込まれるもの ) <

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揮発油税等の当分の間税率とその環境効果 揮発油税の概要 揮発油税及び地方揮発油税の税率は 昭和 49 年度税制改正において税率引上げが行われた際に 暫定的な措置として 租税特別措置法により税率の特例措置が講じられて以来 平成 20 年度改正において平成 30 年 3 月末までの 10 年間の措置とし

水素供給設備整備事業費補助金平成 28 年度概算要求額 62.0 億円 ( 新規 ) 省エネルギー 新エネルギー部燃料電池推進室 事業の内容 事業イメージ 事業目的 概要 燃料電池自動車 (FCV) は 水素を燃料とする自動車で 内外の自動車メーカーによって 開発競争が進め

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環境税の具体案

新又は延長を必要とする理由設 拡充⑴ 政策目的 1 社会保障 税一体改革大綱 ( 平成 24 年 2 月 17 日閣議決定 ) 等に基づき 自動車取得税及び自動車重量税について 廃止 抜本的な見直しを強く求める 等とした平成 24 年度税制改正における与党の重点要望に沿って 国 地方を通じた関連税制

MARKALモデルによる2050年の水素エネルギーの導入量の推計

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

地球温暖化対策計画について 地球温暖化対策の総合的かつ計画的な推進を図るため 政府が地球温暖化対策推進法に基づいて策定する 我が国唯一の地球温暖化に関する総合計画 温室効果ガスの排出抑制及び吸収の目標 事業者 国民等が講ずべき措置に関する基本的事項 目標達成のために国 地方公共団体が講ずべき施策等に

平成 30 年度地方税制改正 ( 税負担軽減措置等 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 その他 ) No 8 府省庁名環境省 対象税目個人住民税法人住民税事業税不動産取得税固定資産税事業所税その他 ( ) 要望項目名 要望内容 ( 概要 ) 再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置の延長

成 25 年 4 月 1 日から平成 27 年度 3 月 31 日まで ) 平成 26 年度縮減産業競争力強化法に基づく生産性向上設備投資促進税制の創設に伴い 一部の対象設備を見直した 平成 27 年度延長風力発電設備の即時償却の適用期限を1 年間延長した ( 平成 28 年 3 月 31 日まで

目次 1. 奈良市域の温室効果ガス排出量 温室効果ガス排出量の推移 年度 2010 年度の温室効果ガス排出状況 部門別温室効果ガス排出状況 温室効果ガス排出量の増減要因 産業部門 民生家庭部門

タイトル

平成 22 年度税制改正大綱 ( 抄 ) 第 3 章 各主要課題の改革の方向性 7. 個別間接税 (3) 暫定税率 地球温暖化対策のための税等 4 地方環境税の検討 喫緊の課題である地球温暖化対策を推進するためには 地域において主体的な取組を進め 地球環境に貢献することが求められています CO2の排

平成 28 年度エネルギー消費統計における製造業 ( 石油等消費動態統計対象事業所を除く ) のエネルギー消費量を部門別にみると 製造部門で消費されるエネルギーは 1,234PJ ( 構成比 90.7%) で 残りの 127PJ( 構成比 9.3%) は管理部門で消費されています 平成 28 年度エ

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第 3 章隠岐の島町のエネルギー需要構造 1 エネルギーの消費量の状況 ここでは 隠岐の島町におけるエネルギー消費量を調査します なお 算出方法は資料編第 5 章に詳しく述べます (1) 調査対象 町内のエネルギー消費量は 電気 ガス 燃料油 ( ガソリン 軽油 灯油 重油 ) 新エ ネルギー (

電解水素製造の経済性 再エネからの水素製造 - 余剰電力の特定 - 再エネの水素製造への利用方法 エネルギー貯蔵としての再エネ水素 まとめ Copyright 215, IEEJ, All rights reserved 2

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平成18年度地方税制改正(案)について

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3 地球温暖化対策の推進に関する方針及び推進体制 (1) 地球温暖化対策の推進に関する方針 [ 基本理念 ] 人類が自然と調和し 未来にわたり持続可能な発展を実現するため NTT グループ地球環境憲章に則り NTT 西日本はグループ会社と一体になって 全ての企業活動において地球環境の保全に向けて最大

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平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

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1 平成 22 年度の取組み結果 平成 22 年度の取り組み結果は 下記のとおりです 温室効果ガスの総排出量 平成 22 年度 温室効果ガス総排出量 (t-co2) 26,876 27, % 具体的取り組み 平成 22 年度 電気使用量 (kwh) 37,334,706 38,665,4

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取組概要 ( 申請書からの転記 ) 全 般 排 出 量 の 認 識 取組名称 認証取得者名取組の概要 適用したカーボン オフセット第三者認証基準のバージョン認証の有効期間オフセット主体認証ラベルの使途 認証対象活動 認証番号 :CO 有効期間満了報告書受領済み 持続可能な島嶼社会の発展に

次世代エネルギーシステムの提言 2011 年 9 月 16 日 株式会社日本総合研究所 創発戦略センター Copyright (C) 2011 The Japan Research Institute, Limited. All Rights Reserved.[tv1.0]

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第1章

事業活動温暖化対策計画書提出書

②平成29年度環境省関係税制改正について

4.1 はじめに 二酸化炭素 (CO 2 ) メタン (CH 4 ) 一酸化二窒素 (N 2 O) ハイドロフルオロカーボン (HFCs) パーフルオロカーボン (PFCs) 六ふっ化硫黄 (SF 6 ) 三ふっ化窒素 (NF 3 ) について 温室効果ガス別 部門別に 以下のとおり 2020 年度

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低炭素都市づくりガイドライン(案)について

第 2 章各論 1. フェーズ 1( 水素利用の飛躍的拡大 ) 1.2. 運輸分野における水素の利活用 FCV は 水素ステーションから車載タンクに充填された水素と 空気中の酸素の電気化学反応によって発生する電気を使ってモーターを駆動させる自動車であり 一般ユーザーが初めて水素を直接取り扱うことにな

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新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

LED 照明の種類 LED 照明は主に器具と光源が一体化したシーリングライトなどの LED 照明器具 と白熱電球や蛍光灯の光源部分を LED に置き替えた LED ランプ に分類されます ( 図 2-1) 省エネ性と環境性が重視され 公共建築物で使用された LED 照明器具の採用機種数は 2010

Transcription:

地球温暖化対策のための税について 平成 22 年 12 月 8 日環境副大臣近藤昭一

地球温暖化対策のための税の効果について 1. 平成 20 年 11 月中央環境審議会グリーン税制専門委員会 環境税等のグリーン税制に係るこれまでの議論の整理 より 税収を温暖化対策の費用に充てる 又は温暖化対策に係る減税に活用する場合 CO 2 削減に関し大きな効果が見込める ( 前略 ) 環境利用に低率の課税がなされ 環境を守ることに対して経済的支援が行われるという組み合わせで政策が実施される場合には 低率の課税のみの場合や 補助金のみの場合に比べ 一層大きな削減が しかも全体としてより尐ないコストで達成できると見込まれる ( 後略 ) 2. 中央環境審議会中長期ロードマップ小委員会より ( 平成 22 年 10 月 ) 炭素トン当たり 1000 円の税 ( 免税措置は環境省提案と同じ ) を導入し その税収約 2500 億円を全額地球温暖化対策に充てることによる CO2 削減効果は 900 万トン ~1400 万トン (2020 年時点で 1990 年排出量比約 1% の削減効果 2 種類の経済モデルを用いて推計した結果 ) 3. 中央環境審議会グリーン税制専門委員会より ( 平成 20 年 11 月 ) ガソリン等の当分の間の税率を維持することの効果 :2020 年 約 1%( 約 1200 万トン ) 1

地球温暖化対策のための税 についての環境省の考えについて < 全化石燃料への課税 > 民主党からの提言における税収約 2,400 億円という規模については 税収を 環境省が8 月末時点で要望していたとおり 全額エネルギー起源 CO2 排出抑制対策に充てる前提であれば 中長期の目標達成に向けて ぎりぎり理解し得る範囲 < ガソリンへの上乗せ課税 > その CO2 排出抑制効果を税制上明確に位置づけ かつ 現在の抑制効果を最低限 維持する観点から 現行負担水準を維持するべき < 税の名称 > 全化石燃料への課税及びガソリンへの上乗せ課税とも CO2 排出抑制効果を始めと した地球温暖化対策としての位置づけが明確となるよう新たな税目とすることが適当 2

地球温暖化対策推進基本法案に掲げられた前提付き 2020 年に 1990 年比 25% の温室効果ガス削減 目標や エネルギー基本計画に掲げられた 2030 年に 1990 年比 30% 程度もしくはそれ以上のエネルギー起源 CO2 削減 目標 新成長戦略 ( グリーンイノベーション ) の実現のためには 規制 税制支援の強化に加え 財政支援措置の大幅拡充及びその中長期的な継続が必要不可欠 民生部門 約 620 億円 約 2~2.5 倍程度 ( 平成 22 年度予算 以下同じ ) 次世代照明の開発及び導入支援 (2030 年にストック 100%) 2030 年に向けて 省エネ機器 住宅等の市場の大幅拡大を促しつつ 暮らし ( 家庭等 ) のエネルギー消費から発生する CO2 を半減 運輸部門 約 140 億円 約 3~4 倍程度 EV 等の次世代自動車の導入を加速化しつつ バイオ燃料の導入を図ることで 運輸部門の CO2 排出量を大幅に削減 産業 エネルギー部門 エネルギー起源 CO2 排出抑制とグリーン成長のための主な対策 ( イメージ ) 約 820 億円 約 1.5~2 倍程度 産業 エネルギー部門 ( 中小企業含む ) の省エネ投資を加速化させることにより 今後とも 世界最高のエネルギー利用効率を維持 強化 家庭用燃料電池の導入支援 住宅 建築物の省エネ設備の導入支援 住宅用太陽光発電の導入支援 (2030 年に 2005 年比 40 倍 (5,300 万 KW) 導入 ) スマートコミュニティの実証及び導入支援 未利用熱等の面的利用の促進 電気自動車などの次世代自動車の導入及びエネルギー供給設備導入支援 (2030 年に次世代自動車を新車販売の最大 70% に ) バイオ燃料の導入支援 事業者向けの省エネ設備の導入支援 再生可能エネルギー熱設備の導入支援 天然ガスの利用促進対策 革新的技術及び優良技術の普及約 870 億円 約 2 倍程度海外での CO2 削減 長期的に大幅な温室効果ガス削減効果が期待でき 産業競争力の源泉となる革新的なエネルギー 低炭素技術の開発を加速化するとともに 優良な低炭素技術の普及を加速する 約 180 億円 約 2 倍程度 我が国の優れたエネルギー 環境技術の海外普及を加速化することにより 2020 年までに世界で 13 億トン CO2 削減 ( 新成長戦略 ) を目指すとともに 成長とグローバルな CO2 削減の両立を図る CCS( 二酸化炭素回収 貯留技術 ) 革新的製造プロセス 高効率火力発電 (IGCC 等 ) 洋上風力発電等の革新的技術の開発 実証 (2020 年頃の CCS の商用化 2030 年までの水素還元製鉄の商用化等 ) 低炭素技術 システムの海外実証の推進 二国間クレジット制度による CO2 削減の推進 上記対策を実施するためのエネ起 CO2 削減対策予算 : 約 5,500 億円 ~ 約 6,000 億円程度 / 年 参考 平成 22 年度石油石炭税収 ( 予算ベース ):4,800 億円同税収を主に活用した平成 22 年度エネ起 CO 対策関連予算 : 約 3,000 億円 ( 注 ) 上記の財政需要額は エネルギー基本計画 における省エネ機器や技術の導入シナリオを前提とし 規制の強化や一定の価格低減等を見込んだ上で 現行の考え方に基づいて財政措置を講じるものとした場合の試算である 3

全化石燃料に課税した場合の部門別税負担割合 価格転嫁を考え 最終ユーザーの負担を試算すると 民生部門が全体の約 4 割 運輸部門が約 3 割となり 民生部門 運輸部門におけるエネルギー起源 CO2 対策を支援することが重要 部門別の税負担割合 産業 20% エネルギー転換 15% 民生 39% 運輸 25% 合計 100% 各部門の割合の合計は 四捨五入による計算上 100% とならない 総合エネルギー統計 ( 平成 20 年度 (2008 年度 ) エネルギー需給実績 ) より試算 4

世帯当たりの負担について 税収規模を概ね 2,400 億円程度 と見込み 二酸化炭素 1 トン当たり約 300 円として想定した場合 例えば ガソリンの価格上昇額は 0.79 円 /L と想定される これによる世帯当たりの負担額は 年 1,200 円 ( 月 100 円 ) 程度 将来的な化石燃料の需要見通しを踏まえ精査中 税によるエネルギー価格上昇額 世帯当たりの負担額 ガソリン 軽油 灯油 0.79 円 /L 電気 0.115 円 /kwh 都市ガス 0.674 円 /Nm3 LPG 0.91 円 /kg 1,207 円 / 年 (101 円 / 月 ) 総務省統計局家計調査 ( 平成 21 年データ ) 及びガス事業生産動態統計調査 ( 平成 21 年四半期報 ) により試算 税率 ( 二酸化炭素 1 トン当たり約 300 円と想定 ) 原油 石油製品 約 790 円 /KL LPG 約 910 円 /T LNG 約 810 円 /T 石炭 約 700 円 /T 5

国の地球温暖化対策経費について ( 平成 22 年度 ) 京都議定書目標達成計画関係予算 ( 京都議定書目標達成計画に掲げられた対策 施策に関係する予算をまとめたもの ) 1 兆 1284 億円 主なグリーン税制減税規模 ( 国税分 ) 低炭素型の都市 地域構造 低炭素地域づくり面的対策推進事業 地域新エネルギー 省エネルギービジョン策定等事業 産業部門 ( 製造事業者等 ) の取組 エネルギー使用合理化事業者支援補助金 農林水産分野における太陽光エネルギー利用推進事業 業務その他部門 家庭部門の取組 環境 リフォーム推進事業 住宅 建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業費補助金 運輸部門の取組 クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金 低公害車普及促進等対策費補助 エネルギー転換部門の取組 新エネルギー等導入加速化支援対策費補助金 住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金 エネルギー起源二酸化炭素以外の排出削減対策 施策 代替フロン等排出削減施設等導入促進事業 ノンフロン型省エネ冷凍空調システム開発 森林吸収源対策 ( 森林の整備を行うもの ) 森林環境保全整備事業 横断的施策等 国内排出量取引制度導入準備関係経費 対策技術の開発等 地球温暖化対策技術開発等事業 ( 競争的資金 ) 省エネルギー革新技術開発事業 運輸部門の対策 都市鉄道整備事業費補助 廃棄物の焼却等に伴う温室効果ガス排出の削減等 循環型社会形成推進交付金 気候変動に係る研究の推進 観測 監視体制の強化 全球地球観測システム構築の推進に必要な経費 エコカー減税 約 700 億円 エネルギー需給構造改革推進投資促進税制約 480 億円 エコ住宅に係る所得税額控除約 300 億円 バリアフリー対応等への控除も含む 別途 住宅ローン減税全体で8,057 億円の減収規模 この他 以下のような補正予算も措置している 家電エコポイント平成 21 年一次 二次補正 平成 22 年度予備費 補正 6929 億円 住宅エコポイント平成 21 年二次補正 平成 22 年度予備費 補正 2442 億円 エコカー補助金平成 21 年一次 二次補正 6311 億円 グリーンニューディール基金平成 21 年一次 二次補正 610 億円 左記予算額の他 事業の一部が温暖化対策に当たるものの その部分の予算が切り分けられない事業に係る予算額が 3800 億円程度ある 6