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3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

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平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校


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Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

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2021 年度入学者選抜について ~ ひとりひとりの個性と可能性を見つめる入試へ ~ 4 月 4 日 関西学院大学 関西学院の使命は キリスト教主義教育によって Mastery for Service を体現する世界市民 を育み 世に輩出することにあります 世界市民 とは 他者と対話し共感する能力を

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(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

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3-1. 新学習指導要領実施後の変化 新学習指導要領の実施により で言語活動が増加 新学習指導要領の実施によるでの教育活動の変化についてたずねた 新学習指導要領で提唱されている活動の中でも 増えた ( かなり増えた + 少し増えた ) との回答が最も多かったのは 言語活動 の 64.8% であった

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①H28公表資料p.1~2

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

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学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめのポイント

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

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2021 年度入学者選抜 (2020 年度実施 ) について 静岡大学 本学は,2021 年度入学者選抜 (2020 年度実施 ) より [ 註に明記したものは, その前年度より ], 志願者のみなさんの能力をこれまで以上に多面的に評価することを目的として, 課す教科 科目等を以下のとおりに変更いた

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平成 3 年度花乃井中のあゆみ 調査結果から 成果と課題 学力調査では すべての項目において平均値を上回っているが 平均値では若干下回っている教科もある 平均正答率を平均と比べると 国語 A は - ポイント 国語 B は -2.2 ポイント 数学 A は +6.9 ポイント 数学 B は +6.

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

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イ ディベート ディスカッション Ⅱ 時事英語 エッセイライティング Ⅰ エッセイライティング Ⅱ 必履修科目は 総合英語 Ⅰ 及び ディベート ディスカッション Ⅰ 話すこと 書くこと における発信力の強化や 高校生の卒業後の進路の多 様化などに対応するため より高度で専門的な科目を新設し 計 7

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと


【資料3】資質・能力を基盤とした学校教育の創造 (奈須正裕氏(上智大学総合人間科学部教授)の発表資料)

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

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学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

目 次 1 設置の目的 1 2 設置の基本的枠組み (1) 課程 (2) 学科 (3) 入学定員 (4) 設置予定 3 教育理念 育てたい人物像 (1) 教育理念 (2) 育てたい人物像 4 教育課程について (1) スポーツマネジメント科教育課程編成の基本方針 2 (2) 教育課程表 4 5 その

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2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

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平成 28 年度大分大学入学者選抜における実施教科 科目等について ( 予告 ) 平成 27 年 8 月大分大学 平成 28 年度入学者選抜 ( 一般入試 大学入試センター試験を課す推薦入試及びAO 入試 ) における大学入試センター試験の利用教科 科目及び個別学力検査等の出題教科 科目については,

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第 1 章高校教育を取り巻く現状と課題 2 高校教育を取り巻く現状と課題 (2) 県立高校の現状と課題 4 不登校生徒や中途退学者の状況 そのため, 高校と中学校 特別支援学校 地域の保健福祉部門等との連携を強化し, 教育相談体制を拡充するとともに, 生徒一人一人の自己肯定感の涵養や自己実現を積極的

高大接続システム改革会議

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2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

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メディアデザイン学科ディプロマ ポリシー メディアデザイン学科は 科学的市民 の育成という教育理念のもとに以下の資質や能力を身につけ 所定の授業 科目を履修して卒業に必要な単位を修得した学生に 学士 ( 工学 ) の学位を授与します 1. コミュニケーション力論理的な思考力 記述力 発表と議論の能力

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

成績評価を「学習のための評価」に

TSRマネジメントレポート2014表紙

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

山梨大学教職大学院専攻長 堀哲夫教授提出資料

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

平成 30 年度全国学力 学習状況調査 北見市の結果等の概要 Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析するとともに教育施策の成果と課題を検証し その改善を図り 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等

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第 2 章 知 徳 体 のバランスのとれた基礎 基本の徹底 基礎 基本 の定着 教育基本法 学校教育法の改正により, 教育の目標 義務教育の目標が定められるとともに, 学力の重要な三つの要素が規定された 本県では, 基礎 基本 定着状況調査や高等学校学力調査を実施することにより, 児童生徒の学力や学

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

Q1: 社会に開かれた教育課程 の実現とは, どのようなことですか? A: 教育課程を編成する際には, よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念とともに, 子どもたちにどのような資質 能力を育むのかについて学校と社会が共有することが求められています さらに, 社会と連携 協働することでそ

Transcription:

平成 29 年 1 月 31 日 高大接続改革の動向について 文部科学省高大接続改革 PT

1. 高大接続改革 の理念と経緯 2. 高等学校教育の改革 3. 大学教育の改革 4. 大学入学者選抜の改革 5. その他 2

高大接続改革 とは何か 高大接続改革 とは 大学入試改革も含まれているが それだけではない 1 高等学校教育 と 2 大学教育 3 両者を接続する 大学入学者選抜 を 連続した 1 つの軸として 一体的に改革するもの なぜ 高大接続改革 なのか ( なぜ三者一体なのか ) 高等学校教育 と 入学者選抜 ( 大学入試 ) は一緒に変わる必要 大学入試が変わらないと高校教育が変わらない 受験圧力の低下と高校生の学修量の低下 等 少子化 国際競争の進展の中で 大学教育の質的転換 ( しっかりと学ぶ大学教育へ ) 大学教育を受けるに足る入学者の選抜 多様な入学者とそれに合わせた教育プログラムの必要性 等 3

高大接続改革 の必要性 国際化 情報化の急速な進展 社会構造も急速に かつ大きく変革 知識基盤社会のなかで 新たな価値を創造していく力を育てることが必要 社会で自立的に活動していくために必要な 学力の 3 要素 をバランスよく育むことが必要 学力の 3 要素を多面的に評価する 高等学校教育 大学教育 大学入学者選抜の一体的改革 ( 高大接続改革 ) 学力の3 要素 1 知識 技能の確実な習得 2(1を基にした ) 思考力 判断力 表現力 3 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度 学力の 3 要素を育成する 高校までに培った力を更に向上 発展させ 社会に送り出すための 4

高大接続改革の議論 検討の流れ 中央教育審議会へ諮問 大学入学者選抜の改善をはじめとする高等学校教育と大学教育の円滑な接続と連携の強化のための方策について ( 平成 24 年 8 月 28 日 ) 文部科学大臣から中央教育審議会に対し諮問が行われ 中央教育審議会では総会直属の高大接続特別部会を設置 同年 9 月から審議を開始 教育再生実行会議 高等学校教育と大学教育との接続 大学入学者選抜の在り方について ( 第四次提言 ) ( 平成 25 年 10 月 31 日 ) 高等学校教育の質の確保 向上 大学の人材育成機能の抜本的強化 能力 意欲 適性を多面的 総合的に評価しうる大学入学者選抜制度への転換について提言 中央教育審議会 新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育 大学教育 大学入学者選抜の一体的改革について ( 答申 ) ( 平成 26 年 12 月 22 日 ) 平成 24 年 8 月の諮問以来 2 年 4 か月余の審議を経て答申 今回の答申は 教育改革最大の課題でありながら実現が困難であった 高大接続 改革をはじめて現実のものとするための方策として 高等学校教育 大学教育 及び両者を接続する 大学入学者選抜 の抜本的改革を提言するもの 高大接続改革実行プラン ( 平成 27 年 1 月 16 日 ) 文部科学大臣決定 高大接続答申を踏まえ 高大接続改革を着実に実行する観点から 文部科学省として今後取り組むべき重点施策とスケジュールを示したもの 平成 27 年 1 月に文部科学大臣決定として公表 高大接続システム改革会議 ( 平成 27 年 3 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) 高大接続答申 高大接続改革実行プランに基づき 高大接続改革の実現に向けた具体的な方策について検討 平成 28 年 3 月に最終報告 文部科学省内に検討 準備グループ等を設置 ( 平成 28 年 4 月 ~) 自由民主党文部科学部会 高大接続改革に関する小委員会 ( 平成 27 年 3 月 ~28 年 3 月 ) においても 議論 高大接続システム改革会議 最終報告 を踏まえ 検討 準備グループ等を設置し 具体的制度設計を検討 平成 28 年 8 月に進捗状況を公表 5

高大接続改革の全体像イメージ ( 高大接続システム改革会議最終報告より ) - 高等学校教育 大学教育 大学入学者選抜 の一体的改革による 学力の 3 要素 の伸長 - 高等学校教育改革 学力の 3 要素 の確実な育成 学習指導要領の抜本的な見直し 育成すべき資質 能力を踏まえた教科 科目等の見直し ( 歴史総合 数理探究 情報活用能力を育成する新科目など ) カリキュラム マネジメントの普及 促進 学習 指導方法の改善 アクティブ ラーニングの視点からの学習 指導方法の改善 教員の養成 採用 研修の見直し 多面的な評価の推進 学習評価の改善 多様な学習成果を測定するツールの充実 高等学校基礎学力テスト の導入基礎学力の定着度合いを把握し 指導の工夫に生かす仕組み CBT 導入を検討 ( 平成 31~34 年度 : 試行実施 平成 35 年度 ~: 新学習指導要領に対応 ) 最終報告 後 文部科学省において 関係団体等の理解と協力を得て 実証的 専門的検討 新テストの実施方針 ( 平成 29 年度初頭 ) に反映 農 工 商業などの検定試験や英語などの民間検定試験の利活用の促進 大学入学希望者学力評価テスト の導入 ( 平成 32 年度 ~ 実施 平成 36 年度からは新学習指導要領に対応 ) 思考力 判断力 表現力の一層の重視 記述式問題の段階的導入平成 32~35 年度 : 短文記述式平成 36 年度 ~: より文字数の多い記述式 マークシート式問題の改善 ( 平成 32 年度 ~) CBT の検討 導入 ( 平成 36 年度以降の導入を目指す ) 複数回実施については 日程上の課題や CBT の導入 等化等などを中心として 引き続き検討 最終報告 後 文部科学省において 関係団体等の参画を得て 実証的 専門的検討 新テストの実施方針 ( 平成 29 年度初頭 ) に反映 個別入学者選抜の改革 明確な 入学者受入れの方針 に基づき 学力の 3 要素 を多面的 総合的に評価する選抜へ改善 入学希望者に求める能力と評価方法の関係の明確化とそれに基づく選抜 新たな選抜実施ルールの構築 調査書 の改善や 学修計画書 等の充実 大学入学者選抜改革 学力の 3 要素 の多面的 総合的評価 最終報告 後 大学入学者選抜方法の改善に関する協議 の場で具体的な在り方を検討 ( 平成 32 年度に実施される選抜から適用 ) 三つの方針 ( 卒業認定 学位授与 教育課程編成 実施 入学者受入れ ) に基づく大学教育の質的転換 関係省令の改正 ( 三つの方針 の一体的な策定 公表の制度化 ) ( 平成 28 年 3 月改正 平成 29 年 4 月施行 ) 三つの方針 の策定 運用に関する 参考指針 の作成 ( 平成 28 年 3 月 ) 各大学において育成を目指す人材像や具体的な教育活動の明確化 入学から卒業までの 大学教育を充実するための PDCA サイクルを強化 認証評価制度の改善 大学教育改革 学力の 3 要素 の更なる伸長 高大接続改革の趣旨を踏まえた評価項目 方法の改善 ( 三つの方針 に基づく大学教育の質的転換促進や 内部質保証を重視した評価 ) ( 平成 30 年度から始まる第 3 サイクルの評価に反映 ) 6

平成33 年度大学する通知選抜の実施に関に対応した個別新学習指導要領各大学で選抜実施公表法等の予告 学者選抜方各大学の入学習指導方法の改善 教員の指導力の向上 多面的な評価の充実 高等学校基礎学力テスト の導入 答申高大接続システム改革のスケジュール 具体的方策 1. 高等学校教育改革 27 年度 28 年度 29 年度 30 年度 31 年度 32 年度告教育課程の見中央教育審議会にて 周知 徹底直し審議示制度改正 具体的方策 2. 大学教育改革 三つの方針に基づく大学教育の実現 認証評価制度の改革 大学入学希望者学力評価テスト の導入 学校教育法施行規則 大学設置基準等の改正 三つの方針の策定 公表のガイドラインの策定 を定める省令の改正 ( 三つの方針に関する評価 ) など 具体的方策 3. 大学入学者選抜改革 議会にて審議 答申 実施方針定に向けた検討33 年度 34 年度 35 学習評価の在り方の見直しや指導要録の改善 学習成果を多面的に評価するツールとしての民間検定等の活用の促進 生徒自身の自発的なキャリア形成を促す方策の推進定( 年策教科書作成 検定 採択 供給プ年度 )定実公レ29 年度テ初 施表度ス公頭大針目表綱 の途( 実の30 (容実29 年施大度綱 の)中央教育審)策)的施内 各大学における各方針を踏まえた卒業認定 (新テストのトの具体 の策各大学において 4三つの方針の策定 見直し等の取組 (3 月末までに要完了 ) 評価機関において 新たな評価基準等への改訂 各大学への周知 実施方針 の策定に向けた検討 制度改正に基づく教員の養成 採用 研修の充実 実施方初頭検討省令施行認証評価の細目 月改正令4施月各大学にお改いて 自己点検 評価 実施方針 の策定 公表 (29 年度初頭 ) 正省 高等学校基礎学力テスト の試行実施 行第 3 サイクル評価開始 ( 平成 30 年度 ~) プレテストの実施 (30 年度目途 ) カリキュラム改革 入学者選抜の改革 SD FD 等の取組 可能なものから速やかに実施 称価望 大) テ者学 実施大綱 の策のス学入定 公表 (31 年度実ト力(学表新テストに係る実証的 専門的検討と準備 実施施初頭目途 ) 仮評希 実施大予告領に対応新学習指綱 のした導要新学習指導要領 ( 年次進行で実施 ) 新学習指導要領を踏まえた対応 高等学校基礎学力テスト の実施 実施大策定公 領に対新学習応した指導要綱 の36 年度 テスト領に対応した新学習指導要の実施多面的な評価の推進 個別大学における入学者選抜改革 大学入学者選抜実施要項の見直しについて 高校 大学関係者による協議 大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告通知 (29 年度初頭目途 ) 現行学習指導要領の下での実施 5要入月項学) 発者出選抜各大学の入学(実者選抜方法等 32 年施の予告 公表 新学習指導の下での実施 施5要月項) 学入学者選抜実各大学で選抜平成37 年度大実施年発出(36 7

1. 高等学校教育改革 2. 大学入学者選抜改革 高大接続改革の進捗状況について 教育課程の見直し 平成 27 年 8 月 論点整理 平成 28 年 8 月 次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ を取りまとめ 平成 28 年月 12 月答申 幼稚園 小学校 中学校 高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について 平成 29 年度に高等学校学習指導要領改訂予定 学習 指導方法の改善と教員の指導力の向上 生徒の資質 能力を育成する 主体的 対話的で深い学び ( アクティブ ラーニングの視点による学び ) について 学習指導要領と一体で議論 教員の資質 能力の向上については 平成 27 年 12 月答申 教育公務員特例法等の一部を改正する法律案 ( 教特法 免許法 教員センター法の一括改正 ) が 臨時国会 (192 回 ) に提出され 成立 多面的な評価の推進 基礎テスト とも関連して 民間 校長会 自治体等が実施している多様な検定等の実態 振興 活用方法も検討 学習指導要領の議論の中で キャリア パスポート を検討中 学習指導要領の改訂を踏まえ 指導要録様式例を改訂 検定試験の評価ガイドライン の策定に向けて検討 高等学校基礎学力テスト について 文部科学省改革推進本部 高大接続改革チーム の下に 検討 準備グループ を設置し 検討中 大学入学希望者学力評価テスト の導入 平成 28 年 4 月に 大学入学希望者学力評価テスト 検討 準備グループを設置し 記述式 英語の実施方法 時期等について検討中 個別大学の入学者選抜の改革 国公私立の別を問わず 各大学の方針に基づき 受検者を多面的 総合的に評価するための入学者選抜改革の取組が進展 委託事業において 複数の大学等がコンソーシアムを組み 地歴公民 理数 情報等に関する新たな評価手法の開発及び普及に取り組む 高等学校や大学関係者等による 大学入学者選抜方法の改善に関する協議 の場で 入学者選抜に関する新たなルールづくりや調査書 提出書類の改善等について検討中 3. 大学教育改革 三つの方針 に基づく大学教育の質的転換 1 卒業認定 学位授与 2 教育課程の編成 実施 3 入学者受入れの 三つの方針 の策定 公表を各大学に義務付け 三つの方針 策定 運用に関するガイドラインを国が作成 配布 認証評価制度の改善 三つの方針 等を共通評価項目とし 平成 30 年度から認証評価に反映 上記改革の着実な推進のため 平成 29 年度高大接続改革関連予算として 総額 57 億円を計上 8

1. 高大接続改革 の理念と経緯 2. 高等学校教育の改革 3. 大学教育の改革 4. 大学入学者選抜の改革 5. その他 9

初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について 諮問 (26 年 11 月 20 日 ) の概要 趣旨 子供たちが成人して社会で活躍する頃には 生産年齢人口の減少 グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により 社会や職業の在り方そのものも大きく変化する可能性 そうした厳しい挑戦の時代を乗り越え 伝統や文化に立脚し 高い志や意欲を持つ自立した人間として 他者と協働しながら価値の創造に挑み 未来を切り開いていく力が必要 そのためには 教育の在り方も一層進化させる必要 特に 学ぶことと社会とのつながりを意識し 何を教えるか という知識の質 量の改善に加え どのように学ぶか という 学びの質や深まりを重視することが必要 また 学びの成果として どのような力が身に付いたか という視点が重要 審議事項の柱 1. 教育目標 内容と学習 指導方法 学習評価の在り方を一体として捉えた 新しい時代にふさわしい学 習指導要領等の基本的な考え方 これからの時代を 自立した人間として多様な他者と協働しながら創造的に生きていくために必要な資質 能力の育成に向けた教育目標 内容の改善 課題の発見 解決に向けて主体的 協働的に学ぶ学習 ( いわゆる アクティブ ラーニング ) の充実と そうした学習 指導方法を教育内容と関連付けて示すための在り方 育成すべき資質 能力を育む観点からの学習評価の改善 2. 育成すべき資質 能力を踏まえた 新たな教科 科目等の在り方や 既存の教科 科目等の目標 内容の 見直し 3. 学習指導要領等の理念を実現するための 各学校におけるカリキュラム マネジメントや 学習 指導 方法及び評価方法の改善支援の方策 各学校における教育課程の編成 実施 評価 改善の一連のカリキュラム マネジメントの普及 アクティブ ラーニング などの新たな学習 指導方法や 新しい学びに対応した評価方法等の開発 普及 10

学習指導要領改訂の方向性 ( 案 ) 新しい時代に必要となる資質 能力の育成と 学習評価の充実 学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力 人間性の涵養 生きて働く知識 技能の習得 未知の状況にも対応できる思考力 判断力 表現力等の育成 何ができるようになるか よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を共有し 社会と連携 協働しながら 未来の創り手となるために必要な資質 能力を育む 社会に開かれた教育課程 の実現 各学校における カリキュラム マネジメント の実現 何を学ぶか 新しい時代に必要となる資質 能力を踏まえた教科 科目等の新設や目標 内容の見直し どのように学ぶか 主体的 対話的で深い学び ( アクティブ ラーニング ) の視点からの学習過程の改善 小学校の外国語教育の教科化 高校の新科目 公共 の新設など 各教科等で育む資質 能力を明確化し 目標や内容を構造的に示す 学習内容の削減は行わない 生きて働く知識 技能の習得など 新しい時代に求められる資質 能力を育成 知識の量を削減せず 質の高い理解を図るための学習過程の質的改善 主体的な学び 対話的な学び 深い学び 高校教育については 些末な事実的知識の暗記が大学入学者選抜で問われることが課題になっており そうした点を克服するため 重要用語の整理等を含めた高大接続改革等を進める 11

高等学校の教科 科目構成について ( 案 ) ( 科目構成等に変更があるものを抜粋 ) 共通必履修 選択必履修 グレーの枠囲みは既存の科目 国語科 外国語科 論理国語 文学国語 国語表現 古典探究 現代の国語 言語文化 英語コミュニケーション Ⅱ Ⅲ ( 聞くこと 読むこと 話すこと 書くこと の統合型 ) 論理 表現 Ⅰ Ⅱ Ⅲ ( スピーチやプレゼンテーション ディベート ディスカッション等 ) 英語コミュニケーション Ⅰ ( 聞くこと 読むこと 話すこと 書くこと の統合型 ) 英語力調査の結果や CEFR のレベル 高校生の多様な学習ニーズへの対応なども踏まえ検討 地理歴史科公民科家庭科 情報科 地理探究 日本史探究 世界史探究 倫理 政治 経済 家庭基礎 家庭総合 情報 Ⅱ 地理総合 歴史総合 公共 情報 Ⅰ 理数科 総合的な探究の時間 数学科 理数探究 理数探究基礎 理科 総合的な探究の時間 実社会 実生活から自ら見出した課題を探究することを通じて 自分のキャリア形成と関連付けながら 探究する能力を育むという在り方を明確化する 数学 Ⅲ 数学 C 物理化学生物地学 数学 Ⅱ 数学 Ⅰ 数学 B 数学 A 科学と人間生活 物理基礎化学基礎生物基礎地学基礎 12

高等学校国語科の改訂の方向性 現行科目 国語総合 共通必履修科目 国語表現 現代文A 現代文B 古典A 古典B 改訂の方向性 共通必履修科目 案 現代の国語 仮称 実社会 実生活に生きて働く国語の能力を育成する科目 実社会 実生活における言語による諸活動に必要な国語の能力の育成 例えば 目的に応じて多様な資料を収集 解釈し 根拠に基づいて論述する活動 文学作品等を読んで 構成や展開 優れた表現などの効果について 言葉の意味や働きに着目して批評する活動 根拠を持って議論し互いの立場や意見を認めながら集団としての結論を まとめる活動 等の重視 言語文化 仮称 上代 万葉集の歌が詠まれた時代 から近現代につながる 我が国の言語文化への理解を深める科目 我が国の伝統や文化が育んできた言語文化を理解し これを継承 していく一員として 自身の言語による諸活動に生かす能力の育成 古典 古文 漢文 だけでなく 古典に関わる近現代の文章を通じて 言語文化を 言葉の働きや役割に着目しながら社会や自分との関 わりの中で生かすことのできる能力の育成 選択科目 案 論理国語 仮称 文学国語 仮称 国語表現 仮称 古典探究 仮称 多様な文章等を多角的 多面的に 理解し 創造的に思考して自分の 考えを形成し 論理的に表現する 能力を育成する科目 小説 随筆 詩歌 脚本等に描か れた人物の心情や情景 表現の仕 方等を読み味わい評価するととも に それらの創作に関わる能力を 育成する科目 主として 感性 情緒の側面から 思考力 判断力 表現力等 を 育成 表現の特徴や効果を理解した上 で 自分の思いや考えをまとめ 適切かつ効果的に表現して他者と伝 え合う能力を育成する科目 古典を主体的に読み深めることを 通して 自分と自分を取り巻く社会 にとっての古典の意義や価値につ いて探究する科目 主として 他者とのコミュニケー ションの側面から 思考力 判断 力 表現力等 を育成 ジャンルとしての古典を学習対象 として 思考力 判断力 表現力 13 等 を 総合的に育成 主として 創造的 論理的思考の 側面から 思考力 判断力 表現力 等 を育成

高等学校地理歴史科, 公民科に置かれる各科目のイメージ 地理歴史科 公民科 現代社会の諸課題の解決を視野に入れて考察 ( 各科目について主として 空間 時間 及び 現代社会の構造等 に着目 ) 新必履修科目 地理総合 持続可能な社会づくりを目指し, 環境条件と人間の営みとの関わりに着目して現代の地理的な諸課題を考察する 歴史総合 歴史の推移や変化を踏まえ, 課題の解決を視野に入れて, 世界とその中における日本について, 現代的な諸課題の形成に関わる近現代の歴史を考察する 公共 現代社会の諸課題の解決に向けて, 自立するとともに他者と協働して, 公共的な空間を作る主体として選択 判断の基準を身に付け, 考察する 新選択科目 地理探究 日本史探究 世界史探究 倫理 世界の諸事象を系統的に, 諸地域を地誌的に考察し, 現代日本に求められる国土像の在り方について探究する 我が国の歴史の展開について, 世界の歴史や歴史を構成する様々な要素に着目して, 総合的に広く深く探究する 世界の歴史の大きな枠組みと展開について, 地理的条件や日本の歴史と関連付けて, 広く深く探究する 他者と共に生きる主体を育むために, 現代に生きる人間の倫理的課題について探究し, 自立して思索する 政治 経済 国家及び社会の形成に, より積極的な役割を果たす主体を育むために, 現実社会の諸課題を広く深く探究する 必履修科目で育んだ理解や技能を用いて, より専門的な視野から広く深く探究 地理歴史科については, 新必履修科目の名称としては, 両者を習得することによって当該教科の高等学校における目標を達成するために必要とされる資質 能力を育む科目として両科目に 総合 を付すとともに, 生徒の興味 関心や進路等に応じて 総合科目 を基盤に, より専門的な視野から考察を深め, 探究を行う科目について 探究 を付すこととしてはどうか 公民科については, 自立した主体として他者と協働して社会に参画し, 公共的な空間を作る主体を育むことを目指す科目の内容を端的かつ適切に示すことが可能なものとして 公共 とするとともに, 選択科目については地理歴史科と同様に探究を行う科目であるが, 学習対象である 倫理 については 探究 がその本質的な内容の一部であることから, 倫理探究 といった科目名はなじまず, また, 政治 経済 のみに 探究 を付すことは, 同一教科に置かれる同一の性格を持つ科目の名称について混乱させるおそれもあることから, 倫理, 政治 経済 とすることとしてはどうか 14

現状 課題 高等学校 理数探究 の方向性 算数 数学や理科を学ぶ楽しさ これらの学習に対する児童生徒の意識は諸外国と比べ肯定的な回答割合が低い 数学活用 や 理科課題研究 における課題研究等の活動は 生徒の学習に対する興味 関心 意欲の向上や知識 技能の着実な習得 思考力 判断力 表現力等の育成に有効だが 開設率が低い状況 (1 割未満 ) スーパーサイエンスハイスクール (SSH) で設定されている 課題探究 等の探究的な科目は 数学と理科で育成された能力を統合し 課題の発見 解決に探究的に取り組むことで教育効果が高い 基本原理 1 教科の枠にとらわれない多角的 多面的な視点で事象を捉え 2 数学や理科における見方 考え方を活用したり組み合わせしたりしながら 3 探究的な学習を行う 4 新たな価値の創造にことを通じて 向けて粘り強く挑戦する力の基礎を培う 資質 能力 新科目案 探究の過程全体を自ら遂行するために必要な知識 技能 研究倫理についての基本的な理解 教科 理数 における選択科目として以下の 2 科目を新設 理数探究基礎 理数探究 多様な価値観や感性を有する人々との議論等を通じて多角的 多面的に思考するとともに 探究の過程全体を自ら遂行することができる力 探究の進め方等に関する基礎的な知識 技能 探究する意義の理解 主体的に探究に取り組む態度等を身に付ける 基礎で身に付けた資質 能力を活用して自ら課題を設定し探究の過程全体を行わせる 数学や理科に関する課題や事象に徹底的に向き合い考え抜いて行動する態度 評価に当たっては 新たな知見の有無などの探究の成果よりも 課題を発見して結論をまとめるまでの一連の探究過程を重視 探究ノート 等を通じて生徒の独創的な思考や探究過程における態度を評価 将来 科学技術分野等の第一線で活躍する人材を育成 15

情報科新科目のイメージ 情報科新科目のイメージ 別添 14-4 情報 Ⅰ ( 情報と情報技術を問題の発見と解決に活用するための科学的な考え方等を育成する共通必履修科目 ) 問題の発見 解決に向けて 事象を情報とその結び付きの視点から捉え 情報技術を適切かつ効果的に活用する力を育む科目 ( 項目の構成案 ) (1) 情報社会の問題解決 情報 Ⅱ ( 発展的な内容の選択科目 ) 情報 Ⅰ において培った基礎の上に 問題の発見 解決に向けて 情報システムや多様なデータを適切かつ効果的に活用し あるいは情報コンテンツを創造する力を育む科目 ( 項目の構成案 ) 中学校までに経験した問題解決の手法や情報モラルなどを振り返り これを情報社会の問題の発見と解決に適用して 情報社会への参画について考える (2) コミュニケーションと情報デザイン情報デザインに配慮した的確なコミュニケーションの力を育む (3) コンピュータとプログラミング プログラミングによりコンピュータを活用する力 事象をモデル化して問題を発見したりシミュレーションを通してモデルを評価したりする力を育む (4) 情報通信ネットワークとデータの利用情報通信ネットワークを用いてデータを活用する力を育む (1) 情報社会の進展と情報技術 (2) コミュニケーションと情報コンテンツ 情報社会の進展と情報技術との関係について歴史的に捉え AI 等の技術も含め将来を展望する 画像や音 動画を含む情報コンテンツを用いた豊かなコミュニケーションの力を育む (3) 情報とデータサイエンスデータサイエンスの手法を活用して情報を精査する力を育む (4) 情報システムとプログラミング情報システムを活用するためのプログラミングの力を育む 課題研究 情報 Ⅰ 及び情報 Ⅱ の (1)~(4) における学習を総合し深化させ 問題の発見 解決に取り組み 新たな価値を創造する 情報科各科目の項目構成の考え方 項目 (1) 情報社会との関わりについて考える 問題の発見 解決に情報技術を活用することの有用性について考える 項目 (2)~(4) の導入として位置付ける 項目 (2)~(4) コンピュータや情報システムの基本的な仕組みと活用に関する内容 コミュニケーションのための情報技術の活用に関する内容 データを活用するための情報技術の活用に関する内容で構成する 1( 各項目に応じた ) 情報 情報技術や問題解決の手法等を理解する 2 問題の発見 解決に情報技術を活用するとともに 自らの情報活用を評価 改善する 2 においては 1 において習得した知識の概念化を図るほか 問題の発見 解決に情報技術を活用する能力の向上 情報社会に参画する態度の育成を図る 主として 2 において 情報科における 見方 考え方 を働かせるとともに成長させる 必ずしも 1 2 の順に学習するものではなく 情報科の学習過程のイメージ に示すように 学びのつながりと広がりとを意図して 情報や情報技術等に関する知識の習得と それらの知識の問題発見 解決への活用を並行して行うことも考えられる 16

平均正答均正答率主体的 対話的で深い学びの視点による学習指導の改善 平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果から 授業において 先生から示される課題や 学級やグループの中で 自分たちで立てた課題に対して 自ら考え 自分から取り組んでいた について 肯定的回答の方が平均正答率が高い傾向にある 児童生徒質問項目 5 年生まで [1,2 年生のとき ] に受けた授業では, 先生から示される課題や, 学級やグループの中で, 自 小学校 中学校 分たちで立てた課題に対して, 自ら考え, 自分から取り組んでいたと思いますか 平当てはまるどちらかといえば, 当てはまらないその他 どちらかといえば, 当てはまる 当てはまらない 無回答 当てはまるどちらかといえば, 当てはまらないその他 どちらかといえば, 当てはまる当てはまらない無回答 30.8 47.0 18.1 3.9 0.1 0.1 27.4 46.4 20.7 5.4 0.0 0.1 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 当てはまる (%) どちらかといえば, 当てはまる どちらかといえば, 当てはまらない 当てはまらない 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 当てはまるどちらかといえば, 当てはまらない (%) どちらかといえば, 当てはまる当てはまらない 77.5 73.6 67.0 60.1 63.4 58.7 50.8 42.0 82.3 78.4 71.7 63.9 52.3 47.7 41.1 34.5 79.5 76.8 72.2 66.6 72.5 68.2 61.1 53.5 69.2 63.8 率56.0 48.1 17 51.1 45.5 38.2 31.4 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 国語 A 国語 B 数学 A 数学 B ( 出典 ) 文部科学省 国立教育政策研究所 平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果 ( 概要 )

平均正答均正答率主体的 対話的で深い学びの視点による学習指導の改善 平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果から 授業で 自分の考えを発表する機会では 自分の考えがうまく伝わるよう 資料や文章 話の組み立てなどを工夫して発表していた について 肯定的回答の方が平均正答率が高い傾向にある 児童生徒質問項目 5 年生まで [1,2 年生のとき ] に受けた授業で, 自分の考えを発表する機会では, 自分の考えがうまく伝 小学校 中学校 わるよう, 資料や文章, 話の組み立てなどを工夫して発表していたと思いますか 平当てはまるどちらかといえば, 当てはまらないその他 どちらかといえば, 当てはまる当てはまらない無回答 当てはまるどちらかといえば, 当てはまらないその他 どちらかといえば, 当てはまる当てはまらない無回答 24.1 40.1 27.4 8.3 0.1 0.1 17.1 40.6 32.1 10.0 0.0 0.1 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 (%) 当てはまる どちらかといえば, 当てはまる どちらかといえば, 当てはまらない 当てはまらない 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 (%) 当てはまる どちらかといえば, 当てはまる どちらかといえば, 当てはまらない 当てはまらない 77.7 74.8 69.5 63.2 63.3 60.1 54.1 46.1 82.2 79.6 74.5 67.2 52.3 49.1 43.8 37.2 79.1 77.6 74.5 69.9 71.9 69.4 64.7 58.0 率18 68.0 65.0 60.2 53.5 50.2 47.0 42.0 35.7 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 国語 A 国語 B 数学 A 数学 B ( 出典 ) 文部科学省 国立教育政策研究所 平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果 ( 概要 )

平均正答均正答率主体的 対話的で深い学びの視点による学習指導の改善 平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果から 授業において, 児童生徒自ら学級やグループで課題を設定し, その解決に向けて話し合い, まとめ, 表現するなどの学習活動の取組を行っている学校の方が, 平均正答率が高い傾向にある 学校質問項目 前年度までに, 授業において, 児童生徒自ら学級やグループで課題を設定し, その解決に向けて話し合 い, まとめ, 表現するなどの学習活動を取り入れましたか 平 小学校 よく行ったあまり行っていないその他 / 無回答 どちらかといえば, 行った全く行っていない 中学校 よく行ったあまり行っていないその他 / 無回答 どちらかといえば, 行った全く行っていない 28 年度 20.5 59.6 19.4 0.3 0.2 28 年度 16.5 56.3 26.4 0.7 0.1 27 年度 17.4 55.6 26.4 0.5 0.1 27 年度 12.7 50.9 35.3 1.0 0.1 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0% 20% 40% 60% 80% 100% よく行ったどちらかといえば, 行ったあまり行っていない / 全く行っていない よく行ったどちらかといえば, 行ったあまり行っていない / 全く行っていない 74.2 72.8 71.1 59.2 57.6 55.6 79.1 77.8 76.0 48.2 46.9 45.2 77.6 75.9 74.5 69.8 67.0 65.0 65.1 62.2 60.1 率47.3 44.1 42.0 19 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 国語 A 国語 B 数学 A 数学 B 全く行っていない と回答した学校が 100 校未満のため, あまり行っていない と合算 ( 出典 ) 文部科学省 国立教育政策研究所 平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果 ( 概要 )

主体的 対話的で深い学びの実現 ( アクティブ ラーニング の視点からの授業改善 ) について ( イメージ ) 主体的 対話的で深い学び の視点に立った授業改善を行うことで 学校教育における質の高い学びを実現し 学習内容を深く理解し 資質 能力を身に付け 生涯にわたって能動的 ( アクティブ ) に学び続けるようにすること 主体的な学び 学ぶことに興味や関心を持ち 自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら 見通しを持って粘り強く取り組み 自己の学習活動を振り返って次につなげる 主体的な学び が実現できているか 例 学ぶことに興味や関心を持ち 毎時間 見通しを持って粘り強く取り組むとともに 自らの学習をまとめ振り返り 次の学習につなげる キャリア パスポート などを活用し 自らの学習状況やキャリア形成を見通したり 振り返ったりする 生きて働く知識 技能の習得 学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力 人間性等の涵養 未知の状況にも対応できる思考力 判断力 表現力等の育成 対話的な学び 子供同士の協働 教職員や地域の人との対話 先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ 自己の考えを広げ深める 対話的な学び が実現できているか 例 実社会で働く人々が連携 協働して社会に見られる課題を解決している姿を調べたり 実社会の人々の話を聞いたりすることで自らの考えを広める あらかじめ個人で考えたことを 意見交換したり 議論したり することで新たな考え方に気が付いたり 自分の考えをより妥当なものとしたりする 子供同士の対話に加え 子供と教員 子供と地域の人 本を通して本の作者などとの対話を図る 深い学び 各教科等で習得した概念や考え方を活用した 見方 考え方 を働かせ 問いを見いだして解決したり 自己の考えを形成し表したり 思いを基に構想 創造したりすることに向かう 深い学び が実現できているか 例 事象の中から自ら問いを見いだし 課題の追究 課題の解決を行う探究の過程に取り組む 精査した情報を基に自分の考えを形成したり 目的や場面 状況等に応じて伝え合ったり 考えを伝え合うことを通して集団としての考えを形成したりしていく 感性を働かせて 思いや考えを基に 豊かに意味や価値を創造していく 20

教育公務員特例法等の一部を改正する法律案の概要 趣旨 大量退職 大量採用の影響により経験の浅い教員が増加する中 教育課程 授業方法の改革への対応を図るため 教員の資質向上に係る新たな体制を構築する 1. 教育公務員特例法の一部改正 (1) 校長及び教員の資質の向上に関する指標の全国的整備 文部科学大臣は 以下に述べる教員の資質の向上に関する指標を定めるための必要な指針を策定する 教員等の任命権者 ( 教育委員会等 ) は 教育委員会と関係大学等とで構成する協議会を組織し 指標に関する協議等を行い 指針を参酌しつつ 校長及び教員の職責 経験及び適性に応じてその資質の向上を図るための必要な指標を定めるとともに 指標を踏まえた教員研修計画を定めるものとする (2) 十年経験者研修の見直し十年経験者研修を中堅教諭等資質向上研修に改め 実施時期の弾力化を図るとともに 中堅教諭等としての職務を遂行する上で必要とされる資質の向上を図るための研修とする 新たなスキーム ( イメージ ) 指針策定文部科学大臣 2. 教育職員免許法の一部改正 協議会 任命権者たる教育委員会等 協議 大学等 設置 定策 協議を経て 参酌 する指標 資質の向上に関 指標を踏まえ策定 教員研修計画 普通免許状の授与における大学において修得を必要とする単位数に係る科目区分を統合し 外国語の小学校特別免許状を創設する 3. 独立行政法人教員研修センター法の一部改正 業務に 教職員その他の学校教育関係職員に必要な資質に関する調査研究及びその成果の普及 任命権者が指標を定めようとする際の助言並びに教員免許更新講習の認定 教員資格認定試験の実施及び教育職員免許法認定講習等の認定に関する事務を追加する ( 一部文部科学省からの業務移管 ) とともに その名称を 独立行政法人教職員支援機構 に改める 4. 施行期日 平成 29 年 4 月 1 日 ( ただし 2. については平成 31 年 4 月 1 日 ( 一部については公布日又は平成 30 年 4 月 1 日 ) 3. の一部については平成 30 年 4 月 1 日又は平成 31 年 4 月 1 日 ) 21

本方針を把握する仕組を構築基多様化する高校教育の質の確保と 高等学校基礎学力テスト との関係 義務教育 ( 小 中学校 ) 多様な高校入試 高校進学率 (H27) 98.5% 生徒数 割合 量的拡大をベースとした施策から 多様化した高校における 質的充実 に向けた施策への転換を目指す 高校において 各学校の特性に応じた魅力ある学びを提供するなどの方策を推進するとともに 生徒の基礎学力の把握 定着のための仕組を構築する 大学において 多様な入学生に対応した初年次教育の見直し 充実など 大学教育の改革を目指す 約 72 万人 (22%) 〇 SPH 事業等を通じた専門的な教育の充実 ( 農業高校での先進農家の経営実践の学習等 ) 〇各専門分野で校長会等が実施する検定等を活用した多面的評価の推進 ( 情報技術検定 簿記等 ) 基礎学力テストの活用 〇職業人としての専門性の育成を図る上で 必要となる基礎学力の確実な定着を目指す学校による活用 基礎学力テストの活用以外 約 58 万人 (55%) 高等学校 専門高校 大学 短大 ( 新たな高等教育機関の検討を含む ) 入学者レベルに応じた初年次教育の見直し 充実など 学力の 3 要素 を多面的 総合的に評価する入学者選抜 校生の実態生徒高 AO 推薦入試を経由する大学進学者は約 4 割まで増加 授業外の学習時間は約 6 割の高校 3 年生が1 時間未満 約半数の高校生が読書をしない 高校生のスマホ等の利用は 男子平均 3.8 時間 女子平均 5.5 時間 高校生の基礎学力や学習意欲が大幅に低下していないか 高校生の時間が有効に活用されていないのではないか 約 330 万人 (78%) 普通高校 総合高校 生徒の能力 適性等に応じた学力向上の取 組の推進 ( SSH や SGH 事業の推進 授業充実 の工夫 ICT 活用 学習評価の改善 ) 〇多様な入試を経て入学した生徒に対して義務教育の内容も含めた学び直しの徹底 ( 補習や学校設定科目の活用等 ) 社会での活動等に接続 参考 約 23 万人 (22%) 専門学校 各種学校 約 28 万人 〇基礎学力テストの活用等を 通じて更なる教育の質の向上 少人数指導や補習の実施など きめ細やかな学習指導による基礎学力の定着に向けた取組 ( キャリア教育等の充実とあわせて ) 定時制 通信制 〇広域通信制高校の教育運営改善 等をはじめ 教育の質の確保に 向けた取組の推進 〇重点支援校を指定し 教員配置や教育課程を工夫 充実 職場や地域社会で求められる基礎学力のイメージ 読み 書き 数的な処理能力 基本 IT スキル 社会人常識 約 19 万人 (18%) 就 等 職 社会で自立するために必要な基礎学力について 各学校がそれぞれの実情を踏まえて目標を設定し 取組が進められるよう 定着度合いの目安 基礎学力の定着度合いの確認を通じ 興味 関心を引き出し 自ら 学びの質の向上 に取り組めるようにする 〇 生徒個人の基礎学力テストの希望 受 検も可能 ( 各県に受検会場を設置 ) 〇 県教委等 〇高校の魅力づくりとともに 質の確保のための体制強化や再編整備 〇学校支援のための教員人事配置や予算措置 教員研修等の取組 基礎学力テストの導入意義 高卒程度認定試験との連携を検討 ( 安易な高校卒業資格の取得の助長につながらぬよう配慮 ) 22