事業事前評価表

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事業事前評価表 国際協力機構農村開発部農業 農村開発第一グループ第二チーム 1. 案件名国名 : インドネシア共和国案件名 : 和名農業保険実施能力向上プロジェクト英名 The Project of Capacity Development for the Implementation of Agr

(2) 当該国における地震防災分野の開発政策と本事業の位置づけネパール政府は 2009 年に災害リスク国家管理戦略を制定し 対象災害の一つとして地震を上げている 地震防災分野は 2009 年に設置された National Platform for Disaster Risk Reduction にお

ログラムの審査に産業界からも参画を得ることで 大学がエンジニア予備軍である学部学生に対し社会のニーズに即した教育を実践できるよう 促進する役割を果たしている かかる状況の下 エンジニアの量的拡大が質を伴う形で実現されるよう インドネシア政府は我が国に対し LAM-PS としての インドネシアエンジニ

事業事前評価表 ( 地球規模課題対応国際科学技術協力 SATREPS) 国際協力機構農村開発部農業 農村開発第一グループ第二チーム 1. 案件名国名 : インドネシア共和国案件名 : 和名 ( 科学技術 ) 食料安全保障を目指した気候変動対応策としての農業保険における損害評価手法の構築と社会実装英名

事業事前評価表

事業事前評価表

欠であり 運輸交通分野を中心に膨大なインフラ投資が必要になると見込まれる これらのインフラ整備にあたっては 案件ごとにマスタープランから工事まで段階を踏んで検討 建設が進められるが 対象地の地形などを確認 把握するため 検討段階に応じた精度の地図が必要となる 現在 同国では基本的な測地基準点網が整備

は Blue Print for Air Transportation にて民間航空長期計画を作成 アクションプラン DGCA 5-Year Strategic Plan を作成した上 航空安全に係る総合的な対策の強化を図っており 本事業はこれに寄与するもので

事業事前評価表 1. 案件名国名 : ラオス人民民主共和国案件名 : ルアンパバーン世界遺産の持続可能な管理保全能力向上プロジェクト Project for Capacity Enhancement for Sustainable World Heritage Management and Pres

護ディプロマ課程を 3 年制看護ディプロマ課程に変更したのに加え ディプロマ課程看護師の現任研修により学士が取得できる 2 年制ポスト ベーシック課程とは別に大学教育として看護学士課程制度 (4 年制 ) を導入することを定めた 学術的に高度な 4 年制看護学士課程の卒業生は輩出されたばかりであるが

事業事前評価表

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事業事前評価表 国際協力機構産業開発 公共政策部資源 エネルギーグループ第二チーム 1. 案件名国名 : ザンビア共和国案件名 : 和名ザンビアにおける鉛汚染のメカニズムの解明と健康 経済リスク評価手法および予防 修復技術の開発英名 The Project for Visualization of

事業事前評価表

援 GHGインベントリ策定にかかる技術移転等 気候変動対策を推し進めるための包括的な支援を実施した 同プロジェクトの成果として 国家気候変動緩和行動計画 (RAN-GRK) に基づき州気候変動緩和行動計画 (RAD-GRK) の策定が進められるとともに 国家気候変動適応行動計画 (RAN-API)

Rodrigo Domingues UNDP Borja Santos Porras/UNDP Ecuador UNDP Kazakhstan 2

と衝突して沈没し 147 人が死亡 2014 年 8 月にはパドマ川で約 250 人を乗せたフェリーが荒天のため転覆し 110 人が死亡等の大事故が発生している また 同国は 雨季には大型サイクロンが度々ベンガル湾から来襲し 沿岸部で遭難事故が多発するなど 地理的に自然災害の影響を受けやすい地域であ

事業事前評価表

政府説明資料

(CANACINTRA) 等と連携を図りつつ設置する案を有しており 国家中小企業コンサルタント養成 認定制度を具現化するためにいかにして事業を進めていくかが課題となっている (2) 相手国政府国家政策上の位置づけカルデロン大統領は 近代的かつ競争力のある経済の強化及び雇用の創出 を 治安 貧困撲滅

事業事前評価表


2008年6月XX日

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事業事前評価表 国際協力機構地球環境部環境管理第一チーム 1. 案件名 国名 : パキスタン国案件名 : 和名パンジャブ州上下水道管理能力強化プロジェクト英名 Project for Improving the Capacity of WASAs in Punjab Province 2. 事業の背

新JICAにおける事前評価(技協・無償)について

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事業事前評価表 ( 地球規模課題対応国際科学技術協力 (SATREPS)) 国際協力機構地球環境部防災第一チーム 1. 案件名国名 : フィリピン共和国案件名 : 和名 フィリピンにおける極端気象の監視 情報提供システムの開発 英名 The Project for Development of Ex

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(Microsoft Word - \216\226\221O\225]\211\277\225\\ doc)

政府説明資料

無償資金協力 案件概要書 2017 年 8 月 29 日 1. 基本情報 (1) 国名 : カンボジア王国 (2) プロジェクトサイト / 対象地域名 : シハヌークビル特別市 プノンペン (3) 案件名 : 港湾近代化のための電子情報処理システム整備計画 (The Project for Port

令 (2006 年 5 号 ) では 2025 年までの国家エネルギー政策の数値目標を設定し エネルギー供給量に対する新 再生可能エネルギーの目標値を 17%( うち地熱エネルギーは 5 %) に定めた また 2010 年の Vision 25/25 において 新 再生可能エネルギーの目標値を 25

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

研究は重要項目とされている 本事業は CERMEL と長崎大学の共同研究を通じて 1 対象地域におけるウイルス感染症の流行状況の解明 2 新規に同定されたウイルスの性状解析 3 公衆衛生対策上優先度の高いウイルスに対する診断法の開発を行い ガボン側研究機関のウイルス感染症研究開発の能力向上に貢献する

諸外国の火山防災体制

日本海溝海底地震津波観測網の整備と緊急津波速報 ( 仮称 ) システムの現状と将来像 < 日本海溝海底地震津波観測網の整備 > 地震情報 津波情報 その他 ( 研究活動に必要な情報等 ) 海底観測網の整備及び活用の現状 陸域と比べ海域の観測点 ( 地震計 ) は少ない ( 陸上 : 1378 点海域

新JICAにおける事前評価(技協・無償)について

事業事前評価表 ( 地球規模課題対応国際科学技術協力 (SATREPS)) 農村開発部農業 農村開発部第二グループ 1. 案件名国名 : スーダン共和国案件名 : 和名ストライガ防除による食料安全保障と貧困克服英名 The project for development of counter mea

事業事前評価表 1. 案件名 ( 国名 ) 国際協力機構南アジア部南アジア第四課 国名 : バングラデシュ人民共和国案件名 : 貧困削減戦略支援無償 ( 教育 ) (Poverty reduction efforts) 2. 事業の背景と必要性 (1) 当該国における初等教育セクターの現状と課題バン

08 年 月 日 バングラデシュ 地理情報標準策定計画 / GIS 計画 サモア ジェンダー分析 平和構築 国家地理空間情報整備支援プロジェクト詳細計画策定調査 ( 地理情報標準策定計画 / GIS 計画 ) 09 年 月中旬 ~ 現地派遣渡航留意 09/0/9 ~ 09/0/08 09 年 月下旬

年次報告書090903_入稿

架鉄道三路線 ( うち 二路線は軽量 ) の総延長は 50km にとどまっている 首都圏南方については マニラ市ツツバンからカブヤオ市ママティッドまでの区間を頻度の低い通勤線が非電化路線として運行しているのみである 首都圏北方は 居住エリアが拡大しているものの 十分な公共交通手段が確保されていないた

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支援 及び 不均衡の是正と安全な社会造りへの支援 の中で重点分野として掲げており また JICA も国別分析ペーパーの協力プログラムにおいて 首都圏の都市基盤整備プログラム や 地方開発 拠点都市圏整備プログラム の中で開発課題として位置づけている 上水道セクターにおいては 日本は下記 3.(9)

区間を頻度の低い通勤線が非電化路線として運行しているのみであり 十分な公共交通手段が確保されていないため 同エリアと周辺に住む住民はバスや自動車等により通勤しているが 道路の混雑により 通勤に大きな支障が出ている 加えて 南北鉄道事業南線 ( 通勤線 ) ( 以下 本事業 という ) の対象区間には

国 アメリカ ロシアに次いで世界第 4 位の電力消費国となっている (2014 年 ) 国内の電力供給に関しては 1,114,408GWh の需要に対して供給量は 1,090,851GWh と 2.1% の不足 供給能力もピーク時 153,366MW の需要に対して 148,463MW と 3.2%

Microsoft Word - MMR事業事前評価表.doc

の理解と参加を促進し, 開発協力を支える社会的基盤をより一層広げ, 強化するために, NGO/ 市民社会 (CSO) との連携が推進されるべきことが謳われたところである 以上の経緯と背景の下に NGO と ODA の連携に関する中期計画 ~ 協働のための 5 年間の方向性 ~ が策定されることとなっ

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

事業事前評価表

火山防災対策会議の充実と火山活動が活発化した際の協議会の枠組み等の活用について(報告)【参考資料】

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1.1 協力の背景中米地域では風水害 土砂災害 地震 火山噴火など多様な自然災害が発生し それによる人的 経済的被害は同地域の開発にとって大きな障害の一つとなっていた このため 中米 6 カ国は 1993 年に 災害に強い社会を共に築くことを目的として中米統合機構 (SICA) の下に CEPRED

Microsoft Word - 事前評価

2章 第 2 章 日本の開発協力の具体的取組 第 2 節地域別の取組 績を上げています これらの国と日本はパートナーシップ プログラムを締結し たとえば ブラジルと共に アフリカのモザンビークにて また メキシコと共にパラグアイにて 農業開発分野の協力を進めているほか アルゼンチン ドミニカ共和国等

1-2. 国内外の援助潮流 動向 (1) 国連防災世界会議と仙台防災枠組 国連防災世界会議 は 第 1 回会議が 1990 年から 1999 年の 国際防災の 10 年 の中間レビューとして 1994 年に開催されて以降 過去 3 回すべてを日本政府がホストし それぞれの成果文書はその後の世界的な防

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

Microsoft Word - 13 地域イントラ.doc

おける成果としては まず組織運営 ( 交番活動 ) 面としてシフト制による 24 時間勤務 受け持ち区域 体制がつくられ 住民の要望を聞くとともに防犯上のアドバイスなどをする 巡回連絡 が行われるようになり そうした現場レベルでの市民警察活動の拠点として BKPM( 警察 市民パートナーシップ セン

プレス発表資料 平成 27 年 3 月 10 日独立行政法人防災科学技術研究所 インドネシア フィリピン チリにおけるリアルタイム 津波予測システムを公開 独立行政法人防災科学技術研究所 ( 理事長 : 岡田義光 以下 防災科研 ) は インドネシア フィリピン チリにおけるリアルタイム地震パラメー

プロジェクト ( 年 ) 独 (KfW): 西ナイル地区に特化した配電網の拡充 小水力の開発 ( 年 ) 3. 事業概要 (1) 事業の目的ウガンダにおける産業活性化が期待できる地方において 長距離配電線 (33kV 配電線 ) の資機材の調達 据付を行うことによ

事業事前評価表

政府説明資料

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評価調査結果要約表 1. 案件概要 国名 : メキシコ合衆国案件名 : メキシコ国電子分野における研究 教育手法の開発分野 : 中小企業振興援助形態 : 技術プロジェクト所轄部署 : 中南米部中米 カリブチーム協力金額 ( 評価時点 ):20,375 千円協力期間 (R/D):2003 年 11 月

から 日本は首都圏および地方におけるインフラ整備しゅんせつせんも積極的に行っており パラグアイで浚渫船整備のための無償資金協力 ニカラグアにおける橋梁 国道整備計画に係る円借款およびボリビアにおける国道の防災対策のための無償資金協力の供与を決定しました 環境問題に対しては 日本は 気象現象に関する科

0528事業事前評価表(円借款+附帯技プロ)final.doc

津波警報等の留意事項津波警報等の利用にあたっては 以下の点に留意する必要があります 沿岸に近い海域で大きな地震が発生した場合 津波警報等の発表が津波の襲来に間に合わない場合があります 沿岸部で大きな揺れを感じた場合は 津波警報等の発表を待たず 直ちに避難行動を起こす必要があります 津波警報等は 最新

3 4

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ジャカルタ大都市圏空港整備計画調査の必要性については JICA が 2008 年 1 月に実施した 次世代航空保安システム整備に係るフィージビリティー調査 でも提言がなされており 既存空港の拡張及び効率的運用を含めたジャカルタ首都圏周辺の適切な空港整備に係る長期的な計画を策定する必要性は高い インド

事業事前評価表_新様式

Microsoft Word - 事前評価表 (セット版).doc

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4 中南米地域 中南米地域は人口 6.4 億人 域内総生産約 6 兆ドル (2017 年 ) の巨大市場であり 通商戦略上も重要な 地域です また 民主主義が根付き 鉄鉱 銅鉱 銀鉱 レアメタル ( 希少金属 ) 原油 天然ガス バイオ燃料などの鉱物 エネルギー資源や食料資源の供給地でもあり この地

政府説明資料

(Microsoft Word - \216\226\213\306\216\226\221O\225]\211\277\225\\Fin.doc)

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

政府説明資料

を余儀なくされている発表されている このような状況下 当国 NGO カサ アリアンサは 1988 年の設立以来 メキシコ市において路上生活を営む子供の保護 心身のケア 家族との再会支援 社会的自立に向けた教育支援に取り組んできた JICA は 2000 年 12 月から 3 年間 カサ アリアンサを

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事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

01 【北海道】

Microsoft Word - 事前評価表最終版0623final.doc

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

平成18年度標準調査票

地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UNCE-GGIM) 報告 2012 年 8 月ニューヨークで第 2 回の地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UN Committee of Experts on Global Geospatial Information Ma

SATREPS 公募説明会資料 2018 年 9 月独立行政法人国際協力機構 (JICA) 社会基盤 平和構築部国際科学技術協力室 1

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政府説明資料

日本のアルゼンチンにおける産業協力

(2) 当該国における保健医療セクターおよび科学技術セクターの開発政策と本事業の位置づけ インドネシア保健省は 国家長期保健開発計画 およびその具体的な施策となる 保健セクター戦略計画 において感染症対策を重点項目の一つに位置づけている また インドネシア研究

Rev

大規模災害等に備えたバックアップや通信回線の考慮 庁舎内への保存等の構成について示すこと 1.5. 事業継続 事業者もしくは構成企業 製品製造元等の破綻等により サービスの継続が困難となった場合において それぞれのパターン毎に 具体的な対策を示すこと 事業者の破綻時には第三者へサービスの提供を引き継

Transcription:

事業事前評価表 1. 案件名 国名 : ニカラグア共和国 国際協力機構地球環境部防災第 2 チーム 案件名 : 和名中米津波警報センター能力強化プロジェクト英名 The Project for the Strengthening of Capacity of the Central American Tsunami Warning Regional Center (CATAC), in Nicaragua 2. 事業の背景と必要性 (1) 当該国における防災セクターの開発実績 ( 現状 ) と課題 中米太平洋岸地域 ( グアテマラ エルサルバドル ホンジュラス ニカラグア コスタリカ及びパナマ ) は カリブプレート西南端に位置し 太平洋側からコ コスプレートがカリブプレートの下に沈み込んでいることに加え 南米プレー ト北端が接していることもあり 地震が頻発する地域である さらには太平洋 岸ではプレート境界が沿岸部に近接していることから 近傍 隣接地域で津波 の発生による被害が危惧されている 近年では 1992 年ニカラグア近海でマグ ニチュード 7.0 の地震で津波が発生し 地震 津波で約 200 名の死者 行方不 明者及び経済的損失を また 2012 年 8 月にエルサルバドルでマグニチュード 6.9 の地震が発生し経済的損失をもたらしている ニカラグアでは 1992 年の津波による被害を受け 国土調査院 (Instituto Nicaragüense de Estudios Territoriales 以下 INETER) 地質 地球物理部におい て地震津波の 24 時間監視体制が中米で初めて整備された 他の中米諸国におい ては 津波観測体制の強化が急務であるが 自国の国民に向けて発信される津 波警報については 自国において地震情報の解析及び津波予測を実施する能力 が不足しており ハワイにある太平洋津波警報センターの警報内容に頼らざる を得ない状況である これに対し ニカラグアは中米地域の津波警報体制の強化を目的として 2011 年より中米津波警報センター ( 以下 CATAC) の開設を UNESCO/IOC 1 の会合 にて提案し 開設に向けた中米諸国及び UNESCO/IOC との議論が開始された 2014 年 9 月の IOC 中米津波会議では CATAC の津波警報発信機能発揮に必 要とされる 中米地域地震観測ネットワーク の設置が中米諸国間で了承され 更に 2015 年 6 月にパリで開催された UNESCO/IOC 総会にて CATAC の開設 が承認された 1 国際連合教育科学文化機関 / 政府間海洋学委員会 世界の地震監視及び津波情報にかかる権限の政府間域 内調整 津波防災促進業務等を所掌する 1

ニカラグアの INETER を拠点として CATAC として機能するためには 1 中米 地域に津波警報を発出するための地震観測 解析能力 津波観測能力の強化 2 中米地域関係機関の人材育成実施体制の構築が急務となっている (2) 当該国における防災セクターの開発政策と本事業の位置づけニカラグアは国家開発計画 (2012-2016) を策定しており 貧困削減のためのマクロ経済の安定を重視しており 貧困削減と格差是正を目指し 貧困削減を伴う経済成長 公益と社会平等 気候変動適応 災害リスク総合管理 の 3 つに集約される 12 の方針を設定している 本案件はニカラグア政府が推進する災害リスク総合管理に貢献する案件である 具体的には 本事業では ニカラグア政府が別途実施している太平洋沿岸部への警報装置の設置事業や 中米広域防災能力向上プロジェクト 及び 同フェーズ 2 にて導入されているコミュニティレベルでの防災意識の啓発や避難方法にかかる活動との相乗効果を狙い 津波防災の総合的な促進を図る また中米地域全体に裨益する津波警報センターの構築を通じ 中米統合の促進 域内の防災能力の強化といった 地域の共通課題の改善にも寄与する (3) 防災セクターに対する我が国及び JICA の援助方針と実績外務省の 対ニカラグア共和国国別援助方針 (2013 年 3 月 ) では 援助重点分野 3 として 環境保全と防災 を掲げており 本事業はその中の開発課題 災害リスク軽減 環境保全 に対応するための 災害リスク軽減 環境保全プログラム に該当する また 2015 年 3 月に仙台市で開催された第 3 回国連防災世界会議において 新たな国際的な防災枠組として 仙台防災枠組 2015-2030 が策定された 本枠組には我が国の防災の経験 知見を反映しており 優先行動 効果的な応急対応に向けた準備の強化とより良い復興 (Build Back Better) の中で災害予警報の体制強化が 更に優先行動 災害リスク管理のための災害リスクガバナンス の中では関係ステークホルダーとの調整の場の確保の重要性が明記されており 本事業の実施を通じて 関係ステークホルダーとの調整の場を確保することによって 中米地域の津波警報体制の強化と津波災害対応能力向上を目指す 特に津波防災に関しては 国連防災世界会議で我が国が提唱し 日本を含む 142 か国の共同提案により 11 月 5 日を 世界津波の日 とすることが 2015 年 12 月の国連総会にて承認されており 本プロジェクトでも津波に対する意識啓発の向上を目的としたイベントの開催を検討し 周知を図る 対ニカラグア国別援助方針 事業展開計画の開発課題 3-1( 小目標 ) 災害リスク軽減 環境保全 の 災害リスク軽減 環境保全プログラム にて防災 2

支援を計画しており 本事業は同プログラムに位置づけられる 地震観測 津波警報体制の強化を通じて ニカラグア政府が別途実施している太平洋沿岸部への警報装置の設置事業や 中米広域防災能力向上プロジェクト 及び 同フェーズ 2 にて導入されている防災活動の成果を活用することで 津波防災の総合的な促進に資するものである また中米地域全体に裨益する津波警報センターの構築を通じ 中米統合の促進 域内の防災能力の強化といった 地域の共通課題の改善にも寄与するものである (4) 他の援助機関の対応 ハード面の改善に係る他機関からの支援計画はないが UNESCO/IOC は 中 米地域における津波モデルの策定 避難計画や避難計画の策定 避難訓練の支 援を実施すると共に 地域会合開催等の支援を行っている CATAC の承認前よ り USGS 2 はデータ通信改善に係る研修を毎年実施中 なお コロンビア メ キシコ チリといった中米諸国以外の国とのデータ交換等についても INETER にて中米各国と交渉中である 3. 事業概要 (1) 事業目的 ( 協力プログラムにおける位置づけを含む ) 本事業はニカラグアにおいて CATAC が中米各国の地震データを用いて実施 する地震パラメーター 3 解析能力 津波予測能力の向上等 及び中米諸国に対す る人材育成を実施するための施設基盤整備及び中核人材の育成を行うことによ 4 り CATAC 津波アドバイザリー情報に必要となる量的津波予測能力が向上され 同情報が各国の津波警報に活用されるものである (2) プロジェクトサイト / 対象地域名プロジェクトサイト : マナグア市 ( 人口 :1,850,000 人 面積 :544km2) 対象地域 : 中米諸国 ( グアテマラ エルサルバドル ホンジュラス ニカラグア コスタリカ及びパナマ ) 太平洋岸地域 (3) 本事業の受益者 ( ターゲットグループ ) 直接受益者 :INETER 地震 津波観測 / 解析実務者 30 人程度 <ニカラグア> 1) 国家災害管理 防災システム事務局 (Co-Direcciones de SINAPRED)5 2 米国地質研究所 : 英 : United States Geological Survey; USGS) は アメリカ合衆国内務省の傘下にある研究機関である 水文学 生物学 地質学 地理学の 4 つの主要な学問分野について 合衆国領内を中心に 自然景観 天然資源 および同国を脅かし得る自然現象を対象とする調査 研究を行っており 同国の地形図および地質図の作成業務も担当している 3 震源の位置 マグニチュード 震源メカニズムの 3 つの総称 4 津波の到達予測時間と高さの総称 3

人程度 2) 市民防衛隊災害オペレーションセンター (CODE)5 人程度 < 中米諸国 > 1) 地震 津波観測機関実務者 (2 人 5か国 )10 人程度 2) 防災機関 (2 人 5か国 )10 人程度 間接受益者 : 中米太平洋岸地域グアテマラ ( 人口 :14,027,000 人 面積 :108,890km2) エルサルバドル ( 人口 :6,163,000 人 面積 :21,040km2) ホンジュラス ( 人口 :7,466,000 人 面積 :112,090km2) ニカラグア ( 人口 :5,743,000 人 面積 :129,494km2) コスタリカ ( 人口 :4,579,000 人 面積 :51,100km2) パナマ ( 人口 :3,454,000 人 面積 :75,416km2) (4) 事業スケジュール ( 協力期間 ) 2016 年 7 月 ~2019 年 6 月を予定 ( 計 3 年間 ) (5) 総事業費 ( 日本側 ) 約 2.5 億円 (6) 相手国側実施機関 国土調査院 (Instituto Nicaragüense de Estudios Territoriales:INETER) 地質 地球物理部 ( 地震観測 津波予測業務を担当 ) (7) 投入 ( インプット ) 1) 日本側 ( 総額約 2.5 億円 ) 長期専門家( チーフアドバイザー / 地震 津波解析 業務調整 / 研修計画 ) 36MM 短期専門家( 津波予警報 津波シミュレーション )5MM 程度計 41MM 機材供与( 地震観測機器 分析 解析ソフトウェア ワークステーション 計算機 車両 等 ) 本邦研修( 津波予警報業務 津波シミュレーション CMT 解析 ) 2) ニカラグア国側 カウンターパートの配置プロジェクトダイレクター (Co-Director, INETER) 4

プロジェクトコーディネーター (Earth science Advisor, INETER) プロジェクトマネージャー (Director of seismology, INETER) 技術責任者 (1) 津波警報業務 手順書 (2) 地震解析 (3) 地震 潮位データ伝送 (4) 津波シミュレーションデータベース 執務環境( 執務室 設備 ) の整備 プロジェクト運営管理費( 職員の国内出張旅費等 ) 資機材の修繕 維持管理にかかる費用 (8) 環境社会配慮 貧困削減 社会開発 1) 環境に対する影響 / 用地取得 住民移転 1カテゴリ分類 :C 2カテゴリ分類の根拠 : 本事業は 地震 津波観測技術の能力向上を目的としており ソフト面での技術協力を行うものである このため 国際協力機構環境社会配慮ガイドライン (2012 年 4 月 ) 上 環境への望ましくない影響は最小限であると判断される 2) ジェンダー平等推進 / 平和構築 貧困削減 ジェンダー対象外 (9) 関連する援助活動 1) 我が国の援助活動 中米広域防災能力向上プロジェクトフェーズ2(2015 年 -2020 年 ) チリ ペルー メキシコにおいて地震 津波防災に関する地球規模課題対応国際科学技術協力プロジェクトが実施中であり エクアドルにおいても津波を伴う地震のモニタリング能力向上プロジェクトを実施中 更にはエルサルバドルにて個別専門家 地震 津波情報の分析能力強化 を派遣し観測機関の能力強化を図っている JICAが実施中の各支援の成果 教訓を中南米諸国間で共有することにより 各国の津波被害軽減能力の向上と 地域間協力のネットワークの促進に取り組む 2) 他ドナー等の援助活動 USGS が実施するデータ通信改善研修との相乗効果が期待できる 5

4. 協力の枠組み (1) 協力概要 1) 上位目標 : 中米津波警報センター (CATAC) による津波アドバイザリー情報が中米各国の津波警報に活用される 指標 : 中米各国における津波アドバイザリー情報の受領と各国津波警報への活用 2) プロジェクト目標 : CATAC 津波アドバイザリー情報に必要となる量的津波予測能力が向上する 指標 : 1. 中米諸国における地震パラメーター情報 2. 中米地域における津波警報アドバイザリー情報 3) 成果 1. INETER において中米各国の地震データを用いて実施する地震パラメーター解析能力が向上する 2. INETER において量的津波予測の能力が向上する 3. CATAC において津波アドバイザリー情報発表に必要な能力が向上する 4. CATAC において中米諸国に対する人材育成を実施する体制が構築される 5. 前提条件 外部条件 ( リスク コントロール ) (1) 前提条件 特に無し (2) プロジェクト目標達成のための外部条件 CATAC が中米各国より地震波形データと潮位データを安定的に受信する INETER が CATAC の役割を担うことに関し 中米各国 ( 観測機関 警報発出機関 ) 及び UNESCO/IOC の認識に変更がない ニカラグア政府の防災対策 津波警報に対する政策が変更しない プロジェクト対象地域において社会 経済状況が悪化しない 6. 評価結果本事業は ニカラグア国の開発政策 開発ニーズ 日本の援助政策と十分に合致しており また計画の適切性が認められることから 実施の意義は高い 6

7. 過去の類似案件の教訓と本事業への活用 (1) 類似案件の評価結果過去にJICAが実施した地震 津波観測にかかるプロジェクトの教訓として 供与機材の選定にあたっては 先方の開発計画を確認し必要数の検討を行う必要がある また 設置後に必要となるメンテナンスにも留意し プロジェクト終了後も適切に維持管理がなされるよう適切な仕様を設定する必要がある エクアドルに対する津波防災支援においては 津波を伴う地震のモニタリング能力向上プロジェクト (2014 年 -2017 年 ) により 津波警報を迅速かつ正確に発出されるように能力強化を図っているが 減災に繋げるためには 警報を受け取った住民がどのように津波警報を理解し 地方自治体も避難誘導や事前の備えのために如何に行動をするかについても対策を講じる必要があり これに対しては 国別研修 津波災害管理コミュニティ能力強化 (2015 年 -2018 年 ) を実施することで リスクの削減につながる配慮を実施している (2) 本事業への教訓詳細計画策定調査時に先方の開発計画の確認を行い 機材数量の妥当性を把握し 機材のメンテナンス費用を先方負担とすることで了解を得た 本案件では津波警報の発出能力の強化を主目的としているため 中米諸国において警報情報発令権限を有する防災機関を関係機関に含め CATAC から発出された津波警報アドバイザリー情報が防災機関によって適切に活用されるよう 配慮を行うこととした また 警報を受け取った住民や自治体の対応能力の強化にあたっては 実施中案件 中米広域防災能力向上プロジェクトフェーズ2 (2015 年 -2020 年 ) と連携を図る 特にニカラグアにおいては津波に対するコミュニティ防災の活動も予定されていることから 津波警報のエンドユーザーのニーズを踏まえ 警報内容 警報プロトコルの改定を行うこととする 8. 今後の評価計画 (1) 今後の評価に用いる主な指標 4.(1) のとおり (2) 今後の評価計画事業終了 3 年度事後評価 以上 7