第41回 アクセプタンス期間と聴聞手続(2016年版) ☆インド特許法の基礎☆

Similar documents
第1回 基本的な手続きの流れと期限について ☆インド特許法の基礎☆

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -MY MY 1 頁 マレーシア知的所有権公社 ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 MY.Ⅰ 国内段階移行手数料 ( 特許様式 No.2A) 附属書 MY.Ⅱ 特許代理人の選任又は変更 ( 特

第10回 出願公開 ☆インド特許法の基礎☆

欧州特許庁における審査期間短縮手段 背景欧州出願は 日本 米国と比較して係属期間が長い また 欧州出願では 登録まで出願維持年金を特許庁に支払う必要があり 係属期間が長くなると費用が高くなる そこで 早期権利化と 権利化にかかる費用の削減のために 欧州特許庁における審査期

第26回 知的財産権審判部☆インド特許法の基礎☆

特許出願の審査過程で 審査官が出願人と連絡を取る必要があると考えた場合 審査官は出願人との非公式な通信を行うことができる 審査官が非公式な通信を行う時期は 見解書が発行される前または見解書に対する応答書が提出された後のいずれかである 審査官からの通信に対して出願人が応答する場合の応答期間は通常 1

ことができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している さらに 台湾専利法第 76 条は 特許主務官庁は 無効審判を審理する際 請求によりまたは職権で 期限を指定して次の各号の事項を行うよう特許権者に通知することができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している なお

間延長をしますので 拒絶査定謄本送達日から 4 月 が審判請求期間となります ( 審判便覧 の 2.(2) ア ) 職権による延長ですので 期間延長請求書等の提出は不要です 2. 補正について 明細書等の補正 ( 特許 ) Q2-1: 特許の拒絶査定不服審判請求時における明細書等の補正は

出願人のための特許協力条約(PCT) -国際出願と優先権主張-

指定 ( 又は選択 ) 官庁 PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 - ベトナム国家知的所有権庁 (NOIP) 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (3) に基づく期間 : 優先日から 31 箇月 PCT 第 39 条 (1)(b)

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -SA S A 1 頁 サウジ特許庁 (SPO) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 SA.Ⅰ 略語のリスト国内官庁 : サウジ特許庁 (SPO) Law: 特許, 集積回路配置デザイン, 植

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -AL AL 1 頁 工業所有権総局 (GDIP) ( アルバニア ) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 AL.Ⅰ 委任状 附属書 AL.Ⅱ 略語のリスト国内官庁 : 工業所有権総局 (GD

指定 ( 又は選択 ) 官庁 CL PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -CL 国立工業所有権機関 ( チリ ) 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 CL 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (1) に基づく期間 : 優先日から 30 箇月 PCT 第 39 条 (1

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -RU RU 1 頁 連邦知的所有権行政局 (ROSPATENT)( ロシア連邦 ) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 RU.Ⅰ 特許国内処理請求様式 附属書 RU.Ⅱ 実用新案国内処理請求

特許制度 1. 現行法令について 2001 年 8 月 1 日施行 ( 法律 14/2001 号 ) の2001 年改正特許法が適用されています 2. 特許出願時の必要書類 (1) 願書 (Request) 出願人の名称 発明者の氏名 現地代理人の氏名 優先権主張の場合にはその情報等を記載します 現

1 アルゼンチン産業財産権庁 (INPI) への特許審査ハイウェイ試行プログラム (PPH) 申請に 係る要件及び手続 Ⅰ. 背景 上記組織の代表者は

Microsoft Word - 01.表紙、要約、目次

インド知的財産ニュースレター第 号 インド知的財産ニュースレター 第 号 2016 年 5 月 18 日 特許規則 2016 年改正 発行者株式会社サンガム IP 東京都千代田区永田町 アイオス永田町 415

文書管理番号

第6回 特許出願(3) ☆インド特許法の基礎☆

Ⅰ. はじめに 近年 企業のグローバル化や事業形態の多様化にともない 企業では事業戦略上 知的財産を群として取得し活用することが重要になってきています このような状況において 各企業の事業戦略を支援していくためには 1 事業に関連した広範な出願群を対象とした審査 2 事業展開に合わせたタイミングでの

2.2.2 外国語特許出願の場合 2.4(2) を参照 2.3 第 184 条の 5 第 1 項に規定された書面 (1) 日本語特許出願 外国語特許出願を問わず 国際特許出願の出願人は 国内書面提出期間 ( 注 ) 内に 出願人 発明者 国際出願番号等の事項を記載した書面 ( 以下この部において 国

作成日 :2006 年 10 月 1 日 世界知的所有権機関 World Intellectual Property Organization (WIPO) 所在地 :34 chemin des Colombettes, 1211 GENEVE 20, Switzerland Tel : (41 2

旧法第 114 条 ⑴ 第 1 回目の年金の納付は 特許付与の日から起算して遅くとも1 年以内になされなければならない ⑵ その後の年金納付は 当該特許が存続する限り 遅くとも当該特許付与の日又はライセンスの記録の日と同日までになされなければならない ⑶ ⑴にいう年金は出願の最初の年から起算される

平成 28 年度特許庁産業財産権制度各国比較調査研究等事業 五大特許庁及びその他主要知財庁における 特許出願から特許査定までの期間の現状と実態 に関する調査報告書 平成 29 年 3 月 一般社団法人日本国際知的財産保護協会 AIPPI JAPAN

参加人は 異議申立人が挙げていない新たな異議申立理由を申し立てても良い (G1/94) 仮 にアピール段階で参加した参加人が 新たな異議申立理由を挙げた場合 その異議申立手続は第 一審に戻る可能性がある (G1/94) 異議申立手続中の補正 EPCにおける補正の制限は EPC 第 123 条 ⑵⑶に

財営第   号

Taro-052第6章1節(p ).jtd

様式 2 特許庁長官殿 平成年月日 特定登録調査機関 印 特定登録調査機関代表者 印 先行技術調査業務規程届出書 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律第 39 条の 7 に従い 先行技術調 査業務規程を届け出ます 添付書類 先行技術調査業務規程平成 年 月特定登録調査機関

指定 ( 又は選択 ) 官庁 PCT 出願人の手引 国内段階 国内編 オーストリア特許庁 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (1) に基づく期間 : 優先日から 30 箇月 PCT 第 39 条 (1)(a) に基づく期間 : 優先日から 3

第5回 特許出願(2) ☆インド特許法の基礎☆

 

日本国特許庁の国内出願の審査結果を利用した特許審査ハイウェイ ベトナム国家知的財産庁 (IP Viet Nam) と日本国特許庁 (JPO) との間の特許審査ハイウェイ試行プログラムに関するベトナム国家知的財産庁への申請手続 ( 仮訳 ) 日本国特許庁の国内出願の審査結果を利用した特許審査ハイウェイ

作成日 :2017 年 10 月 21 日 インド India 特許庁の所在地 : Ministry of Commerce and Industry Office of the Controller General of Patents, Designs and Trademarks (CGPDT

PASMO付身分証等オートチャージサービス会員規約

意匠法第十七条の三意匠登録出願人が前条第一項の規定による却下の決定の謄本の送達があつた日から三月以内にその補正後の意匠について新たな意匠登録出願をしたときは その意匠登録出願は その補正について手続補正書を提出した時にしたものとみなす 2 前項に規定する新たな意匠登録出願があつたときは もとの意匠登

教員等の懲戒処分に係る審査に関する規程 ( 平成 21 年 9 月 16 日 ) ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 教育公務員特例法 ( 昭和 24 年 1 月 12 日法律第 1 号 以下 法 という ) 第 9 条第 2 項の規定に基づき 沖縄県立看護大学教授会 ( 以下 教授会 という )

処分に関する規則(案)

固定資産評価審査申出とは

特定個人情報の取扱いの対応について

REPORT あいぎ特許事務所 名古屋市中村区名駅 第一はせ川ビル 6 階 TEL(052) FAX(052) 作成 : 平成 27 年 4 月 10 日作成者 : 弁理士北裕介弁理士松嶋俊紀 事件名 入金端末事件 事件種別 審決取消

実体審査における審査官面接に関して GPE には面接における協議の方法 時期および内容など 詳細な要件が定められている 例えば GPE には 最初のオフィスアクションの応答書が出願人により提出された後 審査官は当該出願の審査を継続しなければならない と規定されている (GPE 第 II 部第 2 章

指定 ( 又は選択 ) 官庁 PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 - ドイツ特許商標庁 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (1) に基づく期間 : 優先日から 30 箇月 PCT 第 39 条 (1)(a) に基づく期間 : 優先

附則 この規則は 平成 29 年 3 月 1 日から施行する

千葉市プレーパーク開催支援要綱 ( 趣旨 ) 第 1 条本要綱は 本市における市民によるプレーパークを支援するために必要な事項を定めるものとする ( 用語の定義 ) 第 2 条本要綱において 次の各号に掲げる用語の意義は それぞれ当該各号に定めるところによる (1) プレーパーク子どもたちの健全な育

第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条この業務規程は 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律 ( 平成 2 年法律第 30 号 以下 法 という ) 第 39 条において準用する同法第 22 条第 1 項の規定に基づき 調査業務の実施に関し必要な事項を定めることを目的とする ( 調査業務実施の

Microsoft Word - 01社会保険等加入対策に係る事務処理要領

第 32 回 1 級 ( 特許専門業務 ) 実技試験 一般財団法人知的財産研究教育財団知的財産教育協会 ( はじめに ) すべての問題文の条件設定において, 特に断りのない限り, 他に特殊な事情がないものとします また, 各問題の選択枝における条件設定は独立したものと考え, 同一問題内における他の選

平成 27 年度特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書 商標制度におけるコンセント制度についての 調査研究報告書 平成 28 年 2 月 株式会社サンビジネス

情報公開に係る事務処理規則 ( 平 18 規則第 16 号平成 18 年 8 月 1 日 ) 改正平 19 規則第 52 号平成 19 年 9 月 21 日平 26 規則第 2 号平成 26 年 5 月 13 日平 26 規則第 22 号平成 27 年 3 月 31 日 第 1 章総則 ( 目的 )

特定個人情報の取扱いの対応について

( ウ ) 支出負担行為担当者は 工事監督員から理由書の送付があった場合は 特別の事情に該当するか否かを決定するものとする また 理由書が提出されなかった場合には 当該特別の事情を有しないものとみなして差し支えない イア以外の下請負人が社会保険等未加入建設業者である場合工事監督員は 当該社会保険等未

第15回 強制実施権 ☆インド特許法の基礎☆

Amazon ギフト券は 当社指定の送付方法でお送りいたします なお 受付 状況によっては ポイントのご利用受付から Amazon ギフト券の発行までお 時間をいただく場合がございます 予めご了承ください 利用規約 第 1 条目的 1. 本規約は 株式会社 Looop( 以下 Looop といいます

調査報告書 ~ASEAN 各国における産業財産権権利化に係る費用及び期間 ~ 第 1 はじめに本報告書は 独立行政法人日本貿易振興機構バンコク事務所 ( 以下 貴機構 という ) の委託を受けて 弊事務所が行ったインドネシア マレーシア フィリピン シンガポール タイ及びベトナムにおける産業財産権の

PMK520合併・分社等に伴うプライバシーマーク付与の地位の継続に関する手順

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

手続きガイドライン ( 日本語仮訳 ) ( ラオス関連特許出願に対する特許の付与円滑化に関する協力に基づく早期特許査定申請 ) 日本国特許庁 (JPO) により付与された特許を有する出願人は JPO での特許出願の審査結果を利用したラオス関連特許出願の 特許の付与円滑化に関する協力 ( 以下 CPG

社会保険等未加入業者との下請契約 (1 次 ) 禁止にかかる事務手続フロー 施工体制台帳により加入状況を確認 工事監督員 添付された加入を証明する書類にて確認します 未加入 加入 適用除外 契約担当に報告するとともに, 受注者に対し, 書面にて当該下請契約を締結した具体的な理由を記載した書面を提出す

(2)3 年以内の有期プロジェクト型業務 ( 同項第 2 号イ ) 事業の開始 転換 拡大 縮小または廃止のために必要な業務で 一定期間内で完了することが予定されている業務への派遣については その業務が完了するまでの期間であれば 受入期間の制限はありません (3) 日数限定業務 ( 同項第 2 号ロ

弁理士試験短答 逐条読込 演習講座 ( 読込編 ) 平成 29 年 6 月第 1 回 目次 平成 29 年度短答本試験問題 関連条文 論文対策 出題傾向分析 特実法 編集後記 受講生のみなさん こんにちは 弁理士の桐生です 6 月となりましたね 平成 29 年度の短答試験は先月終了しました 気持ちも

第2回 外国出願に関する情報の通知について ☆インド特許法の基礎☆

取手市ぬくもり医療支援事業に関する条例施行規則 取手市ぬくもり医療支援事業に関する条例施行規則 平成 17 年 10 月 24 日規則第 230 号改正平成 20 年 3 月 21 日規則第 4 号平成 21 年 6 月 17 日規則第 34 号平成 22 年 9 月 15 日規則第 43 号平成

SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 6. 特許情報へのアクセス方法 < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金減免制度につ

<4D F736F F D2093C192E895578F8089BB8B408AD A8EC08E7B977697CC FC90B394C5816A2E646F6378>

新請願・陳情全部

ウルグアイ東方共和国 (UY) ORIENTAL REPUBLIC OF URUGUAY ウルグアイの概要 : ウルグアイは 南米大陸の大西洋側に位置しブラジル及びアルゼンチンと国境を接しております ウルグアイの総面積は 約 17.6 万 k m2で人口は約 343 万人 首都はモンデビデオにありま

11総法不審第120号

会員に対する処分等に係る手続に関する規則 (2018 年 7 月 30 日制定 ) 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本規則は 定款第 15 条に規定する会員に対する処分及び不服の申立てに係る手続の施行に関し 必要な事項を定めることを目的とする ( 定義 ) 第 2 条本規則において 次の各号

1. 特許法条約及び商標法に関するシンガポール条約とは 特許法条約 (PLT) 及び商標法に関するシンガポール条約 (STLT) は 各国で異なる国内出願手続の統一化及び簡素化に関する条約である 近年 出願件数が多い欧米諸国の加入が進んでおり 両条約の締約国は PLT が 36 か国 STLT が

何故 IDS をする必要があるのか? 米国特許出願をするときは 発明者が以下の要件に対して宣誓をする宣誓書 (37 CFR 1.63) に署名しなければならない (1) 明細書 ( クレームを含む ) の内容を検討し 理解している (2) 真実であり 最初の発明者であると信じる ; (3) 規則 1

観観産第 号 平成 29 年 12 月 28 日 一般社団法人全国旅行業協会会長 殿 観光庁参事官 ( 産業政策担当 ) 旅行業法の改正に伴う経過措置について 通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律 ( 平成 29 年法律第 50 号 ) により旅行業法 ( 昭和 27 年法律第

ブロック塀撤去補要綱

しなければならない 2. 乙は プライバシーマーク付与の更新を受けようとするときは プライバシーマーク付与契約 ( 以下 付与契約 という ) 満了の8ヶ月前の日から付与契約満了の4 ヶ月前の日までに 申請書等を甲に提出しなければならない ただし 付与契約満了の4ヶ月前の日までにプライバシーマーク付

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 6. 特許情報へのアクセス < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金減免制度について

地域生活支援事業サービス提供事業者登録要綱

Microsoft Word - 細則本文(H25.6.1~)

第20回 特許要件(1)☆インド特許法の基礎☆

ただし 受注者が下請業者と直接契約を締結 ( 以下 一次下請契約 という ) した請負代金の総額が3,000 万円 ( 建築一式工事の場合は4,500 万円 ) 以上の場合は 次のとおり取り扱うものとする ア主管部長 ( 岐阜市契約規則 ( 昭和 39 年規則第 7 号 ) 第 4 条に規定する部長

Q&A 集 Q1 社会保険等とは何か A1 社会保険等とは 健康保険 ( 協会けんぽ 健康保険組合等 ) 厚生年金保険 及び雇用保険をいいます Q2 国民健康保険組合に加入しているが 社会保険等未加入建設業者となるのか A2 法人や常時 5 人以上の従業員を使用する国民健康保険組合に加入している建設

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 ( 連絡先 ) 6. 特許情報へのアクセス < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金

koku

(6) 集団回収第 57 条の2 第 3 項に規定するリサイクル推進団体による再利用を目的として集団回収対象物 ( 再利用が可能な家庭廃棄物のうち 規則で定める廃棄物をいう 以下同じ ) を回収する活動をいう ( 処理 ) 第 19 条 2 3 前 2 項に規定する一般廃棄物の処理の基準は 規則で定

Taro-官報原稿 TPP省令

また 立入調査は 市職員又は市長が委任した者が行い 調査者については身分等を示す証明書を携帯し 関係者からの請求があった場合は提示しなければならないため 立入調査員証 ( 様式第 2 号 ) により身分を証明するものとします 参考 < 基本指針 > 一 7(p.12~13) <ガイドライン> 第 3

なお 受注者から指定した期日までに保険加入を確認できる書類が提出されない場合は 埼玉県流域下水道事業建設工事標準請負契約約款第 7 条の3 第 1 項の規定に違反することとなる旨を併せて通知します 3 発注者が 理由書 ( 一次 ) によっても当該特別の事情を有すると認めないと判断した場合は 受注者

VUp案内(ACCESS)詳細_180516

外務省訓令第 19 号外交記録公開に関する規則の全部を改正する訓令を次のように定める 平成 24 年 8 月 10 日外務大臣玄葉光一郎外交記録公開に関する規則 ( 目的 ) 第 1 条この規則は 外交記録が 国民共有の知的資源として 主権者である国民が主体的に利用し得るものであることに鑑み 作成又

ドメインサービス約款

契約の終了 更新18 無期労働契約では 解雇は 客観的に合理的な理由を欠き 社会通念上相当であると認められない場合 は 権利濫用として無効である と定められています ( 労働契約法 16 条 ) 解雇権濫用法理 と呼ばれるものです (2) 解雇手続解雇をする場合には 少なくとも30 日前に解雇の予告

Taro-議案第13号 行政手続条例の

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金減免制度について 5. 実体審査の有無 6.

<4D F736F F F696E74202D208DE096B18FC893648E71905C90BF C982C282A282C428835A C5292E707074>

( 審査の申請 ) 第 5 条甲は プライバシーマーク付与適格性審査の実施基準 に基づき 付与適格性審査を申請した者 ( 以下 乙 という ) の審査を行う 乙は 甲が定めるところにより 付与適格性審査にかかわる申請書及び申請書類 ( 以下 申請書等 という ) を甲に提出しなければならない 2 乙

特別の事情 が認められる場合 ( 2) 特殊な技術 機器又は設備等 ( 以下 特殊技術等 という ) を必要とする工事で 特殊技術等を有する者と下請契約を締結しなければ契約の目的を達することができないことや その下請業者でなければ目的を達することが困難となることが明らかな場合 特別の事情 に該当しな

2016年 弾丸メールセミナー № 36回 雇用保険法 育児休業給付金

個人情報保護規定

2. 登録講習を実施している機関一般社団法人マンション管理業協会登録年月日平成 13 年 8 月 10 日所在地東京都港区虎ノ門 連絡先 株式会社プライシングジャパン 登録年月日 平成 26 年 10 月 3 日 所在地 埼玉県三郷市上口 連絡先

CSAJ審査機関関連規程

Transcription:

インド特許法の基礎 ( 第 41 回 ) ~アクセプタンス期間と聴聞手続 (2016 年版 )~ 2016 年 10 月 20 日河野特許事務所弁理士安田恵 1. はじめにインド特許法はアクセプタンス期間制度を採用している ( 第 21 条 ) アクセプタンス期間制度は, 所定の期間内に特許出願を特許付与可能な状態にしなければ, 当該特許出願を放棄したものとみなす制度である インド特許法におけるアクセプタンス期間は, 最初の審査報告書 ( 拒絶理由通知書 ) が出願人に送付されてから6ヶ月 1 であり ( 第 21 条, 規則 24B 条 (5)), 申請により3 ヶ月延長 2 することができる ( 規則 24B 条 (6)) また インドにおいて聴聞 ( ヒアリング ) は 特許審査手続きを構成する重要な手続きの一つである 自然的正義の原則は 公正な告知 (fair notice) と 聴聞 (hearing) を要求している アクセプタンス期間内に答弁を行い 聴聞 ( ヒアリング ) の申請を行えば, 聴聞の機会が付与され ( 第 14 条 ), アクセプタンス期間経過後も特許出願をインド特許庁に係属させることができるとされている ただし 聴聞は 原則としてその通知後 10 日 ~15 日後に行われ 聴聞後の書面による意見書提出期間は15 日であるため 迅速な対応が求められる 2016 年の特許規則改正 3 により アクセプタンス期間及び聴聞手続の期間が全体的に短縮されており 最初の審査報告書を受理した時点から早期に対応することが望ましい 2. アクセプタンス期間 図 1 にアクセプタンス期間の概要を示す 1 2016 年特許規則改正により アクセプタンス期間は12ヶ月から6ヶ月に短縮された 2 2016 年特許規則改正により アクセプタンス期間は3ヶ月延長できるようになった 3 Patents (Amendment) Rules 2016 (http://www.ipindia.nic.in/writereaddata/portal/iporule/1_42_1_patent Amendmen t_rules_2016_16may2016.pdf) 1

図 1: アクセプタンス期間 出願人は, 最初の審査報告書 (FER) によって通知された拒絶理由を解消し, インド特許法により課される要件を全て遵守しなければならず, 出願人が最初の審査報告書の発行日から 6 月以内 ( アクセプタンス期間 ) に答弁を行わなければ, 当該出願は放棄されたものとみなされる ( 第 21 条 ) 但し 6ヶ月の期間満了前に所定の様式 ( 様式 4) により申請 4 を行えば アクセプタンス期間を3ヶ月間延長することができる ( 規則 24B 条 (6)) アクセプタンス期間を更に延長することはできない アクセプタンス期間内に出願人が答弁 / 補正を行った場合, 審査官は当該出願を新たに審査しなければならない 当該審査は 意見書の受理順に処理される ( 規則 24B(4)) 3. 聴聞手続き 図 2 に聴聞手続の概要を示す 図 2: 聴聞手続 出願人の請求により聴聞を受ける機会が与えられる 聴聞の請求はアクセプタンス期間満了日の10 日前に行わなければならない ( 規則 28 条 (2)) 出願人により提出された答弁 / 補正が, 法に定める要件を満たしていない場合, 長官は聴聞の機会を提供した後, 実体に基づき判断を行う 聴聞は 通常 その通知後 10 日 ~15 日で行われる ( 規則 129 条 ) ただし 合理的な理由がある場合 出願人は 聴聞の延長を申請 5 すること 4 庁費用は 4000 ルピー ( 法人の場合 ) 5 庁費用は 5000 ルピー ( 法人の場合 ) 2

ができる ( 規則 129A) 延長請求は聴聞日の少なくとも3 日前に行わなければならない 長官は そうすることを適切と認めるとき聴聞の日を延長することができる ただし 延長は最大 2 回までであり 各申請で認められる最大延長期間は 30 日である なお 聴聞はテレビ会議で行うことも可能になった ( 規則 28 条 (6)) 長官は, 出願人を聴聞した後, 適切と認める場合, 明細書について補正をすべき旨を指定し又は許可することができる 出願人は 聴聞後 書面による意見書を提出することができる 意見書提出期限は 聴聞後 15 日以内であり ( 規則 28 条 (7)) 延長することはできない 長官は, 指定又は許可された補正がなされない場合, 又は特許法及び規則に定めるその他の要件が遵守されていない場合, 特許を拒絶することができる 聴聞を受ける機会が与えられることなく, 特許の拒絶は査定されない なお アクセプタンス期間中に聴聞申請を行えば アクセプタンス期間が経過しても 特許出願が特許庁に係属する点は 2016 年規則改正後も同様である 放棄 ( abandonment ) には, 特許出願を放棄する意思を明示する出願人の意識的な行為が求められ (Ferid Allani v. Union of India 2008 (37) PTC 448 (Del.)) 審査報告に対する回答において, 出願人が拒絶理由に対して何ら答弁しなかったような場合, 特許出願は放棄されたものとみなされるが 出願人が拒絶理由に対して答弁を行ったものの, 特許要件を充足していないような場合については, 長官は出願人に聴聞の機会を付与した後, 査定を行うべきという考え方自体は (W.P.(C) No.9126 of 2009, ORDER 11.03.2010) は変わらないと考えられる 4. 実務的対応例以上の通り アクセプタンス期間及び聴聞関連手続きのスケジュールは全体的にタイトである また 最初の審査報告書においては 形式的拒絶理由が多く含まれ 実質的な争点にまで到達しないこともあり 2 回目の審査報告書を受けて反論する機会を確保することが望ましいと言われている 最初の審査報告書に対する1 回の応答のみで聴聞手続きに進むと 対応期間が限られた聴聞手続きで重要な争点について聴聞の準備と反論を行い 聴聞後 15 日以内に意見書を提出しなければならず 十分な対応が困難になる 図 3に対応例を示す 最初の審査報告書 (1 st OA) を受理した場合 出願人はできるだけ早期に 具体的には3ヶ月以内を目処に意見書を提出することが望ましい アクセプタンス期間満了までに3ヶ月以上の期間を確保することによって 6ヶ月のアクセプタンス期間満了前に2 回目の審査報告書 (2 nd OA) が通知されることを期待することがで 3

きる 6 仮に 6ヶ月の期間満了間際に審査報告書が発送されたとしても アクセプタンス期間を3ヶ月延長すれば 当該 2 回目の審査報告書に対して十分な応答が可能である アクセプタンス期間内に争点を絞った反論を行うことによって 聴聞の段階で新たな争点が提起されるおそれを回避することができ 余裕を持って聴聞及び聴聞後の意見書提出が可能になる 図 3: 対応例タイムライン 5. その他 ( 過去の改正 ) アクセプタンス期間は以下の通り度々改正されており 2005 年まで短縮の方向にあったが,2006 年特許規則改正では延長され 審査促進のため2016 年特許規則改正により再び短縮された 法律及び規則の改正によりアクセプタンス期間は比較的頻繁に変更されているため 拒絶対応時にアクセプタンス期間の変更の有無を確認することが好ましい (1) 1970 年法 7 (2002 年特許法改正前 ) アクセプタンス期間は 15 ヶ月であり ( 第 21 条 (1)) 申請により 18 ヶ月まで延長す ることができた ( 第 21 条 (2)) 8 (2) 2002 年特許法 アクセプタンス期間は 12 ヶ月に短縮された ( 第 21 条 ) また 延長に係る第 21 条 (2) 6 審査官は 最初の審査報告に対する意見書を 受理した順に処理する ( 規則 24B(4)) 早期審査においては 審査報告に対する意見書をその受理日から 3 ヶ月以内 又はアクセプタンス期間の最終日から 3 ヶ月以内のいずれか早い日までに処理することが義務づけされている ( 規則 24C 条 (12)) 7 THE PATENTS ACT, 1970 (http://www.ipindia.nic.in/writereaddata/portal/ipoact/1_32_1_patent_act_1977-3-99. pdf) 8 The Patents (Amendment) Act 2002, 25 June 2002,Sec14 (http://www.ipindia.nic.in/writereaddata/portal/ipoact/1_39_1_patent-amendmentact-2002.pdf) 4

の規定が削除され アクセプタンス期間を延長することができなくなった (3) 2005 年特許法 9 10 2005 年特許規則 アクセプタンス期間の具体的期間が規則に定められた 2005 年特許規則ではアクセ プタンス期間は更に短縮され 6 ヶ月とされた ( 旧規則 24B 条 (4)(ⅰ)) ただし 申請 により 3 ヶ月まで延長することができた ( 旧規則 24B 条 (4)(ⅱ)) 11 (4) 2006 年特許規則 アクセプタンス期間は 12 ヶ月に延長された ( 旧規則 24B 条 (4)) ただし アクセプ タンス期間を延長できなくなった (5) 2016 年特許法 アクセプタンス期間は 6 ヶ月に短縮された ただし 3 ヶ月の期間延長が可能になっ た なお 6 ヶ月のアクセプタンス期間は 2016 年 5 月 16 日以降に最初の審査報告が なされた出願に対して適用される 12 5 月 16 日前に最初の審査報告を受けている出願の アクセプタンス期間は 12 ヶ月である 以上 9 The Patents (Amendment) Act 2005 (http://www.ipindia.nic.in/writereaddata/portal/ipoact/1_69_1_patent_2005.pdf) 10 The Patents (Amendment) Rules 2005, 28-12-2004, SO No. 1418 (E) (http://www.ipindia.nic.in/writereaddata/portal/iporule/1_10_1_patents-amendment s-rules-2005.pdf) 11 The Patents (Amendment) Rules 2006, 05-05-2006 SO No. 657 (E) (http://www.ipindia.nic.in/writereaddata/portal/iporule/1_14_1_patent-rules-2006.pd f) 12 Clarification regarding the Patents (Amendment) Rules 2016 (http://www.ipindia.nic.in/writereaddata/portal/news/233_1_publicnotice_18may2016.pdf) 5