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(2) 変更の内容 定款変更の内容は別紙のとおりであります (3) 日程 定款変更のための株主総会開催日平成 28 年 6 月 17 日 ( 金曜日 ) 定款変更の効力発生日平成 28 年 6 月 17 日 ( 金曜日 ) 以上 - 2 -

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監査法人グラヴィタス 代表社員公認会計士木田稔 2010/10/19

本日のコンテンツ 自社にとって最適な監査法人選択にあたっては ては 品質管理体制が必要十分か 会計事務所の国際ネットワーク 監査費用が適正か IFRS 対応 風評リスク ( 参考 ) 監査人の交代の手続 2

監査人の品質管理体制 近年の監査厳格化の背景は 監査の品質をチェックする仕組みの厳格化 監査基準 会計基準の国際化 国際ネットワークからの要求 訴訟リスクの回避 それぞれの監査事務所は十分な品質管理体制を構築することが求められている 3

監査の品質をチェックする仕組み 金融庁 日本公認会計士協会 処分の勧告報告 検査 公認会計士 監査審査会 業務改善指示 懲戒処分 業務改善命令 品質管理委員会 報告と勧告 品質管理審議会 検査 検査 品質管理レビュー 監査法人 審査委員会審査担当者 審査 定期的な検証担当者内部監査 監査ティーム 監査 被監査会社 ( 企業 ) 4

監査基準 会計基準の国際化 1 不正の発見に対する姿勢の強化 国際監査基準は2001 年のエンロン事件から生じた会計不信 監査不信を払拭するため 経営者等の不正 に対応する監査に継続企業の前提 2002 年より導入 経営者が継続企業を前提として財務情報を作成することに関して重要な疑義があり かつ 対応が十分でない場合に注記として開示 監査人はこの情報の妥当性について監査 経営者等の不正の防止 摘発に関して監査人がより深く関わる方向に 倒産予測情報を事前に開示するものではないが 監査人の責任増加 経営状態の悪い会社の監査契約解除増加 5

監査基準 会計基準の国際化 2 監査リスク アプローチ 重要な虚偽の表示が発生する可能性が高い事項について重点的に監査の資源を配分し監査を効率的かつ効果的に実施する手法 近年の財務諸表の重要な虚偽の表示は 経営者レベルでの不正や 事業経営の状況を糊塗することを目的とした会計方針の適用など リスク評価の対象は 財務諸表の個々の項目のみならず 企業 および企業環境を十分に理解し 事業上のリスク等を重視するアプローチが必要 会計基準の国際化への対応 会計ビックバン IFRSへのコンバージェンス により会計処理における将来の予測 見積りの要素が急増 経営者の主観的要素が会計処理に反映される 監査人は財務諸表の個々の項目のみならず 企業環境の変化や業界慣行等の外部的な要因 経営者の経営姿勢 内部統制の重要な欠陥 ビジネスモデル等の内部的な要因までリスク評価を行なう必要あり 企業の経済的実態を明らかにするために 会計処理に当たっての実質的判断が要請され監査人の責任増加 6

参考 公認会計士法の改正 H19.6.20 第 166 回国会で公認会計士法等の一部を改正 1 企業活動の多様化 複雑化 国際化 2 監査業務の多様化 高度化 3 公認会計士監査をめぐる不適切な事例等に対応するため 組織的監査 の重要性にこたえることを目的とする 一部抜粋 いわゆるローテーションルールの整備 大規模監査法人において上場会社の監査を担当する主任会計士のローテーション ルールル ( 継続監査期間 5 年 インターバル期間 5 年 ) を法定化 ( 現行法では 継続監査期間 7 年 インターバル期間 2 年の一般ルール ) 新規公開企業に係る公開後の最初の継続監査期間を短縮 不正 違法行為発見時の対応 監査人が財務書類に重要な影響を及ぼす不正 違法行為を発見した場合 監査役等に通知するなど 被監査会社の自主的な是正措置を促す手続きを踏んだ上でもなお適切な措置がとられないと認めるときは 監査人は当局へ申出行政処分の多様化 課徴金納付命令の創設 現行の 戒告 業務停止 解散命令 に加えて 業務管理体制の改善命令 違反行為に重大な責任を有すると認められる社員について 一定期間 当該監査法人の業務および意思決定の全部または一部に関与することの禁止 公認会計士 監査法人に対して違反行為があった場合に利益相当額 ( 監査報酬相当額 ) の課徴金を賦課有限責任組織形態の監査法人制度の創出 有限責任組織形態の監査法人については 内閣総理大臣への登録を求め 1 最低資本金 2 供託金 3 計算書類の開示要件を整備 7 虚偽証明事案に係る業務執行社員については 無限連帯責任を負う

参考 上場監査事務所登録制度 日本公認会計士協会は 上場会社の監査を行っている監査事務所に対して 上上場会社監査事務所部会への登録をもとめ 登録された監査事務所の情報を 上場会社監査事務所名簿 をホームページで開示している事務所の概要 ( 代表者 人員等 監査対象の上場会社数など ) 品質管理システムの概要 行政処分 会計士協会の懲戒処分を受けた場合の概要などが開示されている平成 22 年 10 月末現在 名簿には 152 事務所の掲載がなされている 8

大規模な会計事務所の国際ネットワーク : 収入別ランキング 国際ネットワークの名称収入 ( 百万ドル ) 前年増減決算期 左に対応する日本のネットワーク 収入 ( 百万円 ) 決算期 1 PricewaterhouseCoopers 26,171-7% 09 年 6 月期 PricewterhouseCoopers Arata 44,857 09 年 3 月期 2 Deloitte 26,100-5% 09 年 5 月期 Deloitte Touche Tohmatsu 109,234 09 年 5 月期 3 Ernst & Young 21,400-7% 09 年 6 月期 Ernst & Young ShinNihon 115,200 08 年 6 月期 4 KPMG 20,110-11% 09 年 9 月期 KPMG AZSA & Co. 113,396 09 年 6 月期 5 BDO International 5,026-2% 09 年 9 月期 BDO Sanyu & Co. 2,897 09 年 3 月期 6 RSM International 3,875 8% 09 年 12 月期 RSM Japan 3,107 08 年 12 月期 7 Grant Thornton International 3,592-9% 09 年 9 月期 Grant Thornton Japan 6,461 08 年 9 月期 8 Baker Tilly International 3,128 6% 09 年 6 月期 Baker Tilly Japan 2,076 09 年 3 月期 国際ネットワークの収入のうち おおむね半分が会計 監査 概ね 1/4 が税務 残余はコンサルティング等で占めている近年 国際ネットワークの収入は順調に成長していたが 直前期には収入が減少しているネットワークが散見される上記の資料は International Accounting Bulletin Jan 2010, Aug 2009 に掲載された情報を基に作成している 9

監査報酬の水準 ( 統計 ) 1. 監査証明業務にかかる報酬監査報酬は 2008 年度で大きく増額した 2009 2007 年度 2008 年度 合計 合計 うち SEC 登録企業等 うち非 SEC 登録企業 企業数 ( 社 ) 3,940 3,844 39 3,805 平均 ( 百万円 ) 39.75 58.52 1,102.38 47.82 中央値 ( 百万円 ) 20.80 30.00 781.00 30.00 標準偏差 ( 百万円 ) 170.78 164.2 1,060.65 68.66 2. 売上高との関係 被監査企業の売上高 ~100 億円 ~300 億円 ~1000 億円 ~3000 億円 3000 億円超 企業数 ( 社 ) 548 694 736 406 294 平均 ( 百万円 ) 23.82 30.74 44.31 69.47 196.43 中央値 ( 百万円 ) 22.00 29.00 40.00 60.00 143.00 標準偏差 ( 百万円 ) 11.00 12.53 19.81 43.21 166.02 売上高に対する比率 平均 (%) 0.893 0.1797 0.0863 0.0422 0.0243 中央値 (%) 0.449 0.1613 0.0783 0.0365 0.0202 監査報酬のうち 監査証明業務にかかるものの統計値である 監査人監査報酬白書 ( 監査人 監査報酬問題研究会監査報酬問題研究会 ) による集計値を利用 年 3 月期の監査報酬には 四半期レビュー 内 内部統制監査の業務が含まれていることが大きな原因である SEC 登録会社等 (39 社 ) は 米国の監査報酬が著しく高額であること等の理由により 監査報酬の平均値は著しく高い 高額監査報酬 (1 位 ) は東京三菱フィナンシャルグループ 4,362 百万円 非 SEC 登録企業の高額監査報酬 (1 位 ) は 富士通 1,237 百万円 監査報酬は 2008 年度で大きく増額した 2009 年 3 月期の監査報酬には 四半期レビュー 内部統制監査の業務が含まれていることが大きな原因である 3 月決算企業のみを集計の対象としている 10

監査報酬の水準 ( 統計 ) 3. 資本市場との関係 新興市場 非新興市場 2007 年度 2008 年度 2007 年度 2008 年度 企業数 ( 社 ) 782 742 1,958 1,936 平均 ( 百万円 ) 18.59 29.35 35.74 67.76 中央値 ( 百万円 ) 16.60 25.65 25.00 42.00 標準偏差 ( 百万円 ) 971 9.71 16.77 47.93 88.8585 4. 監査事務所の規模との関係 大手 3 監査法人 その他 企業数 ( 社 ) 2,766 967 平均 ( 百万円 ) 53.35 33.38 中央値 ( 百万円 ) 33.00 24.00 標準偏差 ( 百万円 ) 75.85 41.71 5. 日米の比較 アメリカ 日本 ( 非 SEC 登録企業 ) 2007 年度 2008 年度 2007 年度 2008 年度 企業数 ( 社 ) 4,906 5,060 3,898 2,678 平均 ( 百万円 ) 171.46 170.59 28.50 57.11 中央値 ( 百万円 ) 64.35 61.07 20.00 35.50 監査報酬のうち 監査証明業務にかかるものの統計値である 監査人監査報酬白書 ( 監査人 監査報酬問題研究会 ) による集計値を利用 新興市場 : 東証マザーズ ジャスダック 大証ヘラクレス 名証セントレックス 札証アンビシャス 福岡 Q-Board を対象とする 3 月決算企業のみを集計の対象としている 非新興市場における大手 3 監査法人の占める割合は76.1% その他の監査事務所が占める割合は23.9% 新興市場における大手 3 監査法人の占める割合は 65.8% その他の監査事務所が占める割合は34.2% である 3 月決算企業のみを集計の対象としている 2008 年度の日本の監査報酬の平均値 ( 中央値 ) はアメリカの 33.5%(58.1%) である 2007 年度は 15.6%(30.0%) であり 両者の際は縮小している 11

IFRS 導入と監査人とのコミュニケーション IFRS の特徴 1 原則主義 原理原則を明確にし 例外を認めない : 会計基準過多の問題や会計基準逃れに対応 数値基準の排除 解釈指針の公表も限定的 : 各国で独自に解釈指針を公表することはできない 現場における協議 事例の蓄積を重視 2 投資家等の利害関係者の意思決定に資する情報提供 将来キャッシュ フローの予測 目的適合性 ( 財務諸表の提供する情報が財務諸表の利用者による過去 現在及び将来の事象の評価 ならびに過去におこなった評価の確認や訂正に役立つことにより 利用者の経済的意思決定に影響を及ぼすものであること ) 3 資産 負債アプローチ B/Sを重視 BSはPLの連結環 ( 収益費用アプローチ ) からPLはBSの連結環 ( 資産負債アプローチ ) 資本取引以外による所有者持分の変動を包括利益としてとらえる 経営者の恣意性の排除 : 資本取引以外による期首と期末の株主資本の変動による経営者の意図に左右されない業績指標を重視 収益 - 費用 = 利益 ( 日本基準 ) から期末純資産 - 期首純資産 = 包括利益 ( 米国基準 ) へ 4 比較可能性の向上 代替的会計処理方法の削除 遡及的適用 ( 遡及修正 ): IFRSでは会計方針の変更を行った場合 原則として変更後の会計方針を前期以前から適用されていたように適用する 6 経済実質優先主義の思考 法形式よりも経済的実質を優先 (ex 複合要素取引 ファイナンス リース ) 73 大潮流 公正価値 (Fair Value) 会計 キャッシュ フロー会計 連結会計 ( 経済的単一体説 ) 8豊富な注記 ( 定量的 定性的 ) 財務諸表本体には多くの情報をいれず注記において多くの情報を記載重要な勘定科目に関する会計処理 開示に関するすべての事項を記載 (cf. 日本基準は財規でもとめられている事項のみ ) 翌年度の資産負債の帳簿価額に修正を与える原因となるリスクをともなう想定事項 見積りの不確実性に関する事項などその他 経営者の判断に関する事項 未だ適用されていないが公表されている会計基準について今後適用した際の影響 など IFRS では 実務上は財務諸表の作成者の判断に依拠するところが大きい また 会社の事業 財務内容によっては IFRS 導入で財務数値に大きな影響をうける IFRS を円滑に導入するためには より一層の会社と監査人の間で適時 適切なコミュニケーションが必要となる 12

参考 日米の IFRS 導入予定 日本の予定 米国の予定 金融庁が 我が国における国際会計基準の取り扱いに関する意見書 ( 中間報告 ) を公表 一定の上場企業に対して 2010 年 3 月期の年度の連結財務諸表より IFRS の任意適用が認められる IFRS へのコンバージェンス期限 (2011 年 6 月 ) IFRS の強制適用を行うか否か決定 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 米国 SEC が IFRS に対するロードマップを発表 米国 SECがIFRSに対するロードマップを確定予定米国発行体の一部はIFRSを2009 年 12 月 15 日以降に終了する会計年度より適用可能 すべての企業に IFRS の強制適用を行うか決定 2014 年 12 月 15 日以降終了する会計年度から会社の規模に応じて段階的に IFRS へ移行が要求される可能性 (2016 年に全企業?) 2015 年あるいは 2016 年 3 月期から上場会社の連 2015 結財務諸表にIFRSを強制適用する可能性 2016 13

監査人の交代の手続 主要な監査人の交代手続は以下のとおり 会社の手続 後任監査人候補の選択 打診 (4 月中旬まで ) 監査人予定者の指定に関する通知書を前任監査人 後任監査人に提出 (4~5 月上旬 ) 取締役会で株主総会議案に会計監査人の選任に関する議案を付議することを決定 監査役会で選任案に同意 (5 月下旬 ) 公認会計士の異動 の適時開示 臨時報告書の提出 (5 月下旬 ) 株主総会での会計監査人選任議案の承認 議事録作成 選任登記 (6 月下旬 ) 監査法人 ( 後任監査人 ) の手続 独立性 利害関係の確認 ( 打診受け次第 ) 守秘義務に関する確認書の提出 (4 月 ~5 月中旬 ) 会計帳簿等の予備調査の実施 ( 通常 2 週間程度 :4 月 ~5 月中旬 ) 経営者とのディスカッション (4 月 ~5 5 月中旬 ) 前任監査人への質問 (5 月 ~6 月 ) 前任監査人の監査調書の閲覧 (6 月 ) 受託にかかる法人内審議 (5 月 ~6 6 月 ) 就任承諾書の提出 (6 月下旬 ) 監査契約の締結 (6 月下旬 ) 3 月決算会社において 任期満了で監査人の交代が行われる場合の大まかな日程を ( ) に記載している監査法人の手続の内容 実施時期については監査事務所により異なる場合があると考えられる 14

参考 後任監査人が監査業務受託を判断する際の検討事項 監査人の交代の経緯 前任監査人の監査意見 必要十分な監査手続きが実施可能か 重要な訴訟事件の有無 継続企業の前提に関する問題の有無 財務報告にかかる内部統制の整備 運用状況 経営者の誠実性 監査報酬 等 ( 注 ) 上記の項目は当監査事務所が監査受託を検討する際の重点検討事項 ( 例示 ) です 15