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1. 日本近海における海水及び海底土の放射能調査 1.1 調査の概要この調査は 核実験等が海洋の自然環境に及ぼす影響を把握するために実施しており 日本近海の海水及び海底土に含まれる人工放射性物質の分布状況 経年変化等を把握するものである 海水については昭和 34 年 (1959 年 ) に 海底土については同 48 年 (1973 年 ) にそれぞれ調査を開始し 以来継続して実施している 本報告は平成 16 年 ( 2004 年 ) の調査結果をまとめたものである 1.1.1 調査海域試料の採取点は 図 1-1 に示すとおりである 海水は 印 海底土は 印で示した なお 採取点に付した数字は試料番号である 1.1.2 試料採取試料の採取は 本庁海洋情報部所属の測量船及び管区海上保安本部所属の巡視船 測量船で行った 海水はポリエチレン製のバケツを用いて表面海水約 20L を採取し 直ちに塩酸 ( 40 ml) を加えた 海底土はスミス マッキンタイヤ型採泥器又はエクマンバージ型採泥器を用いて採取し 表層部の約 2 cmを分取した 採取された試料数は 海水 27 試料 海底土 7 試料であり 各海域ごとの試料数及び採取機関は次のとおりである 調 査 海 域 海 水 海底土 採取機関 黒 潮 域 10 - 本庁 十管区 親 潮 域 4 - 本庁 一 二管区 日 本 海 10 - 一 七 八 九管区 オホーツク海 3 - 一管区 沿 岸 海 域 - 7 本庁 六 九 十管区 試 料 数 計 27 7-1 -

1.1.3 測定項目各試料の測定核種は次のとおりである セシウム -137 ( Cs-137 半減期 30 年 ) 海水ストロンチウム - 90 ( Sr- 90 半減期 29 年 ) セシウム -137 海底土ストロンチウム - 90 コバルト - 60 ( Co- 60 半減期 5.3 年 ) プルトニウム -239,240 ( Pu-239 半減期 24,100 年 ) ( Pu-240 半減期 6,560 年 ) 1.2 放射能測定 1.2.1 放射化学分析各試料は 核種ごとに次の化学処理を行い分離精製し ベータ線計測あるいはアルファ線計測を行った 化学収率の補正は Pu では添加した Pu-242 の計測値から 海底土の Sr では標準添加法を用いる原子吸光光度法及びイットリウム (Y) 担体添加法で その他の核種ではいずれも添加した担体の回収重量から求めた (1) 海水 [ Sr- 90] 試料に水酸化ナトリウム溶液を加え 水酸化マグネシウムと共沈させ ろ過する 得られた上澄み液 ろ液を酸性とした後 Y 担体を加え 2 週間以上放置する これに水酸化ナトリウム溶液を加え Sr-90 と放射平衡にある Y-90 を水酸化物として沈殿させ ろ別した ( 上澄み液 ろ液は Cs-137 の分析に用いる ) 沈澱物を塩酸で溶解し りん酸水素ビス ( 2 - エチルヘキシル ) 抽出法 更に陽イオン交換法によって Y を分離精製し これをしゅう酸塩として沈澱させ ろ別 乾燥して計測試料とした [ Cs-137] Sr-90 の分析中に得られた上澄み液 ろ液を酸性とした後 りんモリブデン酸アンモニウムを加え Cs を吸着させ ろ別した ろ別したりんモリブデン酸アンモニウムを水酸化ナトリウム溶液で溶解し Duolite C-3 を用いる陽イオン交換法で Cs を分離精製した後 これを塩化白金酸塩として沈澱させ ろ別 乾燥して計測試料とした (2) 海底土化学処理に先立ち 採取試料を乾燥 粉砕し 目開き 2 mmのふるいを通過した部分を分析試料とした [ Pu-239,240 ] 乾土 50g を用い Pu-242 標準液を添加した後 熱 8.4M 硝酸で浸出し 浸出液を蒸発濃縮した後 熱 8.4M 硝酸に溶解し 過酸化水素で処理し 陰イ - 2 -

オン交換樹脂カラムに通し Pu( Ⅳ ) を吸着させた 8.4M 硝酸及び 10M 塩酸で樹脂を洗浄後 よう化アンモニウム - 塩酸溶液で Pu( Ⅳ ) を Pu( Ⅲ ) に還元し溶離した 分離精製した試料はステンレススチール板上に電着して計測試料とした [ Cs-137] 乾土 50g を用い 470 で有機物を熱分解した後 熱 8M 塩酸で浸出し 浸出液に りんモリブデン酸アンモニウムを加え Cs を吸着させ ろ別した 以後の処理は海水と同様である [ Co- 60] 乾土 300g を用い 470 で有機物を熱分解した後 熱 8M 塩酸で浸出し 浸出液を陰イオン交換樹脂に通し Co を吸着させた ( 流出液 洗液は Sr-90 の分析に用いる ) 吸着させた Co は 4M 塩酸で溶離した後 テトラヒドロフラン - 塩酸混液を用いる陽イオン交換法により分離精製し 銅板上に電着して計測試料とした [ Sr- 90] Co-60 の分析中に得られた流出液 洗液をアンモニア水で中和してアルミニウム化合物等を沈澱させ除去した ろ液に炭酸アンモニウム溶液を加え Sr を沈澱させ ろ別した 沈澱物は硝酸で溶解し その溶液を煮沸して炭酸ガスを追い出した後 Y 担体を加え 2 週間以上放置する 以後の処理は海水と同様である 1.2.2 測定各試料は次の機器を使用して測定した 試料測定核種使用機器 海水 C s - 1 3 7 低バックグランドベータ線スペクトロメータ ( 富士電機製ピコベータ ) S r - 9 0 ( Y - 9 0 ) 2π 低バックグランドガスフローカウンタ ( アロカ製 LBC-4202) C s - 1 3 7 低バックグランドベータ線スペクトロメータ ( 富士電機製ピコベータ ) 海底土 C o - 6 0 低バックグランドベータ線スペクトロメータ ( 富士電機製ピコベータ ) P u - 2 3 9, 2 4 0 α 線スペクトロメータ ( SEIKO E G&G 社製 O CTPL -U04 50) S r - 9 0 ( Y - 9 0 ) 2π 低バックグランドガスフローカウンタ ( アロカ製 LBC-4202) 1.3 結果 平成 16 年 ( 2004 年 ) に採取した試料の測定結果を海水 海底土についてそれぞれ 表 1-1 及び表 1-2 に示し 測定値には計数誤差を付記した - 3 -

最小平均最小平均1.3.1 海水 各核種の海域別の最大値 最小値及び平均値は下表のとおりである 核種最大C s - 1 3 7 S r - 9 0 最大黒 潮 域 2. 2 1. 7 2. 0 1. 6 0. 6 1. 2 親 潮 域 2. 0 1. 1 1. 5 1. 5 0. 8 1. 1 日 本 海 2. 4 0. 8 1. 9 2. 1 0. 4 1. 3 オホーツク海 2. 2 0. 9 1. 5 0. 9 0. 7 0. 9 単位 : m B q / L 従来の値と比較するために 図 1-2 に 1972 年 ( 昭和 47 年 ) 以降の海域別年平均値の 経年変化を示した これらの結果から Cs-137 Sr-90 ともに 各年の値に多少の変動 はあるものの減少傾向がみられた 1. 3. 2 海底土 各核種の海域別の最大値 最小値及び平均値は下表のとおりである 核 種 P u - 2 3 9, 2 4 0 C s - 1 3 7 S r - 9 0 C o - 6 0 最 大 2. 6 1 2. 0 9 0. 1 5 0. 0 0 8 最 小 0. 1 6 0. 3 8 0. 0 2-0. 0 1 8 平 均 1. 0 2 1. 0 0 0. 0 8-0. 0 0 4 単位 : B q / k g - 乾土 従来の値と比較するために 図 1-3~ 6 に Cs-137( 1981 年以降 ) Co-60( 1974 年 以降 ) Pu-239,240( 1983 年以降 ) 及び Sr-90( 1981 年以降 ) についてそれぞれ年平 均値 最大値及び最小値の経年変化を示した これらの結果から Cs-137 Sr-90 及 び Pu-239,240 はともに 各年の値に多少の変動はあるものの 長期的には横ばいな いしは減少傾向がみられた Co-60 は 検出下限値未満の値で推移している - 4 -

凡例 : 海水 : 海底土 45 26 25 27 13 21 14 20 11 40 19 4 23 22 2 24 3 12 35 17 15 7 6 5 18 16 1 9 10 1 30 7 8 6 3 4 5 2 25 20 121 126 131 136 141 146 151 図 1-1 日本近海放射能調査の試料採取点及び試料番号 - 5 -

表 1-1 日本近海放射能調査結果 - 海水 ( 平成 1 6 年 ) 試料番号 緯 黒 潮域 ( 供試量 : 約 2 0 L) 1 34-00 144-00 2004. 2. 18 2.2 ±0.3 1.2 ±0.3 2 30-00 144-00 2004. 2. 19 1.7 ±0.4 1.4 ±0.3 3 31-00 131-30 2004. 5. 10 1.9 ±0.3 1.0 ±0.2 4 30-10 132-20 2004. 5. 10 1.9 ±0.3 0.7 ±0.3 5 30-05 132-50 2004. 5. 11 2.2 ±0.4 1.3 ±0.4 6 28-56 129-00 2004. 5. 12 2.2 ±0.3 0.6 ±0.3 7 30-00 128-00 2004. 5. 12 1.9 ±0.3 1.6 ±0.3 8 31-00 130-15 2004. 5. 13 1.9 ±0.3 1.4 ±0.2 9 32-30 133-00 2004. 10. 26 1.8 ±0.3 1.3 ±0.3 10 33-00 137-00 2004. 10. 28 2.1 ±0.3 1.6 ±0.3 親 潮域 11 40-42 141-29 2004. 1. 25 ±0.4 1.2 ±0.4 12 36-30 141-15 2004. 8. 22 1.1 ±0.3 0.9 ±0.2 13 42-53 144-25 2004. 11. 9 1.5 ±0.3 1.5 ±0.3 14 42-30 145-30 2004. 11. 9 1.5 ±0.4 0.8 ±0.4 日 採取位置 度 (N) 経 本海 15 34-14 130-06 2004. 6. 7 2.2 ±0.3 1.1 ±0.3 16 33-40 129-50 2004. 6. 7 1.6 ±0.4 1.6 ±0.3 17 34-05 129-50 2004. 6. 9 ±0.3 2.1 ±0.4 18 34-05 129-30 2004. 6. 9 ±0.4 0.4 ±0.2 19 38-06 139-21 2004. 7. 7 1.5 ±0.3 1.8 ±0.3 20 41-10 140-00 2004. 8. 7 2.4 ±0.4 0.9 ±0.3 21 42-30 137-30 2004. 8. 8 2.2 ±0.4 0.9 ±0.4 22 37-40 133-40 2004. 9. 18 1.9 ±0.3 1.3 ±0.4 23 37-40 133-00 2004. 9. 18 0.8 ±0.3 1.4 ±0.3 24 36-10 134-20 2004. 9. 19 2.3 ±0.3 0.9 ±0.4 オホーツク海 度 (E) 採取年月日 平均 平均 平均 放射能濃度 (mbq/l) 25 45-10 143-30 2004. 8. 21 0.9 ±0.3 0.9 ±0.4 26 44-20 143-40 2004. 8. 21 2.2 ±0.4 0.7 ±0.2 27 44-30 145-00 2004. 8. 22 1.4 ±0.4 0.9 ±0.3 平均 137 Cs 90 Sr 1.2 1.5 1.1 1.9 1.3 1.5 0.9-6 -

表 1-2 日本近海放射能調査結果 - 海底土 ( 平成 16 年 ) ( 供試量 : 2 3 9, 2 4 0 Pu 1 3 7 Cs; 50g 9 0 Sr 6 0 Co; 300g) 試料水深採取位置放射能濃度 (Bq/kg) 採取年月日番号緯度 (N) 経度 (E) (m) 239,240 Pu 137 Cs 90 Sr 60 Co 1 31-30.2 130-37.9 2004. 5. 10 220 1.06 ±4 0.54 ±5 0.15 ±3 08 ±08 2 38-06.2 139-21.0 2004. 7. 7 14 0.16 ±1 0.38 ±4 3 ±1-18 ±07 3 35-33.2 139-49.9 2004. 8. 21 17 1.12 ±4 1.30 ±6 8 ±3-01 ±08 4 38-16.6 141-1 2004. 8. 22 24 0.97 ±4 1.01 ±6 6 ±2-12 ±07 5 34-44.2 136-40.6 2004.11. 28 28 2.61 ±0.10 9 ±7 0.15 ±2 03 ±07 6 34-25.0 135-06.9 2004.11. 29 27 0.51 ±2 0.79 ±5 2 ±2-08 ±07 7 34-13.0 132-18.6 2004.12. 16 22 0.68 ±3 0.92 ±5 0.10 ±2-04 ±07 平均 1.02 1.00 8-04 - 7 -

mbq/l 1 全海域 mbq/l 8.0 7.0 6.0 Sr-90 8.0 6.0 4.0 1972 1976 1980 1984 1988 1992 1996 2000 2004 年 5.0 4.0 3.0 mbq/l 全海域 mbq/l 30 1.0 20 10 黒潮域 親潮域 日本海 0 1972 1976 1980 1984 1988 1992 1996 2000 2004 1971 1976 mbq/l 1981 1986 1991 全海域年 1996 2001 年 1 9.0 8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 1.0 Cs-137 25 20 15 10 5 0 1972 1976 1980 1984 1988 1992 1996 2000 2004 年 黒潮域親潮域日本海 1971 1976 1981 1986 1991 1996 2001 年 図 1-2 日本近海海水中の Sr-90 Cs-137 の経年変化 - 8 -

Bq/kg- 乾土 1.0 0.9 0.8 最高 平均最低 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 図 1-3 日本近海海底土中の Sr-90 の経年変化年 Bq/kg- 乾土 1 9.0 8.0 最高 平均 最低 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 1.0 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 年図 1-4 日本近海海底土中の Cs-137 の経年変化 - 9 -

Bq/kg- 乾土 1.2 1.1 1.0 0.9 最高 平均最低 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 年図 1-5 日本近海海底土中の Co-60 の経年変化 Bq/kg- 乾土 5.0 4.5 4.0 3.5 最高 平均最低 3.0 2.5 1.5 1.0 0.5 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 図 1-6 日本近海海底土中の Pu239,240 の経年変化 年 - 10 -