実験 中和滴定

Similar documents
Taro-化学3 酸塩基 最新版

FdData理科3年

第 11 回化学概論 酸化と還元 P63 酸化還元反応 酸化数 酸化剤 還元剤 金属のイオン化傾向 酸化される = 酸素と化合する = 水素を奪われる = 電子を失う = 酸化数が増加する 還元される = 水素と化合する = 酸素を奪われる = 電子を得る = 酸化数が減少する 銅の酸化酸化銅の還元

化学 1( 応用生物 生命健康科 現代教育学部 ) ( 解答番号 1 ~ 29 ) Ⅰ 化学結合に関する ⑴~⑶ の文章を読み, 下の問い ( 問 1~5) に答えよ ⑴ 塩化ナトリウム中では, ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン Cl - が静電気的な引力で結び ついている このような陽イ

31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

<4D F736F F D2089BB8A778AEE E631358D E5F89BB8AD28CB3>

2014 年度大学入試センター試験解説 化学 Ⅰ 第 1 問物質の構成 1 問 1 a 1 g に含まれる分子 ( 分子量 M) の数は, アボガドロ定数を N A /mol とすると M N A 個 と表すことができる よって, 分子量 M が最も小さい分子の分子数が最も多い 分 子量は, 1 H

< F31312D B C82C E837E>

必要があれば, 次の数値を使いなさい 原子量 O= 標準状態で mol の気体が占める体積. L 問題文中の体積の単位記号 L は, リットルを表す Ⅰ 次の問いに答えなさい 問 飲料水の容器であるペットボトルに使われているプラスチックを, 次の中から つ選び, 番号をマークしなさい ポリエチレン

冬休みの課題 ( 化学基礎 酸化還元 ) 1. 下線部の原子の酸化数 NO1 1 CaCO 3 2 NaNO 3 3 K 2Cr 2O 7 4 H 3PO 下線部の原子の酸化数の変化 1 3Cu+8HNO 3 3Cu(NO 3) 2+4H 2O+2NO

2004 年度センター化学 ⅠB p1 第 1 問問 1 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH 3 である 1 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO 2, ヨウ素 I 2, ナフタレン 2 3 c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6

FdText理科1年

指導計画 評価の具体例 単元の目標 単元 1 化学変化とイオン 化学変化についての観察, 実験を通して, 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解するとともに, これらの事物 現象をイオンのモデルと関連づけて見る見方や考え方を養い, 物質や化学変化に対する興味 関心を高め, 身のまわりの物質や事象を

Microsoft Word -

1 次の問い ( 問 1~ 問 5) に答えよ (23 点 ) 問 1 次の単位変換のうち, 正しいもののみをすべて含む組み合わせは どれか マーク式解答欄 1 (a) 1.0 kg = mg (b) 1.0 dl = ml (c) 1.0 g/cm 3 = 1.

jhs-science1_05-02ans

< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH -

高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ

Microsoft Word - H29統合版.doc

フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸

イオン化傾向 イオン化傾向 1 金属の単体はいずれも酸化されて陽イオンになりうる 金属のイオンのなりやすさを表したものをイオン化傾向という イオン化傾向 K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb (H) Cu Hg Ag Pt Au e- を出してイオンになりやすい酸化されやすい イ

2017 年度一般入試前期 A 日程 ( 1 月 23 日実施 ) 化学問題 (63 ページ 74 ページ ) 問題は大問 Ⅰ Ⅳ までありますが 一部 他科目との共通問題となっています 大問 Ⅰ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問 Ⅰ と共通の問題です 大問 Ⅱ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問

DVIOUT-気体と溶

<連載講座>アルマイト従事者のためのやさしい化学(XVII)--まとめと問題 (1)

Microsoft Word 後期化学問題

現行の学習指導要領(1998年公示,2002年実施)は,教育の総合化をキーワードに,「生きる力の育成」と「ゆとりある教育」をねらいとしている

Microsoft Word - 酸塩基

Taro-化学5 無機化学 最新版

<4D F736F F F696E74202D A E90B6979D89C8816B91E63195AA96EC816C82DC82C682DF8D758DC03189BB8A7795CF89BB82C68CB48E AA8E E9197BF2E >

i ( 23 ) ) SPP Science Partnership Project ( (1) (2) 2010 SSH

(Microsoft Word -

Taro-22 No19 大網中(中和と塩

木村の有機化学小ネタ セルロース系再生繊維 再生繊維セルロースなど天然高分子物質を化学的処理により溶解後, 細孔から押し出し ( 紡糸 という), 再凝固させて繊維としたもの セルロース系の再生繊維には, ビスコースレーヨン, 銅アンモニア

2011年度 化学1(物理学科)

CERT化学2013前期_問題

補足 中学校では塩基性ではなくアルカリ性という表現を使って学習する アルカリはアラビア語 (al qily) で, アル (al) は定冠詞, カリ (qily) はオカヒジキ属の植物を焼いた灰の意味 植物の灰には Na,K,Ca などの金属元素が含まれており, それに水を加えて溶かすと, NaOH

注釈 * ここでニッケルジメチルグリオキシム錯体としてのニッケルの重量分析を行う場合 恒量値を得るために乾燥操作が必要だが それにはかなりの時間を要するであろう ** この方法は, 銅の含有量が 0.5% 未満の合金において最も良い結果が得られる 化学物質および試薬 合金試料, ~0.5 g, ある

Taro-bussitu_T1

2019 年度大学入試センター試験解説 化学 第 1 問問 1 a 塩化カリウムは, カリウムイオン K + と塩化物イオン Cl - のイオン結合のみを含む物質であり, 共有結合を含まない ( 答 ) 1 1 b 黒鉛の結晶中では, 各炭素原子の 4 つの価電子のうち 3 つが隣り合う他の原子との

FdData理科3年

基礎化学 Ⅰ 第 5 講原子量とモル数 第 5 講原子量とモル数 1 原子量 (1) 相対質量 まず, 大きさの復習から 原子 ピンポン玉 原子の直径は, 約 1 億分の 1cm ( 第 1 講 ) 原子とピンポン玉の関係は, ピンポン玉と地球の関係と同じくらいの大きさです 地球 では, 原子 1

英語科学習指導案

木村の化学重要問題集 01 解答編解説補充 H S H HS ( 第 1 電離平衡 ) HS H S ( 第 電離平衡 ) そこで溶液を中性または塩基性にすることにより, つまり [ H ] を小さくすることにより, 上の電離平衡を右に片寄らせ,[ S ] を大きくする 193. 陽イオン分析 配位

電子配置と価電子 P H 2He 第 4 回化学概論 3Li 4Be 5B 6C 7N 8O 9F 10Ne 周期表と元素イオン 11Na 12Mg 13Al 14Si 15P 16S 17Cl 18Ar 価電子数 陽

<4D F736F F D2095BD90AC E93788D4C88E689C88A778BB389C88BB388E78A778CA48B868C6F94EF95F18D908F912E646F6378>

Taro-(HP)指導案(改訂).jtd

FdData理科3年

理科科学習指導案

 

木村の理論化学小ネタ 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関

<576F F202D F94BD899E8EAE82CC8DEC82E895FB5F31325F352E6C7770>

2 単元の評価規準関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 知識 理解 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事物 現象に興味 関心を持ち, それを科学的に探究しようとするとともに, 事象を日常生活との関わりで捉えようとする 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事象 現象の中に問題を見いだし,

Microsoft PowerPoint プレゼン資料(基礎)Rev.1.ppt [互換モード]

(2) 単元構想図 学習の手立て 数は時数軸 授業の目標 視点 1 果物で電池を作り 電流を取り出す 果物電池から電流を取り出す実験を通して 電池の仕組みについて 疑問や関心を抱くことができる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) 小集団の中で果物電池を作り 疑問を出し合ったり 共有したりする姿 自

後期化学

2 原子やイオンのつ 3 原子が電気的に中性 3 原子の構造について くりに関心をもっ になる理由を 原子 説明している て説明を聞こうと の構造から指摘して 4 陽イオンや陰イオン する いる の違いを説明でき 4 イオンは原子が電子 イオンをイオン式で を失ったり 受け取っ 表している たりして

品目 1 四アルキル鉛及びこれを含有する製剤 (1) 酸化隔離法多量の次亜塩素酸塩水溶液を加えて分解させたのち 消石灰 ソーダ灰等を加えて処理し 沈殿濾過し更にセメントを加えて固化し 溶出試験を行い 溶出量が判定基準以下であることを確認して埋立処分する (2) 燃焼隔離法アフターバーナー及びスクラバ

平成27年度 前期日程 化学 解答例

化 学 1 7 [ 解答にあたって, 必要があれば次の値を用いること ] 原子量 :H 1. 0, C 12, O 16 Ⅰ プロペンと等しい物質量の臭化水素を瓶の中に封じ込めたところ, 反応が開始した この反応に ついて, 問 ₁ ~ ₆ に答えよ 問 ₁ この反応では,₂ 種類の可能な構造異性体

キレート滴定

CPT2L1Z1J154.indd

ウスターソース類の食塩分測定方法 ( モール法 ) 手順書 1. 適用範囲 この手順書は 日本農林規格に定めるウスターソース類及びその周辺製品に適用する 2. 測定方法の概要試料に水を加え ろ過した後 指示薬としてクロム酸カリウム溶液を加え 0.1 mol/l 硝酸銀溶液で滴定し 滴定終点までに消費

Microsoft PowerPoint - D.酸塩基(2)

2 私たちは生活の中で金属製の日用品をたくさん使用していますが 錆びるので困ります 特に錆びやすいのは包丁や鍋などの台所用品です 金属は全て 水と酸素により腐食されて錆を生じますが 台所は水を使う湿気の多い場所なので 包丁や鍋を濡れたまま放置しておくと水と空気中の酸素により腐食されて錆びるのです こ

Word Pro - matome_7_酸と塩基.lwp

化学基礎 化学 化学基礎 化学 ( 全問必答 ) 第 1 問次の各問い ( 問 1~ 6 ) に答えよ 解答番号 1 ~ 8 ( 配点 25) 問 1 次の a ~ c に当てはまるものを, それぞれの解答群 1~4 のうちから一つずつ 選べ a Al 3+ と物質量の比 2 :3 で化合物をつくる

<4D F736F F D2093FA D95BD90E690B68EF68BC681458E7793B188C42E646F63>

Microsoft PowerPoint - presentation2007_06_RedoxOxidation.ppt

水溶液を薄める際の計算方法薄める前の塩酸の濃度 % 体積 密度 = 薄めた後の塩酸の濃度 % 体積 密度であるから 3% の塩酸 200mL 作る場合は 35% XmL 密度 =3% 200mL 密度 X=17.1mL ここでは薄める前と薄めた後の塩酸の密度は同じくらいとして計算した よって 水に濃

FdData理科3年

Ⅲ 化学変化とイオン 単元における観察 実験の位置付け 学習活動備考 課題 どのような水溶液が電流を通すのだろうか 実験 1 電解質や非電解質の水溶液について電流を通すか調べる実験 様々な水溶液を用意するが この後に 塩化銅水溶液や塩酸の電気分解に触れるため この 2 つの水溶液は用意しておくとよい

(2) 単元構想図 単元デザイン 時数と手立て軸 数ねらい 引き出したい学習活動の姿 ICT の活用 カリキュラムマネジメント 疑問や知りたいことを共有する 1 電池のしくみについて 疑問や知りたいことを共有することができる ( 自然事象への関 1 果物電池を作り 電子オルゴールを鳴心 意欲 態度

Microsoft Word - basic_15.doc

留意点 指導面 化学に対する興味 関心を高めることが主なねらいなので, 原理については簡単に触れる程度にとどめる 身の回りにある合成高分子に気付かせ, それらが化学の先人の研究成果によって作られたものであることから, 化学が人間生活に果たしている役割について触れる 分子量が約 1 万以上の分子からな

Problem P5

▲ 電離平衡

14551 フェノール ( チアゾール誘導体法 ) 測定範囲 : 0.10~2.50 mg/l C 6H 5OH 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の ph が ph 2~11 であるかチェックします 必要な場合 水酸化ナトリウム水溶液または硫酸を 1 滴ずつ加えて ph を調整

<4D F736F F D2093C58C8088C38B4C A F94708AFC96405F2E646F63>

見いださせる 3 章 化学変化と電池 本章では電解質水溶液と2 種類の金属を用いて電池をつくる実験を行い 電流が取り出せることを見いださせる このとき化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることを理解させる また 電極での電子の授受をイオンのモデルで表し 電池のしくみを微視的視点でとらえさせる

7 3. 単元の指導計画 (7 時間扱い ) 時 学習内容 授業のねらい 物質の溶解と水溶液の均一性 コーヒーシュガーが水に溶ける様子を観察し, 色の様子からコーヒーシュガーの拡散と水溶液の均一性を理解する ( 観 実 ) コーヒーシュガーと食塩の溶解 物質の溶解と水溶液の均一性 2 物質が目に見え

すとき, モサプリドのピーク面積の相対標準偏差は 2.0% 以下である. * 表示量 溶出規格 規定時間 溶出率 10mg/g 45 分 70% 以上 * モサプリドクエン酸塩無水物として モサプリドクエン酸塩標準品 C 21 H 25 ClFN 3 O 3 C 6 H 8 O 7 :

東京理科大学 Ⅰ 部化学研究部 2016 年度春輪講書 マグネシウム空気電池における電解液の検討 2016 年水曜班 Otsuka,H.(2C),Katsumata,K.(2K),Takahashi,Y.(2K),Tokuhiro,K.(2OK), Watanabe,R(2OK),Negishi,M

とである そこで, 紫キャベツを使った料理にレモンをかけると色が変わることを取り上げたり, 湖沼の水質の中和やあくとりなどの例を用いたりして, 興味 関心を高めるようにしたい なお,1 学年の いろいろな気体の性質,2 学年の 化学変化と原子 分子 ( 化学式と化学反応式 ),3 学年の 酸 アルカ

カールフィッシャー法と濃度計算問題

7 炭酸水素ナトリウムの成分元素 ~ 成分元素の確認 ~ 難易度教材の入手日数準備時間実施時間 1 ヶ月 1 時間 50 分 目的と内容 物質の分離 精製や元素の確認などの観察, 実験 を行い, 化学的に探究する方法の基礎を身に付けさせ るとともに, 粒子の熱運動と三態変化との関係などに ついて理解

前ページの反応から ビタミン C はヨウ素によって酸化され ヨウ素はビタミン C によって還元された と説明できます あるいはビタミン C は還元剤として働き ヨウ素は酸化剤として働いた ともいう事ができます 定量法 ある物質の量や濃度を知りたいとき いくつかの定量法を使って調べることができます こ

(Microsoft Word - \230a\225\266IChO46-Preparatory_Q36_\211\374\202Q_.doc)

留意点 指導面 物質量について物質を扱うとき, 体積や質量で表すことが多い しかし, 化学変化は, 物質の構成粒子が切り離されたり, 結合したりすることによっておこるため, 粒子の個数で表した方が都合がよい 一方, 物質の構成粒子は非常に小さく,1 個ずつ数えることはできない また, 私たちが日常取

B. モル濃度 速度定数と化学反応の速さ 1.1 段階反応 ( 単純反応 ): + I HI を例に H ヨウ化水素 HI が生成する速さ は,H と I のモル濃度をそれぞれ [ ], [ I ] [ H ] [ I ] に比例することが, 実験により, わかっている したがって, 比例定数を k

Taro-renshu1

土壌含有量試験(簡易分析)

実験の目標 最終的な目標として水槽の水の浄化を行いたいので 水槽内のものに焼き付けても見栄えに影響しな いような透明なコーティング液を作るとともに その効果を見た目と数値の両面から調べたいと 考えました 実験の仮説 粒径が 50nm 以下になれば透明な溶液を作ることができます ( 参考文献より )

1.2 塩化物量測定方法 a) 試料は フレッシュコンクリート又はそのコンクリートからウェットスクリーニングによって分離したモルタルとし 1~3l 程度で測定対象のコンクリートから代表的な試料を採取するようにする なお 場合によっては付属の加圧ろ過器によってブリーディング水を採取したり フレッシュコ

PowerPoint プレゼンテーション

研究要旨 研究背景研究目的 意義研究手法結果 考察結論 展望 研究のタイトル 研究要旨 ( 概要 ) あなたの研究の全体像を文章で表現してみよう 乳酸菌を用いてハンドソープの殺菌力を上げる条件を調べる手を洗う時に どのくらいの時間をかければよいのかということと よく薄めて使うことがあるので薄めても効


<4D F736F F D C8ADC974C95A882A982E78CF897A682E682AD939C82F08EE682E88F6F82B795FB964082F E9>

陽イオンの反応

酢酸エチルの合成

Xamテスト作成用テンプレート

Transcription:

平成 26 年度全国理科教育大会東京大会 実験講習会 直流電源装置を用いた実験 東京都立西高等学校守本昭彦 平成 26 年 8 月 7 日 ( 木 )14:30~15:30

1. はじめに 電解質の溶液に電極を浸して, 直流電圧をかけると, 電極で化学変化 ( 電気分解 ) が起きて電子が移動し, 電流が流れます この反応を利用して, 電極で目的の物質を合成することもできます また, 電解質をほとんど含まない溶液に電極を浸して, 直流電圧をかけると, 電流はほとんど流れませんが, その際に電荷を帯びた粒子が存在すると, 粒子が電極へ移動する電気泳動が起こります 電気分解も電気泳動も, どちらも物質の性質に基づく興味深い現象です 今回は, それらの現象のうちのいくつかを紹介します 2. 本日の実験の予定 エオシン Y の簡易電気泳動 ( 観察 ) メチレンブルーの簡易電気泳動 ( 観察 ) 電気分解による酸化鉛 (Ⅳ) の合成と鉛蓄電池 ( 実験 ) 電気分解による酸化マンガン (Ⅳ) の合成とマンガン電池 ( 実験 ) ヨウ化カリウム水溶液 ( ステンレス電極 ) の電気分解 ( 実験 )( 生徒実験のプリント ) 電気分解による銅と亜鉛の薄膜の形成と黄銅の生成 ( 実験 ) 3. 参考 ( 生徒実験のプリント ) 硫酸銅 (Ⅱ) 水溶液の電気分解 ( 銅板電極 ) の電気分解 ( 生徒実験のプリント ) 牛乳 (100 倍希釈 ) の簡易電気泳動 ( 生徒実験のプリント )

実験電気泳動 [ ポイント ] 水溶液の電気泳動の結果から, コロイド粒子の電荷と分子構造を関連付けられる 操作 1 エオシン Y の電気泳動 (1) エオシン溶液 ( エオシン Y 0.01% 溶液 :0.05 g を 500 ml の水に分散させたもの ) をシャーレ ( 径 90 mm) にとる (2) 銅板電極 (2 2 cm) をシャーレの両端にセットし, 赤黒のコードのワニグチクリップで, シャーレのガラスごと銅板をはさんで固定する (3) 直流電源装置の + 端子に赤,- 端子に黒のリード線をつなぐ 電流をごくわずかだけ通じて, 電圧を 15 V にセットする しばらく放置し, 変化のようすを観察する 操作 2 メチレンブルーの電気泳動 (4) メチレンブルー溶液 ( メチレンブルー 0.01% 溶液 :0.05 g を 500 ml の水に分散させたもの ) をシャーレ ( 径 90 mm) にとる (5) 銅板電極 (2 2 cm) をシャーレの両端にセットし, 赤黒のコードのワニグチクリップで, シャーレのガラスごと銅板をはさんで固定する (6) 直流電源装置の + 端子に赤,- 端子に黒のリード線を (3) と並列につなぐ 電圧 15 V で電流をごくわずかだけ通じる しばらく放置し, 変化のようすを観察する 結果のまとめ [ エオシン Y の電気泳動 ] 陽極の電極板周辺の赤色が濃くった エオシンは負電荷を持ち, 陽極に移動した [ メチレンブルーの電気泳動 ] 陰極周辺の青色が濃くなり, 陽極周辺の色が薄くなった メチレンブルーは正電荷を持ち, 陰極に移動した 図 1 エオシン Y 図 2 メチレンブルー 文献守本昭彦, 伊藤容子, 東京大会研究発表論文 ( 資料 ) 集第 36 巻 156(2014). コロイドの教材としての簡易電気泳動の検討

実験酸化鉛 (IV) の合成と鉛蓄電池 [ ポイント ] 酸化鉛 (IV) PbO 2 ( 褐色 ) をはっきり観察することができる 操作 1 鉛の化合物 (1) 試験管に 0.1 mol/l 硝酸鉛 (II) Pb(NO 3 ) 2 水溶液を 1 ml とり, 3 mol/l 硫酸を 0.5 ml 加えて, 変化を観察する (2) 別の試験管に 0.1 mol/l 硝酸鉛 (II) Pb(NO 3 ) 2 水溶液を 1 ml とり, 2 mol/l 水酸化ナトリウム水溶液を 2 ml 加えた後, さらに 3% 過酸化水素水を 2 ml 加えて, 変化を観察する 操作 2 ステンレス板を電極 ( 陽極 ) に用いた硝酸鉛 (II) 水溶液の電気分解 (3) ビーカーに 0.1 mol/l 硝酸鉛 (II) Pb(NO 3 ) 2 水溶液をとり, ステンレス板 ( 陽極 ), 鉛板 ( 陰極 ) を電極として直流電源につなぎ, 3V の電圧で 15 秒間電気分解を行う 陽極のステンレス板の表面に付着した物質を観察する (4) 陽極のステンレス板と陰極の鉛板をとりはずし, 水を入れたビーカーに浸して, 電極板に付着している硝酸鉛 (II) をゆすぐ (5) 別のビーカーに 3 mol/l 硫酸を入れ, 水でゆすいだ (4) の電極板 ( ステンレス板と鉛板 ) を入れ, 両極にモーターをつなぐ * モーターが止まっても, 電極はしばらく 3 mol/l 硫酸中でリード線をつないだままにしておく (6) 実験後の硝酸鉛 (II) 水溶液は, 回収して処理する 結果のまとめ [ 鉛の化合物 ] 鉛 (II) イオンは硫酸イオンによって硫酸鉛 (II) の白色沈殿となった Pb 2 + 2 + SO 4 PbSO 4 また, 鉛 (II) イオンは塩基性にして, 過酸化水素水を加えると酸化反応によって, 酸化鉛 (IV) の褐色沈殿が生じた この反応のイオン反応式は次の通りである Pb 2 + + H 2 O 2 + 2 OH PbO2 + 2 H 2 O なお, 反応によって生じた酸化鉛 (IV) は過酸化水素を分解する反応の触媒として作用するので過剰に存在している過酸化水素水が分解して酸素の気泡が発生した [ ステンレス板を電極に用いた硝酸鉛 (II) 水溶液の電気分解と鉛蓄電池 ] 陽極のステンレス板では電気分解の際, 鉛 (II) イオンが酸化されて, 酸化鉛 (IV) が生じた Pb 2 + + 2 H 2 O PbO2 + 4H + + 2e 陰極では鉛 (II) イオンが還元されて鉛の単体が生じた Pb 2 + + 2e Pb 文献守本昭彦, 臼井豊和, 化学と教育,43(12),762(1995). 酸化鉛 (Ⅳ) の合成と鉛蓄電池

実験酸化マンガン (IV) の合成とマンガン電池 [ ポイント ] 電気分解によって, 炭素棒電極上に MnO 2 を合成する 操作 1 酸化マンガン (IV) MnO 2 の合成 (1) ビーカーに 5% 硫酸マンガン (II) MnSO 4 水溶液をとり, 電極板ホルダーを使用して, 炭素棒 ( 陽極 ), ステンレス板 ( または銅板 )( 陰極 ) を電極として直流電源につなぎ, 3 V の電圧で 3 分間電気分解を行う 陽極の炭素棒の表面に付着した物質を観察する 操作 2 マンガン電池 (2) アルミニウム マンガン電池 : アルミニウム箔の上に飽和食塩水でぬらしたキッチンペーパーをおき, その上に (1) の炭素棒 ( MnO 2 付き炭素棒 ) をおいてモーターをつなぐ 操作 3 酸化マンガン (IV) MnO 2 の触媒作用 (3) 3% 過酸化水素水をビーカーにとり, その中に (2) の炭素棒 ( MnO 2 付き炭素棒 ) を入れて観察する 結果のまとめ [ 酸化マンガン (IV) MnO 2 の合成 ] 陽極の炭素棒上では電気分解の際, マンガン (II) イオンが酸化されて, 酸化マンガン (IV) が生じた Mn 2 + + 2 H 2 O MnO 2 + 4H + + 2e [ アルミニウム マンガン電池 ] (-)Al NaClaq MnO 2 C(+) [ 酸化マンガン (IV) MnO 2 の触媒作用 ] MnO 2 付き炭素棒を過酸化水素水に入れると, 気体 (O 2 ) が発生した MnO 2 の過酸化水素分解反応の触媒作用を確認できた 文献守本昭彦, 化学と教育,42(5),354(1994). 酸化マンガン (Ⅳ) の合成と酸化マンガン (Ⅳ) リチウム電池の作製 守本昭彦, 東レ科学振興会, 第 25 回東レ理科教育賞受賞作品集,p.16(1994). 酸化マンガン (Ⅳ) を中心とした実験教材の開発

実験電気分解の反応を利用した黄銅合成 [ ポイント ] 電気分解によって, 銅と亜鉛の薄膜を形成し, 黄銅を合成する 操作 1 シャープペンシルの芯を銅めっきする (1) ビーカーに 1 mol /L 硫酸銅 (Ⅱ) CuSO 4 水溶液を入れ, 直流電源 (3 V) の正極と銅板を導線でつなぎ, 硫酸銅 (Ⅱ) 水溶液の入ったビーカーに浸す 直流電源 (3 V) の負極とシャープペンシルの黒鉛芯を導線でつなぎ, 黒鉛芯を硫酸銅 (Ⅱ) 水溶液にすばやく 5 回浸す (2) 銅めっきした黒鉛芯 (Cu / C) はできるだけ空気に触れないように, すばやく水の入ったビーカーに入れて, 付着している CuSO 4 をゆすぐ 操作 2 シャープペンシルの芯を銀色にする ( 亜鉛めっき ) (3) ビーカーに 1 mol /L 硫酸亜鉛水溶液を入れ, 直流電源 (3 V) の正極と炭素棒電極を導線でつなぎ, 硫酸亜鉛水溶液の入ったビーカーに浸す 直流電源 (3 V) の負極と (1) で銅めっきした黒鉛芯 (Cu / C) を導線でつなぎ, この黒鉛芯を硫酸亜鉛水溶液にすばやく 3 回浸す (4) 亜鉛めっき後の黒鉛芯 (Zn / Cu / C) を, すばやく水の入ったビーカーに入れて, 付着している ZnSO 4 をゆすぐ 操作 3 シャープペンシルの芯を金色にする (5) 約 230 にセットしておいたホットプレートの上に, 銅と亜鉛を順にめっきした黒鉛芯 (Zn / Cu / C) をおき, 加熱すると, 黒鉛芯の表面が金色に変化する 結果のまとめ [ 黒鉛芯の電解めっきと黄銅合成 ] この実験では, 黒鉛芯の上に電析した銅と亜鉛の薄膜を加熱することによって銅と亜鉛の合金つまり黄銅 ( 真鍮 ) を合成している 銅と亜鉛が薄い膜状になっていたため, 黄銅を作る反応がすみやかに進行した 成功の秘けつは金属の薄膜である 硫酸銅 (Ⅱ) 水溶液の電気分解では, 陰極で Cu 2+ が還元され, 陽極で Cu が酸化された 陰極 : 黒鉛芯 (C) Cu 2+ + 2 e - Cu 陽極 : 銅板 (Cu) または銅薄膜 (Cu / C) Cu Cu 2+ + 2 e - 硫酸亜鉛水溶液の電気分解では, 陰極で Zn 2+ が還元され, 陽極で H 2 O が酸化された 陰極 : 銅薄膜 / 黒鉛芯 (Cu / C) Zn 2+ + 2 e - Zn 陽極 : 炭素棒 (C) 2 H 2 O 4 H + + O 2 + 4 e - 文献守本昭彦, 化学と教育,47(12),828(1999). シャープペンシルの芯を金色に変える 守本昭彦, 東レ科学振興会, 第 31 回東レ理科教育賞受賞作品集,p.9(2000). シャープペンシルの芯を用いた電気分解の実験と電池の実験

実験電気分解 目的ヨウ化カリウム水溶液の電気分解の変化を確認する さらに, 銅板を用いて硫酸銅 (Ⅱ) 水溶液を電気分解し, 電気量と変化量の関係を調べる 準備 100 ml ビーカー, 銅板極板 2 枚, ステンレス棒電極 2 本, リード線 ( バナナ - ミノムシ, 赤 黒 ),V 字管, 極板ホルダー, ピンセット, ストップウォッチ, 温度計, ポリスチレン製コップ, ろ紙, ミニスタンド, 三脚, 金網, 0.1 mol/l ヨウ化カリウム KI 水溶液,1 mol/l 硫酸酸性硫酸銅 (Ⅱ)CuSO 4 水溶液, フェノールフタレイン溶液, アセトン ( 銅板電極乾燥用教卓で使う ) 操作 1 ヨウ化カリウム KI 水溶液の電気分解 ( ステンレス棒電極 ) (1) V 字管にフェノールフタレイン溶液を 1 滴入れ,0.1 mol/l ヨウ化カリウム水溶液を V 字管の高さの半分ほど入れる ( 溶液の使用量は約 10 ml) (2) 電流つまみ (CURRENT) を半分 ( 中央 ) にして, 電圧つまみ (VOLTAGE) は最小 ( 左 ) にしておく V 字管の両方の口にステンレス棒電極をさし, 電圧つまみを 3 V に調整すると電流が流れ始めるので, 両極の変化を観察する 陰極と陽極の電極の表面および電極周辺の変化が観察されたら, すぐに電源を切る ( 電気分解を長時間続けないこと ) この電解後の水溶液はすててよい V 字管は水道水でよく洗う ステンレス電極は洗って回収する 操作 2 硫酸銅 (Ⅱ) CuSO 4 水溶液の電気分解 ( 銅電極 ) (1) 2 枚の極板を濡らしたり, 汚したりしないようにして, 電子天秤で 0.01g まで秤量する これをすぐに記録すること (No. : g ) (No. : g ) (2) 100 ml ビーカーに電解液 (1 mol/l 硫酸酸性硫酸銅 (Ⅱ)CuSO 4 ) を 100 ml とり, 加熱をする 約 80 になったら ( 必ず沸騰する前に ) 加熱をやめ, ポリスチレン製コップの中に置く これは電解液が冷えないようにするためである (3) 極板を極板ホルダーに取り付け, 電解液に浸す このときなるべく底まで入れて, 液に浸る面積が大きくなるようにする (4) リード線で極板と電源の出力端子をつなぎ, ストップウォッチを用意する まだ, 電源を入れないこと (5) ここでは, 電圧 (VOLTAGE) を最大にして電源を入れ, できるだけ早く電流のつまみを調整して, 電流計の針が正確に 1.00 A になるようにし, 同時にストップウォッチを動かし, 電流を流す 実験中 1.00 A を常に保つように必要に応じて電流つまみを微調整する 実験時間は正確であれば何秒でも良い 時間が長いほうが電極の変化量が大きく質量の差を測定しやすいが, 最大でも 16 分 5 秒間 (965 秒 ) までとする 他に,8 分 0 秒 (480 秒 ),10 分 0 秒 (600 秒 ) など実験の残り時間を考慮して時間を決めること この間に, 予想される変化量 ( 考察 1~4) を計算しておく 自分の班の電解時間 ( 分秒 )=( 秒 ) 電流値 ( A) (6) 電気分解終了後, 極板を外し, 純水で洗い, 教卓にあるアセトンの中に濡れた部分を漬けてから取り出し, 空中で乾くのをまつ アセトンは揮発性があるからすぐに乾く (7) 電解液は回収して再利用する (8) 銅電極が乾いたら, 再び電子天秤で質量を計る (No. : g ) (No. : g )

操作 1 ヨウ化カリウム KI 水溶液の電気分解 ( ステンレス電極 : ステンレスは変化しにくい ) 陰極でみられた変化陽極でみられた変化操作 1のイオン反応式陰極陽極 操作 2 硫酸銅 (Ⅱ) CuSO 4 水溶液の電気分解 ( 銅電極 ) 原理電子 1mol 当り電気量は,9.65 10 4 C/mol で, これをファラデー定数という 1C とは,1A( アンペア ) の電流を 1s( 秒 ) 間流したときの電気量であり, 電気量 q は電流 iと時間 tをはかれば求められる q=i t この関係とファラデー定数を用いると, 金属の析出量は電気量に比例することがわかる これらの関係をファラデーの法則という 考察 電解時間 ( 分 秒 )=( 秒 ) (1) 流した電気量は何 C か 式 答え C (2) ファラデー定数を 9.65 10 4 C/mol とするとこのとき流れた電子は何 mol か 式 答え mol (3) 操作 2の反応式を書け 陰極 陽極 (4) 変化する銅の質量は何 g か ただし, 原子量は Cu=63.5 とする 式答え g 結果 陽極 (No. ) 陰極 (No. ) 初めの電極の質量 g g 終りの電極の質量 g g 変化量 ( 増加 :+, 減少 :-) g g 陰極について, 実験結果と計算で求めた値を比較する ( 陽極の値の方が良い場合は陽極でも良い ) 相対誤差 = [ 実験結果 - 計算値 ] 100 = [ - ] 100 = % [ 計算値 ] [ ] 有効数字 2 桁

目的 実験タンパク質の性質 卵白, ゼラチン, 牛乳のそれぞれのタンパク質の性質を調べ, 違いを確認する 準備卵白溶液 ( 卵白を飽和食塩水で 5 倍に希釈した溶液 ),1% ゼラチン溶液, 牛乳溶液 ( 電気泳動用 : 牛乳 1 ml を水で 100 ml に 100 倍希釈したもの ), 牛乳溶液 ( 定性実験用 : 牛乳 1 ml を水で 10 ml に 10 倍希釈したもの ), 水酸化ナトリウム ( 固体 )NaOH,0.1 mol/l 水酸化ナトリウム NaOH 水溶液, 0.05 mol/l 硫酸銅 (Ⅱ) CuSO 4 水溶液,6 mol/l アンモニア NH 3 水, 0.1 mol/l 酢酸鉛 (Ⅱ) (CH 3 COO) 2 Pb 水溶液, 濃硝酸 HNO 3, 濃塩酸 HCl, ph 万能試験紙, リトマス試験紙 ( 赤 ), シャーレ (90 mm), ガラス棒, バーナー 操作 1 牛乳の電気泳動 ( 実験テーブルごとに 1 台の電源装置 ) 牛乳溶液 ( 電気泳動用 : 牛乳 1 ml を水で 100 ml に 100 倍希釈したもの ) をシャーレにとる ph 万能試験紙で, 牛乳溶液 ( 電気泳動用 ) がほぼ中性 (ph6~8) であることを確認する 銅板電極 (2 2cm) をシャーレの両端にセットし, 赤と黒のコードのワニグチクリップでシャーレのガラスごと銅板をはさんで固定する コードを直流電源につなぐ 電流つまみを最小, 電圧つまみを中央にし, 電源を入れる 電流つまみをごくわずかだけ回すと電圧の針が動くので, 15 V にセットする ( 電流つまみは絶対にこれ以上回さないこと 電気分解が起こってしまう ) 注意 : この実験条件では, 陽極と陰極での電気分解によって生じる電極周辺の ph 変化は, 牛乳の電気泳動に大きな影響を与えないことが確認されている しばらく放置し変化のようすを観察する 5 分後と 10 分後の様子をプリントの裏面にスケッチせよ 電源を切り, 銅板電極を溶液中に落とさないように手でもってからワニグチクリップをはずし, 銅板電極を取り出す 牛乳の白い濁り ( 乳濁 ) は, 陽極, 陰極, どちらの極に移動したか 操作 2 タンパク質の構成元素 (1) 3 種類のタンパク質水溶液 ( 卵白溶液, ゼラチン, 牛乳 ( 定性実験用 ) を,3 本の試験管 A (A-1,A-2,A-3) に約 2 ml ずつとる (2) 試験管 A(A-1,A-2,A-3) に水酸化ナトリウムの粒を 2 粒ほど加え, バーナーで煮沸する 激しくあわ立つのでふきこぼれに注意せよ (3) 試験管を加熱しながら, 試験管 A の口に湿らせたリトマス試験紙 ( 赤 ) を近づけて変化を観察する においもかいでみる 濃塩酸を 1 ml 試験管にとり, そこにガラス棒をつけて加熱している試験管の口に近づけて変化を観察する (4)(3) の試験管 A それぞれに酢酸鉛 (Ⅱ) 水溶液を 2~3 滴加えて観察する 試験管 A-1,A-2,A-3 のそれぞれの結果はどうなったか 結果に違いがあった場合は, その理由についても考察せよ 操作 3 ビウレット反応 3 種類のタンパク質水溶液 ( 卵白溶液, ゼラチン, 牛乳 ( 定性実験用 ) を約 2 ml ずつ試験管 B(B-1,B-2,B-3) にとる 試験管 B に 0.1 mol/l 水酸化ナトリウム水溶液を 1mL 加えて, さらに 0.05 mol/l 硫酸銅 (Ⅱ)CuSO 4 水溶液をほんのすこし (1~2 滴 ) 加えて, よく振って変化を観察する また, 対照実験として, タンパク質の試料のかわりに水 2 ml を試験管にとり,0.1 mol/l 水酸化ナトリウム水溶液を 1mL 加え,0.05 mol/l 硫酸銅 (Ⅱ)CuSO 4 水溶液を 1~2 滴加えてよく振り比較する 試験管 B-1,B-2,B-3 のそれぞれの結果はどうなったか

操作 4 キサントプロテイン反応 (1) 3 種類のタンパク質水溶液 ( 卵白溶液, ゼラチン, 牛乳 ( 定性実験用 ) を約 2 ml ずつ試験管 C (C-1,C-2,C-3) にとる 試験管 C に濃硝酸 1mL を加えて, 穏やかに加熱して色の変化を見る (2) 冷却後,6 mol/l アンモニア水 3 ml を加えて塩基性にして, 色の変化を観察する 試験管 C(C-1,C-2,C-3) のそれぞれの結果はどうなったか 結果に違いがあった場合は, その理由についても考察せよ 結果と考察 ( 電気泳動の結果 5 分後と 10 分後の様子は裏面にスケッチせよ ) 1 牛乳溶液 ( 電気泳動用 ) がほぼ中性 (ph6~8) であることが確認できたか ( ) 操作 1 の電気泳動の結果が, 牛乳のタンパク質のうち約 80% を占めるカゼインの電荷によるものとすると, この条件のときのカゼインの電荷は, 正または負のどちらであることがわかった ( ) 極へ移動したので, カゼインは ( ) の電荷を持つことがわかった 2 1の電気泳動の結果よりカゼインの等電点の ph は 酸性側 塩基性側 のどちらであることがわかっ たか カゼインの等電点の ph は であることがわかった 理由 : 3 操作 2 で 3 種類のタンパク質水溶液 ( 卵白, ゼラチン, 牛乳 ) についてそれぞれどのような変化が見られたか 3 種類のタンパク質水溶液 ( 卵白, ゼラチン, 牛乳 ) の構成元素について, 操作 2 の実験結果からわかったことを, 理由とともに記入せよ 4 操作 3 で 3 種類のタンパク質水溶液 ( 卵白, ゼラチン, 牛乳 ) についてそれぞれどのような変化が見られたか この観察からわかったことはなにか答えよ 5 操作 4 で 3 種類のタンパク質水溶液 ( 卵白, ゼラチン, 牛乳 ) についてそれぞれどのような変化が見られたか 3 種類のタンパク質水溶液 ( 卵白, ゼラチン, 牛乳 ) の構成アミノ酸について, 操作 4 の実験結果からわかったことを, 理由とともに記入せよ