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19-084 脳血管領域における T 1 -TFE を用いた非造影 MR-Angiography 淺野 祐美 古牧 伸介 西山 征孝 田淵 昭彦 川崎医科大学 附属川崎病院 背景 目的 脳血管領域で使用される TOF Time TFE factor の設定が大きくなるに従って 末梢血管 Of Flight 法は 3D GRE シーケンス T1-FFE を の描出が低下したこれは TFE factor の設定を増や 基本としており ルーチン検査においては良好な血管 すことにより shot の後半部分で MTC パルスの効果 像を得ることが可能であるしかし 体動が強い症例 が低下してしまうことが原因だと考えられるTurbo やより末梢血管を評価する場合 診断に必要十分な画 direction の検討では radial と Y とでは 脳実質の 像が取得できない場合があるそこで今回この問題点 SNR および脳実質お動脈血管の CNR の差はわずか 改善を目的に k-space をセグメントした GRE シー だったので 本検討では 撮像時間を重視して radial ケンス T1-TFE を用いた非造影 MR-Angiography を最適な設定と判断した の撮像条件の最適化を行ったT1-TFE は k-space 結語 脳血管領域における T1-TFE を用いた非造 Segmentation を用いたマルチショット化により 信 影 MR-Angiography の撮像条件の最適化を行った 号収集を分割して行うことで 極めて短い TR で撮像 最適化された条件下において TFE factor を可変す が可能となったシーケンスである ることにより 血管描出能を担保しつつ撮像時間をコ 方法 使用 MRI 装置は PHILIPS 社製 Achieva1.5T ントロールすることができ 診断に有用な画像を取得 で 受信コイルは SENSE-Head coil 8ch である 可能となった今後臨床経験を重ね さらなる画質改 同意の得られた健常ボランティアを対象とし T1- 善を行っていきたい TFE の 撮 像 条 件 turbo direction radial, Y, TFE factor 2-10, MTC pulse yes, no, が血管描出に与 える影響について比較検討し 撮像条件の最適化を 行った基本撮像条件は FOV 200, Matrixsize 256 152 512r, SENSE factor 2.0, slice 120, slicethickness 1.4 0.7r, chunk 3, TR 24ms, TE shortest, TONE pulse yes, Fat suppression SPIR, Flow compensation yes, NEX 1 とした 結果 MTC パルス有無における TFE factor を変 化させたときの脳実質と動脈血管の CNR の変化では MTC パルスなしのときでは TFE factor を変化させ ても CNR に変化はみられなかったが MTC パルス ありのときでは TFE factor を大きくすると CNR は 低下する傾向がみられたまた MTC パルスなしに比 べ MTC パルスありのときのほうが末梢血管の描出は 良好であった撮像時間については TFE factor を大 きくすると短くなる傾向にあった Turbo direction の検討では 得られた画像の脳実 質の SNR は radial のほうがわずかに高い値を示した が CNR では radial, Y ともにほぼ同等の値を示した 撮像時間については k-space shutter の使用により radial のほうが短くなった 考察 MTC パルスの併用によって 末梢血管の描 出が向上したこれは MTC パルスそのものの影響 だと考えられるまた MTC パルスを併用した場合 125 松本満臣ほか 3. 精度管理 考える MRI 撮像技術 67-69, 2008 井司 7.2. 臨床画像の評価法 MR 撮像技術学 272273, 2001

19-085 Dummy pulse を併用した radial scan における BB imaging profile order と流速の関係 田淵 昭彦 1 2 荒尾 信一 2 古牧 伸介 1 西山 征孝 1 1 川崎医科大学 附属川崎病院 2 川崎医療短期大学 も低下し 偶数 背景 MRI 検査において血管内腔の性状評価をする Black Blood BB imaging では 心電図に同期させ 奇 数 1st echo の順に信号低下 た場合 TR が心拍数に依存し正確な T1 強調画像の 取得が困難となることがしばしば経験される近年 動きを補正する技術の一つとして radial scan 法が開 発され Low refocusing FA LrFA を併用するこ とにより 非同期で動きを抑制した BB imaging の取 得を可能となったしかしながら 血管内腔に信号が 残存し完全な BB imaging の取得ができないという報 告もある 1 目的 LrFA FA を併用した radial scan 法を用い T1W BB 画像を取得する場合 流速 echo space ES k-space 中心 echo が及ぼす影響について報告する 方 法 PHILIPS 社 製 Achieva 1.5T 装 置 を 用 い PVA で満たした自作ファントム中に内径 6 のシリ コンチューブを通し 血液の T1 値 1097msec に調 整した液体ファントムをローラーポンプで循環させた matrix 等基本条件を固定し 流速を 5 10 20 30 /sec profile order low-high, linear Dummy pulse 数 0, 1 ES 4.9, 8.5msec ETL 3, 4 と可 変しチューブ内腔中心の SNR を測定し 以下の 3 項 目について検討した 1. K 0 が 1st echo 2nd echo における流速と BB 効果 2. K 0 が 1st 2nd 偶数 3rd 奇数 3-4 中間 に おける流速と BB 効果 3. Echo space と BB 効果 結果 1. 1st echo を含んだ が認められ 低 流速の場合その 傾向は顕著で あった Fig.3 3. Echo space を 可変しても SNR に有意差は認められなかった 画 像不掲載 考察 1. Dummy pulse を入れることでチューブ内腔信号が 低下したこれは k-space 中心に集まる diphase 効果の少ない FSE 法の初期の echo が除去された ためと考える本研究ではとくに低流速 5-10 / sec で Dummy pulse の効果は大きく 低流速で は diphase 効果が少ないため FSE 法の初期 echo 除去の影響を強く受けたと考える 2 中心 echo が偶数の場合 Dummy pulse を入れたにも かかわらず k 0中心が 1st echo の場合に比べ信号 低下は少ない結果であったが ecen echo rephasing 効果によるためと考えるまた中心 echo が k 0を またいだため中間 echo がもっとも低信号を示したと 推測される 3. Echo space を延長させた場合 信号低下は認めら れたが 有意な差ではなかった本実験では TE を 固定するために profile order で調節したため TE が延長してしまい dephase 効果が Echo space の 影響を上回ってしまったことが原因と考えられる すなわち臨床に使用される TE の短い T1 強調領域 において Echo space の影響は殆ど無いと考える まとめ 動きを伴う部位において T1W Black Blood 場合 内腔は高信 号を示し k 0 が 中 間 echo の 場 合 もっとも低信号を 示 し た Fig.1 nd k 0 が 2 echo の場合 すなわち Dummy pulse を image を取得する場合 radial scan with Low refocusing FA は有効な手段であるDummy pulse を入 れること また中心 echo が K 0 をまたぐような profile order を設定することにより残存信号の無い BB imaging が得られるとくに低流速の場合この効 果は大きく有効である 入れることにより 顕著に内腔信号は 低下したまたそ の影響は低流速で顕著に認められた Fig.2 2. チューブ内腔の信号は k 0 が中間 echo の場合最 1 小倉明夫他 BLADE 画像の k-space trajectry が画像特 性に及ぼす影響 日磁医誌 2009 1 12-19 126

19-087 3 DPC 法を用いた鎖骨下動脈の描出に関する検討 川上 雄司 中河 賢一 小笠原 貴史 森本 規義 倉敷中央病院 放射線センター VENC を最大流速に対して 130 の値に設定した とき 鎖骨下動脈の SNR は最大になったVENC 背景 鎖骨下動脈を描出する方法として心収縮期と 拡張期の撮影を行いサブトラクションする TRANCE 法 や inflow 効 果 を 利 用 し た Multi-chunk TOF 法 血液信号を高信号に描出する Balanced SSFP 法など が用いられているしかし TRANCE 法は体動によ を大きくしていくにしたがって腕頭静脈の SNR は 低下していったVENC を 50 にしたとき 鎖骨 下動脈の中心で信号低下が見られたVENC を大 るミスレジストレーション Multi-chunk TOF 法は 複雑な血管走行による描出能の低下 Balanced SSFP 法は磁場の不均一によるアーチファクトの増加などの 問題点がある今回われわれは それらの問題を解決 きくしていくにしたがって 鎖骨下動脈と総頚動 脈の起始部が細く描出された 最適な VENC は最大流速の 130 であった 2 TFE acquisition できる可能性のある方法として 3D phase contrast 3DPC 法に着目したPC 法は動脈 静脈がともに 描出されるが 心電図同期を用いることで 動脈を優 位に描出できる可能性がある 目的 心電図同期を併用した 3DPC 法の撮影条件の 最適化を行う 方法 同意の得られた健常ボランティア 5 名に対し て以下の検討を行った 1 VENC 鎖骨下動脈の 2D Q-flow を撮影し 得られた最大 流速に対して 50 200 に VENC の値を可変さ せ ボランティアの撮像を行うこの時の TFE acquisition は 2D Q-flow で得られグラフより 動脈の流速の早いタイミングに設定する 2 TFE acquisition 鎖骨下動脈の 2D Q-flow で得られたグラフより 動脈流速が早い時相を 100 として 180 150 100 80 50 の 5 種類の TFE acquisition で ボランティアの撮像を行うTFE acquisition は TFE factor により調整し Trigger delay は一定 Fig.2 TFE acquisition を変化させた時のボランティア画像 TFE acquisition が短いほど 鎖骨下動脈の SNR は高くなり 鎖骨下動脈の描出能は向上したTFE acquisition を 50 としたときに鎖骨下動脈の遠位 で描出不良となった 最適な TFE acquisition は 80 であった とするこの時の VENC は VENC の検討で得ら れた最適な値とする 1 2 で得られた画像に対して 鎖骨下動脈と腕 頭静脈の SNR の測定と視覚評価を行う 結果 1 VENC Fig.3 VENC を変化させた時の SNR 左 Fig.4 TFE acquisition を変化させた時の SNR 右 考察 VENC が 50 のとき 流速の早い中心部血 流は 180 以上の位相シフトとなり 信号が低下して いったと考えられる逆に VENC を高くすると 辺 縁の遅い血流は SNR が低下し 血管が細く描出され たと考えられる TFE acquisition が短くなりすぎると 鎖骨下動脈 の遠位では流速のピークをとらえられず信号が低下し 描出不良となったと考える Fig.1 VENC を変化させた時のボランティア画像 結語 VENC と TFE acquisition を最適化すること で 鎖骨下動脈の描出能を向上させることができた しかし 最適な条件を使用しなければ 疑陽性や疑 陰性になる可能性があり注意が必要である 127

19-088 下肢末梢血管を対象とした Subtraction MR Angiography の 血管描出改善の検討 古牧 伸介 1 木田 勝博 2 西山 征孝 1 竹本 理人 1 藤井 政明 1 淺野 祐美 1 田淵 昭彦 1 1 川崎医科大学 附属川崎病院 2 岡山赤十字病院 背景 当院では下肢末梢血管を対象とした非造影 の 太い血管の描出はあまり大きな差が見られなかっ Subtraction MR-Angiography として PHILIPS 社 た一方 最大血流速値が比較的遅い対象については 製の TRANCE TRigger Acquisition Non Contrast RFA の設定が小さくなるに従って 顕著に血管描出 Enhancement を使用している撮像条件は鎖骨下動 の改善が認められた 脈を対象に最適化したものを流用しているが 症例に 重み係数の影響については 係数が大きくなるに よっては血管描出が不良となる場合がある 従って背景信号が低下し 比較的太い動脈血管の描出 目的 本検討は より良好な血管像を安定して取得 するために 撮像条件 Refocusing Flip Angle 及び 処理条件に改善を加えたので報告する は向上したが 細い血管や狭窄部位のような微量な信 号の描出が低下した 考察 心収縮期の RFA の設定を 100deg にした場 方法 使用した MRI 装置は PHILIPS 社製 Achieva 合 すべての対象の下腿動脈で筋肉とのコントラスト 1.5T で 受信コイルは XL-Torso coil 16ch である が最大値を示したが これは X-Y 平面上に再収束さ 基本シーケンスは 3D-T2w-VISTA FOV 380, れる血液のスピンは位相エンコードが進むごとに血液 matrix size 256 512r, slice thickness 3.0, pro- 信号の位相分散が蓄積し さらに T1 緩和や流速の影 file order Linear, Turbo direction y, flip angle 響も加味され 血流信号が低下したことが原因だと考 90deg, TR 1-2 heart beat, TE 60ms, DRIVE えるまたその影響は 比較的流速の遅い 10 /sec pulse yes, flow compensation no, NEX 1 である 以下 対象や微細血管で強く 血流状態の悪い患者に 対象血管の最大血流値に対して 最も良好な血管像 おいてより有用性が高いと思われる が得られる Refocusing Flip Angle RFA の設定値 重み係数が大きくなるほど背景信号が抑制され動脈 を決定するために 膝窩動脈における最大血流速値が の描出が向上したため 重み係数を付加したサブトラ 異なる同意の得られた健常ボランティア 16.8 /sec, クション処理を用いることで 血管描出向上がきたい 22.7 /sec, 32.4 /sec 及び ASO の患者 4.39 / できるしかし 係数が大き過ぎると高信号部と低信 sec, 7.35 /sec 計 5 名の下腿動脈に対して 心収縮 号部の信号差が増加し 細かい血管など微量な信号の 期での RFA の設定を可変 100deg, 120deg, 140deg 描出が困難となるため 臨床においては係数の設定に し撮像を行ったこのとき 心拡張期での RFA の設 は注意が必要である 定は 160deg とした得られた差分画像における 前 結語 本検討は 最大血流速値の異なる僅か 5 名の 脛 骨 動 脈 ATA 腓 骨 動 脈 PeA 後脛骨動脈 みを対象とした評価であったが RFA を心拡張期で PTA と筋肉とのコントラストの算出と MIP 画像 160deg, 心収縮期で 100deg に設定することで 血管 に対する血管描出の評価を行った 描出の改善が確認されたしかし 血流の遅い対象に サブトラクション画像の背景信号抑制を目的に サ ついては 更に RFA を小さく設定することで より ブトラクション処理における重み係数について検討し 血管描出の改善ができる非造影 MR-Angiography た対象は浮腫性病変を合併した閉塞性動脈硬化症 の需要は更に増加傾向にあるため 今後臨床における ASO 患者 1 名の下腿動脈とし 重み係数の設定を あらゆる血流状態にも対応できるように 更なる検討 可変 1.0-1.5 して処理を行い 得られた MIP 画像 の血管描出の評価を行った 結果 各対象における血管と筋肉とのコントラスト は 心収縮期の RFA の設定が小さくなるに伴い上昇 する傾向にあったMIP 画像については 比較的最 大血流速値が速い対象においては 細かい血管の描出 が RFA の設定が小さくなるに従って良好となるもの を行っていきたい 1 中村理宣ほか VRFA-3DTSE-VISTA1009. Rad Fan 7 5 19-22, 2009 2 石本剛 3T での非造影 MRA-3T TRANCE の真価と魅 力 INNERVISION 23 9 3 荒木力著 流れの MRI. 決定板 MRI 完全解説 581-584 128

19-089 末梢動脈閉塞疾患の患者に対する片手 手指の非造影 MRA 撮像 大村 佑一 1 2 福田 喜脩 1 松浦 龍太郎 1 林 邦夫 1 山内 健太郎 1 大野 誠一郎 1 田原 誠司 1 1 岡山大学病院 2 岡山大学大学院保健学研究科 背景と目的 腎機能不良の抹消動脈閉塞疾患の患者 画像評価では HeadCoil による T2-medic-3D で撮 に対し 片手 手指の非造影 MRA 撮像の検査依頼が 像した画像が最もよい結果となった次いで HeadCoil しばしばあるしかし患者によっては撮像体位に制限 による T2stir-space の画像がよい結果となったポジ があり 長時間の検査が難しい場合がある ショニングの安楽さはボランティア 2 名とも HeadCoil 末梢動脈閉塞疾患とは末梢動脈に動脈硬化症が生じ での撮像を選択した 手足に血行不良が起こる疾患で しびれ 痛み 悪化 今回の検討で取得画像したうち 画像評価 撮像時 すると潰瘍ができ 壊死することもあり 末梢血管の 間から シーケンスは T2 medic-3d が最適とである 疾患の中で最も多く 血管外科 循環器科で診療され と判断したポジショニングは HeadCoil を使用した ることが多く 当院ではリウマチ内科からの検査依頼 方が安楽であったとの評価だったHeadCoil を用い もある た T2 medic-3d を撮像プロトコールとして採用した 末梢動脈のコントラスト 撮像時間及び体位の安楽 考察 さを評価基準とし 前述の患者に対する片手 手指の シーケンスについて 今回の検討においては T2 非造影 MRA 撮像プロトコールの検討を行った medic-3d が最も適している結果になったが T2- 方法 stir-space も同様に有用であったと考えられる画像 使用機器 使用装置として MAGNETOM Skyra 処理としては T2 medic-3d では thin MIP が T2- SIEMENS 3T 使用コイルは HeadCoil 20 及び Flex stir-space では MIP が適していたまた T2-stir- Large Coil を用いて 29 歳男性 2 名の健常ボランティ space は flow の補正処理を用いることで静脈の影響を ア 2 名での検討を行った 抑えることができた二つのシーケンスともに撮像後 撮像シーケンス T2stir-space/3D-TOF/T2medic/ に MPR の処理ができることも利点としてあげられる NATIVE-space/2D-TOF を FlexCoil HeadCoil で ポジショニングについて 当院で手指の撮像を行う それぞれ撮像し 撮像時間は 5 6 分を目標とした 際のポジショニングで検討を行ったHeadCoil を用 ポジショニング HeadCoil 使用時では腹臥位 挙上 いて手をあげた腹臥位が安楽という結果であったが FlexCoil 使用時では腹仰臥位 体の横に手を下ろし この体位が厳しい患者もいるこの場合 FlexCoil て撮像を行った撮像後にボランティア 2 名に安楽で を用いて手を体の横に下ろした仰臥位が適している可 あった方を選択してもらった 能性もある両者とも厳しい場合 腹部の上に手を置 画像評価方法 診療放射線技師 3 名で 取得画像の 10 種のうち 末梢の血管のコントラストが良好と思 くポジショニングが考えられるが 体厚や呼吸による 動きも考慮しなければならない われるものを 1 位 10 点 2 位 9 点 10 位 1 点で点を 今後の課題として 今回の検討はどのシーケンス つけたその合計点 30 点満点 の最も高いものを最 体位が安楽 短時間で 良好な画像が得られるかを検 適シーケンスとした 討したものであるため 各シーケンスのパラメータ設 結果 取得画像の一例を図に示す 定等の十分な検討はされていない今後は各シーケン スの検討が課題である 図 T2stir-spaceMIP 画像及び T2 medic-3dminip 画像 129