かかり木の処理の作業における労働災害防止のためのガイドライン 第 1 目的等 1 目的 本ガイドラインは 近年の人工林における間伐作業の増加等を背景に かかり木の処理の作業における死亡災害が増加する傾向にあること等を踏まえ 労働安全衛生関係法令と相まって かかり木の処理に係る事前の実地調査の実施 新

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(傍線部分は改正部分)改正後改正前目次目次第一編(略)第一編(略)第二編安全基準第二編安全基準第一章~第七章(略)第一章~第七章(略)第八章伐木作業等における危険の防止(第四百七十七条 第第八章伐木作業等における危険の防止五百十七条)第一節伐木 造材等(第四百七十七条 第四百八十四条)第二節木馬運材

2. 死亡災害の撲滅を目指した対策の推進 林業における伐木等作業の安全対策参照第 13 次労働災害防止計画 (2018~2022 年度 ) 1) 林業における伐木等作業の安全対策と関係団体との連携と取組み 伐木等作業における安全対策のあり方に関する検討会の議論の結果を踏まえ 安全対策の充実強化を図る

基発 0214 第 9 号 平成 31 年 2 月 14 日 都道府県労働局長殿 厚生労働省労働基準局長 ( 公印省略 ) 労働安全衛生規則の一部を改正する省令等の施行について 労働安全衛生規則の一部を改正する省令 ( 平成 31 年厚生労働省令第 11 号 以下 改正省令 という ) 及び安全衛生

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目 次 林業作業に対する安衛法令上の規制の概要 車両系木材伐出機械に係る労働災害発生状況と問題点 車両系木材伐出機械に係る改正労働安全衛生規則の内容 木材伐出機械等の運転の業務に係る特別教育 ( カリキュラム ) 2

長野県林総セ研報第 25 号 (211) 表 -1 と調査工程一覧 樹種 面積調査工程 (ha) 伐倒木寄集材造材集搬 佐久穂 カラマツ 富士見 カラマツ 28.4 伊那 アカマツ 1.25 天龍 スギ 1.25 開田 カラマツ 塩尻 カラマツ 5.53 白馬 1 スギ 6.

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山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 平成二十八年山梨県告示第九十九号 ) 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針を次のとおり定める 平成二十八年三月二十四日 山梨県知事 後 藤 斎 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 趣旨 ) 第一条 この技術指針は 山梨県世界遺産富士山の保全に係る


社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

1 はじめに 本市では 平成 17 年に 鹿児島市安心安全まちづくり条例 を定め 地域の安全は地域で守る を基本理念に 市と市民 事業者等が連携 協働し 安心して安全に暮らせるまちづくりを進めてきました これまでに防犯パトロール隊や青色防犯パトロール車による防犯活動をはじめ 安心安全ネットワーク会議

第 4 条 ( 取得に関する規律 ) 本会が個人情報を取得するときには その利用目的を具体的に特定して明示し 適法かつ適正な方法で行うものとする ただし 人の生命 身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合には 利用目的を具体的に特定して明示することなく 個人情報を取得できるものとする 2 本会

ください 5 画像の保存 取扱い防犯カメラの画像が外部に漏れることのないよう 一定のルールに基づき慎重な管理を行ってください (1) 取扱担当者の指定防犯カメラの設置者は 必要と認める場合は 防犯カメラ モニター 録画装置等の操作を行う取扱担当者を指定してください この場合 管理責任者及び取扱担当者

いて一市町村当たり2 箇所の計 18 箇所で それぞれ実施してきています これまでの調査の結果 環境放射線量 ( 空間線量率 ) は 調査開始時の平成 26 年度から平成 29 年度までの変化率の平均は 44.5% となっています 計算により求められる物理学的減衰による低減率 35.1% と比較する

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

(2) 特定機関からの報告の受理及び聴取に関すること (3) 特定機関に対する監査に関すること (4) 外国人家事支援人材の保護に関すること (5) 特定機関において外国人家事支援人材の雇用の継続が不可能となった場合の措置に関すること (6) その他 本事業の適正かつ確実な実施のために必要なこと 3

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( 別添 ) チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン 1 趣旨 目的林業における労働災害は チェーンソーに起因するものの割合が高く 林業における休業 4 日以上の労働災害の約 2 割を占めている そして 被災部位としては チェーンソーに起因する労働災害の約 7 割で下肢を被災している

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つがる市小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備建設に関するガイドライン 平成 29 年 11 月 15 日公表 1 目的本ガイドラインは つがる市 ( 以下 市 という ) において小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備及び設備建設に伴う送電線等の付帯設備 ( 以下 小形風力発電設備等 という

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様式 2 作成年度 平成 28 年度 森林整備加速化 林業再生基金変更事業計画書 区分 : 強い林業 木材産業構築緊急対策 区分 : 林業成長産業化総合対策 福井県

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個人情報保護規程 株式会社守破離 代表取締役佐藤治郎 目次 第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章個人情報の利用目的の特定等 ( 第 4 条 - 第 6 条 ) 第 3 章個人情報の取得の制限等 ( 第 7 条 - 第 8 条 ) 第 4 章個人データの安全管理 ( 第 9

列状間伐の伐採幅と労働生産性及び列状間伐後の残存木の状況 水田展洋 水戸辺栄三郎 梅田久男 要旨列状間伐の伐採幅と労働生産性の関係を把握するため,1 列伐倒と2 列伐倒の実証試験を行った その結果, 伐倒作業, 集材作業とも 1 列伐倒よりも2 列伐倒の方が労働生産性が向上した 集材作業についてウイ

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1 趣旨このガイドラインは 日本国内の公道 ( 道路交通法 ( 昭和 35 年法律第 105 号 ) 第 2 条第 1 項第 1 号に規定する 道路 をいう 以下同じ ) において 自動走行システム ( 加速 操舵 制動のうち複数の操作を一度に行い 又はその全てを行うシステムをいう 以下同じ ) を

14個人情報の取扱いに関する規程

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平成 30 年度 森林整備事業 ( 造林 ) 標準単価 京都府農林水産部林務課

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社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

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2 安全衛生教育の実施等 () 6 派遣労働者を雇い入れたときに雇入れ時の安全衛生教育を行 はい いいえ っています () 7 派遣労働者の派遣先事業場を変更するなど 作業内容を変更 はい いいえ したときは 当該派遣労働者に対し 作業内容変更時の安全 衛生教育を行っています ()() 8 6 及び

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安全管理規程

1 策定の目的 この手引書は 茅ヶ崎市地域防犯カメラ ( 以下 地域防犯カメラ という ) の設置及び運用について配慮すべき事項を定めることにより 地域防犯カメラの有用性とプライバシー保護等との調和を図り 地域防犯カメラを適切かつ効果的に活用し 茅ヶ崎市の安心して安全に暮らせるまちづくりを推進するこ

利用することをいう (4) 林業事業者森林において森林施業 ( 伐採, 植栽, 保育その他の森林における施業をいう 第 12 条において同じ ) を行う者をいう (5) 木材産業事業者木材の加工又は流通に関する事業を行う者をいう (6) 建築関係事業者建築物の設計又は施工に関する事業を行う者をいう

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特定個人情報の取扱いに関する管理規程 ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 特定個人情報の漏えい 滅失及び毀損の防止その他の適切な管理のための措置を講ずるに当たり遵守すべき行為及び判断等の基準その他必要な事項を定めるものとする ( 定義 ) 第 2 条 この規定における用語の意義は 江戸川区個人情報保

個人情報の保護に関する規程(案)

仮貯蔵 仮取扱い実施計画書 ( ドラム缶等による燃料の貯蔵及び取扱い ) 保有空地の周囲にロープを張り ( バリケードを立て ) 空地を確保する 第 5 種消火設備を 3 本設置する 保有空地 確保する 高温になることを避けるため 通気性を確保した日除けを設置 工場東側空地約 360 m2 通風 換

厚生年金保険標準報酬月額保険料額表

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項目別目次 森林被害編 1 森林において土砂崩れが発生してお困りの方 1 2 所有林の立木が被災されている方へ 2 3 保安林内の木が倒れてお困りの方へ 3 林道 作業道被害編 4 林道が崩壊等により通行ができない方へ 4 5 所有林の作業道が被災されている方へ 5 施設被害編 6 木材加工流通施設

安全衛生管理規程作成例

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1 ガイドライン策定の目的防犯カメラについては テレビや新聞で報道されているように 犯罪の解決や犯罪の抑止につながることなど その効果は社会的に認められており さまざまな施設に防犯カメラが設置されております しかし その効果が認知される一方で 防犯カメラにより個人のプライバシーなどの人権が侵害される

目 次 第 1 はじめに 2 1 ガイドライン策定の目的 2 2 ガイドラインの対象となる防犯カメラ 2 3 防犯カメラで撮影された個人の画像の性格 2 第 2 防犯カメラの設置及び運用に当たって配慮すべき事項 3 1 設置目的の設定と目的外利用の禁止 3 2 設置場所 撮影範囲 照明設備 3 3

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

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日医発第437(法安23)

その他の法令等 消防法京都市火災予防条例道路法廃棄物の処理及び清掃に関する法律 対象 状況屋外における火災予防上危険なもの ( 火災の危険が迫っている場合のみに限定 ) 空き家, 空き地で火災予防上危険なもの認定区域内に生じている道路の交通に支障を及ぼすおそれのある行為自己所有地でごみ ( 一般廃棄

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相模原市防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン

上記の要件をすべて満たさないカメラ ( 例えば 録画装置を備えていないカメラ ) であっても 不特定多数の人を撮影している場合は プライバシーを侵害するおそれがあります このガイドラインの趣旨を踏まえ プライバシーの保護に配慮するとともに設置目的に沿った適切な運用を行うことが必要です 第 2 防犯カ

Taro-121 工業包装(H17改正)

第 1 はじめに 1 ガイドライン策定の目的安全で安心なまちづくりを進める上で 近年 防犯カメラの設置は広く有用であると認められており 市内においても防犯カメラの設置が進んでいます しかし その一方で 知らないうちに自分の姿が撮影され 目的外に利用されること等に不安を感じる市民の方もいます そこで

過去 10 年間の業種別労働災害発生状況 ( 大垣労働基準監督署管内 ) 令和元年 4 月末現在年別 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 対前年比全産業 % (6

植栽については ヘクタール当たりの植栽本数を標準的な 本から 本や 本に減らす低密度植栽が各地で試行されている 低密度植栽は 苗木や植栽の費用の削減だけでなく 下刈の省力化や保育間伐の省略等 全般的な費用の縮減につながることが見込まれるが 植栽木の生存率や成長 材質への影響等の実績をみながら 取組を

れている者 個人事業所で5 人以上の作業員が記載された作業員名簿において 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 年金保険欄に 国民年金 と記載されている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう指導すること なお 法人や 5 人

Transcription:

かかり木の処理の作業における労働災害防止のためのガイドライン 第 1 目的等 1 目的 本ガイドラインは 近年の人工林における間伐作業の増加等を背景に かかり木の処理の作業における死亡災害が増加する傾向にあること等を踏まえ 労働安全衛生関係法令と相まって かかり木の処理に係る事前の実地調査の実施 新たに開発された機械器具等の使用等安全な作業方法の徹底 かかり木を一時的に放置する場合の措置の徹底等安全対策として必要な措置を講ずることにより かかり木の処理の作業における労働災害の防止を図ることを目的とする 2 本ガイドラインの対象とするかかり木の処理の作業 伐木作業の結果生じたかかり木の処理の作業とする ( 台風等による被 害木 枯損木等が 他の立木に寄りかかったものを除く ) 第 2 基本的な考え方 林業の作業については 通常作業現場が山間部等の広範な区域にわたっていること 労働者が単独で作業を行う場合が多いこと等のため 事業者による安全管理が行われにくい面があるとともに 特に かかり木の処理の作業は 伐木作業の結果により生ずるものであることから あらかじめ作業の有無が予測しにくく 当該作業に使用する機械器具等の準備等が十分に行われにくいことから かかり木の処理の作業における安全な作業方法の徹底等が図られにくい状況にある このため かかり木の処理の作業における労働災害を防止するためには 1 事前踏査の際に かかり木に係る事項についても実地調査を行い その結果に基づき 携行が必要な機械器具等を決定する等必要な準備を行うこと 2 適切な機械器具等の使用 労働者の確実な退避等安全な作業方法を徹底すること 3 かかり木を一時的に放置せざるを得ない場合に 講ずべき措置を徹底すること

等の措置の確実な実施が必要であり 本ガイドラインにおいては このような措置を講ずる上で必要な具体的な事項を中心に示すこととする また かかり木の処理の作業において 新たに開発された 軽量で 作業現場に容易に携行することのできる機械器具等 ( フェリングレバー ターニングストラップ等 ) の使用について 推進することとする 第 3 事業者等の責務 伐木作業を行う事業者 ( 以下 事業者 という ) は 本ガイドラインに基づく措置を講ずることにより かかり木の処理の作業における労働災害の防止に努めるものとする 伐木作業を行う労働者は 事業者が行う本ガイドラインに基づく措置を遵守することにより かかり木の処理の作業における労働災害の防止に努めるものとする 第 4 事業者が講ずべき措置 事業者は 次に掲げる事項を行うこと 1 かかり木に係る実地調査の実施等 (1) 実地調査の実施 伐木作業を行おうとする林分について 事前踏査を行う際に 立木の径級 林分の密度 伐倒方向 枝がらみ等の状況を実地に調査すること また その調査結果に基づき 当該かかり木の処理に使用する機械器具等を決定すること (2) 必要な機械器具等の携行 と (1) で決定した機械器具等を 伐木作業を行う作業現場に携行するこ 2 安全な作業方法の徹底 (1) 作業方法の決定 かかり木が発生した場合には かかっている木の径級 かかり木の状

況 作業場所の状況 周囲の地形等を踏まえ (2) から (4) までの事項等 により 当該かかり木の処理の作業について安全な作業方法を決定する こと (2) 確実な退避の実施等 イ 退避場所の選定等 かかり木の発生後速やかに 当該かかり木の場所から安全に退避で きる退避場所を選定すること ロ かかり木の状況の監視等 かかり木が発生した後 当該かかり木を一時的に放置する場合を除 き 当該かかり木の処理の作業を終えるまでの間 かかり木の状況に ついて常に注意を払うこと ハ 確実な退避の実施 かかり木の処理の作業を開始した後 当該かかり木がはずれ始めたときには イで選定した退避場所に労働者を速やかに退避させるようにすること また かかり木の処理の作業を開始する前において 当該かかり木により労働者に危険が生ずるおそれがある場合についても 同様に退避させるようにすること (3) かかり木の速やかな処理 かかり木が発生した場合には 速やかに当該かかり木を処理するようにすること また 当該かかり木を一時的に放置せざるを得ない場合については 3に掲げる措置を講ずること (4) 適切な機械器具等の使用 かかっている木の径級 かかり木の状況及び林内作業車 機械集材装 置 高性能林業機械等の林業機械の使用の可否の別により 次により機 械器具等を使用すること イ かかっている木の胸高直径が 20 cm未満であって かつ かかり木

が容易にはずれることが予想される場合 木回し フェリングレバー ターニングストラップ ロープ等を使用して かかり木をはずすようにすること また 木回し フェリングレバー ターニングストラップ等を使用する場合には かかっている木が安全な方向にはずれるように回転させるようにすること さらに ロープを使用する場合には 必要に応じてガイドブロック等を用い かかっている木を安全な方向に引き倒すようにすること ロ かかっている木の胸高直径が 20 cm以上である場合又はかかり木が 容易に外れないことが予想される場合 けん引具等を使用して かかり木をはずすようにすること また けん引具等を使用する場合には ガイドブロック等を用い 安全な方向に引き倒すようにするとともに かかっている木の樹幹にワイヤロープを数回巻き付け けん引具等によりけん引したときに かかっている木が回転するようにすること ハ 林業機械を使用できる場合 林内作業車 機械集材装置 高性能林業機械等の林業機械を使用できる場合においては これらを使用して かかり木をはずすようにすること ただし けん引具等を使用することにより かかり木を安全に外すことができる場合については この限りではないこと また 林業機械を使用する場合には ガイドブロックを用い 安全な方向に引き倒すようにするとともに 急なウインチの操作 走行 ワイヤロープの巻取り等を行わないようにすること (5) かかり木の処理の作業における禁止事項の遵守 かかり木の処理の作業においては 次に掲げる事項を行ってはならな いこと イ かかられている木の伐倒 かかられている木を伐倒することにより かかり木全体を倒すこと ロ他の立木の投げ倒し ( 浴びせ倒し )

他の立木を伐倒し かかり木に激突させることにより かかり木を 外すこと ハ かかっている木の元玉切り かかっている木について かかった状態のままで元玉切りをし 地 面等に落下させることにより かかり木を外すこと ニ かかっている木の肩担ぎ かかっている木を肩に担ぎ 移動すること等により かかり木を外 すこと ホ かかり木の枝切り かかられている木に上り かかっている木又はかかられている木の 枝条を切り落とすこと等により かかり木を外すこと 3 かかり木を一時的に放置せざるを得ない場合の措置の徹底 かかり木をやむを得ず一時的に放置する場合については 当該かか り木による危険が生ずるおそれがある場所に労働者等が誤って近付 かないよう 標識の掲示 縄張り等の措置を講ずること

かかり木の処理の作業における労働災害防止のための ガイドラインの概念図 かかり木に係る事前の 実地調査の実施等 実地調査の実施 必要な機械器具等の携行 伐木作業 かかり木の発生 確実な退避の実施等 速やかな処理 NO YES かかり木を一時的に 放置せざるを得ない 場合の措置の徹底 安全な作業方法の徹底

作業方法の決定 確実な退避の実施等 かかり木の速やかな処理 適切な機械器具等の使用 かかり木の処理の作業における禁止事項遵守