事業継続ガイドライン改定の概要について

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事業継続ガイドライン改定の概要について シンポジウム 南海トラフ巨大地震に臨む 平成 26 年 3 月 6 日内閣府政策統括官 ( 防災担当 ) 付参事官 ( 普及啓発 連携担当 ) 付事業継続担当主査筒井智士

1. 我が国の災害対策における事業継続の取組の位置付け 我が国の災害対策の体系においては 事業継続の取組に関する規定が 災害対策基本法や防災基本計画に位置付けられている 災害対策基本法 平成 25 年度の災害対策基本法改正において 事業者の責務が盛り込まれた ( 第 7 条第 2 項 ) 災害応急対策又は災害復旧に必要な物資若しくは資材又は役務の供給又は提供を業とする者は 基本理念にのつとり 災害時においてもこれらの事業活動を継続的に実施するとともに 当該事業活動に関し 国又は地方公共団体が実施する防災に関する施策に協力するように努めなければならない 防災基本計画 災害対策基本法第 34 条第 1 項の規定に基づき 中央防災会議 ( 会長 : 内閣総理大臣 ) が作成する我が国の防災に関する基本的な計画 我が国において防災上必要とされる施策の基本について 事業者の果たす役割とそれを支援する国及び地方公共団体の役割を定めている 企業は, 災害時に企業の果たす役割 ( 生命の安全確保, 二次災害の防止, 事業の継続, 地域貢献 地域との共生 ) を十分に認識し, 各企業において災害時に重要業務を継続するための事業継続計画 (BCP) を策定するよう努めるものとする また, 防災体制の整備, 防災訓練の実施, 予想被害からの復旧計画策定, 各計画の点検 見直し, 燃料 電力等の重要なライフラインの供給不足への対応, 取引先とのサプライチェーンの確保等の事業継続上の取組を継続的に実施するなど事業継続マネジメント (BCM) の取組を通じて, 防災活動の推進に努めるものとする 特に, 食料, 飲料水, 生活必需品を提供する事業者など災害応急対策等に係る業務に従事する企業は, 国及び地方公共団体が実施する企業との協定の締結や防災訓練の実施等の防災施策の実施に協力するよう努めるものとする 国及び地方公共団体は, 企業防災に資する情報の提供等を進めるとともに, 企業防災分野の進展に伴って増大することになる事業継続計画 (BCP) 策定支援及び事業継続マネジメント (BCM) 構築支援等の高度なニーズにも的確に応えられる市場の健全な発展に向けた条件整備に取り組むものとする また, 企業のトップから一般職員に至る職員の防災意識の高揚を図るとともに, 優良企業表彰, 企業の防災に係る取組の積極的評価等により, 企業の防災力向上の促進を図るものとする

2. 企業等の事業継続計画に関する現状 < 実態調査 > 現在 大企業の 7 割強 中堅企業の 4 割弱が策定済 又は策定中となっており 普及啓発段階から 積極的な BCP 策定支援や 取組の継続 改善を促す段階に入っている 策定済み + 策定中 ( カッコ内は 2008 年 1 月 2009 年 11 月数値 )< 大企業 (35% 58%) 72%>< 中堅企業 (16% 27%) 36%> 出典 : 内閣府 企業の事業継続に関する実態調査 ( 平成 24 年 3 月 ) 3

3. 企業等の事業継続計画に関する業種別の現状 < 実態調査 > < 平成 21 年度 平成 23 年度 > 策定済み 及び 策定中 の合計の値はほとんどの業種で増加している 特に 建設業 (14.8% 61.3%) 情報通信業(40.0% 75.6%) 金融 保険業(45.1% 86.2%) において 顕著な増加がみられる 出典 : 内閣府 企業の事業継続に関する実態調査 ( 平成 24 年 3 月 ) 4

4. 企業等の事業継続計画に関する現状 < 災害教訓 > 東日本大震災関連の倒産件数は 全国で 1,327 件 ( 平成 25 年 11 月までの累計 ) 内訳として 最多は東京都の 398 件 次いで宮城県 92 件 北海道 77 件 福岡県 59 件 神奈川 55 件であった 一方 直接被災地の東北地方の倒産件数は 230 件 ( 構成比 17.3%) であり 必ずしも被災地の民間企業のみが倒産しているわけではないことが伺える 東日本大震災時には 策定済の BCP が有効に機能した民間企業が存在する一方 策定済の BCP が有効に機能しなかった民間企業等も存在し 改めて サプライチェーンの確保も視野に入れた BCP の策定が重要である 長崎県 1 件 熊本県 8 件鹿児島県 7 件 佐賀県 4 件 大分県 9 件 福岡県 59 件 宮崎県 3 件 山口県 5 件 島根県 0 件 広島県 7 件 愛媛県 8 件 高知県 1 件 鳥取県 1 件 岡山県 8 件 香川県 2 件 徳島県 1 件 兵庫県 15 件 京都府 2 件 大阪府 43 件 石川県 37 件 福井県 7 件 滋賀県 1 件 奈良県三重県 11 件 8 件和歌山県 2 件 富山県 4 件 岐阜県 3 件 愛知県 35 件 長野県 10 件 静岡県 33 件 新潟県 21 件 山梨県 9 件 北海道 77 件 秋田県 12 件 山形県 25 件 青森県 21 件 福島県 38 件 岩手県 42 件 岩手県 92 件 群馬県栃木県 42 件 35 件茨城県埼玉県 34 38 件件 神奈川県 55 件 東京都 398 件 千葉県 53 件 地方 倒産件数 % 北海道地方 77 5.8 東北地方 230 17.3 関東地方 685 51.6 中部地方 89 6.7 北陸地方 48 3.6 近畿地方 74 5.6 中国地方 21 1.6 四国地方 12 0.9 九州地方 91 6.9 合計 1,327 沖縄県 0 件 出典 : 商工リサーチ公表資料 ( 平成 25 年 11 月 11 日 ) を元に作成

5. 事業継続ガイドライン改定の背景 内閣府では 平成 15 年 中央防災会議に専門調査会を設置し 民間企業等の事業継続計画 (BCP) の必要性を取りまとめ 平成 17 年に 事業継続ガイドライン第一版 を策定 平成 21 年には 事業継続ガイドライン第二版 に改定しており 本書をもとに BCP の認識定着 策定促進 運用改善に取り組んできた 並行して 現状の課題を分析し 本書の拡充の必要性を検討してきた ガイドライン 活用の現状 民間企業等における課題 事業継続ガイドライン ( 平成 17 年 平成 21 年 ) 解説書 ( 平成 19 年 ) 〇民間企業等における BCP 策定時の参考文献として 最初に挙げられる 〇業界団体等が作成する BCP 関連の各種ガイドラインの参考文献にもなっている しかし 事業継続ガイドラインは BCP の文書作成を目的とした指針と考えられることがある 事業継続ガイドラインは 災害に特化した指針と考えられることがある 一部の人達の取組に終始している 雛形等をそのまま利用し BCP の内容が自社の実状に合っていない 地震 BCP インフルエンザ BCP など やればやるほど文書が増える コストが掛かると考えている BCP 策定後の取組に実態が無い 中小企業等では 必要性を感じても 大変そうで対応できないと考えられる 事業継続ガイドライン の充実による さらなる取組の促進が必要

6. 事業継続ガイドライン第三版の概要 現状の課題分析とともに 実態調査 国内外の災害教訓 経済社会の動向等を踏まえ 第二版を改定し 平成 25 年 8 月に 事業継続ガイドライン第三版 - あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応 - を公表した (http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/topics/index.html) トピックス BCP 策定済の企業の増加 大企業 :27.6% 45.8% 中堅企業 :12.6% 20.8% 中小企業等への普及促進 BCP 策定後の見直し不足 見直しを実施していない割合大企業 :15.6% 中堅企業 :47.0% 見直しが十分でなく 改善の必要性ありとの回答は 40% を超える 出典 内閣府 企業の事業継続に関する実態調査 (H24.3) 災害教訓 ( 東日本大震 (H23.3) タイ水害 (H23. 秋 )) 想定外や想定以上の災害にも対応可能な取組の必要性 サプライチェーンを介した影響の波及 様々な連携による状況改善など 経済社会の動向 (ISO22301 及び ISO22313) 事業継続の国際規格である ISO223 シリーズが発効 改定の方向性 BCM の普及啓発 有事のための BCP から 平時からの取組 (BCM) へ意識転換を図ること 運用の内容充実 BCP 策定後の実効性向上を目指し 運用に関する内容を充実させること 災害教訓の反映 東日本大震災等の災害への対応から得られた教訓を盛り込むこと 国際規格への留意 事業継続の国際規格である ISO223 シリーズとの関係性に留意すること 主な改定内容 < 章立てを刷新し BCMを強調 > BCP 策定後に取組が続かない あるいは文書ばかりが厚くなり コストは増える反面 実効性は無くなるなどの課題に鑑み 単なる文書化が目的とならないよう 従来 BCP に含めて説明されていた 平時からの取組 (BCM) を経営戦略に盛り込むように強調するとともに 構成の見直し < 教育 訓練 見直し 改善に関する章の拡充 > 社内の一部の人達の取組で終始する あるいは中小企業等では実施方法が分からず躊躇しているような現状の課題を踏まえ 様々な企業で平時から取り組み易くなるよう 教育 訓練 見直し 改善等に関する内容の充実 項目の流れの分かり易さの追求 < 事業継続戦略 対策に関する章の新設 > 特定事象のみの BCP を策定したことにより 想定外の事象には柔軟に対応できなかったことから 幅広いリスクに対応するための考え方を盛り込み さらには サプライチェーン途絶の経験をもとに 取引先 業界団体 地域関係者等の様々な連携の重要性も踏まえた代替戦略や対策に関する内容の充実 < 経営者に言及する項目の追加 > 取組の現状や災害教訓 国際動向も踏まえ 平時からの経営者の関与や災害時のリーダーシップの重要性について特に強調

7. 事業継続ガイドライン第二版と第三版の比較 第二版の内容を踏襲しながら BCM を強調するよう 章立てを変更したうえ 経営者への言及などを加え 全体として大幅に内容を拡充している A

8. 事業継続ガイドライン第三版の構成 事業継続ガイドライン第二版の 計画 の内容を大幅に充実の上 細分化し 分析 検討 事業継続戦略 対策の検討と決定 計画の策定 を章立てしている 全体の構成として BCM の流れを分かり易く 継続しやすいものとなるように意図している < 第三版より > 点検 評価 経営者の見直し 是正 改善など (Check) (Action) の内容を拡充 BCM の 3 つの計画に対応する形で 実施 (Do) の章を作成 リスクの分析 評価 項目を新規盛り込み BCP は緊急時の計画として新規に定義 ( 記載内容を充実 ) 幅広いリスクに対応する事業継続戦略について説明を拡充し 連携の観点を踏まえた代替戦略及び対策について内容を大幅に追加 第 2 版までの BCP は BCM に置換 事業継続マネジメント (BCM) の各プロセス この 3 つの計画は 平時の取組み (BCM) で実施する計画として新規に定義 (Plan) 文書化は別項目に置き 絶対条件ではない旨を記載

9. 事業継続におけるサプライチェーン確保の重要性について 改定にあたり 東日本大震災やタイ水害の教訓をもとに サプライチェーン確保の観点における BCM の必要性について 内容を拡充している 大企業 中堅企業に対する調査では 東日本大震災によって 重要な業務が停止した 理由として 取引先 ( 納入先 / 納入元 ) の業務が停止していたため とするサプライチェーンに関する要因が約 23~26% に上った 従業員の出社不能 工場の機器 設備等の損壊 オフィスの使用不能 といった 自社の直接被害として挙げられている要因と同程度の割合 出典 : 内閣府 企業の事業継続に関する実態調査 ( 平成 24 年 3 月 ) はじめに 序文 < 本ガイドラインの目的 > において サプライチェーンの重要性を念頭に入れることを明示 事業継続の取組の必要性と概要 1.3 章 BCM の必要性において サプライチェーン停止の甚大な影響の説明と供給責任を果たす重要性を明示 事業継続戦略 対策の検討と決定 4.1 章 事業継続戦略 対策の基本的考え方において 重要業務の目標復旧時間及び目標復旧レベルは 実現可能で対外的にも説明できるものとして 正式決定することを記載 4.2.1 章 重要製品 サービスの供給継続 早期復旧に関して 実施すべき対策として 供給先 調達先との連携や支援のための人員確保などを例示 4.2.2.2 章 情報発信において 利害関係者への情報発信 情報共有の重要性を説明 経営者及び経済社会への提言 サプライチェーン強化の観点からも 全ての企業 組織において取り組むべきものであることへの言及 BCM に取り組むメリットとして サプライチェーンおよび事業競争力の強化につながることを言及 BCM の見直し 改善について 個別の取組だけでなく サプライチェーン等での連携が必要になる旨を記載 10

10. 事業継続における情報の重要性について 情報の重要性については 旧版より示してきたが 第三版においても 企業 組織の中枢機能の確保の枠組みの中で その観点を明記しているところである 大企業 中堅企業に対する調査によると ボトルネックの特定要素は 情報システム 通信手段 ( 固定電話 携帯電話 インターネット等 ) が上位を占め 外部インフラ ( 電力 水道 ガス等 ) よりも多いことが分かる 過年度調査では 常にインフラより上位 事務所 店舗 工場 施設 自家用発電機 水処理設備等 装置 機械 器具 材料 部品 情報システム 情報 ( データ 重要文書 ) 決済手段 特殊技能を有する従業員 アウトソース先業務 派遣社員 テナント社員 輸送手段 外部インフラ ( 電力 水道 ガス等 ) 通信手段 ( 固定電話 携帯電話 インターネット等 ) その他 無回答 0 20 40 60 80 % 4.0 3.1 1.8 0.0 9.2 7.8 15.6 16.9 12.5 31.3 25.0 35.3 31.3 40.4 36.8 28.1 26.1 32.8 33.1 28.1 31.6 29.7 46.0 43.0 45.3 62.5 58.5 50.0 75.7 67.2 65.8 62.5 事業継続戦略 対策の検討と決定 4.2.2 章 企業 組織の中枢機能の確保において 緊急時には 平常時の業務では求められない全体的な情報収集や分析 迅速な意思決定と指示 情報発信等の業務に関する必要性が相当高まることが想定されることを記載 4.2.2.1 章 本社が被災した場合に関して 特に通信手段 電力等の設備 ライフライン確保の対策が必要となることに言及 4.2.2.2 章 情報発信において 利害関係者への情報発信や情報共有を行うための自社内における体制の整備 連絡先情報の保持 情報発信の手段確保の重要性を説明 4.2.3 章 情報及び情報システムの維持において 重要な情報 ( バイタルレコードともいう ) 及び情報システムを被災時でも使用できることが不可欠であることに言及 重要な情報システムには バックアップシステムやそれを支える電源確保や回線の二重化を確保することも重要であることを説明 どれくらいの期間のデータ損失を許容するかを慎重に決定し バックアップの取得頻度を決定することが重要と言及 データの欠落や不整合による障害を防ぐための復帰計画も必要であることを記載 大企業 中堅企業 出典 : 内閣府 企業の事業継続に関する実態調査 ( 平成 24 年 3 月 )

11. 今後に向けた課題について ガイドライン改定を踏まえ 今後は 普及啓発における課題の分析調査が重要となる 1 経営戦略として BCM が重要であるという意識改革の浸透 2 個社の取組に加え 企業間 地域 業界との連携の促進 3 企業価値の向上や国際競争力の強化に資する 将来への有効な投資という認識の定着 4 継続的な取組に資する 企業評価の仕組の構築

12. 事業継続に関する課題解決施策について 連携の促進が課題となる中 取引先企業等の事業継続に係る連携訓練の実施率は極めて低い そのため 内閣府では より多くの企業が連携訓練に取り組めるよう, 連携訓練の手引き を作成している 企業規模 事業継続に係る訓練の実施率 取引先等との連携訓練の実施率 大企業 50.3% 8.0% 中堅企業 24.6% 5.8% 全体 35.5% 7.0% その他企業全体 25.6% 5.7% 出典 : 内閣府 企業の事業継続に関する実態調査 ( 平成 24 年 3 月 ) 連携訓練の手引き ( 内閣府防災のホームページ ) http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/topics/pdf/t ebiki13_03.pdf

参考 内閣府における事業継続に関する普及啓発の取組 1 事業継続ガイドラインの充実による普及啓発 < カ イト ライン第 1 版 > < 第 1 版解説書 > < カ イト ライン第 2 版 > < カ イト ライン第 3 版 > 2 課題解決施策の設計 展開 < 連携訓練の手引き > 3 企業の事業継続の取組に関する実態調査 < 大 中堅企業実態調査 > < 特定分野実態調査 > < 内閣府防災 HP> ( 企業防災のトピックス ) http://www.bousai.go.jp/kyoiku/ki gyou/topics/index.html

ご清聴ありがとうございました