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( 権限の委任等 ) 第十五条内閣総理大臣は, この法律の規定による権限 ( 政令で定めるものを除く ) を消費者庁長官に委任する 2 及び3 略 4 この法律に規定する農林水産大臣の権限に属する事務の一部は, 政令で定めるところにより, 都道府県知事又は地方自治法 ( 昭和二十二年法律第六十七号

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総額表示義務に関する消費税法の特例に係る不当景品類及び不当表示防止法の 適用除外についての考え方 平成 25 年 9 月 10 日一部改定平成 27 年 4 月 1 日一部改定平成 28 年 4 月 1 日一部改定平成 28 年 11 月 28 日消費者庁 第 1 はじめに 1 法律の概要等消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法 ( 以下 本法 という ) は 平成 26 年 4 月 1 日及び平成 31 年 10 月 1 日における消費税率 ( 地方消費税率を含む 以下同じ ) の引上げに際し 消費税 ( 地方消費税を含む 以下同じ ) の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から 消費税の転嫁を阻害する行為の是正 価格の表示並びに消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為に関する特別の措置について定めている 本法第 10 条は 消費税法第 63 条が定める総額表示義務の特例を規定しているところ 本法第 10 条第 3 項は 自己の供給する商品又は役務の税込価格を表示する場合において 消費税の円滑かつ適正な転嫁のため必要があるときは 税込価格に併せて 消費税を含まない価格 ( 以下 税抜価格 という ) 又は消費税の額を併記する旨を定めている また 本法第 11 条 ( 以下 本条 という ) は 本法第 10 条第 3 項が定める場合において 税込価格が明瞭に表示されているときは 税抜価格の表示につき 不当景品類及び不当表示防止法 ( 以下 景品表示法 という ) 第 5 条の規定を適用しない旨を定めている ( 総額表示義務に関する消費税法の特例 ) 第 10 条事業者 ( 消費税法 ( 昭和 63 年法律第 108 号 ) 第 63 条に規定する事業者をいう 以下この条において同じ ) は 自己の供給する商品又は役務の価格を表示する場合において 今次の消費税率引上げに際し 消費税の円滑かつ適正な転嫁のため必要があるときは 現に表示する価格が税込価格 ( 消費税を含めた価格をいう 以下この章において同じ ) であると誤認されないための措置を講じているときに限り 同法第 63 条の規定にかかわらず 税込価格を表示することを要しない 1

2 前項の規定により税込価格を表示しない事業者は できるだけ速やかに 税込価格を表示するよう努めなければならない 3 事業者は 自己の供給する商品又は役務の税込価格を表示する場合において 消費税の円滑かつ適正な転嫁のため必要があるときは 税込価格に併せて 消費税を含まない価格又は消費税の額を表示するものとする ( 不当景品類及び不当表示防止法の適用除外 ) 第 11 条前条第 3 項の場合において 税込価格が明瞭に表示されているときは 当該消費税を含まない価格の表示については 不当景品類及び不当表示防止法 ( 昭和 37 年法律第 134 号 ) 第 5 条の規定は 適用しない 2 本条の趣旨本法第 10 条第 3 項の規定に従って税込価格と税抜価格を併記する場合 その表示方法によっては 当該表示価格が税込価格でないにもかかわらず税込価格であると一般消費者に誤認を与え 景品表示法第 5 条により禁止される表示 ( 価格についての表示であることから 具体的には 同条第 2 号 ( 有利誤認 )) に該当する可能性がある ( 注 1) 一方 税込価格と税抜価格が併記される場合において 税込価格が明瞭に表示されている場合には 価格について一般消費者に誤認を与えることとはならないため 景品表示法第 5 条の適用が除外される旨を確認的に規定したものである ( 注 1) 景品表示法 ( 不当な表示の禁止 ) 第 5 条事業者は 自己の供給する商品又は役務の取引について 次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない 一 ( 略 ) 二商品又は役務の価格その他の取引条件について 実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて 不当に顧客を誘引し 一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの三 ( 略 ) 2

第 2 税込価格が明瞭に表示されているか否かの考え方前記第 1の2のとおり 税込価格と税抜価格を併記する場合において 景品表示法で禁止される表示に該当するのは 表示されている税抜価格を税込価格であると一般消費者が誤認する場合である したがって 税込価格に併せて税抜価格を表示する場合に 表示媒体における表示全体からみて 税込価格が一般消費者にとって見やすく かつ 税抜価格が税込価格であると一般消費者に誤解されることがないように表示されていれば 税込価格が明瞭に表示されているといえる また この判断に当たっては 基本的に以下の要素が総合的に勘案される ( 注 2) 1 税込価格表示の文字の大きさ税込価格表示の文字の大きさが著しく小さいため 一般消費者が税込価格表示を見落としてしまう可能性があるか否か 2 文字間余白 行間余白余白の大きさ 一定幅当たりの文字数等から 税込価格が一般消費者にとって見づらくないか否か 3 背景の色との対照性例えば 明るい水色 オレンジ色 黄色の背景に 白色の文字で税込価格を表示するといったように分かりにくい色の組合せになっていないか否か 背景の色と税込価格の表示の文字の色とは 対照的な色の組合せとすることが望ましい また 背景の色と税込価格の表示の文字の色との対照性が必ずしも十分ではない場合には 税込価格の表示に下線を引くことなどによって 税込価格が一般消費者にとって見やすく かつ 税抜価格が税込価格であると一般消費者に誤解されることがないように表示する必要がある ( 注 2) このほか 例えば 一般消費者が手に取って見るような表示物なのか 鉄道の駅構内のポスター 限られた時間のテレビコマーシャル等 一般消費者が離れた場所から目にしたり 短時間しか目にすることができないような表示物なのかなど 表示媒体ごとの特徴も 税込価格が明瞭に表示されているか否かの判断に当たって勘案される場合がある また 例えば 主に走行中の車の中にいる者を対象とした看板等の場合 表示価格が税込価格でないことを歩行者が明瞭に認識できるだけでは不十分であり 走行中の車の中からでも明瞭に認識でき 3

るような表示とする必要がある なお 消費税総額表示制度の導入後に ガソリンスタンドにおいてガソリンの販売価格をサインポール又は看板に表示するに当たり 税抜価格を記載したことが景品表示法に違反するおそれがあるとして警告が行われた事例がある ( 平成 17 年 12 月 27 日公正取引委員会警告 ) 第 3 具体例 1 明瞭に表示されているといえる例 2 明瞭に表示されているとはいえない例 (1) 税込価格表示の文字の大きさに問題がある例 (2) 文字間余白 行間余白に問題がある例 ( 一定幅当たりの文字数に問題がある場合 ) 4

(3) 背景の色との対照性に問題がある例 以上 5