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Ⅱ 各論第 2 章 各 論 第 2 章 介護と医療 関係機関の連携 第 1 節 介護と医療 関係機関の連携 1 連携のための関係機関のネットワークづくり 現状 課題 平成 19 年度に内閣府が公表した 高齢者の健康に関する意識調査 によると 多くの高齢者が要介護状態になっても 可能な限り住み慣れた地

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

区(支部)社協会費関係相談記録

資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

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利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

1. 基本情報 質問 (1): はじめに 貴事業所等の状況についてお伺いいたします 下欄 123 の名称等についてご記入ください 1 貴事業所名等 ( ) 所在地 ( ) 市 区 町 村 行政 ( 高齢者担当部署 ) 地域包括支援センター ( 行政直営 ) 地域包括支援センター ( 社会福祉協議会運

平成 20 年 9 月 29 日 平成 21 年度介護報酬改定に向けた提言 社会福祉法人東京都社会福祉協議会 はじめに センター部会長代行今裕司 東京都社会福祉協議会センター部会は 東京都内の地域包括支援センター 在宅介護支援センター デイサービスセンターの 664 箇所が加入している団体です 平成

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

区(支部)社協会費関係相談記録

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01 【北海道】

高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

事業内容

計画の今後の方向性

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

< ワーク > あなたが市町村社協の職員として相談を受けた場合 ケアマネジャーにどのような質問をしますか どのような目的から どういった情報収集が必要でしょうか 必要な情報をもっている関係機関はどこでしょうか 例 : 本人の収支の状況 必要な情報情報収集の目的情報を持つ関係機関 次ページから C さ


6 児童福祉法の改正 24 年 4 月には 障害者自立支援法と児童福祉法に分かれていた障がい児 の支援体制を一元化する改正がなされ 市町村が支給決定する障がい児通所支援 と都道府県が支給決定する障がい児入所支援が創設されました 7 障害者虐待防止法の施行 24 年 10 月には 障害者虐待の防止 養

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議案第3号

V大阪58H1-H4

平成29年度 障害者白書(PDF版)

計画の策定にあたって 今回策定する あま市障がい者計画及び障がい福祉計画 は 現行の 障害者基本法 に定める 障害者計画 と 現行の 障害者自立支援法 に定める 障害福祉計画 を一体のものとしてとらえ 今後の制度改正を踏まえた あま市総合計画 を上位計画とする障がいのある人に対する支援活動や障がい者

多賀町地域福祉活動計画案(概要版)

(3) その他 全日制高校進学率の向上を図るため 更に公私で全体として進学率が向上するよう工夫する そのための基本的な考え方として 定員協議における公私の役割 を次のとおり確認する 公立 の役割: 生徒一人ひとりの希望と適性に応じて 多様な選択ができるよう 幅広い進路先としての役割を担い 県民ニーズ

目 次

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

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地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が包括的に確保される体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築を実現 今後

地域生活サポートセンターいこな

障害者自立支援法等の一部を改正する法律案の概要


区分

障害児・発達障害支援_

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

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別紙2

高齢者を取り巻く状況 将来人口 本市の総人口は 今後も減少傾向で推移し 平成32年 2020年 には41,191人程度にまで減少し 高齢 者人口については 平成31年 2019年 をピークに減少に転じ 平成32年 2020年 には15,554人程度 になるものと見込まれます 人 第6期 第7期 第8

先方へ最終稿提出0428.indd

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2

制度 後期高齢者医療制度とは 3 資格 被保険者 4 被保険者証 保険証 5 保険料の算定 6 保険料の納付方法 7 保険料の軽減と納付相談 8 お医者さんにかかるときの自己負担割合 10 療養費 12 接骨院 整骨院 柔道整復 のかかり方 13 訪問看護療養費 移送費 13 高額療養費 14 特定

はじめに 道では 北海道行政基本条例 に基づき 道政の基本的な方向を総合的に示す計画として 新 北海道総合計画 を策定し 政策展開の基本方向の一つとして 安心で心豊かな北海道ライフスタイル を掲げ 安全 安心な生活の確保 に向け 防災 減災の体制づくり を進めています 保健福祉部では 特に 子ども

2 既存の制度や仕組みの限界への対応すでに権利擁護支援の取り組みは行っているが それでは十分でなかったり 使い勝手が悪かったりということで 新たな組織や仕組みをつくって対応するなかで 権利擁護支援システムが充実していく 既存制度の代表的なものとしては 成年後見制度と 主に社会福祉協議会が実施している

PowerPoint プレゼンテーション

高齢者個人に対する支援の充実+社会基盤の整備1. 地域ケア会議の設置 構築について 地域ケア会議の設置主体 : 地域包括 援センター または市町村 ( 保険者 ) 地域の実情に応じた地域包括ケアシステムを想定した上で その実現のために有効と考えられる地域ケア会議を設置 構築していくことが必要 地域ケ

OTEMON GAKUIN

NO.46 社協だより 2

第 1 部 施策編 4

児童虐待防止対策体制総合強化プラン 平成 30 年 12 月 18 日 児童虐待防止対策に関する関係府省庁連絡会議決定 1. 目的 2016 年 5 月に全会一致で成立した児童福祉法等の一部を改正する法律 ( 平成 28 年法律第 63 号 以下 平成 28 年改正法 という ) においては 子ども

岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民

たく BOX など利用件数 3. 達成状況が 又は の場合はその理由民泊事業で訪れる修学旅行生に対する取り組みを当初想定していたが 個人情報保護の観点から 学校側からの協力を得ることが難しく 一歩ずつ別の取り組みにより認知度を高めてきた 今後も継続的な取り組みを行なっていきたい

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, 地域包括支援センターの組織と人材 2. 1 福祉専門職の歴史と特性

(2) 第 3 段階ハローワーク徳島 ( 徳島市出来島本町 1 丁目 5 番地 ) 所管区域は 徳島市 名東郡 名西郡 4 具体的な業務内容 (1) 第 1 段階 駅のハローワーク で 国が直接実施しているサービスを 県の権限で実施する 具体的には 職業相談 職業紹介等の業務を 県の職員が執行できる

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

三鷹市健康福祉総合計画2022

資料3

1 計画策定の背景と趣旨 昭和 56(1981) 年の 完全参加 をテーマとする 国際障害者年 を契機に, 障害者福祉は大きく変化しました 国では, 平成 5(1993) 年 3 月に 障害者対策に関する新長期計画 が策定され, 同年 12 月には 障害者基本法 * が施行されました 以後も, 平成

広島市障害者計画 2013 ー 2017 平成 25 年 3 月 広島市

第 1 章 権利擁護に取り組む 必要性

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

! 3

あいら農経営発第  号

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私立幼稚園の新制度への円滑移行について

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

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第 4 章施策の展開 1 到達目標障害のある方の自立支援の観点から 地域生活への移行や就労支援などの主要な課題に対応するため 国の基本指針 11 に示された見込量の確保に係る目標事項について 本市における障害福祉計画 ( 第 4 期 ) 期間中の実績等を踏まえ 到達目標 12 を設定します 一覧 (

社会福祉法人による生計困難者に対する利用者負担の減免

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第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

1. 地域ケア会議の定義, 法的な位置づけ狛江市 ( 以下 市 ) では, 多様な生活課題を抱えている高齢者が, 地域で安心して自分らしく生活できる環境づくりを進めるため, 介護支援専門員 ( ケアマネジャー ) 等への個別支援や関係機関 団体等の連携体制の構築を通じて, 介護支援専門員等が包括的か


障害福祉計画資料 3 障害福祉サービスの目標 1 成果目標 柱 No. 事業 単位 2020 年度 解説 3 暮らしを支えるサービスの充実 3 1 福祉施設の入所者の地域生活への移行 目標値 年度末までに地域生活へ移行する施設入所者数 ( 移行率 ) 年度末時点の施設入所者数

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

地域総合支援協議会

1_【鑑】「生活困窮者自立支援法の施行に伴う多重債務者対策担当分野との連携について(通知)」の一部改正について

スライド 1

内部統制ガイドラインについて 資料

活動状況調査

01 表紙 雛形(都道府県、市町村、関係団体)介護保険計画課

老振発 0704 第 1 号 平成 3 0 年 7 月 4 日 都道府県 各指定都市介護保険主管部 ( 局 ) 長殿 中核市 厚生労働省老健局振興課長 ( 公印省略 ) 地域包括支援センターの事業評価を通じた機能強化について ( 通知 ) 地域包括支援センターは 介護予防ケアマネジメントや包括的支援

65歳~74歳 介護認定率(平成22年度)

平成20年度春の家居宅介護支援事業所事業計画

埼玉県特別養護老人ホーム優先入所指針 1 目的この指針は 特別養護老人ホーム ( 以下 施設 という ) のサービスを受ける必要性が高いと認められる者を優先的に入所させるため 施設が優先入所 ( 以下 入所 という ) に関する手続き及び入所の必要性を評価する基準等を制定する際の参考とすべき基準を明

銭形企画居宅介護支援事業所運営規程 第 1 条 ( 事業の目的 ) この規程は 株式会社銭形企画が設置運営する銭形企画居宅介護支援事業所 ( 以下 事業所 という ) が行う居宅介護支援事業の適正な運営を確保するために必要な人員及び管理運営に関する事項を定め 事業所の介護支援専門員その他の従業者 (

(全体)

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Microsoft PowerPoint - 04-検討プロセス及び検討体制

平成 28 年度野田市社会福祉協議会事業計画 1. 事業方針野田市社会福祉協議会では ふれあいと支えあい 福祉の心豊かなまちづくり を基本理念として 地域社会全体で問題解決に取り組み 市民が自立し安心して暮らせる心豊かな福祉社会の実現を目指しています 27 年 4 月から認知症高齢者や障がい者等の判

渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス

長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) 骨子 ( 案 ) に関する参考資料 1 骨子 ( 案 ) の項目と種子の生産供給の仕組み 主要農作物種子法 ( 以下 種子法 という ) で規定されていた項目については 長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) の骨子 ( 案 ) において すべて盛り込むこ

Transcription:

中間報告にあたって 社協社協におけるにおける権利擁護権利擁護システムシステムに関するする調査研究委員会調査研究委員会 としてのとしての提言 社協における権利擁護システムに関する調査研究委員会 として 中間報告をとりまとめるにあたり 下記のとおり 提言をいたします 本事業は判断能力の不十分な方の地域生活を支える上で なくてはならない存在であり すばらしい実績をあげてきました 実態調査の結果からも 本事業の利用により 必要な福祉 医療サービスへのつなぎ 経済的虐待や消費者被害の防止など 生活支援の数多くの側面において具体的な効果が明らかになりました また 制度の狭間となっていたり 制度で対応が十分なされていない状況の中でも基幹的社会福祉協議会が さまざまなネットワークをつくり出しながら きめ細かく対応している実態があり その積極的な姿勢 努力については 高く評価すべきとの指摘がありました こうした実状は 沖縄県においては 専門員が制度本来の役割以上の すぐれた相談支援機能を果たしていることによって支えられている面がある一方で 現状の予算規模 実施体制から また他の制度やネットワークが十分に形成されていないために 現状のままでは 事業の発展はおろか 維持すらも難しい状況が明らかとなりました また 全国に比して沖縄県は 生活保護を受給している事業利用者が多く 県全体の低い県民所得や高い失業率など経済的格差の問題もあります 地域福祉権利擁護事業 ( 日常生活自立支援事業 ) の創設は 成年後見制度とともに 判断能力が不十分な方々への施策として 社会福祉制度が 措置から契約制度に変わった中 認知症高齢者 精神障害者 知的障害者などの方々が 地域で暮らしていくためには 欠くことのできない事業であり その役割の重要性はますます高まっています また 平成 19 年 3 月に策定された第 1 期沖縄県障害福祉計画においては 平成 23 年度までに 282 人が福祉施設から地域生活へ移行し また 入院中の精神障害者も同じく 600 人が地域生活へ移行する事が目標とされています こういった状況の中 本事業の現状として 多くの契約待機者が発生していることや 施設入所者 病院入院患者の利用が一部地域でしか対応できていない状況は たいへん残念な事態であり 憂慮すべきことと考えます 今回 本調査研究委員会としては 本事業の現状をつぶさに検証し 改善すべきことについては 率直に改善を提言したところですが 本事業実施主体 ( 社会福祉協議会 ) だけでは 解決できない課題も多くあり 地域における重層的な権利擁護システムの構築の必要性を改めて痛感したところです 本事業は 地域の社会資源の一つとして 継続的に活用される必要があるとともに 本報告書で明らかになった現状を国 沖縄県 市町村 関係機関においても 十二分にご理解をいただき 福祉の援護が必要な方々が 安心して地域で暮らせる福祉社会を実現するために より一層 取り組んでいただきますよう切にお願い申し上げます 社協における権利擁護システムに関する調査研究委員会

沖縄県内県内で 本事業本事業に関わるすべてのわるすべての関係者関係者へ 1. 地域におけるにおけるトータルトータルな権利擁護権利擁護システムシステムについて本報告書で明らかとなった地域福祉権利擁護事業 ( 日常生活自立支援事業 ) の現状を それぞれ地域で 行政 社協 その他の社会資源がともに共有しながら 地域における権利擁護ネットワークを構築する必要があります また その地域におけるネットワークの中で 各々の社会資源が求められている役割の調整や分担をし 場合によっては 必要な社会資源を新たに整備するなど 協力して トータルな権利擁護システムを作り上げていくていくことが求められます 2. 緊急的にニーズニーズに対応対応できるできる独自独自システムシステムの必要性必要性について現在 地域福祉権利擁護事業 ( 日常生活自立支援事業 ) だけでは 契約待機者および事業の利用ニーズに すぐに対応できる体制を整えることは困難な現状です 可能であれば 市町村社協 関係機関等においても 必要な条件整備 ( 金銭管理規程などの整備 ) をした上で 協力して 緊急的なニーズに対応できるようにしていく必要があります そのための具体的指針については 沖縄県社会福祉協議会において 早急に示していく必要があります 国 県へ 1. 業務に応じたじた専門員専門員の待遇待遇の確保確保と必要必要な予算措置予算措置について今回の報告書では 事業利用者数 寄せられるニーズの多様性 さらに やむおえず本来業務以上の対応をせざるをえない状況等で 専門員に相当な過重がかかっていることが 明らかになっています 事業実施主体において 業務のあり方の改善をしていく必要もありますが 人員体制としては不十分といわざるを得ません 加えて判断能力が不十分な方の 金銭管理 という重責がともなう業務に関わらず その業務に応じた専門員への待遇が確保できていません 専門員の正規職員の雇用が可能となるような予算措置をしていただくと共に 制度的な身分保障やキャリアアップができる仕組みの整備を図る必要があります 2. 基幹的社会福祉協議会の増設増設や必要必要な経費経費の確保確保について現在の利用者数およびこれからの利用ニーズの現状から 本事業を広域で実施する事は 移動距離 時間において非効率的であるとともに 本事業利用希望者や利用

者への対応に遅れが発生し 地域で要援護者を支える連携がとりづらい現状が明らかとなっています 以上のような事業の現状をご理解いただき 専門員の増員や基幹的社協の増設 その他の必要な経費など 地域における重要な権利擁護システムの一つとしての本事業を積極的に支えていただくよう 確実な予算措置をしていただく必要があります 市町村へ 1. 地域福祉計画等の行政計画行政計画へのへの盛り込みについて市町村においては 地域の重要な社会資源の一つである地域福祉権利擁護事業 ( 日常生活自立支援事業 ) について 地域での権利擁護ネットワーク形成や役割分担や方向性など 具体的支援や実施計画について 地域の実情にあわせ地域福祉計画等の行政計画に盛り込んでいく必要があります 2. 市町村でのでの予算措置予算措置につについて本事業を 地域で継続的に実施していくためには 市町村においても 地域で事業を行っている基幹的社協に対し 市町村間で分担金を拠出するなど予算措置について検討していただく必要があります 3. 地域包括支援センターセンターでのでの高齢者虐待対応高齢者虐待対応 成年後見制度成年後見制度利用支援事業利用支援事業の積極的活用について成年後見制度の活用が進んでいないため 地域福祉権利擁護事業 ( 日常生活自立支援事業 ) 実施社協において 本来業務以上の役割や関係調整が求められ その対応に苦慮しています それが 契約待機者を発生させている原因の一つとなっていることが 今回 明らかとなっています 市町村の役割として位置づけられている 成年後見制度利用支援事業の積極的活用 地域包括支援センターにおける高齢者の権利擁護に関する相談対応を充実させてください 更に 成年後見等開始審判の市町村長申し立てについても積極的な活用が望まれます 4. 虐待事例 対応困難事例対応困難事例の対応対応について虐待事例 対応困難事例についても 地域福祉権利擁護事業 ( 日常生活自立支援事業 ) において 本来業務以上の役割や関係調整が求められています 各市町村に

おいて 地域包括支援センターや行政窓口などでの対応を更に強化する必要があります また 虐待防止センター等を設置するなど虐待対応体制の確立が必要であります 市町村社会福祉協議会市町村社会福祉協議会市町村社会福祉協議会市町村社会福祉協議会へ 1. 地域福祉活動計画地域福祉活動計画地域福祉活動計画地域福祉活動計画へのへのへのへの位置位置位置位置づけについてづけについてづけについてづけについて各市町村社会福祉協議会においては 地域住民の権利擁護に関することについて地域福祉活動計画に位置づけ 行政と連携をはかり 地域における地域住民の権利擁護に関する現状の共有 課題の抽出 必要な住民福祉活動の創出や独自事業の展開が必要です また 本事業利用者数が多く 潜在的に利用ニーズがある市町村社協は 基幹的社会福祉協議会の受託についても検討を図る必要があります 2. 基幹的社協基幹的社協基幹的社協基幹的社協へのへのへのへの更なるなるなるなる協力協力協力協力についてについてについてについて基幹的社会福祉協議会以外の市町村社会福祉協議会においては 地域住民の福祉向上のため 生活支援員の確保や連携 地域住民への本事業の広報 地域福祉権利擁護推進員の活動強化など 基幹的社会福祉協議会へ必要な事業への協力を更に図る必要があり 同じく地域福祉活動計画に盛り込む必要があります 沖縄県社会福祉協議会沖縄県社会福祉協議会沖縄県社会福祉協議会沖縄県社会福祉協議会へ 1. 権利擁護権利擁護権利擁護権利擁護システムシステムシステムシステム構築構築構築構築に関するするするする支援体制整備支援体制整備支援体制整備支援体制整備についてについてについてについて沖縄県社会福祉協議会は 地域での権利擁護システム構築に関する 県段階の住民の立場に立った中核的な権利擁護センターとして 県行政と協力し 沖縄県内の地域での権利擁護システムの構築のために モデル事業の立ち上げや 権利侵害における困難事例や成年後見制度活用 虐待対応など 様々な福祉課題への支援体制整備を図る必要があります