スライド 1

Similar documents
社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

2018 年度事業計画書 Ⅰ 基本方針 1. 健康関連分野を取り巻く環境と直近の動向 健康医療分野が政府の日本再興戦略の重点分野に位置づけられ 健康 医療戦略が策定されるなど 予防や健康管理 生活支援サービスの充実 医療 介護技術の進化などにより 成長分野としてマーケットは大きく拡大することが期待さ

の連携による明確な出口戦略を持って NCを含む臨床研究中核病院などの 拠点 及びそのネットワークが中心となり 拠点外シーズ 拠点外施設も含め all Japan 体制で効率的に研究開発が進められる環境作り ( 1~3) を目指す 1 このような環境が整うことのメリットとしては 我が国における医薬品等

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

再生医療の制度的な対応の検討について 薬事法等制度改正についてのとりまとめ平成 24 年 1 月 24 日厚生科学審議会医薬品制度改正部会 1 再生医療製品については 今後も 臓器機能の再生等を通じて 重篤で生命を脅かす疾患等の治療等に ますます重要な役割を果たすことが期待される 特に ips 細胞

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

PowerPoint プレゼンテーション

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

タレントマネジメントの必要性とデータベースが果たす役割 昨今の事業環境や人事環境の変化に対応して タレントマネジメント ( 自社グループ全体に対して網羅的蓄積された定量的な情報に基づいて総合的かつ計画的に人事施策に取り組むこと ) 求められる この実現の一つの手段として人材データベースが求められる

消費者教育のヒント集&事例集

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

スライド 1

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

<4D F736F F D C A838A815B B438CF395CF93AE91CE8DF D48505F205F F8DC58F4994C5205F838D835393FC82E88F4390B3816A2E646F63>

取組みの背景 これまでの流れ 平成 27 年 6 月 日本再興戦略 改訂 2015 の閣議決定 ( 訪日外国人からの 日本の Wi-Fi サービスは使い難い との声を受け ) 戦略市場創造プラン における新たに講ずべき具体的施策として 事業者の垣根を越えた認証手続きの簡素化 が盛り込まれる 平成 2

Chapter 1

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

<4D F736F F F696E74202D EF B C E815B8F57288CFA984A8FC8947A957A A>

<4D F736F F F696E74202D EF8B638E9197BF82CC B A6D92E894C5816A E >

看護師のクリニカルラダー ニ ズをとらえる力 ケアする力 協働する力 意思決定を支える力 レベル Ⅰ 定義 : 基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する 到達目標 ; 助言を得てケアの受け手や状況 ( 場 ) のニーズをとらえる 行動目標 情報収集 1 助言を受けながら情報収集の基本

<4D F736F F D2093FA967B88E397C390AD8DF48B408D5C5F82AA82F18AB38ED292B28DB E C F66696E616C332E312E646F63>

人間科学部専攻科目 スポーツ行政学 の一部において オリンピックに関する講義を行った 我が国の体育 スポーツ行政の仕組みとスポーツ振興施策について スポーツ基本法 や スポーツ基本計画 等をもとに理解を深めるとともに 国民のスポーツ実施状況やスポーツ施設の現状等についてスポーツ行政の在り方について理

次 Ⅰ. 総論 2 Ⅱ. 重点分野 3 Ⅲ. 人材育成 確保 6 Ⅳ. 情報管理 8 Ⅴ. その他 9 1

(2) 事業の具体的内容本事業は 次に示す 1~3 の内容について 経済産業省との協議の上 事業を実施する 1 インシデント対応等 企業等の組織内の情報の窃取やサービス運用妨害等を目的とするサイバー攻撃等のインシデントに関する対応依頼を受け付け 国内外の CSIRT 等と連携し 迅速かつ円滑な状況把

untitled

< F2D EE888F8288FA48BC E6A7464>

人材育成 に関するご意見 1) 独立行政法人情報通信研究機構富永構成員 1 ページ 2) KDDI 株式会社嶋谷構成員 8 ページ 資料 7-2-1

< 委託業務説明書 > 1 平成 20 年度事業実施において明らかとなった課題当初企画 予定していたとおり市民に使用しやすく 親しみが持て かつ利用価値が高い食育推進に資するポータルサイトの構築に努めてきた 食育情報の発信については 簡単に行うことができるようブログを活用した情報発信の仕組みの構築を

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

先進国における希少疾患対策の分析 *国際連携体制*

参加者メリット

5. 政治経済学部 ( 政治行政学科 経済経営学科 ) (1) 学部学科の特色政治経済学部は 政治 経済の各分野を広く俯瞰し 各分野における豊かな専門的知識 理論に裏打ちされた実学的 実践的視点を育成する ことを教育の目標としており 政治 経済の各分野を広く見渡す視点 そして 実践につながる知識理論

untitled



PowerPoint プレゼンテーション


資料1 第1回会議のポイントについて

<4D F736F F F696E74202D C E9197BF A90EA96E58AC58CEC8E E88AC58CEC8E F0977B90AC82B782E98AF991B682CC89DB92F682C682CC8AD68C5782C982C282A282C42E >

<4D F736F F F696E74202D E9197BF A8C928D4E88E397C390ED97AA814091CE8A4F90E096BE C A472E >

1. のれんを資産として認識し その後の期間にわたり償却するという要求事項を設けるべきであることに同意するか 同意する場合 次のどの理由で償却を支持するのか (a) 取得日時点で存在しているのれんは 時の経過に応じて消費され 自己創設のれんに置き換わる したがって のれんは 企業を取得するコストの一

PowerPoint プレゼンテーション

2014 年度 ( 平成 27 年度 ) 活動報告 はじめに 今年度の活動方針は 難病対策の法制化と今後の課題及び活動と組織の充実 強化について を中心課題として掲げ 成立した難病法 ( 難病の患者に対する医療等に関する法律 ) の円滑な施行と 法制定以後の社会的役割を担いうる組織の充実 強化に取り

地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UNCE-GGIM) 報告 2012 年 8 月ニューヨークで第 2 回の地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UN Committee of Experts on Global Geospatial Information Ma

CSR(企業の社会的責任)に関するアンケート調査結果《概要版》

<4D F736F F F696E74202D208ED089EF959F8E F958B5A8F70985F315F91E630338D E328C8E313393FA8D E >

仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を

PowerPoint プレゼンテーション

untitled

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

所掌業務①:研究関係

医療機器開発マネジメントにおけるチェック項目

<4D F736F F D F815B A BD90AC E93788E968BC695F18D E352E3135>

sus12j_pdf_H1_FIX.indd

001

日本企業による国外での環境への取り組みに係る

地域総合支援協議会

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

精神医学研究 教育と精神医療を繋ぐ 双方向の対話 10:00 11:00 特別講演 3 司会 尾崎 紀夫 JSL3 名古屋大学大学院医学系研究科精神医学 親と子どもの心療学分野 AMED のミッション 情報共有と分散統合 末松 誠 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 11:10 12:10 特別講

Microsoft Word - 医療学科AP(0613修正マスタ).docx

本事業の意義 実効性 ( 見直しの必要性 ) 医療情報データベース基盤整備事業 ( 平成 23 年度 ~ 10 協力医療機関 ) 日本再興戦略 ( 平成 25 年 6 月 14 日 ) 医療 介護情報の電子化の促進 医薬品の副作用データベースシステムについて データ収集の拠点となる病院の拡充や地域連

<4D F736F F D20906C8AD489C88A778CA48B8689C881408BB38A77979D944F82C6906C8DDE88E790AC96DA95572E646F6378>

2020 年に向けた社会全体の ICT 化推進に関する懇談会 の開催について 1 平成 26 年より 総務大臣の懇談会として 2020 年に向けた社会全体の ICT 化推進に関する懇談会 を開催 アクションプランに基づき 2020 年以降のレガシーを視野に入れつつ ICT 化に向けた施策を進めてきた

NEWS 2020 速報 の一部を改正する法律案 REPORT 総会の様子 2025 GDP 3 02 vol

情報セキュリティ普及 啓発プログラム 改定の方向性 ( 案 ) 背景 若年層から高齢者までのあらゆる世代 個人 家庭 職場 公共施設などのあらゆる場面 国民 1 人 1 人の日常生活や社会経済活動等のあらゆる活動にサイバー空間が拡大 浸透 東京オリンピック パラリンピックが開催される 2020 年を

<4D F736F F D A8D CA48F43834B C E FCD817A E

平成22 年 11月 15日

プログラムの特徴はじめにはじめに 公益社団法人日本看護協会 本研修プログラムの特徴 日本看護協会看護師職能委員会 Ⅱ 介護 福祉関係施設 在宅等領域 委員長齋藤訓子 近年 介護施設を取り巻く環境は 入居者の医療的ケアの増加や要介護度の上昇など大きく変化しています こうした状況を鑑み 日本看護協会では

Microsoft Word 規約

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

研究報告書レイアウト例(当該年度が最終年度ではない研究班の場合)

TSRマネジメントレポート2014表紙

01-02_入稿_0415

< F2D816994D48D FA957493FC816A >

(1) 当該団体が法人格を有しているか 又は法人格のない任意の団体のうち次の1~2の要件を全て満たすもの 1 代表者の定めがあること 2 団体としての意思決定の方法 事務処理及び会計処理の方法 並びに責任者等を明確にした規約その他の規定が定められていること (2) 関係市町村との協議体制を構築してい

Microsoft Word - 報告書 最終1116.doc

12_15_中期計画表紙.ai

PowerPoint プレゼンテーション

サマリー記載について


構成 1. 日本の臨床試験実施体制の現状と課題 2. 日本医療研究開発機構への期待と提言 3. ヘルスイノベーションのグローバルハブ構想 2

企画書タイトル - 企画書サブタイトル -

資料 3 全国精神保健福祉センター長会による自殺予防総合対策センターの業務のあり方に関するアンケート調査の結果全国精神保健福祉センター長会会長田邊等 全国精神保健福祉センター長会は 自殺予防総合対策センターの業務の在り方に関する検討チームにて 参考資料として使用されることを目的として 研修 講演 講

九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 九州大学百年史第 7 巻 : 部局史編 Ⅳ 九州大学百年史編集委員会 出版情報 : 九州大学百年史. 7, 2017

PowerPoint プレゼンテーション

弦打校区コミュニティ協議会会則 ( 名称及び組織 第 1 条この会は, 弦打校区コミュニティ協議会 ( 以下 協議会 という ) と称し, 協議会の区域内に居住する個人および所在する法人ならびに別表 ( 組織図 ) に掲げる構成団体等で組織する ( 目的 ) 第 2 条協議会は, 住みよい地域社会の

<4D F736F F F696E74202D E48FE A92C789C192CA926D82C982C282A282C45F696E6F75652E >

PowerPoint プレゼンテーション

北里大学病院モニタリング 監査 調査の受け入れ標準業務手順 ( 製造販売後臨床試験 ) 第 1 条 ( 目的 ) 本手順書は 北里大学病院において製造販売後臨床試験 ( 以下 試験とする ) 依頼者 ( 試験依頼者が業務を委託した者を含む 以下同じ ) が実施する直接閲覧を伴うモニタリング ( 以下

untitled

目次 1. 調査概要 Page 2 2. 回答者属性 Page 3 3. 問 1. 地球儀を俯瞰する外交 Page 4 4. 問 2. 日本の国連安保理非常任理事国としての取組 Page 5 5. 問 3. 東アジアの安全保障政策 Page 6 6. 問 4. 女性参画推進における国際的取組 WAW

構成 1 第 1 章 IoT 時代の新たな地域資源 1. IoT 時代の新たな地域資源とその可能性 2. 新たな地域資源の活用に向けた基本的視点 第 2 章地域におけるオープンデータ ビッグデータ利活用の推進 1. 地域におけるオープンデータ利活用の現状と課題 2. 地域におけるビッグデータ利活用の

1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

II. グローバルネットワークへの参加と取り組み 本ネットワークでは 参加してから 1~2 年目に 各国や都市において 高齢者にやさしい都市づくり に関する計画を立て 実行に移す準備をし それを 3~5 年目にかけて実行し 実行開始から 3 年目 ( ネットワーク参加から 5 年目 ) を目途に 成

組織内CSIRT構築の実作業

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

Transcription:

資料 3 希少 難治性疾患領域における今後の国際連携のありかたについて ( 提案 ) 2011 年 11 月 14 日厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会 ICORD2012 事務局 NPO 法人知的財産研究推進機構 (PRIP Tokyo) 東京大学先端科学技術研究センター西村由希子 PRIP Tokyo

ICORD とは International Conference of Orphan Drugs and Rare Diseases ( 国際希少 難治性疾患創薬会議 ) 目的 : 世界と地域の希少 難治性疾患の患者とその家族の健康状況を よりよい知識 研究 治療 情報 教育 認知の提供により改善すること 参加者属性 : 基礎系研究者 臨床系研究者 医者 治験関係者 患者 患者関係者 官公庁関係者等 一つの疾患 一つの属性等ではないことが大きな特徴 異なる背景を持つ人たちの様々な声 ( 情報 ) を聴くことができる 1 本領域における総合的かつ国際的な情報共有と議論を同時に実施することが可能 2 国際連携の提案 議論 共通理解を経ての円滑な実装 整備 1

ICORD2012 ~ C 3 : Connection + Collaboration = Creation ~ アジア初開催 (ICORD2013 は中国開催 ) 会期 : 平成 24 年 (2012 年 )2 月 4 日 ( 土 ) 5 日 ( 日 ) 6 日 ( 月 ) (3 日 ( 金 ) はプレミーティング ) 会場 : 東京大学駒場リサーチキャンパス ( 東京都目黒区駒場 4-6-1) コンベンション ホール 予定されているセッション : 研究 診断 治療 オーファンドラッグ 希少難治性疾患関連医療政策 倫理 社会認知 国際連携 患者会 / 患者ニーズ等 国内からは 患者会 大学 企業 行政機関 ( 厚労省 PMDA 保健医療科学院 ) の口頭発表を予定 ICORD2012 開催実行委員長 : 金澤一郎 ICORD2012 開催事務局長 : 西村由希子 2

今後の国際連携のありかたについて ( 提案 ) 1: 研究推進に向けた検討会への積極的参加 今日の限られた科学予算の中で できるだけ患者側のニーズを反映した研究への支援が求められる Hair Cut のようにすべてを平等に削るほど 愚かな方法はない (Francis S. Collins, NIH) 技術的ブレイクスルーが期待される研究や 患者の疾患情報 ニーズを的確に拾い上げるシステム構築への重点投資が重要 ターゲット研究分野推進のため 欧米にて検討会が発足している (Director レベル 実務者レベル ) 日米欧の公的機関が助成している希少疾患研究領域は重複している 日本にとっても協調する価値は高い 検討会に参加し 海外の情報収集に努め 各国との協調を図ると同時に日本発の提案を検討会にて行うことは重要 3

事例 )International Rare Diseases Research Consortium(IRDiRC) 欧米研究機関 資金提供機関らが中心となって設立した 実務者レベルの研究推進委員会 希少疾患分野研究推進のため 資源をより効果的に配分し 研究者連携を深めることが目的 2020 年までの達成目標 第一目標 希少疾患に対する200の新規治療法の確立 : 基礎研究支援 患者疾患情報集約 治験推進 規制枠組みの改定 すべての希少疾患に対する診断テストの確立 第二目標 より良い疾病分類および一般体系化 患者情報ネットワークの確立 希少疾患研究 助成のベンチマーク設定 患者支援 現在日本にも参加依頼がなされている ( 保健医療科学院が対応 ) しかし 議論内容が関係部署に周知され 十分な検討がなされることは少ない Executive committee (funding agency) International Scientific Steering committee Scientific groups and centers Working groups Data Coordinating center 効果的な研究推進のため 国内一部署ではなく 複数部署による情報共有 検討が必要 4

今後の国際連携のありかたについて ( 提案 ) 2:Rare Disease Community の形成 個々の希少疾患用医薬品市場は小規模だが 全体市場はグローバル規模であるため 情報へのアクセスは世界共通であるべき 今後は 従来の医師ー患者間コミュニケーションにとどまらない 希少疾患に関わる国内外関係者 ( 患者 医師 大学 企業 行政 NPO ら ) が密接に関わるコミュニティーの形成が重要 それぞれの立場 ( ニーズ 目的 ) を理解することで より効率的 効果的に研究推進 システム構築が進み 社会理解が促進される 例 ) データベースシステム設計 運用を主軸としたコミュニティー形成 (Orphanet Japan プロジェクト ) 希少疾患に関する正しい情報や知識を集積し ネットを通じて広く周知できるようインフラ整備を行う 研究機関との連携も考慮し 患者 医師だけでなく 上流 ( 基礎研究 ) から下流 ( 製薬販売 ) までの情報をうまく網羅 製薬協等企業側協力の取り付けが重要 国が関与することで信頼性が見込める コミュニティーの有効活用のためのハブとなる機関 ( 部署 ) もしくは人材 ( 異分野専門家含 ) の必要性 5

今後の国際連携のありかたについて ( 提案 ) 3: 患者会国際連携 一人の患者 一つの組織 一人の立場では Rare Disease を取り巻く環境を克服することは困難 昨今の経済状況はかなり深刻であり 今後一層険しい山がそびえたっている ( Peter Saltonstall, president of NORD) 今後は個々の患者会活動にとどまらず 連携 協調することによるさらなる社会発信を目指すことが重要 ここ数年で 各国患者会 ( 協議会レベル ) が積極的に連携開始 日本も 海外連携事例に学び 国際連携に向けたアクションを早急にとる必要がある 今後対等に議論することで 日本の患者の立場をアピールしていくことにもつながる また 日本の患者会へのアクセスが容易ではない海外企業 研究者らに目を向けてもらう機会の増えることも期待される 6

世界の著名な患者会の連携状況 ( 個別疾病ではなく協議会レベル ) EURORDIS(EU) 2009 年 10 月 :EURORDIS-NORD( 戦略的パートナーシップ契約締結 ) 以降 Rare Disease Day や企業への提言等で連携実施 2011 年 10 月 : 共催シンポジウム初開催 2010 年 4 月 :TFRD-EURORDIS ( 意見交換開始 TFRD( 台湾 ) GEISER ( 南米 ) NZORD(NZ) NORD/GA ( アメリカ ) 2010 年 3 月 :GEISER-NORD ( パートナーシップ契約締結 ) 7

日本患者会との連携を多くの海外患者会が期待 しかし ( 海外からの視点 ) 知り合う機会がない 日本がこういった連携に興味があるかわからない 定期的に意見交換をおこなう機会がない 日本語がわからない ( ので 情報共有ができない ) 日本の状況がわからない 薬事制度などのルールが理解できない 8

日本患者会との連携を多くの海外患者会が期待 そこで ( 海外からの視点 )( 日本側に求められるアクション ) 知り合う機会がない 日本がこういった連携に興味があるかわからない まずは機会をつくる 育てる 続ける そのうえで 日本にとっての連携の必要性 重要性を伝える 定期的に意見交換をおこなう機会がない 直接対話だけでなく インターネットを利活用 日本語がわからない ( ので 情報共有ができない ) 英語でのコミュニケーション 情報提供を検討 日本の状況がわからない 薬事制度などのルールが理解できない 患者会だけで回答するのではなく 説明ができる外部人材を積極的に利活用したうえで情報提供を実施 ( 患者だけでなく 政府機関や企業 大学との連携 協調が重要 ) Rare Disease Community 患者会側からのフィードバックからのサポート 9

今後の国際連携のありかたについて ( 提案 ) 3: 患者会国際連携 ( 患者会運営知識の共有 ) 患者組織の在り方について 予算の使い方や会計方式 広報 fund raising について学ぶ機会を設ける 関連する国際学会 研修への参加を支援 2010 年度難病フォーラムにて各国患者会の予算案を紹介した際 かなりの患者会が興味を示す 各国患者会組織の詳細をヒアリング調査するとともに 定期的なフィードバックを行うことはとても効果的 アジアネットワークについては 遺伝性疾患分野でまずとりまとめをしたい 等の考えがすでにあり 日本も協力の問い合わせがきている 一方で 海外対応が可能な部署がない 対応できる常駐者がいない 患者以外の識者がいない というのが日本の現状 海外患者会は OD 開発まで見据えている場合が多いため 患者会活動の視野を広げるという意味でも重要 (fund raising は社会認知度向上のためだけでなく 創薬開発にも大切という視点を学ぶ ) 3 年程度の公的支援が必要 その後は徐々に自立運営にシフト ( 自立のための支援制度であることを患者側も理解する必要がある ) キーワード : 自立的 ( 協調的 ) 運営 情報発信 国際連携 協調提言 10

今後の国際連携のありかたについて ( 提案 ) 4: 関係機関連携企画への積極的参画 Rare Disease Community 全体として 国内外で実施されている各種企画への参画 例 ) 海外患者協議会 Annual meeting( 多くの患者団体 行政 企業が参加 ) 患者会共催企画 (2011 年度 DIA Meeting( 欧米共催 ) 等 ) Rare Disease Day( 希少 難治性疾患分野の認知度向上を目指し 毎年 2 月末に開催 日本では 2010 年から実施 2011 年は 56 カ国が参加 ) ICORD( 世界各国からステイクホルダーが参加し 幅広い議論を展開し 提言をおこなう ) 海外に出向かずとも参画できる企画の増加 機会を積極的に利活用 患者会患者会ごとの活動に出すのではなく 患者会が集まるような企画ごとに予算を与えるという視点 患者だけではなく ほかのステイクホルダーも参加するためのサポート 仕掛けを検討 11

ICORD を日本で開催する意義 世界共通の課題 希少 難治性疾患の領域は 患者数が少数であり地理的に分散 研究や創薬 社会などから取り残される傾向があり 結果として専門知識が不足 / 分散化 しかし近年では 希少 難治性疾患全ての患者数の総和を考えると全世界人口の数 % にもなると言われ 決して無視できない存在であると考えられはじめた これら希少 難治性疾患が 患者数の多いいわゆる コモンディジーズ と病態生理を共有しており コモンディジーズそのものが 病因に基づく新たな疾患概念の提唱により より患者の少ないセグメント化された疾患へと細分化されている これまで以上に 世界共通の医療関連問題としてとらえる必要性が生じる 各国状況や研究 政策などの情報共有 協働がより強く望まれる状況 ICORD2012 は 世界中から多くの患者 関係者が参加するため 領域を超えた国際連携 交流を促進させるまたとないチャンス 日本からの参加者を増やすことも 海外へのアピールの一つにつながる 12

まとめに代えて 希少 難治性疾患分野における各種国際連携は 日本ではほとんどが個人 個別ベースにとどまっている状況 限られた資源 人材を最大限に活用し 希少疾患分野の研究開発推進 発展のためには さらなる大規模連携が大切 先に述べた検討会や各種会議にて 日本の患者会もしくは行政からの参加 意見は強く求められている 本分野の連携は海外でもはじまったばかりであり 開始時期としては適切 連携担当人材の登用 / 育成 長期関与が重要 今後は 企業も巻き込むための仕掛けを海外事例から学ぶことも重要 ( 海外では企業人材が積極的参加することが多い ) これらの海外連携を定着させるまでの人的 金銭的サポートが重要 ( 目的ベースの助成 ) また コミュニティー全体で海外からの知見を利活用するための仕組みづくりも大切 ヒト カネ チエ ( 人材 資金 国内に向けたフィードバックのありかたの検討 ) そして継続なくして 本分野の国際連携はなし 13

ご清聴ありがとうございました 西村由希子 yucko@ip.rcast.u-tokyo.ac.jp ICORD2012 Website http://www.prip-tokyo.jp/icord2011_jp/ * 多数の皆様のご参加をお待ちしております Acknowledgement 池田和由 寺田央 (PRIP Tokyo) 児玉知子 ( 保健医療科学院 ) 14