平成 30 年度水防協議会 大分県の気象状況と 3 ヶ月予報について 平成 30 年 6 月 4 日 昨年の九州北部地方の天候の特徴 冬 ( 前年 12 月 ~2 月 ) 暖かい冬 春 (3 月 ~5 月 ) 暖かい春 夏 (6 月 ~8 月 ) 梅雨期間が短く 暑い夏 秋 (9 月 ~11 月 ) 記録的な多雨 12 月寒い初冬 冬から夏にかけて高気圧に覆われやすかったため 年間の日照時間が多かった 梅雨期間が記録的に短かった一方で 7 月 5-6 日に前線の活動が非常に活発になり 平成 29 年 7 月九州北部豪雨 が発生した 福岡管区気象台発表 2017 年 ( 平成 29 年 ) の九州北部地方 ( 山口県を含む ) の天候より 2
平成 29 年 7 月九州北部豪雨 分県で初めて特別警報 ( 特別警報 ) を発表 分県福岡県の被害 ( 消防庁調 : 平成 30 年 2 22 現在 ) 死者 不明者 42 名 住家全壊 324 棟 住家半壊 1105 棟 床上浸 180 棟 床下浸 1477 棟 最 1 時間降 量 (7 5 ) 福岡県朝倉市朝倉 129.5mm(15:38) 分県 市 87.5mm(18:44) 最 24 時間降 量福岡県朝倉市朝倉 分県 市 字は観測史上 1 位を更新 545.5mm 370.0mm 3 平成 29 年 7 月九州北部豪雨 気象レーダー 線状降 帯 平成 29 年 7 5 15 時の地上天気図 朝倉 ( 朝倉市 ) 516.0 ミリ 耶 溪 ( 中津市 ) 255.0 ミリ 7 5 16 時 55 分から 18 時のレーダー画像 ( 市 ) 336.0 ミリ 7 5 の 降 量 梅 前線に向かって湿った空気が流れ込んだため 気の状態が 常に不安定となった 福岡県筑後地 から 分県 部 北部にかけて線状降 帯が形成 維持され 同じ場所に猛烈な を降らせ記録的な となった 4
平成 29 年 7 月九州北部豪雨 福岡県朝倉市朝倉 7 月の月降水量の平年値 354.1 ミリ 5 日 0 時 ~6 日 15 時まで 555.5 ミリ 分県 市 7 月の月降水量の平年値 333.4 ミリ 5 日 0 時 ~6 日 15 時まで 375.0 ミリ 7/5 7/6 5 平成 29 年台風第 18 号 分県津久 市 分県豊後 野市 分県の被害 ( 平成 29 年 10 11 ) 死者 1 名負傷者 5 名住家全壊 3 棟半壊 318 棟床上浸 1072 棟床下浸 1888 棟 最 1 時間降 量 (9 17 ) 佐伯市宇 89.5mm(14:17) 佐伯市佐伯 84.5mm(09:06) 最 降 量 (9 17 ) 分市佐賀関 334.0mm 字は観測史上 1 位を更新 6
平成 29 年台風第 18 号 平成 29 年 9 17 09 時の地上天気図 杵 ( 杵市 ) 443.5 ミリ 宇 ( 佐伯市 ) 404.0 ミリ 9 16 17 の総降 量 佐伯 ( 佐伯市 ) 437.5ミリ 9 16 12 時 10 分から17 24 時のレーダー画像 台 第 18 号は 9 17 11 時半頃に 児島県薩摩半島を通過し 12 時頃に 児島県垂 市付近に上陸した その後は宮崎県を通過して 向灘に抜け 17 16 時半頃に 知県 部に再上陸した 7 平成 29 年台風第 18 号 解析 量 : 津久 市付近 17 日 24 時間に約 500 ミリ アメダス : 杵 17 日 24 時間で 379.0 ミリ 9 月の月降水量の平年値 267.0 ミリ アメダス : 佐伯 9 月の月降水量の平年値 303.2 ミリ 17 日 24 時間 356.5 ミリ 8
大分県の特徴的な大雨パターン 南西風 ( 梅雨前線 ) 西部主体 南東風 ( 高気圧の後面や台風の影響等 ) 南部主体 9 これからの天候経過と九州北部地 の 3 ヶ 予報 (6 8 :5 25 発表 ) 10
九州北部地方の一般的な暖候期の経過 台 の上陸 接近が多い 平成 29 年 7 九州北部豪 平成 24 年 7 九州北部豪 が最も発 しやすい 梅 末期の 平成 29 年台 第 18 号 5 6 7 8 9 今年の梅 り 5 26 ごろ九州南部地 5 28 ごろ九州北部地 梅 前線や低気圧 太平洋 気圧 熱中症に注意 平年の梅 期間梅 り : 平年 6 5 ごろ梅 明け : 平年 7 19 ごろ 分市の6 7 合計の降 量の平年値は約 530ミリ 年降 量の3 割がこの時期に降る ( 年降 量約 1600ミリ ) 昨年の6 7 の降 量は363ミリ 11 台風の平年値 ( 発生数 接近数 上陸数 ) 1981 年 2010 年 発 数 年平均 :25.6 個 接近数 全国年平均 :11.4 個九州北部 :3.2 個 上陸数 全国年平均 :2.7 個九州 :1.1 個 2017 年発 数 :27 個接近数 :8 個 (4 個 ) 上陸数 :4 個 (2 個 ) 12
平年値から見る月降水量 耶馬溪 ( 約 35%) 年降水量 :1902.3 mm 6~7 月 : 672.8 mm 耶馬渓 梅雨期間の降水量九州北部 : 6~7 月 大分 ( 約 32%) 年降水量 :1664.6 mm 6~7 月 : 526.3 mm 日田 大分 日田 ( 約 38%) 年降水量 :1810.4 mm 6~7 月 : 686.5 mm 佐伯 佐伯 ( 約 29%) 年降水量 :1980.0 mm 6~7 月 : 568.5 mm 13 日降水量 100mm 以上の日数 耶馬渓 70 日 統計期間 :1976 年 ~2016 年 日田 62 日 大分 64 日 佐伯 105 日 14
予想される海洋と大気の特徴 (6~8 月 ) 全球で 気全体の温度が い 180 平年の偏 上空の偏 平年より北を流れる 平年のチベット 気圧 上空にあるチベット 気圧北側で強く 本付近への張り出しが強い 南アジア フィリピンの東では積乱雲の発 が多い 平年の太平洋 気圧 太平洋 気圧北側で強く 本付近への張り出しが強い 海 温が平年より い 道 15 15 九州北部地方の気温 降水量及び天候の見通し 3 か月平均 平均気温 高い 降水量 ほぼ平年並 6 月 平均気温降水量天候 ほぼ平年並 平年並か多い 平年に比べ曇りや雨の日が多い 7 月 高い 平年並か少ない 前半 : 平年に比べ曇りや雨の日が少ない後半 : 平年に比べ晴れの日が多い 8 月 平年並か高い ほぼ平年並 平年と同様に晴れの日が多い 16
中 河川に関する防災気象情報 大 流域 積 洪 時の被害 小 河川の分類洪 予報河川 位周知河川その他河川 指定河川洪 予報 位到達情報 洪 に関する重要な情報 リアルタイム河川 位 ( 川の防災情報 ) リアルタイム河川 位 ( 川の防災情報 ) 洪 警報 注意報 洪 警報 注意報 洪 警報の 洪 警報の 危険度分布 危険度分布 今回の話題提供の対象河川 洪 予報河川の洪 に関しては 指定河川洪 予報や 位到達情報等をご利 下さい 17 流域 量指数のイメージ 上流に降る ( 実況や予想も含め ) が時間をかけて河川に流れ出し 下流へと移動する 量を指数化 過去に洪 害が発 した事例の指数値 ( 基準 ) を基に その時点の危険度を判定 最上級の基準 (Ⅲ) は 洪 害の適中率を重視して警報のワンランク上に設定 肥川の溢 状況 ( 写真 : 国 交通省 ) 洪 警報の危険度分布 2017/07/05 16:30 肥川中 河川の洪 に関する危険度分布 極めて危険!! 18
警戒 ( 警報級 ) 平成 29 年の洪水害 ( 大分県日田市 ) 平成 29 年 7 5 14 時 30 分 平成 29 年 7 5 14 時 31 分 3 時間先までに警報基準に到達すると予想 3 時間先までに重 な災害が発 する可能性がある 位が引き続き上昇し 3 時間先までに重 な災害となる可能性が ありうる 未来の予測 平成 29 年 7 5 14 時 30 分 3 時間先までの予測 洪 警報の危険度分布 極めて危険危 常に危険険警戒度注意低今後の情報等に留意 ( 写真 : 市職員提供 ) 氾濫注意 位等を越えていれば ( 避難勧告 相当 ) 防団待機 位等を越えていれば ( 避難準備 齢者等避難開始 相当 ) 3 時間先までに重 な災害となる可能性がある 写真撮影地点 ( 左図の丸印 ) における 洪 警報の危険度分布 の危険度 ( ) の時系列変化 14:30 15:00 15:30 18:00 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 19 薄い紫 常に危険 ( 警報級の 段上 ) 平成 29 年の洪水害 ( 大分県日田市 ) 平成 29 年 7 5 15 時 05 分 平成 29 年 7 5 15 時 05 分 3 時間先までに警報基準を きく超過した基準に到達すると予想 3 時間先までに重 な災害が発 する可能性が い 位が引き続き上昇し 3 時間先までに重 な災害となる可能性が い 未来の予測 この時点では まだ緑 の芝 は浸 しておらず 橋を渡ることも不可能ではない 平成 29 年 7 5 15 時 00 分 3 時間先までに重 な災害となる可能性が い 3 時間先までの予測 洪 警報の危険度分布 極めて危険危 常に危険険警戒度注意低今後の情報等に留意 14:30 15:00 15:30 18:00 ( 写真 : 日田市職員提供 ) 氾濫注意 位等を越えていれば ( 避難勧告 相当 ) 防団待機 位等を越えていれば ( 避難準備 齢者等避難開始 相当 ) 写真撮影地点 ( 左図の丸印 ) における 洪 警報の危険度分布 の危険度 ( ) の時系列変化 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 20
濃い紫 極めて危険 ( 最 危険度 ) 平成 29 年の洪水害 ( 大分県日田市 ) 平成 29 年 7 5 15 時 32 分 平成 29 年 7 月 5 日 15 時 39 分 すでに警報基準を きく超過した基準に到達 すでに重 な災害が発 している可能性が い すでに避難が困難な状況 橋には激流がぶつかってしぶきがあがっている 家屋の周りまで浸 しており もはや屋外への避難は困難 平成 29 年 7 5 15 時 30 分 すでに重 な災害が発 している可能性が い 3 時間先までの予測 ( 濃い紫 は実況 ) 洪 警報の危険度分布 極めて危険危 常に危険険警戒度注意低今後の情報等に留意 14:30 15:00 15:30 18:00 ( 写真 : 日田市職員提供 ) 氾濫注意 位等を越えていれば ( 避難勧告 相当 ) 防団待機 位等を越えていれば ( 避難準備 齢者等避難開始 相当 ) 写真撮影地点 ( 左図の丸印 ) における 洪 警報の危険度分布 の危険度 ( ) の時系列変化 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 21 濃い紫 極めて危険 ( 最 危険度 ) 平成 29 年の洪水害 ( 大分県日田市 ) 平成 29 年 7 5 18 時 00 分 平成 29 年 7 月 5 日 18 15 時 39 00 分 すでに警報基準を きく超過した基準に到達 すでに重 な災害が発 している可能性が い すでに避難が困難な状況 家屋の周りの浸 は芝 全体にまで広がっており 橋も激流に隠れてしまっている ますます避難が困難な状況 平成 29 年 7 5 18 時 00 分 すでに重 な災害が発 している可能性が い 3 時間先までの予測 ( 濃い紫 は実況 ) 洪 警報の危険度分布 極めて危険危 常に危険険警戒度注意低今後の情報等に留意 14:30 15:00 15:30 18:00 ( 写真 : 日田市職員提供 ) 氾濫注意 位等を越えていれば ( 避難勧告 相当 ) 防団待機 位等を越えていれば ( 避難準備 齢者等避難開始 相当 ) 写真撮影地点 ( 左図の丸印 ) における 洪 警報の危険度分布 の危険度 ( ) の時系列変化 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 22
危険度分布の利 について 洪 の危険度分布情報は 洪 警報等が発表されたときに どこで危険度が まるかを 的に確認できる 危険度の まった紫 ( 基準 Ⅲ) や ( 基準 Ⅱ) は上流から下流へ移動してくる傾向がある 上流地点の危険度も含めて確認してほしい 河川の状況 ( 位観測や監視カメラ 巡回 通報等 ) と併せて利 することで洪 の危険性を把握できる ただし 線状降 帯による集中豪 などは降 の予測が困難なことから洪 の危険度の まりも適切に予測できない場合がある 特に 記録的な短時間 の状況下では 河川の状況等を把握し 早めの対応が重要となる 23