異議の決定 異議 東京都荒川区東日暮里 3 丁目 27 番 6 号商標権者株式会社エドウイン 東京都渋谷区広尾 商標異議申立人 EVISU JAPAN 株式会社 東京都港区西新橋 1 丁目 18 番 9 号西新橋ノアビル4 階朝比 増田特許事務所代理人弁理士朝比

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平成 23 年 10 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 9 月 29 日 判 決 原 告 X 同訴訟代理人弁護士 佐 藤 興 治 郎 金 成 有 祐 被 告 Y 同訴訟代理人弁理士 須 田 篤

基本的な考え方の解説 (1) 立体的形状が 商品等の機能又は美感に資する目的のために採用されたものと認められる場合は 特段の事情のない限り 商品等の形状そのものの範囲を出ないものと判断する 解説 商品等の形状は 多くの場合 機能をより効果的に発揮させたり 美感をより優れたものとしたりするなどの目的で

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指定商品とする書換登録がされたものである ( 甲 15,17) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 21 年 4 月 21 日, 本件商標がその指定商品について, 継続して3 年以上日本国内において商標権者, 専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないことをもって, 不使用に

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

間延長をしますので 拒絶査定謄本送達日から 4 月 が審判請求期間となります ( 審判便覧 の 2.(2) ア ) 職権による延長ですので 期間延長請求書等の提出は不要です 2. 補正について 明細書等の補正 ( 特許 ) Q2-1: 特許の拒絶査定不服審判請求時における明細書等の補正は

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平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

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平成 25 年 3 月 25 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 2 月 25 日 判 決 原 告 株式会社ノバレーゼ 訴訟代理人弁理士 橘 和 之 被 告 常磐興産株式会社 訴訟代理人弁護士 工 藤 舜 達 同 前 川 紀 光

4 年 7 月 31 日に登録出願され, 第 42 類 電子計算機のプログラムの設計 作成 又は保守 ( 以下 本件役務 という ) を含む商標登録原簿に記載の役務を指定役 務として, 平成 9 年 5 月 9 日に設定登録されたものである ( 甲 1,2) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平

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Taro-052第6章1節(p ).jtd

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

本件は, 商標登録取消審判請求に対する審決の取消訴訟である 争点は,1 被告又は通常実施権者による標章使用の有無及び2 使用された標章と登録商標との同一性の有無である 1 本件商標商標登録第 号商標 ( 以下, 本件商標 という ) は, 下記の構成からなり, 第 25 類 運動靴,

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達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

認められないから, 本願部分の画像は, 意匠法上の意匠を構成するとは認めら れない したがって, 本願意匠は, 意匠法 3 条 1 項柱書に規定する 工業上利用する ことができる意匠 に該当しないから, 意匠登録を受けることができない (2) 自由に肢体を動かせない者が行う, モニター等に表示される

平成 28 年 10 月 11 日判決言渡 平成 28 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結の日平成 28 年 7 月 7 日 判 決 原 告 オーガスタナショナルインコーポレイテッド 同訴訟代理人弁護士 中 村 稔 同 松 尾 和 子 同 田 中 伸 一 郎 同訴訟代

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

に表現したものということはできない イ原告キャッチフレーズ1は, 音楽を聞くように英語を聞き流すだけ/ 英語がどんどん好きになる というものであり,17 文字の第 1 文と12 文字の第 2 文からなるものであるが, いずれもありふれた言葉の組合せであり, それぞれの文章を単独で見ても,2 文の組合

弁理士試験短答 逐条読込 演習講座 ( 読込編 ) 平成 29 年 6 月第 1 回 目次 平成 29 年度短答本試験問題 関連条文 論文対策 出題傾向分析 特実法 編集後記 受講生のみなさん こんにちは 弁理士の桐生です 6 月となりましたね 平成 29 年度の短答試験は先月終了しました 気持ちも

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11総法不審第120号

第26回 知的財産権審判部☆インド特許法の基礎☆

一括して買い受けた なお, 本件商品である コンタクトレンズ は, 本件商標の指定商品 眼鏡 に含まれる商品である (3) 使用商標は, ハートO2EXスーパー の文字からなるところ, 本件商品の容器に表示された使用商標は, ハート の文字部分だけが赤い字で, かつデザイン化されており, これに続く

平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会

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原告は, 平成 26 年 12 月 9 日, 指定役務を第 35 類 市場調査又は分析, 助産師のあっせん, 助産師のための求人情報の提供, 第 41 類 セミナーの企画 運営又は開催, 電子出版物の提供, 図書及び記録の供覧, 図書の貸与, 書籍の制作, 教育 文化 娯楽 スポーツ用ビデオの制作

G-235 登録商標 一部取消審決取消請求事件 : 知財高裁平成 28( 行 ケ )10230 平成 29 年 9 月 14 日 (2 部 ) 判決 < 請求棄却 > キーワード 商標権 50 条 1 項 ( 不使用取消 ), 社会通念上同一と認められる商標, 平面図 形商標, 位置商標, 部分意匠

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

平成 25 年 12 月 17 日判決言渡 平成 25 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 10 月 17 日 判 決 原告エイトマイハートイン コーポレイテッド 訴訟代理人弁護士 五十嵐 敦 出 田 真樹子 弁理士 稲 葉 良 幸 石 田 昌 彦 右

説明 1 記録項目の概要 願書に記録すべき主な項目の概要は 次のとおりです 記録項目概要 整理番号 一の意匠登録出願と他の意匠登録出願とで 区別がつくように任意に記録する番号 ( 記号 ) です 同日に 2 以上の出願をする場合や 出願番号が知れない場合の中間的な手続をするときなどを考慮して 意匠登

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

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【資料3】商標制度に係る検討事項

(1) 被告は, 次の商標 ( 以下 本件商標 という ) に係る商標権 ( 以下 本件商標権 という ) を有している ( 甲 25) 商標登録第 号商標の構成千鳥屋 ( 標準文字 ) 登録出願日平成 23 年 12 月 21 日設定登録日平成 25 年 2 月 8 日指定商品第

靴下, ゲートル, 毛皮製ストール, ショール, スカーフ, 足袋, 足袋カバー, 手袋, 布製幼児用おしめ, ネクタイ, ネッカチーフ, バンダナ, 保温用サポーター, マフラー, 耳覆い, ずきん, すげがさ, ナイトキャップ, ヘルメット, 帽子, ガーター, 靴下止め, ズボンつり, バンド

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2.2.2 外国語特許出願の場合 2.4(2) を参照 2.3 第 184 条の 5 第 1 項に規定された書面 (1) 日本語特許出願 外国語特許出願を問わず 国際特許出願の出願人は 国内書面提出期間 ( 注 ) 内に 出願人 発明者 国際出願番号等の事項を記載した書面 ( 以下この部において 国

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の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

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REPORT あいぎ特許事務所 名古屋市中村区名駅 第一はせ川ビル 6 階 TEL(052) FAX(052) 作成 : 平成 27 年 4 月 10 日作成者 : 弁理士北裕介弁理士松嶋俊紀 事件名 入金端末事件 事件種別 審決取消

平成11年6月8日

北上市空家等対策規則 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は 北上市空家等対策条例 ( 平成 28 年北上市条例第 17 号 以下 条例 という ) の実施に関し必要な事項を定めるものとする ( 守秘義務 ) 第 2 条条例第 7 条に定める空家等対策審議会の委員は 職務上知り得た秘密を他に漏らしてはな

を構成し, その結果, 本願意匠が同法 3 条 1 項柱書の 工業上利用することができる意匠 に当たるか否かである 1 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 27 年 3 月 16 日, 意匠法 14 条 1 項により3 年間秘密にすることを請求し, 物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠

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平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

平成 29 年 5 月 15 日判決言渡 平成 28 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 3 月 6 日 判 決 原 告 BERNARD FRANCE SERVICE 合同会社 訴訟代理人弁護士笹本摂 向多美子 訴訟代理人弁理士木村高明 被 告 ラボラ

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情報の開示を求める事案である 1 前提となる事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) 当事者 ア原告は, 国内及び海外向けのモバイルゲームサービスの提供等を業とす る株式会社である ( 甲 1の2) イ被告は, 電気通信事業を営む株式会社である

 

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附則 この規則は 平成 29 年 3 月 1 日から施行する

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

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令和元年 5 月 30 日判決言渡 平成 30 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 31 年 4 月 23 日 判 決 原告ジー エス エフ ケー シー ピー株式会社 被告ケーシーピーヘビーインダスト リーズカンパニーリミテッド 訴訟代理人弁護士 小 林 幸 夫

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参加人は 異議申立人が挙げていない新たな異議申立理由を申し立てても良い (G1/94) 仮 にアピール段階で参加した参加人が 新たな異議申立理由を挙げた場合 その異議申立手続は第 一審に戻る可能性がある (G1/94) 異議申立手続中の補正 EPCにおける補正の制限は EPC 第 123 条 ⑵⑶に

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11総法不審第120号

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- 2 - 第一条農林物資の規格化等に関する法律の規定に基づく公聴会等に関する内閣府令(平成二十一年内閣府令第五十四号)の一部を次のように改正する 第十一条の見出し中 都道府県知事 の下に 又は指定都市の長 を加える (健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令の一部改正)第二条健康増

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事案である 3 仲裁合意本件では 申立人の申立書において仲裁合意の内容の記載があり 被申立人は答弁書においてこれを争わなかったので 本件についての書面による仲裁合意が存在する なお 被申立人は審問期日においても本仲裁に応じる旨の答弁をした 4 当事者の主張 (1) 申立人の主張申立人は 請求を基礎づ

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同法 46 条 1 項 1 号により, 無効とすることはできない, というものである 第 3 当事者の主張 1 審決の取消事由に関する原告の主張 (1) 取消事由 1( 商標法 3 条 1 項柱書該当性判断の誤り ) 審決は, 本件商標に関し, 願書に記載された指定商品又は指定役務に使用していること

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平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

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2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

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年 1 月 9 日に第 40 類 布地 被服又は毛皮の加工処理 ( 乾燥処理を含む ), 裁縫, ししゅう, 木材の加工, 竹 木皮 とう つる その他の植物性基礎材料の加工 ( 食物原材料の加工を除く ), 食料品の加工, 廃棄物の再生, 印刷 を指定役務 ( 以下 本件指定役務 という ) とし

平成 25 年 5 月 30 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 4 月 25 日 判 決 原告 X 訴訟代理人弁理士田中聡 被告東洋エンタープライズ株式会社 訴訟代理人弁理士野原利雄 主 文 原告の請求を棄却する 訴訟費用は原

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異議の決定 異議 2016-900045 東京都荒川区東日暮里 3 丁目 27 番 6 号商標権者株式会社エドウイン 東京都渋谷区広尾 5-8-12 商標異議申立人 EVISU JAPAN 株式会社 東京都港区西新橋 1 丁目 18 番 9 号西新橋ノアビル4 階朝比 増田特許事務所代理人弁理士朝比一夫 登録第 5807881 号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて 次のとおり決定する 結論登録第 5807881 号商標の指定商品中 第 25 類 ナイトガウン, ネグリジェ, 寝巻き, バスローブ, その他ズボンの後ろポケットを有しない寝巻き類, アンダーシャツ, コルセット, シュミーズ, スリップ, ブラジャー, ペチコート, その他ズボンの後ろポケットを有しない下着, アノラック, 空手衣, グランドコート, 剣道衣, 柔道衣, ヘッドバンド, ヤッケ, リストバンド, その他ズボンの後ろポケットを有しない運動用特殊衣服 についての商標登録を取り消す 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する 理由 1 本件商標本件登録第 5807881 号商標 ( 以下 本件商標 という ) は 別掲 1 のとおりの構成からなり 平成 27 年 4 月 1 日に商標に係る標章 ( 文字 図形 記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合に限る ) を付する位置が特定される商標 ( 以下 位置商標 という ) として登録出願され 第 25 類 ズボン, 長ズボン, 半ズボン, ジョギングパンツ, スウェットパンツ, スキーズボン, 寝巻き類, パジャマ, 寝巻き, 下着, ズボン下, パンツ, 運動用特殊衣服 を指定商品として 同年 10 月 26 日に登録査定 同年 11 月 20 日に設定登録されたものである 2 本件登録異議の申立ての理由登録異議申立人 ( 以下 申立人 という ) は 本件商標は 商標法第 3 条第 1 項第 6 号及び同法第 4 条第 1 項第 16 号に該当するものであるから その登録は取り消されるべきであるとして その理由を要旨次のように述べ 証拠方法として甲第 1 号証ないし甲第 35 号証を提出した (1) 本件商標は ズボンの後ろの右ポケットの左上方の位置に赤いタブ図形を付し 第 25 類 ズボン, 長ズボン, 半ズボン, ジョギングパンツ, スウェットパンツ, スキーズボン, 寝巻き類, パジャマ, 寝巻き, 下着, ズボン下, パンツ, 運動用特殊衣服 を指定商品とする位置商標である (2) 本件商標が付されるズボンの後ろの右ポケットの左上方と同じ位置に赤いタブ付けされた商標を有するジーンズは 本件商標の出願以前から少なくとも 申立人 ( 甲 1~11) リーバイストラウス社 ( 甲 12~23) 及び株式会社ウエアハウス ( 甲 24~34) によって販売され 需要者はこれを認識している すなわち 本件商標は ジーンズに固有の位置商標である そうすると 本件商標は その指定商品中 ジーンズ について 需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標であっ

て 商標法第 3 条第 1 項第 6 号に該当する (3) 上記のとおり 本件商標は その構成中に 右後ろにポケットがあるジーンズ に固有の位置商標であるから これをその指定商品中 右後ろにポケットがあるジーンズ 以外の商品に使用した場合 商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある商標であって 商標法第 4 条第 1 項第 16 号に該当する 3 取消理由通知当審において 商標法第 43 条の 9 第 1 項に基づき職権により審理を行った結果 平成 28 年 5 月 26 日付けで 商標権者に対し通知した取消理由の要旨は 次のとおりである 本件商標は 別掲 1(1) 及び (2) により特定されるものであるところ その各記載によれば EDWIN の欧文字が表された赤い長方形のタブ図形 ( 以下 本件標章 という ) を付する位置が ズボンの後ろポケットの左上方 に特定されている位置商標と認められる そして 本件商標の指定商品中 例えば 寝巻き類 に含まれる ナイトガウン, ネグリジェ, 寝巻き, バスローブ 下着 に含まれる アンダーシャツ, コルセット, シュミーズ, スリップ, ブラジャー, ペチコート 及び 運動用特殊衣服 に含まれる アノラック, 空手衣, グランドコート, 剣道衣, 柔道衣, ヘッドバンド, ヤッケ, リストバンド ( 商標法施行規則別表第 25 類の欄参照 ) 等については その一般的な形状及び用途等に鑑みれば 本件標章を付する位置である ズボンの後ろポケット が存在するとはいい難いものである してみれば 本件商標は その指定商品中 ナイトガウン, ネグリジェ, 寝巻き, バスローブ, その他ズボンの後ろポケットを有しない寝巻き類, アンダーシャツ, コルセット, シュミーズ, スリップ, ブラジャー, ペチコート, その他ズボンの後ろポケットを有しない下着, アノラック, 空手衣, グランドコート, 剣道衣, 柔道衣, ヘッドバンド, ヤッケ, リストバンド, その他ズボンの後ろポケットを有しない運動用特殊衣服 については 本件商標の使用を想定できず 出願人が自己の業務に係る商品について使用するものと認めることができない したがって 本件商標の登録は その指定商品中の上記商品について 商標法第 3 条第 1 項柱書の要件を具備しない 4 商標権者の意見前記 3 の取消理由に対し 商標権者は何ら意見を述べるところがない 5 当審の判断 (1) 商標法第 3 条第 1 項柱書について当審においてした 前記 3 の取消理由に対して 商標権者は何ら意見を述べていない そして 前記 3 の取消理由は妥当なものと認められるので 本件商標は その指定商品中 ナイトガウン, ネグリジェ, 寝巻き, バスローブ, その他ズボンの後ろポケットを有しない寝巻き類, アンダーシャツ, コルセット, シュミーズ, スリップ, ブラジャー, ペチコート, その他ズボンの後ろポケットを有しない下着, アノラック, 空手衣, グランドコート, 剣道衣, 柔道衣, ヘッドバンド, ヤッケ, リストバンド, その他ズボンの後ろポケットを有しない運動用特殊衣服 ついて 本件商標の使用を想定できず 出願人が自己の業務に係る商品について使用するものと認めることができないから 商標法第 3 条第 1 項柱書の要件を具備しない (2) 商標法第 3 条第 1 項第 6 号及び同法第 4 条第 1 項第 16 号についてア商標法第 5 条第 2 項第 5 号の規定により位置商標として商標登録出願される商標は 同条第 4 項の規定による商標の詳細な説明の記載 ( 以下 商標の詳細な説明 という ) が 同条第 1 項第 2 号の規定による商標登録を受けようとする商標 ( 以下 商標記載欄の商標 という ) を特定するものでなくてはならず ( 同条第 4 項及び第 5 項 ) その登録商標の範囲は 商標の詳細な説明の記載を考慮して 商標記載欄の商標の意義が解釈されるものである ( 同法第 27 条第 3 項 ) また 商標法施行規則第 4 条の 6 は 位置商標の商標記載欄への記載について その標章を実線で描き その他の部分を破線で描く等により標章及びそれを付する位置が特定されるように表示した一又は異なる二以上の図又は写真によりしなければならない と規定

する そして 前記 1 のとおり 本件商標に係る商標記載欄には EDWIN の欧文字が表された赤い長方形の図形が実線で表され ( 別掲 1(1)) かつ 商標の詳細な説明には 本件商標が 位置商標であり ズボンの後ろポケットの左上方に付され EDWIN の欧文字が表された赤い長方形のタブ図形からなる ものであるとの記載がある ( 別掲 1(2)) 申立人は 前記 2(1) のとおり 本件商標を ズボンの後ろの右ポケットの左上方の位置に赤いタブ図形を付し たものとし これを前提として 本件商標が商標法第 3 条第 1 項第 6 号及び同法第 4 条 1 項 16 号に違反して登録されたものであると主張するが 上記のとおり 本件商標において 特定の位置に付される標章 ( 本件標章 ) は 単なる 赤いタブ図形 ではなく 当該図形内に EDWIN の欧文字が表されているものである ( 別掲 2) そうすると 申立人の主張する本件登録異議の申立ての具体的理由 ( 前記 2(2) 及び (3)) については その前提において誤りがあるというべきである そこで 本件標章が EDWIN の欧文字が表された赤い長方形のタブ図形 であることを前提とし 本件商標の商標法第 3 条第 1 項第 6 号及び同法第 4 条第 1 項第 16 号該当性について さらに次のイで検討する イ本件商標は 商標記載欄に 臀部の左右にポケットのあるズボンの形状を破線で その右のポケットの左上方に EDWIN の欧文字が表された赤い長方形の図形を実線で描き ( 別掲 1(1)) その商標の詳細な説明として ズボンの後ろポケットの左上方に付され EDWIN の欧文字が表された赤い長方形のタブ図形からなる 破線は 商品の形状の一例を示したものであり 商標を構成する要素ではない と記載 ( 別掲 1(2)) してなるものであるから 実線で描かれた EDWIN の欧文字が表された赤い長方形のタブ図形 ( 本件標章 ) の付される位置を 破線で描かれた後ろポケットを有するズボンの形状からなるもののそのポケットの左上方に特定した位置商標と認められる ところで 申立人が述べるように 本件商標の指定商品を取り扱う業界においては ズボンの後ろポケットの左上方に赤い色のタブを付すことが普通に行われているところ それのみでは自他商品の識別標識として機能し得ないものであるとしても 当該タブに 自他商品の識別標識として機能し得る文字が表示されていれば そのタブは これに接する取引者 需要者に 当該文字部分をもって その商品の出所を表したものと理解 認識されるものといえる そして 本件標章は 赤い長方形のタブ図形に EDWIN の欧文字が顕著に表されているものであって ( 別掲 2) EDWIN の欧文字は 辞書等に載録のある既成の語ではなく 本件商標の指定商品との関係において 商品の品質等を表す語として使用されているものでもないから 自他商品の識別標識として十分に機能し得るものである そうすると 本件商標は これを構成する本件標章が EDWIN の欧文字により自他商品の識別標識としての機能を十分に発揮し得るものであり 本件標章をズボンの後ろポケットの左上方の位置に付した場合 これが商品の出所識別標識としての使用態様で用いられていると認識できるものであるから これらを総合して 商標全体として考察すれば 本件商標は その指定商品について 需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できない商標ということはできないし EDWIN の欧文字が商品の特定の品質等を認識させるものでもないから 本件商標をいずれの指定商品に使用しても その商品の品質について誤認を生じるおそれがある商標ということもできない なお 申立人は 本件商標をその指定商品中 右後ろにポケットがあるジーンズ 以外の商品に使用した場合 商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから商標法第 4 条第 1 項第 16 号に該当すると主張するが 本件商標の指定商品中 本件標章を付する位置である ズボンの後ろポケット が存在しない商品については 前記 (1) のとおり 本件商標の使用が想定できないというべきであるから 商標法第 3 条第 1 項柱書の要件を具備しないものである したがって 本件商標は 商標法第 3 条第 1 項第 6 号及び同法第 4 条第 1 項第 16 号には該当しない

(3) まとめ以上のとおり 本件商標の登録は その指定商品中 結論掲記の指定商品 について 商標法第 3 条第 1 項柱書に違反してされたといわざるを得ないから 同法第 43 条の 3 第 2 項の規定により取り消すべきものである しかしながら 登録異議の申立てに係るその余の指定商品については 商標法第 3 条第 1 項柱書 同項第 6 号及び同法第 4 条第 1 項第 16 号のいずれにも違反して登録されたものではなく その他これを取り消すべき理由がないから 商標法第 43 条の 3 第 4 項により その登録は維持すべきものである よって 結論のとおり決定する 平成 28 年 8 月 22 日 審判長特許庁審判官青木博文特許庁審判官今田三男特許庁審判官根岸克弘 別掲 1 本件商標 (1) 願書に記載された商標登録を受けようとする商標を記載する欄における記載 ( 色彩については 原本を参照のこと ) (2) 商標の詳細な説明商標登録を受けようとする商標 ( 以下 商標 という ) は 標章を付する位置が特定された位置商標であり ズボンの後ろポケットの左上方に付され EDWIN の欧文字が表された赤い長方形のタブ図形からなる なお ポケット及びタブ図形のみの記載は 当該位置に付された標章を明示するための部分拡大図である また 破線は 商品の形状の一例を示したものであり 商標を構成する要素ではない 2 別掲 1(1) の本件標章部を審判合議体により拡大したもの

( 行政事件訴訟法第 46 条に基づく教示 ) この決定に対する訴えは この決定の謄本の送達があった日から 30 日 ( 附加期間がある場合は その日数を附加します ) 以内に 特許庁長官を被告として 提起することができます ( この書面において著作物の複製をしている場合のご注意 ) 特許庁は 著作権法第 42 条第 2 項第 1 号 ( 裁判手続等における複製 ) の規定により著作物の複製をしています 取扱いにあたっては 著作権侵害とならないよう十分にご注意ください 決定分類 T1651.16 -ZC (W25) 18 272 審判長 特許庁審判官 青木博文 8451 特許庁審判官 今田三男 7853 特許庁審判官 根岸克弘 4271