情報提供資料 平成 2 5 年 4 月 2 6 日教育委員会事務局生涯学習文化財課 武家の古都 鎌倉 の世界遺産登録に向けたイコモス勧告に係る資料配布及び記者会見について 武家の古都 鎌倉 の世界遺産登録については 本年 6 月にカンボジアのプノンペンで開催される第 37 回世界遺産委員会において 登録の可否が決定されます これに先立ち 本年 5 月に イコモスによる審査結果が公表 ( イコモス勧告 ) されますが これに関連して 別添のとおり 文化庁から 資料配布及び記者会見の開催について情報提供がありましたので お知らせします なお イコモス勧告が休日 時間外に通知された場合は 文化庁からの情報を各市政記者クラブ テレビ記者会加盟社へFAXで送信させていただく予定です お問い合わせ先教育委員会事務局生涯学習文化財課課長石田英昭 Tel 045-671 - 3236
平成 25 年 4 月 26 日 文化庁文化財部記念物課 世界遺産委員会の諮問機関による評価結果及び勧告に係る 資料配布及び記者会見について 我が国より世界文化遺産に推薦している 武家の古都 鎌倉 及び 富士山 に係る世界遺産委員会の諮問機関 ICOMOS( イコモス ) による評価結果及び勧告が 5 月 3 日 ( 金 ) 午後 ~4 日 ( 土 ) 未明 [ 日本時間 ] を目途に通知される予定です ( 裏面参照 ) 通知を受けた資料配布及び記者会見は 下記を予定しております 記 1. イコモスによる評価結果及び勧告の伝達経路について ユネスコ世界遺産センター 日本政府ユネスコ代表部 ( 所在地 : パリ ) 外務省本省 文化庁 国土交通省 ( 鎌倉 ) 文化庁 環境省 林野庁 ( 富士山 ) 地方公共団体 の順に伝達されます 2. 記者クラブへの資料配布及び記者会見について 1 通知時刻に関わりなく 速やかに評価結果を示した速報資料を作成し 配布します 正確な通知時間は不明であり 前回は 午前 4 時頃に通知を受けました 2 評価結果の概要を含む第二報を配布し 記者会見を行います 前回は 第二報配布は速報配布の同日午前 7 時 記者会見は午前 8 時頃でした 第二報はメール配信も行う予定 です 記者会見では第二報を使用予定です 3. 留意事項 山梨県記者クラブ 静岡県記者クラブ 神奈川県記者クラブにも同時に資料配布いたします 記者会見前の執務室への立ち入り及び事前問い合わせはご遠慮下さい < 担当 > 文化庁文化財部記念物課 課 長 榎本剛 ( 内線 2873) 世界文化遺産室長小林万里子 ( 内線 4784) 世界文化遺産推薦係主任 岡島通子 ( 内線 2877) 文化財調査官 西和彦 ( 内線 4763) 電話 :03-5253-411( 代表 ) 03-6734-287( 直通 )
ユネスコからの通知にかかる資料配付等のスケジュール ( シミュレーション ) パターン 対応 日本時間 パリ時間 1 早いケース ユネスコからの通知 5 月 3 日 ( 金 ) 16:00 5 月 3 日 ( 金 ) 9:00 速報配布 17:00 - - 第二報配布 20:00 - - 記者会見 - - 2 前回同様のケース ユネスコからの通知 5 月 4 日 ( 土 ) 4:00 5 月 3 日 ( 金 ) 21:00 速報配布 5:00 - - 第二報配布 7:00 - - 記者会見 8:00 - - 3 12 より早まる場合 や遅れる場合 文部科学省広報室から適宜お知らせします 5 月 3 日 ( 金 ) はあくまでも目途であり ユネスコからパリの日本政府代表部への通知はいつ行われるか事前には分からないため これより前後することもあり得ます
武家の古都 鎌倉 の世界文化遺産への推薦に係る これまでの経緯と今後の予定について 1. イコモス勧告 について ユネスコの世界遺産一覧表記載は 世界遺産暫定一覧表に記載されたものの 中から 各締約国がユネスコ世界遺産委員会に推薦を行い 文化遺産について は 国際記念物遺跡会議 (ICOMO S: イコモス ) による審査を経て 最終的に世 界遺産委員会において記載の可否が決定される 国際記念物遺跡会議 (ICOMO S: イコモス ) は 世界遺産条約に定められる 世界遺産委員会の諮問機関で 各締約国から推薦された文化遺産候補の価値 評価や保全管理状況等に関し 世界遺産委員会に対して勧告を行う非政府機 関 イコモスによる評価結果の区分 1 記載 (Inscription): 世界遺産一覧表に記載するもの 2 情報照会 (Referral): 追加情報の提出を求めた上で次回以降に再審議するもの 3 記載延期 (Deferral): より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要なもの 推薦書を再提出した後 約 1 年半をかけて再度イコモスの審査を受ける必要がある 4 不記載 (Notto inscribe): 記載にふさわしくないもの ( 世界遺産委員 会で不記載決議となった場合 原則として再推薦は不可 )
2. 武家の古都 鎌倉 の推薦に係るこれまでの経緯 平成 4 年 10 月 ユネスコの世界遺産暫定一覧表に記載 平成 23 年 9 月 世界遺産条約関係省庁連絡会議 ( 主催 : 外務省 ) において 政府として推薦する旨決定 平成 24 年 1 月 ユネスコ世界遺産センターに推薦書を提出 平成 24 年 9 月 イコモスの専門家による現地調査 3. 今後のスケジュール 平成 25 年 5 月 3 日 ( パリ時間 ) を目途にイコモスによる評価結果 勧告の通知 平成 25 年 6 月 16~27 日第 37 回世界遺産委員会 ( カンボジア プノンペン ) 世界遺産委員会では イコモスの勧告を踏まえて審議を行う 世界遺産委員会の決議は 4 区分 ( 上記 1 のイコモスによる評価結果の区分 と同じ )
武家の古都 鎌倉 の世界文化遺産推薦について 平成 2 4 年 1 月 1. 名称 武家の古都 鎌倉 Kamakura, Home of the SAMURAI 2. 所在地神奈川県横浜市 鎌倉市 逗子市 3. 暫定一覧表記載年平成 4(1992) 年 4. 共同推薦省庁文化庁及び国土交通省 5. 概要 武家の古都 鎌倉 は 以下に記す観点から顕著な普遍的価値を有する 戦士階級に属した武家が 12 世紀末の日本において古代社会の貴族支配から中世 近世へと続く武家支配への移行という大変革をもたらした政権を樹立し その構築 運営した政治支配体制の中から武家文化を生みだしたことを示す物証である 武家は 日本における時代の大転換期に 要害的地形をなす後背山稜の崖地及び谷戸を切削 造成し そこに重要な施設を機能的に配置し 政権支配 防御の構造を創り出すことによって 山稜部と一体となった稀に見る政権所在地の類型を形成した 武家の古都 鎌倉 の顕著な普遍的価値 評価基準 (ⅲ) 武家政権発足の地 武家文化創出を表す証拠 世襲制による職業的戦士階級を出自とする武家集団による支配 禅宗寺院などの中国文化との交流 摂取 茶 禅などの文化的伝統の醸成 評価基準 (ⅳ) 山稜部と一体となった稀に見る政権所在地の類型 三方を山に囲まれ 一方が海に開く 要害の地 切通 やぐら等独特な土木的施工による造成の痕跡 神社 居館等の機能的配置 6. 資産の保護措置文化財保護法及び古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法 ( 古都保存法 )
7. 構成資産一覧 構成資産名 重要な要素 ( 括弧内は内包される記念工作物等 ) 種別地形属性 鶴岡八幡宮 ( 若宮大路 上宮 摂社若宮 ) ( つるがおかはちまんぐう ( わかみやおおじ じょうぐう せっしゃわかみや )) 寿福寺 ( じゅふくじ ) 寺院 建長寺 ( 庭園 山門 仏殿 法堂 昭堂 大覚禅師塔 朱垂木やぐら群 ) ( けんちょうじ ( ていえん さんもん ぶつでん はっとう しょうどう だいがくぜんじとう しゅだるきやぐらぐん )) 寺 院 構成資産 1 瑞泉寺 ( 庭園 )( ずいせんじ ( ていえん )) 鎌倉大仏 ( かまくらだいぶつ ) 覚園寺 ( 百八やぐら群 )( かくおんじ ( ひゃくはちやぐらぐん )) 寺院 寺院 寺院 仏法寺跡 ( ぶっぽうじあと )( 構成資産 2 に所在する極楽寺に含まれる ) ( 寺院跡 ) 永福寺跡 ( ようふくじあと ) 法華堂跡 ( ほっけどうあと ) 北条氏常盤亭跡 ( ほうじょうしときわのていあと ) 亀ヶ谷坂 ( かめがやつざか ) 仮粧坂 ( けはいざか ) 大仏切通 ( だいぶつきりどおし ) 構成資産 2 極楽寺 ( ごくらくじ )( 構成資産 1 に所在する仏法寺跡を含む ) 構成資産 3 円覚寺 ( 庭園 舎利殿 )( えんがくじ ( ていえん しゃりでん )) 構成資産 4 浄光明寺 ( じょうこうみょうじ ) 構成資産 5 荏柄天神社 ( えがらてんじんしゃ ) 構成資産 6 朝夷奈切通 ( あさいなきりどおし ) 構成資産 7 東勝寺跡 ( とうしょうじあと ) 構成資産 8 名越切通 ( まんだら堂やぐら群 ) ( なごえきりどおし ( まんだらどうやぐらぐん )) 構成資産 9 称名寺 ( しょうみょうじ ) 神社山寺院跡寺院跡稜武家館跡切通切通切通寺院部寺院寺院神社切通寺院跡切通寺院 構成資産 10 和賀江嶋 ( わかえのしま ) 港跡海浜部 8. 構成資産面積及び緩衝地帯面積構成資産面積 577.2ha 緩衝地帯面積 1466.0ha 合計 2043.2ha
世界遺産について 目的 ユネスコ 世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約 に基づき 文化遺産及び自然遺産を 人類全体の世界の遺産として 損傷 破壊等の脅威から保護するため 国際的な協力 援助の体制を確立することが目的 1972 年ユネスコ総会で条約採択 1992 年日本の条約締結 発効 2012 年締約国数 190 ヶ国 世界遺産の総数 962 件 ( 文化遺産 745 件 自然遺産 18 件 複合遺産 29 件 ) 世界遺産一覧表への記載プロセス 1 締約国は 世界遺産暫定一覧表記載のために必要な文書を作成し ユネスコ世界遺産センターに提出する 2 締約国は 世界遺産暫定一覧表 の記載物件のうち 準備が整ったものをユネスコ世界遺産センターへ推薦する 3 専門家で構成される諮問機関 ( 文化遺産の場合はイコモス : 国際記念物遺跡会議 ) による評価結果を踏まえ 世界遺産委員会 (21 ヶ国で構成 ) で 世界遺産としての記載の可否を決定する 各国は世界遺産を 1 年に 2 件 うち文化遺産については年 1 件しか推薦できない 世界遺産一覧表への記載基準 世界的な視点から 顕著な普遍的価値 を有すること 真実性 ( オリジナルの状態を維持 ) 完全性( 価値を表すものの全体が残っている ) の条件を満たしていること 将来にわたり保護するための保護管理体制があること
世界文化遺産推薦プロセス 世界遺産暫定一覧表記載のために必要な文書を作成し ユネスコ世界遺産センターに提出 推薦準備作業 ( 顕著な普遍的価値の証明 法令等による保護措置等 ) 準備が整った資産から文化庁で推薦 ( 暫定 ) を決定 ( 文化庁が準備状況を判断し 文化審議会に審議を要請 ) 文化審議会世界文化遺産 無形文化遺産部会世界遺産特別委員会 文化審議会世界文化遺産 無形文化遺産部会 政府で推薦 ( 暫定 ) を決定 世界遺産条約関係省庁連絡会議 ( 外務省 ) ユネスコ世界遺産センターへ推薦書 ( 暫定版 ) 提出 [9 月 30 日期限 ] ( ユネスコ世界遺産センターによる形式審査 ) 引き続き推薦書の改訂作業を行い 文化庁で正式な推薦を決定 文化審議会世界文化遺産 無形文化遺産部会世界遺産特別委員会 文化審議会世界文化遺産 無形文化遺産部会 政府で正式な推薦を決定 世界遺産条約関係省庁連絡会議 ( 外務省 ) ユネスコ世界遺産センターへ推薦書 ( 正式版 ) 提出 [2 月 1 日期限 ] 専門家で構成された諮問機関 ( イコモス : 国際記念物遺跡会議 ) による審査 [ 現地調査を含む約 1 年半の審査 ] イコモスによる評価結果の勧告 [ 例年 5 月 ] 世界遺産委員会で記載の可否を決定 [ 例年 6 月 ] 世界遺産委員会の決議 / イコモスの評価は 4 区分 1 記載 (Inscriptio n): 世界遺産一覧表に記載 2 情報照会 (Referra l): 追加情報を要請 次回以降の審議へ回す 3 記載延期 (Deferra l): 推薦書の本質的な改訂が必要 再度イコモスの現地調査を受ける必要があるため 最短でも次々回以降の審議 4 不記載 (Not to inscrib e): 記載にふさわしくない 再推薦は不可
我が国の世界遺産 ( 文化遺産 12 件 自然遺産 4 件 ) 記載物件名所在地記載区分 1 法隆寺地域の仏教建造物奈良県 H5 文化 2 姫路城兵庫県 H5 文化 3 屋久島鹿児島県 H5 自然 4 白神山地青森 秋田県 H5 自然 5 古都京都の文化財 ( 京都市 宇治市 大津市 ) 京都府 滋賀県 H6 文化 6 白川郷 五箇山の合掌造り集落岐阜県 富山県 H7 文化 7 原爆ドーム広島県 H8 文化 8 厳島神社広島県 H8 文化 9 古都奈良の文化財奈良県 H10 文化 10 日光の社寺栃木県 H1 文化 11 琉球王国のグスク及び関連遺産群沖縄県 H12 文化 12 紀伊山地の霊場と参詣道三重県 奈良県 和歌山県 H16 文化 13 知床北海道 H17 自然 14 石見銀山遺跡とその文化的景観島根県 H19 文化 15 小笠原諸島東京都 H23 自然 16 平泉 - 仏国土 ( 浄土 ) を表す建築 庭園及び考古学的遺跡群 - 岩手県 H23 文化 世界遺産暫定一覧表 記載リスト( 文化遺産 13 件 自然遺産なし ) 平成 4 年 1 古都鎌倉の寺院 神社ほか ( 神奈川県 ) ( 平成 24 年に正式推薦 ) 2 彦根城 ( 滋賀県 ) 平成 19 年 3 富岡製糸場と絹産業遺産群 ( 群馬県 ) ( 平成 25 年に正式推薦 ) 4 富士山 ( 静岡県 山梨県 ) ( 平成 24 年に正式推薦 ) 5 飛鳥 藤原の宮都とその関連資産群 ( 奈良県 ) 6 長崎の教会群とキリスト教関連遺産 ( 長崎県 ) 7 国立西洋美術館 ( 本館 )( 東京都 ) 平成 21 年 8 北海道 北東北を中心とした縄文遺跡群 ( 北海道 青森県 岩手県 秋田県 ) 9 九州 山口の近代化産業遺産群 ( 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 鹿児島県 山口県 ) 10 宗像 沖ノ島と関連遺産群 ( 福岡県 ) 平成 22 年 11 金を中心とする佐渡鉱山の遺産群 ( 新潟県 ) 12 百舌鳥 古市古墳群 ( 大阪府 ) 平成 24 年 13 平泉 - 仏国土 ( 浄土 ) を表す建築 庭園及び考古学的遺跡群 -( 拡張 )( 岩手県 )