関東鉄道 に対する業務監査の実施結果 項目主な取組み状況等所見所見に対する回答 1. 運賃等に関する事項 (1) 関係法令 通達に基づく諸手続等 関東鉄道株式会社 ( 以下 関東鉄道 という ) における運賃 料金設定等に関する諸手続については 関係法令等に基づき適正に処理されている なお 現行の運賃は 平成 19 年 3 月 3 0 日に認可を受け 同年 4 月 2 3 日より実施している また 鉄道運輸規程第 4 条に基づく運賃表 旅客列車の時刻表その他運輸上必要となる旅客営業規則等の備え付け 同規程第 8 条に基づく運賃表 時刻表の掲示については 現地調査を行った各駅において適切に実施されており 同規程第 12 条に基づく乗車券の券面表示 ( 適用区間 通用期間 運賃額等 ) については 適正に記載されていた 関係法令 通達に基づき適正に処理されていた 引き続き 関係法令 通達に基づき諸手続を適正に処理してまいります (2) 連絡運輸 乗継割引 企画乗車券等 1 連絡運輸 連絡運輸については 利用者利便の向上を図る観点から 佐貫駅 取手駅及び下館駅で接続している東日本旅客鉄道株式会社 ( 以下 JR 東日本 という ) 守谷駅で接続している首都圏新都市鉄道株式会社 ( 以下 TX という ) 下館駅で接続している真岡鐵道株式会社 ( 以下 真 利用状況や利用者ニーズを踏まえつつ 連絡運輸のさらなる検討が期待される 今後も お客様の利用状況とニーズを勘案し 連絡定期券の発売範囲を検討してまいります
岡鐵道 という ) との間において実施しているところである また 通勤 通学定期乗車券については 東武鉄道株式会社 京成電鉄株式会社との間においても連絡運輸を実施しており 利用者利便の向上を図っている 2 乗継割引 乗継割引については実施していない 3 企画乗車券 企画乗車券については 常総線 ( 三妻 ~ 下館 ) と TX( 北千住 秋葉原 ) の割引往復乗車券である TX& 常総ライン往復きっぷ を通年で発売している 関東鉄道内の企画乗車券としては 土曜休日に限り利用できる 常総線 1 日フリーきっぷ を発売しているほか 夏期には学生が夏休み中に利用できる 常総線学生夏休み 1 日フリーきっぷ を販売して利用促進に取り組んでいる その他にも イベント列車の運行や駅からウォーキングの開催 パーク & ライド無料駐車場の整備等の取組により需要喚起に努めている このような取組は 観光旅客の誘致による地域振興のみならず 公共交通の利用促進にも寄与するものであり 引き続きさらなる取り組みが期待される 引き続き お客様の利便性向上と公共交通の利用促進を目的として 企画乗車券の拡充に努めてまいります 4 福祉割引 関東鉄道においては 身体障害者及び知的障害者に対する運賃の割引は実施されているが 精神障害者に対する運賃割引につ
いては 連絡運輸を行っている鉄道事業者間で統一的な対応が必要と考え 現段階で拡大することは困難な状況である 5IC カードシステム IC カード乗車券については 平成 21 年 3 月から IC カード乗車券システム PASMO を導入している 東日本旅客鉄道株式会社が発行している S uica と相互利用することができ 平成 23 年度の利用率は 定期が 77% 定期外が 5 2% である (3) 駅務機器類 自動券売機 自動精算機等の駅務機器類の設置については 各駅の旅客流動や駅構造を勘案して設置している 設置に係る基準は設けていない (4) 運賃の誤表示 誤収受 運賃誤収受は過去 3 年間において 平成 24 年 6 月に自動券売機釣銭誤払いが発生している このため 釣銭硬貨補充マニュアル を作成して 釣銭が正しく装填されていることの確認を徹底させることにより 再発の防止に努めている 運賃収受の信頼性の確保は 鉄道事業者の社会的信用を維持するために最も重要な課題であることから 引き続き 再発防止に向けた取り組みが望まれる 職員への注意喚起を継続的に行うとともに マニュアルに則った作業が実施されているか管理部門により定期的に点検し 再発防止に努めてまいります (5) その他 1 偽造紙幣等の対応について 偽造紙幣等が発見された場合 発生箇所から本社への報告 本社から警察等への連絡や社内で
の情報共有の体制が整備されている 2 無料乗車証の取扱いについて 無料乗車証の発行については 職務乗車証 家族乗車証 公用乗車証 退職者優待乗車証 優待乗車証があり 発行 貸与については 乗車証の種類に応じた規程がそれぞれ設けられている 2. 情報提供に関する事項 関東鉄道では プレス発表 ホームページ 広報誌 パンフレット 駅のポスター掲示等様々な媒体を通じて財務等に関する情報 運賃に関する情報 時刻表 安全 サービス等に関する情報提供を行っている 3. 案内情報 ( 旅客案内 ) に関する事項 (1) 案内サイン表示の整備状況について 案内表示設備等の整備については 利用状況を勘案し 多客駅や無人駅を優先に整備が行われている 特に他社線との接続駅である取手駅 (JR 東日本と接続 ) 守谷駅 (TX と接続 ) 運行形態が変更 ( 複線区間 単線区間 ) となる水海道駅及び新設駅のゆめみ野駅では LED 液晶パネルによる行き先案内表示が行われている 今後の課題としては 移動円滑化整備ガイドラインに準拠した案内サイン表示の社内規程類の整備を行なうとともに 設備の見直しや設置場所の改善等の検討 整備が望まれる 今後 案内サインの社内規程作成による サイン類のデザイン 設置位置の統一化を検討してまいります
(2) バリアフリー施設の案内サイン表示の整備状況 エレベーター エスカレータの誘導サイン 位置サインについては 一部の駅で整備されているが 設置場所等の問題から確認しにくいものも見受けられた (3) 列車での案内情報の提供状況 列車内での案内情報は 自動による車内放送及び LED 表示器による案内を実施している 4. バリアフリー対策に関する事項 (1) バリアフリー化のために講ずべき基本的事項 関東鉄道の全 28 駅中 移動円滑化基準に適合した駅は 11 駅である 1 日あたりの平均利用者数が 3 千人以上の 3 駅については全て段差解消が図られている また 3 千人未満の駅においても 要望の多い駅を中心に ホーム階段のスロープ化などを進めている (2) 鉄道駅のバリアフリー化の状況と計画 多目的トイレは 取手駅他 計 4 駅に設置済であるが 移動円滑化基準には適合していない その他の駅の更新計画と併せて基準に適合するトイレの設置の検討が期待される 今後 旅客の利用状況を勘案し 駅の更新計画等に併せての移動円滑化基準の適合と 未設置駅への新設を検討してまいります (3) ソフト面におけるバリアフリー対応 無人駅における車椅子等の障害者対応については 各駅に設置してあるインターホンにより管理駅に連絡し駅員が駆けつけ対
応している 5. 外国人観光旅客等への対応に関する事項 外国人旅客としては 沿線に住む外国人がまれに乗車する程度で年間数えるほどの人数しか乗車しておらず 現在のところ外国人観光旅客向け企画乗車券の設定はない 駅における案内サイン表示は 一部駅については看板に駅名をローマ字で併記しているが 今後の利用者数を鑑みながら必要に応じ多言語表示 案内放送設備の設置を検討する 車内における案内サイン表示は 一部車両にて 列車内の電光掲示版で次の停車駅名を英語にて案内している 利用者流動を見ると当該路線は主に沿線から都心へ向かう通勤 通学を目的とした利用者が多く 現在のところ外国人観光旅客の利用が非常に少ないが 今後は観光資源の創出に向けた検討を沿線自治体と連携して行うなど 外国人観光客等に対する取り組みが望まれる 沿線自治体との連携イベントの開催等により 外国人旅客の需要喚起に努めるとともに 利用状況を勘案し案内サインにおける多国語表記を検討してまいります
6. 乗継円滑化措置に関する事項 (1) 相互直通運転の実施状況等 関東鉄道では 直通運転を実施する予定はない (2) ダイヤ調整 関東鉄道では 接続している J R 東日本 TX 真岡鐵道とダイヤ調整を行っている 終電等が遅延した場合の措置については JR 東日本との乗換駅である取手駅 下館駅 佐貫駅及び TX との乗換駅である守谷駅について 現場の状況に応じ 運転司令の判断により実施している 7. 輸送障害時等の旅客対応に関する事項 (1) 輸送障害等発生時の連絡体制等 (2) 利用者等への情報提 事故等により輸送障害等が発生した場合の対応方法については 運転事故応急処理手続 を基に行っている 実際に輸送障害等が発生した場合は 障害発生場所から速やかに運転司令へ通報し 運転司令から各列車 各駅及び本社等に連絡することとなっている また JR 東日本東京支社 水戸支社及び TX の輸送指令と情報交換を行っている 輸送障害時の旅客への情報提供
供等 については 運輸司令より各列車 各駅へ連絡を行い 輸送障害発生時の放送案内マニュアル に基づき 車内放送 構内放送を行っている他 駅に設置している告知板により運行状況 輸送障害の内容などを表示すると共にホームページにも掲載している 無人駅については 管理駅より遠隔管理システムによる放送 LED 式の列車接近表示器及び自動音声案内による情報提供を行っている また JR 東日本及び TX との接続駅において 必要に応じ相互に情報提供を行っている (3) 振替輸送等 (4) 遅延証明 振替輸送については 路線が結節する鉄道会社 2 社 (JR 東日本 TX) と契約等を結び実施している また代替輸送についても 特に契約等を結んでいないが 自社のバス部門 沿線の系列バス会社と必要に応じその都度調整し 代替輸送を実施している 遅延証明書については 旅客の申し出により 駅の改札口付近で手渡しにより発行している また ソフト面の対応として 列車の遅延が生じた場合 利用
の多い沿線の学校等からの問い合わせに対応している (5) 輸送障害時に対応した教育 訓練 輸送障害時の旅客対応を想定した訓練については 毎年計画的に実施しており 昨年度においても 災害発生時の避難誘導訓練 ( 年 1 回 ) 地震発生による列車脱線事故の復旧訓練 ( 年 1 回 ) を実施している また輸送障害時の車内放送及び 車両故障発生時の対応方などの教育については 適宜 管区および駅において実施している 今後とも年間を通して計画的に教育や訓練を実施して 安全で迅速かつ的確な対応が行えるよう 引き続き 全社的な取組みが期待される 引き続き輸送障害を想定した教育訓練を計画的かつ継続的に実施し 安全 迅速 的確な復旧体制の確立に努めてまいります 8. 災害時等の旅客対応に関する事項 災害発生時の対応は 災害対策規則 運転事故応急処理手続 地震発生時の対応マニュアル に定められており 災害発生を想定した訓練は 年間計画を作成し管区 会社全体で実施されている 今後は 沿線自治体や消防などの関係機関を含めた合同訓練の実施ができるように検討が求められる 平成 24 年 12 月 18 日開催の異常発生時想定訓練において 警察 消防機関との合同訓練を実施いたしました 今後も 沿線自治体を含めた合同訓練を実施してまいります 東日本大震災時の旅客等への対応 ( 地震発生時 ) 列車内の対応地震発生後 運行中であった列車は最寄り駅に停車 運転士は 運転司令への無線連絡を行うとともに車内放送で情報提供 避難誘導を行った 駅の対応運転司令より各駅へ一斉放送を行い 安全な場所への避難を案 余震が発生し混乱する中で 車両に暖房を入れ臨時避難場所と
内 有人駅の係員は 迅速適切に旅客を安全な場所に避難誘導した また 無人駅においては 駅係員を派遣し終日情報提供を行うとともに 旅客が帰宅できる状態になるまで 車両に暖房を入れ 臨時の避難場所として解放 して活用するなど 利用者の立場に立ったきめ細やかな対応は非常に評価出来る 引き続き 旅客の安全を第一とした避難誘導体制の確立に努めてまいります 被害全線で線路曲がり 沈下が発生 駅においても ホーム沈下 亀裂発生 運転再開 ( 常総線 ) 3 月 12 日 18 時 08 分取手 ~ 水海道駅間運転再開 13 日 18 時 02 分水海道 ~ 下妻駅間運転再開 14 日 20 時 30 分下妻 ~ 下館駅間運転再開 ( 竜ヶ崎線 ) 3 月 12 日 11 時 32 分竜ヶ崎 ~ 佐貫駅間運転再開
9. 利用者からの意見等に関する事項 関東鉄道では 利用者からの意見等の主な窓口としてホームページに本社 各駅の電話番号を掲載している このほかに利用者のニーズや意見を的確に捉えるため 各駅に お客様ご意見箱 を設置し 利用者の視点に立ったサービスの向上に努めている また 回答が必要な事案については 本社よりその都度回答している 寄せられた意見等の全体件数は平成 22 年度は 163 件 平成 23 年度は 167 件とほぼ横ばいとなっている 直接駅窓口に寄せられた意見等については 各駅において集計し 鉄道部業務課へ報告される 内容に応じて各部署へ回覧し情報共有を行うとともに 3 ヶ月に 1 回業務連絡会議を開催して対応について検討を行っている 今後も利用者の意見 要望等を取り入れ 一層のサービス改善 利便性の向上に努めることが望まれる 今後も利用者の意見 要望を真摯に受け止め 早急な対応によりサービス改善 利便性向上に努めてまいります 10. 駅務員の接遇等に関する事項 (1) 移動制約者対応への教育 移動制約者への対応マニュアルについては整備していないが 京成グループ作成のマニュアル及び福祉団体が作成した資料に基づき教育を行っている また 障害者団体を研修の講師に招いて実施するなど実践的な取り組
みも行っている (2) 上記以外の接遇に関する研修 その他の接遇研修については 年 2 回接客接遇をテーマとする職場座談会を開催している また 改善が必要な駅係員に対しては必要に応じて個別研修を実施している 今後も引き続き 接遇に係る研修の充実が期待される 引き続き 接遇研修 職場座談会を積極的に開催し 更なる接遇向上に努めてまいります (3) 係員の勤務状況 過去 3 年間に駅係員についての不祥事は発生していない (4) 旅客の犯罪に関する駅職員等の対応 旅客の暴力行為 迷惑行為については平成 22 年度において 3 件 平成 23 年度において 1 件 平成 24 年度において 2 件確認されている 駅員の対応マニュアルは作成していないが 必要に応じ警察に通報するなど連絡体制をとり旅客の犯罪に対応している 引き続き 警察との連携強化を図るとともに 暴力等迷惑行為の防止に努められたい 引き続き 警察機関との連携や駅 車内における放送 ポスター掲示による注意喚起により 暴力等迷惑行為の防止に努めてまいります (5) 係員の配置 関東鉄道では 28 駅中 14 駅を時間帯無人駅 7 駅を終日無人駅としており 各駅の状況などは駅遠隔管理システムにより一括管理されている 各駅からの問い合わせにもスタッフが常時対応しており 必要に応じ係員を向かわせる連絡体制が整備されている (6) 業務委託に関する事項 業務委託については実施していない
11. その他のサービスに関する事項 (1) 携帯電話の取り扱い (2) 優先席 (3) 健康増進法への対応 ( 受動喫煙防止対策 ) (4) ベビーカー対応 携帯電話の取扱については 優先席付近では電源を切り その他の場所ではマナーモードにして通話は遠慮いただく様に 携帯マナーステッカーの貼り付けや車内放送を行い 周知に努めている 優先席は 全車両に 1 両あたり 1 箇所設けられており シンボルマークを貼り付けるとともに 優先席のシートの色を変えることにより 利用しやすいように工夫を行っている 車内は禁煙としている ホームについては喫煙所を設置して分煙を実施しており 駅構内サインなどにより啓蒙活動を実施している ベビーカーの取扱については 折りたたまずに車内に持ち込めるとしており 特に利用制限は設けていないが エスカレータでの使用は禁止する旨の案内放送を流している 女性専用車両の導入は行ってい
(5) 女性専用車両導入 マタニティマークについて (6) 遺失物の取扱 ない マタニティマークのステッカー貼付 配布は行っていない 駅での遺失物は当日保管して翌日遺失物保管駅 ( 水海道 竜ヶ崎 ) に移送し 7 日間預かった後所轄の警察署に届けている (7)AED 設置について (8) 無人駅の業務管理体制について 設置していない 全 28 駅中 終日無人の駅が 7 駅 時間帯により無人となる駅が 14 駅となっている 無人駅 ( 時間帯により無人となる駅 ) における旅客からの問い合わせ等の対応は 管理駅と繋がっているインターホンにより行っている また 安全管理は 無人駅構内に設置されているカメラの画像を監理駅のモニターで監視することにより行っており 必要に応じ遠隔放送装置を通じ無人駅の旅客へ注意喚起を行っている なお 車いす等現地対応が必要な際には 管理駅からの係員派遣により対応を行っている