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平成 22 年度 PRTR 届出データの過年度との比較 速報版 / 年 18, 12, 6, 届出排出量 移動量 平成 24 年 3 月 化学物質管理センター 独立行政法人 製品評価技術基盤機構 NITE

< 内容 > はじめに第 章用語 使用したデータ 数値の取り扱いについて第 1 章 22 年度 PRTR 届出データの過年度比較第 2 章継続物質の22 年度 PRTR 届出データの過年度比較 医療業除く 第 3 章特集 1 政令改正による届出への影響について 2 東日本大震災による届出への影響について第 4 章まとめ ****************************** はじめに : 独立行政法人製品評価技術基盤機構 NITE:National Institute of Technology and Evaluation では 毎年 化管法に基づくPRTR 届出の最新データと過去のデータを比較した報告書を作成しています 平成 22 年度把握 平成 23 年度届出 のPRTR 届出は 改正された政令が適用された初めての届出であり また東日本大震災が起こった直後の届出であったため それらの分析に主眼をあて PRTR 届出データと同時期に速報版として公表することとしました 第 1 章では 平成 22 年度と過去の届出を比較し 変化した点について特筆しています 第 2 章では 平成 22 年度と過去の届出を政令改正の影響を除いて比較し 第 1 章と異なる点について解析をしています 第 3 章では 政令改正が届出件数 に与えた影響 政令改正で追加された物質の特徴を解析しています また 東日本大震災の影響についても解析しています 本報告書 速報版 では 焦点を絞って解析結果を速やかに公開することを目的としたため 従来の報告書よりも内容が限定されています しかしながら 平成 22 年度の届出の変化や8 年間の推移を知るための参考として さらに PRTR 届出データの活用の一例として 幅広い関係者の皆様にご一読していただければ幸いです 平成 24 年 3 月 独立行政法人製品評価技術基盤機構化学物質管理センター - 1 -

第 章用語 使用したデータ 数値の取り扱いについて 1 用語について PRTR 政令 事業者 事業所 大気への排出 公共用水域への排出当該事業所における土壌への排出当該事業所における埋立処分 当該事業所の外への移動 下水道への移動 排出量 移動量 継続物質 追加物質除外物質 特定被災区域 PRTRとはPollutant Release and Transfer Registerの略称で わが国では化学物質排出移動量届出制度と呼ばれている 人の健康や生態系に有害なおそれのある特定化学物質について 事業所からの環境への排出量及び廃棄物に含まれて事業所の外へ移動する量を 事業者が自ら把握し国に届け出るとともに 国は届出データや推計に基づき 排出量 移動量を集計し 公表する制度 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律施行令を指す 平成 2 年 11 月に改正された 対象業種に属する事業活動を行っている単一の運営主体 企業等 のこと 対象業種に属する事業活動が行われている一単位の場所であり 原則として 単一の運営主体 企業等 のもとで 同一の又は隣接する敷地内において継続的に事業活動を行っているもの 企業のうち 本社や各工場 各事務所等を指す 排出口や煙突から対象物質を含む排ガスを大気中へ出すこと また パイプ等の継ぎ目から漏洩することや開放場所において溶剤成分が揮発する場合等も該当する 本文中では 大気排出 とする 河川 海域 湖沼 かんがい用水路など 公共の用に供される水域へ対象物質を含む排水を出すこと 本文中では 水域排出 とする 対象物質が事業所敷地内の土壌に漏洩や飛散及び地下浸透等によって排出されること 埋立地が事業所敷地内にあり そこに対象物質を含む廃棄物を埋め立てること 本文中では 埋立処分 とする 事業所内で発生した対象物質を含む廃棄物を事業所外で処理 処分すること ただし 事業所で発生した使用済みの廃溶剤や廃金属等を外部の再生業者に売却している場合は 当該事業所の外への移動 に含まれない 有価物 本文中では 廃棄物移動 とする 対象物質を含む廃水が下水道へ排出すること 大気への排出量 公共用水域への排出量 土壌への排出量及び事業所内の埋立処分量の合計 廃棄物としての移動量及び下水道への移動量の合計 政令改正前後で継続して対象になっている物質を指す 政令改正で集約された物質 1 と分割された物質 2 も含む 1 政令改正で集約された物質 改正前 号番号 名称 号番号 名称 3 アクリル酸 4 アクリル酸及びその水溶性塩 71 オルト -クロロアニリン 72 パラ -クロロアニリン 73 メタ -クロロアニリン 99 五酸化バナジウム 89 クロロアニリン 321 バナジウム化合物 139 オルト -ジクロロベンゼン 14 パラ -ジクロロベンゼン 225 オルト -トルイジン 226 パラ -トルイジン 228 2, 4 -トルエンジアミン 181 ジクロロベンゼン 299 トルイジン 31 トルエンジアミン 262 オルト -フェニレンジアミン 263 パラ -フェニレンジアミン 264 メタ -フェニレンジアミン 338 メタ -トリレンジイソシアネート 348 フェニレンジアミン 298 トリレンジイソシアネート 2 政令改正で分割された物質 改正前 改正後 号番号 名称 号番号 名称 23 鉛及びその化合物 34 鉛 35 鉛化合物 改正後 34 ほう素及びその化合物 45 ほう素化合物 政令改正により 対象物質に追加された物質を指す 政令改正により 対象物質から外れた物質を指す 東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律の規定に基づき定められた特定被災区域 - 2 -

2 使用したデータについて本文で使用している8 年間のPRTR 届出データは 平成 24 年 3 月 13 日に化管法第 11 条に基づき公表されたPRTR 届出データを使用しています なお 比較対象は 対象物質の取扱要件が変更された平成 15 年度把握 平成 16 年度届出 から最新の平成 22 年度把握 平成 23 年度届出 までの8 年間のPRTR 届出データとしました 平成 15 年度に対象物質の取扱量要件が5以上から1以上に変更されました データの入手先 経済産業省 http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/prtr/6.html 環 境 省 http://www.env.go.jp/chemi/prtr/risk.html N I T E http://www.prtr.nite.go.jp/prtr/prtr_katsuyou.html 3 数値の取扱いについて 単位は基本的ににしています の数値の有効数字は2 桁にしています 一部 2 桁以上になっている場合もあります 表の中の合計値 差 比等は 表中の値を実際に計算した結果と必ずしも一致しません これは 表中の値は全てkg 単位 ダイオキシン類はmg-TEQ で計算した結果を四捨五入しているためです 本文中の 内の数値は 特に断りがない限り 届出件数 排出量 移動量又はその増減の値や割合を示します 年度は 特に断りがない限り 把握年度を指します また 年度の表記は 文章中では原則として和暦を用い 元号を省略しています 例 : 平成 22 年度 22 年度 また 図表中では 平成 XX 年度 を HXX と省略している場合があります 例 : 平成 22 年度 H22-3 -

第 1 章 22 年度 PRTR 届出データの過年度比較 1 届出件数の推移図 1に届出件数の推移を示します 22 年度の届出件数は 36,491 件で 前年比 4.9% の減尐 15 年度と比べると11% の減尐となっています 22 年度は 政令改正に伴う医療業の追加 対象物質の変更に加え 東日本大震災の影響も考えられますが それらについては第 3 章で述べます 22 年度は 届出方法別で見ると電子届出が前年に引き続き増加し 初めて届出全体の5% を超えました また 22 年度把握 23 年度届出 では 二次元コード付き書面届出を作成できるPRTR 届出作成支援プログラムを事業者に配布したところ 書面届出中 45% と比較的高い利用率となりました 今後とも 電子届出の増加 PRTR 届出作成支援プログラムの活用が期待されます 図 2に届出件数上位 5 業種と上位 5 業種以外の合計の届出件数の推移を示します 燃料小売業と上位 5 業種以外の合計は 届出件数の減尐が目立ちます 上位 5 業種以外の合計の減尐は 自動車整備業の届出件数が15 年度に比べ3,472 件減尐したことが要因になっています 一方 下水道業や金属製品などでは 届出件数が1% 以上増加しています 届出件数 45, 4, 35, 3, 25, 2, 15, 1, 5, 35,37 24,919 22,41 18,756 27,236 23,661 2,995 16,655 1,267 1,193 1,18 794 671 567 1,563 16,451 17,995 19,269 11,647 2,517 14,841 17,687 18,941 3,56 H15 H16 H17 H18 H19 H2 H21 H22 書面による届出 磁気ディスクによる届出 電子届出 届出件数 2, 15, 1, 2,4 5, 2,2 2, 1,8 1,6 1,4 H15 H16 H17 H18 H19 H2 H21 H22 燃料小売業 上位 5 業種 以外の合計 化学工業 下水道業 金属製品 一般廃棄物処理業 図 1 届出方法別の届出件数の推移 図 2 上位業種の届出件数の推移 2 の推移図 3にの区分別の8 年間の推移を示します 22 年度の排出量 移動量合計は 381,で 15 年度と比べ147, 28% の減尐となっています このうち排出量は183, 移動量は198,で 初めて排出量が移動量を下回りました 15 年度と比べると 排出量が19, 37% 減尐に対して 移動量は38, 16% 減尐です 区分別では大気排出量の86,減尐が最大ですが 減尐率としては埋立処分量の71% 減尐が最大です しかし 前年の21 年度と比べると 排出量 移動量合計では32, 9.1% 増加しています 内訳は 排出量 6,8 3.9% 移動量 25, 14% といずれも増加となっています 増加の要因は 政令改正による医療業の追加と対象物質の増加が考えられます - 4 -

3, 2, 1, 下水道 廃棄物 埋 立 土 壌 水 域 大 気 H15 H16 H17 H18 H19 H2 H21 H22 H15 H16 H17 H18 H19 H2 H21 H22 排出量 移動量 H15とH22の比較 排出 移動の区分 H15 H16 H17 H18 H19 H2 H21 H22 差 増減率 [A] [B] [C]:[B]-[A] [C]/[A] 大気 251,915 234,562 227,45 218,547 211,391 18,569 155,797 165,82-86,94-34.2% 水域 12,647 11,243 1,749 1,125 9,918 9,5 8,56 8,749-3,899-3.8% 排出量 土壌 25 252 234 166 344 381 463 118-132 -52.8% 埋立 27,29 24,511 22,175 17,96 14,21 9,854 11,125 8,45-19,245-7.5% 合計 292,12 27,568 26,564 246,744 235,854 2,33 175,89 182,732-19,37-37.4% 廃棄物 232,691 225,644 226,199 221,771 218,922 197,356 171,774 196,386-36,35-15.6% 移動量 下水道 3,1 2,847 2,529 2,17 1,748 1,446 1,47 1,713-1,386-44.7% 合計 235,791 228,491 228,728 223,941 22,67 198,81 173,181 198,1-37,691-16.% 排出量 移動量合計 527,893 499,59 489,292 47,685 456,524 399,15 349,71 38,831-147,61-27.9% 図 3 の区分別の 8 年間の推移 322 年度 PRTR 届出データの過年度比較における注意点 22 年度 PRTR 届出データの過年度比較では 22 年度 PRTR 届出データから改正された政令が適用されていることに注意が必要です 従来の対象業種に医療業が追加され 対象物質が354 物質から462 物質に変更されています 表 1に政令改正前後の対象物質数を示します 表 1 政令改正前後の対象物質数 対象物質の分類 H21 以前 H22 継続物質 281 276 除外物質 73 追加物質 186 合 計 354 462 注 21 年度以前と22 年度で継続物質数が異なるのは 政令改正で集約された物質 分割された物質があるからです 詳細は 第 章用語 使用したデータ 数値の取扱いについて をご参照ください 図 4 に政令改正の影響を示します 除外物質の排出量 移動量合計は 12, で 21 年度の 排出量 移動量合計の 3.5% を占めています 一方 追加物質及び医療業の排出量 移動量合計 は 47, で 22 年度の排出量 移動量合計の 12% を占めています 22 年度 PRTR 届出データと過年度との 比較にあたり 追加物質 除外物質及び医療業を含ん だままでは PRTR 届出データの推移を正しくとらえられ ない可能性があります そこで 次章では政令改正の影 響を除いた 22 年度 PRTR 届出データの過年度比較をし ます - 5-5, 4, 3, 2, 1, H21 H22 除外物質 追加物質及び医療業の合計 継続物質 医療業除く 図 4 21 年度と 22 年度の排出量 移動量合計に占める政令改正の影響

第 2 章継続物質の22 年度 PRTR 届出データの過年度比較 医療業除く 22 年度 PRTR 届出データから改正された政令が適用されているため 過去のPRTR 届出データと対象物質及び対象業種が異なっています そのため PRTR 届出データの推移をより正しく理解するには 政令改正の影響を除いた比較を行う 条件を同じにする ことが重要です 本章の過年度比較では 継続物質だけを対象とし 医療業を除外することで 政令改正の影響を除いています 1 届出件数の推移図 5に届出件数の推移を示します 22 年度の届出件数は 35,446 件で 前年比 2.6% の減尐 15 年度と比べると5.% の減尐となりました この減尐率は第 1 章の全物質対象の場合 前年比 4.9% の減尐 15 年度比 11% の減尐 より尐ないので 継続物質については比較的変動が尐ない結果となっています 届出方法別で見ると 電子届出は15 年度の7.2% から年々増加し 22 年度は54% となり 第 1 章と同様に届出全体の5% を超えました 図 6に届出件数上位 5 業種と上位 5 業種以外の合計の届出件数の推移を示します 22 年度の上位業種は 8 年間を通じて全体の約半分を占めている燃料小売業を始め 化学工業 下水道業 一般廃棄物処理業 金属製品の順になっています 業種別の届出件数の推移について 上位 5 業種の届出件数は 第 1 章と同様の傾向です 一方 上位 5 業種以外の合計は第 1 章と比べて変動が尐ないのが特徴です この原因は 政令改正の影響を除くと 自動車整備業の届出件数は132 件の減尐であるのに対して 政令改正の影響を考慮した場合は3,472 件の減尐となっているからです 自動車整備業の届出は 政令改正前はエチレングリコール1 物質の場合が圧倒的であり 改正後 同物質が除外物質となったため 本章では第 1 章と異なる結果になっています 届出件数 45, 4, 35, 3, 25, 2, 15, 1, 5, 23,778 21,57 18,1 22,753 2,156 15,811 25,49 32,169 566 1,235 1,18 1,3 789 662 1,524 15,57 16,714 19,69 9,953 2,434 13,26 16,284 17,721 2,696 H15 H16 H17 H18 H19 H2 H21 H22 書面による届出 磁気ディスクによる届出 電子届出 届出件数 2, 15, 1, 5, 2,4 2,2 2, 1,8 1,6 1,4 H15 H16 H17 H18 H19 H2 H21 H22 燃料小売業 上位 5 業種 以外の合計 化学工業 下水道業 一般廃棄物処理業 金属製品 図 5 届出方法別の届出件数の推移 医療業を除く継続物質のみ 図 6 上位業種の届出件数の推移 医療業を除く継続物質のみ - 6 -

2 の推移図 7にの区分別の8 年間の推移を示します 22 年度の排出量 移動量合計は 334,で 15 年度と比べ173, 34% の減尐となっています この減尐量及び減尐率は第 1 章の全物質対象の場合 147,28% の減尐 より大きくなっています 継続物質の排出量 移動量合計は毎年減尐を続けているにもかかわらず 全物質対象の場合において前年の21 年度と比べて増加している理由は 政令改正の影響によるものです 22 年度の排出量合計は164, 移動量合計は17,です 排出量は8 年間毎年減尐を続け 今年度初めて排出量が移動量を下回りました 15 年度と比べると 排出量が124, 43% 減尐に対して 移動量は48, 22% 減尐です 区分別では大気排出量の12,減尐が最大ですが 減尐率としては埋立処分量の71% 減尐が最大です で各々最も量の多い大気排出量と廃棄物移動量について見ると 大気排出量は8 年間毎年連続して減尐しています 国 地方自治体 業界団体による揮発性有機化合物 VOC 排出量削減の取り組みの対象になっていることから その成果も反映されているものと考えられます 一方 廃棄物移動量は15~19 年度の間は微減又はほぼ一定の量ですが 2 年度から大きく減尐し 22 年度は前年に比べ若干増加しました この結果は 2 年度に始まった世界的な金融危機の影響を受けた経済情勢とその回復過程を反映しているものと推定されます 3, 2, 1, 下水道 廃棄物 埋 立 土 壌 水 域 大 気 H15 H16 H17 H18 H19 H2 H21 H22 H15 H16 H17 H18 H19 H2 H21 H22 排出量 移動量 H15とH22の比較 排出 移動の区分 H15 H16 H17 H18 H19 H2 H21 H22 差 増減率 [A] [B] [C]:[B]-[A] [C]/[A] 大気 249,24 232,325 225,377 216,618 29,579 178,882 154,39 147,497-11,743-4.8% 水域 11,489 1,186 9,841 9,427 9,291 8,897 7,981 8,287-3,23-27.9% 排出量 土壌 7 4 4 27 11 153 128 18 1 1345.4% 埋立 27,29 24,511 22,175 17,96 14,21 9,854 11,125 8,34-19,256-7.6% 合計 288,27 267,26 257,396 243,977 233,181 197,787 173,623 163,925-124,12-43.1% 廃棄物 216,146 29,914 213,575 28,728 26,99 185,922 162,47 169,138-47,7-21.7% 移動量 下水道 2,686 2,46 2,176 1,87 1,442 1,24 1,174 1,21-1,485-55.3% 合計 218,832 212,375 215,752 21,598 27,541 187,126 163,221 17,339-48,493-22.2% 排出量 移動量合計 56,858 479,41 473,148 454,576 44,722 384,913 336,845 334,264-172,594-34.1% 図 7 の区分別の 8 年間の推移 医療業を除く継続物質のみ - 7 -

第 3 章特集 1 政令改正による届出への影響について政令が平成 2 年 11 月に改正され PRTR 届出の対象物質は354 物質から462 物質に変更になり 対象業種は従来の23 業種に医療業が追加されました これらの変更は 22 年度把握 23 年度届出 PRTR 届出データから反映されているため 次の2 点について解析をすることとしました 対象物質の変更及び医療業の追加が届出に与える影響 追加物質の特徴以下 1と2では 政令改正に伴う対象物質及び対象業種の変更による届出への影響を分析するため 改正前後の21 年度と22 年度のPRTR 届出データを比較し 政令改正が届出件数 に与える影響を考察し 3では 22 年度に届出があった追加物質の特徴について考察します 1 政令改正による届出件数への影響政令改正による届出件数への影響は 以下の3つに分類できます 追加物質だけを届出している事業所 以下 追加物質事業所 という による届出件数の増加 医療業だけを営んでいる事業所による届出件数の増加 除外物質だけを届出している事業所 以下 除外物質事業所 という による届出件数の減尐 表 2 政令改正の影響を受ける 21 年度及び 22 年度の届出件数 事業所の分類 H21 [A] H22 [B] 追加物質事業所 医療業除く 983 983 医療業だけを営んでいる事業所 62 62 除外物質事業所 1,975-1,975 継続物質を届出している事業所 医療業除く 届出件数 H21 と H22 の差 [B]-[A] 36,393 35,446-947 全事業所合計 38,368 36,491-1,877-93 件 医療業の事業所は全て 医療業だけを営んでいる事業所 に分類しているため 除いています 表 2に政令改正の影響を受ける21 年度及び22 年度の届出件数を示します 22 年度は21 年度と比べ 全事業所合計の届出件数が1,877 件減尐していますが 前述の3つの影響により届出件数が93 件減尐しているので 全事業所合計の届出件数の減尐のおよそ半分は政令改正の影響となっています また 対象物質の追加と医療業の追加のどちらが政令改正による届出件数への影響に寄与しているかを比べると 追加物質事業所 医療業除く の届出件数は983 件で 医療業だけを営んでいる事業所の届出件数 62 件の16 倍となり 明らかに対象物質の追加の方が 医療業の追加より 政令改正による届出件数への影響に大きく寄与していることがわかります 次に 対象物質の変更による影響の詳細を見るため 追加物質事業所 医療業除く 及び除外物質事業所の上位業種を以下に示します - 8 -

1 追加物質事業所 医療業除く の届出件数上位 5 業種図 8に22 年度の追加物質事業所 医療業除く の届出件数上位 5 業種を示します 上位 5 業種の追加物質事業所から届け出られている追加物質は 食料品と電気業ではメチルナフタレン 電気機械器具と化学工業では塩化第二鉄 金属製品では1-ブロモプロパンが最も多くなっています 2 除外物質事業所の届出件数上位 5 業種図 9に21 年度の除外物質事業所の届出件数上位 5 業種を示します 自動車整備業の届出件数は1,632 件で 除外物質事業所の全届出件数の83% を占めています なお 自動車整備業から届け出られている除外物質は 全てエチレングリコールです このため エチレングリコールが対象物質から外れたことによる自動車整備業の届出件数の減尐が 全事業所合計の届出件数の減尐の要因になっていることがわかります 食料品 137 化学工業 鉄道業 23 その他の業種 15 電気業 37 その他の業種 118 電気機械器具 455 電気機械器具 4 13 自動車整備業 金属製品 化学工業 12 自動車卸売業 93 1632 68 図 8 追加物質事業所 医療業除く の 22 年度の届出件数上位 5 業種 図 9 除外物質事業所の 21 年度の届出件数上位 5 業種 2 政令改正によるへの影響 政令改正によるへの影響は 以下の 3 つに分類できます 追加物質によるの増加 医療業が届け出ている対象物質によるの増加 除外物質によるの減尐 表 3 政令改正の影響を受ける 21 年度及び 22 年度の排出量 移動量合計 物質の分類 排出量 移動量合計 H21 [A] 追加物質 医療業除く 46,53 46,53 医療業が届け出ている対象物質 64 64 除外物質 12,226-12,226 継続物質 医療業除く 336,845 334,264-2,581 全事業所合計 349,71 38,831 31,761 H22 [B] H21 と H22 の差 [B]-[A] +34,341 医療業が届け出ている対象物質は全て 医療業が届け出ている対象物質 に分類しているため 除いています - 9 -

表 3に政令改正の影響を受ける21 年度及び22 年度の排出量 移動量合計を示します 22 年度は21 年度と比べ 全物質合計の排出量 移動量合計が32,増加していますが 前述の3つの影響により排出量 移動量合計が34,増加しているので 全物質合計の排出量 移動量合計が増加したのは政令改正の影響によるものです また 対象物質の追加と医療業の追加のどちらが政令改正によるへの影響に寄与しているかを比べると 22 年度の追加物質 医療業除く の排出量 移動量合計は47,で 医療業の届出物質の排出量 移動量合計 64 の72 倍となり 明らかに対象物質の追加の方が 医療業の追加より 政令改正によるへの影響に大きく寄与していることがわかります 次に 対象物質の変更による影響の詳細を見るため 追加物質 医療業除く の上位物質 上位業種 上位都道府県及び除外物質の上位物質を以下に示します 1 追加物質 医療業除く A. 排出量 移動量合計上位 5 物質図 1に22 年度の追加物質 医療業除く の排出量 移動量合計上位 5 物質を示します 上位物質の中でも ノルマル-ヘキサンと塩化第二鉄の排出量 移動量合計が多く 2 物質の合計は 3,と全追加物質の排出量 移動量合計の65% を占めています また 塩化第二鉄とN,N -ジメチルアセトアミドは 排出量 移動量合計の8% 以上が廃棄物移動量です これら上位 5 物質の特徴は 32 追加物質の排出量 移動量合計上位 5 物質の特徴 で述べます 2, 15, 1, 5, ノルマル - ヘキサン塩化第二鉄 N,N- ジメチル アセトアミド 1,2,4- トリメチルベンゼン 1- ブロモプロパンその他の合計 1% 8% 6% 4% 2% % 移動量排出量排出量移動量累積割合 図 1 追加物質 医療業除く の 22 年度の排出量 移動量合計上位 5 物質 B. 排出量 移動量合計上位 5 業種図 11に22 年度の追加物質 医療業除く の排出量 移動量合計上位 5 業種を示します 上位 5 業種の排出量 移動量合計に占める排出量の割合 排出量比率 を見ると 特に食料品 当該業種内排出量比率 98% 輸送用機械器具 同 83% が高くなっています この要因は これら業種では揮発性が高いため 大気排出量も多いノルマル-ヘキサン 1,2,4-トリメチルベンゼンを大量使用する事業所が多いためと考えられます - 1 -

2, 1% 15, 1, 5, 化学工業 電気機械器具 金属製品食料品輸送用機械器具 その他の合計 8% 6% 4% 2% % 移動量排出量排出量移動量累積割合 図 11 追加物質 医療業除く の 22 年度の排出量 移動量合計上位 5 業種 C. 排出量 移動量合計上位 5 都道府県図 12に22 年度の追加物質 医療業除く の排出量 移動量合計上位 5 都道府県を示します 上位 5 県の排出量 移動量合計に占める排出量の割合 排出量比率 を見ると 千葉県 当該県内排出量比率 65% 茨城県 同 56% 愛知県 同 49% が多くなっています この要因は 前述したノルマル-ヘキサン 1,2,4-トリメチルベンゼンを大量に使用する石油化学産業が千葉県 茨城県では盛んなこと また同様にこれらの物質を大量に使用する自動車関連産業が愛知県では盛んなことによると考えられます 5, 4.% 4, 3, 2, 1, 兵庫県茨城県愛知県千葉県滋賀県 35.% 3.% 25.% 2.% 15.% 1.% 5.%.% 移動量排出量排出量移動量累積割合 図 12 追加物質 医療業除く の 22 年度の排出量 移動量合計上位 5 都道府県 2 除外物質の排出量 移動量合計上位 5 物質図 13に21 年度の除外物質の排出量 移動量合計上位 5 物質を示します 排出量 移動量及び排出量 移動量合計の全てでエチレングリコールが1 位になっています エチレングリコールの排出量 移動量合計は8,4で 除外物質の排出量 移動量合計の69% を占めています 1, 8, 6, 4, 2, エチレン グリコール ビスフェノール A 型 エポキシ樹脂 クロロエタン バリウム及び その水溶性化合物 テトラフル オロエチレン その他の合計 1% 8% 6% 4% 2% % 移動量排出量排出量移動量累積割合 図 13 除外物質の 21 年度の排出量 移動量合計上位 5 物質 - 11 -

3 追加物質のの特徴 1 では の区分のうち それぞれ最も量の多い大気排出量及び廃棄物移動量に着目して 上位に入った追加物質を考察し 2 では 22 年度に届出された追加物質のうち 排出量 移動量合計の上位に入った物質に着目して特徴を考察します 1 大気排出量又は廃棄物移動量の上位 5 物質中の追加物質 A. 大気排出量上位 5 物質 22 年度の大気排出量上位 5 物質は トルエン キシレン エチルベンゼン 塩化メチレン ノルマル-ヘキサンとなっています このうち上位 4 物質は21 年度の順位と同じですが 22 年度は5 位に追加物質のノルマル-ヘキサンが入りました ノルマル-ヘキサンの大気排出量は13,で 全物質の大気排出量の7.6% を占めています この物質は揮発性が高く 反応溶媒 抽出溶剤 洗浄溶剤等として幅広い用途で大量に使用されているため 上位 5 物質に入ったと考えられます B. 廃棄物移動量上位 5 物質 22 年度の廃棄物移動量上位 5 物質は トルエン マンガン及びその化合物 塩化第二鉄 クロム及び三価クロム化合物 キシレンとなっています このうち上位 2 物質は21 年度と同じ順位ですが 22 年度は新たに3 位に追加物質の塩化第二鉄が入りました このため 21 年度 3 位であったクロム及び三価クロム化合物は4 位に 4 位であったキシレンは5 位となっています 塩化第二鉄の廃棄物移動量は12,で 全物質の廃棄物移動量の6.1% を占めています この物質は安価で取扱が容易なことから金属の腐食加工用途等を中心に多用されているため 上位 5 物質に入ったと考えられます これら追加物質の特徴については 2 追加物質の排出量 移動量合計上位 5 物質の特徴 で詳しく述べます 大気排出量 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1, 廃棄物移動量 12, 1, 8, 6, 4, 2, トルエンキシレンエチル ベンゼン 塩化 メチレン ノルマル - ヘキサン その他 の合計 トルエン マンガン 塩化第二鉄クロム及び 及びその 三価クロム 化合物 化合物 キシレン その他 の合計 図 14 大気排出量上位 5 物質 図 15 廃棄物移動量上位 5 物質 - 12 -

2 追加物質の排出量 移動量合計上位 5 物質の特徴 A. ノルマル-ヘキサン図 16に22 年度におけるノルマル-ヘキサンの排出量 移動量合計上位 5 業種を示します 排出量 移動量合計は18,で このうち71% を占める排出量は ほぼ1% が大気排出量です 残りの29% を占める移動量は ほぼ1% が廃棄物移動量です ノルマル-ヘキサンは 化学物質中 最も極性の小さい飽和炭化水素 アルカン に属し その中では沸点 69 と比較的取扱いしやすい揮発性に優れた液体です 極性が低いため親油性物質の溶剤として多くの業種において使用され またガソリンや接着剤等に含まれており 主に大気へ排出されます 上位 2 業種のうち 化学工業では 化学品の合成 ポリマーの重合などの溶媒や抽出等の溶剤として主に使われており 食料品においては 食用油等の抽出溶剤として使われています 使用されるノルマル-ヘキサンの大部分は回収し再利用されますが 一部は 取扱い時や 脱溶剤工程等の分離や回収の際などに大気へ排出されます 化学工業においては 使用したノルマル-ヘキサンの一部を主に廃油として事業所外に移動し 焼却処理等を行っています 燃料小売業 石油製品 石炭製品 石油卸売業では 主にガソリン等石油製品のタンクへの搬入 出荷 給油等の取扱い時に ノルマル-ヘキサンが大気へ排出されます このため これらの事業所の大部分において 同じようにガソリンに含まれるトルエン キシレン等の成分も大気へ排出されています 上位 5 業種の排出量 移動量合計は16,で ノルマル-ヘキサンの排出量 移動量合計の 92% を占めています 12, 1, 8, 6, 4, 2, 化学工業食料品燃料小売業石油製品 石炭製品 石油卸売業 その他の合計 1% 9% 8% 7% 6% 5% 4% 3% 2% 1% % 排出量移動量排出量移動量累積割合 図 16 ノルマル - ヘキサンの 22 年度の排出量 移動量合計上位 5 業種 - 13 -

B. 塩化第二鉄図 17に22 年度における塩化第二鉄の排出量 移動量合計上位 5 業種を示します 排出量 移動量合計は 12,であり そのうちほぼ全量が廃棄物移動量となっています 塩化第二鉄は黒 ~ 茶色の結晶で 強い酸化作用を持ち 非常に水に溶けやすい物質であり 工業的には酸性水溶液として使用されています 銅等の金属と容易に反応する特性を有することから金属の腐食加工 エッチング に多用され また水中では金属水酸化物のコロイドとなる特性を有し水中に存在する微細粒子を凝集沈殿させることから廃水処理に大量に使用されています 電気機械器具では 主に電子用プリント基板の銅箔を塩化第二鉄液でエッチングする工程に使用されています エッチングに伴って生成する塩化第二銅は 対象物質の銅水溶性塩に該当するため 電気機械器具で銅水溶性塩を届出している122 事業所のうち 64 事業所 52% は塩化第二鉄も届け出ています 金属製品では 鉄 ステンレス等の洗浄剤として 化学工業では酸化剤 触媒として使用されています 塩化第二鉄液自体が金属類の洗浄に使用される他に 鉄 ステンレス等の酸洗浄 エッチングで塩酸を用いた場合に塩化第二鉄が生成するため 金属製品の移動量のうち廃棄物の種類で廃酸を選択している廃棄物移動量は99% を占めています この他 非常に多くの業種において 廃水処理のための凝集剤として使用されています 廃水処理は 塩化第二鉄液を消石灰等で中和 反応させて凝集沈殿させる方式を用いているため 工程後は対象物質に該当しない水酸化第二鉄に変化し 塩化第二鉄のはゼロになります 塩化第二鉄を届出している95 事業所のうち 779 事業所 82% は 塩化第二鉄の廃棄物移動量が.kgです 上位 3 業種の排出量 移動量合計は11,で 塩化第二鉄の排出量 移動量合計の91% を占めています 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1, 電気機械器具 金属製品 化学工業下水道業非鉄金属 その他の合計 1% 9% 8% 7% 6% 5% 4% 3% 2% 1% % 排出量移動量排出量移動量累積割合 図 17 塩化第二鉄の 22 年度の排出量 移動量合計上位 5 業種 - 14 -

C. N,N-ジメチルアセトアミド図 18に22 年度におけるN,N-ジメチルアセトアミドの排出量 移動量合計上位 5 業種を示します 排出量 移動量合計は3,6で このうち排出量は15% 移動量は85% を占めています 排出量の76% は大気排出量 24% は水域排出量です 移動量の97% は廃棄物移動量です N,N-ジメチルアセトアミドは 比較的沸点が高く 種々の有機溶剤や水ともよく混和する極性の高い液体で 対象物質のN,N-ジメチルホルムアミドとよく似た性質 用途をもっています 水によく溶け 沸点が高いという性質から 移動量が排出量より多くなっていると推定されます N,N-ジメチルホルムアミドと同様に いろいろな物質をよく溶かし 溶剤として幅広く使用され 医薬品を含む化学工業では 溶剤や反応溶媒として 精密機械器具に区分される医療用機械器具 医療用品では 親水性基をもつ高分子化合物の溶剤として使用されています 上位 3 業種の排出量 移動量合計は3,4で N,N-ジメチルアセトアミドの排出量 移動量合計の93% を占めています 2,5 2, 1,5 1, 5 化学工業 精密機械 器具 電気機械 器具 プラスチック 製品 食料品 その他の合計 1% 9% 8% 7% 6% 5% 4% 3% 2% 1% % 排出量移動量排出量移動量累積割合 図 18 N,N- ジメチルアセトアミドの 22 年度の排出量 移動量合計上位 5 業種 - 15 -

D. 1,2,4-トリメチルベンゼン図 19に22 年度における1,2,4-トリメチルベンゼンの排出量 移動量合計上位 5 業種を示します 排出量 移動量合計は 3,で このうち81% を占める排出量は ほぼ1% 大気排出です 残りの19% を占める移動量は 99% が廃棄物移動量で 主に廃棄物の種類で廃油が選択されています 1,2,4-トリメチルベンゼンは トルエンやキシレンと同様 アルキル化ベンゼンの一種であり その性質 用途はこれらの物質とよく似ています このため 化学工業では化学品製造時の原料や溶剤として使用され 輸送用機械器具 電気機械器具 金属製品 非鉄金属などでは 使用する塗料中の溶剤や機械洗浄用溶剤等に含まれており 取扱い時や乾燥時などに大気に排出されると推定されます また 1,2,4-トリメチルベンゼンは ガソリンや灯油にも含まれており 取扱いや燃焼時に大気に排出されます 上位 5 業種の排出量 移動量合計は2,3で 1,2,4-トリメチルベンゼンの排出量 移動量合計の78% を占めています また これら5 業種のうち 化学工業を除く4 業種の379 事業所のうち 346 事業所 91% は 塗料の溶剤として代表的なキシレンの届出もしています 1,2 1, 8 6 4 2 輸送用機械器具 化学工業 電気機械器具 金属製品 非鉄金属 その他の合計 1% 9% 8% 7% 6% 5% 4% 3% 2% 1% % 排出量移動量排出量移動量累積割合 図 19 1,2,4- トリメチルベンゼンの 22 年度の排出量 移動量合計上位 5 業種 - 16 -

E. 1-ブロモプロパン図 2に22 年度における1-ブロモプロパンの排出量 移動量合計上位 5 業種を示します 排出量 移動量合計は1,3で このうち排出量が88% を占め ほぼ全量が大気排出量です 移動量は12% で 全量が廃棄物移動量となっています 1-ブロモプロパンは 沸点 73 で 引火性も低く 取扱いの容易な液体です フロン類 塩素系溶剤が問題となる中 高い脱脂力と速乾性をもつことから これらに代替する洗浄溶剤として工業的に広く用いられています 輸送用機械器具 電気機械器具及び金属製品の上位 3 業種における主な用途として 半導体部品や金属成型部品の脱脂洗浄 金属部品の塗装前洗浄等があげられます 上位 5 業種の排出量 移動量合計は94で 1-ブロモプロパンの排出量 移動量合計の 73% を占めています 4 35 3 25 2 15 1 5 輸送用機械器具 電気機械器具 金属製品 一般機械器具 精密機械器具 その他の合計 1% 9% 8% 7% 6% 5% 4% 3% 2% 1% % 排出量移動量排出量移動量累積割合 図 2 1- ブロモプロパンの 22 年度の排出量 移動量合計上位 5 業種 - 17 -

2 東日本大震災による届出への影響について 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は 22 年度 PRTR 届出データの届出数及び排出 量 移動量に影響を及ぼしたと考えられます これらの影響について 東日本大震災の影響が 大きいと考えられる特定被災区域を含む県とそれ以外の県の届出状況の推移の比較から解析 をしました 21 年度に届出があった事業所が 22 年度に届出している割合及びそれらの事業所の 21 年度と 22 年度の排出量 移動量合計の割合を都道府県別に集計し 特定被災区域を含む県 以下 被災県 という とその他の都道府県を比較します 政令改正に伴う除外物質や追加物質の 影響を避けるため 継続物質を対象とし 政令改正で対象業種に追加された医療業も除いてい ます 届出件数の都道府県別増減 率を図 21 に示します 増減率は 被災県が -8.3% その他の都道 府県が -7.% 全国平均が -7.2% になっています その他の 都道府県に比べて 被災県の届 出が若干減尐しています 被災 県の中で届出件数増減率が被災 県の平均以下であった県は 福島県 届出件数増減率 -14% 岩手県 同 -11% 宮城県 同 -1% 青森県 同 -8.9% です これは 原子力災害特別措置法 の規定に基づき設定された 警戒区域 又はその周辺の 計画的避難区域 に事業所が所在して元の場所に戻れない事業 所や津波の被害にあった事業所が多かったためではないかと考えられます 排出量 移動量合計の都道府県 別増減率を図 22 に示します 増減 率は 被災県が -3.8% その他の 都道府県が -1.5% 全国平均が -1.9% になっています 被災県のう ち 青森県 排出量 移動量合計増 減率 -29% 宮城県 同 -13% 福 島県 同 -12% 茨城県 同 -5.6% は減尐し 千葉県 同 4.2% 岩手県 同.24% は増加しています 青森県は大きく減尐していま すが 1 事業所の移動量が大きく減尐したことによるものです このように 都道府県別の排出 量 移動量合計の増減は 排出量 移動量合計の大きな事業所の事業活動の変動等の要因に 大きく左右されることがあり 東日本大震災の 22 年度の排出量 移動量合計への影響は明確に 見積もることができませんでした.% -2.% -4.% -6.% -8.% -1.% -12.% -14.% -16.% 青森県岩手県宮城県福島県茨城県栃木県千葉県 被災県 合計 図 21 届出件数の都道府県別増減率 その他 の合計 増減率 -8.9% -1.7% -1.4% -13.8% -6.1% -5.% -5.3% -8.3% -7.% -7.2% 1.% 5.%.% -5.% -1.% -15.% -2.% -25.% -3.% -35.% 青森県岩手県宮城県福島県茨城県栃木県千葉県 被災県 合計 図 22 排出量 移動量合計の都道府県別増減率 その他 の合計 増減率 -29.1%.24% -12.8% -11.8% -5.6% -.76% 4.2% -3.8% -1.5% -1.9% 全国 全国 - 18 -

第 4 章まとめ第 1 章で過去 8 年間のPRTR 届出データを解析したところ 平成 15 年度把握から平成 21 年度把握までは排出量 移動量合計は減尐しているものの 平成 22 年度把握は前年度と比べて 排出量 移動量合計は32, 9.1% 増加しています しかしながら 第 2 章で追加物質 除外物質及び医療業を除いて解析したところ 排出量 移動量合計は毎年減尐を続けていたため 平成 22 年度把握で前年度と比べ排出量 移動量合計が増加したのは 政令改正の影響によるものです 第 3 章 1 では政令改正の影響を解析したところ 平成 22 年度把握の届出件数の減尐のおよそ半分が政令改正の影響によるものであることがわかり その大きな要因は エチレングリコールが対象物質から外れたことにより自動車整備業の届出件数が減尐したことと考えられます 更に 届出件数や排出量 移動量合計に 政令改正のうち対象物質の追加と医療業の追加のどちらが大きく影響したかをみると 対象物質の追加の方が医療業の追加より寄与し 届出件数は16 倍も大きく 排出量 移動量合計は72 倍も大きいことがわかりました 第 3 章 2 では東日本大震災による影響を解析したところ 被災県の一部で届出件数の減尐が若干見られたものの 平成 22 年度把握の届出データからは 排出量 移動量合計への影響は明確に見積もることができませんでした 本報告書では 焦点を絞って解析したため 従来の報告書よりも内容が限定されています より詳細な解析結果については 今後取りまとめる本編の 平成 22 年度 PRTR 届出データの過年度との比較報告書 を参照して頂ければ幸いです なお NITEでは 今後も引き続きPRTR 届出データの動向を把握し 化学物質の適切な管理に貢献していきたいと考えています 平成 24 年 3 月 独立行政法人製品評価技術基盤機構化学物質管理センター < 本資料に関する問合わせ先 > 独立行政法人製品評価技術基盤機構 NITE 化学物質管理センターリスク管理課 Tel:3-3481-1967 Fax:3-3481-1959 E-mail:safe@nite.go.jp URL:http://www.prtr.nite.go.jp/ - 19 -