平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会

Similar documents
平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

令和元年 5 月 30 日判決言渡 平成 30 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 31 年 4 月 23 日 判 決 原告ジー エス エフ ケー シー ピー株式会社 被告ケーシーピーヘビーインダスト リーズカンパニーリミテッド 訴訟代理人弁護士 小 林 幸 夫

(1) 本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団である控訴人が, 被控訴人が企画, 編集した本件雑誌中に掲載された本件各記事において WDSC の表示を一審被告 A( 以下, 一審被告 A という )

事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は, 原判決別紙被告方法目録記載のサービスを実施してはならない 3 被控訴人は, 前項のサービスのために用いる電話番号使用状況調査用コンピュータ及び電話番号使用状況履歴データが記録された記録媒体 ( マスター記録媒体及びマスター記録

2 被控訴人らは, 控訴人に対し, 連帯して,1000 万円及びこれに対する平成 27 年 9 月 12 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要 ( 以下, 略称及び略称の意味は, 特に断らない限り, 原判決に従う ) 1 本件は, 本件意匠の意匠権者である控訴人が

最高裁○○第000100号

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

情報の開示を求める事案である 1 前提となる事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) 当事者 ア原告は, 国内及び海外向けのモバイルゲームサービスの提供等を業とす る株式会社である ( 甲 1の2) イ被告は, 電気通信事業を営む株式会社である

被告に対し, 著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償として損害額の内金 800 万円及びこれに対する不法行為の後の日又は不法行為の日である平成 26 年 1 月 日から支払済みまで年 % の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である 1 判断の基礎となる事実 ( 当事者間に争いのない事実又は後掲の各

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

第 1 控訴の趣旨 控訴人は, 原判決取消しとともに, 被控訴人らの請求をいずれも棄却する判決を 求めた 第 2 事案の概要 被控訴人らは日本舞踊の普及等の事業活動をしている 控訴人はその事業活動に 一般社団法人花柳流花柳会 の名称 ( 控訴人名称 ) を使用している 被控訴人ら は, 花柳流 及び

平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

算税賦課決定 (5) 平成 20 年 1 月 1 日から同年 3 月 31 日までの課税期間分の消費税及び地方消費税の更正のうち還付消費税額 6736 万 8671 円を下回る部分及び還付地方消費税額 1684 万 2167 円を下回る部分並びに過少申告加算税賦課決定 (6) 平成 20 年 4 月

最高裁○○第000100号

次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

平成 29 年 2 月 20 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 2 月 7 日 判 決 原 告 マイクロソフトコーポレーション 同訴訟代理人弁護士 村 本 武 志 同 櫛 田 博 之 被 告 P1 主 文

平成 28 年 4 月 21 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 2 月 25 日 判 決 原告株式会社 C A 同訴訟代理人弁護士 竹 村 公 利 佐 藤 裕 紀 岡 本 順 一 石 塚 司 塚 松 卓

指定商品とする書換登録がされたものである ( 甲 15,17) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 21 年 4 月 21 日, 本件商標がその指定商品について, 継続して3 年以上日本国内において商標権者, 専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないことをもって, 不使用に

主 文 1 本件控訴をいずれも棄却する 2 控訴費用は, 控訴人らの負担とする 事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人 P3 及び被控訴人会社は, 大阪府内, 兵庫県内, 京都府内, 滋賀県内及び和歌山県内において, 千鳥屋という名称を使用して菓子類を販売してはならない

1 本件は, 別紙 2 著作物目録記載の映画の著作物 ( 以下 本件著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 以下 本件投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイト FC2 動画 ( 以下 本件サイト という )

応して 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 後述する本件各動画の番号に対応して, 本件投稿者 1 などといい, 併せて 本件各投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェ

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

21855F41214EA DB3000CCBA

ない 4 訴訟費用は, 第 1,2 審とも被控訴人の負担とする 第 2 事案の概要 1 事案の要旨本件は, 原判決別紙 商標権目録 記載の商標権を有する控訴人が, 被控訴人に対し, 被控訴人が原判決別紙 被告標章目録 記載の標章をインターネットホームページのサイトで使用する行為が, 控訴人の商標権を

平成 28 年 4 月 28 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償等請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 3 月 22 日 判 決 原 告 A 同訴訟代理人弁護士 松 村 光 晃 中 村 秀 一 屋 宮 昇 太 被告株式会社朝日新聞社 同訴訟代

被告は,A 大学 C 学部英語専攻の学生である (2) 本件投稿等被告は, 大学 2 年生として受講していた平成 26 年 4 月 14 日の 言語学の基礎 の初回講義 ( 以下 本件講義 という ) において, 原告が 阪神タイガースがリーグ優勝した場合は, 恩赦を発令する また日本シリーズを制覇

事実及び理由控訴人補助参加人を 参加人 といい, 控訴人と併せて 控訴人ら と呼称し, 被控訴人キイワ産業株式会社を 被控訴人キイワ, 被控訴人株式会社サンワードを 被控訴人サンワード といい, 併せて 被控訴人ら と呼称する 用語の略称及び略称の意味は, 本判決で付するもののほか, 原判決に従う

同訴訟代理人弁護士同同同同同同同同同同同 三好徹石田央子津田直和井川真由美鶴﨑有一石井修平山崎哲内田尚成前田香織本田雄巳黒木義隆籔之内千賀子 主文 1 控訴人の本件控訴を棄却する 2(1) 被控訴人の附帯控訴に基づき 原判決主文 1 2 項を次のとおり変更する (2) 控訴人は 被控訴人に対し 78

平成 25 年 3 月 25 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 2 月 25 日 判 決 原 告 株式会社ノバレーゼ 訴訟代理人弁理士 橘 和 之 被 告 常磐興産株式会社 訴訟代理人弁護士 工 藤 舜 達 同 前 川 紀 光

平成 23 年 10 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 9 月 29 日 判 決 原 告 X 同訴訟代理人弁護士 佐 藤 興 治 郎 金 成 有 祐 被 告 Y 同訴訟代理人弁理士 須 田 篤

1 前提となる事実等 ( 証拠の摘示のない事実は, 争いのない事実又は弁論の全趣旨から容易に認められる事実である ) (1) 当事者原告は, X1 の名称を使用してウエブサイトの制作請負を行っている者であり, 被告は, 不動産業を主な業務としている特例有限会社である (2) 原告によるプログラムの制

平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

(イ係)

平成23年12月17日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

に表現したものということはできない イ原告キャッチフレーズ1は, 音楽を聞くように英語を聞き流すだけ/ 英語がどんどん好きになる というものであり,17 文字の第 1 文と12 文字の第 2 文からなるものであるが, いずれもありふれた言葉の組合せであり, それぞれの文章を単独で見ても,2 文の組合

2 被控訴人は, 別紙標章目録記載の標章を付した薬剤を販売してはならない 3 被控訴人は, 前項記載の薬剤を廃棄せよ 第 2 事案の概要 1 事案の要旨本件は, PITAVA の標準文字からなる商標( 以下 本件商標 という ) の商標権者である控訴人が, 別紙標章目録記載の標章 ( 以下 被告標章

2 控訴費用は, 控訴人らの負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人株式会社バイオセレンタック, 同 Y1 及び同 Y2は, 控訴人コスメディ製薬株式会社に対し, 各自 2200 万円及びこれに対する平成 27 年 12 月 1 日から支払済みまで年 5 分の割

並びにそのコンサルタント業務等を営む株式会社である ⑵ 株式会社 CAは, 別紙著作物目録記載 1ないし3の映像作品 ( 以下 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の製作に発意と責任を有する映画製作者 ( 著作権法 2 条 1 項 号 ) であるところ, 本件各著作物の著

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

4 年 7 月 31 日に登録出願され, 第 42 類 電子計算機のプログラムの設計 作成 又は保守 ( 以下 本件役務 という ) を含む商標登録原簿に記載の役務を指定役 務として, 平成 9 年 5 月 9 日に設定登録されたものである ( 甲 1,2) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平

である旨の証券取引等監視委員会の指導を受け, 過年度の会計処理の訂正をした 本件は, 本件事業年度の法人税について, 控訴人が, 上記のとおり, その前提とした会計処理を訂正したことにより, 同年度の法人税の確定申告 ( 以下 本件確定申告 という ) に係る確定申告書の提出により納付すべき税額が過

第 2 事案の概要本件は, 原告が, 被告に対し, 氏名不詳者が被告の提供するインターネット接続サービスを利用して, インターネット上の動画共有サイトに原告が著作権を有する動画のデータをアップロードした行為により原告の公衆送信権 ( 著作権法 23 条 1 項 ) が侵害されたと主張して, 特定電気

8FDEC4DDAFB890A249256E BC

原告が著作権を有し又はその肖像が写った写真を複製するなどして不特定多数に送信したものであるから, 同行為により原告の著作権 ( 複製権及び公衆送信権 ) 及び肖像権が侵害されたことは明らかであると主張して, 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 ( 以下 プ ロ

平成 30 年 6 月 15 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 5939 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 5 月 9 日 判 決 5 当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり 主 文 1 被告は, 別紙対象目録の 原告 欄記載の各原告に対し,

31 日にした審決を取り消す 2 訴訟費用は被告の負担とする 第 1 原告の求めた裁判 主文同旨 事実及び理由 第 2 事案の概要 本件は, 商標登録を無効とした審決の取消訴訟である 争点は, 商標法 4 条 1 項 10 号該当性 ( 引用商標の周知性の有無 ) である 1 特許庁における手続の経

4 処分行政庁が平成 25 年 3 月 5 日付けでした控訴人に対する平成 20 年 10 月 1 日から平成 21 年 9 月 30 日までの事業年度の法人税の再更正処分のうち翌期へ繰り越す欠損金 4 億 万 6054 円を下回る部分を取り消す 5 処分行政庁が平成 25 年 3 月

旨の申告 ( 以下 本件申告 という ) をしたところ, 処分行政庁から, 本件不動産取得税を還付しない旨の処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 処分行政庁が所属する東京都を被告として, 本件処分の取消しを求める事案である 原判決は, 控訴人の請求を棄却したので, これを不服とする控

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

原判決は, 控訴人ら及び C の請求をいずれも棄却したので, 控訴人らがこれを不服として控訴した 2 本件における前提事実, 関係法令の定め, 争点及びこれに対する当事者の主張は, 後記 3 のとおり, 原判決を補正し, 後記 4 のとおり, 当審における当事者の主張 を付加するほかは, 原判決 事

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

 

淡路町知財研究会 (松宮ゼミ)

第 2 事案の概要本件は, レコード製作会社である原告らが, 自らの製作に係るレコードについて送信可能化権を有するところ, 氏名不詳者において, 当該レコードに収録された楽曲を無断で複製してコンピュータ内の記録媒体に記録 蔵置し, イン ターネット接続プロバイダ事業を行っている被告の提供するインター

上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

平成 30 年 3 月 29 日判決言渡同日原本受領裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 3 月 9 日 判 決 5 原告株式会社フィールドアロー 同訴訟代理人弁護士 青 山 友 和 被 告 ソ メ ヤ 株 式 会 社 同訴訟代理

式会社 (A) の債務に係る保証債務及び清算人を務める株式会社 (B) の債務の履行にそれぞれ充てた控訴人が 上記各債務の履行に伴って生じた求償権を一部行使することができなくなったとして これに相当する金額につき 譲渡所得の金額の計算上なかったものとみなす所得税法 ( 法 )64 条 2 項の規定を

求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする

賦課決定 ( 以下 本件賦課決定 といい, 本件更正と併せて 本件更正等 という ) を受けたため, 本件更正は措置法 64 条 1 項が定める圧縮限度額の計算を誤った違法なものであると主張して, 処分行政庁の所属する国に対し, 本件更正等の一部取消し等を求める事案である 原審は, 控訴人の請求をい

( 以下 プロバイダ責任制限法 という )4 条 1 項に基づき, 被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 当事者 原告は, 肩書地に居住する者である ( 甲 1) 被告は,

本件は, 商標登録取消審判請求に対する審決の取消訴訟である 争点は,1 被告又は通常実施権者による標章使用の有無及び2 使用された標章と登録商標との同一性の有無である 1 本件商標商標登録第 号商標 ( 以下, 本件商標 という ) は, 下記の構成からなり, 第 25 類 運動靴,

いう ) に対し, 本件周辺道路整備工事の係る公金の支出 ( ただし, 支出命令を除く ) の差止めを求めるとともに, 文京区と東京大学との間で締結した 小石川植物園と区道の整備に関する基本協定書 による本件周辺道路整備工事に関する基本協定 ( 以下 本件基本協定 という ) に基づく年度毎の協定の

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

税務訴訟資料第 267 号 -70( 順号 13019) 大阪高等裁判所平成 年 ( ) 第 号更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件国側当事者 国 ( 富田林税務署長 ) 平成 29 年 5 月 11 日棄却 上告受理申立て ( 第一審 大阪地方裁判所 平成 年 ( ) 第 号 平成

F43A6E4AA7A71FA249256BD

 

それぞれ改める 原判決 7 頁 9 行目の 国の機関 から同頁 14 行目末尾までを次のとおり改める 国の機関, 独立行政法人等, 地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって, 公にすることにより, 次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上, 当該事務又は事業の適正

主 文 1 本件控訴を棄却する 2 控訴費用は控訴人の負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は, 原判決別紙被告標章目録記載 1ないし3の各標章を付した薬剤を販売してはならない 3 被控訴人は, 前項記載の薬剤を廃棄せよ 第 2 事案の概要等 1 事案の概要本

国籍確認請求控訴事件平成 12 年 11 月 15 日事件番号 : 平成 12( 行コ )61 大阪高等裁判所第 4 民事部 裁判長裁判官 : 武田多喜子 裁判官 : 正木きよみ 松本久 原審 : 大阪地方裁判所平成 11 年 ( 行ウ )54 < 主文 > 一. 原判決を 取り消す ニ. 訴訟費用

0A8D6C A49256C A0

株式等に係る譲渡損失の額を控訴人申告に係る3196 万 8863 円から813 万 9478 円と更正したため 控訴人が 処分行政庁の属する国に対し 本件更正処分のうち上記更正に係る部分が違法であると主張してその取消しを求める事案である 原判決は 控訴人の請求を棄却したため 控訴人が控訴した 1 法

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

主 文 本件控訴を棄却する 控訴費用は, 控訴人の負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 外務大臣が控訴人に対して平成 18 年 4 月 27 日付けでした行政文書の開示請求に係る不開示決定 ( 情報公開第 号 ) を取り消す 3 訴訟費用は, 第 1,2 審を通じ,

☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第31号-

EONERO のブランド名( 以下, 本件ブランド という ) 下に, 本件商標 2と同一の標章を用いて販売している (4) 控訴人は, 平成 27 年 12 月 11 日から同月 13 日にかけて ベルジュアダチ にて開催された展示販売会 ( 以下, 本件催事 という ) のチラシ ( 以下, 本

平成22年5月12日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

3 被控訴人は, 中古自動車及びその部品等の売買契約の締結をしようとし, 又は自動車の修理 整備等の請負契約を締結しようとして, 被控訴人宛来店或いは電話, メールその他の手段で連絡をしてくる別紙顧客情報目録記載の者に対し, 中古自動車及びその部品等の売買契約の締結, その締結方の勧誘, 又は自動車

C23BF035244DB4BC49256CFA0006EC6

登録番号第 号指定商品 役務第 25 類被服, 空手衣第 41 類空手の教授, 空手の興行の企画 運営又は開催登録商標別紙原告商標目録 1 記載のとおりイ本件商標権 2( 以下これに係る登録商標を 本件商標 2 という ) 出願年月日平成 16 年 10 月 15 日登録年月日平成

第 2 事案の概要 1 事案の要旨本件は, 原判決別紙原告商標目録記載の各商標権を有し, その各登録商標を自己の商品等表示として使用する控訴人が, 被控訴人は, インターネット上の検索エンジンにおける検索結果表示画面の広告スペースに, 原判決別紙表示目録記載の文言に自社サイトへのハイパーリンクを施す

ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

判決【】

4D03987AAE1244F349256DD700104A4

Microsoft Word - 一弁知的所有権研究部会2017年7月13日「商標登録無効の抗弁」(三村)

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

4 訴訟費用は, 第 1,2 審とも被控訴人の負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨主文と同旨第 2 事案の概要 1 本件は, 競馬の勝馬投票券 ( 以下 馬券 という ) の的中による払戻金に係る所得を得ていた控訴人が, 平成 17 年から平成 21 年までの各年分の所得税に係る申告期限後の確

h24w _hanrei

<4D F736F F D F93FC82E D835382CC82DD816A2E646F63>

25 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 5 訴訟費用は, 第 1,2 審とも, 被控訴人らの負担とする 6 仮執行宣言第 2 事案の概要 1 本件は, 服飾品の販売等を業とする控訴人が, 控訴人の従業員であった被控訴人 Y2 及び同 Y3 が控訴人を退職し, 被控訴人 Y1 が経

同法 46 条 1 項 1 号により, 無効とすることはできない, というものである 第 3 当事者の主張 1 審決の取消事由に関する原告の主張 (1) 取消事由 1( 商標法 3 条 1 項柱書該当性判断の誤り ) 審決は, 本件商標に関し, 願書に記載された指定商品又は指定役務に使用していること

日から支払済みまで年 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団であ る原告が, 被告株式会社シーエム ( 以下 被告シーエム という ) が企画, 編集

とは, 原告に対する名誉毀損に該当するものであると主張して, 不法行為に基づき400 万円の損害賠償及びこれに対する不法行為日以降の日である平成 24 年 9 月 29 日から支払済みまで民法所定の年 5 分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いがないか,

令和元年 6 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 31 年 ( ワ ) 第 2629 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 31 年 4 月 16 日 判 決 5 原告日本コロムビア株式会社 原告株式会社バンダイナムコアーツ 10 原告キングレコード株式会社 原告ら訴訟代理人

により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等ア原告は,Aの子である イ Aは, 大正 年 月 日生まれの男性であり, 厚生年金保険の被保険者であったが, 平成 年 月 日, 死亡した ( 甲 1) (2) 老齢通算年金の受給 Aは, 昭和 年 月に60 歳に達し, 国民年金の納付済期間である18

ア原告は, 平成 26 年 12 月 26 日に設立された, 電気機械器具の研究及び開発等を目的とする株式会社である イ合併前会社ワイラン インクは, 平成 4 年 (1992 年 ) に設立された, カナダ法人である 同社は, 平成 29 年 (2017 年 )6 月 1 日付けで, 他のカナダ法

平成  年(オ)第  号

最高裁○○第000100号

Transcription:

平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 10057 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 12058 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会社 被控訴人 株式会社国際建機販売 被控訴人 Y 上記両名訴訟代理人弁護士小林幸夫 弓削田 博 河 部 康 弘 藤 沼 光 太 神 田 秀 斗 平 田 慎 二 同補佐人弁理士 葦 原 エ ミ 角 田 智香子 吉 田 麻実子 関 原 亜希子 主 文 1 本件控訴を棄却する 1

2 控訴費用は控訴人の負担とする 事実及び理由第 1 当事者の求めた裁判 1 原判決のうち損害賠償請求に係る部分を取り消す 2 被控訴人らは, 控訴人に対し, 連帯して2140 万円及びこれに対する平成 29 年 6 月 7 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要 1(1) 本件は, 原判決別紙 商標権目録 記載の商標 ( 以下 本件商標 という ) につき商標権を有する控訴人が, 被控訴人らが, 原判決別紙 被告標章目録 1~5 記載の標章( 以下 被告標章 と総称し, 各目録の標章を示すときは, 同目録の番号を付して 被告標章 1 などという ) を使用しているとして, 被控訴人らに対し, 商標権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求として, 損害金 2140 万円及びこれに対する不法行為後の日である平成 29 年 6 月 7 日から支払済みまで民法所定の年 5 分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である 原審は, 控訴人の請求を棄却したところ, 控訴人が控訴を提起した (2) なお, 控訴人は, 原審において, 上記の請求の他に,1 商標法 36 条 1 項及び同 2 項に基づき, 被告標章を付したコンクリートポンプ車等の販売及び同販売に係る営業活動等の差止め並びにコンクリートポンプ車等の廃棄,2 同条 1 項に基づき, ウェブページ上の本件商標及びこれに類似する商標の削除,3 同法 39 条で準用する特許法 106 条に基づき, 新聞及びウェブページにおける謝罪広告の掲載を求め, また, 上記の損害賠償請求における遅延損害金の起算日を, 被控訴人 Y ( 以下 被控訴人 Y という ) につき平成 29 年 4 月 30 日, 被控訴人株式会社国際建機販売 ( 以下 被控訴人会社 という ) につき同年 5 月 2 日としていたが, 前記 (1) の請求の限度で不服を申し立てた 2 前提事実 ( 争いのない事実並びに後掲証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実 ), 争点及び争点に対する当事者の主張は, 次のとおり補正するほかは, 原 2

判決の事実及び理由欄の 第 2 事案の概要 2~4に記載のとおりであるから, これを引用する 原判決中の 別紙 を 原判決別紙 と改める (1) 原判決 3 頁 20 行目の 英語での表記 から22 行目の 113 までを次のとおり改める 以下 KCP 社 という なお,KCP 社の英語表記が KCP HEAVY INDUSTRIES CO.,LTD. であるか, KCEP HEAVY I NDUSTRIES CO.,LTD. であるかについては当事者間に争いがある (2) 原判決 4 頁 1 行目の 商標登録出願をし, の後に 同年 6 月 1 日, 商標登録の査定を受け, を加える (3) 原判決 4 頁 6 行目の 別紙被告標章 から8 行目の 特定する までを 被告標章 1 と改める (4) 原判決 6 頁 5 行目末尾の次に行を改めて次のとおり加える ア KCP 社の英語表記は, KCP HEAVY INDUSTRIES CO.,LTD. ( 以下 KCP ということがある ) であること ( ア ) 社団法人韓国貿易協会 ( 以下 韓国貿易協会 という ) の会員証の Company Name 欄には, KCP HEAVY INDUSTRI ES CO.,LTD. と記載されている( 乙 93) なお, 上記会員証におけるKCP 社の英語表記が, 平成 30 年 5 月 29 日頃に, KCP HEAVY INDUSTRIES CO.,LTD. から KCE P HEAVY INDUSTRIES CO.,LTD. に一時的に訂正されたが, これは, 控訴人による異議 ( 乙 129) を契機としたものである KCP 社は, 韓国貿易協会に対し, 商号の英語表記を正しい表記に戻すよう連絡したため, 現在では, KCP HEAVY INDUSTRIES CO.,LTD. という正しい表記に戻っている ( 乙 130) ( イ ) KCP 社の英語表記がKCPとなることは明らかである ( 乙 94,95, 3

112,113) 韓国地方国税庁が発行した事業者登録証明 ( 乙 112) の英語表記 KCPは,K CP 社が自身で入力した英文表記を反映したものである KCP 社は, 事業者登録証明という公的書類に掲載する自らの商号の英文表記としてKCPを採用したのであるから,KCP 社の商号の英文表記はKCP 以外にあり得ない (5) 原判決 6 頁 6 行目の ア を イ に, 同頁 21 行目の イ を ウ に, 7 頁 11 行目の ウ を エ に,16 行目の エ を オ に, それぞれ改める (6) 原判決 7 頁 26 行目の末尾の次に行を改めて次のとおり加える ア以下のとおり,KCP 社の英語表記は, KCEP HEAVY IND USTRIES CO.,LTD. ( 以下 KCEP ということがある ) である ( ア ) 登記事項全部証明書 ( 乙 3) の商号の翻訳である 株式会社ケーシーピー重工業 は間違いであり, 正しくは 株式会社ケーシーイーピー重工業 であることは明らかである ( 甲 24,36) ( イ ) 韓国貿易協会は, 会員らが会費を出して営む民間団体であり, 会員証は, 会員加入申請書に従って記載されるから, その会員証の記載 ( 乙 93) に証明力はない 韓国貿易協会においても,KCP 社の英語表記が KCP HEAVY IND USTRIES CO.,LTD. から KCEP HEAVY INDUST RIES CO.,LTD. に訂正された( 甲 63) また,KCP 社が, 韓国貿易協会に加入したのは, 本件訴訟の提起後の平成 27 年 9 月 4 日であり,KCP 社は, 英文表記の証明を得るために韓国貿易協会に加入したのである ( ウ ) 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) は, 中小企業や個人が加入できる団体であり, 同団体のホームページ ( 乙 94) から名称などを確認することはできない また, 求人求職広告サイト ( 乙 95) の記載は利用者が提出した資料に基づ 4

いているから証明力はない 韓国の税務署は事業者登録証明に書き込んでいる英文 ( 乙 112) に対して保証しない ( 甲 59,65) また,SGSは, 各種認証をする私的企業であり,SG Sが発行した証明書 ( 乙 113) の記載も, 申請者の申請のとおりに記載したものである ( エ ) 韓国では, 法人定款に英文表記は可能であるが, 商業登記をする際, 国語基本法の公文書のハングル表記の原則を遵守していない場合には英文表記は登録できない KCP 社をハングル表記の原則に従って表記すると,KCEPとなるから,KCP 社は意図的に英文登録をしていないのである (7) 原判決 8 頁 1 行目冒頭に イ を, 同頁 8 行目冒頭に ウ をそれぞれ加える (8) 原判決 8 頁 7 行目末尾の次に行を改めて次のとおり加える さらに, 平成 28 年以降は,KCP 社の売上げはほとんどなくなった (9) 原判決 10 頁 23 行目 下らない から11 頁 3 行目末尾までを次のとおり改める 下らないから, 控訴人の受けた損害の額は1500 万円となる ( 商標法 38 条 2 項 ) また, 控訴人は, 被控訴人らによる商標権侵害行為により精神的苦痛を被ったが, そのうち平成 27 年 7 月から平成 30 年 2 月までの間に受けた精神的苦痛を慰謝するに足る額は640 万円である したがって, 被控訴人らによる商標権侵害によって控訴人が受けた損害額は21 40 万円である 第 3 当裁判所の判断 1 当裁判所も, 控訴人の被控訴人らに対する損害賠償請求は, いずれも理由がないから棄却すべきものと判断する その理由は, 次のとおり補正するほかは, 原判決の事実及び理由欄の 第 3 当裁判所の判断 の2に記載のとおりであるから, 5

これを引用する 控訴人代表者尋問は, 原審において行われたものである (1) 原判決 12 頁 26 行目の 販売している を 販売し, また, 同社製品の型番の一部として使用している に改める (2) 原判決 14 頁 10 行目の ヴォンジン産業 を ウォンジン産業 に改め, 12 行目の 原告代表者 から14 行目末尾までを次のとおり改める 同面会において, 控訴人代表者,A 及びKCP 社の理事は, 日本における販売代理店契約締結についての話合いをしたが, 合意に至らず, 当面の間, 控訴人代表者 (GSF Inc.) が, ウォンジン産業を通して,KCP 社からKCP 社の製品を購入し, これを日本国内において販売していくことになった ( 乙 65,66, 69,73, 控訴人代表者 ) (3) 原判決 16 頁 21 行目の末尾の次に 控訴人代表者は, 本件商標出願のときに,KCP 社がKCP 社商標を使用していることを認識していた を加える (4) 原判決 16 頁 23 行目の末尾の次に行を改めて次のとおり加える ( ウ ) なお, 本件商標については, 商標登録無効審判請求 ( 無効 2017-89 0019 号 ) がされ, 特許庁は, 平成 30 年 10 月 29 日, 本件商標登録を無効とする旨の審決をした ( 乙 128) (5) 原判決 17 頁 6 行目から7 行目にかけての ヴォンジン産業 を ウォンジン産業 に改める (6) 原判決 19 頁 9 行目の 2 月 18 日 ) の次に 及び査定日 ( 同年 6 月 1 日 ) を加え,17 行目末尾の次に行を改めて次のとおり加える また, 控訴人は,KCP 社の売上げは, 平成 28 年以降はほとんどない旨主張するが, 乙 18によると, 平成 28 年の売上げは平成 25 年及び平成 26 年よりも高いことが認められる上に, そもそも, 商標法 4 条 1 項 19 号の周知性の判断の基準時は, 登録出願時及び査定時であるところ ( 商標法 4 条 3 項 ), 本件商標の出願及び査定は, いずれも平成 27 年にされている以上,KCP 社商標の周知性の判断は, 平成 28 年における売上高に左右されない 6

( ウ ) さらに, 控訴人は,KCP 社の英語表記は, KCEP HEAVY IN DUSTRIES CO.,LTD. であると主張するので, 同主張について, 以下検討する a 前記 (1) アのとおり,KCP 社は, 設立後, KCEP ではなく, KC P の文字からなるKCP 社商標を, 同社の製品に付して販売し, また, 型番の一部にも使用していることからすると,KCP 社及び同社の製品を示す表示として, KCP 社商標が使用されていることは明らかである また, 控訴人代表者も, 代表者尋問において, 本件商標出願の時点で,KCP 社がKCP 社商標を使用していたことを認識していた旨供述していること,KCP 社の理事に送信したメールの韓国語の文書に,KCP 社を KCP と記載していること ( 乙 90) からすると, 控訴人代表者自身も,KCP 社の英語表記をKCPであると認識しているものと認められる b 控訴人は,KCP 社の正式な英語表記は KCEP であると主張する しかし, 前記のとおり,KCP 社は, 自社製品に KCP との英語の表記を付しており, また, 証拠 ( 乙 107,114) によると,KCP 社は, 外国企業への見積もり送り状や外国企業との契約書において, 自社を KCP HEAVY INDUSTRIES CO.,LTD. と表記していることが認められる 一方で, 本件証拠上,KCP 社が KCEP との英語表記を用いた事実は認められない なお, 証拠 ( 甲 63, 乙 130) によると,KCP 社の韓国貿易協会の会員登録における英語表示が, KCP から KCEP に変更され, その後, KCP に戻ったことが認められるが, 上記の KCEP への変更は控訴人の働きかけによるものであり ( 乙 129),KCP 社が関与していたとは認められないから, 同事実によって,KCP 社が, 自社の英語表示として KCEP を使用していたと認めることはできない したがって,KCP 社は, 同社の英語表記として KCP を選択して使用したものと認められ, このことは,KCP 社の商号を韓国語から英語に訳する際の訳 7

語いかんによって左右されるものではない c 以上より,KCP 社及び同社の製品を示す表示として,KCP 社商標が使用されているのであり, 前記 ( ア ) の判断は左右されない (7) 原判決 19 頁 18 行目の ( ウ ) を ( エ ) に改める (8) 原判決 20 頁 1 行目の 販売していたこと を 販売し,KCP 社がKC P 社商標を使用していたことを認識していたこと に改め,1 行目の (1) イ ( ウ ) の次に 及びエ ( ア ) を加える 2 結論以上のとおり, 原判決は相当であって, 本件控訴は理由がないから, これを棄却することとして, 主文のとおり判決する 知的財産高等裁判所第 2 部 裁判長裁判官 森義之 裁判官 佐野信 裁判官 熊谷大輔 8