Vol.10 No. 4 1994
横 江:ス ポ ー ツ障 害 の 発 生 と メ カニ ズ ム バ ラ ン ス を 崩 した 着 地 が 多 い.野 球 で は ス ラ イ デ ィ ン グ,サ ッ カ ー で は 他 人 に 足 の 上に 乗 られ る な ど が あ げ られ て い る2), 2.膝 関節捻挫 膝 関 節 の 支 持 機 構 で あ る 靭 帯,関 ぞ れ 固 有 の 支 持 方 向 が あ る5).し 節 包 に は それ た が っ て 外 力の 加 わ る 方 向 に よ っ て 損 傷 さ れ る 組 織 が わ か り,外 反 力 が 加 わ れ ば 最 初 に 内 側 側 副 靭 帯(MCL)に, 次 に 前 十 字 靭 帯(ACL),後 卜字 靭 帯(PCL), 後 部 関 節 包 に 損 傷 が 及 ぶ.内 合 体 が 最 初 で,次 反 力で は外 側 支 持 複 にACL,PCLが 過 伸 展 が 強 制 さ れ る と,最 関 節 包,PCLに 損 傷 され る. 初 にACL,次 負 担 が か か る.前 で は 最 初 にACL,次 に後 部 図2 方引 き出 し力 に 腸 脛 靭 帯,MCL,外 14番 の 選 手 の 左 膝 外 側 か ら33番 の 選 手 が 当 り,膝 側 屈 曲,外 反,下 強 制 さ れ て い る.(文 献10よ 腿外旋位が り引 用) 関 節 包 が 損 傷 さ れ る6).後 方 引 き 出 し力 で はPC Lが 損 傷 さ れ る.回 旋 力 で はMCLに 最 も負担 が か か る7). 靭 帯 損 傷 は接 触 損 傷 と非 接 触 損 傷 に 大 別 さ れ る8)が,こ る.柔 れ ら は ス ポー ツ種 目特 性 に よ って 決 ま 道,相 撲,レ ス リ ン グ,ラ グ ビ ー,ア カ ン フ ッ トボ ー ル で は 前 者 が 多 く,器 ス ケ ッ トボ ー ル,ハ サ ッ カー,バ 着 地,ス ン 的ボー ル,バ ド ミ ン ト ン, レー ボ ー ル な ど で は ジ ャ ン プ の 踏 切 ト ッ プ,カ ッ ト(急 激 な 方 向 転 換),捻 り な ど の 減 加 速 動 作 が 多 く後 者 が 多 い.ス で は 板 を 介 して 強 力 な 回 旋 力 が 加 わ り,接 が 多 い.靭 L,外 メ リ 械 休 操,バ キー 触損傷 帯 別 で は 接 触 損 傷 で はPCL 9),MC 側 側 副 靭 帯 が,非 接 触 損 傷 で はACLが 図3攻 多 撃側の選手の右足がべた足で床に固 定 され た まま 重 心 が左 に移 動 す るた め い. 右 膝 の 屈 曲,外 反,下 腿 外 旋 位 が 強 制 接 触 損 傷 で は膝 関 節 の肢 位 と外 力 の加 わ る方 向 で 損 傷 が 起 こ る 靭 帯 が 予 想 で き る.た され て い る. とえ ば 膝 外 側 か ら タ ッ ク ル を 受 け た り 当 た られ た り,ス キー で 足 が 固 定 さ れ た ま ま 下腿 を 過 外 旋 さ れ る と,M ク(図2),器 CL損 の 着 地,方 傷,ひ ど い 場 合 はACL,PCL損 併 す る.PCLは 膝 屈 曲 位,伸 傷 を合 展 強 制13).ア 展 位 いず れ にせ よ 傷 で あ り,特 過伸 メ リ カ ン フ ッ トボー ル の 前 外 方 か ら 屈 曲, 股 関 節 伸 展 位 で の 大 腿 四 頭 筋 の 最 大 収 縮 時14)(図 展 力 が 加 わ って 損 傷 さ れ る 場 合 が 多 い. 大 き い の はACL損 ス ヶ ッ トボ ー ル 起 こ る.2,膝 の ブ ロ ッ クで 起 こ る(図4).3,膝90 下腿 上方 に タ ッ ク ル を 受 け 後 方 引 き 出 し力 や 過 伸 ス ポー ツ の 現 場 で 発 生 頻 度 が 高 く,機 械 体 操 の 着 地,バ 向 転 換(図3)で 5).4,膝 能障害が 軽 度 屈 曲,巾 間 位 で の ス ト ップ ま た は ジ ャ ン プ 時12).ス キ ー の 上 級 者 に 起 こ る ジ ャ ン に ス ポ ー ツ に特 有 な 非 接 触 損 傷 が 注 目 さ れ て い る.ビ デオなどの プ の着 地 や後 方 に転 倒 しそ うに な った と きに体 制 画 像 分 析 か ら 明 ら か に さ れ たACLの 受傷機転 を を 整 え る 際,ブー あ げ る.1,膝 屈 曲,外 反,下 腿 外 旋 の 強 制10.11.12). 前 方 引 き 出 し と,大 こ れ は ア メ リカ ン フ ッ トボ ー ル の 外 側 か らの プ ロ ッ ッ に よ る脛 骨 後 方 か らの受 動 的 腿 四頭 筋 の収 縮 に よ る能 動 的 前 方 引 き 出 し が 同 時 に 脛 骨 近 位 部 に 加 わ る 場 合15) 261
1) Lauge-Hansen, Fracture of the ankle.ii Combined experimental-surgical and experi mental-roentgenologic investigations, Arch. Surg., 60:957-985, 1950 5) Brantigan, 0. C. et al.: The mechanics of the ligament and menisci of the knee jo- int, J Bone Joint Surg, 23:44-66, 1941 6) Batler, D. L, et al.: Ligamentous restraints to anterior-posterior drawer in the human knee, J Bone Joint Surg, 62-A: 239-270, 1980 7) M arkof, K, et al.: Stiffness and laxity of the knee The contribution of supporting structures, J Bone Joint Surg, 58-A: 583-593, 1976 10) Nicholas, J. A.: The five-one reconstruction for anteromedial instability of the knee, J Bone Joint Surg, 55-A: 899-922, 1973 13) Wang, J. B, et al.: A mechanism of isolated anterior cruciate ligament rupture, J Bone Joint Surg, 57-A:411-413, 1975
15) Mc Conkey, J. P.: Anterior cruciate ligament rupture in skiing A new mechanism of injury, A m J Sports Med,14:160-164, 1986 17) Mullar, W : The Knee, Springer-Verlag, Berlin, Heidelberg, New York, 1983