ホワイトペーパーシリーズ : 法人様向け新スタンダードモデル NAS HDL4-X4 の機能測定データ 2018 年 4 月 1

Similar documents
PowerPoint プレゼンテーション

内容 1 本ホワイトペーパーについて 拡張ボリューム特徴 ファイル単位でのミラーリングを行う拡張ボリューム 冗長性 拡張性 拡張ボリュームの高速性 従来の RAID 方式にも対応 対

クローン機能について 保存先が HDLH シリーズの場合マスタースレーブファイル 設定のコピー HDLH シリーズ 台をそれぞれマスター / スレーブとして構成し マスターの設定やファイルをスレーブに保存します ファイルの保存はレプリケーション機能を利用しておこなわれます 社内 LAN マスター故障

内容 1 はじめに バックアップの必要性 Windows Storage Server のバックアップについて ShadowProtect 5 for I-O DATA を利用したバックアップのメリット ShadowProtect 5 for

レプリケーションについて レプリケーション元に設定したメイン機の共有フォルダーと レプリケーション先に指定した予備機の共有フォルダーを同期し 同じ状態に保ちます (LAN 環境により遅延が発生します ) 遠隔地へのレプリケーションにより メイン機側での災害 事故によるデータ損失のリスク低減ができます

HDL-H へデータ移行する ネットワーク接続ハードディスク HDL-H シリーズ H/XR/XV 移行パッケージ ご注意 事前に本パッケージの追加をおこなってください パッケージの追加方法は 画面で見るマニュアル をご覧くだ さい INDEX 移行前の確認...2 移行する...3 移行結果を確認

動作環境 対応 LAN DISK ( 設定復元に対応 ) HDL-H シリーズ HDL-X シリーズ HDL-AA シリーズ HDL-XV シリーズ (HDL-XVLP シリーズを含む ) HDL-XV/2D シリーズ HDL-XR シリーズ HDL-XR/2D シリーズ HDL-XR2U シリーズ

内容 1 概要 このガイドについて Windows Server 2003 の製品サポート終了について LAN DISK Z を導入するメリット ファイルサーバの移行方法について このガイドの適用範囲... 4

SetupVerup_dl_M

フォーマット/メンテナンスガイド

ホワイトペーパーシリーズ : 手軽に始める BCP 対策 LAN DISK H シリーズのクローン機能 + BX-VP1 シリーズを 組み合わせた遠隔地バックアップのご紹介 2015 年 3 月 1

フォーマット/メンテナンスガイド

FTP 共有を有効にする あらかじめ作成済みの共有フォルダーを FTP 共有可能にする設定を説明します 共有フォルダーの作成方法は 画面で見るマニュアル をご覧ください ファイル数の多い共有フォルダーを変更すると 変更が完了するまでに時間がかかる場合があります また 変更が完了するまで共有フォルダー

内容 1. このホワイトペーパーについて クライアント PC バックアップの重要性 バックアップとは 突然のトラブルによる業務停止 ActiveImage Protector 3.5 Desktop Edition について... 5

簡単バックアップの使いかた

SetupVerup_dl_M

『テクノス』V2プログラムインストール説明書

フォーマット(初期化)について

ホワイトペーパーシリーズ : LAN DISK オリジナル OS モデルでの AXIS Companion 動作確認レポート 2017 年 6 月 1

内容 1. 概要 背景 法人向けアクセスポイント WHG-AC1750A-E のご紹介 製品価格 主な特徴 多台数同時接続を支援するための機能 無線 LAN ロードバランシング機能

LAN DISK NarSuSの登録方法

SecureLock Manager Liteの使いかた

(2) [ バックアップツール ] が表示されます [1] [2] [3] [4] [5] [6] Windows Storage Server 2012 バックアップ手順 (V_01) < 画面の説明 > [1] バックアップ項目リスト登録されているバックアップセットの一覧です [2] 新規 ボタ

Microsoft PowerPoint - ShadowProtectIT手順書_ ppt

ホワイトペーパーシリーズ : Sync with Business Edition を利用したファイルサーバ移行シナリオガイド Windows Server 2003 から Windows Storage Server 2012 R2 へのファイルサーバの移行 2014 年 9 月 1

富士通PCサーバ「PRIMERGY RX2530 M4」における「TeraStation TS5010 / TS3010」シリーズ動作検証報告

作業の流れバックアップを実行するバックアップの設定をするバックアップソフトをインストールするネットワークドライブを割り当てる接続を確認するネットワーク設定をする設置する必ずお守りください誤った接続やネットワーク設定をすると お客様の社内環境に重大な影響を与える場合があります 必ず ネットワーク管理者

Express5800 WSUS 導入セットご紹介資料

データコピーとは データコピーは 古い NAS のデータを新しい HDL-Z シリーズに簡単にコピーできます 環境例本製品は以下の用途の際に最適です 古い HDL-Z シリーズから新しい HDL-Z シリーズへのコピー古い HDL-Z シリーズから 新しい HDL-Z シリーズへのスムーズなコピーが

HDDコピーツール CloneDrive2

PixeBurn! for HD Instruction Guide JPN

内容 1 はじめに 暗号化の要望 実施環境 動作環境 事前準備 BitLocker の設定 暗号化ドライブの解除方法 パスワード入力によるアンロック USB 回復キーを使ったア

目次 2 トップ画面の説明 設定画面を開きます iphoneなどの連絡先 ( アドレス帳 ) をバックアップ 復元します アプリ内のデータを表示します USBメモリー内のデータを表示します Dropboxと連携し Dropboxのデータを表示します 各

CR-UK1ソフトウェアユーザーズガイド

ファイル管理 microsdメモリカードを利用する 232 microsdメモリカードを取り付ける 233 microsdメモリカードを取り外す 234 microusbケーブルでパソコンと接続する 235 メモリの使用量を確認する

Imation Encryption Manager Plus Imation Encryption Manager Plus ソフトウェアにより 対応 USB フラッシュドライブにパスワード保護に対応した総合セキュリティーを設定することができます Imation Encryption Manage

microsd メモリカード (microsdhc メモリカードを含む ) を IS11LG 本体にセットして データを保存することができます また 連絡先 メール ブックマークなどを microsd メモリカードに控えておくことができます アプリケーションによっては microsdメモリカードをセ

FT-450D シリーズ MAIN ファームウェアアップデートマニュアル 本ソフトウェアは FT-450D/FT-450DM/FT-450DS の アップデートファームウェアです FT-450 シリーズのアップデートには使用できません 八重洲無線株式会社

ActiveImage Protector 3.5

本仕様はプロダクトバージョン Ver 以降に準じています

ハードウェア暗号化 & パスワードロック対応ハードディスク HDJA-SUT シリーズ画面で見るマニュアル このマニュアルでは 主に添付ソフトウェア SHGate for HDJA-SUT の説明をしています その他の説明については 製品添付の取扱説明書を参照してください ご注意 本製品を認識するた

HVL-DR 設定画面詳細 04 版 トップ画面 2 サーバーの基本設定 3 デジタルラックの基本設定 10 コンテンツの管理 19 ダウンロード 32 自動ダウンロード設定 38 各種設定 48 お知らせ 61 画面例 :ios

PeopleJpeg2Bmpマニュアル

Windows Small Business Server 2011 Essentialsバックアップ容量節減ガイド

<4D F736F F D20836F E C C6F6E C EE682E888B582A2837D836A B2E646F63>

本仕様はプロダクトバージョン Ver 以降に準じています

起動する 起動方法は ご使用の OS により異なります 同一ネットワーク内で 本ソフトを複数台のパソコンから起動すると 本ソフト対応の LAN DISK にアクセスが集中し エラーとなる場合があります [ スタート ] メニュー [( すべての ) プログラム ] [I-O DATA] [LAN D

セキュリティー機能(TPM)設定ガイド

Dup2015_p1_p2(目次).ai

はじめに 当書では ST1100R と外付けハードディスクを接続して録画した番組を 指定の手順で NAS にムーブする手順を案内しています 各ページに記載の注意事項を よくお読みの上 実施してください 実施の手順 1 NAS の準備 P.3 2 宅内ネットワーク機器の切り離し P.4 3 ST110

変更履歴 項番版数内容更新日 版新規作成 2013 年 11 月 18 日 1

Microsoft Word - nvsi_050110jp_netvault_vtl_on_dothill_sannetII.doc

内容 1 概要 このガイドについて NAS が古くなっていませんか? 優先するべきはデータ保全 データ移行について LAN DISK H のデータコピー機能について 古い NAS からのリプレース

ダウングレードモデルの仕様 本機の仕様について説明します OS(Windows) UEFI の設定 本機にインストールされている OS(Windows) は次のとおりです 購入時 :Windows 7 がインストールされています OS 変更時 :Windows 10 をインストールして使用します ラ

おまかせ引越Pro2_スタートアップガイド.indd

無線LAN JRL-710/720シリーズ ファームウェアバージョンアップマニュアル 第2.1版

OS バージョンアップ実行後のご注意 OS バージョンアップ後 更新完了通知が自動的にNECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社の運用するサーバへ送信されます なお NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社は送信された情報を OS バージョンアップ以外の目的には利用いたしません また

iscsi_omote

Microsoft PowerPoint - ソフトウェア更新手順書_DAN-W62_mac_ _1.ppt

AGT10(Android (TM) 2.3) ファームウェア更新方法

カルテダウンロード 操作マニュアル

上手くん α シリーズ移行手順 上手くん α シリーズ移行手順 上手くん α シリーズ移行手順 1 処理の流れ 1 2 古い PC で行う操作 2 3 新しい PC で行う操作 /09/10 第 2 版

1. はじめに (1) 本書の位置づけ 本書ではベジフルネット Ver4 の導入に関連した次の事項について記載する ベジフルネット Ver4 で改善された機能について 新機能の操作に関する概要説明 ベジフルネット Ver4 プログラムのインストールについて Ver4 のインストール手順についての説明

PicoDriveSecurity_Manual_v1.00

目次 1. ご利用上のご注意 2 2. 共有電話帳とは 3 3. ご利用の流れ 4 1. アプリダウンロード依頼メールの送信 5 2. アプリのダウンロード 7 3. 共有電話帳ファイルを作成 8 4. 共有電話帳ファイルをアップロード 共有電話帳データの同期 同期結果を確認

Microsoft Word - panfasmy.doc

スライド 1

memcached 方式 (No Replication) 認証情報は ログインした tomcat と設定された各 memcached サーバーに認証情報を分割し振り分けて保管する memcached の方系がダウンした場合は ログインしたことのあるサーバーへのアクセスでは tomcat に認証情報

Syncwithと導入するダンしたら資料困ったときにはファイルバックアップツール Sync with Business Edition は画面で見るマニュアル ウ マニュアルアンケートはこちら よりよいマニュアル作りのためアンケートにご協力願います I-O DATA DEVICE, INC. 02

おまかせ引越2_スタートアップガイド.indd

Remote Link 3 について Remote Link 3 とは? 外出先のモバイル機器からインターネットを介して NAS に保存してあるデータを見ることができる機能です アプリ Remote Link Files を利用すると スマートフォン / タブレット / パソコンから NAS に保存

PN-T321

ポリシーマネージャ       Linux版                                 集中管理環境の新規構築

AKiTiO Thunderboltシリーズ 設定ガイド -ソフトウェアRAIDの構成(Mac OS X/macOS)

L-07C パソコン接続によるソフトウェア更新手順_Ver2.0

OneDrive for Businessのご紹介

インストールマニュアル

HP ProDesk 600 G2 SF

MEDIAPOINT HD ファームウェアリリースノート

リリースノート バージョン / /8/04 公開 wivia は 株式会社内 洋 の 本における登録商標です その他の製品名 システム名などは 一般に各社の登録商標または商標です 概要 wivia ファームウェア および Windows/Mac

StoreEasy 1x40 RAID構成ガイド

スライド 1

MailArchiva MailArchiva パブリックイメージ for NIFTYCloud 初期設定マニュアル メールアーカイブのための基本設定マニュアル 第 1.0 版 2011 年 8 月 22 日有限会社ディアイピィ

目次 前提条件 Windows Storage Server 対応で出来ること 特徴 ログ収集について 構成 サーバー運用への移行 ご利用時の制限事項 対応製品について NASへのSKYSEA Client Viewのインストールについて その他 NAS 使用時の留意事項 P.3 P.4 P.5 P

ご使用にあたって ご使用にあたって セキュリティソフト PASS AES について 消去 破損について当社は一切の保証をいたしません 誤って削除するとセキュリティソフト PASS AES が使用できなくなりますので 注意してください 大切なデータは万一の場合にそなえ 他の記憶媒体などに 定期的にバッ

OneDrive for Businessのご紹介

FlashAir ソフトウェア更新ツール Version 東芝メモリ株式会社 Copyright 2017 Toshiba Memory Corporation, All Rights Reserved. 対応 OS: 最新の対応 OS は Web サイトをご参照ください 概要本ソフ

HD-ADU3シリーズ パソコン接続時の補足情報

FlashAir 設定ソフトウエア株式会社東芝セミコンダクター & ストレージ社 Copyright 2012 TOSHIBA CORPORATION, All Rights Reserved. 対応 OS: Windows XP SP3 / Vista SP2 / 7 (32bit/64bit)

KDDI Smart Mobile Safety Manager ( 基本プラン /4G LTE ケータイプラン ) オプション機能説明 2018 年 2 月 27 日現在 KDDI 株式会社 ver Copyright 2018 KDDI Corporation. All Rights

また IS12T はアップデート以外の動作もできませんので アラームも動作しません IS12T のバージョンによりソフトウェアアップデート所要時間は異なります また インターネットの接続速度や パソコンの性能といったお客様の利用環境により 時間が延びることがあります 本アップデートについて 本ソフト

OS バージョンアップ実行中のご注意 OS バージョンアップ中は 故障の原因になりますので 絶対に N-03E 本体の電源を切ったり 電池パックを外したりしないでください OS バージョンアップ中は 電話の発着信を含めすべての機能がご利用になれません OS バージョンアップ中は 他のアプリケーション

( ザ ゴルフウォッチスポルト / スポルトプラス共通 ) サポートツール取扱説明書 インストール編 第 1.2 版 Copyright (C) MASA Corporation, All Rights Reserved.


無償期間中に Windows10 に アップグレードをお考えのお客様へ 現在 御太助.net で使用している SQL Server のバージョンは Windows10 ではその動作が保証されていません そのため 御太助.net を WIndows10 で使用するにあたっては SQL Server の

RDX へのバックアップ 3 ベアメタル復旧手順書 2014 年 11 月

wx01j-v234_instmac

目次 1. はじめに 3 2. システム要件 4 3. HDD Password Tool のインストール 5 Windows の場合 5 macos/os X/Mac OS X の場合 8 4. HDD Password Tool の使い方 HDD Password Tool を起動

SP Widget

もくじ ご利用の前に...3 ライセンスを申し込む...4 Dropbox アカウントを登録する...5 パッケージを追加する...6 同期を有効にする...7 ライセンスの延長方法...8 よくあるご質問...9 お問い合わせについて

Transcription:

ホワイトペーパーシリーズ : 法人様向け新スタンダードモデル NAS HDL4-X4 の機能測定データ 2018 年 4 月 1

内容 序章... 4 1. 同時アクセスでも高速通信... 5 2. RAID に替わる冗長化技術 拡張ボリューム... 6 2.1 RAID 再構築完了までの所要時間... 7 3. ホットスワップに対応し復旧時に業務を止めない... 7 3.1 HDD 交換時の HDD 再構築完了までの所要時間 HDLH-OP1R... 8 4. 多彩なバックアップ機能... 9 4.1 履歴差分バックアップ... 9 a. USB HDD に履歴差分バックアップ... 9 b. NAS に履歴差分バックアップ... 10 4.2 レプリケーション ( クローン )... 12 a. レプリケーション同期の仕組み... 12 b. レプリケーションの同期にかかる目安は?... 12 c. クローン レプリケーションの注意事項 制限事項... 14 2

本文書は 株式会社アイ オー データ機器 ( 以下 アイ オー データ とします ) が アイ オー データの特定の商品に関する機能 性能や技術についての説明を記述した参考資料となります 当該商品の利用という目的の範囲内で自由に使用 複製をしていただけますが アイ オー データの事前の書面による承諾なしに 改変 掲示 転載等の行為は禁止されます また あくまで参考資料として提供いたしますので 内容については一切保証を致しかねます 以下の内容をご了承いただいた場合のみご利用ください (1) アイ オー データは 本文書によりいかなる権利の移転もしくはライセンスの許諾 またはいかなる保証を与えるものではありません (2) アイ オー データは 本文書について 有用性 正確性 特定目的への適合性等のいかなる保証をするものではありません (3) アイ オー データは 本文書を利用したこと または利用しなかったことにより生じるいかなる損害についても責任を負うものではありません (4) アイ オー データは 本文書の内容を随時 断りなく更新 修正 変更 削除することがあります 最新の商品情報については http://www.iodata.jp/ をご覧ください 3

序章 クラウドにデータを保存するクラウドストレージサービスが台頭している中で コスト面及びアクセス高速性において NAS の優位性を認識し 自社に NAS を設置する企業も少なからず存在することが 昨今の NAS の市場動向から伺えます 当社としても NAS をクラウドストレージと完全に対立させるのではなく 例えば 使用頻度が高いデータは NAS に保存し 使用頻度が低いデータはクラウドストレージに保存するなどハイブリットで運用することを推奨しております 本ホワイトペーパーでは 当社の法人様向け NAS の中でもスタンダードモデルに分類される LAN DISK X の機能を説明しながら 実際のデータ転送速度や RAID 構築の所要時間を測定します その中で LAN DISK X のデータ転送速度が優れている点や LAN DISK X をはじめとした当社のオリジナル OS モデル NAS で採用している拡張ボリュームの再構築時間が RAID と比較して著しく短い点をご紹介できればと思います HDL4-X シリーズ HDL2-X シリーズ 4

1. 同時アクセスでも高速通信 LAN DISK X HDL4-X シリーズ HDL2-X シリーズ は Intel Celeron N3010 シリーズを搭載し 旧モデル LAN DISK XR からスペック向上を図りました LAN DISK X は複数クライアントからの同時アクセスにも秀でており ます それを実証するために ノート PC を 3 台用意し 1 台の LAN DISK X に対して同時に読み込み/書き込みを行 ったところ 以下の結果となりました <環境> 機器構成 NAS HDL-X4 クライアント PC 3 台 Lenovo ThinkPad E440 BSH-G08M CPU Core i3-4000m 2.40GHz メモリ 4.00GB HDL4-X4 <測定内容> HDL-XR4.0W とクライアント PC3 台で同時ファイル転送を実施 1)1MB サイズの 4,096 ファイルの読み書きの場合 2)4GB サイズの 1 ファイルの読み書きの場合 <測定結果> 0 1MB 4096 書き込み 書き込み PC HDL-X 100 200 300 400 500 4GB 1 700 800 900 1000 1100 109.95Mbps PC HDL-X 読み込み 読み込み HDL-X PC HDL-X PC 260.30Mbps 書き込み 書き込み 608.90Mbps PC HDL-X PC HDL-X 読み込み 読み込み 949.68Mbps HDL-X PC HDL-X PC PC1 5 600 PC2 PC3

1MB x 4096 4GB x1 書き込み PC HDL-X 読み込み HDL-X PC 書き込み PC HDL-X 読み込み HDL-X PC PC1 36.03Mbps 80.75Mbps 204.59Mbps 255.61Mbps PC2 36.41Mbps 76.88Mbps 200.73Mbps 438.66Mbps PC3 37.51Mbps 102.67Mbps 203.58Mbps 255.41Mbps Sum 109.95Mbps 260.3Mbps 608.9Mbps 949.68Mbps 2. RAID に替わる冗長化技術 拡張ボリューム LAN DISK X は出荷時の冗長化方式が RAID ではなく 拡張ボリューム に設定されています RAID は全ドライブに一様に書き込んで読み込むのに対し 拡張ボリュームは隣同士の 2 ドライブに ( 同じファイルを ) 書き込んで 読み込む際はファイルによらずペアの一方に固定して読み込みます そのため HDD の負荷を偏重させることができ HDD が同時に故障して RAID 崩壊に陥るのを最小限に留めます また 拡張ボリュームはブロック単位ではなくファイル単位で書き込むため 再構築時間が実データ部分のみで済みま す 更に RAID では対応できなかった ドライブ交換による動的な容量拡張に対応しております 6

HDL4-X シリーズでは RAID 設定を拡張ボリュームから RAID 6 もしくは RAID 0 に変更することが可能です ま た HDL2-X では RAID 設定を拡張ボリュームから RAID 1 もしくは RAID 0 に変更することが可能です 2.1 RAID 再構築完了までの所要時間 HDL4-X4 を出荷時状態 ( 拡張ボリューム ) から RAID 6 に RAID モードを変更した直後から RAID 再構築完了までの時間を測定したところ 以下のグラフのとおりとなりました なお RAID 6 から拡張ボリュームへ RAID モードを変更した際は ファイル再構築の時間は皆無です RAID 6 はデータの存在に依らず すべてのブロックを再構築する必要があるため 1TB x4 では約 3 時間要します 一方 拡張ボリュームは保存されたファイルの分のみ再構築が必要であるため RAID 変更に伴うフォーマットによりデータが存在していない場合の再構築時間はゼロとなります 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 1 拡張ボリューム RAID 6 3 時間 1 分 2RAID 6 拡張ボリューム 0 分 3. ホットスワップに対応し復旧時に業務を止めない LAN DISK X は HDD 故障時に 電源を落とさずに交換できるホットスワップに対応しております HDD 交換中も 通常通りファイルアクセスや設定変更などの使用が可能です 7 HDL2-X シリーズも同様にホットスワップに対応しております

3.1 HDD 交換時の HDD 再構築完了までの所要時間 HDLH-OP1R 拡張ボリューム設定 (100GB のデータ保存 ) 時に HDL4-X4 のカートリッジ交換を実施し HDD 再構築までの時間を測定しました また 比較対象の為 RAID 6 設定時に HDL4-X4 のカートリッジ交換を実施し HDD 再構築までの時間を測定しました なお ハードディスク故障時の交換方法はマニュアルを参照下さい 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 1 拡張ボリュームモードでカートリッジ交換 ( 装置全体 :100GB 保存時 ) 6 分 39 秒 2RAID 6 モードでカートリッジ交換 4 時間 7 分 ご注意 上記テストは計測を目的に実施しております 本製品において RAID 6 RAID 1 RAID 0 で RAID 構成されているカートリッジ ( ハードディスク ) は 障害発生時以外には取り外さないで下さい 不用意に取り外すと冗長性が失われたり RAID 構成が崩壊してすべてのデータを失う危険性があります 8

4. 多彩なバックアップ機能 4.1 履歴差分バックアップ LAN DISK X は日次や週次で外付型ハードディスクに指定フォルダーの差分バックアップをとることができます(最 大 7 つのスケジュール設定が可能) さらにアイオー独自のバックアップ方式により従来よりも容量を節約でき バック アップ時間も短縮することができるようになりました 履歴差分バックアップはランサムウェアなどの不正ファイル操作や誤操作などにも有効です 以下の図のように暗 号化されたり 誤ってファイルを削除してしまった際には 正しいデータを過去の世代から復元することができます a. USB HDD に履歴差分バックアップ <環境> 機器構成 バックアップ元 NAS HDL4-X4 バックアップ先 HDD ZHD-UTX2 バックアップ方式 履歴差分バックアップ 接続方式 USB3.0 接続 USB3.0 HDL4-X4 9 ZHD-UTX2

<測定方法> ① バックアップデータの準備 フルバックアップ用テストデータ 300GB 1MB ファイル 1000 個 10MB ファイル 100 個 100MB ファイル 10 個 フォルダー1(3GB) 1MB ファイル 1000 個 10MB ファイル 100 個 disk1(300gb) 100MB ファイル 10 個 フォルダー2(3GB) 1MB ファイル 1000 個 10MB ファイル 100 個 100MB ファイル 10 個 フォルダー100(3GB) 差分データは同構成の 3GB 10 フォルダー(30GB)を追加 ② HDL4-X4 の共有フォルダー disk1 にテストデータ(300GB)をコピーして ZHD-UTX2 に対してバックアッ プを実行 ③ HDL4-X4 に 30GB の差分データを追加(合計 330GB)して ZHD-UTX2 に対してバックアップを実行 設定手順はマニュアルを参照下さい <測定結果> 0 ①ZHD-UTXフォーマット 0.2 0.4 b. 0.8 1 1.2 1.4 出荷時より専用フォーマットなので必要なし ②300GBフルバックアップ ③30GB差分バックアップ 0.6 1時間6分 9分 NAS に履歴差分バックアップ <環境> 機器構成 バックアップ元 NAS:HDL4-X4 バックアップ先 NAS:HDL4-X4 バックアップ方式 履歴差分バックアップ 接続方式 LAN 接続(1GbE) LAN(1GbE) 10 バックアップ元 バックアップ先 HDL4-X4 HDL4-X4

< 測定方法 > 1 バックアップデータの準備 ( フルバックアップ用テストデータ :300GB) disk1(300gb) フォルダー 1(3GB) フォルダー 2(3GB) フォルダー 100(3GB) 1MB ファイル 1000 個 10MB ファイル 100 個 100MB ファイル 10 個 1MB ファイル 1000 個 10MB ファイル 100 個 100MB ファイル 10 個 1MB ファイル 1000 個 10MB ファイル 100 個 100MB ファイル 10 個 2 バックアップ元 HDL4-X4 の共有フォルダー disk1 にテストデータ(300GB) をコピーしてバックアップ先 HDL4-X4 に対してバックアップを実行 3 バックアップ元 HDL4-X4 に 30GB の差分データを追加 ( 合計 330GB) してバックアップ先 HDL4-X4 に対してバックアップを実行 < 測定結果 > 0 1 2 3 4 5 設定手順はマニュアルを参照下さい 1300GB フルバックアップ 3 時間 50 分 230GB 差分バックアップ 32 分 11

4.2 レプリケーション ( クローン ) LAN DISK X を 2 台使用すると レプリケーション機能を活用して マスター機の共有フォルダーと指定したスレ ーブ機の共有フォルダーをリアルタイムで同期して同じ状態に保つことができます 更に 併せてクローン機能を活 用すれば すべての共有フォルダーと一部の設定以外の設定情報を同期することができ マスター機が故障した 際に自動的にスレーブ機が昇格するフェールオーバーを実現していることで BCP 対策を講じることが可能です 当社ではクローンを使用した BCP 対策をリレー NAS と呼んでおります 詳細は以下リンク先をご覧ください http://www.iodata.jp/ssp/nas/backup/relaynas/ 次の設定項目は保存されません ログのフィルター設定 暗号化設定 管理者設定 以下を除くパッケージ設定( 以下の設定は保存対象となります ) -Dropbox 以外のクラウド同期設定 (Dropbox を有効にした場合は 切替後に再設定が必要です ) -FTP 社内業務用 レプリケーション用 レプリケーション専用として LAN2 ポートを使用することにより 社内業務に影響なし a. レプリケーション同期の仕組み 設定を行い使い始める時には 初期同期として 一旦 マスター機のレプリケーション元フォルダーの共有フォルダーのデータを全てスレーブ機にコピーします その後の通常運用時では レプリケーション元の共有フォルダーへのファイル フォルダーの書込 変更 削除の操作ごとに同期処理をおこない 同じ状態に保ちます なお 本レプリケーション機能はマスター機に保存したデータをファイル単位でスレーブ機にコピーするため 同一の状態になるまでにタイムラグが発生します b. レプリケーションの同期にかかる目安は? 設定を行い 使い始める際には 一旦 マスター機のデータを全てスレーブ機にコピーすることになります この初期同期に掛かる時間の目安は 100GB あたり約 1 時間となります 初期同期後は随時更新ファイルがコピーされますが それに掛かる時間の目安は 100GB あたり約 1.5 時間となります これらの目安は ファイル数やフォルダー構造 ネットワーク環境 使用状況により変動します 12

実際に以下のとおり計測を実施しました < 環境 > LAN(1GbE) 機器構成マスター機 :HDL4-X4(LAN2 ポート使用 ) スレーブ機 :HDL4-X4 バックアップ方式 : レプリケーション接続方式 :LAN 接続 (1GbE) マスター機 HDL4-X4 スレーブ機 HDL4-X4 < 測定方法 > 1 バックアップデータの準備 ( フルバックアップ用テストデータ :300GB) disk1(300gb) フォルダー 1(3GB) フォルダー 2(3GB) フォルダー 100(3GB) 1MB ファイル 1000 個 10MB ファイル 100 個 100MB ファイル 10 個 1MB ファイル 1000 個 10MB ファイル 100 個 100MB ファイル 10 個 1MB ファイル 1000 個 10MB ファイル 100 個 100MB ファイル 10 個 2 マスター機 HDL4-X4 の共有フォルダー disk1 にテストデータ (300GB) をコピーしてスレーブ機 HDL4-X4 に対してバックアップを実行 3 マスター機 HDL4-X4 に 30GB の差分データを追加 ( 合計 330GB) してスレーブ機 HDL4-X4 に対 してバックアップを実行 設定手順はマニュアルを参照下さい < 測定結果 > 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 1300GB フルバックアップ 2 時間 40 分 230GB 差分バックアップ 17 分 13

c. クローン レプリケーションの注意事項 制限事項 クローン機能を使用する場合 事前に LAN DISK X( マスター スレーブ ) にクローンパッケージを追加してください 事前に LAN DISK X( マスター ) にレプリケーションパッケージ (Ver.1.03 以降 ) を追加してください ( スレーブには不要です ) レプリケーションの対応機器は LAN DISK H, LAN DISK X, LAN DISK A(AA,AAW) です クローン機能を使用する場合 マスターとスレーブは同じシリーズである必要があります ただし スレーブにはファイル保存のため充分な空き容量が必要です 設定の前に マスターとスレーブの管理者パスワードを4 文字以上で設定しておいてください スレーブにマスターにあるフォルダーと同名のフォルダーがある場合は ファイルが削除される可能性があります 必要に応じてバックアップしてください スレーブの設置がネットワーク ( ルーター ) を超える場合のご注意 十分なスループットを確保できる光回線をご使用ください LAN DISK はクローン通信に TCP: 873 番 TCP:51055 番 を使用します スレーブ機を接続しているルーターが NAT 設定されている場合は TCP:873 番 TCP:51055 番 宛の通信がスレーブに届くように ポートフォワード設定が必要です 通信は暗号化をおこなっておりませんので インターネットを経由する場合は VPN 環境下でのご利用をおすすめします 一時的にスレーブを切り離した場合 レプリケーションエラーがシステムログに記録され 1 時間以内は 1 分ごと それ以降は 1 時間ごとに接続を再試行し 接続できた段階で再開します ( マスターを再起動した場合でも再開されます ) この場合 再設定は不要です ただし スレーブを切り離された状態でマスターの設定変更をした場合 スレーブへの設定保存が失敗します この場合は自動で保存はされませんので 再度マスターで設定変更をしてください ファイル数の多い共有フォルダーを変更すると 変更が完了するまでに時間がかかる場合があります また 変更が完了するまで共有フォルダーにはアクセスできません ファイルの保存は 外付けボリューム共有フォルダー など削除できない共有フォルダーは対象外です クローン機能を使用する場合 マスターでのレプリケーションの設定変更はできなくなります クローン機能を使用する場合 共有フォルダーの削除はスレーブ側に反映されません 切り替え後 必要に応じて別途共有フォルダーの削除を実行してください レプリケーション元共有フォルダーとして指定可能な共有フォルダーは 300 個です 14