平成21年6月23日

Similar documents
Microsoft Word - CLP規則導入手引(第2.1版)(修正: ) 修正.doc

特定個人情報の取扱いの対応について

個人情報保護規定

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F D B835E8BA4974C8EE888F E63294C5816A8F4390B E31322E F4390B394C5816A2E646F63>

特定個人情報の取扱いの対応について

Microsoft PowerPoint - J_Bussiness_partners_slide_Ver10.pptx

Taro-議案第13号 行政手続条例の

分類 ラベルラベル表示表示と ECHAの産業界支援 EU における化学物質化学物質管理に関するの最新動向 :REACH : CLP BPR Petteri Mäkelä

1 資料 1 パーソナルデータの利活用に関する制度改正に係る法律案の骨子 ( 案 ) TM 2014 年 12 月 19 日 内閣官房 IT 総合戦略室 パーソナルデータ関連制度担当室

文書管理番号

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

<4D F736F F D D BB95698ADC974C89BB8A7795A88EBF8AC7979D91CE899E834B >

PASMO付身分証等オートチャージサービス会員規約

14個人情報の取扱いに関する規程

付属書Ⅰ 取引先様取組み評価書

薬食機発 0131 第 1 号平成 25 年 1 月 31 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長 薬事法に基づく登録認証機関の基準改正に伴う留意事項について ( その 2) 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 以下 法 という )

財団法人日本体育協会個人情報保護規程

指定 ( 又は選択 ) 官庁 PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 - ベトナム国家知的所有権庁 (NOIP) 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (3) に基づく期間 : 優先日から 31 箇月 PCT 第 39 条 (1)(b)

PMK520合併・分社等に伴うプライバシーマーク付与の地位の継続に関する手順

PowerPoint プレゼンテーション

< F2D8EE888F882AB C8CC2906C>

第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -AL AL 1 頁 工業所有権総局 (GDIP) ( アルバニア ) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 AL.Ⅰ 委任状 附属書 AL.Ⅱ 略語のリスト国内官庁 : 工業所有権総局 (GD

個人情報保護法と 行政機関個人情報保護法の 改正点概要

IPデータ通信網掲示

第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条この業務規程は 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律 ( 平成 2 年法律第 30 号 以下 法 という ) 第 39 条において準用する同法第 22 条第 1 項の規定に基づき 調査業務の実施に関し必要な事項を定めることを目的とする ( 調査業務実施の

<4D F736F F D20335F395F31392E31312E323895BD8BCF925089BF82C982E682E98EE688F88EC08E7B82CC82BD82DF82CC8BC696B191CC90A CC90AE94F

遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の概要 目的国際的に協力して生物の多様性の確保を図るため 遺伝子組換え生物等の使用等の規制に関する措置を講ずることにより 生物多様性条約カルタヘナ議定書 ( 略称 ) 等の的確かつ円滑な実施を確保 主務大臣による基本的事項の公表 遺

地方公共団体等による土地の先買い制度について 公有地の拡大の推進に関する法律とは県や市町村等が公共事業を円滑に進めていくためには 事業に必要な用地を前もって取得し 安定的に確保しておく必要があります このため 公有地の拡大の推進に関する法律 ( 以下公拡法と表記 ) に基づく土地の先買い制度がありま

H21年度 直前対策ビデオ改訂一覧表

法律事務所等の名称等に関する規程

鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等に関する規則 平成 19 年 3 月 31 日規則第 15 号 改正 平成 21 年 2 月 16 日規則第 2 号平成 21 年 8 月 25 日規則第 28 号平成 28 年 3 月 25 日規則第 17 号鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等

法律 出典 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年 8 月 10 日法律第 145 号 ) 政令 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 36 年 1 月 26 日政令第 11 号 ) 省令 医薬品 医療機器等の品質

附則 ( 昭和 56 年 7 月 8 日県本部訓令第 14 号 ) この訓令は 昭和 56 年 7 月 16 日から施行する 附則 ( 昭和 56 年 8 月 29 日県本部訓令第 15 号 ) この訓令は 昭和 56 年 9 月 1 日から施行する 附則 ( 昭和 56 年 10 月 31 日県本

ドメインサービス約款

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

〔表紙〕

REACH 規則 規則 ( 化学物質の登録学物質の登録 評価評価 認可認可 及び及び 制限に関する規則 ) 欧州化学物質庁 仮訳 (2014 年 3 月 20 日 ) ファクトシート 制度の詳細については原典等で御確認ください 化学物質国際対応ネットワーク及び環境省は 利用者が本仮訳に掲載されている

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的


( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

個人情報の保護に関する規程(案)

社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

2015 年 2 月 13 日版 わかる! マイナンバー 特定個人情報取扱い ガイドライン 株式会社ワイイーシーソリューションズ 本資料について 本内容は 2014 年 12 月末時点の政府などの公開情報をもとに 当社の解釈にて作成しておりますので 今後の法改正 制度設計等により変更になる可能性があ

GVP バックグラウンド 2012 年 7 月より 欧州連合 (EU) ではファーマコビジランスの新しい法令が適用されている ファーマコビジランスの実施を支援するため ガイドラインの新しい枠組みが作成され 以前 EUで制定された医薬品規制の第 9A 章は差し替えられる ファーマコビジランス実施 (G

SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

特定個人情報の取扱いに関する管理規程 ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 特定個人情報の漏えい 滅失及び毀損の防止その他の適切な管理のための措置を講ずるに当たり遵守すべき行為及び判断等の基準その他必要な事項を定めるものとする ( 定義 ) 第 2 条 この規定における用語の意義は 江戸川区個人情報保

検討結果 電力小売事業の全面自由化時 (2016 年 /4 月 ) から使用される 需要家スイッチング支援システム を中心にした スイッチング関連業務に関するルール の建付けについて 検討した結果を報告します 1. スイッチング関係ルールを 広域機関ルール として以下のように策定する ( 対象のルー

学校法人金沢工業大学個人情報の保護に関する規則

1 アルゼンチン産業財産権庁 (INPI) への特許審査ハイウェイ試行プログラム (PPH) 申請に 係る要件及び手続 Ⅰ. 背景 上記組織の代表者は

〇用語 個人情報保護法 個人情報の保護に関する法律のこと 現行保護法 現行の個人情報の保護に関する法律のこと 改正法 保護法 法 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律 ( 平成 27 年 9 月 9 日法律第 65 号

セーレングループ環境データ集 2018

Microsoft Word - 改正個人情報保護法Q&A②個人識別符号

個人情報保護規程

Microsoft Word - アンチ・ドーピング規程(クリーン).docx

東レ福祉会規程・規則要領集

Report ラトビア (1) 国内法と EU 指令の比較 罰則規定 税関での運用状況 1 WEEE 国内法と EU 指令との比較 WEEE 国内法の要求と拘束力は EU 指令 (WEEE の年間一人当り最低回収量 4kg) と等しいものである ラトビアの WEEE 関連法は以下の通りで

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -SA S A 1 頁 サウジ特許庁 (SPO) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 SA.Ⅰ 略語のリスト国内官庁 : サウジ特許庁 (SPO) Law: 特許, 集積回路配置デザイン, 植

H21年度 直前対策ビデオ改訂一覧表

=WEB・宿泊予約利用規約=

PUB

( 除名 ) 第 9 条社員が次のいずれかに該当するに至ったときは 社員総会の決議によって当該社員を除名することができる (1) この定款その他の規則に違反したとき (2) この法人の名誉を傷つけ または目的に反する行為をしたとき (3) その他除名すべき正当な事由があるとき ( 社員資格の喪失 )

個人情報保護に関する規定 ( 規定第 98 号 ) 第 1 章 総則 ( 目的 ) 第 1 条学校法人トヨタ学園および豊田工業大学 ( 以下, 総称して本学という ) は, 個人情報の保護に関する法律 ( 平成 15 年法律第 57 号, 以下, 法律という ) に定める個人情報取り扱い事業者 (

資料1 プロ・アマ区分について

<4D F736F F D BA692E88B7982D18AD698418B4B92F D F4390B382C882B5816A2E646F63>

<945F96F B3816A2E786264>

<4D F736F F D F8E598BC6906C834E D8DDA B837C815B838B95D233817A2E646F63>

パッチョポイントサービス利用規約 第 1 条本規約について 1. パッチョポイントサービス利用規約 ( 以下 本規約 といいます ) は 東京ガス株式会社 ( 以下 当社 といいます ) が当社ウェブサイト及びアプリケーション mytokyogas ( 以下 本サイト といいます ) において提供す

また 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 ( 平成 3 年法律第 77 号 ) は 暴力団員の人数のうちに占める 暴力的不法行為等 に係る犯罪経歴保有者の人数の比率が一定の比率を超えること等を指定暴力団の指定の要件とするなどしており 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律施行規則 (

Microsoft Word - 個人情報管理規程(案)_(株)ふるさと創生研究開発機構(2016年1月27日施行).doc

することを可能とするとともに 投資対象についても 株式以外の有価証券を対象に加えることとする ただし 指標連動型 ETF( 現物拠出 現物交換型 ETF 及び 金銭拠出 現物交換型 ETFのうち指標に連動するもの ) について 満たすべき要件を設けることとする 具体的には 1 現物拠出型 ETFにつ

会員に対する処分等に係る手続に関する規則 (2018 年 7 月 30 日制定 ) 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本規則は 定款第 15 条に規定する会員に対する処分及び不服の申立てに係る手続の施行に関し 必要な事項を定めることを目的とする ( 定義 ) 第 2 条本規則において 次の各号

かなければならず 防犯カメラ設置運用基準に防犯カメラ取扱責任者の設置及び指定に関することについて定めること ( 防犯カメラ設置運用基準の届出等 ) 第 5 条防犯カメラ設置運用基準の届出をしようとする者は 防犯カメラを設置しようとする日の14 日前までに 防犯カメラ設置運用基準届 ( 別第 1 号様

Microsoft Word - 個人情報の取り扱いについて.doc

04_Hioki

Microsoft PowerPoint - 03 要綱概要版

個人情報管理規程

点で 本規約の内容とおりに成立するものとします 3. 当社は OCN ID( メールアドレス ) でログインする機能 の利用申込みがあった場合でも 任意の判断により OCN ID( メールアドレス ) でログインする機能 の利用をお断りする場合があります この場合 申込者と当社の間に利用契約は成立し

_第3回消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ_資料2

個人情報の取り扱いに関する規程

適用時期 5. 本実務対応報告は 公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用する ただし 平成 28 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度が本実務対応報告の公表日前に終了している場合には 当該事業年度に本実務対応報告を適用することができる 議決 6. 本実務対応報告は 第 338 回企業会計

この制度は 2003 年 9 月 2 日から施行され 旧 地方自治法 244 条の2による管理委託を行ってきた 公の施設 の場合は 3 年間 ( 経過措置 ) の間に自治体が指定管理者制度に移行することになっている 現時点で 指定管理者制度導入のため 1 指定の手続きについて一般ルールとして定めた自

情報公開に係る事務処理規則 ( 平 18 規則第 16 号平成 18 年 8 月 1 日 ) 改正平 19 規則第 52 号平成 19 年 9 月 21 日平 26 規則第 2 号平成 26 年 5 月 13 日平 26 規則第 22 号平成 27 年 3 月 31 日 第 1 章総則 ( 目的 )

指定 ( 又は選択 ) 官庁 CL PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -CL 国立工業所有権機関 ( チリ ) 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 CL 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (1) に基づく期間 : 優先日から 30 箇月 PCT 第 39 条 (1

metis ami サービス仕様書

Microsoft Word - TechStarsプライバシーポリシー.docx

この証明書は マレーシア木材産業庁 (MTIB) が半島部またはサバ州の木材製品に使用した原木の合法性を EU 以外の輸出国に証明するために発行している 図 木材産業庁が発行している木材合法性証明書 23

3-3 新旧対照表(条例の審査基準).rtf

個人情報保護規程 株式会社守破離 代表取締役佐藤治郎 目次 第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章個人情報の利用目的の特定等 ( 第 4 条 - 第 6 条 ) 第 3 章個人情報の取得の制限等 ( 第 7 条 - 第 8 条 ) 第 4 章個人データの安全管理 ( 第 9

Microsoft Word - ~ doc

エーシーニールセン・コーポレーション株式会社 個人情報保護方針

高圧ガス(第580号),P50-56

個人情報保護規程例 本文

目 次 1. タムラグループの環境活動 1 2. グリーン調達基準 1 第 1 章総則 1 第 2 章取引先様への要求事項 3 第 3 章材料 部品等の選定基準 3 第 4 章取引先様への調査内容 4 附則 5

特定臨床研究に関する手順書

(Microsoft Word - 004\201`008\207T_H24.4_)

(1) 採用 昇任 降任 転任の用語の定義について定めるものとすること ( 第 15 条の2 第 1 項関係 ) (2) 標準職務遂行能力は 職制上の段階の標準的な職 ( 職員の職に限る 以下同じ ) の職務を遂行する上で発揮することが求められる能力として任命権者が定めるものとすること ( 第 15


<4D F736F F D208CF689768ED C926D8DE0936F985E8BA689EF814093FC91DE89EF B4B91A52E646F63>

Transcription:

特別資料 No.249 ドイツ化学品法および関連規則 ( 第 3 版 ) 平成 21 年 7 月 9 日 正誤表 1~4 ページを次ページに差し替え願います

I 解説 1. ドイツにおける化学物質の安全管理と化学品法ドイツにおける化学物質の安全管理は 危険な物質からの保護のための法律 ( 化学品法 ) を根幹としている この法律は製品の種類を問わず また大気 水質等の環境媒体を問わず さらにその保護対象が公衆 労働者 環境のいずれであるかを問わず 危険な物質および調剤を包括的に規制するものである ( ただし 医薬品 農薬等一部すでに個別の法律で規制されているものは除かれている ) 本法律は 1980 年 9 月 16 日付で制定され 1982 年 1 月 1 日に施行された その後 1990 年 3 月 14 日付で第 1 次改正 さらに 1994 年 7 月 25 日付で 危険な物質の分類 包装 表示に関する理事会指令 67/548/EEC 第 7 次修正理事会指令の国内法化を主目的とした第 2 次改正が行われた その後 逐次修正が行われてきたが 2002 年 6 月 20 日付で 殺生物性製品の上市に関する欧州議会および理事会指令 98/8/EC を国内法化するための法律 ( 殺生物剤法 ) が制定されたことにより大幅改正が行われた さらに今回は 2008 年 5 月 20 日付で その後の改正に加え 主として REACH 規則 (EC)No 1907/2006 を施行するための大幅改正が行われた 2. 化学品法の法体系化学品法はドイツ連邦議会の議決を経た連邦法 (Bundesgesetz) であるが その施行のための詳細を規定するいくつかの政令規則 (Rechtsverordnung) によって補完されている この政令規則の制定については連邦政府が連邦上院の同意を得て制定し 連邦議会 ( 下院 ) の議決を必要としないが この政令規則制定権限の連邦政府への付与は その内容とともに法条文に明確に規定されている 化学品法に基づく政令規則もその後の改正および REACH 規則の施行に伴う化学品法の大幅改正に伴い改正されている REACH 規則施行に伴う主な改正点を含めて 政令規則を以下に示す なお 下記 (6) の中毒情報規則 (7) の殺生物剤認可規則 (8) の殺生物剤報告規則は特に REACH 規則への対応はなされていない (1) 危険物質からの保護のための規則 ( 危険物質規則 GefStoffV) (*) MSDS が REACH 規則の付属書 II に従って作成されなければならないことに修正されたこと 罰則の対象に REACH 規則の MSDS に対する要件等への違反が加えられたこと (2) 危険な物質 調剤および製品の上市の禁止ならびに制限に関する規則 ( 化学品禁止規則 ChemVerbotsV) 内容の改正は行われているが 現在のところ REACH 規則施行に伴う改正はない (3) 試験報告書およびその他の届出 報告書類に関する規則 ( 試験報告書規則 ChemPrüfV) REACH 規則の施行に伴い廃止された (4) 連邦官庁の公的行為に対する費用に関する規則 ( 化学品費用規則 ChemKostV) 物質の届出 報告の際の公的行為の項目が削除された (5) 物質および調剤に関する共同体法上の規則の執行に関する規則 (*) JETOC 注 : 危険物質規則および化学品禁止規則の最新版については JETOC 特別資料 No.242 ドイツ化学品禁止規則および危険物規則 ( 第 3 版 ) を参照されたい

( 化学品刑罰過料規則 ChemStrOWiV) REACH 規則の施行に伴い既存化学物質の環境リスク評価と管理に関する規則 (EEC)No793/93 が廃止されたことに対応して 第 5 条の当該規則に基づく秩序違反の条項が削除された 化学品法中に REACH 規則関連への違反に対する規定が導入されたため 特に REACH 規則への適応化のための条項の追加はなされていない (6) 中毒における予防および情報に関する報告義務に関する規則 ( 中毒情報規則 ChemGiftInfoV) (7) 殺生物性製品の認可ならびに殺生物性製品および殺生物剤 - 活性物質に関わるその他の化学品法上の手続きに関する規則 ( 殺生物剤認可規則 ChemBiozidZulv) (8) 化学品法に基づく殺生物性製品の報告に関する規則 ( 殺生物剤報告規則 ChemBiozidMeldeV) なお 国内法化の手続きなしに直接法律同様の効果を及ぼす EU 規則のうち 化学品法に関係するものには REAC H 規則以外に REACH 規則に関連するものを含めて主なものに以下のものがある 上記化学品刑罰過料規則は これらの EU の規則違反に対するものである (a) REACH 規則 (EC)No 1907/2006 に従う欧州化学品庁に支払われるべき手数料および料金に関する委員会規則 (EC)No 340/2008 (b) REACH 規則 (EC)No 1907/2006 に従う試験法を定める委員会規則 (EC)No 440/2008 (c) 欧州化学品庁上訴委員会の組織および手続の規則を規定する委員会規則 (EC)No 771/2008 (d) 危険な化学品の輸出入に関する欧州議会および理事会規則 (EC)No 304/2003 (*) (e) 既存物質のリスクの評価と管理に関する理事会規則 (EEC)No 793/93/EEC REACH 規則の施行に伴い廃止された (f) オゾン層破壊に導く物質に関する規則 (EC)No 2037/2000 本資料は 化学品法のほぼ全訳および上記 (4)~(8) の政令規則の全訳をまとめて紹介するものである (*) JETOC 注 :2008 年 6 月 17 日付で 危険な化学品の輸出入に関する欧州議会および理事会規則 (EC)No 689/2008 に置き換えられた

3. 化学品法の主な改正点 (1) 第 2 章の 新規化学物質の届出 ( 第 4~12 条 ) が削除され 新たに 規則(EC)No 1907/2006 の施行 ( 第 4 ~10 条 ) として ドイツ当局の行うべき任務等についての記載に置き換えられた またこれに伴い 届出等に関連する箇所の修正が行われた (2) 第 3 章の 分類 包装および表示 の第 13 条 (1) において 分類 包装および表示は REACH 規則 (EC)No 19 07/2006 に従う試験法を定める委員会規則 (EC)No 440/2008 に基づいた試験結果に基づいて行われることに置き換えられた (3) 第 4 章の 報告義務 の第 16 条および第 16a~16c 条の届出物質 届出免除物質 既存物質等の届出に関する条項が削除された (4) 第 7 章の 一般規定 の第 26 条の過料規定の新規物質の届出に関する過料規定の条項が削除され 届出物質 届出免除物質 既存物質等の届出に関する条項が修正された その他 これらの関連部分が修正された (5) 第 7 章の 一般規定 に 第 27b 条および第 27c 条として新たに 規則 (EC)No 1907/2006 への違反 および 譲渡規定に対する違反 が追加された それに伴い 従来の第 27b 条 没収 が第 27d 条 没収 に変更された (6) 第 8 章の 最終規定 の第 28 条 (3)~(7) の新規物質の届出に関する条項および届出物質 届出免除物質 既存物質等の届出に関する条項が削除された (7) 第 8 章の 最終規定 の第 28 条 (8) については 指令 98/8/EC (*) の改正および関連規定であるバイオサイド再審査規則 (EC)No 1896/2000 の全面的な置き換えによる新再審査規則 (EC)No 1451/2007 の制定に伴う修正が行われた また第 28 条 (9) については 内容が古くなったために削除された 4. 危険な物質と危険物質化学品法では 危険な物質 と 危険物質 の用語が以下のとおり区別して使用されているので注意が必要である すなわち 危険な物質 (Gefärliche Stoffe): 化学品法第 3a 条の意味における危険な物質がこれに該当し 爆発性 毒性 刺激性等危険と分類される物質である 分類のクライテリアは指令 67/548/EEC の付属書 VI によっており この指令における危険な物質に相当するものである 危険物質 (Gefahrstoffe): 危険物質 は労働者保護の観点から定義されたものであり 対象となるものは危険な物質より広く 化学品法第 19 条 2 項の 1~4 号に指示された以下の物質 調剤および製品がこれに該当する 1. 化学品法第 3a 条の意味における危険な物質 (Gefärliche Stoffe) および危険な調剤ならびにその他の慢性的に障害を起こす性質を持つ物質および調剤 (*) JETOC 注 : 指令 98/8/EC の最新版については JETOC 特別 No.243 EU 殺生物性製品の上市に関する欧州議会および理事 会指令 98/8/EC( 第 2 版 ) を参照されたい また 規則 (EC)No 1896/2000 および規則 (EC)No 1451/2007 については JETOC 特別資料 No.236 EU バイオサイド再審査規則 ( 第 2 版 ) を参照されたい

2. 爆発可能な物質 調剤および製品 3. 製造または使用の際に 1 号または 2 号に基づく物質または調剤が生成するかまたは遊離され得る物質 調剤および製品 4. 1 号 ~3 号に基づくクライテリアを満たさないが その物理化学的 化学的または毒性学的性質およびそれらが作業場で使用されるまたはそこに存在する態様および方法に基づいて 従業員の健康および安全に危害を及ぼすことがある物質および調剤 5. 政令規則の意味での作業場限界値が割り当てられているすべての物質 < 本書の利用にあたって> ドイツの法令文を構成するものとして主に条 項 号のほかに 文 がある 文 は文字どおり 文頭から句点までを指し 本書ではそれぞれの条項における第 1 番目の文 ( ドイツ語 :Satz 1) を 1 文 第 2 番目の文 (Satz 2) を 2 文 というように表記している また 文字 a 文字 b という表記は それぞれ a 目 b 目 という意味を表すものとしてお読みいただきたい 具体例 : 以下の文中の 1 文 とは 企業は 2 項に基づく --- 許可を得る のことを言い 2 文 とは 複数の事業場 --- 1 名いなければならない を言い 3 文 とは これらの者の --- 届け出られなければならない を言う (3) 企業は 2 項に基づく要求を満たす事業場構成員を使用できる場合 その設備および事業場に対して 1 項に基づく許可を得る 複数の事業場を持つ企業においては 各事業立地に 1 文に基づく者が 1 名いなければならない これらの者の交代は遅滞なく所管当局に届け出られなければならない