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2) 抽出された事業スキームの比較 1 各手法のメリット デメリット事業スキームについては 実施中の民間事業者へのヒアリングの結果を参考にして 決定することになるが 各手法のメリット デメリットは下表の通りとなる 表 : 各手法のメリット デメリット 事業スキームメリットデメリット PFI(BTO)

Transcription:

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目 次 1. 前提条件の整理...1 (1) 事業の目的...1 (2) 周辺環境...1 (3) 提供食数の予測...1 (4) 施設の概要...3 (5) 従来方式による概算事業費の算定...3 (6) 全体事業スケジュールの検討...4 2.PFI 導入の目的と効果...5 (1)PFIとは...5 (2)PFI 導入の目的...5 (3)PFI 導入の効果...6 3.PFI 事業スキームの検討...7 (1)PFI 事業の基本的な仕組み...7 (2) 事業方式の検討...9 (3) 事業形態の検討...9 (4) 事業期間の検討...9 (5)PFI 業務範囲の想定...10 4.VFM の把握...11 (1)PFIによる事業費の検討...11 (2)PFI 事業のシミュレーション条件整理...11 (3) シミュレーション結果と評価...12 5. 民間事業者の参入可能性調査...13 6.PFI 導入の総合評価...13 (1) 定量的評価...13 (2) 定性的評価...13 (3) 総合評価...13

1. 前提条件の整理 (1) 事業の目的南部学校給食センターは昭和 45 年に開設され 37 年間稼動してきたが 施設の老朽化が進み 現在の衛生基準を満たすことができなくなったため 平成 18 年度をもって閉鎖されている 本事業は 老朽化し現在の衛生基準を満たすことができなくなった既存施設を解体し 同敷地内に 安全衛生基準を満足する新センターとして建替えるものである (2) 周辺環境本敷地の東側は 市道南町一丁目下島線 ( 幅員約 11m) 西側は 市道中田下島線 ( 幅員約 5~6.5m) に接道し 道路を介してマンション 住宅が近接している また 敷地北側と南側は 戸建住宅 アパート 公園等に隣接している 旧センター開設以降 敷地周辺は住宅地として市街化が進み 現在は主として中高層住宅の良好な住居環境を保護する第 2 種中高層住居専用地域に指定されており 建て替えにあたっては 近隣住民への充分な説明と建設への理解が必要となる 給食センターは 換気扇 洗浄機等の騒音や 廃水処理施設 残渣処理 調理に伴う臭気等が発生するため 環境基準の遵守や周辺環境への配慮が不可欠である なお 建替えに当っては建築基準法 48 条による建築許可を予定している 本敷地の概要 区分 地番 駿河区西島 127-1 他 敷地面積 ( 公簿 ) 6,133.40 m2 用途地域 第 2 種中高層住居専用地域 建ペイ率 容積率 60% 200% 内容 (3) 提供食数の予測新センターの給食能力については 将来の児童生徒数の予測 上位計画である静岡市学校給食センター配置計画 ( 平成 26 年度 ) 現在の提供食数を踏まえ 約 10,000 食とする なお 将来的な本市の学校給食センター配置計画への対応を考慮し 2 割程度の余裕を見込むことが望ましいと考えられる 1 配食予定校における将来の児童生徒数は 平成 18 年で 9348 人 平成 24 年度で 9,238 人とほぼ横ばい傾向にある 人 10,000 南部学校給食センター配食校における児童 生徒数の推計 9,000 8,000 7,000 6,000 小学校生徒数 中学校生徒数 小 中学校生徒数合計 5,000 4,000 3,000 2,000 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 年度 2 静岡市学校給食センター配置計画 (H26 年度 ) における南部センター提供食数は 9,559 食となっている 3 平成 18 年度の食数は 9,931 食 ( 教職員含む ) である 1

静岡市学校給食センター配置計画 (H26) 平成 26 年度における静岡市全体の学校給食センターの配置計画は 次のとおりであり南部センターにおける提供食数は 9,559 食となっている 共同調理場 ( 学校給食センター ) 配置図 H26 山間地 興津 小学校 4 校 中学校 3 校 提供食数 3,100 食 庵原小学校中学校提供食数 1 校 1 校 738 食 藁科 小学校 6 校 中学校 2 校 提供食数 253 食 中吉田 小学校 12 校 中学校 4 校 提供食数 8,940 食 南部 小学校 11 校 中学校 6 校 提供食数 9,559 食 西部 北部 東部 小学校 16 校 中学校 8 校 提供食数 8,131 食 小学校 10 校 中学校 5 校 提供食数 9,597 食 三保 小学校 5 校 中学校 3 校 提供食数 3,117 食 清水山間地 小学校 6 校 中学校 2 校 提供食数 635 食 小学校 11 校 中学校 5 校 提供食数 8,964 食 H26 正規調理員数 北部 37 人 西部 37 人 井 梅 3 人 庵原 1 人 蒲原 6 人 井川 梅ヶ島 小学校 2 校 中学校 2 校 提供食数 48 食 蒲原単独 小学校 2 校 中学校 1 校 提供食数 838 食 2

(4) 施設の概要新しい学校給食センターの基本的な性能や 必要な諸室の概要は次のとおりである 区分 内容 食数 10,000 食程度 ( 最大 12,000 食 ) 稼動日数 200 日程度 / 年 配食校 17 校程度 ( 小学校 11 校 中学校 6 校 ) 基本性能 施設規模安全衛生基準食器検収 下処理 延床面積 4,000 m2程度 学校給食衛生管理の基準 ( 文部科学省 ) 大量調理施設衛生管理マニュアル ( 厚生労働省 ) HACCP の概念を取り入れた衛生管理の実施 樹脂製個別食器 飯碗 (4 種 ) 汁碗 (4 種 ) 丼 仕切り皿 トレイの合計 11 種類 飯碗 汁碗は 小学校低学年 中学年 高学年及び中学生ごとに大きさの違うものを使用する 野菜類検収室 肉 魚 卵類検収室 肉 魚処理室 給食エリア 調理 配膳 洗浄 その他 煮炊き ( 釜 ) 調理室 揚げ 焼き 蒸し物調理室等 前室 洗浄室 プラットホーム等 準備室 消毒室等 必要諸室 事務エリア 事務室 職員用会議室 ( 兼用可 ) 更衣室等 地域開放エリア その他 食育関連 地元開放 見学スペース 会議室 <50 人収容 > ( 調理教室 食育教室等として利用 ) 集会所 ( 兼用可 ) ( 給食業務に支障のない範囲で夜間 休日に使用可 ) 駐車場等 (5) 従来方式による概算事業費の算定従来方式による施設整備費 ( 調査 設計費 建設費 既存施設解体費 ) は 中吉田学校給食センターの実績に基づき算出した ( 約 22 億円 ) また 年間の維持管理運営費 ( 保守点検 調理 配送等に要する費用 ) は 南部給食センター 中吉田学校給食センターの実績に基づき想定した ( 約 3 億円 / 年 ) 3

(6) 全体事業スケジュールの検討 PFI 事業者の選定は PFI 法に基づき 実施方針の作成 特定事業の選定 入札公告 を行い 事業者から提案を受付け 審査を経て 事業者の選定 事業契約の締結 が行われる また この間 債務負担行為の設定 PFI 事業者との事業契約の締結に関して 2 回の議会承認が必要となるため これら一連の手続きに 1 年程度が必要である 全体事業スケジュール ( 案 ) 平成 PFI 関連業務議会地元説明会等既存施設 18 年度 1 月 2 月 可能性調査FI導入P3 月 19 年度 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 地元説明会 11 月 建築許可事前申請 12 月 1 月 建築許可申請 PF2 月I3 月ア公聴会 20 年度 4 月ド 実施方針公表建築審査会 ( 注 1) バ5 月イ 特定事業の選定建築許可 6 月ザ債務負担行為 ( 議決 ) リ7 月ー 入札公告 8 月 9 月 10 月 11 月 提案の受付 12 月 事業者の選定 1 月 2 月 事業仮契約締結 3 月 PFI 事業契約 ( 議決 ) 21 年度 4 月 VE 提案に基づく 地元説明会 5 月 6 月 7 月 8 月 設計変更確認申請 9 月 着工 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 22 年度 4 月 5 月 6 月 7 月 竣工 8 月 9 月 稼動準備新センター供用開始 10 月 業務建設工事旧南部センタl(休止)解体 4

2.PFI 導入の目的と効果 (1)PFI とは PFI(Private Finance Initiative: プライベートファイナンスイニシアティブ ) とは 1 992 年に英国で誕生した 民間の資金や経営能力 技術力を活用して 公共施設等の設計 建設 改修 更新や維持管理 運営を効率的 効果的に整備する公共事業の手法のことである 日本においては 平成 11 年 7 月 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律 ( 以下 PFI 法 という ) が成立し 同年 9 月に施行され この法律に準拠した PF I 事業が実施できるようになった 現在 PFI 事業として 274 件の実施方針が公表され このうち 150 件が管理運営段階に移行している ( 内閣府 PFI 推進委員会平成 19.5.31 現在 ) 学校給食センターの PFI については 現在 14 件の実施方針が公表され このうち 7 件が管理運営段階に移行している (2)PFI 導入の目的 PFI は 民間の資金や技術的能力を活用し より少ない財政支出で質の高い公共サービスを市民 ( 納税者 ) に提供することにある このため PFI では費用対効果の観点から 税金 (Money) の使用価値 (Value) を最大化しようとする考え方が基本となっている これを VFM(Value For Money: バリューフォーマネー ) が得られるという PFI 事業において VFM は最も重要な概念の一つであり サービス提供の事業主体を公共と民間のどちらにするかを決める際に 公共と民間とが提供するサービスが同一の水準にある場合は 事業期間を通じた公的財政負担の縮減が期待できる方を採用するという考え方を基本としている 5 つの原則と 3 つの主義 PFI は 5 つの原則と 3 つの主義に基づき実施することが求められている これは PFI 法第 4 条の規定に基づき 国が策定した 民間資金等の活用による公共施設等の整備等に関する事業の実施に関する基本方針 ( 平成 12 年 3 月 13 日総理府告示第 11 号 ) において PFI 事業の適性要件として 5 原則及び 3 主義が示されている 1 公共性原則公共性のある事業であること 2 民間経営資源活用原則 5つの原則3つの主義されるものをいう (PFI 法第 2 条第 2 項より ) 民間の資金 経営能力及び技術的能力を活用すること 3 効率性原則民間事業者の自主性と創意工夫を尊重することにより 効率的かつ効果的に実施すること 4 公平性原則特定事業の選定及び民間事業者の選定において公平性を担保すること 5 透明性原則特定事業の発案から終結に至る全過程を通じて透明性が確保されること 1 客観主義各段階での評価決定について客観性があること 2 契約主義公共施設等の管理者等と選定事業者との間の合意について 明文により 当事者の役割及び責任分担等の契約内容を明確にすること 3 独立主義事業を担う企業体の法人格上の独立性又は事業部門の区分経理上の独立性が確保されること * 特定事業 とは 公共施設等の整備等 ( 公共施設等の建設 改修 維持管理若しくは運営又はこれらに関する企画をいい 国民に対するサービスの提供を含む ) に関する事業であって 民間の資金 経営能力及び技術的能力を活用することにより効率的かつ効果的に実施 5

(3)PFI 導入の効果 1) 良質な公共サービスの提供 PFI を導入することにより 民間事業者の経営ノウハウや技術的能力を公共事業に活用することに加えて 設計 建設 維持管理 運営を一体的に行うことにより 創意工夫が発揮されることで 質の高い公共サービスの提供が期待できる 2) 事業費の削減性能発注や一括発注 * 注 1 等による事業期間全体のコスト管理が効率的に行われることによる事業費の削減が期待できる なお PFI 法施行後 約 8 年になるが 事業者選定が終了した PFI 事業 149 件における VFM の平均は 24%( 内閣府平成 11 年度 ~ 平成 19 年 5 月末現在 ) となっている 3) 行政と民間のパートナーシップの形成民間事業者の創意工夫を尊重しつつ 公共施設の設計 建設 維持管理 運営に関する業務を 可能な限り民間にゆだねることにより 官民の適切な役割分担に基づく新たなパートナーシップの形成が期待できる 4) 公共の財政支出の平準化 PFI 事業者が施設整備等の初期投資に必要な費用を調達することにより 市は施設整備費相当額を事業期間中にサービスの対価として分割して支払を行うこととなるため 財政支出の平準化が可能となる 5) 民間の事業機会の創出従来 市が行ってきた事業を民間にゆだねるため 民間事業者にとっては新たな事業機会を得ることになる また これにより地域経済の活性化への寄与が期待される 6) 行政の説明責任の確保 PFI 事業の発案から終結に至るまで 透明性の確保が求められるため 実施方針の公表 特定事業の公表 公募 事業者の選定等の手続を通して 行政の説明責任が確保される * 注 1 性能発注 PFI が従来型の公共事業と異なる点の一つが 性能発注である PFI 事業者は 公共から提示された性能に基づいて 自らが資材等の仕様等を決定し 多様なメーカー等から条件に合致したものを選ぶことになるため 取扱いに習熟したものや大量に購入契約をしているものを利用するなどのコスト削減方策の採用も可能となる 一括発注 PFI 事業者が一括して事業に取り組むために 施設整備費や事業期間中の維持管理費及び運営費を考慮して設計や建設面での工夫を行うことにより 事業全体でのコスト削減に努めることとなる 従来方式では施設整備 ( 建設工事 ) 等の発注について 工区や工種ごとに入札を行うこと ( 分離 分割発注 ) が多いが PFI では一括して発注することになり PFI 事業者は効率的に設計 建設 更には維持管理及び運営を行うことが可能となる また 維持管理及び運営については 従来方式では複数年契約ではなく単年度契約で行われていたところが PFI では事業期間にわたり委託することになるため 効率的な業務遂行とコスト削減が期待できる 6

3.PFI 事業スキームの検討 (1)PFI 事業の基本的な仕組み PFI の実施に当たって 市は 提供されるべき公共サービス水準 ( 要求水準 ) を示し 公募の上 民間事業者を選定し 選定された事業者が提案した具体的な仕様について PFI 事業契約を締結し 選定事業者が契約義務として担うべき業務の内容を規定する このため PFI においては コンソーシアム ( 企業連合 ) による応募が行われ 選定された事業者は PFI の事業を専門に行う特別目的会社 (SPC) を設立し 公共サービスを提供することが一般的となっている 1) コンソーシアムによる応募 PFI 事業における契約は 設計 建設 維持管理 運営といった多岐にわたる事業内容を伴う包括契約となるため 民間事業者は 原則として複数の企業によるコンソーシアムを結成して応募する 2)SPC による公共サービスの提供選定されたコンソーシアムは 参加した企業が中心となって出資し SPC を設立し 市と PFI 事業契約を締結する SPC は 当該事業専業の会社であり これはコンソーシアムに参画する個々の企業の経営状態が悪化した場合でも PFI 事業に影響を与えないようにするためのものである 学校給食センターにおける PFI 事業スキーム 静岡市給食会 委託契約 静岡市 直接協定 給食費 食材 事業契約 給食提供先 ( 学校 ) 給食の提供 SPC ( 特別目的会社 ) 融資契約 金融機関 出資配当融資契約 出資者 工事監理委託契約工事請負契約維持管理 運営業務委託契約 設計会社 建設会社 維持管理 運営会社 協力会社 コンソーシアム ( 企業連合 ) 7

3)PFI における各主体の役割 市議会金融機関 SPC 区分 役割 PFI 事業契約に基づき 当該公共施設の整備等を SPC にゆだねる 事業期間中 公共サービスの要求水準が確保されているか監視及び確認 ( モニタリング ) を行い サービス対価 ( 公共施設の設計 建設 維持管理 運営費用 ) を支払う PFI 事業に関する債務負担行為の審議と議決 PFI 事業契約の審議と議決を行う 融資契約に基づき SPC に対して融資 ( プロジェクトファイナンス ) を行う PFI 事業契約に基づき 公共施設の整備 維持管理 運営等を行う 融資契約に基づき金融機関から融資を受ける PFI 事業契約に基づきコンソーシアムの各企業と各種契約を行う コンソーシアムを構成する主要な企業 投資家 SPC に出資する SPC との委託等契約に基づき 公共施設の整備等を行う SPC に出資する 4)PFI における契約 区分契約の主体内容 PFI 事業契約 融資契約 委託等契約 直接協定 ( ダイレクトアグリーメント ) 市と SPC が締結する 金融機関と SPC が締結する SPC とコンソーシアムを構成する各企業が締結する 金融機関と市が締結する PFI 事業期間における事業内容や SPC へのサービス対価の支払方法等を規定しており 一般的に長期的包括的な内容となる 当該 PFI 事業契約から得られる SP C の収益に基づき 金融機関が SPC に対して融資を行う 公共施設の設計 建設 維持管理 運営など PFI 事業の業務内容に沿って SPC はコンソーシアムを構成する各企業と契約し 業務を実施する 直接協定は SPC の存続 安定のために市と金融機関とが協力することを主旨として締結される 代表的なものとして 要求水準の未達等による P FI 事業契約の解除事由が発生した場合 市が解除権を行使する前に 金融機関が融資保全のために事業の再建に積極的に参画できるような規定 ( 介入権 ) がある 8

(2) 事業方式の検討事業方式としては 施設完成後も PFI 事業者が施設を所有し 事業期間終了時に市に所有権を譲渡する BOT 方式と 完成後ただちに所有権を市に譲渡する BTO 方式という 2 つの主な事業方式がある 区分 B O T (Build-Operate-Transfer) B T O (Build-Transfer-Operate) 内容 民間が自ら資金調達を行い施設を建設 (Build) し, 管理運営 (Operate) を行い, 事業期間終了後, 公共に施設の所有権を移転 (Transfer) する事業方式をいう 民間が自ら資金調達を行い施設を建設 (Build) した後, 施設の所有権を公共に移転 (Transfer) し, 施設の管理運営 (Operate) を行う事業方式をいう 学校給食施設は交付金対象事業であり 交付金の交付に影響を及ぼす業務は認められないため PFI 事業者にゆだねる業務内容も学校給食業務に限定される また 献立の作成は 市が実施することが義務付けられているとともに 物資の購入 調理業務等における衛生 安全の確保については 市の意向を十分反映できるような管理体制が求められている したがって 市が施設を所有し 税制面で有利な BTO 方式が望ましいと考えられる なお BOT 方式は 民間が施設を所有するため 課税対象となる不動産取得税 固定資産税 都市計画税については サービスの対価として公共が負担することとなる (3) 事業形態の検討学校給食センターは 市が運営の主体となるとともに収益もないこと等から PFI 事業者が提供するサービスを公共が購入するという考え方が適切である すなわち 市は PFI 事業者に施設整備費及び維持管理運営費の対価としてサービス購入料を支払う サービス購入型 が適切である なお 学校給食センターの PFI 事例においては 全てサービス購入型となっている (4) 事業期間の検討事業期間の設定においては 民間事業者の資金調達 大規模修繕との関係等を踏まえ 本事業の維持管理期間は 15 年程度とすることが適切と考えられる 民間においては 固定金利で調達可能な年数は 10 年であるため 通常は 10 年後に金利を見直すことになる 学校給食センターにおいては 学校給食設備は 一般に概ね 15 年で更新されていることから 大きな修繕費用が発生せずに運営可能な維持管理期間としては 15 年程度が想定される また 維持管理期間を 通常 大規模な修繕が発生しない期間 とすることにより 本事業のように 施設整備に加え 調理を含む幅広い運営業務を PFI 事業者にゆだねる場合は この維持管理期間中に発生する修繕 ( 規模の大小を問わず ) は 全て PFI 事業者による業務範囲とすることで 業務内容が明確になり PFI 事業者の創意工夫も発揮され かつ適切なコストコントロールも働きやすいものと考えられる なお PFI 事業期間は 事業契約締結から事業終了までの期間であり 設計 建設期間と維持管理運営期間を合わせたものである したがって 本事業においては 維持管理期間 (15 年 ) に 設計 建設期間 ( 約 1 年 ) を加え PFI 事業期間 ( 約 16 年 ) とすることが適切である 9

調達調理備品 保守点建築設備 検(5)PFI 業務範囲の想定本市においては 基本構想に基づき 民間事業者による幅広い能力を活用し 給食サービスを提供するため 設計 建設 維持管理 運営において 下表のとおり PFI の業務範囲を想定する 区分 PFIの業務範囲 市の業務範囲 設 計 建 設 工 事 監 理 施設整備等 調理設備 附 属備品 既存施設解体 献 立 作 成 食 材 調 達 検 収 検収補助 調 理 配 缶 運 営給食運搬 ( 米 パン 麺 牛乳以外 ) ( 米 パン 麺 牛乳については学校給食会 ) 配 膳 回 収 洗 浄 残 滓 処 理 建築物 調 理設備 植 栽 外 構 維持管理清 掃 警 備 修 繕 計 画 修繕 ( 市の責によるものを除く ) ( 注 ) 市は PFI 事業期間中 公共サービスの要求水準が確保されているか (SPC による設計 建設 維持管理 運営 ) モニタリングを行う 10

4.VFM の把握 (1)PFI による事業費の検討 PFI 事業においては 従来の公共事業とは 契約形態 資金調達 発注方式に大きな相違点がある PFI 事業と従来事業の比較 区分 PFI 事業 従来事業 契約形態 設計 建設 維持管理 運営業務を一括して契約 設計 建設 維持管理 運営業務を分離して契約 資金調達民間金融機関等起債 一般財源 補助金等 発注方式 一括発注 性能発注 分離分割発注 仕様発注 (2)PFI 事業のシミュレーション条件整理 PFI 導入時における 事業者及び市の条件は下表の通り整理される PFI 事業者の条件区分 条件 資金調達 自己資金 ( 資本金 ) 市からの一時金 民間金融機関からの借入 最近の 調理を含む PFI 事例に基づき想定する 交付金対象事業費 ( 約 4 億円 ) * 交付金は従来方式と同様に支給されると想定する 市からの一時金 資本金以外 収入 サービス購入料 施設完成時に 市からの一時金が支払われる 残りの施設整備費は 割賦により事業期間中支払われる また 維持管理費が事業期間中支払われる 支出 施設整備費 維持管理運営費 従来方式に対して性能発注 一括発注により効率的に行われるものと想定し 一定の削減率を想定する ( 従来方式による事業費は約 22 億円 ) 従来方式に対する効率性を考慮し 一定の削減率を想定 ( 従来方式による維持管理運営費は約 3 億円 / 年 ) 諸経費 開業費 税金 SPC 設立費用 金融関連費 建中金利 契約履行保証料 法人税率のみ計上 市の条件 区分 条件 資金調達 交付金対象事業費約 4 億円 ( 交付金 起債 一般財源 ) * 竣工時に一括で支払う 収入税金法人税 ( 市 ) 支出諸経費アドバイザリー費用 11

(3) シミュレーション結果と評価公共施設等の整備等に関する事業を PFI 事業として実施するかどうかについては PFI 事業として実施することにより 公共部門が自ら実施する場合に比べて 効率的かつ効果的に実施できることを基準としている したがって PFI 事業としての実施を検討するに当たっては VFM の有無を評価することが基本となる 用語の定義区分 PSC PFI 事業の LCC VFM 評価 内容公共が自ら実施する場合の 事業期間を通じた公的財政負担の見込額の現在価値 PFI 事業として実施する場合の 事業期間を通じた公的財政負担の見込額の現在価値 VFM がある VFM がない PSC PFI 事業の LCC PSC < PFI 事業の LCC 市が直接事業を実施する場合と PFI 事業として実施する場合の市の財政支出を比較すると 前者と比較して後者の方が財政支出額 (VFM) は 現在価値換算で約 11% 下回るとのシミュレーション結果が得られた なお 本評価では 市が直接事業を実施する場合と PFI 事業として実施する場合の工事仕様が同一となっていないため 一定の誤差が想定されるが 民間による設計で 工事仕様の決定に自由度を与えることにより PFI 事業として実施する場合の財政支出の削減効果は十分に期待されると考えられる また 学校給食の PFI 事業の先進事例との比較においても 当該地区における PFI 事業の適用可能性は高いものと考えられる 学校給食センター PFI 事例における VFM 区分 特定事業の選定時 VFM(%) 事業者の決定時 八雲村学校給食センター 7.1 19.7 上山市学校給食センター 4.3 可児市学校給食センター 10.0 伊万里市学校給食センター 16.0 27.5 千葉市大宮学校給食センター 11.0 24.4 浦安市千鳥学校給食センター 14.0 30.0 宇多津新給食センター 13.0 仙台市新野村学校給食センター 7.9 8.0 東根市学校給食センター 15.0 18.4 木更津第一小学校改築及び木更津市学校給食センター整備事業 10.1 ( 未決定 ) 山形市学校給食センター 17.0 ( 未決定 ) 狭山市立第一学校給食センター 10.1 ( 未決定 ) ( 注 ):- 印は非公表 12

5. 民間事業者の参入可能性調査民間事業者の 本事業への参入可能性について 学校給食センター PFI の実績等を踏まえ 建設企業 5 社 調理企業 6 社 地元金融機関 3 社 計 14 社に対してヒアリングを行った 1 本事業で想定している事業スキームに対する評価基本的な事業スキームである BTO 事業期間約 15 年については 14 社全てが標準的なスキームであると回答している 調理を含む事業スキームについては 建設企業 調理企業全てが対応可能 あるいは望ましいと回答している また 地元金融機関においても 調理を含めた方がリスク分担が明確になるため望ましいと回答している 2 本事業に対する参入意向建設企業 調理企業においては 本事業への参加意欲は高いことが確認された また 地元金融機関についても積極的に対応したいとの意向が確認された 6.PFI 導入の総合評価 (1) 定量的評価 VFM の試算結果から 財政負担額を比較すると次のとおりとなる 市が直接事業を実施する場合と PFI 事業として実施する場合の市の財政支出を比較すると 前者と比較して後者の方が財政支出額 (VFM) は 現在価値換算後 約 11% 下回るとのシミュレーション結果が得られた この結果 本事業を市が自ら実施する場合に比べ PFI 方式により実施する場合は 事業期間中の市の財政負担額が約 11% 削減されるものと見込まれる (2) 定性的評価本事業を PFI 方式により実施する場合 市の財政負担額削減の可能性といった定量的な効果に加え 次のような定性的な効果が期待できる 1) サービス水準の向上本事業においては PFI 事業者が有する設計 建設 維持管理 運営の専門的な知識やノウハウを活用することにより 本施設の機能の向上や給食提供の確実性 安全性 効率性 環境問題への対応が可能となり 良質かつ効率的な学校給食サービスの提供が期待できる 2) 官民のパートナーシップによる安心で安全な給食の提供施設整備や維持管理に加え 調理を含む幅広い運営業務を PFI 事業者に委ねることにより 民間事業者のノウハウが発揮され また 献立作成や食材調達を行う市とのパートナーシップによる より安全で衛生的な学校給食の提供が可能となる 3) リスク分担の明確化による安定した事業運営計画段階であらかじめリスク分担を明確にすることにより 問題発生時における適切かつ迅速な対応が可能になり 業務目的の円滑な遂行や安定した事業運営の確保が期待できるとともに 適正なリスク管理により過度な費用負担を抑制することが可能となる 4) 財政の平準化本事業に必要な費用を 15 年間にわたる維持管理及び運営期間をとおしてサービスの対価を毎年一定額支払うことから 財政支出を平準化することが可能になる (3) 総合評価本事業は PFI 事業として実施することにより 事業全体をとおして事業者の資金調達力や効率的及び効果的な事業ノウハウを活用することが可能になり 結果として定量的評価における財政負担の縮減を期待できるとともに定性的評価に提示した様々な効果が期待できる また 民間事業者に対するヒアリング結果からも 本事業への参画意欲は高いことから 本事業において PFI を導入することが適切と考えられる 13