広島市 PPP/PFI 手法導入 優先的検討指針 平成 30 年 4 月 広島市

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広島市 PPP/PFI 手法導入 優先的検討指針 平成 30 年 4 月 広島市

- 目次 第 1 章指針策定の目的等... 1 1 指針策定の目的... 1 2 PPP/PFI とは... 2 3 PPP/PFI により期待される効果... 3 4 PPP/PFI 手法の主な特徴... 4 5 PPP/PFI 手法の活用についての本市の取組姿勢... 5 第 2 章 PPP/PFI 手法導入に係る優先的検討... 6 1 用語の説明... 6 2 対象とする PPP/PFI 手法... 7 3 優先的検討の開始時期... 9 4 優先的検討の対象とする事業... 9 5 対象事業の例外... 9 6 適切な PPP/PFI 手法の選択... 10 7 簡易な検討... 12 8 詳細な検討... 12 9 優先的検討に係る庁内検討体制... 13 10 PPP/PFI 手法導入に係る優先的検討の手順... 14 PPP/PFI 手法簡易評価調書... 16

第 1 章指針策定の目的等 1 指針策定の目的本市がこれまで整備してきた公共施設等は 他の地方公共団体と同様に その多くが整備後 30 年から 50 年の期間を経過して老朽化が進んでおり 近い将来一斉に更新時期を迎え 多額の更新費用が必要となることが予想されます その一方で 財政面では生産年齢人口の減少等による市税収入の伸び悩み 少子高齢化の進展に伴う社会保障費等の義務的経費の増加など 引き続き厳しい財政状況が続くことが懸念されています このため 公共施設等の更新と財政の健全化を両立させることが重要となってきており 今後 公共施設等の整備等を進めるに当たっては 行政における伝統的な考え方や仕事の進め方にとらわれず 民間事業者に委ねることでサービス水準の向上や経費の削減が期待できる場合などは 積極的に民間活力の活用を図ることを検討することが必要です こうした状況の中 平成 27 年 12 月に国の 民間資金等活用事業推進会議 において 多様な PPP/PFI 手法導入を優先的に検討するための指針 が決定され 人口 20 万人以上の地方公共団体において 一定規模以上の公共施設等の整備等の検討を行う場合に 多様な PPP/PFI 手法導入を従来型手法に優先して検討するための規程を定めるよう要請があったところです これを受け 本市において多様な PPP/PFI 手法の導入を優先的に検討するための手続について定めるとともに 効果的 効率的な公共施設等の整備等を全庁的に推進するため この度 広島市 PPP/PFI 手法導入優先的検討指針 を策定したものです 1

2 PPP/PFI とは PPP(Public Private Partnership) とは 公共施設等の建設 維持管理 運営等を行 政と民間が連携して行うことにより 民間の創意工夫等を活用し 財政資金の効率的使 用や行政の効率化等を図るものです PFI(Private Finance Initiative) とは PFI 法に基づき 公共施設等の建設 維持 管理 運営等を民間の資金 経営能力及び技術的能力を活用して行う手法であり PFI は PPP の一類型です PPP/PFI 手法には 民間事業者が担う業務範囲等により多くの手法があります PPP(Public Private Partnership) 公共施設等の建設 維持管理 運営等を行政と民間が連携して行うことにより 民間の創意工夫等を活用し 財政資金の効率的使用や行政の効率化等を図るもの PFI(Private Finance Initiative) PFI 法に基づき 公共施設等の建設 維持管理 運営等を民間の資金 経営能力及び技術的能力を活用して行う手法 設計 建設 維持管理 運営 公共施設等の整備等 BT 方式 BTO BOT BOO RO 方式 DBO 方式 ESCO 公共施設等運営権事業 O 方式 民間建設借上方式 指定管理者制度 包括的民間委託 公的不動産の利活用 定期借地権方式 公共所有床の活用 占用許可等の公的空間の利活用 本指針の対象とする PPP/PFI 手法については 7 頁参照 PPP/PFI 手法は 次の1~3の特徴を有します 1 従来の官民の役割分担を見直し 民間事業者の役割を大幅に拡大し その主体性を幅広く認めるものであること 2 協定等に基づき官民双方がリスクを分担すること 3 民間事業者が事業実施に当たり相当程度の裁量を有し 創意工夫をいかすことで 事業の効率化やサービスの向上を図れること 2

3 PPP/PFI により期待される効果 PPP/PFI 手法導入による効果は事業により異なりますが 例えば 以下が期待されます ⑴ コスト削減包括発注等を行うことにより民間事業者により大きな裁量を与えることが可能となり コスト削減が期待できます 例えば 建設に掛かるコストが他より安かったとしても 維持管理に掛かるコストが他よりも高くなり トータルのコストで高くなっては意味がありません PPP/PFI 手法のうち PFI 方式や DBO 方式では 設計 建設から維持管理 運営を性能発注の考え方に基づいて一括して委託することで トータルのコストを考慮して民間事業者を選定することができます ⑵ サービスの質の向上性能発注等を行うことにより民間事業者の創意工夫の余地が大きくなり サービスの質の向上が期待できます 例えば 集客施設については 公共施設等の管理者等自らが事業を実施するよりも 集客施設の運営に十分なノウハウを有する民間事業者に設計 建設から維持管理 運営を性能発注の考え方に基づいて一括して委託する方が サービスの質が向上する可能性があります ⑶ 収入の増加性能発注等を行うことにより民間事業者の創意工夫の余地が大きくなり 収入の増加が期待できます 例えば 民間事業者がサービスの質の向上や新たなサービスの提供等により利用者を増やしたりすること等によって 収入が増加する可能性があります ⑷ 地域の活性化性能発注等を行うことにより民間事業者の創意工夫の余地が大きくなり 地域の活性化が期待できます 民間事業者が事業を実施することで新たなビジネス機会や雇用が創出されたり 余剰地の活用等を通じて地域における賑わいが創出されることで 地域が活性化する可能性があります なお これらの PPP/PFI 手法導入による効果は いずれも PPP/PFI 手法を導入するだ けで実現できるというものではありません これらの効果がより発揮されるように 業 務要求水準や民間事業者の選定プロセスを工夫することが重要となります 3

4 PPP/PFI 手法の主な特徴 ⑴ 包括発注従来型手法では 分離 分割 ( 業務ごと ) の単年度での委託 を原則とするのに対して PPP/PFI 手法では 複数の業務を包含した複数年度での委託 とするのが一般的です 例えば PFI の場合 多くの事業において 設計 建設とその後の維持管理 運営を包括して複数年度 (10 年 ~30 年程度 ) で発注しています ⑵ 性能発注 PPP/PFI 手法では 通常 性能発注 という考え方を用います 性能発注とは 発注者が業務の具体的な仕様 条件を細かく規定して発注する仕様発注ではなく アウトプット ( 性能 ) に着目して民間事業者が果たすべき義務 ( これは 業務要求水準 と呼ばれています ) を規定して発注するものです 従って 発注者は業務の具体的な仕様 条件を細かく規定していません 下表のとおり 性能発注は 発注者がアウトプット ( 性能 ) を達成する方法を指定しないため 民間事業者の裁量が大きくなります 事業実施に当たっては 業務要求水準に定められた条件を満たすことを前提に 民間事業者が提案した方法が採用されるため 従来型手法に比べて民間事業者の創意工夫の余地が大きい発注方法といえます < 仕様発注と性能発注の考え方 ( 例 )> 設備 業務 仕様発注 性能発注 照明 どのような照明器具を設置するかを規定 部屋の明るさを数値で規定 プラント プラントの種類 仕様を規定運営時に要求される性能 ( 処 理能力など ) を規定 4

5 PPP/PFI 手法の活用についての本市の取組姿勢 本市がこれまでに策定 公表した各種計画や方針では PPP/PFI 手法の活用についての 取組姿勢について 以下のように示しています ⑴ 世界に誇れる まち の実現に向けて ( 平成 23 年 12 月 ) 限られた資源で最大の効果を挙げていくため 第 3 セクター等を含め より機動的 効率的な業務執行体制の構築や 民間の資金 ノウハウの積極的な活用などにも取り組みます ⑵ 広島市行政改革大綱 ( 平成 26 年 3 月修正 ) 産学官が果たすべき役割を明確にした上で 本市が直接実施すべき業務に必要な資源を集中的に投入するとともに それ以外の業務については 民間委託やPFI の有効活用等を図る ⑶ 財政運営方針 ( 平成 28 年 2 月 ) 民間に委ねることでより効率的 効果的な公共サービスの提供が可能な事務 事業については 一層積極的に進めていくための手法を検討するなど 中長期的な視点に立った抜本的な事務 事業の見直しにも着手します ⑷ 公共施設等総合管理計画 ( 平成 29 年 2 月 ) PPP PFI など 民間の技術やノウハウ 資金などを活用することにより 施設の維持管理に加えて サービスの質的向上や財政負担の軽減が図られるものについては 積極的な活用を検討します ( 第 3 章インフラ資産の取組方針 ) 民間事業者のノウハウを活用することにより サービス水準の向上や経費の削減が期待できる場合などは PPP PFI などの手法を活用して積極的に民間活力の活用を図ることを検討します また 利用者の需要が流動的な施設については 民間建物の借上げなどにより柔軟に対応することを検討します ( 第 4 章ハコモノ資産の取組方針 ) 5

第 2 章 PPP/PFI 手法導入に係る優先的検討 1 用語の説明本指針において 次に掲げる用語の定義は それぞれ次に定めるところによります 用語定義 PFI 法民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律 ( 平成 11 年法律第 117 号 ) 公共施設等 PFI 法第 2 条第 1 項に規定する公共施設等公共施設整備事業 PFI 法第 2 条第 2 項に規定する公共施設等の整備等に関する事業利用料金 PFI 法第 2 条第 6 項に規定する利用料金運営等 PFI 法第 2 条第 6 項に規定する運営等公共施設等運営権 PFI 法第 2 条第 7 項に規定する公共施設等運営権整備等建設 製造 改修 維持管理若しくは運営又はこれらに関する企画をいい 市民に対するサービスの提供を含む 優先的検討本指針に基づき 公共施設等の整備等の方針を検討するに当たって 多様な PPP/PFI 手法の導入が適切かどうかを 自ら公共施設等の整備等を行う従来型手法に優先して検討すること 参考 PFI 法 ( 抜粋 ) ( 定義 ) 第二条この法律において 公共施設等 とは 次に掲げる施設 ( 設備を含む ) をいう 一道路 鉄道 港湾 空港 河川 公園 水道 下水道 工業用水道等の公共施設二庁舎 宿舎等の公用施設三賃貸住宅及び教育文化施設 廃棄物処理施設 医療施設 社会福祉施設 更生保護施設 駐車場 地下街等の公益的施設四情報通信施設 熱供給施設 新エネルギー施設 リサイクル施設 ( 廃棄物処理施設を除く ) 観光施設及び研究施設五船舶 航空機等の輸送施設及び人工衛星 ( これらの施設の運行に必要な施設を含む ) 六前各号に掲げる施設に準ずる施設として政令で定めるもの 2 この法律において 特定事業 とは 公共施設等の整備等 ( 公共施設等の建設 製造 改修 維持管理若しくは運営又はこれらに関する企画をいい 国民に対するサービスの提供を含む 以下同じ ) に関する事業 ( 市街地再開発事業 土地区画整理事業その他の市街地開発事業を含む ) であって 民間の資金 経営能力及び技術的能力を活用することにより効率的かつ効果的に実施されるものをいう 6 この法律において 公共施設等運営事業 とは 特定事業であって 第十六条の規定による設定を受けて 公共施設等の管理者等が所有権 ( 公共施設等を構成する建築物その他の工作物の敷地の所有権を除く 第二十九条第四項において同じ ) を有する公共施設等 ( 利用料金 ( 公共施設等の利用に係る料金をいう 以下同じ ) を徴収するものに限る ) について 運営等 ( 運営及び維持管理並びにこれらに関する企画をいい 国民に対するサービスの提供を含む 以下同じ ) を行い 利用料金を自らの収入として収受するものをいう 7 この法律において 公共施設等運営権 とは 公共施設等運営事業を実施する権利をいう 6

2 対象とする PPP/PFI 手法 本指針の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとします ⑴ 公共施設等の設計 建設 改修 維持管理 運営等を伴う方式 ア PFI 手法 BTO 方式 Build-Transfer- Operate BOT 方式 Build-Operate- Transfer BOO 方式 Build-Own- Operate BT 方式 Build-Transfer RO 方式 Rehabilitate - Operate 民間事業者が公共施設等を設計 建設(Build) し 施設完成直後に公共側に施設の所有権を移転 (Transfer) し 民間事業者が維持管理 運営等 (Operate) を行う方式 業務範囲に 設計 建設 維持管理 運営等を含むことが一般的設計建設維持管理 運営業務範囲 契約形態事業契約民間の契約主体特別目的会社 (SPC) が多い 対価は維持管理 運営期間に支払うことが一般的 民間事業者が公共施設等を設計 建設(Build) し 維持管理 運営等 (Operate) を行い 事業終了後に公共側に施設の所有権を移転 (Transfer) する方式 業務範囲と契約は BTO 方式と同じ 対価は維持管理 運営期間に支払うことが一般的 民間事業者が公共施設等を設計 建設(Build) し 維持管理 運営等 (Operate) を行い 事業終了時点で施設等を解体 撤去するなど公共側への施設の所有権移転がない (Own) 方式 業務範囲と契約は BTO 方式と同じ 対価は維持管理 運営期間に支払うことが一般的 民間事業者が公共施設等を設計 建設(Build) し 公共側に施設の所有権を移転 (Transfer) する方式 業務範囲に 設計 建設を含むことが一般的設計建設維持管理 運営業務範囲 契約形態事業契約 - 特別目的会社 (SPC) 民間の契約主体 - 又は民間企業グループ 対価は施設の引渡しまでに支払うことが一般的 既存の公共施設等の所有権を公共側が有したまま 民間事業者が施設を改修 (Rehabilitate) し 改修後に維持管理 運営等 (Operate) を行う方式 業務範囲と契約は BTO 方式と同じ 対価は維持管理 運営期間に支払うことが一般的 イ PFI 手法以外の手法 DBO 方式 Design-Build- Operate 民間事業者に公共施設等の設計 建設(Design-Build) の一括発注と 維持管理 運営等 (Operate) の一括発注を包括して発注する方式 業務範囲に 設計 建設 維持管理 運営等を含むことが一般的 設計 建設 維持管理 運営 業務範囲 契約形態 工事請負契約 事業契約 民間の契約主体 建設会社又は特別目的会社 JV( 設計会社と建設会社 ) (SPC) が多い 設計 建設の対価は施設の引き渡しまでに支払うことが一般的 7

⑵ 公共施設等の維持管理 運営等を行う方式 ア PFI 手法 公共施設等運営事業 ( コンセッション ) O 方式 Operate 利用料金を収受する公共施設等について 公共側が施設の所有権を有したまま 民間事業者が運営権を取得し 施設の維持管理 運営等を行う方式 民間事業者に公共施設等の維持管理 運営等 (Operate) を長期契約等により一括発注や性能発注する方式 イ PFI 手法以外の手法 指定管理者制度 包括的民間 委託 地方公共団体が公の施設の維持管理 運営等を管理者として指定した民間事業者に包括的に実施させる手法 公共施設等の維持管理 運営段階における複数業務 複数年度の性能発注による業務委託 PPP/PFI 手法ごとの官民の契約形態 業務範囲及び施設の所有者の傾向は以下のとおり です <PPP/PFI 手法ごとの官民間の契約形態 業務範囲 施設の所有者 > 公共施管設理等 の運設営計等 を建行設う 方改式修 維持公共施等設を等行のう維方持式管理 運営 官民間の契約形態 業務範囲設計建設維持管理運営 施設の所有者 BTO 事業契約民間民間民間民間公共 BOT 事業契約民間民間民間民間民間 BOO 事業契約民間民間民間民間民間 BT 事業契約民間民間 - - 公共 RO 事業契約民間民間民間民間公共 DBO 公共施設等運営権 ( コンセッション ) 設計 建設は請負契約 維持管理 運営は事業契約 民間民間民間民間公共 事業契約 - - 民間民間公共 O 事業契約 - - 民間民間公共 指定管理者制度包括的民間委託 指定 ( 行政処分 ) - - 民間民間公共 委託契約 - - 民間民間公共 8

3 優先的検討の開始時期優先的検討の開始時期は次に掲げる場合とします ⑴ 新たに公共施設等の整備等を行うために基本構想 基本計画等を策定するとき ⑵ 公共施設等の運営等の見直しを行うとき ⑶ その他公共施設等の整備等の方針を検討するとき 4 優先的検討の対象とする事業 次の ⑴ 及び ⑵ に該当する公共施設整備事業を優先的検討の対象とします ⑴ 次のいずれかに該当する事業その他民間事業者の資金 経営能力及び技術的能力を 活用する効果が認められる公共施設整備事業 ア建築物又はプラントの整備等に関する事業 イ利用料金の徴収を行う公共施設整備事業 < 対象施設の例 > 建築物 : 文教施設 医療施設 複合施設 社会福祉施設 観光施設 庁舎等プラント : 廃棄物処理施設 水道浄水場 下水汚泥有効利用施設等利用料金の徴収を行う公共施設 : 水道 下水道等 ⑵ 次のいずれかの事業費基準を満たす公共施設整備事業 ア設計 建設及び改修に係る事業費の総額が 10 億円以上の事業 イ運営及び維持管理に係る単年度の事業費が 1 億円以上の事業 なお 上記の対象事業に該当しない事業であっても PPP/PFI 手法の導入を検討するこ とを妨げるものではありません 5 対象事業の例外次に掲げる公共施設整備事業は 優先的検討の対象から除くものとします ⑴ 既に PPP/PFI 手法の導入が前提とされている公共施設整備事業 ⑵ 民間事業者が実施することが法的に制限されている公共施設整備事業 ⑶ 災害復旧事業等 緊急に実施する必要がある公共施設整備事業 9

6 適切な PPP/PFI 手法の選択 ⑴ 適切な PPP/PFI 手法の選択優先的検討の対象となる公共施設整備事業について 7 簡易な検討 又は 8 詳細な検討 に先立って 当該事業の期間 特性 規模等を踏まえ 当該事業の品質確保に留意しつつ 下記の PPP/PFI 手法選択フローチャート を参考に 最も適切な PPP/PFI 手法を選択するものとします この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとします <PPP/PFI 手法選択フローチャート > 施設の新設又は改修を伴うもの YES NO 設計及び建設 ( 製造 ) と運営等を一括して委託するもの YES 建設 ( 製造 ) に民間資金を活用するもの YES NO 1 BTO BOT BOO RO 2 DBO NO 3 BT 4 公共施設等運営権 O 方式指定管理者制度包括的民間委託 123 の手法については 公的不動産の利活用 ( 定期借地権方式 公共所有床の活用 占用許可等の公的空間の利活用等 ) と併せて実施することも考えられます 4 の手法については 下記特徴を踏まえて 簡易な検討の対象とする手法を決定します ⑴ 公共施設等運営権次に掲げる事項の全てに該当する場合に採用することができる 公共施設等の管理者等が公共施設等の所有権を有していること 公共施設等が利用料金の徴収を行うものであること ⑵ O 方式 ⑴ に該当しない場合でも採用することができる ⑶ 指定管理者制度公共施設等が地方自治法に基づく 公の施設 に該当する場合に採用することができる ⑷ 包括的民間委託公共施設等の維持管理 運営段階における複数業務について 民間事業者に一括して委託する場合に採用することができる ( 下水道の包括的民間委託 水道の第三者委託等 ) 10

⑵ 評価を経ずに行う PPP/PFI 手法導入の決定選択した PPP/PFI 手法が次に掲げるものに該当する場合には それぞれ次に定めるところにより 当該 PPP/PFI 手法の導入を決定することができるものとします PPP/PFI 手法決定方法指定管理者制度 7 簡易な検討 及び 8 詳細な検討 の省略当該事業が施設整備業務の比重の大きいもの 7 簡易な検討 を省略し 8 又は運営等の業務内容が定型的なものに該当詳細な検討 を実施する場合における BTO 方式民間事業者から PPP/PFI に関する提案がある場合であって 当該提案において 従来型手法による場合と PPP/PFI 手法を導入した場合との間での費用総額の比較等の客観的な評価により 当該 PPP/PFI 手法の導入が適切であるとされている場合における当該 PPP/PFI 手法 11

7 簡易な検討次に掲げる定性評価及び定量評価の項目について 別紙 PPP/PFI 手法簡易評価調書 により 簡易な検討を行い 自ら公共施設等の整備等を行う従来型手法による場合と PPP/PFI 手法を導入した場合とを比較し PPP/PFI 手法の導入の適否を評価するものとします なお 6 適切な PPP/PFI 手法の選択 において複数の手法を選択した場合においては 各々の手法について従来型手法による場合と PPP/PFI 手法を導入した場合とを比較し PPP/PFI 手法の導入の適否を評価するものとします ⑴ 定性評価ア類似施設の PPP/PFI 手法導入実績の有無イ民間事業者のノウハウの活用可能性の有無ウ民間事業者の参画意向の有無エ市民サービスの向上可能性の有無オ時間的制約の有無 ⑵ 定量評価ア公共施設等の整備等 ( 運営等を除く ) の費用イ公共施設等の運営等の費用ウ民間事業者の適正な利益及び配当エ調査に要する費用オ資金調達に要する費用カ利用料金収入 < 簡易な検討を行う趣旨 > 簡易な検討とは 専門的な外部コンサルタントに委託せずに 公共施設等の管理者等が自ら候補とされた PPP/PFI 手法の適否を検討する段階です これにより この段階で 明らかに PPP/PFI 手法導入の見込みがない公共施設整備事業について PPP/PFI 手法を導入しないこととすることができ 無用な調査に要する費用を削減することができます 8 詳細な検討詳細な検討では 簡易な検討において PPP/PFI 手法の導入が適すると評価された公共施設整備事業を対象として 専門的な外部コンサルタントを活用するなどにより 要求水準 リスク分担等の検討を行った上で 詳細な費用等の比較を行い 自ら公共施設等の整備等を行う従来型手法による場合と PPP/PFI 手法を導入した場合との間で 費用総額を比較し PPP/PFI 手法の導入の適否を評価するものとします 12

9 優先的検討に係る庁内検討体制 ⑴ PPP/PFI 手法導入検討会議の活用事業所管課が簡易な検討を行った後 及び詳細な検討を行った後に PPP/PFI 手法導入検討会議 において PPP/PFI 手法の導入の適否について審議します なお 同会議の運営等について必要な事項は別に定めます <PPP/PFI 手法導入検討会議の役割等 > 事務局 : 企画総務局役割 : 簡易な検討 及び 詳細な検討 の内容の審議 ⑵ 関係課との協議事業所管課は優先的検討に当たり 必要に応じ 関係部署との協議 調整を行うこととします < 主な関係部署 > 指定管理者制度及び公共施設等総合管理計画との調整に関すること: 企画総務局行政経営部行政経営課 予算に関すること: 財政局財政課 施設整備等に係る技術的なことに関すること: 都市整備局営繕部など 13

10 PPP/PFI 手法導入に係る優先的検討の手順 PPP/PFI 手法導入に係る優先的検討の手順を以下に示します < 優先的検討の手順 > 1 PPP/PFI 手法導入の検討の開始 2 対象事業の特定 対象 対象外 検討対象外 3 適切な PPP/PFI 手法の選択 事業実績に照らし PPP/PFI 手法の導入が適切である場合 左記以外 4 簡易な検討 適する適さない 5 詳細な検討 適する適さない PPP/PFI 不採用 PPP/PFI 不採用 6 PPP/PFI 手法を導入 < 優先的検討の手順の説明 > 1 PPP/PFI 手法導入の検討の開始 事業所管課において 新たに公共施設等の整備等を行うために基本構想 基本計画等を策定するとき 公共施設等の運営等の見直しを行うとき その他公共施設等の整備等の方針を検討するときには PPP/PFI 手法の導入に係る優先的検討に着手します 2 対象事業の特定 事業所管課は 検討対象の公共施設整備事業に係る事業費が 4 優先的検討の対象とする事業 (9 頁参照 ) の基準に該当するかどうかを判断します 事業所管課は 優先的検討の対象事業を特定したときは 企画総務局行政経営部行政経営課へ連絡し 協議を行います 14

3 適切な PPP/PFI 手法の選択 事業所管課は 本市及び他都市における類似施設の PPP/PFI 手法導入実績や PPP/PFI 手法選択フローチャート (10 頁参照 ) を参考に 適切な PPP/PFI 手法の選択を行います 4 簡易な検討 事業所管課は 別紙 PPP/PFI 手法簡易評価調書 を用いて 簡易な検討を行い その評価結果を PPP/PFI 手法導入検討会議 へ付議します PPP/PFI 手法導入検討会議 は 事業所管課が作成した別紙 PPP/PFI 手法簡易評価調書 の内容を審議し 審議結果を事業所管課へ通知します 事業所管課は 審議結果に基づき PPP/PFI 手法の導入が適すると意思決定した場合は 詳細な検討における専門的な外部コンサルタントへの委託料等 必要な経費の予算措置を行います 5 詳細な検討 事業所管課は 専門的な外部コンサルタントを活用した詳細な検討を実施し その検討結果を PPP/PFI 手法導入検討会議 へ付議します PPP/PFI 手法導入検討会議 は 事業所管課が実施した詳細な検討の結果を審議し 審議結果を事業所管課へ通知します 6 PPP/PFI 手法を導入 事業所管課は これまでの検討を総合的に判断し PPP/PFI 手法の導入について最終的 な意思決定を行います < 留意点 > 4 優先的検討の対象とする事業 (9 頁参照 ) に該当する事業について PPP/PFI 手法によらず 従来型手法による基本設計業務や実施設計業務等の予算要求を行う場合には 別紙 PPP/PFI 手法簡易評価調書 による簡易な検討を行っていることが前提となります ( ただし 5 対象事業の例外 に該当する事業を除きます ) 15

別紙 PPP/PFI 手法簡易評価調書 1 対象事業の概要等 項目 内容 事業名事業所管課整備等の区分 建設 改修 運営等 その他 ( ) 事業の目的及び内容 2 定性評価項目 評価の視点 評価 ア類似施設の PPP/PFI 手法導入実績の有 本市及び他都市等の類似施設において PPP/PFI 手法を導入した実績があるか 無 イ民間事業者のノウハウの活用可能性の 包括発注 性能発注が可能であるなど 民間事業者のノウハウを活用できる範囲が広いものか 有無 ウ民間事業者の参画意向の有無 複数の民間事業者に参画意向があり 競争の効果が期待できるものか エ市民サービスの向上可能性の有無オ時間的制約の有無 従来型手法に比べて市民サービスの向上が図られるものか PPP/PFI 手法の導入検討や実施に必要な期間を十分に確保できるものか 16

3 定量評価 整備等 ( 運営等を除く ) 費用 < 算出根拠 > 従来型手法 ( 公共施設等の管理者等が自ら整備等を行う手法 ) 候補となる PPP/PFI 手法 運営等費用 < 算出根拠 > 利用料金収入 < 算出根拠 > 資金調達費用 < 算出根拠 > 調査等費用 < 算出根拠 > 税金 < 算出根拠 > 税引後損益 < 算出根拠 > 合計 合計 ( 現在価値 ) 財政支出削減率 その他 ( 前提条件等 ) 定量評価の実施に当たっては 内閣府作成 PPP/PFI 手法導入優先的検討規程策定の手引 等を参考にしてください 4 PPP/PFI 手法の導入の適否 適否 適 否 理由 17