研究開発評価システムの在り方に関する検討 WG 資料 5 海外における追跡評価の事例 2012 年 3 月 23 日 ( 金 ) 田原敬一郎 Copyright IFENG All Rights Reserved

Similar documents
説明:研究開発評価研修(第3回)の振り返りと論点整理

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

海外政府系研究開発機関における研究開発評価システムにおける調査・分析(平成22年度委託調査結果報告)

助成の流れと PDCA の視点 2 定量的 定性的側面の双方を重視した評価の仕組み定量的側面では 実施地域の規模や特徴を踏まえ 経年推移を中心に分析 評価できる手法を検討する また 助成を受ける芸術団体や文化施設の基礎情報としてストックし 3~ 5 年単位で運営や事業の動向を分析 把握するとともに

ISO9001:2015規格要求事項解説テキスト(サンプル) 株式会社ハピネックス提供資料

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

Slide 1

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) JST 中間評価 1 の実施要領 平成 29 年 6 月改定 JST 国際部 SATREPS グループ 1. 地球規模課題国際科学技術協力 (SATREPS) プロジェクトの中間評価について SATREPS は JST による研究支援お

活動指標及び 活動指標標準仕様書 導入手順書策定数 ( 改定を含む ) 活動見込 31 活動見込 2 活動指標及び 活動指標 RPA 補助事業の完了数 活動見込 31 活動見込 5 活動指標及び AI 実証地域の完了数 活動指標 活動見込 31 活動見

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

資料 3 産総研及び NEDO の 橋渡し 機能強化について 平成 26 年 10 月 10 日経済産業省

国際標準化に係る各国動向と 本の現状 従来から積極的な活動を進める欧州 国に加え 韓国 中国の企業がグローバル市場でシェアを急速に拡 するとともに 標準化活動への取組みを急速に強化 本の活動は 欧 主要国等と 較して低調 本の ISO/IEC への寄与状況 ( 出典 ) 経産省情報通信審議会情報通信

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

P00041

科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 研究評価部会(第25回)配付資料 [資料2]

2016年度 事業計画書(第一次補正)

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

ISO9001:2015内部監査チェックリスト

<4D F736F F F696E74202D A B837D836C CA48F435F >

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

FEATURE ARTICLE 02

2008年6月XX日

手法 という ) を検討するものとする この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとする なお 本規程の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとする イ民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法ロ民間事業者が公共施設等の設計 建設又は製造及び運営

組織内CSIRT構築の実作業

16_27

スキル領域 職種 : マーケティング スキル領域と MK 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

<4D F736F F F696E74202D E291AB8E9197BF A F82CC8A A390698DF42E707074>

Microsoft Word - ★(ワードセット版)CONNEX基本指針

医療機器開発マネジメントにおけるチェック項目

(CANACINTRA) 等と連携を図りつつ設置する案を有しており 国家中小企業コンサルタント養成 認定制度を具現化するためにいかにして事業を進めていくかが課題となっている (2) 相手国政府国家政策上の位置づけカルデロン大統領は 近代的かつ競争力のある経済の強化及び雇用の創出 を 治安 貧困撲滅

いままでの大学評価 これからの大学評価

5. 政治経済学部 ( 政治行政学科 経済経営学科 ) (1) 学部学科の特色政治経済学部は 政治 経済の各分野を広く俯瞰し 各分野における豊かな専門的知識 理論に裏打ちされた実学的 実践的視点を育成する ことを教育の目標としており 政治 経済の各分野を広く見渡す視点 そして 実践につながる知識理論

内部統制ガイドラインについて 資料

環境報告書2015.indd

1. 研究の目的本研究は 米国および日本のインターネット広告の分野で急成長している行動ターゲティングの特性抽出ならびに有効性分析を通じて 購買行動への影響および潜在需要の顕在化効果を明らかにしていくものである 研究の目的は次の 4 項目である 第 1 に ターゲティング広告が どのような特性を備えて

<4D F736F F D20906C8AD489C88A778CA48B8689C881408BB38A77979D944F82C6906C8DDE88E790AC96DA95572E646F6378>

新事業・サービスの創出プロセスと各プロセスに含まれるタスク

事業事前評価表 国際協力機構社会基盤 平和構築部 運輸交通 情報通信グループ第二チーム 1. 案件名国名 : バングラデシュ人民共和国案件名 : 和名国際空港保安能力強化プロジェクト英名 The Project for Security Improvement of International Ai

<4D F736F F D B A815B836782CC8A C98C5782E9834B C4>

CSR(企業の社会的責任)に関するアンケート調査結果《概要版》

パネル・ディスカッション資料1 挑戦的な研究開発を促進するための新しい研究開発評価の在り方

~この方法で政策形成能力のレベルアップが図れます~

「標準的な研修プログラム《

豊橋市 PPP/PFI 手法導入優先的検討方針 効率的かつ効果的な公共施設等の整備等を進めることを目的として 多様なPPP/P FI 手法導入を優先的に検討するための指針 ( 平成 27 年 12 月 15 日民間資金等活用事業推進会議決定 ) に基づき 公共施設等の整備等に多様なPPP/PFI 手

ブック 1.indb

ISO の概要

11

知創の杜 2016 vol.10

資料 1 世界経済フォーラム (WEF) 国際競争 レポートにおけるイノベーションランキングの現状の分析について 内閣府政策統括官 ( 科学技術 イノベーション担当 )

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 利害関係者の特定 QMS 適用範囲 3. ISO 9001:2015への移行 リーダーシップ パフォーマンス 組織の知識 その他 ( 考慮する 必要に応

研究開発評価システムの在り方に関する検討 WG 資料 6 海外における外部評価事例からの示唆 2012 年 7 月 3 日 ( 火 ) 田原敬一郎 Copyright IFENG All Rights Reserved

スライド 1

スライド 1

資料2  SJAC提出資料

ISO 9001:2015 改定セミナー (JIS Q 9001:2015 準拠 ) 第 4.2 版 株式会社 TBC ソリューションズ プログラム 年版改定の概要 年版の6 大重点ポイントと対策 年版と2008 年版の相違 年版への移行の実務

資料1 第1回会議のポイントについて

第48章 ソフトウェアのコストモデル

スライド 1

日本機械学会 生産システム部門研究発表講演会 2015 資料

山梨県 PPP/PFI 導入指針 1 総則一目的本指針は PPP/PFIの手法の導入検討を行うに当たって必要な手続を定めることにより 新たな事業機会の創出や民間投資の喚起を図り 効率的かつ効果的に社会資本を整備するとともに 県民に対する低廉かつ良好なサービスの提供を確保することを目的とする 二 定義

なぜ社会的責任が重要なのか

ソーシャルセクター組織実態調査 2017 特定非営利活動法人新公益連盟 2017 年 12 月 6 日 Copyright 2017 Japan Association of New Public All Rights Reserved,

1

品質マニュアル(サンプル)|株式会社ハピネックス

1 目次序章第一章航空施策の展開及び国内航空市場の発展第一節 2015 年の政府活動報告における規制改革の注目ポイントについて第二節航空輸送需要のさらなる増大と課題第二章航空事業分野における新規参入と課題第一節 LCCの急速に発展の軌道に乗る背景とその実態第二節高速鉄道の発展に伴う航空事業分野に与え

「組織マネジメントに関する調査」結果(概要)

DumpsKing Latest exam dumps & reliable dumps VCE & valid certification king

<4F F824F B4B8A B818E968D802E786C73>

研修シリーズ

2

<4D F736F F D F193B994AD955C D9E82DD835C EC091D492B28DB8816A2E646F63>

<4D F736F F D20352D318FBC8CCB8E738DC58F F5495AA90CD816A5F8F4390B38CE3816A2E646F63>

未来教育 1 プロジェクト学習とポートフォリオ 文部科学省採択事業 確かな学力の育成に係る実践的調査研究 課題解決能力の獲得を可能とするプロジェクト学習とポートフォリオ教員研修プログラムの開発 コーチング指導による コンピテンシー育成 を目指して 報告書 (H22) より シンクタンク未来教育ビジョ

第 18 回 JAB/ISO 9001 公開討論会 2012 年 3 月 13 日 ISO 9001 認証の ブランド価値を高める 東京大学大学院飯塚悦功

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (PMBOK ガイド ) 第 6 版 訂正表 - 第 3 刷り 注 : 次の正誤表は PMBOK ガイド第 6 版 の第 1 刷りと第 2 刷りに関するものです 本 ( または PDF) の印刷部数を確認するには 著作権ページ ( 通知ページおよび目次の前 )

untitled

PowerPoint プレゼンテーション

2

Ressourceneffizienz

どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

untitled

Microsoft PowerPoint - M1001_1_ ppt [互換モード]

Microsoft Word IHO S-66 日本語版(表紙・目次).docx

Hitachi-report_J.indd

Policy

<4D F736F F F696E74202D EF8B638E9197BF82CC B A6D92E894C5816A E >

<4D F736F F D2092B789AA8E EE B193FC974490E693498C9F93A28B4B92F E378DF492E8816A2E646F6378>

RO ( 改修 Rehabilitate- 運営等 Operate) 方式ハ民間事業者が公共施設等の設計及び建 BT( 建設 Build- 移転 Transfer) 方式設又は製造を担う手法民間建設借上方式 2 優先的検討の対象とする事業及び検討開始時期一優先的検討の対象とする事業建築物の整備等に関

資料7-2 川嶋委員からの資料

平成

Microsoft Word - PPPPFI手法導入における優先的検討に係る指針

平成18年度標準調査票

労働政策研究報告書No.59

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

PowerPoint プレゼンテーション

巻頭言 1

Rodrigo Domingues UNDP Borja Santos Porras/UNDP Ecuador UNDP Kazakhstan 2

( ( 政策評価 経済 財政再生アクション プログラムとの関係 政策評価 アクシ経ョ済ン 財プ政ロ再グ生ラム 政策 施策 改革項目 第 K 一 P 階 I 層 ) 測定指標 第 K 二 P 階 I 層 ) 分野 : 定量的指標 定性的指標 KPI ( 第一階層 ) KPI ( 第二階層 ) 項目 中

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 関連する利害関係者の特定 プロセスの計画 実施 3. ISO 14001:2015への移行 EMS 適用範囲 リーダーシップ パフォーマンス その他 (

Transcription:

研究開発評価システムの在り方に関する検討 WG 資料 5 海外における追跡評価の事例 2012 年 3 月 23 日 ( 金 ) 田原敬一郎 k.tahara@ifeng.or.jp

追跡評価を考える上でのポイント 追跡評価の範囲 終了したプログラム 継続しているプログラム 追跡評価の目的 アカウンタビリティ 設定した目標に向けたプログラム マネジメントの改善 行政施策 ( 補助装置 ) を組み込むための教訓の導出 調査 分析 - 評価 - 意思決定の関係 評価のための調査と分析 (MeasurementとMetrics) 評価結果の活用 ( 形骸化させないための工夫 ) 大綱的指針 ( 上位枠組み ) と各機関の取り組みの関係 2

プログラムの目標と成果の関係 プログラムとしての活動の水準 = outputs level of activities 非意図的な成果 影響 ( 副次的成果 影響 ) = impact 社会一般 研究開発プログラム プロジェクト 1 ( 採択課題 1) プロジェクト 2 ( 採択課題 2) プロジェクト n ( 採択課題 n) 例 ) 投資 ( 競争的資金 委託 連携 COE 等 ) 中間結果 1 intermediate outcome 1 中間結果 2 intermediate outcome 2 行政施策 ( 補助装置 ) supporting instruments 例 ) 投資 ( 委託 助成等 ) 誘導 ( 税制 規制 補助金 標準化 知財 公共調達等 ) プログラムの意図した結果 intended results = outcomes プログラムの目標 個別プロジェクト ( 採択課題 ) の研究開発目標 3

事例 1:UK における Alvey Programme1 Alvey Programme 1983~1987 年 UK において実施の情報通信分野の研究開発事業 リアルタイム評価制度に基づく追跡評価の仕組み 1 プログラム開始直後から 研究開発推進側とは別の外部評価者が定期的に主題毎の報告書を管理者にフィードバック 知財に係る問題等 多くはプログラムに付随する複雑な問題 プログラムの抱える問題点を専門性を持った外部の第三者が常時把握 プログラム マネジメントの改善に活用 2 プログラム終了の 2 年後に最終評価 ( 追跡評価 ) 報告書を提出 アウトカムを含めた実績や プログラム実施期間中には顕在化しない長期的視点からの問題点を把握するとともに 次の取り組みのための教訓を導出 ( 単なるアカウンタビリティのための評価ではない ) 研究実施者やステークホルダーに対するアンケート等の実施 プログラムを管理する担当課の所掌範囲を超える問題の存在 プログラム マネジメントの改善だけでは追いつかない問題 4

事例 1:UK における Alvey Programme2 追跡評価の結果 技術的目標の達成と産学間の共同研究文化の育成には成功したが IT 産業の再活性化という商業目的に対しては不成功 ( 期間中の英国 IT 企業の市場での地位が技術的能力を超えた原因によって著しく低下 ) 得られた教訓 1 設定された目的 目標自体に問題があった つまり総合的に対応が本来必要な産業政策の代替制度として 研究開発制度を設定した ( 目的と手段の乖離 ) 発見 - 発明 - 死の谷 (1) - 開発 - 死の谷 (2) - 事業化 - ダーウインの海 - 産業化 の各フェーズを考慮し 研究開発投資 政府調達 税制 規制等の政策手段を組み合わせる必要があった 2 このようなプログラムは多様で 時に矛盾する目的 目標を持つが 評価のために行う調査に適した形で表現されていなかった 評価可能な形で目的 目標を再構築する必要があった Georghiou, L. & D. Roessner (2000), Evaluating technology programs: tools and methods, Research Policy 29: 657-678. 5

事例 1:UK における Alvey Programme3 評価の経験に基づく評価システムの改善 ROAME(or ROAMEF) システムの導入 : プログラムの事前評価の評価項目として次の項目が詳細に記述されていることを求める プログラム設定の理由 位置づけ (Rationale) 検証可能な目標 (Objectives) プロジェクトの事前評価 (Appraisal) 途上評価 (Monitoring) 事後評価 (Evaluation) のための計画 プロジェクトの評価結果のフィードバック (Feedback) 手順の設定 プロジェクトレベルとプログラムレベルの評価をつなぐ 6

事例 2:EU におけるインパクト分析 評価 1 欧州の FP5(1998~2002 年 ) における 運輸のための情報通信技術 領域についてのインパクト分析 評価 評価対象 : 欧州委員会情報社会とメディア部門が行った1 運輸インフラと将来の自動車のための情報通信技術 システムの開発 (RTD) 2システムの実現を支援するための法的枠組みの開発など (non RTD) を行うプログラム 121 個のプロジェクトに合計 1 億 9,100 万ユーロを配分 :74のRTDプロジェクト(1 億 5,550 万ユーロ ) と47のNon RTDプロジェクト (3,550 万ユーロ ) 外部の専門シンクタンク コンソーシアム (WING) に委託 2009 年に報告書のとりまとめ (European Commission. Impact analysis in the domain of ICT for Transport, April 2009.) 次のようなカテゴリのインパクトを測る 1) 科学技術的インパクト (scientific and technological impacts) 2) 経済的インパクト (economic impacts) 3) 政策と規制へのインパクト (policy and regulations impacts) 4) 社会的インパクト (social impacts) 5) 環境へのインパクト (environmental impacts) 7

事例 2:EU におけるインパクト分析 評価 2 インパクト分析 評価の方法論 目的階層モデル (Objectives Hierarchy Model) の利用 目的とインパクトを階層的に把握するためのもの 1) 目的と ( 当初計画された ) インパクトが各階層においてどのようなものであるかを検討 2) インパクトのエビデンスと 3) コンテクスト情報 ( 科学 技術と社会経済上のコンテクスト ) の分析を実施 8

インパクトの種類 1) 科学技術的インパクト 事例 2:EU におけるインパクト分析 評価 3 計画された 期待されたインパクト 計画されたインパクトの内容 先端的な統合システムの研究 情報マネジメント コントロールシステムのフィージビリティ 信頼性 ディペンダビリティの試験 実証等を世界レベルの水準で実施することを通じて 将来の輸送分野における革新的な製品やサービスを生み出すための要素を作ること 最先端レベルでの技術インパクトを達成し 技術的リーダーシップを欧州にもたらし 欧州の研究キャパシティを開発すること 2) 経済的インパクト 輸送関係の製造産業やサービス産業における世界レベルの水準のイノベーションを創造すること 先進的な輸送マネジメント情報システム アクティブな安全システム 特に環境情報 (ambient intelligence) 関連のものについて 企業の競争力の強化 新製品や新サービス 雇用機会の増大を図る 3) 政策と規制へのインパクト 4) 社会及び環境へのインパクト 間接的な効果を期待 ( 複雑な統合システムの開発等を目的とするプロジェクトが多いため ) 例えば 政策決定者の間において 情報通信技術が輸送情報システムを改善することについての知識を持たせることがインパクトとして期待できる 間接的なインパクトの潜在的な大きさは大きい 例えば 輸送条件の向上による環境へのインパクト 欧州市民の生活の質へのインパクト等である 9

事例 2:EU におけるインパクト分析 評価 4 エビデンス : 定量的なものと定性的なものの双方を含む アンケート調査 プロジェクト責任者 1,048 人に配布し 218 通の回答 ( うち 156 人は RTD プロジェクト関係者 62 人は Non RTD プロジェクト関係者 ) 専門家インタビュー (25 人 ) 研究プログラムの実施によって影響を受けるステークホルダーであり プログラムやプロジェクトの成功の程度やその要因 技術成果の実現のバリアー等についての質的な情報を聴取 ケーススタディ (10 件 ) 例示的なプロジェクトとコアな参加者について取り上げる ケーススタディの目的はプロジェクトやステークホルダーのレベルでの主要なインパクトとそれをもたらした要因についての理解を深めること 10

事例 2:EU におけるインパクト分析 評価 5 インパクト分析 評価の結果 1 1 プログラムは 科学技術の発展 技術的リーダーシップ 研究開発のキャパシティ開発に非常にポジティブなインパクトを与えた 最先端技術の進展は 更なる研究のための基礎的なインプットを提供 高度に統合された製品やサービスの開発につながる 共同研究はインターディシプリナリーな特性を持ち 多くの分野の様々なステークホルダーを関与させることが可能となった その結果 欧州全域における強くて持続可能なインパクトをこの領域においてもたらすことが可能となり 欧州のこの分野における研究コミュニティの統合へ寄与 11