§14 障害の状態になったとき又は障害により退職したとき

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( 参考 ) 国民年金法施行令別表 厚生年金保険法施行令別表第 及び第

障害共済年金に係る事務

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01 表紙

障害基礎年金はどんなときに受けられるの? 障害基礎年金は 次の条件の全てに該当する方が受給できます 20 歳前 国民年金の被保険者期間中または被保険者の資格を失った後でも 60 歳以上 65 歳未満で日本国内に住んでいる間に 障害の原因となった病気やけがの初診日 ( 用語の明参照 ) があること (

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後遺障害別等級表・労働能力喪失率

障害年金とは 障害年金は 病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に 現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です 障害年金には 障害基礎年金 障害厚生年金 があり 病気やけがで初めて医 師または歯科医師 ( 以下 医師等 といいます ) の診療を受けたときに 国民 年金 に

障害年金ガイド 障害年金ガイド 平成 31 年度版 P1 障害年金とは P2 受給要件 P10 請求時期 P15 障害年金 障害手当金の額 P22 障害年金に該当する状態 P29 Q&A P36 手続き P39 お問い合わせ先

強制加入被保険者(法7) ケース1

手当 年金 4-1 障害基礎年金 身 知 精 難 窓口 : 保険年金課国民年金係 ( 電話 FAX ) 病気やケガで障がいがあり 日常生活が困難な方に支給される国民年金です 支給条件( 次のいずれにも該当 ) 1 障がいの原因となった病気 ケガについての初診日に国民年金に

等級割合第660% 第7級50% 第8級障害の状態 耳の聴力を全く失い 他耳の聴力が 40 センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの級4せき柱に著しい変形又は運動障害を残すもの 51 上肢の3 大関節中の2 関節の用を廃したもの 61 下肢の3 大関節

2 障害厚生年金障害厚生年金は次の1~3の条件すべてに該当する方が受給できます 1 障害の原因となった病気やケガの初診日 ( 1) が 厚生年金保険の被保険者である期間にあること 2 障害の原因となった病気やケガによる障害の程度が 障害認定日 ( 2) に法令により定められている障害等級表 ( 3)

Microsoft Word - toukyuhyo

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福祉ガイド4医療 p15~16

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[ 特別障害給付金 ] 国民年金制度の任意加入期間に加入しなかったことにより 障害基礎年金等を受給していない障がい者の方について 国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情にかんがみ福祉的措置として創設された給付金制度です 対象者 平成 3 年 3 月以前に国民年金任意加入対象であった学生 昭和

(4) 厚生年金給付の種類と概要 項目特別支給の (65 歳まで ) 給付内容 要件 次の要件をすべて満たしているときに 支給開始年齢から65 歳にあるまでの間 受給できます 1 支給開始年齢以上であること 2 厚生年金被保険者期間が1 年以上であること 3 受給資格期間が10 年以上であること 用

訪問介護(ホームヘルプサービス)

障害等級表 等級 倍数 身体障害 一級 一 三四〇 一両眼が失明したもの二咀嚼及び言語の機能が失われたもの三神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し 常に介護を要するもの四胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し 常に介護を要するもの五両上肢をそれぞれひじ関節以上で失つたもの六両上肢が用をなさなくなつたも

3-2 障害厚生年金 身 知 精 窓口 : 松阪年金事務所 ( ) 窓口 : 松阪年金事務所 ( ) 病気やケガで障がいがあり 日常生活が困難な方に支給される年金です 支給条件 ( 次のいずれにも該当 ) 1 障がいの原因となった病気 ケガについての初診日

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

退職後の医療保険制度共済組合の年金制度退職後の健診/宿泊施設の利用済組合貸付金/私的年金退職手当/財形貯蓄/児童手当個人型確定拠出年金22 共イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けるこ

障害厚生年金 厚生年金に加入している間に初診日 ( 障害のもととなった病気やけがで初めて医者にかかった日 ) がある病気やけがによって 65 歳になるまでの間に 厚生年金保険法で定める障害の状態になったときに 受給要件を満たしていれば支給される年金です なお 障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害

東京産業労働局労働保険社会保険cc.indd

年金・社会保険セミナー

日本年金機構松本年金事務所電話 fax 別表 国民年金法および厚生年金法による障害等級表 年金障害程度 障 害 の 状 態 1 両眼の視力の和が0.04 以下のもの 2 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの 3 両上肢の機能に著しい障害を有するもの 4 両上肢のす

~~ 目次 ~~ はじめに みなさんには公的年金を受ける権利があります 2 頁 1. 国の年金制度ってどんな仕組みなの? 3 頁 2. どんな人が加入者になるの? 4 頁 3. 障害年金は どんなときに受けられるの? 5 頁 4. 初診日 障害認定日 保険料の納付要件を詳しく教えて 6 頁 5. ど

○○大会・大会参加者補償規程

補償金テーブル表について

はじめに みなさんには公的年金を受ける権利があります

社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案《概要》

支給額 支給月 月額平成 29 年 4 月 ~ 14,580 円 年 4 回 ( 月 ) 障害福祉課 身体障害者手帳又は療育手帳 本人名義の銀行座 印かん 手当認定用診断書又は判定書が必要な場合もあります 個人番号 ( マイナンバー ) カード ( 詳しくは 78 ページをご覧くだ

1 障害基礎年金 ( 国民年金 ) 国民年金の加入中に けがや病気で障がい者となった場合に 障害基礎年金が受けられます 支給要件 1 国民年金の加入中に初診日のある方 220 歳未満のときに初診日のある方が 20 歳に達したとき 360 歳で加入をやめたが 65 歳以前に初診日があり 老齢年金を繰り

強制加入被保険者(法7) ケース1

障害福祉制度あらまし目次

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Microsoft Word - 概要

第14章 国民年金 

日付なしT2-01-2_紙上Live_ダイジェスト版(2)_①_(10分)_

強制加入被保険者(法7) ケース1

Taro-1-国民年金編2015  作成 

1

高齢者福祉

合は 同号に規定する施設に入所している者から 当該利用契約入所者を除くものとする ) とする (1) 児童福祉法第 7 条第 1 項に規定する児童福祉施設 ( 母子生活支援施設を除く ) (2) 前号に掲げる施設のほか 条例第 3 条第 1 項に規定する受給資格者又は受給資格者に係る国民健康保険法

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 15,250 円 ( 平成 26 年度 ) 付加保険料月額 400

しおり

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 16,490 円 ( 平成 29 年度 ) 付加保険料月額 400

(2) 被用者年金の一元化によって変わったこと 平成 27 年 10 月から 公務員等が加入している共済年金が 民間企業に勤務する人が加入している厚生年金に統一されました 一元化後も 納めた保険料に応じて年金を受け取るという基本的なしくみは同じですが 保険料や年金額の算定方法が変わります また 共済

(2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職 再就職 老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 ( 一部又は全額支給停止 ) 3 年金決定請求 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありますの

被用者年金一元化法

2. 特別障害給付金 象 次のいずれかに該当する方で 任意加入していなかった期間に初診日があり 現在 障害基礎年金 1 級 2 級相当の障がいに該当する方 平成 3 年 3 月以前に国民年金任意加入象であった学生 ( 夜間通学 通信制の学生は除く ) 昭和 61 年 3 月以前に国民年金任意加入象で

介護保険・高齢者福祉ガイドブック

強制加入被保険者(法7) ケース1

介護保険・高齢者福祉ガイドブック

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必要書類 全員 該当者のみ 加給年金額対象者有の場合 年金請求書戸籍抄本または住民票 年金証書 ( 写 ) 請求者で年金受給している方 ( 障害 遺族給付含む ) 遺族厚生 ( 共済 ) 年金 障害厚生 ( 共済 ) 年金年金受給選択申出書 *1 等受給権を有する方雇用保険被保険者証 ( 写 )*2

Microsoft Word - 療養補償給付又は療養給付.doc


Microsoft Word - 概要

52 (2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業 無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職再就職老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 3 年金決定請求 ( 一部又は全額支給停止 ) 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありま

手当を受けられている方へのお願い手当を受けられている方は 次のようなときには資格喪失となる場合がありますので 必ずご連絡をお願いします (1) 施設に入所したとき (2) 障がいの程度が基準に該当しなくなったとき (3) 亡くなられたとき (4) 病院又は診療所に継続して3ヶ月を超えて入院するに至っ

●国民年金法等の一部を改正する法律案

Microsoft Word ①概要(整備令)

Q1. 特別児童扶養手当ってどんなものですか? 児童の福祉増進を図るため 身体や精神に障害のある 20 歳未満の児童を養育する父母 または父母に代わって養育している人が受給できる手当です ここでの養育の基準は 児童を監護し 生計を維持していることを指します Q2. どの程度の障害だと該当しますか?

第 1 章長期給付 ( 年金 ) 受給に必要な手続きについて 1 退職 ( 中途 定年 ) するとき使用する様式 : 退職届書 (P29 参照 ) 退職届書は 組合員が退職後 将来 年金を受け取るための大切な書類です 組合員が退職する場合は 退職時勤務先の所属機関の長の証明がされた 退職届書 (P2

現在公的年金を受けている方は その年金証書 ( 請求者及び配偶者 請求者名義の預金通帳 戸籍謄本 ( 受給権発生年月日以降のもの ) 請求者の住民票コードが記載されているもの ( お持ちの場合のみ ) 障害基礎年金 受給要件 障害基礎年金は 次の要件を満たしている方の障害 ( 初診日から1 年 6か

老齢基礎年金 老齢基礎年金を受けられる方 老齢基礎年金は 原則として受給資格期間が 25 年 (300 ヵ月 ) 以上ある方が 65 歳になったときから受けられます 受給資格を満たしているときは 本人の希望により 60 歳から 70 歳までの間で年金を受け始める年齢を変更することができます (17

最適年金.xls

2 返還額の算定方法 (1) 前記 1の (1) (2) (5) 及び (6) の退職一時金に係る返還額 退職一時金の額に利子に相当する額を加えた額とされており この利子に相当する 額は当該一時金の支給を受けた日の属する月の翌月から退職共済年金等を受ける権利 を有することとなった日の属する月までの期

Microsoft Word - T2-06-1_紙上Live_老齢(1)_①支給要件(9分)_

4 共済年金と厚生年金の一元化 社会保障 税一体改革における年金関連法の 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律 が平成 24 年 8 月に公布されたことにより 平成 27 年

(2) 船員保険法 ( 昭和 14 年法律第 73 号 ) (3) 私立学校教職員共済法 ( 昭和 28 年法律第 245 号 ) (4) 国家公務員共済組合法 ( 昭和 33 年法律第 128 号 ) (5) 地方公務員等共済組合法 ( 昭和 37 年法律第 152 号 ) ( 規則で定める施設

4 共済年金と厚生年金の一元化 社会保障 税一体改革における年金関連法の 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律 が平成 24 年 8 月に公布されたことにより 平成 27 年

他の所得による制限と雇用保険受給による年金の停止 公務員として再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額停止となり 特別 ( 本来 ) 支給の老齢厚生年金の一部または全部に制限がかかることがあります なお 民間に再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額支給されますが

契約から支払までは基本的に損害保険会社 ( 組合 ) によって行われますが 保険金 ( 共済 金 ) の請求から支払までの流れは次のようになります 1. 請求書提出 請求者は 損害保険会社 ( 組合 ) へ自賠責保険 ( 共済 ) の請求書類を提出します 2. 損害調査依頼 損害保険会社 ( 組合

伊丹市市民福祉金条例の一部を改正する条例(平成12年  伊丹市条例第  号)

1 どこに相談すればよいのでしょう?

年金・社会保険セミナー

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一元化後における退職共済年金および老齢厚生年金の在職支給停止 65 歳未満の場合の年金の支給停止計算方法 ( 低在老 ) 試算表 1 年金と賃金の合算額が 28 万を超えた場合に 年金額の支給停止 ( これを 低在老 といいます ) が行われます 年金と賃金の合算額 (c) が 28 万以下の場合は

年金 手当心身障害者扶養共済制度 障がいのある方を扶養している保護者が, 毎月掛金を納めることにより, 保護者が死亡 ( 重度障がいを生じた場合を含む ) した場合, 障がいのある方に年金が支給されます 任意加入の制度です 加入できる保護者の要件障がいのある方 ( 次の 障がいのある方の範囲 を参照

第9章 国民年金制度について

年金は 万が一のとき もしっかりサポートします! 一般的に 年金 と言いますと 老後の生活を支える 老齢年金 をイメージしますが それだけではありません! 年金には万が一のときに 障害厚生年金 や 遺族厚生年金 が支給される場合があります 障害厚生年金 病気やけがで障害の状態になったときは 厚生年金

第 4 条条例第 2 条第 2 項第 1 号ウ及び第 2 号ウに規定する規則で定める程度の障害の状態は 別表第 2のとおりとする ( 平成 22 規則 211 一部改正 ) ( 児童の状態 ) 第 5 条条例第 2 条第 2 項第 1 号オ及び第 2 号オに規定する規則で定める児童は 次の各号のいず

年金・手当など

年金制度について 31

に該当する者については 同項の規定にかかわらず受給資格者とする 3 病院等に入院等したことにより 本市の区域内に住所を変更したと認められる第 1 項各号に該当する者については 同項の規定にかかわらず受給資格者としない 4 第 1 項及び第 2 項の規定にかかわらず 次の各号のいずれかに該当する者は

5. 手当 年金等 各種制度の対象者や支給額は 障害種別 等級 年齢や所得によって異なります 詳細は各担当窓口に お問い合わせください 手当 心身障害者福祉手当 ( 都の制度 ) 支給対象者 20 歳以上であって 次のいずれかの障害を有する方 1 身体障害者手帳 1 2 級 2 脳性まひ 3 進行性

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

長期家族介護者援護金 2 補償の内容 (1) 療養補償負傷又は疾病が治ゆするまでの間 必要な治療を行い 又は療養の費用を支給します 療養の範囲は次に掲げるもので 認定された傷病又は疾病の療養上相当と認められるものに限ります ア診察イ薬剤又は治療材料の支給ウ処置 手術その他治療エ居宅における療養上の管

第1章 障害年金の基本的なしくみ

1 被用者年金制度一元化以降における公務員年金制度の現状 ⑴ 被用者年金制度の一元化 ( 平成 27 年 10 月 1 日施行 ) 平成 24 年 8 月に成立し 同月に公布された 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律 により 平成 27 年 10 月より共済年金

厚生-1

第 7 章 年金 福祉 1 年金 日本の公的年金制度は, 予測できない将来へ備えるため, 社会全体で支える仕組みを基本としたものです 世代を超えて社会全体で支え合うことで給付を実現し, 生涯を通じた保障を実現するために必要です 働いている世代が支払った保険料を高齢者などの年金給付に充てるという方式で

強制加入被保険者(法7) ケース1

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60 歳前に退職した場合の国民年金制度への加入 加入は 60 歳に到達するまで 退職後の状況種別手続方法手引 1 再就職 ( 一般厚生年金 私学厚生年金等への加入 ) 国民年金第 2 号被保険者 一般厚生年金 私学厚生年金等への加入手続による ( 引き続かずに 再度公務員になった場合も含む ) 2

Transcription:

15 障害の状態になったとき又は障害により退職したとき 15の1 障害厚生年金 1 支給要件 ( 法第 84 条 ) (1) 障害認定日に障害の状態にあるとき障害厚生年金は, 国民年金の保険料納付要件を満たしている者が, 被保険者期間中に初診日のある傷病について, その初診日から1 年 6か月を経過した日又はその間に傷病が治った日など ( 以下 障害認定日 という ) において, 障害等級が1 級,2 級又は3 級の状態 ( 15-004 頁別表 6 参照 ) になったときに支給されます 傷病が治ったとき とは, 次のいずれかをいう ア器質的欠損若しくは変形又は機能障害を残している場合, 医学的にその傷病が治ったときイ症状が安定し長期にわたってその疾病の固定性が認められ医療効果が期待しえない状態となったとき及び残存する症状が自然経過により到達すると認められる最終の状態 ( 症状固定 ) に達したときなお, 具体的に治ったものとして取り扱うものは, 次のものである ( 特例 7 症例 ) 1 上肢 下肢を切断 離断したもの その日 2 人工骨頭, 人工関節を挿入, 置換したもの その日 3 心臓ペースメーカー, 人工弁を装着したもの その日 4 人工透析療法を施行したもの 透折開始から3か月を経過した日 5 人工肛門を造設, 尿路変更術を施行したもの 6か月を経過した日 6 人工膀胱を造設したもの その日 7 喉頭を全摘出したもの その日 8 在宅酸素療法を行っている場合 在宅酸素療法を開始した日 (2) 障害認定日以後に障害の状態になったとき ( 事後重症制度 ) 国民年金の保険料納付要件を満たしている者が, 被保険者期間中に初診日のある傷病について, 障害認定日には障害等級が1 級から3 級の障害の状態になくても, その日から65 歳に達する日の前日までの間に障害等級が1 級から3 級までの障害の状態になったときには, 障害厚生年金が支給されます (3) その他 上記のほか,2 つ以上の障害がある場合, 併合した障害の程度により障害厚生年金が支給 されます 国民年金の保険料納付要件とは, 初診日の前日において, 当該初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり, かつ, 当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3 分の2 以上であることをいいます なお, 上記の3 分の2の条件を満たせなくとも, 平成 38 年 3 月 31 日以前に初診日がある傷病で障害になった場合は, 当該初診日の属する月の前々月までの1 年間に保険料の滞納がなければ納付要件を満たしたことになります 15-001 (H28.4)

2 年金額 ( 法第 87 条, 第 88 条 ) (1) 公務外の場合 ( 職域年金相当部分 )( 注 2) ( 厚生年金相当部分 ) ( 注 2) ( 注 4) ( 平成 15 年 3 月 31 までの期間 ) ( 注 1) 1.425 平均標準報酬額 - 平成 15 年 3 月まで の被保険者期間の月数 政令で定め ( 平成 15 年 3 月 31 日までの期間 ) ( 注 1) 7.125 平均標準報酬額 - 平成 15 年 3 月まで の被保険者期間の月数 政令で定める る率 ( 平成 15 年 4 月 1 以後の期間 ) ( 注 1) 1.096 平均標準報酬額 - 平成 15 年 4 月以後 の被保険者期間の月数 政令で定め 率 ( 平成 15 年 4 月 1 日以後の期間 ) ( 注 1) 5.481 平均標準報酬額 - 平成 15 年 4 月以後 の被保険者期間の月数 政令で定める ( 注 5) 加給年金額 る率 率 ( 注 1) アの被保険者期間の月数が300 月未満のときは,300 月とする イの被保険者期間の月数が300 月未満のときは, 平成 15 年 4 月 1 日前の被保険者期間と, 以後の被保険者期間との割合によって300 月を按分計算して振り分けることとなる 125 ( 注 2) 障害等級が1 級の場合は, 職域年金相当部分及び厚生年金相当部分の額にそれぞれ - を乗じる ( 注 3) 初診日が平成 27 年 9 月 30 日以前の障害共済年金に限る 算定基礎となる組合員期間は平成 27 年 9 月 30 日まで ( 注 4) 障害基礎年金が支給されない人の場合, 厚生年金相当部分の最低保障額 ( 公務 非公務 ) は, 障害基礎年金の額 (2 級 ) 3/4とする ( 注 5) 障害等級が1 級又は2 級の受給権者がその人と生計を共にし, 恒常的な収入金額が850 万円以上とならない65 歳未満の配偶者があるときに加算される 15-002 (H28.4)

(2) 公務等の場合 ( 職域年金相当部分 ) ( 注 3) ( 平成 15 年 3 月 31 日までの期間 ) ( 注 6) 平成 15 年 3 月までの 19 1.425 被保険者期間の月数平均標準報酬額 12 - 平均標準報酬額 - ( 被保険者期間の月数 -300 月 ) - 被保険者期間の月数 政令で定める率 ( 平成 15 年 4 月 1 日以後の期間 ) ( 注 7) 平成 15 年 4 月以後の 14.615 1.096 平均標準報酬額 12 - 平均標準報酬額 - 被保険者期間の月数 ( 被保険者期間の月数 -300 月 ) - 被保険者期間の月数 政令で定める率 公務障害年金 平成 27 年 10 月 1 日以後の期間 ( 厚生年金相当部分 ) 公務等によらない障害厚生年金 の算式と同じ 加給年金額 28.5 ( 注 6) 障害等級が1 級の場合は - 21.923 ( 注 7) 障害等級が1 級の場合は - 公務等の障害厚生年金の最低保障額次の額に加給年金を加えた額 障害等級 1 級 4,148,400 円 改定率 2 級 2,562,200 円 改定率 3 級 2,318,300 円 改定率 3 障害の程度が変わった場合の年金額の改定 ( 法第 89 条 ) 障害の程度が減退したとき, 又は増進した場合において請求があったときは, その変わった障害 の程度に応じて年金額が改定されます 15-003 (H28.4)

4 支給停止等 ( 法第 92 条 ) (1) 在職中の支給停止 障害厚生年金は, その受給権者が組合員である間は職域相当部分を除いて支給されます (2) 加給年金額の停止 加給年金の対象となっている配偶者が老齢厚生年金等を受けることができるときは, 加給 年金は停止されます (3) 障害厚生年金受給権の消滅 5 請求手続 別表 6 障害の程度が減退して障害等級 3 級にも該当しなくなったときは, 障害厚生年金の支給は 停止され, 該当しなくなった日からその状態のまま 3 年経過したときは, 障害厚生年金を受 ける権利は消滅します 事務手続順序書類の提出先等提出書類 (1) 障害厚生年金の請求 組合員 共済組合広島支部 共済組合本部 (2) 認定結果の通知共済組合本部 共済組合広島支部 組合員 (3) 追加の必要書類の提出 (4) 障害厚生年金の決定通知等 組合員 共済組合広島支部 共済組合本部 共済組合本部 組合員 共済組合広島支部 年金請求書 診断書 病歴 就労状況等申立書 障害給付請求事由確認書 補足書類 共済広島支部は組合員へ追加の必要書類を案内 戸籍抄 ( 謄 ) 本 ( 加給年金有の場合 ) 住民票 所得証明書 障害の程度 号 障 害 の 状 態 1 級 1 2 3 4 5 6 7 8 両眼の視力の和がO.04 以下のもの両耳の聴力レベルがデシベル以上のもの両上肢の機能に著しい障害を有するもの両上肢のすべての指を欠くもの両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの両下肢の機能に著しい障害を有するもの両下肢を足関節以上で欠くもの体幹の機能に座っていることができない程度又は立ち上がることができない程度の障 害を有するもの 9 前各号に掲げるもののほか, 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病 状が前各号と同程度以上と認められる状態であって, 日常生活の用を弁ずることを不 能ならしめる程度のもの 10 11 精神の障害であって, 前各号と同程度以上と認められる程度のもの身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって, その状態が 前各号と同程度以上と認められる程度のもの 15-004 (H28.4)

2 級 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 3 級 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 両眼の視力の和が0.05 以上 O.08 以下のもの両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの平衡機能に著しい障害を有するものそしゃくの機能を欠くもの音声又は言語機能に著しい障害を有するもの両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の欠くもの両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの一上肢の機能に著しい障害を有するもの一上肢のすべての指を欠くもの一上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの両下肢のすべての指を欠くもの一下肢の機能に著しい障害を有するもの一下肢を足関節以上で欠くもの体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの前各号に揚げるもののほか, 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって, 日常生活が著しい制限を受けるか, 又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの精神の障害であって, 前各号と同程度以上と認められる程度のもの身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって, その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの両眼の視力が0.1 以下に減じたもの両耳の聴力が40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたものそしゃく又は言語の機能に相当程度の障害を残すもの脊柱の機能に著しい障害を残すもの一上肢の三大関節のうち, 二関節の用を廃したもの一下肢の三大関節のうち, 二関節の用を廃したもの長管状骨に偽関節を残し, 運動機能に著しい障害を残すもの一上肢のおや指及びひとさし指を失ったもの又はおや指若しくはひとさし指を併せ一上肢の三指以上を失ったものおや指及びひとさし指を併せ一上肢の四指の用を廃したもの一下肢をリスフラン関節以上で失ったもの両下肢の十趾の用を廃したもの前各号に掲げるもののほか, 身体の機能に, 労働が著しい制限を受けるか, 又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの精神又は神経系統に, 労働が著しい制限を受けるか, 又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの傷病が治らないで, 身体の機能又は精神若しくは神経系統に, 労働が制限を受けるか, 又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの 備考 1 視力の測定は, 万国式試視力表によるものとし, 屈折異常があるものについては, 矯正視力によって測定する 2 指を失ったものとは, おや指は指節間関節, その他の指は近位指節間関節以上を失ったものをいう 3 指の用を廃したものとは, 指の末節を半分以上失い, 又は中手指関節若しくは近位指節間関節 ( おや指にあっては, 指節間関節 ) に著しい運動障害を残すものをいう 4 趾の用を廃したものとは, 第一趾は末節の半分以上, その他の趾は遠位趾節間関節以上を失ったもの又は中足趾節関節若しくは近位趾節間関節 ( 第一趾にあっては, 趾節間関節 ) に著しい運動障害を残すものをいう 5 この表の3 級の項第 14 号に掲げる障害の程度は, 厚生年金保険法施行令 ( 昭和 29 年政令第 110 号 ) 別表第一の相当規定に基づいて厚生大臣が定めたものに限るものとする 15-005 (H28.4)

15 の 2 障害基礎年金 ( 国民年金 ) 1 支給要件 ( 国民年金法第 30 条 ) 障害厚生年金の障害等級が 1 級又は 2 級に該当したときに支給されます ( 在職中でも支給 ) 2 年金額 ( 平成 16 年 10 月から )( 国民年金法第 33 条, 第 33 条の 2) 障害等級 1 級 障害等級 2 級 976, 円 改定率 780,900 円 改定率 なお, 障害基礎年金の受給権者がその権利を取得した当時, その人によって生計を維持していた 18 歳未満の子又は 20 歳未満で障害等級が 1 級又は 2 級の障害の状態にあるときは, 次の額が加 算されます 第 1 子 第 2 子 第 3 子以降の子 各 224,700 円 改定率 各 74,900 円 改定率 注 : 改定率 ( 平成 16 年度 =1) は, 政令で改定する 3 請求手続 必要書類はその都度, 公立学校共済組合から送付します 15-006 (H28.4)

15 の 3 障害手当金 1 支給要件組合員である間に初診日のある公務以外の傷病が初診日から5 年以内に治り, 障害厚生年金が支給されない程度の一定の障害の状態 ( 15-008 頁別表 7) にあるときに支給されます ただし, その他の年金を受けることができる場合は支給されません ( 保険料納付要件あり ) 障害手当金を受給したのちに障害厚生年金が発生する場合は, 障害手当金を返還する必要があります 2 支給額 障害厚生年金 3 級の 2 年分で一時金として給付します 15-007 (H28.4)

別表 7 番号障害の状態 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 両眼の視力が0.6 以下に減じたもの一眼の視力が0.1 以下に減じたもの両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの両眼による視野が2 分の1 以上欠損したもの又は両眼の視野が10 度以内のもの両眼の調節機能及び幅ふくそう輳機能に著しい障害を残すもの一耳の聴力が, 耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたものそしゃく又は言語の機能に障害を残すもの鼻を欠損し, その機能に著しい障害を残すもの脊柱の機能に障害を残すもの一上肢の三大関節のうち, 一関節に著しい機能障害を残すもの一下肢の三大関節のうち, 一関節に著しい機能障害を残すもの一下肢を3センチメートル以上短縮したもの長管状骨に著しい転位変形を残すもの一上肢の二指以上を失ったもの一上肢のひとさし指を失ったもの一上肢の三指以上の用を廃したものひとさし指を併せ一上肢の二指の用を廃したもの一上肢のおや指の用を廃したもの一下肢の第一趾又は他の四趾以上を失ったもの一下肢の五趾の用を廃したもの前各号に掲げるもののほか, 身体の機能に, 労働が制限を受けるか, 又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの精神又は神経系統に, 労働が制限を受けるか, 又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの 備考 1 視力の測定は, 万国式試視力表によるものとし, 屈折異常があるものについては, 矯正視力によって測定する 2 指を失ったものとは, おや指は節間関節, その他の指は近位指節間関節以上を失ったものをいう 3 指の用を廃したものとは, 指の末節の半分以上を失い, 又は中手指節関節若しくは近位指節間関節 ( おや指にあっては, 指節間関節 ) に著しい運動障害を残すものをいう 4 趾を失ったものとは, その全部を失ったものをいう 5 趾の用を廃したものとは, 第一趾は末節の半分以上, その他の趾は遠位趾節間関節以上を失ったもの又は中足趾節関節若しくは近位趾節間関節 ( 第一趾にあっては, 趾節間関節 ) に著しい運動障害を残すものをいう 15-008 (H28.4)