給水装置の構造と材料 3-1 給水装置給水装置の施工条件を以下に示す (1) 給水装置は 水圧 土圧及びその他の荷重に対して充分な耐力を有し かつ水の汚染や漏れるおそれがないこと (2) 給水装置の構造 材質及び配管方法は 地震時の変位にも対応できることが望ましい (3) 給水管の口径は その用途の

Similar documents
サドル付分水栓 No. A

MAEZAWA 各種継手類 各種継手は 管と管 弁 栓及びメータとの接続などに使用する継手です 主にEJ 継手は 異種金属による電食が心配される場合に使用し 伸縮ユニオン メータソケットはメータのように定期的な交換が必要器具などとの接続に使用し ユニオンソケット シモクは接続部のねじ形状などの変更に

<4D F736F F D208D5C91A28B7982D18DDE8EBF>

図面03.man

< E64976C8F912E786477>

技術と信頼のトレードマーク JWWA B 水道用サドル付分水栓 ボール式 水道用ポリエチレン管サドル付分水栓 ボール式 素 敵な 創造 人へ 未 来へ 株式 会社

<8B8B DDE97BF8E7792E B834A815B838A A815B B E31322E E786C73>

平面図は 標題及び縮尺並びに階数を上に書き その下に上を北として製図する (3) 配水管布設工事 ( 開発行為に伴う給水装置含む ) 1 道路の種類 幅員 歩車道の区別 側溝の有無を記入する 2 新設 既設配水管は 管径 管種表示記号に基づいて記入する 3 他の埋設物は必要に応じて記入する (4)

水道配水用ポリエチレン管設計施工要領 1. 総則本要領は 奈良市企業局が定める水道工事共通仕様書 Ⅱ 工事 3.5ポリエチレン管の接合 を補完し 奈良市企業局における水道配水用ポリエチレン管の設計及び施工に適用する この定めに記載されていない内容については 配水用ポリエチレンパイプシステム協会発行の

坂戸 鶴ヶ島水道企業団 給水装置施工基準 ( 材料編 )

ストラブカップリング 総合カタログ メカニカル管継手 漏洩補修クランプ sb-material.co.jp/

<4D F736F F D208B8B D488E968AEE8F BD90AC E348C8E89FC90B3816A>

MAEZAWA 逆止弁 逆止弁は 大きく分けてばね式 (K 型 K3 型等 ) と自重式 (CA 型 ) のタイプで ばね式はさらに ( 公社 ) 日本水道協会規格品 準拠品と前澤オリジナル品に分類されます 種類を豊富に取り揃えていますので 設置場所に合った製品を選ぶことが出来ます 逆止弁は 長期的

総合カタログ・マテリアル版-X4.indd

<8BA492CA925089BF88EA C B994C BD90AC E348C8E816A816D8CA990CF8E518D6C8E9197BF816E955C8E862E786477>

<4D F736F F D208EF E E88C889BA90DD94F582F08B8B C990D882E891D682A682E98FEA8D8782CC8EE891B182AB82C982C282A

I N D E X 目次 管栓鋳鉄管用 G X 形 直管用 MCSP-GX 異形管用 MCSP-GXI 管栓鋳鉄管用 N S 形 2 直管用 MCSP-NS 異形管用 MCSP-NSI 1 管栓鋳鉄管用 GX 形 管帽鋳鉄管用 NS 形用 3 MCKP-NS 管帽鋳鉄管用 K 形 MCKP-KG 管

メーター設置場所

1. 異種金属の接触によって起こるガルバニック腐食とは一般的に 水等の電解液中で電位の異なる二つの金属が接すると 両者の間に電池を形成し 電位の卑な金属がアノード ( 陽極 ) となって腐食が助長され 電位の貴な金属がカソード ( 陰極 ) となって腐食が抑制されます アノード側で助長される腐食現象

青銅製メカニカル継手 MJ 特長 鋼管のねじ切作業や継手部品の分解不要手間がかかり 管の強度や防食性能劣化の原因ともなりやすい鋼管のねじ切や 継手部品を分解する必要がありません 管 ( 鋼管には専用の管端コアを装着 ) を継手に差し込み ナットを締付けるだけの作業です また 管を継手本体の内壁に突き

製品一覧 メカニカル管継手 高耐圧タイプ トルクレンチ不要タイプ Gタイプ GXタイプ P.23 掲載 30年以上の実績を誇り 各種公的許認可にてその 性能と信頼性が認められた メカニカル管継手です 適用管サイズ 20A 400A 最高使用圧力 2.0MPa メタルタッチ構造の 採用でトルク値による

水道配水用ポリエチレン管施工要領 ( 暫定版 : 平成 24 年 11 月 1 日 ) 目 1. 水道工事標準仕様書 給水装置工事設計 施工指針 次 小田原市水道局

Microsoft Word _特定施設水道連結型スプリンクラー設備の配管における適切な施工について.docx

栗本_価格表パンフ 改訂.indd

1-3-7 止水設備 ⑵ 道路部における止水栓の設置ア止水栓の材料について φ25 はボ-ル止水栓を使用し φ30~φ 50 は青銅製バルブを使用する イ HIVP 管を使用する場合の継手は φ25 止水栓にあってはH IVPユニオンナットを φ30~φ50 にあっては止水栓ユニオン 止

<4D F736F F D208EF C889BA90DD94F582F08B8B C990D882E891D682A682E98FEA8D8782CC8EE891B182AB82C982C282A282C4825

FT-R形異形管カタログ

水道用波状ステンレス鋼管の施工要領 平成 23 年度 浦添市水道部

Microsoft Word - PTC+B doc

鉛フリー銅合金 KCP ジョイント 水道用ポリエチレン管金属継手日本水道協会基本基準認証品 (G-1) JWWA B 116 基本構造及び性能規定準拠

01給水装置工事設計施工指針

wp-series

Microsoft Word  AS25-1改正案.doc

第 9 屋外貯蔵タンク冷却用散水設備の基準 ( 昭和 57 年 7 月 1 日消防危第 80 号 ) タンクの冷却用散水設備 ( 以下 散水設備 という ) は 次によること 1 散水設備の設置範囲は 危険物規則第 15 条第 1 号に定める技術上の基準に適合しないタンク ( 一部適合しないものにあ

6 給水装置の材料

<4D F736F F D2091E6378FCD5F88DB8E9D8AC7979D>

<4D F736F F D2091E6875B95CE81408E518D6C8E7B8D CC81458E518D6C95578F80907D81458E518D6C8E9197BF95D2>

メーター設置場所

2 給水用具の故障と修理 給水用具の管理にあたっては 構造 機能及び故障修理方法などについて 十分 理解する必要がある 3 異常現象と対策異常現象は 水質によるもの ( 色 濁り 臭味等 ) と配管状態によるもの ( 水撃 異常音等 ) とに大別される 配管状態によるものについては 配管構造及び材料

Microsoft Word - PTC G31  2006.doc

Microsoft Word - 第3章P49-59.doc

タイル タイル タイル 造 タイル タイル タイル タイル タイル タイル タイル タイル 水 水 水 水 水 水 圧 水 圧 解 水 圧 解 水 圧 験 水 圧 造 タイル 水

技術と信頼のトレードマーク 逆止カートリッジ内蔵 伸縮ボール止水栓 PC ボール止水栓 E-469 E-70 素 敵な 創造 人へ 未 来へ 株式 会社

Microsoft Word - 水理計算.doc

施工説明書 アラウーノ手洗いラウンドタイプ ( ショート ) 品番一覧 手動水栓 自動水栓 自動水栓 ( 寒冷地 ) GHA8FC2SAP GHA8FC2JAP GHA8FC2JAP7 7: 寒冷地仕様 施工説明書をよくお読みのうえ 正しく安全に施工してください 特に 安全上のご注意 (2 ページ

Taro-水理計算.$td

配管用支持金具 A 立バンド 住設管材の友 積算価格: 円 A A A VP 立バンド TNF 立バンド ステンといバンド A A A ステン VP 立バンド ステン TNF 立バンド PP 吊タ

YP_表紙cc_1804_4c

ポリエチレン管用 塩ビ管用 ワンタッチ継手 NOJ ワンタッチ接続 泥よけ機構 POM 面取りした管を奥まで差し込むだけの施工です ロックリング 耐脱亜鉛黄銅 優れた脱管防止機構 座金 POM パッキン NBR 金属製ロックリングが管に食い込み 脱管を確実に防ぎます 高い水密性 特殊パッキンが 高い

下水道維持管理用資器材製品製作及び検査仕様書別添資料(鉄筋コンクリート管)

(Microsoft Word - \207V10\215\\\221\242\212\356\217\200P44-52.doc)

技術と信頼のトレードマーク NPJ 水道用ポリエチレン管金属継手 JWWA B 116 準拠 G-578 素敵な創造 人へ 未来へ NIPPO VALVE 株式 会社

電気工事用オートブレーカ・漏電遮断器 D,DGシリーズ

Microsoft Word - 07_第7章_維持管理.docx

型式 F0 配管変位吸収用 接液部は 全てステンレス鋼です フレキシブルメタルホースカタログ P. JIS0K 用 フランジカラー ルーズフランジ チューブ ブレイド 00L 00L 00L 00L 800L 000L A,00,900,00,00,00,800 0A,800,700,800,00

国土技術政策総合研究所研究資料

JES-VLNP 硬質塩化ビニルライニング鋼管フランジ型 標準価格表 FVA-PE JES- (WSP-011 規格 ) FVB-PE ( 参考 ) 臭突管用樹脂ライニンク 薄肉スパイラル鋼管 平成 29 年 6 月版 日本水道協会検査工場 ( 登録番号 C111 号 )

H2503hikari_sekou.pdf

Q5. 工事担任者資格が必要な工事とは どのようなものですか A5. 利用者が電気通信サービスを利用するための端末設備等の接続に係る工事であり 具体的には 事業用ネットワークへの接続及びこれに伴う調整並びに屋内配線工事など端末設備等の接続により通信が可能となる一切の工事です この工事には 事業用ネッ

目次 1. 適用範囲 1 2. 引用規格 1 3. 種類 1 4. 性能 2 5. 構造 2 6. 形状 寸法 3 7. 材料 3 8. 特性 4 9. 試験方法 検査 6 ( 最終ページ :11)

P _Valves_j_2

資バルブの材質 青銅 ( 砲金 ) バルブ 料JIS H 5111 CAC402 (BC2) CAC403 (BC3) CAC406 (BC6) CAC407 (BC7) 銅 (Cu) 錫 (Sn) 化学成分 (%) 機械的性質 亜鉛 (Zn) 鉛 (Pb) その他 引張強さ 伸び (N/mm2)

スッポン MVC-Ⅱ スッポンMVA( メカ形ドレッサー V A) スッポン MCV-K-Ⅱ 塩ビ管 鋼管 / ポリ管 (JIS) SUS 管 X 石綿 1 種管用 鋳鉄管 X 略称 /S-MVC-Ⅱ(φ75~150) S-MCV-K-Ⅱ( 異径 ) 略称 S-MVA 呼び径塩ビ 鋼管用ポリ管 SU


略記 法 = 水道法 ( 昭和 32 年法律第 177 号 ) 施行令 = 水道法施行令 ( 昭和 32 年政令第 336 号 ) 基準省令 = 給水装置の構造及び材質の基準に関する省令 ( 平成 9 年厚生省令第 14 号 ) 給水条例 = 筑前町水道事業給水条例 ( 平成 17 年条例第 142

WspPipeSpec

ダクタイル鉄管 直管 異形管 接合部品 価格表 現地集積所渡し価格 ( この価格表には消費税は含まれておりません ) 2019 年 4 月 1 日 鉄管事業部

特集管路資器材腐食劣化の予防保全 ム ム ( 管 ) ポン 図 -2 ダクタイル鋳鉄管の耐震継手の例 2 ⑴ ( 0) ( ) し ⑵ ( 20) ルダ ⑶ (00 200) ルト ット ⑷ (00 100) し ( ) 外面からの腐食が考えられます 腐食の現況につ いて 以

JCW® 規格集

<4D F736F F D B98E7B90DD82CC94ED8DD08FF38BB582C682BB82CC977688F DB91E82E646F63>

<4D F736F F D A6D92E894C5817A B B835E82CC90DD927582C98AD682B782E9837D836A B E352E323729>

第1節 総論

BOND_specialty_PDF作成用.indd

給水装置工事申込書審査要領(案)

標準規格 5 6F-2 地中線用亜鉛めっき鋼管および同管用継手規格 1955 年 5 月 25 日制定 2008 年 4 月 3 日 ( 改定 3) 東京電力パワーグリッド株式会社 目的外使用 転載禁止東京電力パワーグリッド株式会社

両面接着テープ TW-Y01

第 4 節 工事の順序 工事は 次の順序にしたがって施工するものとする 施工準備 保安設備 掘削 4 配管 5 分岐 6 埋め戻し 7 復旧 第 5 節 道路掘削工事に当たっての心得 道路掘削工事に当たっては 次の事項について留意すること 4 関係法規の熟知関係官公署の許可条件の再確認利害関係者 隣

                            

<4E6F2E C8E B8D DCF82DD5D2E6169>

ダイアボンド DE1108

Ⅰ 調査概要 1 目的 この調査報告書は 大阪市水道局が発注する工事の設計積算のための基礎資料とする 2 調査内容 この調査は 原則として ( 財 ) 建設物価調査会及び ( 財 ) 経済調査会が各々発行する 月刊建設物価 月刊積算資料 に記載されていない資材について 市場取引価格の実態調査を実施し

<4D F736F F D B835E815B82CC90DD C98AD682B782E98EE688B CC2E646F63>

南殖積算設計27.xls

平成 20 年 12 月 24 日制定 平成 21 年 3 月 2 日一部改正 1 分水栓付き鋳鉄 ( メカニカル ) サドルのみの使用に限定して 分水栓付き EF サドルの使用を禁止するのに伴い改正した 2 分水栓付き EF サドルの使用を禁止するのに伴い水道配水用ポリエチレン管分水栓付き EF


NITOFLON® No. 903UL

N-00 フリーアングル ユニクロめっき N-03 S-/S- フリーアングル ステンレス N-01 フリーアングル ドブめっき S-/S- SS-/SS- N-1 N-1 N-14 アングル君ジョイント金具 ドブめっき アングル君ジョイント金具 ステンレス アングル君ジョイント金具 ユニクロめっき

建設の施工企画 材質的特性 表 3 ダクタイル鉄管は により製造され ダクタイル鉄管と鋼の電気抵抗 材 質 別 電気抵抗 μω cm る ダクタイル Ductile とは 延性のある とい う意味であり はこの延性という特性 鋼 により 明治から昭和初期

1.1 テーラードブランクによる性能と歩留りの改善 最適な位置に最適な部材を配置 図 に示すブランク形状の設計において 製品の各 4 面への要求仕様が異なる場合でも 最大公約数的な考えで 1 つの材料からの加工を想定するのが一般的です その結果 ブランク形状の各 4 面の中には板厚や材質


別添 別添 地下貯蔵タンクの砕石基礎による施工方法に関する指針 地下貯蔵タンクの砕石基礎による施工方法に関する指針 本指針は 危険物の規制に関する政令 ( 以下 政令 という ) 第 13 条に掲げる地下タンク貯蔵所の位置 構造及び設備の技術上の基準のうち 当該二重殻タンクが堅固な基礎の上に固定され

水道工事標準仕様書 ( 鳥取市水道局発行 ) 追加事項 GX 形ダクタイル鋳鉄管 管布設工事仕様書 鳥取市水道局 ( 適用平成 25 年 4 月 1 日から )

CONTENTS 品種 品名 給水用 キーロン LP-VA VB VD キーロン VD ニップル キーロン O-VD 継手 給水 給湯用 排水用 キーロンホットステンフレキ HF キーロン HF 継手 ( 青銅製 ) キーロン DL D-VA キーロン VF SGP-VS STPG-VS 消火用 キ

める製品でトリブチルスズ化合物が使用されているものの環境汚染防止措置に関し公表する技術上の指針本指針は 第二種特定化学物質であるトリブチルスズ=メタクリラート ビス ( トリブチルスズ ) =フマラート トリブチルスズ=フルオリド ビス ( トリブチルスズ )=2,3 ジブロモスクシナート トリブチ

第 8 章 受水槽以下の装置 受水槽式給水方式による受水槽以下の装置については 法では給水装置に含まれない しかし 水質汚濁防止 十分な水量の確保 将来の維持管理を適正かつ容易にするために必要な事項を定める 受水槽以下の装置の設計及び施工は 建築基準法施行令 ( 昭和 25 年政令第 338 号 )

<4D F736F F D208B5A8F DB88AEE8F E188B395D2816A F4390B32E646F63>

I. しゅん工図作成要領 平成 19 年 4 月改訂平成 20 年 1 月改訂平成 20 年 5 月改定平成 22 年 7 月改定平成 23 年 5 月改定

Ver.2.0 ガスコンセントの設置イメージ ガス栓が無くても簡単にガス栓が増設できます ガスファンヒーターで瞬時に暖房 コンセント付で便利です ガス衣類乾燥機が簡単に設置可能です 暖かい畳のお部屋でのびのびくつろいだ気分ですごせます 鍋物や鉄板料理をする時に大変便利です ガス炊飯器やガス高速オーブ

( イ ) 水圧試験 適 用 主として液体系配管に適用し 所定の水圧により配管接合箇所の漏洩 破損 耐水圧などの確認を行 うものとする 試験圧力 MPa(kg/cm 2 ) 保持時間 (min) 各用途ポンプの吐出管高架タンク以下二次側管蒸気配管自然流下管ポンプ吸込管等試験方法 締め切り圧 ( ポン

Microsoft Word - H29要綱_ docx

Transcription:

給水装置の構造と材料 3-1 給水装置給水装置の施工条件を以下に示す (1) 給水装置は 水圧 土圧及びその他の荷重に対して充分な耐力を有し かつ水の汚染や漏れるおそれがないこと (2) 給水装置の構造 材質及び配管方法は 地震時の変位にも対応できることが望ましい (3) 給水管の口径は その用途の所要水量及び同時使用率を考慮して 当該給水装置による水道水の使用量に比し 著しく過大でない範囲で定め かつ 分岐しようとする配水管等に著しく影響を与えないこと (4) 給水装置には 凍結 侵食 汚染等を防止するための適切な措置を講じること (5) 家屋の主配管経路は 構造物の下を避けること等により 漏水時の修理などの維持管理が容易に行えるようにしなければならない (6) 給水装置には 配水管の水圧に影響を及ぼすおそれのあるポンプを直接連結してはならない (7) 給水装置は 当該給水装置以外の水管その他の設備に直接連結してはならない (8) 別個のメーターで計量されている給水装置は 相互連絡してはならない (9) 給水装置には必要に応じ逆流防止 水撃防止及び停滞水を生じないような危険防止の措置を講じること (10) 給水管中に空気が停滞するおそれのある場所には 排気装置を設けること 3-2 給水装置の材料及び給水用具 3-2-1 材料及び給水用具給水装置に使用する材料及び給水用具は 法第 16 条に規定する給水装置の構造及び材質の基準に適合するものでなければならない ただし 配水管の分岐部よりメーター装置までの材料及び給水用具は給水条例第 9 条で指定する事ができるとされており 使用できる材料及び給水用具等は材料編に記載する 3-2-2 構造及び材質の基準法第 16 条及び施行令第 5 条に基づく 給水装置の構造及び材質基準の技術的細目に関する省令 ( 平成 9 年厚生労働省令第 14 号 ) の主な内容を以下に示す (1) 耐圧に関する基準 1 給水装置に 1.75MPa の静水圧を 1 分間加えたとき 水漏れ 変形 破損その他の異常が認められないこと 2 給水管や継手の構造及び材質に応じた適切な接合が行われていること (2) 浸出等に関する基準 1 給水管や水栓等からの金属等の浸出が一定値以下であること 5

2 水が停滞しない構造となっていること (3) 水撃限界に関する基準水栓等の急閉止により 1.5MPa を越える著しい水撃圧が発生しない又は水撃防止器を設置すること (4) 防食に関する基準酸又はアルカリ 漏洩電流により侵食されるおそれのある場所に設置されている給水装置は 耐食性の材質又は防食材や絶縁材で被覆すること (5) 逆流防止に関する基準 1 逆止弁等は 3kPa 及び 1.5MPa の静水圧を 1 分間加えたときに 水漏れ 変形 破損等の異常を生じないこと 2 水が逆流するおそれのある場所に設置されている給水装置は 逆止弁を設置する又は水受け部との間に一定の空間を確保すること (6) 耐寒に関する基準 10 万回の開閉操作を繰り返し かつ-20±2 の温度で 1 時間保持した後通水したとき 当該給水装置に係る耐圧性能 水撃限界性能 逆流防止性能及び負圧破壊性能を有すること (7) 耐久に関する基準弁類は 耐久性能試験により 10 万回の開閉操作を繰り返した後 当該給水装置に係る耐圧性能 水撃限界性能 逆流防止性能及び負圧破壊性能を有すること 3-3 基準適合の証明方法 (1) 自己認証製造業者等が自ら又は製品試験機関に委託して得たデータや作成した資料等によって行うこと 自己認証の一例としては 製造業者等が性能基準適合品であることを示す自社検査証印等の表示を製品等に行うことが考えられる (2) 第三者認証中立的な第三者機関が製品試験や工場検査等を行い基準に適合しているものについては 基準適合品として登録して認証製品であることを示すマークの表示を認める方法 第三者認証機関は 現在下記の 5 機関がある 各機関の認証マークは図 3-1 を参照のこと 1 ( 公社 ) 日本水道協会 (JWWA) 2 ( 一財 ) 日本ガス機器検査協会 (JIA) 3 ( 一財 ) 日本燃焼機器検査協会 (JHIA) 4 ( 一財 ) 電気安全環境研究所 (JET) 5 UL LLC 6

3 日本工業規格 JIS 工業標準化法に基づき制定された国家規格で 水道用器具は JIS S 3200 シリーズの試験方法に合格したもの 4 基準適合品の確認方法例 基準適合品の情報等は 厚生労働省や第三者認証機関が開設しているインタ ーネットホームページの利用により確認することができる ① ② 厚生労働省給水装置データベース 公社 日本水道協会 品質認証センター ③ ④ 一財 日本ガス機器検査協会 JIA 一財 日本燃焼機器検査協会 JHIA ⑤ 一財 電気安全環境研究所 JET インターネットで個別製品の認証 リストは掲載なし ⑥ UL LLC 図 3-1 三者認証機関のマーク 7

3-4 配水管等からの分岐に使用する材料給水条例第 9 条第 1 項の規定により 災害等による給水装置の損傷を防止するとともに 給水装置の損傷の復旧を迅速かつ適切に行えることを目的に 配水管等からの分岐からメーターまでの間に使用する給水管の材質については 高密度ポリエチレン管 (HPPE) 等を指定する ただし 分岐口径が φ75 以上の場合は 原則としてダクタイル鋳鉄管又は配水用ポリエチレン管とし 現地の状況等により決定するものとする なお 水路横断等特殊工事における使用材料や工法等は 5-2-4 で指示する また サドル付分水栓 止水栓及び丙止水栓等の指定材料については 材料編に記載する 8

表 3-1 配水管等からの分岐からメーターまでの間に使用する管材料 口径 (mm) 配水管等の分岐から止水栓まで 公道及び私道に埋設する連合管等 止水栓からメーター又はメーターバイパスユニットまで 5 管材料継手管材料継手 備 考 20 1 25 1 30 40 50 75 100 150 HPPE(PWA) 2 HPPE(PWA) 2 HPPE(PWA) 2 EF EF EF HPPE(PWA) 2 HIVP 3 HPPE(PWA) 2 HIVP 3 HPPE(PWA) 2 EF HPPE(PWA) 2 EF TS EF TS EF HPPE(JWWA) EF HPPE(JWWA) EF HPPE(JWWA) EF HPPE(JWWA) EF DCIP 4 GX DCIP GX HPPE(JWWA) EF HPPE(JWWA) EF DCIP 4 GX DCIP GX DCIP GX DCIP GX 1 共同住宅等で φ25 以下のメーターを各戸に設置する場合 止水栓以降の管材料は HPPE 又は HIVP とする ただし 躯体内部等へ布設する場合 ( ピット配管を除く ) は HPPE を使用すること 2 他人の土地を通過する場合は HPPE を使用すること 1 材料は企業団配水管工事に準ずること 2 特殊工事等で左記管種以外が適正と判断する場合は 別途指示する 1 φ20 及びφ25の分岐において 配水管等の管種がHPPEの場合は 鋳鉄製バンドを使用せず 必ずEFプラグ付サドルによる融着接合とする なお φ50hppeからφ20を分岐しようとする場合は φ50 25EFプラグ付サドルに直接 φ25 20レデューサ ( 材料編 6 頁参照 ) を接合するか 分岐から止水栓までをφ25とし 止水栓先でφ20に減径するものとする 2 φ20からφ40までの管材料については 災害時等における修繕対応を考慮し 規格が統一されるまでの間 PWA 規格を使用する 3 HIVPの使用については 次の条件による 1 分岐口径に関わらず HIVPの既設分岐を継続使用する改造工事の場合は 止水栓以降をHIVPとすることができる 2 メーター口径がφ25 以下の場合は 止水栓以降をHIVPとすることができる 3 上記 1 及び2の条件に関わらず 止水栓からメーターまでの水平距離が概ね3m 以上となる場合は 止水栓からメーターまでHPPEを使用する また 改造工事においても 改造前の止水栓からメーターまでの水平距離が概ね3m 以内で 改造後に概ね3m 以上となる場合は 同様の取扱いとする ただし 共同住宅等は除く 4 公道及び私道に埋設する連合管等で φ150 以上の配水管からφ75 以上を分岐する場合 第一止水栓まではDCIPを使用する 5 本設工事におけるメーターの位置が仮設工事しゅん工時から変更される場合 仮設工事と本設工事の申請を同時に提出した場合に限り 仮設工事でのHIVP 使用を認める 9

給水装置標準図 ( 分岐口径 φ20 25) φ13 メーターの前後配管は φ20 とする ( 材料編 違径接続材 (φ13 メーター用 ) 参照 ) 金属継手分止水栓用 袋ナット 金属継手分止水栓用 金属継手分止水栓用 条件により 止水栓以降の管種は HIVP とすることもできる 表 3-1 配水管等からの分岐からメーターまでの間に使用する管材料参照 ( ガイドナット ) ( ガイドナット ) 9-1

給水装置標準図 ( 分岐口径 φ30 40) 袋ナット 金属継手分止水栓用 条件により 止水栓以降の管種は HIVP とすることもできる 表 3-1 配水管等からの分岐からメーターまでの間に使用する管材料参照 金属継手分止水栓用 ( ガイドナット ) ( ガイドナット ) 9-2

給水装置標準図 ( 分岐口径 φ50) HIVP の既設分岐を継続使用する改造工事の場合は 条件により 止水栓以降の管種は HIVP とすることもできる 表 3-1 配水管等からの分岐からメーターまでの間に使用する管材料参照 9-3

給水装置標準図 ( 分岐 メーター口径 φ75-dcip) 9-4

給水装置標準図 ( 分岐 メーター口径 φ75-hppe) K 形短管 2 号 9-5

給水装置標準図 ( 電磁式メーター φ50 75-DCIP) 9-6

給水装置標準図 ( 電磁式メーター φ50 75-HPPE) 9-7

3-5 材料検査原則として メーター手前に使用する φ75 以上の材料については 企業団施行の配水管布設工事に準ずるものとし 企業団において材料検査を実施する その方法は 坂戸 鶴ヶ島水道企業団建設工事標準仕様書に準ずる 3-6 メーター以降の材料使用材料については 構造及び材質が政令で定める基準に適合しているものとし 管材料の選定にあたっては施主に管材等の特性をよく説明し 希望を取りいれるとともに 使用状況 施工性 費用及び給水装置に与える環境的影響等を考慮して決定する また 給水用具についても同様とする 3-7 材料の特徴 (1) 硬質塩化ビニールライニング鋼管 (SGP-VA VB VD HVA) 1 特徴硬質塩化ビニールライニング鋼管は 強度については鋼管が 耐食性等についてはビニールライニングが優れている 屋内及び埋設用に対応できる外面仕様の異なる管があるため 管の選定にあたっては環境条件を十分考慮する必要がある 2 取扱いにおける注意点管の切断及びねじ切りにあたっては ライニングされたビニール部分への局部加熱を避けることや内面にかえりが出ないようにすること 外面に被覆されているビニール部分の取扱いを慎重に行うこと等の配慮が必要である 3 継手接合部のねじや管端部は腐食しやすいので 管端防食継手を使用する 樹脂コ一ティング継手を使用する場合は 管端防食コアを用いる ねじ部には 水質に悪影響を及ぼさない防食シール剤を使用して 十分防護する必要がある 4 給湯用材料鋼管の内面に耐熱性硬質塩化ビニール管をライニングした 耐熱性硬質塩化ビニールライニング鋼管 (SGP HVA) がある この管の使用温度は 85 以下である 10

図 3-2 硬質塩化ビニールライニング鋼管 (2) ポリエチレン粉体ライニング鋼管 (SGP-PA PB PD) ポリエチレン粉体ライニング鋼管は 鋼管内面に適正な前処理を施したのち ポリエチレン粉体を熱融着によりライニングしたものである 管及び継手の種類 接続方法等については 硬質塩化ビニールライニング鋼管に準ずる 11

図 3-3 ポリエチレン粉体ライニング鋼管 (3) 硬質塩化ビニール管 (VP) 1 特徴硬質塩化ビニール管は 引張り強さが比較的大きいため耐食性 特に耐電食性に優れている しかし 直射日光による伸縮性があるので 配管において注意を要する また 難燃性であるが 熱及び衝撃に弱く 凍結の際に破損しやすい 2 取扱いにおける注意点使用温度範囲は 5~35 である 管に傷がつくと破損しやすいため 外傷を受けないよう取扱いに注意するとともに 有機溶剤などの管材質に悪影響を及ぼす物質と接触させてはならない 3 継手硬質塩化ビニール管の継手としては 硬質塩化ビニール製及びダクタイル鋳鉄製のものがある 接合方法には 接着剤を用いた TS 接合とゴム輪接合とがあり TS 接合作業の際は 管挿し口の面取り後 外面と継手受け口内面に付着した泥や水をきれいに拭き取って接着剤を薄く均一に塗布し 素早く接合しなければならない (4) 耐衝撃性硬質塩化ビニール管 (HIVP) 1 特徴耐衝撃性硬質塩化ビニール管は 硬質塩化ビニール管の耐衝撃強度を高めたものである 長期間 直射日光に当たると耐衝撃強度が低下することがあるので注意が必要である 2 継手耐衝撃性硬質塩化ビニール管継手としては 耐衝撃性硬質塩化ビニール製及びダクタイル鋳鉄製のものがある 管の接合方法については 硬質塩化ビニール管に準ずる 12

図 3-4 硬質塩化ビニール管継手 (5) ポリエチレン管 (PP) 1 特徴ポリエチレン管は たわみ性に富み 軽量で耐寒性や耐衝撃強度に優れている また 長尺物のため 少ない継ぎ手で施工できる しかし 他の管材料に比べて柔らかく 傷がつきやすいため 管の保護や加工に際しては取扱いに注意が必要である 管の種類には 1 種と 2 種があり それぞれに単層管 二層管がある 2 取扱いにおける注意点有機溶剤等に触れるおそれのある場所では 使用を避けなければならない 3 継手継手は プッシュオン接合とねじ込み接合を組み合わせた金属継手がある 図 3-5 ポリエチレン管継手 13

(6) ステンレス鋼管 (SSP) 1 特徴ステンレス鋼管は 耐食性と強度に優れ 軽量化されているので取扱いが容易である 2 取扱いにおける注意点管の保管や加工に際しては 傷を付けないよう取扱いに注意が必要である 3 継手ステンレス鋼管の継手の種類は 屋内配管用としてプレス式と圧縮式 地中埋設管用として伸縮可とう式継手等がある それぞれの継手の特徴を生かし 用途により使い分けることができる 図 3-6 ステンレス鋼管 図 3-7 ステンレス鋼管継手 14

(7) 銅管 (CP CP-P V) 1 特徴銅管は引張強度が比較的大きく アルカリに侵されず スケールの発生も少ない 耐食性に優れているため薄肉化しているので 軽量で取扱いが容易である 銅管のうち 軟質銅管は数回の凍結では破裂しない特徴がある 温度の低い水道水の場合は腐食が少ないが 水質によっては給湯で使用すると孔食が起こることがある 2 取扱いにおける注意点管の保管や運搬に際しては 傷などをつけないよう注意する必要がある 銅管の外傷防止と土壌腐食防止を考慮した被覆銅管もある 3 継手銅管の継手としては はんだ付 ろう付又はプレス式接合用の銅管継手がある 図 3-8 銅管継手 (8) 架橋ポリエチレン管 (XPEP) 1 特徴架橋ポリエチレン管は 耐熱性及び耐食性に優れ 軽量で柔軟性に富んでおり 管内スケールの付着が少なく 流体抵抗が小さい また 耐寒性に優れており 寒冷地での使用に適している 2 取扱いにおける注意点熱による膨張破裂のおそれがあるため 使用圧力により減圧弁の設置を検討する等 配管には注意が必要である 3 継手架橋ポリエチレン管の接続方法としては メカニカル接合と電気融着接合がある 15

図 3-9 架橋ポリエチレン管継手 (9) ポリブデン管 (PBP) 1 特徴ポリブデン管は高温時でも高い強度をもち 金属管に起こりやすい熱水による腐食もないので温水配管に適している 2 取扱いにおける注意点熱による膨張破裂のおそれがあるため 使用圧力により減圧弁の設置を検討する等 配管には注意が必要である 3 継手ポリブデン管の接続方法としては メカニカル接合と電気融着接合がある 図 3-10 ポリブデン管継手 16

(10) ダクタイル鋳鉄管 (DCIP) 1 特徴ダクタイル鋳鉄管は鋳鉄組織中の黒鉛が球状のため 強度や延性が優れている 2 取扱いにおける注意点重量が比較的重く 継手の種類によっては異形管防護を必要とする 3 継手ダクタイル鋳鉄管の継手には プッシュオン継手 メカニカル継手 フランジ継手等種類が豊富であり 施工性が良い 継手に伸縮可とう性があるものは 管が地盤の変動に追従できる 図 3-11 ダクタイル鋳鉄管継手 17

(11) 高密度ポリエチレン管 (HPPE) 1 特徴高密度ポリエチレン管は非常に大きな柔軟性があり 管が地盤の変動に追従でき 耐震性に優れている また 耐食性にも優れ 化学的に安定しているため酸やアル力リに強く 有機溶剤以外によって侵されることがない 2 取扱いにおける注意点融着部分に水分が付着していると完全な融着一体化が不可能となるため 雨天時や湧水場所での配管は注意が必要となる 3 継手高密度ポリエチレン管の接続方法は 一般的には電気融着接合であり 管路が一体化構造になることが利点となる 図 3-12 高密度ポリエチレン管継手 18