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下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

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4 地域の多様な主体 関係機関等がともに議論し 課題を把握することを通して 連携を深めることができる 5 各自の災害時の経験や知識を共有し 継承することができる (4) ワークショップを実施する際に重視することワークショップを実施する際に大切にしたいことは 主に次の3つです 1 すべての参加者が平等

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日本臨床倫理学会 Ⅱ POLST(DNAR 指示を含む ) 作成に関するガイダンス 生命を脅かす疾患 に直面している患者の 医療処置 ( 蘇生処置を含む ) に関する医師による指示 現在, 広く DNAR 指示 (Do Not Attempt Resuscitation Order) という言葉が用

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

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平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

9(1) 介護の基本的な考え方 9() 介護に関するこころのしくみの基礎的理解 9() 介護に関するからだのしくみの基礎的理解 9(4) 生活と家事 5 9(5) 快適な居住環境整備と介護 9(6) 整容に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 4 4 理論と法的根拠に基づき介護を行うこと

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

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1 高等学校学習指導要領との整合性 高等学校学習指導要領との整合性 ( 試験名 : 実用英語技能検定 ( 英検 )2 級 ) ⅰ) 試験の目的 出題方針について < 目的 > 英検 2 級は 4 技能における英語運用能力 (CEFR の B1 レベル ) を測定するテストである テスト課題においては

はっきした声であいさつ は高学年では少ないね < 資料 2 より > よい感想だけでなく 問題点も挙げている感想も多いね めあてを達成したとは言えないかもしれないね < 資料 3 より > あいさつ運動への意見が出されているね 4 つの意見が出されているね < 資料 1 2,3 より > 資料 2

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SBOs- 3: がん診断期の患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 4: がん治療期 ; 化学療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 5: がん治療期 ; 放射線療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 6: がん治療期

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「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

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未来教育 1 プロジェクト学習とポートフォリオ 文部科学省採択事業 確かな学力の育成に係る実践的調査研究 課題解決能力の獲得を可能とするプロジェクト学習とポートフォリオ教員研修プログラムの開発 コーチング指導による コンピテンシー育成 を目指して 報告書 (H22) より シンクタンク未来教育ビジョ

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

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平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

2. 各検討課題に関する論点 (1) 費用対効果評価の活用方法 費用対効果評価の活用方法について これまでの保険給付の考え方等の観点も含め どう考 えるか (2) 対象品目の選定基準 1 費用対効果評価の対象とする品目の範囲 選択基準 医療保険財政への影響度等の観点から 対象となる品目の要件をどう設

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項目評価規準評価方法状況 C の生徒への対応 関心意欲態度 1 自の考えを持ち 積極的に交流 討論している 2 自らの言葉で 中学生にかりやすく紹介文を書こうとしている 交流 討論で得た仲間の意見を取り入れて 自らの考えを深めるよう促す 参考例を示したり 書き出しを例示したりして 参考にするように指

内容 児童 経験したことや調べたことから選んで話す 内容 ( 考え ) を分かりやすく話す はっきりした発音で声の大きさを考えて話す 丁寧な言葉を使って話す 相手の顔を見ながら話す 大事なこと

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

障害者職業総合センター職業センター支援マニュアルNo.17「ジョブデザイン・サポートプログラム 気分障害等の精神疾患で休職中の方のためのワーク基礎力形成支援」

回数テーマ学習内容学びのポイント 2 過去に行われた自閉症児の教育 2 感覚統合法によるアプローチ 認知発達を重視したアプローチ 感覚統合法における指導段階について学ぶ 自閉症児に対する感覚統合法の実際を学ぶ 感覚統合法の問題点について学ぶ 言語 認知障害説について学ぶ 自閉症児における認知障害につ

3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

「2025年に向けた新しい地域づくり -地域包括ケアシステムの構築を目指して-」

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座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

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1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

人権教育の推進のためのイメージ図

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第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

本事例集は 在宅医療 介護連携推進事業の ( ア ) から ( ク ) の取組ごとに いくつかの市町村における具体的な取組を紹介しているが これらの取組に加え 取組む際の体制 取組に要した予算 取組による成果や成功の要因 今後の課題等についても 以下の調査研究事業で報告されているため 参考にしていた

4.2 リスクリテラシーの修得 と受容との関 ( ) リスクリテラシーと 当該の科学技術に対する基礎知識と共に 科学技術のリスクやベネフィット あるいは受容の判断を適切に行う上で基本的に必要な思考方法を獲得している程度のこと GMOのリスクリテラシーは GMOの技術に関する基礎知識およびGMOのリス

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Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

Slide 1

2013 年度 統合実習 [ 表紙 2] 提出記録用紙 5 実習計画表 6 問題リスト 7 看護過程展開用紙 8 ( アセスメント用紙 1) 9 ( アセスメント用紙 2) 学生証番号 : KF 学生氏名 : 実習期間 : 月 日 ~ 月 日 実習施設名 : 担当教員名 : 指導者名 : 看護学科

(目的)

為化比較試験の結果が出ています ただ この Disease management というのは その国の医療事情にかなり依存したプログラム構成をしなくてはいけないということから わが国でも独自の Disease management プログラムの開発が必要ではないかということで 今回開発を試みました

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

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4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

障害者職業総合センター職業センター支援マニュアルNo.8 『発達障害者のワークシステム・サポートプログラム発達障害者のための問題解決技能トレーニング』

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

緩和ケア研修会における e-learning の導 について 市 札幌病院精神医療センター副医 上村恵 ( 特定 営利活動法 本緩和医療学会委託事業委員会委員 )

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演習:キャップハンディ ~言葉のわからない人の疑似体験~

授業概要と課題 第 1 回 オリエンテェーション 授業内容の説明と予定 指定された幼児さんびか 聖書絵本について事後学習する 第 2 回 宗教教育について 宗教と教育の関係を考える 次回の授業内容を事前学習し 聖書劇で扱う絵本を選択する 第 3 回 キリスト教保育とは 1 キリスト教保育の理念と目的

ケア困難患者や家族への直接ケア 医療スタッフへのコンサルテーション 退院や倫理的問題を調整する調整 ケアの質を改善 向上させるための教育と研究を実践し CNS が関わることで患者の病状や日常生活機能と社会的機能が改善して 患者と家族の QOL が高まり 再入院が減少することが明らかとなってきておりま

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フレイルのみかた

習う ということで 教育を受ける側の 意味合いになると思います また 教育者とした場合 その構造は 義 ( 案 ) では この考え方に基づき 教える ことと学ぶことはダイナミックな相互作用 と捉えています 教育する 者 となると思います 看護学教育の定義を これに当てはめると 教授学習過程する者 と

4 単元の評価規準 コミュニケーションへの関心 意欲 態度 外国語表現の能力 外国語理解の能力 言語や文化についての知識 理解 与えられた話題に対し 聞いたり読んだりした 1 比較構文の用法を理解 て, ペアで協力して積極 こと, 学んだことや経 している 的に自分の意見や考えを 験したことに基づき

Transcription:

多職種連携協働の今日的意義とグループワークの進め方 東京ふれあい医療生活協同組合梶原診療所在宅サポートセンター 平原佐斗司

チームとは? ヘルスチームとは 健康に関するコミュニティのニーズによって決定された共通のゴール 目的をもち ゴール達成に向かってメンバー各自が自己の能力と技能を発揮し かつ他者のもつ機能と調整しながら寄与していくグループである (Inter-professional work における Health Team の定義 ;:WHO1984) チームとは 一致した共通の目標や規範をもち 協働で仕事をする一団の人の事を指す チームには 明確な目標 リーダー そして円滑なコミュニケーション ( 五感と言葉を通して 思考 と 感情 を共有するプロセス ) が必要である ( ルースキャンベル )

Interdisciplinary care に関する 米国老年医学会の立場宣言 2005.1 1 IDC は 複雑な併有疾患を有する高齢患者の多様なニーズに対応する 2 IDC は 老年症候群に対する医療の過程と結果を改善する 3 IDC は 医療システムの改善と介護者の負担軽減に寄与する 4 IDC の研修と教育は 高齢者の医療ケアに当たる者に有効である Geriatrics Interdisciplinary Advisory Group American Geriatrics Society Position Statement Interdisciplinary Care for Older Adults with Complex Needs

理学療法士言語聴覚士 機能や障害 在宅ケアの多面性と 薬剤師 IPW の有効性 脳卒中がん高血圧褥瘡 看護師 終末期慢性 医師 疾患 高度障害中度障害軽度障害 骨折心臓病 COPD 肺炎 栄養士 絶望 孤独 パニック 抑鬱 家族不和貧困 意欲減退 作業療法士 歯科医師 臨床心理士 ケアマネシ ャー 社会心理面 最大のアウトカムを得るためには IPW が必要 介護福祉士 ヘルハ ー ソーシャルワーカー

在宅ケアで多職種連携が 推奨される理由 1 チームで対応することによって 在宅患者の身体的 心理的 社会的な問題 及び家族も含めた複雑なニーズにより良く対応でき それによって彼らの健康と QOL の向上に寄与する 2 多職種間で 知識と技能を分かち合うことによって 各専門職に求められているものが明確となり その結果各職種の専門性を強化することになる 3 患者や家族に必要なケアや地域に必要なシステムなどについてより俯瞰的にみる視点が養われる 4 在宅ケアに関わる仕事をより豊かで 興味深いものにする

ワークショップとグループワークの進め方

学んだ内容は どの程度記憶に残るか 講義読み物 AV 教材実演で示す グループ ディスカッション実践的経験誰かに教える 記憶に残る率 5% 10% 20% 30% 50% 75% 80% 受動学習 能動学習 National Training Laboratories, Bethel, Maine, USA

ワークショップとは? ワークショップ = 参加 体験型の学習 対話の手法 参加者が討論 創作して (work) 発表 提案する (shop) ワークショップの標準的な流れ グループワーク 全体で発表 相互評価 ワークショップの工夫 話やすい小グループに分かれて討論する 付箋にアイデアを書き出し 整理する (KJ 法など ) 意見を板書して整理する 現場 現地を調査して 議論する ( インタビューなど ) 寸劇をつくる ( ロールプレイなど )

グループワークの意義 1. 能動的に参加する中で学ぶため 学習者の意欲や集中力を高め 学習効率を高める 2. 現場にある実践的な課題を 仮想チームの中で解決しながら学ぶため 実践的な学習になる 3. 自分の考えや知識を他の専門職と共有しながら学ぶことができるとともに 他の専門職から自分の専門性に求められていることを理解することで 専門職としての学習意欲ややりがいを高める

グループワーク進行の流れ 始 中 終 議題の設定 目的の説明 議論のルールの説明 前提となる情報の提供 意見を引き出す 論点を整理する 引き出し 論点整理 ( 再 ) 論点を出す まとめ 結論の確認 参加者間で知識量に大きく差がある課題の場合 情報共有が必要 順番に発言を求める 議題やルールを再確認して 全体の積極性を上げる 特定の人を指名して発言を促す 出た意見を要約したものを一覧化して示す 論点の焦点を絞る

意見を引き出すための具体的な方法 事前準備 適正な人数 6~8 名の適切な人数のグループ分け 皆が話せるテーマの設定 発言の方法 同じ人が長く話さないように時間に気を配る 順番に発言したり 発言のない人に発言を促す 工夫 いきなり発言を求めず 準備する時間をとる 付箋に意見を書き出してもらう (KJ 法など )

グループワークの中で緊張が生じる時 安全性が保障されていない 自分の発言が他人に誤解された 人の発言を聞いて 他の参加者に対する敵意を感じた 論点がずれる 今話題になっていることが重要でないと思う これは 皆で話すべきことではない 議論が成り立っていない 専門用語が多すぎてわからなかった 難しくてついていけない 進行速度 進行が遅 ( 速 ) すぎる

グループワークを進める上で重要なこと 1. 時間管理 : 時間を守って進行する 2. 公平さ : 公平に発言機会を提供する 3. 編集力 : 議論を踏まえて 適切に論点を絞る

多職種間の議論で注意すること 共通の目標をもって議論する 患者と介護者のニーズにフォーカスをあてる 本人の幸せ という共通の目標で議論する お互いの専門性を尊重する お互いの専門分野のことを否定しない 専門性の背景 ( 知識 文化 ) と専門用語に配慮する 専門用語や略語は使わない 基本的知識面での違いに配慮する 多職種の役割を知るため 自己紹介の時間をとる

KJ 法の方法 第 1 段階 考えなければならないテーマについて思いついた事をカードに書き出す この時 1 枚のカードには 1 つの事だけを書く ( 個人作業 ) 第 2 段階 同じグループに入れたくなったカードごとにグループを形成する グループが形成されたら グループ全体を表わす一文を書いた表題を決めてラベルに書きこむ 第 3 段階 グループ化されたカードを 1 枚の大きな紙の上に配置して図解を作成する 近いと感じられたカード同志を近くに置く そして カードやグループの間の関係を示したい時には それらの間に関係線を引く

グループワークのまとめ 話されたことの確認を行う 目的に対して どういうことが話されたかを簡潔にまとめる グループとして発表する内容を確認する 何らかの結論を出す必要がある場合 結論について案を提示し その理由の明示する 結論を確認する口頭で この案でよろしいですか? 意見が分かれる場合は 各案の支持状況を確認し どちらを支持するか決める

まとめ 在宅医療では 身体 心理 社会的な問題が混然一体となって横たわっており 患者と家族にとっての最善を実現するためには 多職種によるチームアプローチが不可欠である 地域での多職種研修では ワークショップなどの参加型の 能動的な学習スタイルを取り入れる必要がある ワークショップの標準的な流れは グループワーク 全体発表 相互評価 である ファシリテーターは グループワークの 議題の設定 意見の引き出し 論点整理の繰り返し まとめ という流れを意識して進行する ファシリテーターは 全体のタイムキープを行いながら すべてのグループメンバーの公平な参加を保障し 中立な姿勢で議論を編集する また 議題の呈示 論点整理 緊張の緩和など話し合いの進行のための様々な配慮を行う