1/5 総括調査票 事案名 (36) 予備自衛官制度の運用 調査対象予算額 平成 24 年度 :8,049 百万円平成 23 年度 :8,081 百万円 所管防衛省組織防衛本省会計一般会計 調査区分 取りまとめ財務局 本省調査 - 1 調査事案の概要 事案の概要 予備自衛官制度は いざという時に必要

Similar documents
1. 自衛隊と関係機関の連携 < 発災当初から 被災者の捜索や人命救助活動を全力で実施 > 警察 消防 海上保安庁等と協力し 津波等により孤立した地域や倒壊家屋等から多数の被災者を救出 米軍 警察 消防 海上保安庁等と共同し 被災 3 県の沿岸 河口部を中心とした集中捜索を実施 関係機関との連携 1

Microsoft PowerPoint - 資料2 防衛省資料(セット).pptx

自衛隊の原子力災害派遣に関する達

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

PowerPoint プレゼンテーション

1 求人内容の適法性の確認 ハローワークに掲示されて求職者に利用される求人票は 労働条件に関する法令違反があってはならず 求人事業主からの求人申込みの内容に対する適法性の確認が不可欠 600, , , , ,000 新規求人数 < 岩手 宮城 福島の

< F2D81798E9197BF817C824F817A C8E862E6A7464>

れにMINUSTAH 軍事部門司令部において行われる企画及び調整の分野並びに我が国のMINUSTAHに対する協力を円滑かつ効果的に行うための連絡調整の分野における国際平和協力業務を行わしめるとともに 自衛隊の部隊等により ハイチ地震の被災者の支援等の分野における国際平和協力業務を実施することとする

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

(6) 行方不明者の捜索 (7) 治安の維持 (8) 被災者等への情報伝達 (9) 前各号に掲げるもののほか 派遣先都道府県警察の長が特に指示する活動一部改正 平成 25 年第 15 号 ( 即応部隊の活動 ) 第 4 条即応部隊は 大規模災害発生時に直ちに被災地等へ赴き それぞれ次に掲げる活動を行

前提 新任務付与に関する基本的な考え方 平成 28 年 11 月 15 日 内 閣 官 房 内 閣 府 外 務 省 防 衛 省 1 南スーダンにおける治安の維持については 原則として南スー ダン警察と南スーダン政府軍が責任を有しており これを UNMISS( 国連南スーダン共和国ミッション ) の部

Microsoft PowerPoint - 【参考配布】広域.pptx

<4D F736F F D E58B4B96CD93C18EEA8DD08A518E9E82C982A882AF82E98D4C88E68D718BF38FC E89878EC08E7B97768D6A>

 亀岡●4.indd

各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

<4D F736F F F696E74202D E9197BF E63189F18DD08A518BD98B7D8E9691D491CE8F888AD68C578FC892A D89EF8B636E2E B8CDD8AB B83685D>

できない場合は 代表消防機関代行の倉敷市消防局又は津山圏域消防組合消防本部の職員をもって充てるものとする 4 岡山県大隊に 消火 救助 救急等の任務単位毎に中隊を設けることとし 各中隊を 消火中隊等 と呼称するものとする なお 中隊長は 岡山県大隊長が指定するものとする 5 各中隊に 各車両又は付加

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

別紙様式 3( 付表 1) 平成 年度介護職員処遇改善加算実績報告書積算資料 薄い黄色のセルに必要事項を入力してください 1. 加算受給額 ( 現行の加算 Ⅰと 現行の加算 Ⅱの比較額について ) 別紙様式 3の56を記載する場合のみ記載 別紙様式 3の34により報告した場合は記載不要です 単位 :

折木良一.indd

平成16年新潟県中越地震 JR西日本福知山線列車事故 16年10月23日に発生した新潟県中越地震は 死者68人 災害関連死を含む という被害を もたらしました この地震を契機に 警察では 極めて高度な 救出救助能力を必要とする災害現場において 迅速かつ的確に被災者の救出救助を行う専門部 隊として 1

Microsoft Word - 5_‚æ3ŁÒ.doc

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

検査若しくは修理又は補給 ( 武器の提供を行う補給を除く ) エ自然災害によって被害を受けた施設又は設備であってその被災者の生活上必要なものの復旧又は整備のための措置オ宿泊又は作業のための施設の維持管理 3 国際平和協力業務の実施の方法 (1) 実施計画及び実施要領の範囲内において 事務総長等による

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

Taro-309 緊急事態における新潟県警察の組織に関する要綱の制定について(例規通達)

Microsoft PowerPoint - 03_資料2医療機器の適正配置ver11(きした修正)

( 災害医療調整本部の所管事務 ) 第 4 条災害医療調整本部は 次の事務をつかさどる (1) 全県域を対象とした医療資源の配置調整及び患者搬送調整に関すること (2) 国や他都道府県等に対する医療支援の要請及び受入れと その派遣調整に関すること (3) 地域災害医療対策会議の支援に関すること (4

(別紙1)

Microsoft PowerPoint - 【セット版】140804保育キャンペーン資料


東京東営業所 548 人 323 件 19.1 % 12,427 円 10,058 円 東京北営業所 932 人 440 件 20.2 % 10,294 円 8,216 円 関東支店 825 人 510 件 13.5 % 12,074 円 10,438 円

内閣府自殺対策推進室提出資料 平成 23 年 6 月 15 日内閣府自殺対策推進室内閣府経済社会総合研究所自殺分析班警察庁厚生労働省 東日本大震災に関連する自殺の実態把握について 平成 23 年 3 月 11 日に発災した東日本大震災に関連する自殺の実態把握について 以下 のとおり実施する 1. 定

第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

平成 31 年 3 月 20 日更新 全国女性の参画マップ 平成 30 年 12 月作成 内閣府男女共同参画局

Microsoft Word - 【外務省】インフラ長寿命化(行動計画)


として本件対象文書にかがみを加えたものを特定した 本件開示請求に対しては, 法 11 条に規定する開示決定等の期限の特例を適用し, まず, 平成 27 年 4 月 20 日付け防官文第 6779 号により, かがみについて開示決定を行った後, 同年 9 月 3 日付け防官文第 号により

この審査において点検を行っているのは 次の項目である 政策の実施により得ようとする効果はどの程度のものかなど 具体的に特定され ているか ( 事前評価の結果の妥当性の検証について ) 事前評価については 政策効果が発現した段階においてその結果の妥当性を検証すること等により得られた知見を以後の事前評価

Microsoft Word - ピンナップ資料_1-4P_.doc

は 25% 未満である 3 申請者が住友商事株式会社において就く予定である顧問の地位の職務内容 は 防衛駐在官等の勤務における知識 経験を生かした 各種装備品等の諸外国における動向の調査に関する指導 助言であり 防衛省との契約の折衝等の業務は含まれない 4 その他 申請者の住友商事株式会社への就職に

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

宮城県総合防災情報システム(MIDORI)

議 決 承認申請者第 1 施設団副団長 陸将補安田 茂 主 文 本件承認申請は 承認すべきものと認定する 事実関係 1 承認申請者陸将補安田茂 ( 以下 申請者 という ) は 平成 25 年 8 月 1 日付で自衛隊を退職し 平成 25 年 9 月 17 日付で 株式会社日立製作所に就職する予定で

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

標準例6

PowerPoint プレゼンテーション

九州における 道の駅 に関する調査 - 災害時の避難者への対応を中心としてー ( 計画概要 ) 調査の背景等 道の駅 は 平成 16 年 10 月の新潟県中越地震 23 年 3 月の東日本大震災において 被災者の避難場所 被災情報等の発信や被災地救援のための様々な支援の拠点として活用されたことなどか

監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書

Microsoft PowerPoint - 修正●【HP版】概要版.ppt

»°ËÞ½ŸA“⁄†QŸA“⁄Æ�°½No9

小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査

04 件数表280205(東京)

各省庁等における業務継続計画に係る取組状況調査 調査の目的 各省庁等における現在の業務継続計画に係る取組状況を把握し 東日本大震災等を受けた 今後の業務継続計画の改善策を検討するための資料とする 調査の対象 中央省庁業務継続連絡調整会議構成機関 オブザーバー機関 29 機関 構成員 :23 機関内閣

平成29年3月高等学校卒業者の就職状況(平成29年3月末現在)に関する調査について

年齢 年齢 1. 柏 2. 名古屋 3. G 大阪 4. 仙台 5. 横浜 FM 6. 鹿島 -19 歳 0 0.0% 0 0.0% 2 2.7% 1 1.4% 3 4.0% 3 4.6% 歳 4 5.0% 5 6.7% 7 9.6% 2 2.7% 2 2.7% % 25-2

事務連絡平成 30 年 10 月 26 日 各都道府県消防防災主管課東京消防庁 各指定都市消防本部 } 殿 消防庁予防課 外国人来訪者や障害者等が利用する施設における災害情報の伝達及び避難誘導に関するガイドライン のリーフレットの配布について 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会が開

1 260

大阪湾広域臨海環境整備センターは、昭和57年3月に設立されて以来、30年余りにわたって、全国で唯一の府県域を超えた広域的な廃棄物の適正な最終処分を海面埋立てにより行う「フェニックス事業」を地方公共団体及び港湾管理者と一体となって推進してきたところであり

1 調達要求番号 : 7NMV1AY1002 標準仕様書 陸上自衛隊仕様書物品番号仕様書番号 3 承認作成平成 29 年 1 月 16 日食器洗浄及び清掃作業部外委託変更作成部隊名仙台駐屯地業務隊 1 総則 1.1 適用範囲この仕様書は 陸上自衛隊の仙台駐屯地食堂において実施する食器洗浄作業 食堂清

ウ身辺警戒員に病気その他の理由により指定を解除すべき事由が生じたときは 身辺警戒員解除上申書により指定の解除を上申するとともに これに代わる適任者を身辺警戒員指定上申書により上申する (3) 指定期間 ( 第 4 関係 ) 身辺警戒員の指定期間は 4 月 1 日から翌年 3 月 31 日までとする

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

<4D F736F F D2081A030308B4C8ED294AD955C8E9197BF955C8E862E646F63>

< F2D E968CCC8DD08A5191CE8DF495D281458D718BF38DD0>

 

の上 交付金の交付を決定するものとし 交付金の交付を決定したときは 交付金交付決定通知書 ( 別紙様式 2) により 各県知事に通知するものとする ( 交付の条件 ) 第 8 この交付金の交付の決定には 次の条件が付されるものとする (1) 交付金事業の内容の変更 ( 軽微な変更を除く ) をする場

スライド 1

地震被害予測システムにより建物被災度を予測 また 携帯電話と地図を利用した 被害情報集約システム では GPS 機能と地理情報システムとの連係により 現在位置周辺にある同社施工済物件を検索し 物件や周辺の被害状況を文字 静止画 動画を添付して報告することができる これら被害情報を地理情報システムに集

untitled

Taro-【資料-5】①中表紙

自衛隊の補給支援活動に関する特別世論調査 の要旨 平成 21 年 3 月内閣府政府広報室 調査時期 : 平成 21 年 1 月 22 日 ~2 月 1 日調査対象 : 全国 20 歳以上の者 3,000 人有効回収数 ( 率 ):1,684 人 (56.1%) 1 補給支援活動の認知度 平成 21

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

航空自衛隊装備品等整備規則

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 認知度調査HP原稿

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

別添2 乳児家庭全戸訪問事業の実施状況

1 情報通信基盤の整備

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

<4D F736F F D D9197A791E58A C8FAC924D8FA489C891E58A77838A E837D836C B4B92F65F E332E398E7B8D73816A>

02一般災害対策編-第3章.indd

再就職審査室長 : ( 渡部悦和陸将の株式会社富士通システム統合研究所への再就職について 資料に基づき説明 ) 委員 : この安全保障研究所については 何名位の研究員がいて どういう前歴の方が勤務されているのでしょうか また 富士通という民間企業の中の研究所ということですが 行っている研究は 国ない

医療安全管理指針

ったと判断します なお 一時的に認定基準月額以上の収入がある月があっても 認定基準年額を超えるまでの間は認定できます また 勤務した月の給与が翌月以降に支払われる場合でも 原則 勤務月の収入として取扱います 継続して認定できる事例 認定基準月額未満であるので 継続して認定できます 認定基準月額以上の

<944D92868FC75F8F578C D834F F E F1817A35302E786C736D>

p81-96_マンション管理ガイド_1703.indd

1青森県防災ヘリコプター運航管理要綱


安全管理規程

PowerPoint プレゼンテーション

均衡待遇・正社員化推進奨励金 支給申請の手引き


PowerPoint プレゼンテーション

<925089BF955C81698CF6955C816A2E786C73>

原議保存期間 5 年 ( 平成 27 年 12 月 31 日まで ) 各都道府県警察の長 殿 警察庁丙刑企発第 43 号 ( 参考送付先 ) 平成 22 年 2 月 25 日 各附属機関の長 警察庁刑事局長 各地方機関の長庁内各局部課長 美容外科手術を行っている医師の団体に属する会員等からの指名手配

Taro 再任用制度.jtd

平成 27 年 2 月から適用する公共工事設計労務単価 1 公共工事設計労務単価は 公共工事の工事費の積算に用いるためのものであり 下請契約等における労務単価や雇用契約における労働者への支払い賃金を拘束するものではない 2 本単価は 所定労働時間内 8 時間当たりの単価である 3 時間外 休日及び深

Transcription:

1/5 調査対象予算額 平成 24 年度 :8,049 百万円平成 23 年度 :8,081 百万円 所管防衛省組織防衛本省会計一般会計 調査区分 取りまとめ財務局 本省調査 - 1 調査事案の概要 事案の概要 制度は いざという時に必要となる防衛力を急速かつ計画的に確保するための制度であり 及び即応等から成る 普段は社会人や学生としてそれぞれの職業に従事しながら 自衛官として必要とされる練度を維持するために訓練に応じる そして 防衛招集や災害招集などに応じて出頭し 自衛官として活動することとされている 平成 24 年度予算額 即応 導入年度昭和 29 年度平成 9 年度 平時における 5 日間 / 年 30 日間 / 年 ( 教育 ) 訓練日数 即応手当 16,000 円 / 月 手当 4,000 円 / 月処遇等 訓練招集手当 14,200 円 ~10,400 円 / 日 訓練招集手当 8,100 円 / 日 勤続報奨金 120,000 円 /1 任期 (3 年 ) 雇用企業給付金 - 42,500 円 / 月 人 ( 年額 :51 万円 ) 任用 ( 採用 ) までの流れ 80 億円予備隊員手当 56 億円 ( うち手当 25 億円 即応手当 29 億円 ) 即応勤続報奨金 2.4 億円即応雇用企業給付金 17 億円その他 4.6 億円 元自衛官 補 教育訓練 元自衛官 即応 ( 元自衛官出身 ) 東日本大震災への対応で 制度設立以来 初めて及び即応を訓練以外で招集したが 当初の段階において 業務量の増加に対しを十分に活用できず 実際に招集した者の割合も低かったなど 円滑に運用されていなかった このため 部隊の活動 支援拠点等においてマンパワーの不足が顕著となっていたにもかかわらず 十分な数のを動員することができなかった こうした問題意識の下 制度及びその運用について調査した ( 下図参照 ) 東日本大震災で災害派遣活動に従事した等の状況 平成 22 年度末員数 平成 22 年度末現員数 出頭数 47,900 32,606 314 陸上自衛隊 46,000 31,190 285 海上自衛隊 1,100 778 5 航空自衛隊 800 638 24 即応 ( 陸上自衛隊のみ ) 8,479 5,772 1,369 注 ) 人数は実員数である 調査の概要 陸上自衛隊の方面隊が策定した 災害対処計画 自衛隊地方協力本部が東日本大震災で初めて行ったの招集 同本部が平素から管理するの個人データ等を調査し 現有ののマンパワーを十分に活用しているかについて調査した 調査対象/ 調査方法 陸上自衛隊の 5 方面隊 自衛隊地方協力本部 (50 先 ) にアンケート調査

2/5 1. の運用や配置を具体的に定めた災害対処計画を策定しているか 1. 災害時におけるの運用 配置計画について (1) 陸上自衛隊の方面隊が策定した 災害対処計画 において の配当先部隊 配当予定数等を具体的に定めているのは 5 方面隊のうち 1 方面隊 ( 東部方面隊の 首都直下地震災害対処計画 等 ) のみである また の招集期間 雇用企業との連絡調整などの事項は 5 方面隊のいずれも定めていない 東部方面隊以外の方面隊においても の運用や配置を具体的に定めた災害対処計画を策定すべき また 招集期間 雇用企業との調整要領を定め が招集に応じやすいようにすべき (2) また の運用や配置を具体的に定めた計画である 東部方面隊の 首都直下地震災害対処計画 についてその内容を見ると 以下のような改善点がある 1 東部方面隊管内の ( 現員約 7,200 人のうち約 3,800 人を常時招集 ) のみならず 東部方面隊以外の方面隊の管内からもの増援を受ける計画とすべき 2 東日本大震災では自衛隊の駐屯地 基地が部隊の活動 支援拠点となった教訓を踏まえ 補給処 駐屯地業務隊などの部隊活動基盤にを増強して配置すべき 3 駐屯地業務隊については 警衛 総務 被服整備 洗濯のみならず 補給 ( 補給品の運搬 ) 給油 輸送 ボイラーといった 東日本大震災時に大幅な所要増が発生した業務にも十分な数のを充てるべき [ 首都直下地震災害対処計画におけるの運用要領 ] 技能保持者( 医療従事者や語学等の特殊技能を保有する者 ( 自衛官未経験者 )) 司令部 85 人作戦基本部隊 125 人語学要員施設部隊 ( 主に重機 施設用機材操縦者 ) 27 人総監部 11 人通信部隊 ( 主に有線や無線要員 ) 34 人 1 師団 72 人衛生部隊 ( 主に医療従事者 ) 64 人 12 旅団 3 人 一般( 主に元自衛官 ) 司令部 105 人 作戦基本部隊 2,515 人 補給処 20 人 駐屯地業務隊 480 人 病院 地方協力本部 165 人 その他 350 人 警衛 160 人 東京 (50 人 ) 神奈川(15 人 ) 普通科部隊 2,075 人総務 ( ごみ収集 外来受付等 ) 160 人千葉 (15 人 ) 埼玉(15 人 ) 施設学校 (90 人 ) 高射学校 (80 人 ) 方面総監部 25 人施設部隊 ( 主に重機 施設用機材操縦者の補助 ) 221 人補給処業務の経験者 20 人被服整備 洗濯 160 人茨木 (10 人 ) 栃木(10 人 ) 武器学校 (60 人 ) 需品学校 (40 人 ) 1 師団 40 人 - 通信部隊 ( 主に有線や無線要員の補助 ) 187 人 ( 関東補給所 ( 霞ヶ浦 )) ( 朝霞 ( 各 60 人 ) 練馬( 各 30 人 ) 群馬 (10 人 ) 新潟(10 人 ) 少年工科学校 (30 人 ) 小平学校 (20 人 ) 12 旅団 40 人衛生部隊 ( 主に医療従事者の補助 ) 32 人宇都宮 ( 各 24 人 ) 大宮( 各 25 人 ) 山梨 (10 人 ) 長野(10 人 ) 通信学校 (20 人 ) 富士学校 (10 人 ) 古河 ( 各 20 人 ) 等 ) 静岡 (10 人 )

3/5 2. 東日本大震災時のの招集は円滑に行われたのか 2. 東日本大震災時のの招集等について < 地方協力本部によるの招集のフロー > 出頭の可否の事前調査打診適任者の絞り込み招集命令発出出頭 運用ニーズの伝達 < の運用ニーズの具体化 確定 > 陸幕 統合任務部隊 全国の方面隊 増援要請 災害派遣部隊の現場 (1) 被災地域 ( 岩手県 宮城県 福島県 ) 以外の地域において 東日本大震災発災直後に 連絡が取れない等により事前調査 ( 地方協力本部がに対し 時 期 所要数 運用場所 要領等は明示せず ( 但し期間は 7 日間に仮置き ) に出頭可能か否かを調査するもので 白紙的な出頭可能数の把握を目的とするもの ) が行 われなかったは 1 割弱いる また 事前調査に対し 出頭可能 と回答したは 2 割弱にとどまる 事前調査の実施状況 事前調査を実施した者 (26,372 人 ) の回答状況 平成 22 年度末現員数 事前調査を実施しなかった者 事前調査を実施した者 出頭可能と回答した者 回答保留又は出頭不可能と回答した者 28,459 人 2,087 人 (7.3%) 26,372 人 (92.7%) 4,497 人 (17.1%) 21,875 人 (82.9%) (2) さらに 事前調査に対し 出頭可能 と回答したのうち 地方協力本部が運用ニーズの具体化に基づき出頭を打診した者は極めて僅かにとどまる また 出頭を打診されたのうち 運用ニーズの確定及び適任者の絞り込みを経て 実際に出頭した者は 7 割弱となっている 事前調査に対して出頭可能と回答した者 (4,497 人 ) の打診及び出頭の状況出頭を打診した者実際に出頭した者 ( 出頭可能と回答した者に対する割合 ) ( 出頭を打診した者に対する割合 ) 155 人 (3.4%) 103 人 (66.0%) 被災地域以外の地域において 地方協力本部による事前調査及び陸幕 統合任務部隊による運用ニーズの把握を徹底するとともに 実際に出頭するの割合を向上させる方策を講ずるべき

4/5 2. 東日本大震災時のの招集は円滑に行われたのか 2. 東日本大震災時のの招集等について < の運用ニーズの具体化 確定 > (1) の運用ニーズ ( 具体的な活動地域や駐屯地 所要数 資格や特技 活動期間 ) は 被災地に所在する東北方面隊管内では適切に具体化 伝達されているが 東北方面隊以外の方面隊の管内では約 5 割の地方協力本部にしか伝達されていない (2) また その内容を見ると 東北方面隊以外の方面隊の管内では 補給 ( 補給品の運搬 ) 給油 輸送 ボイラー 被服整備 洗濯など 東日本大震災時に大幅な所要増が発生した業務に係る運用ニーズの具体化 伝達は行われていない の運用ニーズの伝達状況 ( 地方協力本部の数 ) 運用場所所要数資格や特技活動期間 東北方面隊管内の 6カ所の地方協力本部のうち東北方面隊管内以外の 44カ所の地方協力本部のうち 6 カ所 6 カ所 6 カ所 6 カ所 22 カ所 19 カ所 25 カ所 22 カ所 の 資格や特技 に関する伝達内容 ( 地方協力本部の数 ( の所要数 )) 総務語学ボイラー給油警衛 ( 外来受付等 ) 東北方面隊管内の 6カ所の地方協力本部のうち 輸送 補給被服整備 洗濯演習場管理その他 ( 補給品運搬等 ) 3 カ所 (3 人 ) 2 カ所 (7 人 ) 4 カ所 (17 人 ) 3 カ所 (50 人 ) 5 カ所 (50 人 ) 5 カ所 (35 人 ) 4 カ所 (83 人 ) 2 カ所 (6 人 ) 1 カ所 (1 人 ) 2 カ所 (4 人 ) 東北方面隊管内以外の 44 カ所の地方協力本部のうち 16 カ所 (49 人 ) - - 4 カ所 (45 人 ) 13 カ所 (13 人 ) - - - - 5 カ所 (18 人 ) 陸幕 統合任務部隊は の運用ニーズが高い具体的業務を的確に把握して 全国の地方協力本部に速やかに伝達すべき

5/5 4 今後の改善点 検討の方向性 3. の招集に資するデータを適時適切に把握 管理しているか 3. の個人データの管理について 氏名 年齢 住所 緊急連絡先 等の基本的なデータの管理はほぼ全てできているが 発災時にを円滑に招集するために必要となる 出頭駐屯地 保有資格 生業 ( 業種 勤務先 勤務内容 ) 部隊等勤務年数 経験年数 等のデータの管理に関する統一的な要領は定められていない また 具体的な大規模災害発生時にを招集することを想定したデータ ( 応招の難易 応招可能日数 調整に必要な日数 ) の管理はほとんどできていない 地方協力本部 (50 カ所 ) におけるの個人データの管理状況 生業 地方協力本部の数 ( 割合 ) 40カ所 (80.0%) 33カ所 (66.0%) 業種 48カ所 (96.0%) 勤務先 50カ所 (100.0%) 勤務先での業務内容 26カ所 (52.0%) 出頭駐屯地保有資格 ( 元自衛官 ) 部隊等の勤務年数の経験年数 首都直下地震が発生した場合 応招の難易 応招可能日数調整に必要な日数 28カ所 (56.0%) 43カ所 (86.0%) 地方協力本部の数 ( 割合 ) 14カ所 (28.0%) 2カ所 (4.0%) 0カ所 (0.0%) 発災時にを円滑に招集するために必要となるの個人データの管理をより実効性のあるものに見直すべき 制度の維持には年間 80 億円ものコストがかかっているが 災害対処時にを十分に動員する運用態勢が確立されていなかった 従って 以下のような改善策を講ずるべき 1. 制度の運用上の対策 1 陸上自衛隊の全ての方面隊等は の招集時期 規模 任務等を災害対処計画に適切に定めるべきである 2 災害対処計画の策定に当たっては 所要の増大が想定される業務を特定した上で の運用ニーズを明確化すべきである 3 陸上自衛隊 ( 自衛隊地方協力本部 ) は 大規模災害発災の当初の段階からを円滑に招集するため の個人データベースの整備に係る統一的な要領を定めるべきである 2. 制度上の対策 1 が災害招集に応じるインセンティブを向上させるための方策 ( 処遇 ( 手当 昇進等 ) のメリハリ付けなど ) を検討すべきである 2 現行制度では 防衛招集にの招集義務違反に対する罰則規定がある 災害招集にも同様の規定の導入を検討すべきである