IPv6 Summit in TOKYO 2013 IPv6 の対応状況と JPNE の取組み 2013 年 11 月 25 日 日本ネットワークイネイブラー株式会社 代表取締役社長小林昌宏 1
会社概要 会社名 事業会社発足 株 主 事業内容 日本ネットワークイネイブラー株式会社 Japan Network Enabler Corporation 2010 年 8 月 30 日 KDDI 株式会社 日本インターネットエクスチェンジ株式会社 NEC ビッグローブ株式会社 ニフティ株式会社 株式会社朝日ネット 丸紅アクセスソリューションズ株式会社 インターネットサービスプロバイダへのローミング事業 ローミング事業に附帯する事業 2
1.NW 事業者の IPv6 対応 2. 国内の IPv6 対応 3.JPNE の取り組み 3
IPv6 拡大の課題 IPv6 の拡大 プラットフォーム / コンテンツの IPv6 化 ネットワークの IPv6 化 端末の IPv6 化 4
PC(OS) の IPv6 対応 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% IPv6 対応 OS の普及率は約 6 割 2012.12 2013.1 2013.2 2013.3 2013.4 2013.5 2013.6 2013.7 2013.8 2013.9 2013.10 http://www.netmarketshare.com/operating-system-market-share.aspx?qpcustomb=0&qprid=11 より JPNE で作成 IPv6 対応 =Windows(8,7,Vista) および MAC OS X IPv6 未対応 =Windows XP として集計 5
ネットワーク事業者の IPv6 対応 事業者 Time Warner Cable(USA) Comcast (USA) Internode (Australia) Magyar (Hungary) StarHub(Singapore) STC China Telecom Deautsche+Telekom China Telecom Swisscom Free (France) M1 (Singapore) AT&T 方式 Dual-Stack Dual-Stack Dual-Stack Dual-Stack Dual-Stack Dual-Stack + CGN Dual-Stack + CGN DS-Lite DS-Lite (variant) 6RD 6RD 6RD 6RD + CGN 利用者の拡大に対応して ネットワーク事業者の IPv6 対応が進んでいる 出典 : http://ipv6.sa/sites/default/files/stc_ipv6 %20TF-12_Nov2012.pdf 6
一部プラットフォーム / コンテンツ事業者の IPv6 対応 プラットフォーム / コンテンツ事業者 v4 影響回避 v6 アドレス共有によるユーザ特定困難 2 段 NAT 等によるアプリ影響を懸念 NW 事業者 CGN 等 品質を重視する一部の事業者は 積極的に IPv6 対応を進めている v4/v6 v4/v6 v4/v6 v4/v6 v4/v6 7
現状の IPv6 対応状況 各事業分野それぞれにおいて 大手の数社が積極的に IPv6 対応を行っており ベースができはじめている Google Facebook Microsoft Bing v6 通信 Akamai コンテンツ (IPv4) Limelight コンテンツ (IPv4) コンテンツ (IPv4) コンテンツ (IPv4) コンテンツ (IPv4) v4 通信 NW 事業者 IPv4/IPv6 NW 事業者 IPv4/IPv6 NW 事業者 IPv4 NW 事業者 IPv4 NW 事業者 IPv4 8
IPv6 利用者 Google に IPv6 でアクセスしているユーザーの割合 (%) 2% 出展 : Google http://www.google.com/ipv6/statistics.html 9
IPv4 アドレス移転による調達コスト IPv4 66 万個 (/13 程度 ) の調達例 JPNIC 割振 手数料 52 万円 購入 実績例 6.2 億円 為替レートは 2011 年 3 月のもの 出典 http://www.bbc.co.uk/news/technology-12859585 10
コンテンツの IPv6 対応 NW 事業者 コンテンツ ( 群 ) F/W,LB 等 F/W,LB 等 IPv4 移行 IPv6 IPv6 ユーザが増えれば IPv4 アドレス購入 必然的に IPv6 によるサービス提供に切替え CGN 等 ネットワークの IPv6 対応が先行することが重要 v4/v6 v4/v6 v4/v6 v4/v6 v4/v6 11
1.NW 事業者の IPv6 対応 2. 国内の IPv6 対応 3.JPNE の取り組み 12
日本のネットワークの IPv6 対応 日本のインターネット接続は大きく 2 つの形態だが 約 7 割のシェアを占めるフレッツの IPv6 化が有効 5.0% インターネット NGN IPv6 対応ユーザ比率 4.0% アクセス網を自社保有 3.0% する事業者 2.0% ( 電力系事業者 1.0% やKDDIなど ) 0.0% 1% その他, 28% NTT 西, 31% 1% NTT 東, 41% 2% ISP フレッツ光 (NTT 東西 ) 2012 年 12 月 2013 年 3 月 2013 年 6 月 2013 年 9 月 3% 13
フレッツの IPv6 対応の推進 2013 年の総務省 IPv6 研究会 ( 報告書 ) にて フレッツの IPv6 デフォルト化に向けた取組みが求められている 出典 : 総務省 IPv6 研究会第二次プログレスレポート概要 http://www.soumu.go.jp/main_content/000239089.pdf 14
フレッツにおける IPv6 接続方式 フレッツネクストではPPPoEとIPoEの2 方式がある (ISPはアクセスとして一方又は両方式を選択する) PPPoE 方式 IPoE 方式 15
PPPoE 方式の課題 PPPoE 方式 課題 1 ユーザは IPv6 PPPoE のためのアダプターを購入し データ設定しなければならない 16
IPoE の課題 IPoE 方式 課題 2 IPv6 IPoE によるインターネット接続のためには ユーザが 2 つの追加申込みが必要 1NTT 東西へフレッツ v6 オプションの申込み 2ISP へ IPv6 の申込み 1 2 17
フレッツ光の課題 PPPoE 方式 IPoE 方式 課題 3 B フレッツやプレミアムは IPv6 インターネット未対応 18
課題 1 PPPoE 課題への取組み HGW へのトンネルアダプタ内臓による利用者負担軽減の準備を行っている 今後の課題と対策 利用者負担軽減 提供範囲の拡大 アダプタ機能と HGW の一体化に関する詳細検討 HGW を持たないユーザへの IPv6 インターネット接続の提供 B フレッツ / 光プレミアムユーザへの IPv6 インターネット接続の提供 出展 : 総務省 http://www.soumu.go.jp/main_content/000239089.pdf 19
課題 2 IPoE 課題 ( 追加申込み ) への取組み IPv6 のデフォルト化を実現するためには 既存ユーザへの下記契約の同意手続きの簡素化が必要 既存エンドユーザ ISP 十分な案内期間 IPv6 提供告知 ( 約款,WEB, メール等 ) 重要事項説明掲示 契約情報の授受 ( フレッツ番号 等 ) v6 オプション代行申込み IPv6 インターネットの契約 (ISP) フレッツ v6 オプション契約 (NTT 東西 ) IPv6 提供 同意確認 20
課題 3 B フレッツの移行 B フレッツのネクストへの移行により IPv6 対応可能ユーザ数が 5 割から 8 割に拡大する B フレッツ (IPv6 サービス未対応 ) マイグレ ネクスト (IPv6 サービス対応 ) 20000 18000 16000 14000 12000 10000 8000 6000 4000 2000 0 フレッツ光契約者数ネクスト契約者数 51% 80% 4,447 9,257 9,257 2009.3 末 2010.3 末 2011.3 末 2012.3 末 2013.3 末 2014.3 末予想 B フレッツ移行者と 新規加入者 21
1.NW 事業者の IPv6 対応 2. コンテンツ事業者の IPv6 対応 3.JPNE の取り組み 22
IPoE における IPv4 インターネットの対応 IPoE を利用する ISP は これまでの IPv4 に IPv6 の追加費用が必要 IPv4 over IPv6 を利用した IPv6+IPv4 の接続が必要 IPv6 インターネット IPv4 インターネット IPv6 インターネット IPv4 インターネット ISP v6 v4 変換 エンドユーザ NTT 東 / 西日本フレッツ光ネクスト IPv6 IPv4 エンドユーザ NTT 東 / 西日本フレッツ光ネクスト v4 v6 変換 IPv6 IPv4 23
IPv4 over IPv6 の方式比較 NGN の大規模ネットワークの利用 センター設備のスケーラビリティ NGN の折り返し通信を有効利用できることから MAP-E を採用 NGN 内折り返し可能 通信ログを取得管理 スモールスタート可能 DS-Lite 464XLAT MAP-E 通信ログ取得不要 大規模網向け NGN 内折り返し不可 24
MAP-E の動作 MAP-E では IPv4 アドレス + ポートと IPv6 が一意に対応するルールがあり これを用いて HGW や BR では NAPT やカプセル化 / デカプセル化を実施する IPv4 の NAPT IPv6 にカプセル IPv6 をデカプセル PC 4PS 4D 4S 4D 6S 6D CPE BR サーバ 4S 4D 4PD 4S 6D 6S 4D 4S 4D 4S IPv4 の NAPT IPv6 をデカプセル IPv6 にカプセル IPv4 プライベート IPv4 グローバル over IPv6 IPv4 グローバル 25
評価試験 従来の PPP(IPv4) と同等品質のインターネット接続を確認 IPv4 1 Port10 alexa top 500 1 BR 3 IPv4 2 Port10 IPv4 2 Port20 HGW HGW HGW VPN FTP SNS 2 試験項目 結果 1Webサイト接続の問題なし試験 2アプリケーション問題なし試験 3オンラインゲーム問題なし試験 PC ゲーム機 26
ポート枯渇対策 一般コンシューマ 中小企業の利用を想定した過負荷試験を実施し 枯渇が発生しないと想定されるポート数にてサービス提供 エンドユーザ毎に割り当てているポート数 実際に使ったポート数 9:22 9:24 9:26 9:28 9:30 9:32 9:34 9:36 9:38 9:40 9:42 9:44 9:46 9:48 9:50 9:52 9:54 9:56 9:58 10: 10: 10: 10: 10: 10: 10: 10: 10: 10: 10: 10: 10: 27
MAP-E サービス化にあたっての課題 宅内に IPv4 over IPv6 の機能が必要 ADP によるサービスを検討した 問題 エンドユーザ又は ISP にて ADP の追加コスト負担が必要 ISP による ADP の流通 在庫管理やユーザ問い合わせ対応のための追加の管理コストが必要 ADP 配布による v4 over v6 サービスの展開に長い時間が必要 2 サービス案内 6 問合せ ISP 3 申込 4ADP 発送手配 倉庫 1 在庫管理 5ADP 配送 28
フレッツ ジョイント との出会い ジョイント ISP JPNE NGN オーダー オーダー ソフトウェア配信サーバ MAP-E ソフト配信 HGW IPv4 NTT 東西の フレッツ ジョイント サービスで HGW への MAP-E 終端機能の遠隔配信を実現! 提供スキームがシンプルに 29
IPv4/IPv6 共存環境における運用の課題 運用課題 -1 IPv4/IPv6 の切り分けを簡素化すること 運用課題 -2 Abuse 対応 ( アドレス共有時の回線特定 ) の環境を整備すること 30
運用課題 -1 IPv6 Internet 2 IPv4 Internet 1 3 4 DNS NGN 内 NGN IPv4 接続がおかしい? IPv6 接続がおかしい? エンドユーザは v4 も v6 も判らない 試験 1:IPv4 インターネットアクセス 1 試験 2:IPv4 インターネットアクセス 1(DNS 利用 3) 試験 3:IPv6 インターネットアクセス 2 試験 4:IPv6 インターネットアクセス 2(DNS 利用 3) 試験 5:IPv6NGN 内アクセス 4 試験 6:IPv6NGN 内アクセス 4(DNS 利用 3) IPv4/IPv6 切り分けツールを作成した 31
運用課題 -1 の解決ツール ( 動画でご紹介 ) 32
運用課題 -2 アドレス共有時の abuse 対応の悩み IPv4 で Attack Address Sharing 同じ IPv4 アドレスを持つエンドユーザが複数 従来の whois では送信者の特定は不可 IPv4:X Port:1-100 IPv4:X Port:101-200 IPv4:X Port:201-300 解決策が必要 33
運用課題 -2 abuse 対応のツール IPv4 アドレス +Port からお客様 ISP( 送信者を顧客に持つ ISP) を特定するツールを作成した ISP 名 ISP のメール IP アドレス +Port を入力 abuse 通信回線の契約 ISP 名と連絡先が表示される 34
JPNE の v6 プラス IPv4 インターネット ISP ( お客様窓口等 ) NGN (IPv6) BR : Border Relay HGW : Home Gateway SPI : Stateful Packet Inspection BR IPv6 12MAP-E で統合 HGW IPv4 IPv6 インターネット SPI IPv6 ジョイントサーバ 5 設定データ 1 MAP-E 方式の IPv4 over IPv6 を採用! 2 IPv4/IPv6 アクセスの統合で ISP の低コスト化を実現 3 HGW の SPI により外部からのアタックをブロック 4 エンドユーザは追加機器無し 5 エンドユーザによる設定不要 ( フレッツジョイントで実現 ) 35
v6 プラスの拡大に向けた課題 フレッツジョイントにより 早期に多くのお客様に v6 プラスを提供する環境が整った アドレス共有による技術面 運用面の課題解決ができた 更なる課題 : 1 申込み手続き簡素化 IPoE と同時に v6 プラスの申込み手続きを簡素化しデフォルト提供の実現を目指す 2v6 プラス適用領域拡大フレッツネクスト全員 (HGW を利用されていない方 ) への v6 プラス提供 36
v6 プラスの利用拡大 2013 年 11 月 22 日 ( 金 ) に JPNE ホームページに v6 プラス仕様の開示について掲載 v6 プラスを利用するブロードバンドルータメーカと連携し HGW を利用されていないユーザへの v6 プラスを提供 37
日本の IPv6 インターネット発展のためにつながる つかえるネットワークを提供いたします http://www.jpne.co.jp 38