平成 30 年 3 月 22 日 民間発注企業の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 建設業の働き方改革の推進について 政府の 働き方改革実行計画 ( 平成 29 年 3 月 28 日働き方改革実現会議決定 ) においては 労働基準法の改正の方向性として 労使協定を結ぶ場合においても上回ることのできな

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国土入企第 5 4 号 平成 31 年 2 月 22 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 技能労働者への適切な賃金水準の確保について 技能労働者の確保 育成のためには 適切な賃金水準の確保等による処遇改善が極めて重要です 国土交通省においては これまでの 6 度にわたる公共工事設計労

イドライン が策定されたところです こうした中 平成 30 年 6 月 29 日に第 196 回通常国会で成立した 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律 ( 以下 働き方改革関連法 という ) に基づく改正後の労働基準法において 建設業については 平成 31 年 4 月の法施行から5

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働き方改革 魅力ある建設業の構築に向けて 特集 域によっても大きな差があり, 北陸地方や北海道 など一部の地方では平成 28 年 10 月調査の加入率が 80% を超えているのに対し, 大都市部のある関東 地方 (55%) や近畿地方 (60%) は低い加入率に 留まっている ( ) 建設マネジメン

中央建設業審議会による提言について ( 平成 24 年 3 月 14 日 ) 建設産業における社会保険の徹底について ( 提言 ) 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など

Microsoft Word - QandA-tyougai

Microsoft Word - 01社会保険等加入対策に係る事務処理要領

働き方改革実現に向けた週休二日の取得に関する取組について 直轄工事における週休二日取得の取り組み 施工時期の平準化適正な工期設定 週休二日算定が可能な 工期設定支援システム の導入 工事着手準備期間 後片付け期間の見直し 余裕期間制度の活用週休二日を考慮した間接費の補正 < 週休二日対象工事 > 対

2. その他 (1) 現場事務所や工事現場の出入口等の 建退共対象労働者の見やすい場所に 建設業退職金共済制度適用事業主工事現場標識 を貼り付けてください (2) 元請業者においては 下請業者に建退共制度への加入指導に努めるとともに 下請業者の建退共制度の事務処理能力が十分でない場合には 下請業者に

財営第   号

法定福利費の明示について 1 社会保険等未加入対策 建設業者の社会保険等未加入対策として 社会保険等への加入を一層推進していくためには 必要な法定福利費が契約段階でも確保されていることが重要です 建設工事における元請 下請間では 各専門工事業団体が法定福利費を内訳明示した 標準見積書 を作成しており

Q&A 集 Q1 社会保険等とは何か A1 社会保険等とは 健康保険 ( 協会けんぽ 健康保険組合等 ) 厚生年金保険 及び雇用保険をいいます Q2 国民健康保険組合に加入しているが 社会保険等未加入建設業者となるのか A2 法人や常時 5 人以上の従業員を使用する国民健康保険組合に加入している建設

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ただし 受注者が下請業者と直接契約を締結 ( 以下 一次下請契約 という ) した請負代金の総額が3,000 万円 ( 建築一式工事の場合は4,500 万円 ) 以上の場合は 次のとおり取り扱うものとする ア主管部長 ( 岐阜市契約規則 ( 昭和 39 年規則第 7 号 ) 第 4 条に規定する部長

基本問題小委員会における提言 ( 平成 26 年 1 月 ) 社会保険等未加入対策関係 1. これまでの中央建設業審議会 社会資本整備審議会基本問題小委員会における提言 1 行政 元請企業による加入指導 法定福利費確保に向けた取組等の総合的な対策を推進すべき 2 平成 29 年度を目途に 事業者単位

れている者 個人事業所で5 人以上の作業員が記載された作業員名簿において 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 年金保険欄に 国民年金 と記載されている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう指導すること なお 法人や 5 人

特別の事情 が認められる場合( 2) 特殊な技術 機器又は設備等 ( 以下 特殊技術等 という ) を必要とする工事で 特殊技術等を有する者と下請契約を締結しなければ契約の目的を達することができないことや その下請業者でなければ目的を達することが困難となることが明らかな場合 特別の事情 に該当しない

A4 経営事項審査の受審状況により確認方法が異なります なお 適用除外は 労働者の就業形態等によって適用除外とならない場合もあることから 元請負人は 年金事務所等に適用除外となる要件を確認した上で判断してください 経営事項審査を受審している場合 有効期間にある経営規模等評価結果通知書総合評定値通知書

ア事業担当課長 ( 岐阜市上下水道事業部契約規程 ( 昭和 41 年水道部管理規程第 3 号 ) 第 4 条に規定する部長 ) は 工事請負契約約款第 7 条の2 第 2 項の規定に基づき 受注者に対して 期限を定め 当該下請契約を締結した具体的な理由を載した書面を求めるものとする ( 様式 1)

2 低入札対策の拡充

事務連絡 平成 30 年 11 月 9 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局建設業課長 公共工事の円滑な施工確保について 公共工事の適正な入札及び契約を通じて建設業の健全な発達を図るとともに 平成 30 年 7 月豪雨や平成 30 年北海道胆振東部地震等の大規模災害からの復旧 復興の加速

特別の事情 が認められる場合 ( 2) 特殊な技術 機器又は設備等 ( 以下 特殊技術等 という ) を必要とする工事で 特殊技術等を有する者と下請契約を締結しなければ契約の目的を達することができないことや その下請業者でなければ目的を達することが困難となることが明らかな場合 特別の事情 に該当しな

事務連絡 平成 29 年 10 月 25 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局建設業課長 平成 28 年熊本地震の被災地域での建設工事等における 予定価格の適切な設定等について 公共工事の予定価格の設定については 市場における労務及び資材等の最新の実勢価格を適切に反映させつつ 実際の施工

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標準請負契約約款の概要 標準請負契約約款は 請負契約の片務性の是正と契約関係の明確化 適正化のため 当該請負契約における当事者間の具体的な権利義務関係の内容を律するものとして 中央建設業審議会が公正な立場から作成し 当事者にその実施を勧告するもの 建設業法第 34 条第 2 項 建設業法 ( 昭和

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

なお 受注者から指定した期日までに保険加入を確認できる書類が提出されない場合は 埼玉県流域下水道事業建設工事標準請負契約約款第 7 条の3 第 1 項の規定に違反することとなる旨を併せて通知します 3 発注者が 理由書 ( 一次 ) によっても当該特別の事情を有すると認めないと判断した場合は 受注者

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建設工事従事者の安全及び健康の確保に 関する三重県計画 平成 31 年 4 月 三重県

工事費構成内訳書の提出について ~ 法定福利費の明示が必要になります ~ 平成 29 年 12 月 6 日 中日本高速道路株式会社

I. 担い手の確保 育成 週休 2 日チャレンジサイト を開設し 週休 2 日の確保に取り組む現場や様々な取組の共有を図り 建設業の取り組む 働き方改革 を応援します 新規 1 整備局ホームページ内に 週休 2 日チャレンジサイト を開設し 週休 2 日の確保に取り組む企業 ( 工事 ) を紹介して

社会保険等未加入業者との下請契約 (1 次 ) 禁止にかかる事務手続フロー 施工体制台帳により加入状況を確認 工事監督員 添付された加入を証明する書類にて確認します 未加入 加入 適用除外 契約担当に報告するとともに, 受注者に対し, 書面にて当該下請契約を締結した具体的な理由を記載した書面を提出す

別記様式 2 地方整備局長 知事 支社支社長 印 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第 11 条 社会保険等未加入 業者 の通知について 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 ( 以下 法 という ) 第 11 条に基づき 弊社の発注工事において社会保険等未加入業者の存在が

下請契約からの社会保険等未加入建設業者の排除等に係る Q&A Q1 社会保険等とはなんですか A1: 雇用保険 健康保険 厚生年金保険の 3 保険のことをいいます Q2 社会保険等に未加入 というのはどういう場合か A2: 社会保険等に未加入 とは 社会保険等の適用を受ける事業所でありながら 各保険

Ⅰ 概要について 一次下請契約者を社会保険等加入業者に限定します 平成 29 年 4 月 1 日以降に契約締結した工事において 受注者は 原則として社会保険等未加入業者を下請契約 ( 受注者が直接契約締結するものに限る 以下 一次下請契約 という ) の相手方としないこととします 追加 建設工事契約

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様式 3 社会保険等一括管理届 ( 一括適用 継続事業一括 ) 11 ページ 本社や支社等ごとに適用されている適用事業所について 本社で人事 給与等が集中的に管理されており 事業主が同一である等 一定の基準を満たすときは 本社において支社等を含めた一つの適用事業所とされる場合があります ( 健康保険

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所において施工する場合 2 施工にあたり相互に調整を要する工事で かつ 工事現場の相互の間隔が 10km 程度の近接した場所において同一の建設業者が施工する場合 ( 別添 建設工事における現場代理人の常駐義務の緩和に係る取扱いについて に示す 参考 第 2 第 1 項第 3 号に定める該当工事 参照

4 受注者による社会保険等の加入状況の確認 (1) 確認方法 1 下請負契約の締結前に, 相手方の社会保険等への加入状況を, 保険料の領収済通知書等により確認してください ( 適用除外の場合, 除外事由を相手方から資料等で確認してください ) 2 下請負契約の締結後, 施工体制台帳等を作成し, 工事

平成23年度第1回人材確保・育成部会

( ウ ) 支出負担行為担当者は 工事監督員から理由書の送付があった場合は 特別の事情に該当するか否かを決定するものとする また 理由書が提出されなかった場合には 当該特別の事情を有しないものとみなして差し支えない イア以外の下請負人が社会保険等未加入建設業者である場合工事監督員は 当該社会保険等未

平成 29 年 6 月 1 日 ( 木 ) 国土交通省関東地方整備局企画部 記者発表資料週休 2 日の達成を目指す試行工事をスタートします ~ 建設業が取り組む 週休 2 日の定着 を発注者としてサポート ~ 関東地方整備局においては 平成 27 年度から 週休 2 日確保試行工事 ( 以下 試行工

補助事業等の実施に要する人件費の算定等の適正化について 平成 22 年 9 月 27 日 22 経第 960 号大臣官房経理課長から大臣官房総務課長 大臣官房政策課長 大臣官房厚生課長 大臣官房地方課長 大臣官房環境バイオ マス政策課長 大臣官房国際部長 大臣官房統計部長 各局 ( 庁 ) 長 沖縄

Ⅱ 取組み強化のためのアンケート調査等の実施 (1) 建設技能労働者の賃金水準の実態調査国土交通省から依頼を受けて都道府県建設業協会 ( 被災 3 県及びその周辺の7 県を除く ) に対し調査を四半期ごとに実施 (2) 適切な賃金水準の確保等の取組み状況のアンケート調査国は 平成 25 年度公共工事

1. 休日 適正工期の確保について 働き方改革関連法がいよいよ今年 4 月に施行します そんな中で建設業界でも 大手ゼネコンで組織する日本建設業連合会 ( 日建連 ) が 2019 年度末までに 4 週 6 閉所以上を実現することを中間目標とし 2021 年度末までにすべての事業所で週休二日 ( 土

社会保険未加入企業の減点措置の厳格化に係る運用 新基準による受付時期及び再審査に係る運用 ( 参考 ) 関係通達 事務連絡 版 重要 経営事項審査の審査基準の改正について平成 24 年 5 月 1 日改正 ( 同年 7 月 1 日施行 ) に係る関東地方整備局の運用等 1 国土交通省関

社会保険等未加入に対する取組 平成 29 年度を目途に 企業単位では加入義務のある建設業許可業者の加入率 100% となるよう社会保険等未加入企業に対する加入指導を強化します 実施項目経営事項審査の厳格化 平成 24 年 7 月より実施 建設業担当部局による立入検査 実施内容 経営事項審査において

働き方改革推進の基本方針 平成 29 年 9 月 22 日 一般社団法人日本建設業連合会 政府は 平成 29 年 3 月 28 日に 働き方改革実行計画 を策定した 本計画では 同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善 賃金引上げと労働生産性向上 罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是

とその中長期的な担い手の確保 育成に配慮しつつ 発注関係事務の適切な実施に取り組んでいるところです 本日 国土交通省が平成 30 年 3 月から適用する公共工事設計労務単価 ( 以下 新労務単価 という ) が決定 公表され 平成 29 年 3 月から適用されている公共工事設計労務単価 ( 以下 旧

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管理技術者の手持ち業務量の制限等の試行について【改正全文】

プレゼンテーションタイトル

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役務契約における労働社会保険諸法令遵守状況確認実施方針

(2) 法定福利費の基本的な算出方法 法定福利費 = 労務費総額 法定保険料率 法定福利費は 通常 年間の賃金総額に各保険の保険料率を乗じて計算します しかし 各工事の見積りでは 労働者の年間賃金を把握することは不可能です そのため 見積額に計上した 労務費 を賃金とみなして それに各保険の保険料率

重要 建設工事の標準請負契約約款の改正について ( 社会保険への加入の促進 ) 平成 31 年 2 月 6 日 総務部財政課 須坂市では 建設工事等入札参加資格者に社会保険の加入を義務付けており 未加入の下請け企業についても元請企業から加入指導するよう求めています 平成 29 年 7 月 中央建設業

技術者等及び現場代理人の適正配置について

第三者による品質証明制度について 参考資料 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

現場代理人及び主任技術者等の資格要件について 平成 30 年 9 月 18 日 本市では この度銚子市建設工事請負契約約款 ( 工事約款 ) を一部改正し 現場代理人の常駐義務を緩和する旨の規定 ( 工事約款第 12 条第 4 項 ) を追加しました これを受け 下記のとおり取り扱うこととしますので

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利用目的と共同利用

1 これまでの社会保険加入状況 2 社会保険の加入及び賃金の状況等に 関する調査結果 3 入札契約適正化法に基づく実施状況 調査結果 4 建設業許可業者の加入率 ( 推計値 ) 1

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女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

福井県建設リサイクルガイドライン 第 1. 目的資源の有効な利用の確保および建設副産物の適正な処理を図るためには 建設資材の開発 製造から土木構造物や建築物等の設計 建設資材の選択 分別解体等を含む建設工事の施工 建設廃棄物の廃棄等に至る各段階において 建設副産物の排出の抑制 建設資材の再使用および

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1 医療保険 年金保険についての確認書類 弊社が施工する建設現場に入場する協力業者および作業員の方には 作業所長の指示により 見積書提出時 新規入場時 安全書類提出時に 医療保険 年金保険の加入状況を確認する書 類 ( 下記 A~E いずれか一点 ) を提出または呈示していただきます A. 直近の保

現場代理人及び主任(監理)技術者の適正な配置等について

該当するか否かについて判断し その結果を式第 3により記録しなければならない 3 社会保険等未加入建設業者と下請契約を締結することについて 提出期限内に理由書の提出がなかった場合は 工事担当課長は 式第 4により以下の額について制裁金を請求する旨を受注者に通知するものとする P=C 0.1 P: 制

公共工事における予定価格設定時の 歩切り に関する調査の結果について 平成 27 年 4 月 28 日総務省国土交通省 昨年 6 月の公共工事の品質確保の促進に関する法律 ( 平成 17 年法律第 18 号 以下 公共工事品質確保法 という ) の改正により 予定価格の適正な設定が発注者の責務として

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4. 施工者とは 当該工事の受注者をいう ( 品質証明者 ) 5. 品質証明者とは 一定の資格及び実務経験を有し 施工者と品質証明業務について契約した組織又は個人で 以下の要件に該当しないものをいう 1 組織においては 以下のいずれかに該当する者 (1) 当該工事の施工者 (2) 当該工事の施工者と

202000歩掛関係(151001) END.xls

2 入札方法等 ⑴ 入札参加者は, 原則として, 書面により入札を行うものとする ただし, 町長が特に認める場合は, 海田町電子入札実施要綱 ( 平成 25 年海田町告示第 44 号 ) に規定する電子入札システムを使用して行うものとする ⑵ ⑴の書面による入札を行う者は, 指定した入札日時までに入

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土木工事書類スリム化ガイドの発行にあたり 関東地方整備局では 平成 20 年度の 土木工事書類作成マニュアル 策定を契機に 工事書類の簡素化に努めています また 平成 27 年度より 工事書類の提出方法を事前協議で明確にすることで 紙媒体の提出に加えて電子データを提出する二重提出の防止に向けて取り組

減額の理由H27.5 以降 < 調査事項及び回答の概要 > 1. 歩切りの違法性及び定義等についての理解 リーフレット ( 別添 ) の内容を確認 理解したリーフレット ( 別添 ) の内容を確認 理解していない ( 1) 1,783 団体 5 団体 ( 1) 理解していない とした主な理由 設計書

社会保険加入促進計画 平成 24 年 4 月 19 日 社団法人日本建設業連合会 1. 基本的な方針社会保険等の加入促進の実効性を確保するためには 行政 元請企業 下請企業等が一体となって推進していくことが必要である 日建連は 元請企業としての責務を果たすべく 団体が取り組むべき対策 正会員 ( 以

合は 当該出向社員と当該出向先の会社との間に直接的かつ恒常的な雇用関係があるものとして取り扱うこととする ただし 当該出向先の会社が当該出向社員を主任技術者又は監理技術者として置く建設工事について 当該企業集団を構成する親会社若しくはその連結子会社又は当該親会社の非連結子会社 ( 会社計算規則第 2

1 標準見積書とは 1-1 目的は 法定福利費 の原資確保 社会保険未加入の対策を進めるためには法定福利費の原資確保が重要である しかし従来は見積時から法定福利費が明確になっておらず その扱いが分かりにくい状況となっていた 今後は工事費総額ではなく その中に含まれる法定福利費を明示して必要な原資を確

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懸念事項

p10 建設産業における社会保険加入の徹底について(提言)

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Microsoft PowerPoint - 【資料6】業務取り組み

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(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

宮城県道路公社建設工事総合評価落札方式(簡易型及び標準型)実施要領

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公共建築改善プロジェクト(仮)

Q_3 現場代理人の兼務の取扱いは? A_3 下記のケースに該当する場合は現場代理人の兼務を申請することができます ケースⅠ( 次の (1)~(4) をすべて満たす場合 ) (1) 兼務するすべてが福井市発注の工事であること (2) 兼務できる工事は 2 件以内であること ( 近接工事は合わせて 1

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建築積算士更新講習

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(3) 始業 終業時刻が労働者に委ねられることの明確化裁量労働制において 使用者が具体的な指示をしない時間配分の決定に始業及び終業の時刻の決定が含まれることを明確化する (4) 専門業務型裁量労働制の対象労働者への事前通知の法定化専門業務型裁量労働制の導入に当たり 事前に 対象労働者に対して 1 専

1 標準見積書とは 1-1 目的は 法定福利費 の原資確保 社会保険未加入の対策を進めるためには法定福利費の原資確保が重要である しかし従来は見積時から法定福利費が明確になっておらず その扱いが分かりにくい状況となっていた 今後は工事費総額ではなく その中に含まれる法定福利費を明示して必要な原資を確

付加退職金の概要 退職金の額は あらかじめ額の確定している 基本退職金 と 実際の運用収入等に応じて支給される 付加退職金 の合計額として算定 付加退職金は 運用収入等の状況に応じて基本退職金に上乗せされるものであり 金利の変動に弾力的に対応することを目的として 平成 3 年度に導入 基本退職金 付

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平成 30 年 3 月 22 日 民間発注企業の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 建設業の働き方改革の推進について 政府の 働き方改革実行計画 ( 平成 29 年 3 月 28 日働き方改革実現会議決定 ) においては 労働基準法の改正の方向性として 労使協定を結ぶ場合においても上回ることのできない時間外労働の上限について法律で定めた上で 違反した場合には罰則を科すこととされ 建設業に関しても 一定の猶予期間 ( 改正法の施行後 5 年間 ) を置いた上で 時間外労働の罰則付き上限規制の一般則を適用することとされております こうした中 建設業の働き方改革を実現するためには 個々の建設企業や建設業界全体における適切な労務管理や生産性向上に向けた取組等と併せて 発注者や国民の理解を得ていくための取組が不可欠であることから 公共 民間発注を問わず 全ての建設工事において働き方改革に向けた生産性向上や適正な工期設定等が行われることを目的として 建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン ( 平成 29 年 8 月 28 日建設業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議申合せ ) が策定されたところです 貴社におかれましては 同ガイドラインの趣旨等を踏まえ 建設工事に従事する者の長時間労働の是正に向け 下記の取組等についてご協力をお願い致します 記

1.ICT の活用等による生産性向上の推進について i-construction の推進により 調査 測量から設計 施工 検査 維持管理 更新まで 建設生産プロセス全体における生産性の一層の向上を図る観点から 受注者の選定や工事成績評定などの手続きにおいて 建設企業によるICT 活用等の計画や提案に対し 積極的な導入の推進や評価を行っていただくようお願いします また 必要な提出書類の簡素化を図るとともに 施工条件の明確化や 請負契約締結後における設計変更の必要最小限化など 工事の手戻り防止を徹底していただくようお願いします 2. 週休 2 日工事の推進について 建設現場の週休 2 日に取り組む旨を契約図書 ( 特記仕様書など ) に明記する等により 週休 2 日工事 の検討 実施を図っていただくようお願いします また 週休 2 日工事の検討 実施に当たり 労務費 ( 社会保険に係る保険料の本人負担分を含む賃金 ) 社会保険の法定福利費( 社会保険に係る保険料の事業主負担分 ) 安全衛生経費( 労働災害防止対策に要する経費 ) 建設業退職金共済制度に基づく事業主負担額など 必要経費にしわ寄せが生じないよう配慮し 実態に即した経費の見直しを図っていただくようお願いします なお 国土交通省直轄工事では 平成 30 年 4 月 1 日以降に入札手続を開始する週休 2 日工事において 現場閉所の状況に応じ 所定の経費に補正係数を乗じることとしています 参考 国交省直轄工事における週休 2 日工事の考え方 1 本工事は 週休 2 日を達成することを目的として 発注者と受注者の双方において工程調整を行い 工事を実施するものとする 2 各用語の定義は 次の各号のとおりとする 一週休 2 日対象期間において 4 週 8 休以上の現場閉所を行ったと認められる状態二対象期間工事着手日から完成通知日までの期間 ( 年末年始休暇 6 日間及び夏期休暇 3 日間を除く ) なお 工場製作のみを実施している期間 工事全体を一時中止している期間のほか 発注者が事前に対象外としている内容に該当する期間 ( 受注者の責によらずに現場作業等を余儀なくされる期間など ) は含まない 三 4 週 8 休以上の現場閉所現場閉所日数 (1 日を通して現場閉所された日の合計 ) が 工期内の中で 28.5%(8/28 日 ) 以上の水準に達する状態 3 発注方式は 次のいずれかによる方式を基本とする 一発注者指定方式発注者が 週休 2 日の取組を指定する方式二受注者希望方式受注者が 工事着手前に 発注者に対して週休 2 日に取り組む旨を協議した上で取り組む方式 4 受注者は 発注者が別途定める現場閉所の状況が分かる書類を 発注者に提出するものとする

5 発注者は 発注者指定方式にあっては 当初の予定価格において 次に掲げる経費に それぞれの補正係数を乗じた補正を行う ( 営繕工事では 労務費は次の補正係数による補正を行い 共通仮設費及び現場管理費は工期に応じて算出する ) ものとし 施工後に現場閉所の達成状況を確認し 4 週 8 休に満たない場合は 請負代金額のうち当該補正分を減額して契約変更を行うものとする 労務費 1.05 機械経費 ( 賃料 ) 1.04 共通仮設費 1.04 現場管理費 1.05 6 発注者は 受注者希望方式にあっては 現場の閉所状況に応じ あらかじめ契約図書に示された次に掲げる経費に それぞれ補正係数を乗じて契約変更を行う ( 営繕工事では 労務費は次の補正係数による補正を行い 共通仮設費及び現場管理費は工期に応じて算出する ) ものとする ただし 工事着手前に週休 2 日に係る協議が整わなかったものは 補正の対象としない 一 4 週 8 休以上 ( 週休 2 日 ) 労務費 1.05 機械経費 ( 賃料 ) 1.04 共通仮設費 1.04 現場管理費 1.05 二 4 週 7 休以上 8 休未満 ( 現場閉所率 25%(7/28 日 ) 以上 28.5% 未満 ) 労務費 1.03 機械経費 ( 賃料 ) 1.03 共通仮設費 1.03 現場管理費 1.04 三 4 週 6 休以上 7 休未満 ( 現場閉所率 21.4%(6/28 日 ) 以上 25% 未満 ) 労務費 1.01 機械経費 ( 賃料 ) 1.01 共通仮設費 1.01 現場管理費 1.02 7 上記の考え方について 地域の実情等により対応が困難な場合等には これによらないことができる 8 発注者は 受注者の現場閉所の状況に応じ 本工事の工事成績における評価の対象とする 3. 公共工事設計労務単価の活用等について 公共工事設計労務単価は 公共工事における予定価格の積算に用いる労務費の単価であり 全国の技能労働者を対象とした賃金実態調査に基づいて 原則として毎年度 各都道府県 51 職種ごとに決定しているものです 国土交通省においては 工事の品質確保及び将来にわたる担い手の確保 育成という観点から これまでも公共工事設計労務単価の改訂に際し 国土交通大臣 副大臣又は大臣政務官より建設業団体 4 団体に対し 技能労働者に係る適切な賃金水準の確保などを直接要請してきたところです このような技能労働者の処遇改善に向けた取組に十分なご理解をいただき 貴社が建設工事を発注する際においても 平成 30 年 3 月から適用される公共工事設計労務単価 ( 別添 1 参照 ) を積極的に活用していただくようお願いします また 上記の労務費 ( 社会保険に係る保険料の本人負担分を含む賃金 ) のほかにも 社会保険の法定福利費 ( 社会保険に係る保険料の事業主負担分 ) 建設業退職金共済制度に基づく事業主負担額など 必要な諸経費を適切に見込んだ適正価格での請負契約を締結していただくようお願いします

4. 社会保険への加入徹底等について 社会保険への加入は 労働者を雇用する事業者及び労働者にとって 法令上の義務です 国土交通省では 平成 29 年度までに 建設業許可業者の社会保険加入率を100% にすること等を目標に掲げ 官民を挙げて社会保険の加入促進に取り組んできた結果 加入率は着実に上昇している一方で 未だ加入していない事業者も存在しています このため 建設現場からの社会保険等未加入建設業者の排除を徹底する観点から 国土交通省発注工事では 工事請負契約書において 全ての下請業者も含めた施工体制の中に社会保険等未加入建設業者が含まれる場合には 受注者は 一定の要件の下に 違約罰として 発注者 ( 国土交通省 ) の指定する期間内に一定額を支払わなければならないこととしています つきましては 貴社が建設工事を発注する際においても 受注者に対し 工事の施工について社会保険加入企業に限定する旨の 誓約書 ( 別添 2 参照 ) を提出するよう働きかけ 受注者から誓約書の提出がなされた場合には受領いただくなど ご協力をお願いします また 民間工事標準請負契約約款 ( 平成 29 年 7 月 25 日改正 ) を踏まえ 請負代金内訳書において 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険に係る法定福利費の記載欄を明示いただくようお願いします 加えて 受注者に対して 下請業者への法定福利費の適切な支払の指導や支払状況の確認をするとともに 上記 3. の労務単価を踏まえた適切な水準の賃金の支払いを指導していただくようお願いします 5. 建設業退職金共済制度の普及推進について 建設業退職金共済制度は 中小企業退職金共済法 ( 昭和 34 年法律第 160 号 ) に基づき 国が創設した退職金制度であり 建設業を営む事業主が 対象となる雇用者の共済手帳に 働いた日数に応じて 掛金となる共済証紙を貼り 当該雇用者が建設業で働くことをやめたときに 独立行政法人勤労者退職金共済機構 建設業退職金共済事業本部から退職金が支払われるものです 公共工事においては これまで各発注機関に対し 請負契約を締結した場合には 同制度に係る発注者用の 掛金収納書 ( 別添 3 参照 ) を受注者から提出させるよう徹底を図ってきたところですが 公共 民間工事を問わず 工事を請け負う全ての建設業者及び労働者について同制度への更なる加入等を促す観点から ご留意いただくようお願いします

6. 行政機関から補助金等の交付を受けて発注される民間工事について 補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに鑑み 行政機関から補助金等の交付を受けて発注される民間工事については 公共工事と同様に適正な工期を確保する観点から 当該補助事業等を適切に執行する中で やむを得ない事由 ( 計画や設計に関する諸条件 気象や用地の関係 補償処理の困難 資材の入手難など ) により年度内に完成しないことが見込まれる場合には 繰越制度を適切に活用するなど 年度内完成に固執するが故に建設現場の長時間労働を生じさせることがないよう 適正な措置を講じていただくようお願いします なお 国や地方公共団体等の行政機関に対しても 上記の民間工事について 繰越制度を適切に活用するなどの適正な措置を講じるよう 併せて通知を行っています ( ) 民間工事 とは 建設業法 ( 昭和 24 年法律第 100 号 ) 第 2 条第 1 項に規定する 建設工事 に該当し 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第 2 条第 2 項に規定する 公共工事 に該当しないものをいいます 7. 施工時期等の平準化に配慮した工事の発注について 施工時期等の平準化は 人材 資機材の効率的な活用などを通じて 工事の品質確保や担い手の処遇改善などに資するものであり 公共工事の発注においては 年度当初に工事が少なくなることや 工事完成時期や調査 設計等の業務の履行期限が年度末に過度に集中することを避けるため 以下の取組等の徹底を図ることとしています つきましては 貴社が建設工事を発注する際においても 施工時期等の平準化への配慮に努めていただくようお願いします 参考 公共工事の発注機関に対する施工時期等の平準化対策の要請内容 (1) 国庫債務負担行為制度の適切な活用複数年度にわたる工期や業務の履行期間を設定する必要がある場合は 適正な工期を確保する観点から 債務負担行為 ( 2 か年国債 や ゼロ国債 など ) 等を適切に活用すること なお 国土交通省発注工事では 工期 12 ヶ月未満の工事についても 同様の観点から 国庫債務負担行為により複数年度にまたがる契約とするなど 計画的な事業執行に取り組むこととしている (2) 繰越制度の適切な活用工事や業務を実施する中で 計画や設計に関する諸条件 気象や用地の関係 補償処理の困難 資材の入手難など やむを得ない事由により当初想定していた内容を

変更する必要が生じたことに伴い 工期の見直しを行った結果 年度内に支出が終わらないことが見込まれる場合には 繰越制度を適切に活用するなど 年度内完成に固執するが故に建設現場の長時間労働を生じさせることがないよう 適正な措置を講じること ( ) 補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに鑑み 補助金等の交付を受けて発注される民間工事については 公共工事と同様に 適正な工期を確保する観点から 当該補助金等の交付申請が到達してから当該申請に係る補助金等の交付決定を行うまでの間 迅速な事務処理に努めるとともに 当該補助事業等の執行状況を的確に把握し やむを得ない事由により年度内に支出が終わらないことが見込まれる場合には 繰越制度を適切に活用するなど 年度内完成に固執するが故に建設現場の長時間労働を生じさせることがないよう 適正な措置を講じること (3) 余裕期間の積極的な設定余裕期間を積極的に設定し 柔軟な工期設定等を通じて 建設企業が人材 資機材を十分に確保できるよう努めること なお 国土交通省発注工事では 契約締結から工事着手までの期間のうち 契約ごとに 工期の 30% 以内かつ 4 ヶ月以内の範囲で設定される期間を 余裕期間 とし 余裕期間を設定する場合には 入札説明書及び特記仕様書に 余裕期間内は 主任技術者及び監理技術者の配置を要しない 等の旨を記載することとしている (4) 発注者の連携による地域単位での発注見通しの統合 公表建設企業が地域の実情等に応じて計画的に施工体制を確保できるよう 国や地方公共団体等の各発注者が連携して発注見通しを統合 公表する取組 ( 国土交通省とりまとめ ) について 積極的に参画すること なお 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 ( 平成 12 年法律第 127 号 ) に基づき 国及び地方公共団体の長は 毎年度 当該年度の公共工事の発注の見通しに関する事項 ( 少なくとも毎年度 1 回 10 月 1 日を目途として 当該事項を見直し 変更がある場合には 変更後の当該事項 ) を公表することが義務づけられている 8. 就労環境の改善について 建設工事に従事する者の安全及び健康の確保は 工事の品質を確保する上での大前提であり 最優先事項でもあることを踏まえ 受注者と協力し 安全で快適な労働環境づくりに努めていただくようお願いします なお 東京オリンピック パラリンピック関連施設である新国立競技場建設工事の現場においては 発注者と元請業者が協力し 例えば 作業員の健康管理体制の整備 ( 健康相談室の設置等 ) や 時間外労働の短縮化の促進 ( 原則 20 時閉所の徹底等 ) 疲労蓄積度の確認( ストレスチェックの実施等 ) などの取組が行われており 必要に応じて参考としていただくようお願いします 以上